JP3669747B2 - エポキシ樹脂組成物 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、エポキシ樹脂組成物に関し、詳しくは、リン酸類とグリシジル化合物との反応物で、P−OH結合を少なくとも1個有するリン酸エステル化合物、およびポリグリシジル化合物からなり、特に、塗料、接着剤等として用いられるエポキシ樹脂組成物に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】
エポキシ樹脂および硬化剤からなるエポキシ樹脂組成物は各種基材に対する接着性、耐熱性、耐薬品性、電気特性、機械特性など多くの優れた特性を有しており、広い産業分野、特に、塗料あるいは接着剤の分野で賞用されている。
【0003】
これらの用途に使用する場合、各種の有機溶剤を用いた溶剤タイプ、有機溶剤を用いない無溶剤タイプ、またはエポキシ樹脂組成物を水に分散させた水性タイプとして使用されているが、これらのエポキシ樹脂組成物を既に錆の発生している材料、あるいは、錆の発生しやすい湿潤雰囲気下等で使用される材料に適用した場合には防食性能が不十分であった。特に、既に錆の発生している鋼板(錆面鋼板)等に適用した場合には、その防食性能が全く不十分となるばかりでなく密着不良を起こすため、予め錆を十分に落とすなどの煩雑な下地処理が必要とされていた。また、このような下地処理を施したとしても、湿潤雰囲気下等の錆の発生しやすい環境で使用した場合には、防食性能および密着性が低下してしまう欠点を解消することはできなかった。
【0004】
このため、エポキシ樹脂にキレート形成能を有する官能基を持たせることによって、錆面鋼板に適用した場合にも防食性を維持しようとする試みもなされており、例えば、特開昭51−143620号公報には特定のジホスホン酸とエポキシ樹脂の反応物が提案され、特開昭58−63758号公報にはリン酸化合物で処理したエポキシ樹脂とエポキシ樹脂用硬化剤を含有する被覆用組成物が提案されている。
【0005】
このようなリン酸化合物で処理したエポキシ樹脂を用いることによって、初期の密着性および防食性はある程度改善されるものの、過酷な条件下に長時間暴露した場合の効果は不十分であり、実用上は満足しえるものではなかった。
【0006】
従って、本発明の目的は、過酷な条件下に長時間暴露した場合にも、密着性および防食性の良好な被膜を形成することのできるエポキシ樹脂組成物を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明者等は、鋭意検討を重ねた結果、リン酸類と特定のグリシジル化合物との反応物で、P−OH基含有する新規リン酸エステル化合物、およびエポキシ基を有するポリグリシジル化合物からなるエポキシ樹脂組成物が、上記目的を達成し得ることを知見した。
【0008】
本発明は、上記知見に基づきなされたもので、(A)リン酸類と下記〔化2〕(前記〔化1〕と同じ)の一般式(I)で表されるモノグリシジルエーテル化合物または一般式(II)で表されるモノグリシジルエステル化合物との反応物であり、P−OH結合を少なくとも1個有するリン酸エステル化合物、および(B)分子中に少なくとも1個より多くのエポキシ基を有するポリグリシジル化合物からなり、上記(A)成分であるリン酸エステル化合物と上記(B)成分であるポリグリシジル化合物とが反応しているエポキシ樹脂組成物を提供するものである。
【0009】
【化2】
Figure 0003669747
【0010】
また、本発明は、上記エポキシ樹脂組成物およびエポキシ樹脂用硬化剤を含有してなる硬化性組成物を提供するものである。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明のエポキシ樹脂組成物について、詳細に説明する。
【0012】
本発明に使用される(A)成分であるリン酸エステル化合物は、リン酸類と上記一般式(I)で表されるモノグリシジルエーテル化合物または上記一般式(II)で表されるモノグリシジルエステル化合物との反応物であり、P−OH結合を少なくとも1個有するものである。
【0013】
