JP4700255B2 - 水性エポキシ樹脂組成物 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、特定の構造単位を有するエポキシ樹脂を用い、特に水性塗料用途に好適に使用することができる、水性エポキシ樹脂組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】
エポキシ樹脂は密着性、耐水性、耐薬品性、耐食性に優れる事から、塗料、接着剤、電子・電気部品用などの樹脂として幅広い分野で使用されてきた。最近の環境保護の問題から、このエポキシ樹脂においても水性化の要求が高まっている。この要求を満たすために、一般に多量の界面活性剤、及び、有機溶剤を併用してエポキシ樹脂の水性化が行われている。
【0003】
しかし、前記手法によって得られたエポキシ樹脂を水性塗料用途に使用した場合、界面活性剤は硬化塗膜中に水溶性の未反応物として存在するため、多量に使用することは硬化塗膜の密着性、耐水性、耐食性の低下を招く原因となる。この問題に対し、例えば特開2001−139770号公報においては、界面活性剤の使用量をエポキシ樹脂100重量部に対して3重量部まで減量するため、エチレングリコールジグリシジルエーテルやポリエリレングリコール無水フタル酸反応物を併用しているが、これらの必要量が多く、その結果、乾燥塗膜の密着性の低下が起こり、水性塗料用途として満足できるレベルに達していない。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
上記のような実情に鑑み、本発明の課題は、有機溶剤を使用しなくても従来より少量の界面活性剤を用いて、貯蔵安定性に優れ、特に硬化性、乾燥性に優れ、高い密着性、耐水性、耐薬品性、耐食性が要求される水性塗料用途に好適に用いることができる、水性エポキシ樹脂組成物を提供することにある。
【0005】
【課題を解決する手段】
本発明者等はこの様な課題を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、4−ターシャリーブチルカテコールから誘導されるエポキシ樹脂を用いた場合、有機溶剤を使用しなくても界面活性剤を従来使用量よりも減量でき、かつ、エマルジョンの貯蔵安定性に優れ、特に硬化性、乾燥性に優れる水性エポキシ樹脂組成物を与えることを見出し、本発明を完成させた。
【0006】
すなわち、本発明は、4−ターシャリーブチルカテコールとエピハロヒドリンから誘導されるエポキシ樹脂(a1)、及び/または、該エポキシ樹脂(a1)とフェノール類(D)から誘導されるエポキシ樹脂(a2)を必須成分とするエポキシ樹脂(A)、エポキシ樹脂用硬化剤(B)、および界面活性剤(C)からなる水性エポキシ樹脂組成物を提供する。
【0007】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を詳細に説明する。本発明の水性エポキシ樹脂組成物は、自己水分散可能である樹脂組成物、並びに、水を用いて分散されている樹脂組成物を示す。
【0012】
本発明の4−ターシャリーブチルカテコールとエピハロヒドリンから誘導されるエポキシ樹脂(a1)の製造方法としては、種々の方法で製造することができるが、例えば、4−ターシャリーブチルカテコールと、エピハロヒドリンと反応させてグリシジル化する方法が挙げられる。
【0013】
前記製造条件は、特に制限されるものではないが、例えば、4−ターシャリーブチルカテコールの水酸基の1当量に対し、エピハロヒドリンを0.3〜10当量添加し、塩基の存在下に、40〜100℃で常圧または、減圧下で、必要に応じて、溶媒を用いて反応を行う。
【0014】
溶媒としては、例えば、イソプロピルアルコール、ブタノール等のアルコール類、ジオキサン等のエーテル類、ジメチルスルフォキシド、1,3−ジメチルイミダゾリジノン等の非プロトン性極性溶媒を挙げることができる。
【0015】
