JP5099179B2 - 車両用動力伝達装置 - Google Patents

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Description

本発明は、ロックアップクラッチ付きのトルクコンバータを備える車両用動力伝達装置に関する。
近年では、自動変速機のトルクコンバータに、その入力側と出力側とを直結するためのロックアップクラッチが装備されている。
例えば特許文献1に係る従来例では、ロックアップクラッチを係合(ロックアップオン)または解放(ロックアップオフ)させるために、油圧制御回路によりトルクコンバータの係合側油室と解放側油室との差圧(ロックアップ差圧)を制御するようにしている。
この従来例の油圧制御回路は、ロックアップ制御用のデューティーソレノイドバルブでロックアップコントロールバルブと呼ばれるスプールバルブをオン、オフさせることにより、トルクコンバータの係合側油室と解放側油室とに入力する作動油圧を制御している。通常、車両発進後において車速が所定のロックアップオン判定値以上になると、ロックアップクラッチを係合(ロックアップオン)させるようにしている。
ここで、前記デューティーソレノイドバルブのソレノイドがオン状態のまま故障するようなことが発生すると、記デューティーソレノイドバルブから出力される制御油圧が前記ロックアップコントロールバルブに入力され続けるので、ロックアップクラッチが係合したままの状態になってしまう。このような異常が発生している状態で車両を停車させると、次の車両発進時にエンジンがストールすることになる。
そこで、車両発進時にエンジンがストールすることを回避するために、発進開始時点から所定速度に到達するまで、ロックアップクラッチを強制的に解放させるためのフェールセーフ制御を行うようにしている。
このフェールセーフ制御では、前記油圧制御回路に備えるクラッチアプライコントロールバルブと呼ばれるスプールバルブから前記ロックアップコントロールバルブにロックアップオフ用の制御油圧を入力することにより、前記デューティーソレノイドバルブから前記ロックアップコントロールバルブにオン用の制御油圧が入力され続けていても、それに関係なく、ロックアップクラッチを強制的に解放させるようにしている。
ところで、自動変速機の制御装置に装備される車載故障診断機能(OBD:オンボードダイアグノーシスシステム)の診断項目は、多数あるが、例えば前記デューティーソレノイドバルブのソレノイドオン故障が発生しているか否かを調べて、この故障発生を検出したときに故障内容を履歴として適宜のメモリに記憶するといったことが提案されている。
ここで、この診断項目つまりデューティーソレノイドバルブのソレノイドオン故障の診断形態としては、前記フェールセーフ制御を実行した状態で車両発進した場合において、車速が所定のフェールセーフオフ判定値以上になったときに、前記フェールセーフ制御の実行解除指令を行い、トルクコンバータのスリップ量を調べるようにしている。
このような状況でフェールセーフ制御の実行を解除すると、デューティーソレノイドバルブが正常な場合にはロックアップクラッチが解放(ロックアップオフ)されたままになるので、前記フェールセーフ制御の実行解除時点からトルクコンバータのスリップ量が漸増するようになるが、デューティーソレノイドバルブのソレノイドがオン故障している場合にはロックアップクラッチが係合(ロックアップオン)されてしまうので、トルクコンバータのスリップ量が低下してゼロになる。
このトルクコンバータのスリップ量がゼロになったことを検出すれば、デューティーソレノイドバルブのソレノイドオン故障が発生していると判定できる。しかしながら、その現象が一時的な現象か否かを見極めるために、前記スリップ量のゼロ状態が所定時間にわたって継続されているか否かを調べることが好ましい。この処理は故障診断精度を高めるために必要である。
なお、前記フェールセーフオフ判定値は、前記のような状況でスリップ量変化を調べるという故障診断の性格上、前記ロックアップオン判定値よりも小さい値(低い車速値)に設定する必要がある。このフェールセーフオフ判定値と前記ロックアップオン判定値との差が小さくなるほど、前記故障診断精度を高めるための処理を行う時間、つまり故障診断時間が不足することになる。そこで、本願出願人は、前記故障診断時間を十分に確保するために、前記のように車速がロックアップオン判定値に到達したときに、ロックアップオン指令を即座に出力せずに、所定時間遅延させて出力させるように対処することを考えている。
この他、特許文献2,3に係る従来例には、ロックアップ機構の制御が正常に行われているか否かを検出するにあたって、故障判定に加えて、予備的な故障判定を行うことが記載されている。
特開2008−51316号公報(段落0061−0067参照) 特開2006−300285号公報 特開2008−185088号公報