ここで、上記リン酸類としては、例えば、オルトリン酸、メタリン酸、ピロリン酸、亜リン酸、ポリリン酸、ホスホン酸、メタンホスホン酸、ベンゼンホスホン酸、1−ヒドロキシエタン−1,1−ジホスホン酸、ホスフィン酸などがあげられる。
【0014】
また、上記一般式(I)および(II)において、RおよびR’で示されるアルキル基としては、例えば、メチル、エチル、プロピル、ブチル、アミル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、ノニル、デシル、ウンデシル、ドデシル、トリデシル、テトラデシル、ペンタデシル、ヘキサデシル、ヘプタデシル、オクタデシル、ノナデシル、エイコシル、ヘンエイコシル、ベヘニルなどの直鎖または分岐のアルキル基があげられ、アルケニル基としては、上記アルキル基中に1乃至3個の不飽和結合を有するものなどがあげられ、アリール基としては、例えば、フェニル基、ナフチル基などがあげられ、これらのアリール基は1乃至3個の上記アルキル基で置換されたものでもよく、これらの置換基は一緒になって環を形成することもできる。
【0015】
また、上記一般式(I)で表されるモノグリシジルエーテル化合物および上記一般式(II)で表されるモノグリシジルエステル化合物は、エピクロルヒドリンおよびアルコール類、フェノール類または有機カルボン酸などから常法により容易に得られるものである。
【0016】
上記一般式(I)で表されるモノグリシジルエーテル化合物としては、例えば、メチルグリシジルエーテル、ブチルグリシジルエーテル、2−エチルヘキシルグリシジルエーテル、sec−ブチルフェニルグリシジルエーテル、2−メチルオクチルグリシジルエーテル、オクタデシルグリシジルエーテル、フェニルグリシジルエーテル、トリルグリシジルエーテル、オクチルフェニルグリシジルエーテルなどがあげられる。
【0017】
また、上記一般式(II)で表されるモノグリシジルエステル化合物としては、例えば、酢酸、プロピオン酸、酪酸、吉草酸、カプロン酸、エナント酸、カプリル酸、ペラルゴン酸、2−エチルヘキシル酸、ネオデカン酸、カプリン酸、ウンデカン酸、ラウリン酸、トリデカン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、イソステアリン酸、ステアリン酸、12−ヒドロキシステアリン酸、ベヘニン酸、モンタン酸、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、エライジン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレイン酸、安息香酸、p−第三ブチル安息香酸、トルイル酸、ジメチル安息香酸、エチル安息香酸、クミン酸、n−プロピル安息香酸などの一価カルボン酸のグリシジルエステル化合物があげられる。
【0018】
上記(A)成分であるリン酸エステル化合物を得る際に、上記リン酸類と、上記一般式(I)で表されるモノグリシジルエーテル化合物又は上記一般式(II)で表されるモノグリシジルエステル化合物とは、該リン酸類のP−OH基1当量に対して、該一般式(I)又は(II)の化合物のエポキシ基(エポキシ当量)が好ましくは0.1〜0.9当量、更に好ましくは0.3〜0.8当量となる量で使用される。ここで、該エポキシ基が0.1当量未満の場合には、過剰のリン酸類と後述の(B)成分であるポリグリシジル化合物とが反応してゲル化するおそれがあり、0.9当量を超えた場合には変性が困難となるため好ましくない。
【0019】
本発明に使用される上記(A)成分であるリン酸エステル化合物の製造例を、以下に示すが、その製造方法はこれらに限定されるものではない。また、酸価とは試料1g中のP−OH基を中和するのに必要な水酸化カリウムのmg数で定義される。
【0020】
製造例1
85重量%(以下、単に%とする)リン酸115重量部にブチルグリシジルエーテル140重量部を加え、50〜60℃で3時間反応させ、酸価440のリン酸エステル化合物(A−1)を得た。
【0021】
製造例2
85%リン酸115重量部にブチルグリシジルエーテル280重量部を加え、50〜60℃で3時間反応させ、酸価142のリン酸エステル化合物(A−2)を得た。
【0022】
製造例3