塩基としては特に限定されるものではないが、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、水酸化バリウム、酸化マグネシウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム等が挙げられる。この中でも水酸化カリウム、水酸化ナトリウムが好ましい。また、これらの塩基は水溶液、固形のいずれでも好適に用いられる。
【0016】
本発明に係わるエピハロヒドリンとしては特に限定されるものではないが、例えば、エピクロルヒドリン、β−メチルエピクロルヒドリン、エピブロモヒドリン、β−メチルエピブロモヒドリン等が挙げられる。これらの中でも反応性の点からエピクロルヒドリンが好ましい。
【0017】
前記製造方法によって得られた、4−ターシャリーブチルカテコールとエピハロヒドリンから誘導されるエポキシ樹脂(a1)を用いて、さらにフェノール類(D)と重付加反応を行うことにより、該エポキシ樹脂(a1)とフェノール類(D)から誘導されるエポキシ樹脂(a2)を製造することができる。
【0018】
前記フェノール類(D)としては、プロピルジヒドロキシベンゼン、ジプロピルジヒドロキシベンゼン、ブチルジヒドロキシベンゼン、ジブチルジヒドロキシベンゼン、オクチルジヒドロキシベンゼン、ジオクチルジヒドロキシベンゼン、ノニルジヒドロキシベンゼン、ジノニルジヒドロキシベンゼン、2−ターシャリーブチルハイドロキノン、2−ターシャリーブチルレゾルシン、4−ターシャリーブチルレゾルシン、5−ターシャリーブチルレゾルシン、3−ターシャリーブチルカテコール、4−ターシャリーブチルカテコール等のターシャリーブチルジヒドロキシベンゼン、3,5−ジ−ターシャリーブチルハイドロキノン、2,4−ジ−ターシャリーブチルレゾルシン、2,5−ジ−ターシャリーブチルレゾルシン、4,5−ジ−ターシャリーブチルレゾルシン、4,6−ジ−ターシャリーブチルレゾルシン、3,4−ジ−ターシャリーブチルレゾルシン、4,5−ジ−ターシャリーブチルレゾルシン等のジターシャリーブチルジヒドロキシベンゼン、等のジヒドロキシベンゼン類、ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールAD、テトラブロモビスフェノールA等のビスフェノール類、フェノールノボラック、o−クレゾールノボラック等のノボラック型樹脂類、ジシクロペンタジエンフェノール樹脂等の多価フェノール類等が挙げられる。これらの中でも、2価フェノールが好ましく、4−ターシャリーブチルカテコールが最も好ましい。また、必要に応じて、これら2価以上のフェノール類に1価フェノール類を併用してエポキシ当量を調整することも可能であり、1価フェノールとしては、フェノール、o−クレゾール等のクレゾール類、キシレノール類、p−ターシャリブチルフェノール、ノニルフェノール等のアルキルフェノール類が挙げられる。
【0019】
前記重付加反応は、通常、塩基性触媒の存在下に行われる。前記触媒としては特に限定されるものではないが、例えば、オニウム塩、ホスフィン類、アルカリ金属水酸化物等が挙げられる。
【0020】
前記重付加反応の、エポキシ樹脂(a1)とフェノール類(D)との反応比率は特に制限されず、目的とするエポキシ当量に合わせて適宜選択できるが、特に、塗膜性能や界面活性剤(C)の溶解性の点から、エポキシ樹脂(a1)中のエポキシ基とフェノール類(D)中の水酸基のモル比(エポキシ基/水酸基)が100/1〜100/85となる範囲が好ましい。
【0021】
また、該エポキシ樹脂(a2)のエポキシ当量は特に制限されるものではないが、水性塗料用途のおける塗膜の耐衝撃性、耐食性等の点からエポキシ当量200〜2000g/eqであることが好ましい。
【0022】
