JPH06146002A - 潤滑性に優れた水系金属表面処理組成物 - Google Patents

潤滑性に優れた水系金属表面処理組成物

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JPH06146002A
JPH06146002A JP31403992A JP31403992A JPH06146002A JP H06146002 A JPH06146002 A JP H06146002A JP 31403992 A JP31403992 A JP 31403992A JP 31403992 A JP31403992 A JP 31403992A JP H06146002 A JPH06146002 A JP H06146002A
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【目的】 金属表面をクロメート処理と有機樹脂コーテ
ィング処理を同時に行い、かつ潤滑性を付与する組成物
を提供する。 【構成】 6価クロムイオン又は6価クロムイオンと3
価クロムイオン、下記のアクリル系重合体エマルジョン
(a)及び、潤滑成分として平均粒径が7.0μm以下
であるポリエチレンワックスを乳化剤なしに水又は水溶
液に分散させたポリエチレンワックス水性ディスパージ
ョン(b)を含有する水系金属表面処理組成物であっ
て、該組成物中の全クロム量に対するアクリル系重合体
エマルジョン(a)の固形分重量比が0.2〜600で
あり、且つ、該組成物中の全固形分に対するポリエチレ
ンワックス水性ディスパージョン(b)の固形分重量比
が0.01〜0.50である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、金属表面をクロメート
処理と有機樹脂コーティング処理を同時に行い、かつ潤
滑性を付与する組成物に関するものである。
【0002】本発明の水系金属表面処理組成物(以下単
に本組成物と称す)は、素材として鉄鋼、アルミニウ
ム、亜鉛、錫、銅及びそれら金属の合金、さらにこれら
の金属めっき材などがコイル状、板状、線状あるいは棒
状などの形状を有する表面に適用され、これら素材に潤
滑性、成形加工性、耐食性、塗膜密着性、塗装後耐食性
及び耐指紋付着性などの機能を付与するものである。
【0003】
【従来の技術】潤滑性に優れた水系金属表面処理組成物
として特開平3−219086号公報の発明がある。こ
の組成物は6価クロムイオンまたは6価クロムイオンと
3価クロムイオン、特定アクリル系重合体エマルジョン
及びノニオン系乳化剤で水分散した潤滑剤とを必須成分
とするpH5以下のものである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、近年、
潤滑性、成形加工性、耐食性、塗膜密着性、塗装後耐食
性及び耐指紋付着性などの機能、特に潤滑性、耐水性並
びに耐アルカリ性がますます高度のものが要求されてい
るので、これらの性能は充分満足できるレベルではない
ことが分かった。本発明者らは、前記組成物を金属表面
に塗布して形成させた皮膜は潤滑性に優れるが更に高度
の潤滑性が求められる場合不十分である原因の調査検討
において、その因子としては前記組成物に含有する乳化
剤が挙げられることを見出し、できる限り該組成物中の
乳化剤含有量を低減して、高度の潤滑性の達成と耐水性
及び耐アルカリ性を向上させる必要を認めたのである。
したがって、本発明の目的は、前記組成物皮膜の耐水性
と耐アルカリ性を向上させ、更に高度の潤滑性を達成す
ることを課題とするものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは研究の過程
において、微細なポリエチレンワックスを乳化剤なしに
水に分散させたものが市販されていることを知り、この
分散体について更に検討した結果、ポリエチレンワック
スは平均粒径が7.0μm以下のものが好ましいこと
を、このワックス(b)の前記組成物に含まれる全固形
分に対する固形分重量比が0.01〜0.50が好適で
あること、かつ、アクリル系重合体エマルジョン(a)
の固形分と全クロムとの重量比が(a)の固形分/全ク
ロム=0.2〜600の範囲が適切であることを見いだ
した。そして此の様な好ましい条件のもとに改良された
水系表面処理組成物が金属表面に塗布された結果、優れ
た耐食性、塗膜密着性塗装後耐食性並びに耐指紋付着性
を有する皮膜が形成され、更に此の皮膜は高度の潤滑
性、成形加工性および優れた耐水性と耐アルカリ性とを
有することを見い出して本発明を成すに到った。