ピロリン酸178重量部にフェニルグリシジルエーテル300重量部を加え、50〜60℃で3時間反応させ、酸価353のリン酸エステル化合物(A−3)を得た。
【0023】
製造例4
(テルペンモノフェニルモノグリシジルエーテルの製造)
温度計、撹拌装置および冷却管をつけた水分離装置を備えた2Lの反応器に、YP−90LL(ヤスハラケミカル(株)製テルペンモノフェノール90%含有化合物;平均分子量266、水酸基当量300)486gおよびエピクロルヒドリン649gを仕込み、撹拌して均一溶液にした後、48%の水酸化ナトリウム溶液150gを60〜110℃で2時間かけて滴下した。この間、系内で生成した水分はエピクロルヒドリンと共沸させて水分離装置で系外へ除去していき、エピクロルヒドリンは系内へ還流した。滴下後、100〜120℃で2時間熟成してエポキシ化合物のエピクロルヒドリン溶液を得た。なお、反応終点は理論量水が留去した時点とした。
【0024】
得られたエポキシ化合物のエピクロルヒドリン溶液にトルエン800gを加え、大量の水で洗浄し、生成した食塩および過剰の水酸化ナトリウムを除去した後、3%リン酸水溶液で中和した。次いで、減圧下でエピクロルヒドリンとトルエンを留去し、エポキシ当量430の淡黄色透明液状エポキシ化合物478gを得た。このエポキシ化合物の可鹸化塩素%は0.01%であり、粘度は900cp/25℃であった。
【0025】
上記エポキシ化合物の屈折率を測定したところ1.538であった。また、赤外吸光スペクトル分析の結果以下の特性吸収が得られた。2920cm-1、1510cm-1、1450cm-1、1360cm-1、1250cm-1、830cm-1、750cm-1
【0026】
(リン酸エステル化合物の製造)
85%リン酸115重量部に上記で得られたエポキシ化合物(テルペンモノフェニルモノグリシジルエーテル)350重量部を加え、50〜60℃で3時間反応させ、酸価241のリン酸エステル化合物(A−4)を得た。
【0027】
製造例5
85%リン酸115重量部にメタクリル酸モノグリシジルエステル142重量部を加え、50〜60℃で3時間反応させ、酸価437の有機リン酸エステル(A−5)を得た。
【0028】
本発明に使用される(B)成分である分子中に少なくとも1個より多くのエポキシ基を有するポリグリシジル化合物としては、通常エポキシ樹脂組成物の調製に用いられるものであればその構造等に特に制限を受けることはないが、特に、分子内に平均1個より多くのグリシジルエーテル基、グリシジルエステル基及びグリジルアミノ基等のグリシジル基を有する、ポリグリシジルエーテル化合物、ポリグリシジルエステル化合物およびポリグリジルアミノ化合物が好ましい。
【0029】
ここで、上記ポリグリシジルエーテル化合物は、フェノール性またはアルコール性水酸基を周知の方法でポリグリシジルエーテル化して得られるものであり、例えば、レゾルシノール、ハイドロキノン、ピロカテコール、フロログルシノール、ジヒドロキシナフタレン、ビフェノール、メチレンビスフェノール(ビスフェノールF)、メチレンビス(オルソクレゾール)、エチリデンビスフェノール、イソプロピリデンビスフェノール(ビスフェノールA)、イソプロピリデンビス(オルソクレゾール)、テトラブロモビスフェノールA、ビス(ヒドロキシフェニル)フェニルメタン、ビス(ヒドロキシフェニル)シクロヘキシルメタン、シククロヘキシリデンビスフェノール、チオビスフェノール、スルホビスフェノール(ビスフェノールS)、オキシビスフェノール、1,3−ビス(4−ヒドロキシクミル)ベンゼン、1,4−ビス(4−ヒドロキシクミル)ベンゼン、フェノール−ホルムアルデヒド縮合物等の単核または多核多価フェノール類のポリグリシジルエーテルおよびエチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、ヘキサンジオール、ポリグリコール、チオジグリコール、グリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ソルビトール、ビスフェノールA−エチレンオキシド付加物等の多価アルコール類のポリグリシジルエーテルがあげられる。
【0030】