本発明の水性エポキシ樹脂組成物は、エポキシ樹脂として詳述した(a1)ならびに(a2)のみならず、更にエポキシ樹脂(A)として2価以上のフェノール類とエピクロルヒドリンから誘導される(a1)以外のエポキシ樹脂(a3)を併用してもよい。併用し得るエポキシ樹脂(a3)としては、特に制限されるものではないが、例えばビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、テトラブロモビスフェノールA型エポキシ樹脂、ナフトール型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、o−クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、ビスフェノールAノボラック型エポキシ樹脂等が挙げられ、これらの中でも、ノボラック型エポキシ樹脂類が好ましい。配合比は特に限定されるものでないが、エマルジョンの安定性、硬化物の耐衝撃性等から、(a1)+(a2)と(a3)との重量比{(a1)+(a2)}/(a3)が95/5〜50/50が好ましい。
【0023】
本発明の組成物で必須の成分として使用されるエポキシ樹脂用硬化剤(B)は、従来からエポキシ樹脂用硬化剤として使用されているものが特に制限なく利用出来るが、例えば、アミン系硬化剤、フェノールノボラック樹脂、クレゾールノボラック樹脂、ポリカルボン酸類、ポリカルボン酸無水物類、フェニルイミダゾール等のイミダゾール類、ジシアンジアミド類、アジピン酸ジヒドラジド等のジヒドラジン等が挙げられる。
【0024】
これらの中でも、2個以上のアミノ基を有する化合物からなるアミン系硬化剤(E)が好ましく、その構造は2個以上の1〜3級アミノ基を有する化合物であれば特に制限されるものではないが、水との相溶性が良好な点から、脂肪族系多官能性アミン類を主成分とするものが更に好ましく、例えば、ペンタエチレンヘキサミン、テトラエチレンペンタミン、トリエチレンテトラミン、ジエチレントリアミン、メタキシレンジアミン、イソホロンジアミン、ノルボルネンジアミン、1,3−ビスアミノメチルシクロヘキサン、N−アミノエチルピペラジン等、前記脂肪族系多官能性アミン類のアミノ基の一部を脂肪族ジカルボン酸と重縮合しアミド化したポリアミドポリアミン類、及びそれらの変性物等が挙げられる。
【0025】
前記脂肪族ジカルボン酸としては、トール油脂肪酸、リノレン酸、リノール酸等からなるダイマー酸等が挙げられる。
【0026】
前記変性物としては、エポキシ樹脂(A)との相溶性、ならびに塗膜の乾燥性、耐薬品性、耐食性等が良好な点から、前記多官能性アミン類、若しくは、前記ポリアミドポリアミン類と2価以上のフェノール類とエピクロルヒドリンから誘導される化合物とのアダクト物(e1)、及び/または、前記多官能性アミン類、若しくは、前記ポリアミドポリアミン類とフェノール類とホルムアルデヒドから誘導される化合物とのマンニッヒ変性ポリアミンが特に好ましい。
【0027】
アミン系硬化剤(E)を本発明の組成物中のエポキシ樹脂用硬化剤(B)として用いる場合は、そのままでも、また、アミンを酸中和後、水を添加して水溶液としたものや、エマルジョン化したものも使用することができる。これらの硬化剤は1種類で用いることもできるし、2種類以上で併用することも可能である。
【0028】
本発明のエポキシ樹脂組成物中のエポキシ樹脂用硬化剤(B)の配合量は、特に制限されるものではないが、硬化塗膜の耐衝撃性、耐食性等の点から、エポキシ樹脂(A)のエポキシ基とエポキシ樹脂用硬化剤(B)の活性水素基のモル比(エポキシ基/活性水素基)が100/60〜100/120であることが好ましい。
【0029】
また本発明においては、必要に応じて硬化促進剤を併用することも可能であり、例えば、2,4,6−トリ(ジメチルアミノメチル)フェノール、ベンジルジメチルアミン、1,8−ジアザビシクロ[5,4,0]ウンデセン(DBU)等の第三級アミン類、2−メチル−4−エチルイミダゾール等のイミダゾール類、トリフェニルフォスフィン等のフォスフィン類、フェノール、クレゾール等のフェノール類が挙げられる。
【0030】
