JPH08217858A - エポキシ樹脂用硬化剤 - Google Patents

エポキシ樹脂用硬化剤

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JPH08217858A
JPH08217858A JP2978095A JP2978095A JPH08217858A JP H08217858 A JPH08217858 A JP H08217858A JP 2978095 A JP2978095 A JP 2978095A JP 2978095 A JP2978095 A JP 2978095A JP H08217858 A JPH08217858 A JP H08217858A
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昭二 草野
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 長いポットライフと短い硬化時間をもち、体
積収縮や臭気の問題もなく、厚物にも利用可能な耐候性
や耐油性等に優れるエポキシ樹脂硬化物を形成し得るエ
ポキシ樹脂用硬化剤を提供すること。 【構成】 本発明のエポキシ樹脂用硬化剤は、下記〔化
1〕の一般式(I)で表される1級アミノ基を分子中に
1個以上含有するアミン化合物の少なくとも一種および
ケトン樹脂の少なくとも一種を、該アミン化合物が含有
する1級アミノ基と該ケトン樹脂が含有するカルボニル
酸素とのモル比が1/3〜3/1となる範囲で反応させ
ることにより得られるケチミン化合物またはその変成物
からなるものである。 【化1】

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、特定のアミン化合物と
ケトン樹脂とを反応させて得られるケチミン化合物また
はその変成物からなるエポキシ樹脂用硬化剤に関し、詳
しくは、分子中に1個以上の1級アミノ基を有する特定
のアミン化合物とケトン樹脂とを反応させて得られるケ
チミン化合物またはその変成物からなる、ポットライフ
に優れ、得られるエポキシ樹脂硬化物の収縮のない潜在
性のエポキシ樹脂用硬化剤に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】エポキ
シ樹脂および硬化剤からなるエポキシ樹脂組成物は、各
種基材に対する接着性、耐熱性、耐薬品性、電気特性、
機械特性など多くの優れた特性を有しており、広い産業
分野、特に、塗料、接着剤、表面改質剤の分野で賞用さ
れている。
【0003】上記エポキシ樹脂組成物に用いられる硬化
剤としては、種々のアミン化合物が知られている。該ア
ミン化合物のなかで、1級アミノ基を有するアミン化合
物はエポキシ樹脂との反応性が高く、短時間で硬化でき
る反面、ポットライフが短くなる欠点を有している。
【0004】この欠点を解決する方法として、化合物そ
のものには硬化剤としての働きはなく使用時に大気中の
水分と反応して1級アミン化合物を生じるポットライフ
に優れる硬化剤として、ケチミン系の硬化剤(ケチミン
化合物)が特開昭61−12723号公報、特開平3−
195724号公報および特開平4−1220号公報に
提案されている。
【0005】しかし、これまでに提案されてきたケチミ
ン化合物は、種々のアミンにメチルイソブチルケトン
(MIBK)等の溶剤型のケトン化合物を反応させてい
たため、加水分解によって再生するケトン化合物が硬化
の過程で揮散して硬化物の収縮や臭気の発生という好ま
しくない現象を引き起こしていた。また、揮散する成分
をもつために薄物でしか利用できなかた。
【0006】さらに、特開平5−132541号公報に
は、ケトン樹脂の可能性は示唆されているものの具体的
な実施に関する記載がなく、しかも、組み合わされるア