また、上記ポリグリシジルエステル化合物としては、例えば、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、コハク酸、グルタル酸、スベリン酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ダイマー酸、トリマー酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、トリメリット酸、トリメシン酸、ピロメリット酸、テトラヒドロフタル酸、ヘキサヒドロフタル酸、エンドメチレンテトラヒドロフタル酸等の脂肪族、芳香族または脂環族多塩基酸のポリグリシジルエステル類およびポリグリシジルメタクリレートの単独重合体または共重合体などがあげられる。
【0031】
また、上記ポリグリシジルアミノ化合物としては、例えば、N,N−ジグリシジルアニリン、ビス(4−(N−メチル−N−グリシジルアミノ)フェニル)メタン等があげられる。
【0032】
その他、上記ポリグリシジル化合物としては、エポキシ化大豆油、エポキシ化アマニ油、エポキシ化サフラワー油、エポキシ化トール油等のエポキシ化天然油脂、ビニルシクロヘキセンジエポキシド、ジシクロペンタジエンジエポキサイド、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル−3,4−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート、3,4−エポキシ−6−メチルシクロヘキシルメチル−3,4−エポキシ−6−メチルシクロヘキサンカルボキシレート、ビス(3,4−エポキシ−6−メチルシクロヘキシルメチル)アジペート等の環状オレフィン化合物のエポキシ化物、エポキシ化ポリブタジエン、エポキシ化スチレン−ブタジエン共重合物等のエポキシ化共役ジエン重合体、トリグリシジルイソシアヌレート等の複素環化合物等を使用することもできる。
【0033】
本発明において、前記(A)成分であるリン酸エステル化合物の使用量は、付加物にエポキシ基が残存する範囲であれば特に限定されないが、通常は、上記(B)成分であるポリグリシジル化合物のエポキシ基1当量に対して、該リン酸エステル化合物のP−OH基が0.01〜0.8当量、特に0.03〜0.5当量となる量であるのが好ましい。該リン酸エステル化合物のP−OH基が0.01当量未満の場合にはリン酸付加による効果が発現し難く、また、0.8当量を超える場合には残存するエポキシ基が少なくなるため、硬化性が低下するおそれがある。
【0034】
また、本発明においては、前記(A)成分であるリン酸エステル化合物の一部を他のリン酸エステル化合物または塩類で置き換えて変性したものを使用することができる。該他のリン酸エステル化合物としては、例えば、オルトリン酸、メタリン酸、ピロリン酸、亜リン酸、ポリリン酸、ホスホン酸、メタンホスホン酸、ベンゼンホスホン酸、1−ヒドロキシエタン−1,1−ジホスホン酸、ホスフィン酸などのリン酸類のアルキル、アルケニルまたは置換アルキル部分エステルなどがあげられる。ここで、上記アルキル基としては、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ヘキシル、オクチル、イソオクチル、2−エチルヘキシル、デシル、ドデシル、テトラデシル、オクタデシルなどの基があげられ、上記アルケニル基としては、アリル、オクテニル、デセニル、オクタデセニルなどの炭素原子数1〜30のアルケニル基が好ましく、上記置換アルキル基としては、2−ヒドロキシエチル、2−ヒドロキシプロピル、2−ヒドロキシブチル、2−ヒドロキシ−2−フェニルエチル等のヒドロキシアルキル基;2−(3−メトキシ−2−ヒドロキシプロポキシ)エチル、2−(3−ブトキシ−2−ヒドロキシプロポキシ)エチル、2−(3−フェノキシ−2−ヒドロキシプロポキシ)エチル、2−(3−トルオキシ−2−ヒドロキシプロポキシ)エチル等のアルコキシまたはアリーロキシヒドロキシアルコキシアルキル基などのヒドロキシ基および/またはエーテル結合を有するものが好ましくあげられ、上記塩類としては、上記の酸のカリウム、リチウム、ナトリウム、カルシウム、バリウム、亜鉛等の塩があげられる。