【0006】すなわち、本発明は、必須成分として6価
クロムイオン又は6価クロムイオンと3価クロムイオ
ン、下記のアクリル系重合体エマルジョン(a)及び、
潤滑成分として平均粒径が7.0μm以下であるポリエ
チレンワックスを乳化剤なしに水又は水溶液に分散させ
たポリエチレンワックス水性ディスパージョン(b)を
含有する水系金属表面処理組成物であって、該組成物中
の全クロム量に対するアクリル系重合体エマルジョン
(a)の固形分重量比が0.2〜600であり、且つ、
該組成物中の全固形分に対するポリエチレンワックス水
性ディスパージョン(b)の固形分重量比が0.01〜
0.50であることを特徴とする潤滑性に優れた水系金
属表面処理組成物に関する。 アクリル系重合体エマルジョン(a): 1)エチレン系不飽和カルボン酸単量体 2)(イ)下記一般式で表されるアルコキシメチレン
(メタ)アクリルアミドまたはその誘導体、
【0007】
【化2】
【0008】ただし、XはCn2n+1(n=0または
1) YはCm2m+1(m=0〜4) (ロ)アシッドホスホオキシアルキル(メタ)アクリレ
ートと、(ハ)アルコキシアルキル(メタ)アクリレー
トとから選ばれる1種叉は2種以上の単量体 3)アクリル系単量体から選ばれる1種叉は2種以上か
らなる骨格用単量体前記1)、2)および3)を実質的
にアニオン性乳化剤及びカチオン性乳化剤を含まず、ポ
リオキシエチレン−ポリオキシプロピレンブロックポリ
マー系乳化剤を含有するノニオン性乳化剤を用いて乳化
重合して得たアクリル系重合体エマルジョン。
【0009】以下、本発明について詳細に説明する。本
組成物に使用するアクリル系重合体エマルジョンに用い
られる、上記の1)、2)、3)の各群の単量体につい
て説明する。1)のエチレン系不飽和カルボン酸単量体
とは不飽和モノまたはジカルボン酸を指す。エチレン系
不飽和カルボン酸モノマーは、主として金属に対する密
着性に寄与するカルボキシル基の供給源である。
【0010】エチレン系不飽和カルボン酸モノマーは、
アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、イタコン酸、
マレイン酸あるいはフマール酸など及びこれらのハーフ
エステルを含む。
【0011】2)の(イ)の下記一般式:
【0012】
【化3】
【0013】ただし、XはCn2n+1(n=0または
1) YはCm2m+1(m=0〜4) で表されるアルコキシメチレン(メタ)アクリルアミド
またはその誘導体とは、n=0のときはアルコキシメチ
レンアクリルアミドであり、n=1のときはアルコキシ
メチレンメタクリルアミドであり、またm=0のときは
メトキシメチレン(メタ)アクリルアミド、m=1のと
きはエトキシメチレン(メタ)アクリルアミド、m=2
のときはブトキシメチレン(メタ)アクリルアミド、m
=3のときはプロパノキシメチレン(メタ)アクリルア
ミド、m=4のときはブトキシメチレン(メタ)アクリ
ルアミドである。
【0014】2)の(ロ)のアシッドホスホオキシアル
キル(メタ)アクリレートは、アシッドホスホオキシメ
チルアクリレート、アシッドホスホオキシエチルアクリ
レート、アシッドホスホオキシプロピルアクレリート、
アシッドホスホオキシメチルメタクリレート、アシッド
ホスホオキシエチルメタクリレート、アシツドホスホオ
キシプロピルメタクリレートなどを含む。
【0015】2)の(ハ)のアルコキシアルキル(メ
タ)アクリレートは、メトキシメチルアクリレート、メ
トキシエチルアクリレート、メトキシメチルメタクリレ
ート、メトキシエチルメタクリレート、エトキシメチル
アクリレート、エトキシエチルアクリレート、エトキシ
メチルメタクリレート、エトキシエチルメタクリレー
ト、などを含む。
【0016】前記(イ)、(ロ)、(ハ)の単量体は、
それぞれが有するN−置換メチロール基(CH2 =C−
CONH)、リン酸基、アルコキシル基により、本発明
の組成物が形成する金属表面処理皮膜と、その上に塗装
した塗膜との密着性向上に寄与する。したがって、
(イ)、(ロ)、(ハ)の少なくとも1群以上を使用す
れば上記の効果が得られる。
【0017】3)のアクリル系単量体は皮膜の骨格にな
るものであり、メチルアクリレート、メチルメタクリレ
ート、エチルアクリレート、エチルメタクリレート、イ
ソプロピルアクリレート、イソプロピルメタクリレー
ト、n−ブチルアクリレート、n−ブチルメタクリレー
ト、2−エチルヘキシルアクリレート、2−エチルヘキ
シルメタクリレート、オクチルアクリレート、オクチル
メタクリレート、アクリロニトリル、メタクリロニトリ