界面活性剤(C)としては特に制限されるものではないが、例えば、脂肪酸塩、高級アルコール硫酸エステル塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸エステル塩、ポリオキシアルキレンエーテルリン酸エステル類などの陰イオン性界面活性剤、アルキルベタイン、アルキルベンジルアンモニウム塩、アルキルアンモニウムハイドロオキサイド等の両性イオン界面活性剤、ポリエチレングリコール、ポリオキシエチレンソルビタンエステル、ポリオキシエチレンアルキルアミン、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエステル、ポリオキシアルキレン多環フェニルエーテル、ポリオキシアルキレンスチレン化フェノールなどの非イオン性界面活性剤が挙げられ、これらの中でも、エポキシ樹脂との相溶性、及びエポキシ基との非反応性の点から、非イオン性界面活性剤が好ましく、ポリオキシアルキレン多環フェニルエーテルが更に好ましい。
【0031】
本発明のエポキシ樹脂組成物中の界面活性剤(C)の使用量は、エマルジョン化が可能であれば特に制限はないが、エポキシ樹脂(A)100重量部に対して0.1重量部以上が好ましく、かつ、水性塗料用途に用いる場合は乾燥塗膜の耐水性が良好な点から、2.5重量部以下であることが更に好ましい。
【0032】
本発明のエポキシ樹脂組成物を特に水性塗料用途に用いる場合は、必要に応じ、防錆顔料、着色顔料、体質顔料などの各種フィラーや各種添加剤等を配合することが好ましい。
【0033】
前記防錆顔料としては亜鉛粉末、リンモリブチン酸アルミニウム、リン酸亜鉛、リン酸アルミニウム、クロム酸バリウム、アルミニウム、グラファイト等の鱗片状顔料等、着色顔料としてはカーボンブラック、酸化チタン、硫化亜鉛、ベンガラ等、体質顔料としては硫酸バリウム、炭酸カルシウム、タルク、カオリン等が代表的なものとして挙げられる。これらは1種類で用いることもできるし、2種類以上で併用することも可能である。これらフィラーの配合量は、水性塗料組成物100重量部中、20〜70重量部であることが好ましい。
【0034】
前記添加剤としては、例えばハジキ防止剤、ダレ止め剤、流展剤、消泡剤、紫外線吸収剤、分散剤、可塑剤等が代表的なものとして挙げられる。
【0035】
前記フィラー、添加剤の本発明水性エポキシ樹脂組成物への配合方法は、特に限定されないが、例えば、フィラー及び添加剤を混合ミキサー、ボールミル等の装置を用いて十分に混練、均一に分散させた顔料ペーストを予め用意し、これと予めエマルジョン化したエポキシ樹脂(A)とをさらに前記装置を用いて混練、分散した後、エポキシ樹脂用硬化剤(B)を混合して所望の濃度に水を用いて調製することで得られる。
【0036】
エポキシ樹脂(A)のエマルジョン化の方法は特に限定されるものではないが、例えば、エポキシ樹脂(A)と界面活性剤(C)を、温度計、冷却管、攪拌機、邪魔板を備えた容器にそれぞれ仕込み、80℃に加熱、混合、溶解し樹脂溶液を調製し、さらに、この樹脂溶液を室温から40℃の範囲に保ち、混合ミキサー等の攪拌装置を用いて、任意の水を添加し混合することによりエマルジョン化する。
【0037】
また、エポキシ樹脂(A)として2種類以上のエポキシ樹脂を用いる場合は、予め2種類以上のエポキシ樹脂を混合してから上記手法によりエマルジョン化してもよいし、1種ずつエマルジョン化してから混合してもよい。
【0038】
エマルジョンの濃度は特に限定されるものではないが、水性塗料用途に用いる場合は乾燥性、作業性等の点から、30重量%〜85重量%であることが好ましい。
【0039】
【実施例】
以下、本発明を実施例、比較例、応用例及び比較応用例を挙げて更に詳細に説明する。なお、実施例中「部」、「%」は重量基準である。
【0040】
合成例1(エポキシ樹脂の合成例)
温度計、適下ロート、冷却管、攪拌機、邪魔板を備えた、下部に分液コック付きの2リットルのセパラブルフラスコに、4−ターシャリーブチルカテコール200g、エピクロルヒドリン780g、イソプロピルアルコール150gを仕込み、攪拌、溶解させ、40℃に加熱した。その後適下ロートより、20%水酸化ナトリウム水溶液530gを3時間かけて適下した。適下終了後30分間攪拌を続け、反応を完結させた。その後攪拌を停止して静置し、下層の食塩水を分液し除いた。次に、過剰のエピクロルヒドリン、イソプロピルアルコール、水を蒸留回収した。得られた粗樹脂をトルエン335gで溶解させ、5%水酸化ナトリウム水溶液を50g加え、80℃、3時間攪拌した。その後水洗により生成した塩、及びアルカリを油水分離させて、除去し、脱水、濾過を経てトルエンを蒸留回収し、エポキシ樹脂(4−ターシャリーブチルカテコールとエピクロルヒドリンから誘導されるエポキシ樹脂)▲1▼を得た。このエポキシ樹脂▲1▼のエポキシ当量は220g/eq、粘度は1,500mPa・s(25℃)であった。