【0035】
また、本発明においては、前記(A)成分であるリン酸エステル化合物と前記(B)成分であるポリグリシジル化合物とが反応していることにより、更に密着性および防食性に優れた塗膜が得られる。
【0036】
また、本発明のエポキシ樹脂組成物は、エポキシ樹脂用硬化剤と共に用いて、硬化させることが可能である。
【0037】
次に、本発明の硬化性組成物について、詳細に説明する。
本発明の硬化性組成物は、上述した本発明のエポキシ樹脂組成物およびエポキシ樹脂用硬化剤を含有してなるものである。
【0038】
ここで、上記エポキシ樹脂用硬化剤としては、例えば、エチレンジアミン、1,2−プロピレンジアミン、1,3−プロピレンジアミン、1,4−ブチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、2,4,4−トリメチルヘキサメチレンジアミン、ジエチレントリアミン、ジプロピレントリアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン、ジプロピレントリアミン、ジメチルアミノプロピルアミン、ジエチルアミノプロピルアミン等の脂肪族ポリアミン類、メンセンジアミン、1,3−ビス(アミノメチル)シクロヘキサン、イソホロンジアミン、N−3−アミノプロピルシクロヘキシルアミン、1,4−ジアミノシクロヘキサン、2,4−ジアミノシクロヘキサン、ビス(アミノシクロヘキシル)メタン、1,3−ビス(アミノシクロヘキシルプロパン)、ビス(3−メチル−4−アミノシクロヘキシル)メタン、1,4−ビス(エチルアミノ)シクロヘキサン等の脂環族ポリアミン類、m−キシリレンジアミン、p−キシリレンジアミン、4−(1−アミノエチル)アニリン、メタフェニレンジアミン、ジアミノジフェニルメタン、ジアミノジフェニルスルホン、ビス(3−エチル−4−アミノ−5−メチルフェニル)メタン、1,4−ビス(2−(3,5−ジメチル−4−アミノフェニル)プロピル)ベンゼン等の芳香族ポリアミン類、N−アミノエチルピペラジン、3,9−ビス(3−アミノプロピル)−2,4,8,10−テトラオキサスピロ〔5.5〕ウンデカン等のヘテロ環族ポリアミン類などのポリアミン系硬化剤、これらのポリアミン類とダイマー酸などのジカルボン酸を常法によって反応させて得られるポリアミドポリアミン硬化剤、または、これらのポリアミン類にエポキシ樹脂を付加させたエポキシ付加変性ポリアミン硬化剤あるいはアクリロニトリル等を付加させたミカエル付加変性ポリアミン硬化剤などがあげられ、さらにジシアンジアミド、酸無水物、イミダゾール類などの潜在性硬化剤も使用できる。
【0039】
また、上記エポキシ樹脂用硬化剤には、粘度を低下させる等の目的で溶剤を加えることも可能であり、また、使用目的に応じて界面活性剤を加えて水に分散させて、水系硬化剤とすることもできる。
【0040】
上記エポキシ樹脂用硬化剤は、上記エポキシ樹脂組成物中のエポキシ基1当量に対し、活性水素当量が好ましくは0.8〜1.3当量となる範囲で使用される。該活性水素当量が0.8当量未満では未硬化のエポキシ樹脂が残存するおそれがあり、1.3当量を超えると活性水素が残存するため、硬化物の耐水性が低下するおそれがある。
【0041】
また、本発明の硬化性組成物における上記エポキシ樹脂組成物の含有量は、種々の用途に応じて任意であり、特に限定されるものではない。
【0042】
本発明の硬化性組成物は、適当な方法、例えば、刷毛塗り、ローラー、スプレー、ヘラ付け、プレス塗装、ドクターブレード塗り、静電塗装、電着塗装、浸漬塗装などの方法により基材に塗布することによって、被覆材、シーリング材、充填剤、接着剤などとして使用され、特に、防食性および基材への密着性に優れることから、例えば、溶剤タイプまたは無溶剤タイプとして陸上および海上構築物の防食用の重防食塗料あるいは水性タイプとして陸上構築物、特に、危険物の取扱いが問題となる密閉個所あるいはマンションなどの防食塗料などの被覆材に使用するのに適している。
【0043】