ル、アクリルアミド、メタクリルアミドなどを含むもの
であり、2)の(ハ)のアルコキシアルキル(メタ)ア
クリレートも含むものである。なお、1)及び2)の
(イ)(ロ)は塗膜の密着性に寄与するが骨格にはなら
ない。また、所望により 3)に含有させるこれらの共
重合性単量体は、スチレン、メチルスチレン、酢酸ビニ
ル、α位で分岐した飽和カルボン酸のビニルエステル、
塩化ビニル、ビニルトルエン、エチレンなどを含む。
【0018】したがって、3)には次の組合せがある。 イ)アクリル系単量体(ただし2)の(ハ)のアルコキ
シアルキル(メタ)アクリレートとは共通しない別種の
アクリル系単量体)、 ロ)イ)+アルコキシアルキル(メタ)アクリレート
(すなわち一部が2)の(ハ)のアルコキシアルキル
(メタ)アクリレートと共通し、残部は共通しないアク
リル単量体) ハ)アルコキシアルキル(メタ)アクリレート(すなわ
ち、2)の(ハ)と3)が同種) ニ)イ)+共重合性単量体 ホ)ロ)+共重合性単量体 ヘ)ハ)+共重合性単量体
【0019】3)の単量体は、本発明で使用するアクリ
ル系重合体エマルジョンの骨格を構成し、樹脂の硬軟、
可とう性、強伸度、弾性、粘着性、ガラス転移温度、最
低造膜温度などの物性及び化学的安定性などを支配する
基本単量体である。しかる理由で、アルコキシアルキル
(メタ)アクリレートは2)の単量体として密着性向上
作用を有するとともに、骨格単量体としても作用する特
異な単量体であるため、本発明の構成は、アルコキシア
ルキル(メタ)アクリレートが2)と3)の両方に含ま
れることもある特殊な構成とした。
【0020】従って、例えば、1)、2)および3)の
単量体の組合せのーつとして、アクリル酸−アルコキシ
アルキル(メタ)クリレート−スチレンの組合せもある
が、得られたアクリル系重合体エマルジョンは本発明で
用いる有機化合物として十分な効果を奏する。各有機化
合物は特にその量に制限はない。
【0021】本発明に使用するアクリル系重合エマルジ
ョンの重合時に使う乳化剤はノニオン性乳化剤である
が、そのノニオン性乳化剤とは、ポリオキシエチレンア
ルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェノー
ルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエステル、ソ
ルビタンアルキルエステル、ポリオキシエチレンソルビ
タンアルキルエステル、ポリオキシエチレン−ポリオキ
シプロピレンブロックポリマーなどを含む。ノニオン性
乳化剤に有意量のイオン性の乳化剤が共存する場合は、
ポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレンブロックポ
リマー(EO−POブロックポリマー)を用いたとして
も、生成したエマルジョンのクロム酸混和安定性は著し
く低下することから、イオン性の乳化剤は併用すべきで
はない。
【0022】重合時に用いるノニオン性乳化剤としてポ
リオキシエチレン−ポリオキシプロピレンブロックポリ
マー(EO−POブロックポリマー)を用いることによ
りクロム酸との混和安定性が著しく優れたエマルジョン
を得ることができる。ノニオン性乳化剤中にEO−PO
ブロックポリマーが占める割合は好ましくは5〜100
重量%(以下単に%で示す)範囲にある。
【0023】EO−POブロックポリマーの割合を多く
していくと、アクリル系重合体が粗大なエマルジョン粒
子を生成する傾向が顕著になることが認められるが、最
終的に得られるエマルジョンの温度を低めに設定するこ
とにより、EO−POブロックポリマー単独使用による
重合によっても粗大エマルジョンの生成を避けることが
出来る。EO−POプロックポリマーのノニオン性乳化
剤中に占める割合は5%未満であるとクロム酸との混和
性は十分ではないため、5%以上の割り合いが好まし
い。
【0024】本組成物に使用する6価クロムイオンは、
クロム酸もしくはクロム酸塩化合物が挙げられ、クロム
酸は通常、無水クロム酸または無水クロム酸の水溶液の
形で、クロム酸塩はクロム酸または重クロム酸のアンモ
ニウム、カリウム、ストロンチウム、バリウム、ナトリ
ウム、亜鉛などの塩が挙げられる。6価クロムイオンは
強酸化作用を有し、鋼、亜鉛、アルミニウムなどの金属
表面を不動態化して金属を腐食から保護する作用をも
つ。また6価クロムイオンの一部は皮膜形成時の乾燥工
程での加熱のもとでアクリル重合体エマルジョン中の乳
化剤や樹脂中の官能基で還元され、3価クロムイオンと
なり、6価クロムの水難溶性化と樹脂高分子化に役立つ
ものである。