上記特許文献1に係る従来例では、ロックアップ制御用のデューティーソレノイドバルブのソレノイドオン故障を判定することが可能であるが、次のようなことが指摘される。
近年では、前記車載故障診断機能(OBD)における診断項目の1つとして、前記ロックアップ制御用のデューティーソレノイドバルブが正常作動する状態での車両発進時において、当該デューティーソレノイドバルブのソレノイドオン故障を診断するための前提条件(実行可能条件)が成立する確率を高めることが要求されている。しかしながら、上記特許文献1に係る従来例では、前記のような要求を満たすための技術思想や具体構成についての記載はない。ここに改良の余地がある。
ところで、前記デューティーソレノイドバルブが正常作動する状態での車両発進時において、前記ソレノイドオン故障を診断するための前提条件を成立させるためには、その前提条件に前記したような故障診断精度を向上するための対処内容も加える必要がある。しかしながら、その場合、前記デューティーソレノイドバルブが正常作動するにもかかわらず、ロックアップオン指令の出力を遅延させなければならないので、ロックアップオンの開始タイミングが目標に対して遅れることになるなど、燃費の低下につながる可能性がある。このような理由により、前記デューティーソレノイドバルブが正常作動する状態での車両発進時において、前記ソレノイドオン故障を診断するための前提条件を成立させることを実現しにくいと言えるので、前記前提条件が成立する確率を高めることは困難であった。
なお、上記特許文献2,3に係る従来例には、前記車載故障診断機能に対する前記要求を満たすための技術思想や具体構成についての記載はない。
このような事情に鑑み、本発明は、ロックアップクラッチ付きのトルクコンバータを備える車両用動力伝達装置において、ロックアップ制御用のソレノイドバルブの正常作動時に、そのソレノイドオン故障を診断するときの前提条件(実行可能条件)が成立する確率を向上可能にすることを目的としている。
本発明は、ロックアップクラッチ付きのトルクコンバータと、ロックアップクラッチを係合または解放させるための油圧制御回路と、油圧制御回路の油圧供給経路を制御するための制御装置とを備える車両用動力伝達装置であって、前記油圧制御回路は、ロックアップクラッチに係合用油圧を入力するための第1状態または解放用油圧を入力するための第2状態に切り換えられるスプールバルブと、このスプールバルブにその状態切り換え用の制御油圧を入力するためのソレノイドバルブと、ソレノイドバルブから前記スプールバルブへの状態切り換え用制御油圧の入力に関係なく前記スプールバルブにそれを強制的に第2状態にするための制御油圧を入力するためのフェールセーフバルブとを備え、前記制御装置は、車速がロックアップオン判定値以上になったことを検出したときに前記ソレノイドバルブに前記スプールバルブを第1状態にさせるためのロックアップオン指令を出力する切り換え制御と、前記フェールセーフバルブを作動させることにより前記ロックアップクラッチを強制解放させるフェールセーフ制御と、前記フェールセーフ制御を実行した状態で車両発進した場合に前記ソレノイドバルブのソレノイドがオン故障しているか否かを判定するための故障診断制御と、前記フェールセーフ制御を実行しない状態で車両発進した場合に前記故障診断制御の実行可能条件と同じ条件を模擬的に再現し、この再現回数に基づいて前記故障診断制御の実行可能条件が成立する確率を求めるとともに、この確率を情報記憶手段に記憶するレートモニタ制御とを実行するものであり、前記故障診断制御は、前記車両発進後に車速が前記ロックアップオン判定値より小さな値に設定されるフェールセーフオフ判定値以上になったことを検出したときに前記フェールセーフ制御の実行を解除させるためのフェールセーフオフ指令を出力する処理と、前記フェールセーフオフ指令の出力に伴い前記トルクコンバータのスリップ量が所定以下に低下したことを検出しかつ当該低下検出時点から前記低下状態が所定時間継続したことを検出したときに、前記ソレノイドバルブのソレノイドがオン故障していると判定する処理と、前記オン故障の判定前において、前記車速が前記ロックアップオン判定値以上になったことを検出したときに、前記切り換え制御においてロックアップオン指令を出力するタイミングを所定時間遅延させることによって前記故障判定時間を延長させる処理とを行う、ことを特徴としている。
この構成では、要するに、前記フェールセーフ制御を実行しない状態(ソレノイドバルブが正常作動する状態)で車両発進した場合に、レートモニタ制御を実行することにより、前記ソレノイドバルブのソレノイドがオン故障しているか否かを判定するための前提条件つまり故障診断制御の実行可能条件と同じ条件を模擬的に再現させるようにしている。これにより、前記ソレノイドオン故障が発生していない正常走行中において前記故障診断制御の実行可能条件が成立する確率を高めることが可能になる。また、レートモニタ制御では、前記確率を情報記憶手段に記憶させるようにしているから、この記憶情報を後から読み出すことにより、故障診断制御の実行可能条件が成立する確率を向上できていることを例えば車両整備者などが目視にて確認できるようになる。