また、本発明のエポキシ樹脂組成物および本発明の硬化性組成物には、ガラス繊維、セルロース、ケイ砂、セメント、カオリン、クレー、水酸化アルミニウム、ベントナイト、タルク、シリカ、微粉末シリカ、二酸化チタン、カーボンブラック、グラファイト、酸化鉄、歴青物質等の充填剤、顔料、増粘剤、チキソトロピック剤、分散剤、難燃剤、消泡剤などの常用の添加剤、さらにキシレン樹脂、石油樹脂等の併用剤を使用することもできる。
【0044】
【実施例】
以下、実施例(エポキシ樹脂組成物の製造例および使用例)をもって本発明を更に詳細に説明する。しかしながら、本発明はこれらの実施例によって制限を受けるものではない。尚、以下の実施例において、エポキシ当量とは、エポキシ基1個当たりの試料の分子量を表し、水酸基当量とは、水酸基一個当たりの試料の分子量を表し、活性水素当量とは、アミンの水素原子1個当たりの試料の分子量を表すもので、溶媒を用いた場合は溶媒を含めた見かけの分子量を表すものである。
【0045】
実施例1
アデカレジンEP−4100(旭電化工業(株)製:ビスフェノールA型エポキシ樹脂、エポキシ当量190)190重量部、アデカグリシロールED−503(旭電化工業(株)製:脂肪族ジグリシジルエーテル、エポキシ当量165)20重量部およびリン酸エステル化合物(A−1)10重量部を混合し、80℃で5時間反応させ、エポキシ樹脂組成物(E−1)(エポキシ当量210、エポキシ/P−OH当量比1/0.07)を得た。
【0046】
実施例2
アデカレジンEP−4100 190重量部、アデカグリシロールED−503 20重量部およびリン酸エステル化合物(A−1)5重量部を混合し、80℃で5時間反応させ、エポキシ樹脂組成物(E−2)(エポキシ当量198、エポキシ/P−OH当量比1/0.04)を得た。
【0047】
実施例3
アデカレジンEP−4100 190重量部、アデカグリシロールED−503 20重量部およびリン酸エステル化合物(A−1)20重量部を混合し、80℃で5時間反応させ、エポキシ樹脂組成物(E−3)(エポキシ当量235、エポキシ/P−OH当量比1/0.14)を得た。
【0048】
実施例4
アデカレジンEP−4100 190重量部、ビスフェノールA58重量部およびジメチルベンジルアミン1重量部を混合し、150℃で8時間反応させ、エポキシ当量500のエポキシ樹脂を得た。さらにキシレン115重量部およびリン酸エステル化合物(A−2)20重量部を加え、80℃でさらに5時間反応させ、エポキシ樹脂組成物(E−4)(エポキシ当量640、エポキシ/P−OH当量比1/0.11)を得た。
【0049】
実施例5
アデカレジンEP−4900(旭電化工業(株)製:ビスフェノールF型エポキシ樹脂、エポキシ当量170)170重量部、リン酸エステル化合物(A−3)60重量部およびキシレン100重量部を混合し、80℃で5時間反応させ、エポキシ樹脂組成物(E−5)(エポキシ当量370、エポキシ/P−OH当量比1/0.38)を得た。
【0050】
実施例6
アデカレジンEP−5100(旭電化工業(株)製:ビスフェノールA型エポキシ樹脂、エポキシ当量475)475重量部、リン酸エステル化合物(A−4)12重量部およびキシレン209重量部を混合し、80℃で5時間反応させ、エポキシ樹脂組成物(E−6)(エポキシ当量515、エポキシ/P−OH当量比1/0.05)を得た。
【0051】
実施例7
アデカレジンEP−4100 190重量部、アデカグリシロールED−503 20重量部およびリン酸エステル化合物(A−5)10重量部を混合し、80℃で5時間反応させ、エポキシ樹脂組成物(E−7)(エポキシ当量211、エポキシ/P−OH当量比1/0.07)を得た。
【0052】
実施例8
アデカレジンEP−4100 190重量部、YP−90L(ヤスハラケミカル(株)製:テルペンフェノール樹脂、水酸基当量310)190重量部およびトリフェニルホスフィン2重量部を混合し、150℃で8時間反応させ、エポキシ当量980のエポキシ樹脂を得た。さらにキシレン167重量部およびリン酸エステル化合物(A−1)10重量部を加え、80℃で5時間反応させ、エポキシ樹脂組成物(E−8)(エポキシ当量1260、エポキシ/P−OH当量比1/0.25)を得た。
【0053】
比較例1