【0025】本組成物において6価クロムイオンと3価
クロムイオンとを使用する場合は、例えば6価クロムイ
オンを含む水溶液にメタノール、エタノール、蓚酸、デ
ンプン、過酸化水素、ピロガロールなどの還元剤を加え
て、6価クロムイオンを部分還元したものが挙げられ
る。その他の例としては炭酸クロム又は水酸化クロムを
クロム酸水溶液に適量溶解させたものでもよい。しかし
ながら、6価クロムイオンのみを使用する場合は6価ク
ロムイオンが水に溶解し易い性質があるので本組成物に
て形成された被膜に水分が侵入すると被膜からクロムが
離脱し易いので、より好ましくは6価クロムイオンと3
価クロムイオンが共存したものを使用するのがよい。こ
の場合に、3価クロムは6価クロム(クロム酸)と結合
して水に難溶のクロム酸クロムを形成し、6価クロムの
膜中から溶出を抑制することにより防錆効果の維持と環
境汚染防止の目的に寄与するのである。3価クロムイオ
ン供給源として硝酸クロム、硫酸クロム、塩化クロム、
クロムみょうばんなど対アニオンが組成液中に残る化合
物は、クロム酸クロムの生成量を減少させるので好まし
くない。3価クロムは、前途のごとく6価クロムとクロ
ム酸クロムを形成する以外にアクリル重合体樹脂のクロ
スリンク(架橋作用)による高分子化をもたらし、その
結果、金属上に形成された被膜の耐アルカリ脱脂性を向
上させる役割を持つものである。
【0026】アクリル系重合体エマルジョン樹脂と6価
クロムイオンまたは6価クロムイオンと3価クロムイオ
ンとの比率は、樹脂/全クロム=0.2〜600であ
る。この比が600を超えると皮膜の耐アルカリ性が不
十分となり、形成された皮膜のアルカリ脱脂後の耐食性
及び上塗り塗料との塗膜密着性が低下し、一方この比が
0.2未満では、形成皮膜は十分な耐水性、耐アルカリ
性、上塗り塗料との塗膜密着性が得られない。
【0027】6価クロムイオンと3価クロムイオンとの
比率は、リン酸などの他の酸を含まない場合、薬剤の安
定性の面でCr3+/Cr6+(重量比、以下同様)が1以
下であることが好ましく、またリン酸などの酸を含有す
る場合は6価クロムの耐食性を十分に期待するためにC
3+/Cr6+が5以下であることが好ましい。
【0028】本組成物のpHは特定するものではない
が、特に好ましくは5以下である。pHが5を超えると
本組成物皮膜と素地金属との密着性が低下するため、該
皮膜が高度の深絞り加工時に剥離を起し易くなり、潤滑
特性も低下する。又上塗り塗装の場合は密着不良を起し
易い。しかしながら、高度の加工性または高度の塗装付
着性を要しない場合は必ずしもpH5以下に限定するも
のではない。必要に応じて、本発明組成物のpHはクロ
ム酸、リン酸またはアンモニア水等で調節することがで
きる。
【0029】本組成物が最も特徴とするところは、潤滑
剤が、平均粒径で7.0μm以下、より好ましくは平均
粒径が0.3〜3.0μmのポリエチレンワックスであ
り、また乳化剤を使用せずに水または水溶液に分散させ
たものである。水溶液としては分散性を高めるために弱
アルカリ性とすることができる。上記の分散は高温加圧
下のもとでポリエチレンワックスの平均粒径に応じた適
切な撹拌条件のもとで実施される。この微粒ポリエチレ
ンワックスの軟化点は特定するものではないが通常80
℃〜150℃である。このポリエチレンワックスは潤滑
剤として評価し得る性能を有すると共に、乳化剤を含有
しないので、乳化剤としてはアクリル系重合体エマルジ
ョンに含有する分のみであるので、それだけ本組成物中
の乳化剤の含有量を低減させることができ、従って、本
組成物皮膜の耐食性及び塗装後耐食性を保持して、か
つ、潤滑性、成形加工性、皮膜の耐水性と耐アルカリ性
を向上させることができるのである。皮膜の耐水性は、
本質的には水分による皮膜の劣化度合を示す性能であ
り、実用的には上塗り塗膜密着性の劣化度合を表す指標
である。親水性の乳化剤が皮膜に残存する場合、上塗り
塗膜を通して水分を吸蔵してふくれを生じ易くなり、塗
膜密着性を低下させる。皮膜の耐水性の試験方法として
は、上塗り塗装板の沸水浸漬テスト後の密着性を評価す
る。耐アルカリ性についてはアルカリ脱脂有無での皮膜
劣化度合を示す性能であり、耐水性と同様に皮膜に乳化
剤が残存する場合耐水性と同様にアルカリ脱脂後の耐食
性が低下する。
【0030】本発明にて使用する微細なポリエチレンワ
ックスのケン化価については特定するものではないが、
ケン化価が小さい方が、前記潤滑性等の性能が良好とな
り、ケン化価が0の場合に最も良好な性能が得られる。
また、ポリエチレンワックスの平均粒径は7.0μm以