【0041】
合成例2(エポキシ樹脂の合成例)
温度計、冷却管、攪拌器、邪魔板を備えた容器に、合成例1で得られたエポキシ樹脂▲1▼300gと、4−ターシャリーブチルカテコール36gを仕込み、攪拌、溶解させ、80℃に加熱した。そこにテトラメチルアンモニウムクロライド50%水溶液を添加し、140℃で4時間加熱してエポキシ樹脂(4−ターシャリーブチルカテコールとエピクロルヒドリンから誘導されるエポキシ樹脂とフェノール類との重付加物)▲2▼を得た。このエポキシ樹脂▲2▼のエポキシ当量は370g/eq、粘度は4,500mPa・s(25℃)であった。
【0042】
合成例3(エポキシ樹脂の合成例)
合成例1で得られたエポキシ樹脂▲1▼300gとo−クレゾールノボラック型エポキシ樹脂100g(大日本インキ化学工業(株)製、EPICLON N−665、軟化点=69℃)を混合し、エポキシ樹脂▲3▼を得た。このエポキシ樹脂▲3▼のエポキシ当量は220g/eq、粘度は12,500mPa・s(25℃)であった。
【0043】
合成例4(エポキシ樹脂の合成例)
合成例1で得られたエポキシ樹脂▲1▼300gと変性ノボラック型エポキシ樹脂100g(大日本インキ化学工業(株)製、EPICLON N−865、軟化点=68℃)を混合し、エポキシ樹脂▲4▼を得た。このエポキシ樹脂▲4▼のエポキシ当量は220g/eq、粘度は12,000mPa・s(25℃)であった。
【0044】
実施例1〜12及び比較例1〜5
合成例1〜4で得られたエポキシ樹脂▲1▼〜▲4▼と、比較例として、ビスフェノールA型液状エポキシ樹脂(大日本インキ化学工業(株)製、EPICLON 850、粘度=12,500mPa・s(25℃)、エポキシ当量=188g/eq)に、非イオン系界面活性剤として、ANTOX EPX(日本乳化剤(株)製)、Newcol 780(60)(日本乳化剤(株)製)をそれぞれ添加し、前述の方法で水を添加してエマルジョン(濃度75%)を得た。それぞれのエマルジョンの外観、粘度(BM粘度計、No.4ローター使用、60回転/分、25℃)、貯蔵安定性を調べ、その結果を表1−1〜3に記す。
【0045】
【表1】
Figure 0004700255
【0046】
【表2】
Figure 0004700255
【0047】
【表3】
Figure 0004700255
【0048】
表1−1〜3の脚注
表1−1〜3中のC−1,C−2,#850は下記の化合物を示す。
C−1:ANTOX EPX(日本乳化剤(株)製) ポリオキシアルキレン多環フェニルエーテル
C−2:Newcol 780(60)(日本乳化剤(株)製) ポリオキシエチレン多環フェニルエーテル
#850:エポキシ当量=188g/eqのビスフェノールA型液状エポキシ樹脂(大日本インキ化学工業(株)製)
【0049】
貯蔵安定性:
得られたエマルジョン100mlをガラス容器(120ml)に移して密封し、25℃で1日放置後、25℃での粘度を測定した。次いでこのガラス容器を40℃の恒温槽中に30、60、90日間放置した後、恒温槽から取り出し、25℃で6時間放置した後、25℃での粘度を測定した。
【0050】
表1−1〜3より、本発明のエポキシ樹脂を用いたエマルジョンである実施例1〜12は、比較例1〜5と比較して、界面活性剤が少量で且つ貯蔵安定性に優れる。
【0051】
応用例1〜8及び比較応用例1〜6
実施例1,4,7,10、及び比較例1,2,5で得られたエマルジョンに表2−1〜3に示す成分を配合し、水性塗料を調製した。これらの水性塗料に対して、乾燥性、硬化性(塗膜硬化速度試験機による)、塗膜の鉛筆硬度、耐衝撃性(デュポン式衝撃試験)、耐食性(塩水噴霧試験、10%水酸化ナトリウム水溶液浸漬試験)の試験をし、その結果を表2−1〜3下欄に示す。