アデカレジンEP−4100 190重量部、アデカグリシロールED−503 20重量部およびリン酸モノエチル11重量部を混合し、80℃で5時間反応させ、エポキシ樹脂組成物(比−1)(エポキシ当量216、エポキシ/P−OH当量比1/0.07)を得た。
【0054】
比較例2
アデカレジンEP−4100 190重量部、ビスフェノールA58重量部およびジメチルベンジルアミン1重量部を混合し、150℃で8時間反応させ、エポキシ当量500のエポキシ樹脂を得た。さらにキシレン105重量部を加え、未変性のエポキシ樹脂組成物(比−2)を得た。
【0055】
上記の実施例1〜8並びに比較例1および2で得られたエポキシ樹脂組成物を用い、下記配合にてボールミルを用いて5時間混練し、白色塗料を得た。
【0056】
(配合) 重量部
エポキシ樹脂組成物 100
二酸化チタン 20
リン酸亜鉛 40
タルク 25
炭酸カルシウム 25
キシレン 20
イソプロパノール 20
【0057】
得られた白色塗料に、硬化剤としてアデカハードナーEH−340(旭電化工業(株)製:変性ポリアミドアミン、活性水素当量81)を、エポキシ化合物のエポキシ/硬化剤活性水素が1/1当量比となるように下記〔表1〕に示す配合量で配合し、塗料組成物とした。
【0058】
得られた塗料組成物を、錆面鋼板(1年間屋外に暴露し、浮き錆をワイヤーブラシにて除去した3種ケレン鋼板)に膜厚120〜150ミクロンにて塗布し、25℃で7日間放置し、乾燥硬化させて塗膜とした。この塗膜を以下の項目について性能試験を行ない、それぞれの性能を評価した。
【0059】
(密着性)
アドヒジョンテスターを用いて剥離強度を測定した。
【0060】
(防食性)
JIS Z−2371に準じて、塩水噴霧試験を行なった。塩水噴霧500時間後および1000時間後の塗膜状態を観察し、下記評価基準にて評価した。
○ : 異常なし。
△ : 一部にフクレが生じた。
× : 全面にフクレが生じた。
【0061】
(二次密着性)
塩水噴霧試験1000時間後のサンプルについて密着性試験を行なった。
【0062】
以上の結果を下記〔表1〕に示す。
【0063】
【表1】
Figure 0003669747
【0064】
以上の結果から、次のことが明らかである。
エポキシ樹脂組成物をエポキシ樹脂用硬化剤を用いて硬化し、被膜形成する場合において、全くリン酸変性を行なっていないエポキシ樹脂組成物(比較例2)を用いた場合には、密着性、防食性などの塗膜性能に劣る。また、本発明に係る前記(A)成分であるリン酸エステル化合物以外のリン酸エステル化合物で変性してなるエポキシ樹脂組成物(比較例1)を用いることでこれらの塗膜性能が改善されるが特にその防食性の改善効果は未だ不十分なものである。
【0065】
これに対し、本発明に係る前記(A)成分であるリン酸エステル化合物で変性してなるエポキシ樹脂組成物(実施例1〜8)を用いることにより、密着性、防食性などの塗膜性能が著しく優れた塗膜を提供することができる。
【0066】
【発明の効果】
本発明のエポキシ樹脂組成物は、エポキシ樹脂用硬化剤とともに使用することで、密着性および防食性に優れた塗膜を提供することができ、特に被覆材に好適に使用することができるものである。

Claims (3)

  1. (A)リン酸類と下記〔化1〕の一般式(I)で表されるモノグリシジルエーテル化合物または一般式(II)で表されるモノグリシジルエステル化合物との反応物であり、P−OH結合を少なくとも1個有するリン酸エステル化合物、および(B)分子中に少なくとも1個より多くのエポキシ基を有するポリグリシジル化合物からなり、上記(A)成分であるリン酸エステル化合物と上記(B)成分であるポリグリシジル化合物とが反応しているエポキシ樹脂組成物。
    Figure 0003669747
  2. 上記(A)成分であるリン酸エステル化合物の使用量が、上記(B)成分であるポリグリシジル化合物のエポキシ基1当量に対して、該リン酸エステル化合物のP−OH基が0.01〜0.8当量となる量である請求項1記載のエポキシ樹脂組成物。
  3. 請求項1または2記載のエポキシ樹脂組成物およびエポキシ樹脂用硬化剤を含有してなる硬化性組成物。
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