下が必要であり7.0μmを超えると潤滑性が低下し高
度の成形加工性に耐えられなくなる。
【0031】尚、ポリエチレンワックス微粒子分散体の
代わりにパラフィンワックス微粒子分散体の使用も可能
であるが、前者の方が潤滑性能の面で優れており特に軟
化点が80〜150℃の場合に前者は最高の潤滑性を発
揮するのである。
【0032】次に潤滑剤の配合量は、本組成物に含まれ
る全固形分に対する固形分重量比で0.01〜0.50
である。特に0.05〜0.40の固形分比が好まし
い。潤滑剤の配合量が固形分重量比で0.01未満では
潤滑性が十分でなく、また0.50超では形成された皮
膜の強度、素地金属に対する密着性が低下し、耐食性、
耐アルカリ性、耐溶剤性、塗膜密着性などが低下するの
みならず、潤滑剤の量が多いにも拘らずその特性が発揮
できないので潤滑性も低下する。
【0033】本発明の実施態様において本組成物に必要
に応じて更に添加することができるリン酸イオンは、オ
ルソリン酸のような酸、リン酸アンモニウム、リン酸ナ
トリウム、リン酸カリウムのようなアルカリ金属のリン
酸塩、リン酸カルシウム、リン酸マグネシウムのような
アルカリ土類金属のリン酸塩、リン酸亜鉛、リン酸マン
ガン、リン酸ニッケル、リン酸コバルト、リン酸アルミ
ニウムなどの金属リン酸塩の形である。これらのリン酸
イオンは本発明の組成物の皮膜形成時に6価クロムイオ
ンのエマルジョン樹脂による還元を容易にすると同時
に、3価クロムと化合して難溶性塩を形成し皮膜の耐ア
ルカリ性、耐食性を向上させることができる。
【0034】また、本発明の別の実施態様において、本
組成物に必要に応じて更に添加することができるシリカ
は1次粒径が5μm〜100μmの大きさの微粒子状の
シリカを使用でき、気相法、液相法のいずれの方法で製
造されたものでもよい。シリカはその表面に6価クロム
を吸着、固定化し、6価クロムの溶出を抑制することに
より皮膜の耐食性向上させる作用効果をもつものであ
る。
【0035】本発明の別の実施態様において、本組成物
に必要に応じて更に添加することができるコバルト、ニ
ッケル、マンガン、亜鉛などから選ばれる重金属イオン
は、皮膜形成時にクロム酸と結合して水に難溶なクロム
酸重金属塩を形成し、耐アルカリ性を一層向上させる。
従って、本組成物皮膜を形成した金属板をプレス加工し
た後加工面に残留した潤滑皮膜のプレス機による汚れを
除去するために、その表面をアルカリ洗浄した際に洗浄
による皮膜の劣化が抑制できる顕著な作用をもつもので
ある。前記の重金属イオンの供給としては炭酸塩、水酸
化物、酸化物またはリン酸塩で供給することが望まし
く、硫酸塩、塩化物、硝酸塩などはクロム酸との難溶性
塩の形成を阻害するので好ましくない。
【0036】本発明の別の実施態様において、本組成物
に必要に応じて添加し得るフッ素イオンは皮膜形成時に
金属表面の活性化に寄与し、金属素地と皮膜の密着性ひ
いては金属と塗膜との密着性を改善する作用を有する。
フッ素イオンはフッ化水素酸、ジルコンフッ化水素酸、
珪フッ化水素酸、チタンフッ化水素酸、ホウフッ化水素
酸及びこれらの酸のアンモニウム塩、リチウム塩、ナト
リウム塩、カリウム塩などのフッ素化合物の形で添加す
ることができる。
【0037】次に、これら四種の添加物の添加量は特定
するものではないが、リン酸イオンの場合PO4 /全C
r重量比で0.05〜5、シリカ微粒子の場合はSiO
2 /全Cr重量比で0.1〜10、フッ素化合物の場合
はF/全Cr重量比で0.01〜0.5の範囲が適当で
あり、この範囲から外れると添加の効果が少ない。コバ
ルト、ニッケル、亜鉛、マンガンの金属イオンの場合、
これらの金属イオンと3価クロムイオンの合計したグラ
ム当量がクロム酸とリン酸と合計したグラム当量との
比;(金属イオン+Cr3+)/(CrO4 2- +PO
4 3- )≦0.5でなければ、組成物中に沈澱が生じるこ
とがあるのでこの範囲内が望ましい。
【0038】本組成物が塗布される素材としては鉄、ア
ルミニウム、亜鉛、錫、銅及びこれら金属の合金類(合
金元素として、例えば亜鉛、アルミニウム、クロム、ケ
イ素、コバルト、ジルコニウム、錫、チタン、鉄、鉛、
ニッケル、マグネシウム、マンガン、モリブデン、リン
などの一種叉は二種以上が添加される)が対象になり、
さらにこれら金属素材のめっき材、ならびにこれら金属
素材及びそのめっき材のクロメート処理材、リン酸塩処
理材、陽極処理材なども対象になる。処理対象になる素
材の形状は、板状、コイル状、棒状、綿状などである。
これらの形状の金属素材に組成物を塗布する塗装方法
は、例えばはけ塗り、スプレー塗り、ロール塗り、シャ