ミン化合物がポリオキシアルキレンアミンであるため反
応性が弱く、ポットライフには優れるものの硬化に長時
間を要するため実用的でなかった。
【0007】従って、本発明の目的は、長いポットライ
フと短い硬化時間をもち、体積収縮や臭気の問題もな
く、厚物にも利用可能な耐候性や耐油性等に優れるエポ
キシ樹脂硬化物を形成し得るエポキシ樹脂用硬化剤を提
供するものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、鋭意検討
を重ねた結果、1分子中に1個以上の1級アミノ基を有
する特定のアミン化合物およびケトン樹脂を反応させて
得られるケチミン化合物またはその変成物をエポキシ樹
脂の硬化剤として用いることにより、上記目的を達成し
得ることを知見した。
【0009】本発明は、上記知見に基づきなされたもの
で、下記〔化2〕(前記〔化1〕と同じ)の一般式
(I)で表される1級アミノ基を分子中に1個以上含有
するアミン化合物の少なくとも一種およびケトン樹脂の
少なくとも一種を、該アミン化合物が含有する1級アミ
ノ基と該ケトン樹脂が含有するカルボニル酸素とのモル
比が1/3〜3/1となる範囲で反応させることにより
得られるケチミン化合物またはその変成物からなるエポ
キシ樹脂用硬化剤を提供するものである。
【0010】
【化2】
【0011】以下、本発明のエポキシ樹脂用硬化剤につ
いて詳細に説明する。
【0012】本発明に用いられる上記一般式(I)で表
される1級アミノ基を分子中に1個以上含有するアミン
化合物(以下、「アミン化合物(I)」と称す)は、下
記〔化3〕の一般式(I−1)で表される脂肪族アミン
類、下記〔化4〕の一般式(I−2)で表される脂環族
アミン類、下記〔化5〕の一般式(I−3)で表される
脂肪脂環族アミン類、下記〔化6〕の一般式(I−4)
で表される芳香環含有脂肪族アミン類および下記〔化
7〕の一般式(I−5)で表される複素環含有脂肪族ア
ミン類に大別される。
【0013】
【化3】
【0014】
【化4】
【0015】
【化5】
【0016】
【化6】
【0017】
【化7】
【0018】前記一般式(I−1)において、R6で表さ
れるアルキレン基としては、エチレン、1,2−プロピ
レン、1,3−プロピレン、1,4−ブチレン、ヘキサ
メチレン、2,4,4−トリメチルヘキサメチレン等の
直鎖または分岐のアルキレン基があげられ、シクロアル
キレン基としてはシクロヘキシル基およびアルキル基で
置換されたシクロヘキシル基があげられる。
【0019】前記一般式(I−1)〜(I−5)におい
て、R7、R8、R9、R11 、R14 、R17、R21 、R23 およびR
27 で表されるアルキル基としては、メチル、エチル、
プロピル、イソプロピル、ブチル、第二ブチルおよび第
三ブチル等の基があげられる。
【0020】また、R10 、R12 、R13 、R15 、R16 、R
18 、R19 、R20 、R24 、R25 、R26およびR28 で表され
るアルキレン基としては、メチレン、エチレン、1,2
−プロピレン、1,3−プロピレン、1,4−ブチレ
ン、ブチレンおよびヘキサメチレン等の基があげられ
る。
【0021】また、R22 で表されるアルキレン基として
は、エチレン、1,2−プロピレン、1,3−プロピレ
ン、1,4−ブチレン、ブチレン、ヘキサメチレンおよ
び2−ヒドロキシ−1,3−プロピレン等の基があげら
れる。
【0022】また、Xで表される複素環としては、ピペ
ラジニル基および2,4,8,10−テトラオキサスピ
ロ〔5・5〕ウンデカン−3,9−イル基等があげられ
る。
【0023】従って、本発明に用いられる上記アミン化
合物(I)のより具体的な例示としては、次に示すもの
があげられ、使用に際しては、1種または2種以上で用
いられる。上記脂肪族アミン類としては、エチレンジア