【0052】
尚、各評価試験は以下の方法に従って行った。
乾燥性及び硬化性
調製した水性塗料を、ガラス板にドクターブレードにて乾燥膜厚40μmになるように塗布し、塗膜硬化速度試験機にて、25℃で乾燥し、硬化時間を測定した。
【0053】
鉛筆硬度
JIS K5400−6.14に準拠して実施した。
【0054】
耐衝撃性
JIS K5400−7,8に準拠してデュポン式衝撃試験(300g)を実施した。
◎:50cm異常なし。
○:45cmまで異常なし。
×:40cmまで異常なし。
【0055】
耐食性
調製した水性塗料を、冷間熱延鋼板:JIS,G,3141(SPCC,SB)、0.8×70×150mmのサンドペーパー#240表面処理板にバーコーターにて乾燥膜厚40μmになるように塗布し、25℃、7日間乾燥させて試験片を作製した。次いで、JIS K5400−7,8に準拠して塩水噴霧試験(300時間)を行った。また、前記試験片を10%水酸化ナトリウム水溶液の薬液に、25℃、7日間浸漬した。
○:異常なし、錆なし。
△:フクレ発生、錆なし。
×:著しいフクレ、錆発生。
【0056】
【表4】
Figure 0004700255
【0057】
【表5】
Figure 0004700255
【0058】
【表6】
Figure 0004700255
【0059】
表2−1〜3の脚注
表2−1〜3中のB−1、B−2は下記の物質を示す。
B−1:脂肪族ポリアミンのアダクト物、ラッカマイド WH-108S、活性水素当量=57g/eq (大日本インキ化学工業(株)製)
B−2:マンニッヒ変性脂肪族ポリアミン、ラッカマイド WH-045、活性水素当量=82g/eq (大日本インキ化学工業(株)製)
【0060】
表2−1〜3より、本発明の水性エポキシ樹脂組成物を水性塗料化した応用例1〜8は、いずれも乾燥性、硬化性に優れ、また得られた塗膜は耐衝撃性、耐食性ともに優れていた。
【0061】
一方、比較応用例1〜4は塗料安定性は優れるものの、乾燥性、硬化性、及び塗膜の耐衝撃性、耐食性に劣っていた。また比較応用例5,6の水性エポキシ樹脂組成物はいずれもワニスが分離し、実用的水性塗料として不適であった。
【0062】
【発明の効果】
本発明によれば、有機溶剤を使用しなくても少量の界面活性剤により貯蔵安定性に優れ、特に硬化性、乾燥性に優れ、高い密着性、耐水性、耐薬品性、耐食性が要求される水性塗料用途に好適に用いることができる、水性エポキシ樹脂組成物を提供できる。

Claims (5)

  1. エポキシ樹脂(A)と、エポキシ樹脂用硬化剤(B)、および界面活性剤(C)からなる水性エポキシ樹脂組成物であって、エポキシ樹脂(A)が、4−ターシャリーブチルカテコールとエピハロヒドリンから誘導されるエポキシ樹脂(a1)、及び/または、該エポキシ樹脂(a1)とフェノール類(D)から誘導されるエポキシ樹脂(a2)を必須成分として含有し、かつ、界面活性剤(C)の使用量が、エポキシ樹脂(A)100重量部に対し0.1重量部以上で2.5重量部以下であることを特徴とする水性エポキシ樹脂組成物。
  2. フェノール類(D)が、2価フェノール類である請求項1記載の水性エポキシ樹脂組成物。
  3. エポキシ樹脂(A)として、更に2価以上のフェノール類とエピクロルヒドリンから誘導される(a1)以外のエポキシ樹脂(a3)を併用する請求項2に記載の水性エポキシ樹脂組成物。
  4. エポキシ樹脂用硬化剤(B)が、2個以上のアミノ基を有する化合物からなるアミン系硬化剤(E)である請求項1〜3の何れか一つに記載の水性エポキシ樹脂組成物。
  5. アミン系硬化剤(E)が、アミン類と2価以上のフェノール類とエピクロルヒドリンから誘導される化合物とのアダクト物(e1)及び/または、アミン類とフェノール類とホルムアルデヒドから誘導される化合物とのマンニッヒ変性ポリアミン(e2)である、請求項4記載の水性エポキシ樹脂組成物。
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