ワー塗り、浸漬塗りなどが適用できる。塗布後の乾燥・
硬化方法としては熱風炉、赤外線炉、高周波炉などが使
用できる。
【0038】本発明の金属処理組成物を亜鉛めっき鋼
板、冷延鋼板、アルミニウム板などの金属板上に塗布し
たとき好ましいクロム付着量は1〜500mg/m2
更に好ましくは5〜300mg/m2 の範囲である。ク
ロム付着量は1mg/m2 未満では十分な耐食性がえら
れず、500mg/m2 を越えるとCrによる着色が著
しく、商品価値が劣化する。同じく好ましい樹脂の付着
量は10〜3000mg/m2 、更に好ましく50〜2
000mg/m2 の範囲である。10mg/m2未満で
は潤滑性、耐食性、耐指紋性、塗膜密着性において樹脂
の効果が十分とは言えない。樹脂の付着量が3000m
g/m2 を越しても耐食性、耐指紋性、塗膜密着性は向
上しないばかりか、溶接性が低下するため溶接加工をす
る用途には適していない皮膜となる。また、本組成物中
の3価クロムとアクリル重合体とのクロスリンクには到
達板温で80℃以上が好ましいがこの乾燥・硬化条件は
現在の表面処理鋼板ラインで十分対応できる。
【0039】
【作用】クロメート含有水系樹脂は強酸かつ強酸化剤で
あるクロム酸を含有している為、潤滑剤が有機化合物の
場合凝集作用と酸化作用を受け、配合した塗工剤が沈
澱、凝集、増粘ゲル化などの現象を起こしやすい。叉ク
ロメート含有水系樹脂に潤滑剤を添加すると塗装後の塗
膜密着性等が低下する問題がある。本発明は、クロメー
ト含有水系アクリル重合体エマルジョンに潤滑剤を安定
に分散させ、それにより形成した皮膜に優れた潤滑性、
耐食性、塗装性を付与し、かつ優れた耐水性と耐アルカ
リ性も付与する手段につき研究した結果、潤滑成分とし
て平均粒径が7.0μm以下であるポリエチレンワック
スを乳化剤なしに水または水溶液に分散させたポリエチ
レンワックス水性ディスパージョンを適用することが有
効であることを見い出して成されたものである。
【0040】
【発明の効果】上記のように塗布・乾燥して形成された
本組成物皮膜は潤滑性が優れているため、一般的な加工
度の成形品については、プレス油などの塗布なしに表面
処理材をそのまま金型の摩耗、板切れもなく、深絞り加
工などのプレス成形加工をすることができる。また、過
酷で特殊なプレス加工を行う場合、時には本組成物皮膜
の上にさらにプレス油を塗布することが必要になる場合
もあり得るが、この場合プレス油はあくまでも補助的な
手段に過ぎない。また本組成物皮膜はアルカリ洗浄、溶
剤洗浄(トリクロロエタンなど)に対しても優れた耐ア
ルカリ性、耐溶剤性を示し、洗浄前後による皮膜の性能
の差がほとんどみられないのである。したがって、金属
素材の製造、取扱い、保管中に生じた汚れを洗浄してか
らプレス加工を行う際にも、すぐれた成形性が発揮され
る。 同時に本組成物皮膜は金属を防食する耐食性、金
属に対する密着性も優れている。これらの性能が優れて
いるために、処理材を長期間保管した状態においても金
属の腐食が起らず、また下地素材の腐食や皮膜の剥離等
により、潤滑剤が脱落し、潤滑性が劣化することも避け
られる。本組成物での処理を例として表面処理鋼板の製
造について以下実施例により説明する。
【0041】
【実施例】アクリル系重合体エマルジョンの製造例1:
次の方法によりアクリル系重合体エマルジョンを得た。 A)モノマー乳化液組成 イオン交換水 150重量部 エマルゲン840S1) 16重量部 プロノン#2082) 2重量部 メタクリル酸 4重量部 メトキシメチレンアクリルアミド 2重量部 n−ブチルアクリレート 82重量部 メチルメタクリレート 112重量部 B)4ツ口フラスコへの仕込み組成 イオン交換水 116重量部 エマルゲン840S 4重量部 プロノン#208 4重量部 C)重合開始剤 5%過硫酸アンモン水溶液 10重量部 5%酸性亜硫酸ソーダ水溶液 10重量部1) ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテルの70
%水溶液(花王(株)製、ノニオン性活性剤)2) ポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレンブロック
ポリマー(日本油脂(株)製、ノニオン性乳化剤)
【0042】(重合法)容量1Lの撹拌装置を備えた4
つ口のフラスコに、B)を仕込んで加熱溶解し、40℃
に保つ。別に容量0.5Lの共栓付き三角フラスコに
A)を仕込んでモノマー乳化液を作り、その10%を、
5%過硫酸アンモン水溶液及び5%酸性亜硫酸ソーダ水
溶液各25%に加えて、40〜50℃で15〜20分間