ミン、1,2−プロピレンジアミン、1,3−プロピレ
ンジアミン、1,4−ブチレンジアミン、ヘキサメチレ
ンジアミン、2,4,4−トリメチルヘキサメチレンジ
アミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミ
ン、テトラエチレンペンタミン、ペンタエチレンヘキサ
ミン、ジプロピレントリアミン、ジメチルアミノプロピ
ルアミン、ジエチルアミノプロピルアミンなどがあげら
れる。
【0024】上記脂環族アミン類としては、メンセンジ
アミン、1,3−ビス(アミノメチル)シクロヘキサ
ン、イソホロンジアミン、1,4−ジアミノシクロヘキ
サン、2,4−ジアミノシクロヘキサン、ビス(4−ア
ミノシクロヘキシル)メタン、1,3−ビス(アミノシ
クロヘキシル)プロパン、ビス(3−メチル−4−アミ
ノシクロヘキシル)メタンなどがあげられる。
【0025】上記複素環含有脂肪族アミン化合物として
は、N−アミノエチルピペラジンおよび3,9−ビス
(3−アミノプロピル)−2,4,8,10−テトラオ
キサスピロ〔5・5〕ウンデカンなどがあげられる。
【0026】上記芳香環含有脂肪族アミン類としては、
ベンジルアミン、4−メチルベンジルアミン、m−キシ
レンジアミン、p−キシレンジアミンのほか、m−キシ
レンジアミンのエピクロルヒドリン変成物などがあげら
れる。
【0027】本発明に用いられるケトン樹脂としては、
シクロヘキサノン(以下、「アノン」と称す)、アセト
フェノンおよびアセトフェノンとフェノールのホルムア
ルデヒドによる縮合物などがあげられ、使用に際して
は、1種または2種以上で用いられる。
【0028】本発明において、上記アミン化合物(I)
と上記ケトン樹脂とからケチミン化合物(以下、「ケチ
ミン系硬化剤」ということがある)を合成する方法とし
ては、特に限定されるものではなく、例えば、上記アミ
ン化合物(I)と上記ケトン樹脂とを、160℃〜22
0℃で2〜10時間脱水縮合してケチミン化合物を得る
方法などが好ましくあげられる。
【0029】本発明において、上記アミン化合物(I)
および上記ケトン樹脂は、該アミン化合物(I)が含有
する1級アミノ基と該ケトン樹脂が含有するカルボニル
酸素とのモル比(前者/後者)が1/3〜3/1、好ま
しくは1/2〜2/1となる範囲で反応させる。上記モ
ル比が3/1超(1級アミノ基が多過ぎる)であると、
ケチミン化した効果が小さくポットライフが短くなり、
上記モル比が1/3未満(ケトン樹脂が大過剰)であっ
ても、ケチミン化の効果は変わらず硬化物の物性を低下
させることになる。
【0030】本発明の硬化剤は、上記アミン化合物
(I)と上記ケトン樹脂との反応生成物であるケチミン
化合物またはその変成物からなるものである。ここで、
該ケチミン化合物の変成物とは、硬化物の防食性能等を
改善するために、周知の変成処理を施したものである。
【0031】上記変成物の変成処理は、特に制限を受け
ないが、特に、モノまたはポリエポキシ化合物をアミノ
基に反応させるエポキシ付加、フェノール類およびホル
ムアルデヒドを反応させるマンニッヒ化、ダイマー酸等
のカルボン酸を反応させるアマイド化、アクリロニトリ
ル等のオレフィン化合物をアミノ基に付加させるミカエ
ル付加が好ましい。これらの変成処理は、過剰の1級ア
ミノ基の他、用いられるアミン化合物が2級アミノ基を
含む場合は、2級アミノ基に対しても行うことができ
る。上記変成処理の工程は、ケチミン化の前でも後でも
よい。
【0032】本発明の硬化剤によって硬化されるエポキ
シ樹脂は、通常用いられる分子内に平均一個より多くの
エポキシ基を有する化合物であれば、その構造等に特に
制限を受けることなく用いることができ、特に、分子内
に平均一個より多くのグリシジルエーテル基、グリシジ
ルエステル基、グリジルアミノ基等のグリシジル基を有
するものが好ましい。