重合を行う。次いで、A)の残り90%と、重合開始剤
の各々の残り75%を40〜50℃において3時間かけ
て滴下する。滴下終了後40〜50℃で1時間保持して
重合を完結する。得られたエマルジョンは濃度43%、
粘度300mPa・s、pH2.2であった。
【0043】アクリル系重合体エマルジョンの製造例2
〜4:(製造例:3、4は比較製造例)製造例1におい
て、モノマー組成及び乳化剤を表1のように変えて重合
して、アクリル系重合体エマルジョンを得た。
【0044】
【表1】 製造したアクリル系重合体エマルジョンのモノマー、乳化剤 製 造 例 モノマー及び乳化剤 1 2 3 4 モノマー メタクリル酸 4 4 − 4 メトキシメチレンアクリルアミド 2 − 2 − メトキシエチルアクリレート − 82 − − n−ブチルアクリレート 82 − 82 82 メチルメタクリレート 112 − 116 114 スチレン − 114 − − 乳化剤 エマルゲン840S 14 14 14 10 プロノン208 6 6 6 6 エマール 01) − − − 4 エマルジョン中の固形分(%) 43 43 43 43 注 1 )ラウリル硫酸ソーダ(花王(株)製アニオン性乳化剤)
【0045】潤滑剤1(本組成物用) 本組成物用潤滑剤(潤滑成分)として下記ポリエチレン
ワックス分散液を使用した。ハイワックス220P(ポ
リエチレンワックス、ケン化価0、軟化点113℃、三
井石油化学工業(株)製)を0.2重量部(以下単に部
で示す)のKOHを70重量部の脱イオン水に溶解して
できたアルカリ性水溶液に高温高圧下で分散させてでき
た固形分濃度40%で、乳化剤を含有しない平均粒径が
1.5μmのポリエチレンワックス分散液。
【0046】潤滑剤2(比較組成物用) ハイワックス220Pの40部を融点まで加熱し、これ
にソルビタンモノステアレート2部、ポリオキシエチレ
ンステアリルエーテル3部を加え、一緒に溶融した。溶
融物を97℃に保ちながら、95〜99℃の脱イオン水
55部を撹拌下(回転数=100rpm)で10分間に
わたり添加した。添加後、ワックス−脱イオン水系混合
液を撹拌下(回転数=20rpm)で放冷し、室温にも
どした。ワックスの濃度を脱イオン水で調整、濃度40
%のパラフィンワックス乳化物を得た。
【0047】潤滑剤3、4 潤滑剤3と4はそれぞれ表2示したものを使用した。潤
滑剤2と同様な方法で作製した。
【0048】潤滑剤5 潤滑剤1と同様な方法で分散した平均粒径12μmのポ
リエチレンワックス分散液。
【0049】
【表2】 潤滑剤の分散例で使用した潤滑剤及び乳化剤 潤 滑 剤 分 散 物 例 潤滑剤及び乳化剤 1 2 3 4 5 潤 ポリエチレンワックス 1) 40 40 − − 40 滑 パラフィンワックス 2) − − 40 − − 剤 酸化型ポリエチレン 3) − − − 40 − 乳 ソルビタン モノステアレート − 2 2 − − 化 ポリオキシエチレン ステアリルエーテル − 3 3 − − 剤 アルキロールアミド 乳化剤4) − − − 4 − 乳化剤のイオン性 − ノニオ ノニオ ノニオ ン性 ン性 ン性 平均粒径 (μm) 1.5 2.0 2.0 1.5 12 (注)1 ) ハイワックス220P 三井石油化学工
業(株)製 2 ) パラフィンワックス155(融点69℃)日本精
蝋(株)製 3 ) ハイワックス220MP 三井石油化学工業
(株)製 4 ) プロファン2012e 三洋化成工業(株)製
【0050】実施例1〜5:アクリル系重合体エマルジ
ョンの製造例1、2で得たアクリル系重合体エマルジョ
ンと6価クロム(CrO3 を用いた)またはそれに3価
クロム(メタノールで6価クロムを部分還元した)など
の無機化合物と、潤滑剤の分散例1で得た潤滑剤乳化剤
とを混合し、第3表に示す内容の本発明による金属表面
処理組成物を得た。これらの組成物を清浄な電気亜鉛め
っき鋼板(めっき目付量=20g/m2 )に乾燥皮膜量
が1g/m2 となるようロールで塗布し、到達板温が1
00℃となるように熱風で乾燥し供試材とした。本組成
物の安定性を表3に、比較組成物の安定製を表4に、各
供試材の性能試験結果を表5に示す。
【0051】
【表3】
【0052】
【表4】
【0053】注:表中 1)全クロム 2)全固形分 3)無機化合物を除き、アクリル系重合体エマルジョ
ン、潤滑剤分散物の有り姿の重量%、残りは脱イオン水
【0054】
【表5】
【0055】比較例1〜11:製造例3、4で得たアク
リル系重合体エマルジョン、及び潤滑剤の分散例2、
3、4、及び6価クロム、3価クロムなどの無機化合物