【0033】上記グリシジルエーテル基を有するエポキ
シ樹脂は、フェノール性またはアルコール性水酸基を周
知の方法でグリシジルエーテル化して得られるものであ
り、例えば、レゾルシノール、ハイドロキノン、ピロカ
テコール、フロログルシノール、ジヒドロキシナフタレ
ン、ビフェノール、メチレンビスフェノール(ビスフェ
ノールF)、メチレンビス(オルソクレゾール)、エチ
リデンビスフェノール、イソプロピリデンビスフェノー
ル(ビスフェノールA)、イソプロピリデンビス(オル
ソクレゾール)、テトラブロモビスフェノールA、ビス
(ヒドロキシフェニル)フェニルメタン、ビス(ヒドロ
キシフェニル)シクロヘキシルメタン、シククロヘキシ
リデンビスフェノール、チオビスフェノール、スルホビ
スフェノール(ビスフェノールS)、オキシビスフェノ
ール、1,3−ビス(4−ヒドロキシクミル)ベンゼ
ン、1,4−ビス(4−ヒドロキシクミル)ベンゼン、
フェノール−ホルムアルデヒド縮合物等の単核または多
核多価フェノール類のポリグリシジルエーテルおよびエ
チレングリコール、プロピレングリコール、ブチレング
リコール、ヘキサンジオール、ポリグリコール、チオジ
グリコール、グリセリン、トリメチロールプロパン、ペ
ンタエリスリトール、ソルビトール、ビスフェノールA
−エチレンオキシド付加物等の多価アルコール類のグリ
シジルエーテルがあげられる。
【0034】上記グリシジルエステル基を有するエポキ
シ樹脂としては、例えば、マレイン酸、フマル酸、イタ
コン酸、コハク酸、グルタル酸、スベリン酸、アジピン
酸、アゼライン酸、セバシン酸、ダイマー酸、トリマー
酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、トリメリ
ット酸、トリメシン酸、ピロメリット酸、テトラヒドロ
フタル酸、ヘキサヒドロフタル酸、エンドメチレンテト
ラヒドロフタル酸等の脂肪族、芳香族または脂環族多塩
基酸のグリシジルエステル類およびグリシジルメタクリ
レートの単独重合体または共重合体などがあげられる。
【0035】上記グリシジルアミノ基を有するエポキシ
樹脂としては、例えば、N,N−ジグリシジルアニリ
ン、ビス(4−(N−メチル−N−グリシジルアミノ)
フェニル)メタン等があげられる。
【0036】その他、本発明の硬化剤は、エポキシ化大
豆油、エポキシ化アマニ油、エポキシ化サフラワー油、
エポキシ化トール油等のエポキシ化天然油脂、ビニルシ
クロヘキセンジエポキシド、ジシクロペンタジエンジエ
ポキサイド、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル−
3,4−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート、
3,4−エポキシ−6−メチルシクロヘキシルメチル−
3,4−エポキシ−6−メチルシクロヘキサンカルボキ
シレート、ビス(3,4−エポキシ−6−メチルシクロ
ヘキシルメチル)アジペート等の環状オレフィン化合物
のエポキシ化物、エポキシ化ポリブタジエン、エポキシ
化スチレン−ブタジエン共重合物等のエポキシ化共役ジ
エン重合体、トリグリシジルイソシアヌレート等の複素
環化合物等にも有効に使用することができる。
【0037】上記エポキシ樹脂は、単独でまたは二種以
上を混合して用いることができ、また、必要に応じて溶
剤、モノエポキシ化合物等を加えることもできる。
【0038】本発明の硬化剤は、上記エポキシ樹脂へ適
用するに際し、その適用方法および使用量において特に
制限されるものではないが、保存時の安定性が高い2液
型として硬化物作成時に混合することが好ましい。ま
た、上記エポキシ樹脂のエポキシ当量と本発明の硬化剤
の活性水素当量との比(前者/後者)は、1/1.4〜
1/0.6であるのが好ましく、1/1.1〜1/0.