とを混合し、表3に示す内容の金属表面処理組成物を比
較例として得た。これらの組成物を上記方法と同様の方
法で塗布・乾燥し、比較組成物の処理材とした。比較組
成物の安定性を表4に、及び処理材の性能試験結果を表
4に示す。
【0056】試験方法、及び評価基準 1.安定性 金属表面処理組成物を40℃の恒温条件に置き、ゲル化
するまでの日数を観察した。○−30日以上、△−7日
以上30日未満、×−7日未満
【0057】2.未塗装板耐食性 本発明実施例及び比較の供試材をさらに塗料で塗装する
ことなく塩水噴霧試験(JIS−Z−2371)を14
4時間実施し、発錆面積を測定した。○−発錆面積:5
%未満、△−発錆面積:5〜30%、×−発錆面積:3
1%以上 3.塗装板耐食性 供試板、比較材に焼付型メラミンアルキッド塗料を塗装
(塗膜厚は20±2μm)し、この塗膜に素地金属まで
達するきずをカッターで入れ、塩水噴霧試験を200時
間実施した。実施後テープ剥離し、きずからの平均両側
剥離巾を測定して、塗装板耐食性を評価した。○−剥離
なし、△−剥離巾:0.1〜3.0mm、×−3.1m
m以上 4.塗膜密着性 上記塗板を沸騰水中で2時間浸漬後、塗板に1mm四方
100個のますを刻み、エリクセン試験機で5mm押し
出した後、テープ剥離し塗膜の残存する目数を測定し
た。○−残存目数:95〜100、△−残存目数:90
〜94、×−残存目数:89以下 5.深絞り性 ブランク径:96mmφ、ポンチ:40mmφ、しわ押
え圧:1.0〜2.0tonの条件で円筒深絞り試験を
実施した。 ○−しわ押え力2.0tonで絞り抜け、皮膜のビルド
アップなどの異常が観察されない。 △−しわ押え力1.0tonで絞り抜け、皮膜のビルド
アップなどの異常が観察されない。 ×−しわ押え圧1.0tonで絞り抜けず。 尚、上記試験中1〜4は本発明実施例の供試材及び比較
材のアルカリ脱脂前後の2通りで実施した。アルカリ脱
脂は中アルカリ脱脂剤(日本パーカライジング製パルク
リーンN−364S)を濃度:2.0%で使用し、液温
=60〜65℃、スプレー圧0.8kg/cm2 で2分
間スプレー洗浄した。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 必須成分として6価クロムイオン又は6
    価クロムイオンと3価クロムイオン、下記のアクリル系
    重合体エマルジョン(a)及び、潤滑成分として平均粒
    径が7.0μm以下であるポリエチレンワックスを乳化
    剤なしに水又は水溶液に分散させたポリエチレンワック
    ス水性ディスパージョン(b)を含有する水系金属表面
    処理組成物であって、該組成物中の全クロム量に対する
    アクリル系重合体エマルジョン(a)の固形分重量比が
    0.2〜600であり、且つ、該組成物中の全固形分に
    対するポリエチレンワックス水性ディスパージョン
    (b)の固形分重量比が0.01〜0.50であること
    を特徴とする潤滑性に優れた水系金属表面処理組成物。 アクリル系重合体エマルジョン(a): 1)エチレン系不飽和カルボン酸単量体 2)(イ)下記一般式で表されるアルコキシメチレン
    (メタ)アクリルアミドまたはその誘導体、 【化1】 ただし、XはCn2n+1(n=0または1) YはCm2m+1(m=0〜4) (ロ)アシッドホスホオキシアルキル(メタ)アクリレ
    ートと、(ハ)アルコキシアルキル(メタ)アクリレー
    トとから選ばれる1種又は2種以上の単量体 3)アクリル系単量体から選ばれる1種叉は2種以上か
    らなる骨格用単量体前記1)、2)および3)を実質的
    にアニオン性乳化剤及びカチオン性乳化剤を含まず、ポ
    リオキシエチレン−ポリオキシプロピレンブロックポリ
    マー系乳化剤を含有するノニオン性乳化剤を用いて乳化
    重合して得たアクリル系重合体エマルジョン。
  2. 【請求項2】 さらにリン酸イオン、および金属イオン
    としてコバルトイオン、ニッケルイオン、マンガンイオ
    ン、亜鉛イオンから選ばれる1種または2種以上のイオ
    ンを含有する請求項1に記載の潤滑性に優れた水系金属
    表面処理組成物。
  3. 【請求項3】 さらにシリカを含有する請求項1または
    2に記載の潤滑性に優れた水系金属表面処理組成物。
  4. 【請求項4】 さらにフッ素イオンを含有する請求項
    1、2または3のいずれか1項記載の潤滑性に優れた水
    系金属表面処理組成物。
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