8であるのがより好ましい。上記比が1/0.6超(硬
化剤が少ない)であると、得られる硬化物の機械的強度
が小さくなり、上記比が1/1.4未満(硬化剤が多過
ぎる)であると、硬化速度は速くなるものの、経済的に
不利になる場合がある。
【0039】本発明の硬化剤および上記のエポキシ樹脂
から得られるエポキシ樹脂組成物には、必要に応じて、
通常用いられる他の硬化剤、反応性希釈剤、非反応性希
釈剤、充填剤、補強剤、顔料、染料、溶媒、可塑剤、均
染剤、チキソトロピー剤、難燃剤、離型剤等の常用の添
加剤を用いることができる。
【0040】上記エポキシ樹脂組成物(硬化性組成物)
は、適当な方法、例えば、刷毛塗り、ローラー、スプレ
ー、ヘラ付け、プレス塗装、ドクターブレード塗り、電
着塗装、浸漬塗装などの方法によって基体に塗布するこ
とによって、下塗りまたは中塗り塗料、充填剤、シール
材、保護塗料、被膜材、シーリング材、モルタル、コー
ティング材などとして用いられる。
【0041】
【実施例】以下、実施例をもって、本発明を更に詳細に
説明する。しかしながら、本発明は、以下の実施例によ
って制限を受けるものではない。
【0042】ケチミン系硬化剤の合成 実施例1 ガラス製フラスコに、メタキシリレンジアミン(MXD
A)136g、アセトフェノン系ケトン樹脂(カルボニ
ル基当量150)150gをとり、200℃で5時間脱
水反応を行い理論量の生成水18gの留出を確認して、
冷却して黄色液状物268gを得た。
【0043】実施例2〜9および12〜14 アミン化合物および/またはケトン樹脂の種類および量
を、下記〔表1〕に示したように変化させる以外は合成
例1と同様にしてケチミン系硬化剤を得た。
【0044】実施例10 MXDA136gにビスフェノールAグリシジルエーテ
ル型エポキシ樹脂(EP−4100:エポキシ当量19
0)38gを添加して80℃で2時間反応した後、アノ
ン系ケトン樹脂(ケトン樹脂当量125)125gを加
え、200℃で5時間脱水反応を行い理論量の生成水1
8gを確認し、冷却して黄色液状物281gを得た。
【0045】実施例11 MXDA136gにアクリロニトリル53gを加え、7
0℃で2時間変性処理した後、実施例10と同様にして
ケトン樹脂と反応して、黄色液状物296gを得た。
【0046】尚、実施例に用いたアセトフェノン系、ア
セトフェノン/フェノール系およびアノン系ケトン樹脂
のカルボニル基当量は各々150、280および125
であった。
【0047】比較例1〜4 本発明のケチミン系硬化剤の公知の硬化剤に対する優位
性を評価するため、m−キシレンジアミンのエポキシ樹
脂アダクト品を80℃×2時間で合成した。また、プロ
ピレングリコールジアミンとケトン樹脂およびジアミノ
ジフェニルメタンとケトン樹脂から実施例1と同様にし
て、またm−キシレンジアミンとメチルイソブチルケト
ン(以下、「MIBK」と称す)から160℃×20時
間還流縮合によりケチミン系硬化剤を各々合成した。
【0048】
【表1】
【0049】硬化剤としての性能評価 参考例1 エポキシ樹脂(EP−4100)100重量部に実施例
1で得られたケチミン系硬化剤32重量部を加えよく撹
拌した。硬化剤の硬化時の性能を評価するため、深さ3
mmで30mm四方の注型に入れて室温で一週間養生し
て以下の評価を行った。また、得られた硬化物の物性を
評価するため軟鋼板に300μmの厚さで塗布して室温
で1週間養生して試験片を得た。
【0050】硬化時における性能評価(作業性評価)と
しては、タックフリー時間およびポットライフを測定し
た。タックフリー時間は軟鋼板への塗布膜を23℃で硬
化させた時の塗面の中央を指先で静かにそっとこすって
みて、塗面にすり跡が付かない状態になるまでの時間を
測定し、24時間以内が実用可能な性能とした。ポット
ライフは室温で混合したエポキシ樹脂と硬化剤との混合
物100gの粘度が初期粘度の2倍になるまでの時間を
測定し、6時間以上が実用可能な性能とした。両方の性
能が実用可能範囲にあるものを○、どちらか一方でも実
用範囲外のものを×として実用性を評価した。また、寸
法安定性評価として、注型で得られた硬化物について、
表面状態の収縮を目視により評価した。また、養生の前
後における重量減少率から養生中におけるケトン化合物
の揮散による体積収縮の有無を評価した。さらに、養生
3日目のエポキシ樹脂硬化物の臭気によりケトン化合物
の揮散を確認した。
【0051】なお、外観および臭気についての評価基準
は以下の通りとした。 外観 ○:異常なし △:若干収縮あり ×:収縮あり 臭気 ○:無 △:僅かに臭気あり ×:ケトン臭あり
【0052】硬化物の性能評価(硬化物強度評価)とし
ては、サンシャインウェザオメーター500時間での変
色およびチョーキングにより耐候性を評価し、トルエン
に1週間浸漬後の塗膜の外観変化により耐油性を評価し
た。
【0053】なお、耐候性および耐油性についての評価
基準は以下のとおりとした。 耐候性 ○:変色は小さく、チョーキングは認められない。 ×:変色が激しい。または、チョーキングが明らかに認
められる。 耐油性 ○:外観上の異常はない。 ×:膨潤による膨れが
認められる。
【0054】参考例2〜14 硬化剤を実施例1で得られたケチミン系硬化剤から実施
例2〜14で得られた硬化剤に変えた以外は参考例1と
同様にエポキシ当量と活性水素当量との比が1/1にな
るようにしてエポキシ樹脂硬化物を得、参考例1と同様
の評価を行った。参考例1と合わせて下記〔表2〕に配
合と結果を示す。
【0055】比較参考例1〜4 硬化剤を比較例1〜4で合成した硬化剤に変えた以外は
参考例1と同様にエポキシ当量と活性水素当量が1/1
になるようにしてエポキシ樹脂硬化物を得、参考例1と
同様の評価を行った。参考例1〜14と合わせて下記
〔表2〕に配合と結果を示す。
【0056】
【表2】
【0057】上記〔表2〕の結果から次のことが明らか
である。本発明の硬化剤(ケチミン系硬化剤)を用いた
エポキシ樹脂硬化物(参考例1〜14)は、長いポット
ライフを持ちながらタックフリーの時間は短いが、比較
参考例1〜4のように1級アミノ基を有するアミン化合
物をそのまま用いたり、ポリオキシアルキレンアミンと
ケトン樹脂から合成されるケチミン系硬化剤を用いた場
合に比べ、作業性において優れる。
【0058】また、比較参考例4との比較より、ケトン
樹脂をケチミン系硬化剤に用いたことにより、得られる
硬化物にケトン化合物の揮散によると考えられる収縮や
臭気の問題がなく寸法安定性に優れた、商品性の高いエ
ポキシ樹脂硬化物が得られる。
【0059】さらに、ポリオキシアルキレンアミンとケ
トン樹脂より得られるケチミン系硬化剤を用いた場合
(比較参考例2)には、得られる硬化物の耐候性が低く
耐油性も劣るが、本発明の硬化剤を用いた場合には耐候
性および耐油性においても優れた硬化物が得られる。
【0060】
【発明の効果】本発明のエポキシ樹脂用硬化剤は、長い
ポットライフと短い硬化時間を有し、体積収縮や臭気の
問題もなく、厚物にも利用可能な耐候性や耐油性等に優
れるエポキシ樹脂硬化物を形成することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 塚田 康尹 東京都荒川区東尾久7丁目2番35号 旭電 化工業株式会社内

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記〔化1〕の一般式(I)で表される
    1級アミノ基を分子中に1個以上含有するアミン化合物
    の少なくとも一種およびケトン樹脂の少なくとも一種
    を、該アミン化合物が含有する1級アミノ基と該ケトン
    樹脂が含有するカルボニル酸素とのモル比が1/3〜3
    /1となる範囲で反応させることにより得られるケチミ
    ン化合物またはその変成物からなるエポキシ樹脂用硬化
    剤。 【化1】
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