また、前記故障診断制御において前記故障判定時間を延長させる処理を行うようにしているから、前記故障判定時間を十分に確保することが可能になる。
好ましくは、前記レートモニタ制御は、前記車両発進後に車速が前記ロックアップオン判定値以上になったことを検出したときに、前記切り換え制御と並行して、当該切り換え制御にて出力する実際のロックアップオン指令と同じ仮想ロックアップオン指令を前記実際のロックアップオン指令の出力時点から所定時間遅延させて出力することによって前記時間延長処理を模擬的に再現する処理と、前記再現処理の実行回数の積算値を、車両の発進から停車までを走行1回とした場合の走行回数の積算値で除算することにより前記確率を求めるとともに、この確率を情報記憶手段に記憶する処理とを行う。
この構成では、レートモニタ制御の形態を特定している。この特定により、前記故障診断制御の時間延長処理を模擬的に再現する処理が、前記ソレノイドオン故障を判定するための前提条件(実行可能条件)に相当していることが明らかになる。
好ましくは、前記車両発進時にフェールセーフ制御を実行するか否かは、当該車両発進の前回発進時に、該車両用動力伝達装置に駆動力を入力するためのエンジンのストールが検出されているか否かに応じて決定され、エンジンストールが検出されている場合にフェールセーフ制御を実行する一方、エンジンストールが検出されていない場合にフェールセーフ制御を非実行とする。
この構成では、フェールセーフ制御の実行条件を特定している。この特定に至った背景を説明する。そもそも、車両発進時にエンジンがストールする原因としては、ロックアップクラッチが係合したままの状態で故障していることが挙げられる。そこで、車両発進時にフェールセーフ制御を実行することによってロックアップクラッチを強制的に解放させるようにすれば、前記ロックアップクラッチの故障が発生していても車両発進時にエンジンがストールすることを回避できるようになる。このようにして発進させてから、前記しているように車速がフェールセーフオフ判定値以上になったときに、フェールセーフ制御の実行を解除させるようにすれば、ロックアップクラッチが正常な場合と係合したまま故障している場合とで、トルクコンバータのスリップ量が異なることになり、その現象を調べることで故障診断が容易になる。
本発明に係る車両用動力伝達装置では、ロックアップ制御用のソレノイドバルブの正常作動時に、そのソレノイドオン故障を診断するときの前提条件(実行可能条件)が成立する確率を高めることが可能になる。また、前記情報記憶手段に記憶させている記憶情報(確率)を後から読み出すことにより、故障診断制御の実行可能条件が成立する確率を向上できていることを例えば車両整備者などが目視にて確認できるようになる。
本発明に係る車両用動力伝達装置の一実施形態で、その概略構成を示すスケルトン図である。 図1の油圧制御回路においてロックアップクラッチの制御に関係する部分を示す図である。 図2に示すロックアップ制御用のデューティーソレノイドバルブが正常作動する状態における動作説明に用いるタイミングチャートである。 図2に示すロックアップ制御用のデューティーソレノイドバルブの故障診断制御を説明するためのタイミングチャートである。 図2に示すロックアップ制御用のデューティーソレノイドバルブの正常作動時に行うレートモニタ制御を説明するためのタイミングチャートである。
以下、本発明を実施するための最良の実施形態について添付図面を参照して詳細に説明する。
図1から図5に、本発明の一実施形態を示している。この実施形態では、本発明に係る車両用動力伝達装置として、FF(フロントエンジン・フロントドライブ)方式の車両に搭載されるトランスアクスルを例に挙げている。
図中、1はトランスアクスル、2は駆動源の一例としてのエンジンを示している。トランスアクスル1は、トルクコンバータ10、前後進切換機構20、ベルト式無段変速機30、減速歯車機構40、デファレンシャル50、油圧制御回路100、制御装置200などを備えている。
このトランスアクスル1では、エンジン2の出力がトルクコンバータ10に入力され、このトルクコンバータ10から前後進切換機構20、ベルト式無段変速機30ならびに減速歯車機構40を介してデファレンシャル50に伝達され、左右の駆動輪(図示省略)へ分配される。
トルクコンバータ10は、入力側のポンプインペラ11、出力側のタービンランナ12、トルク増幅機能を発現するステータ13などを備えており、ポンプインペラ11とタービンランナ12との間で流体を介して動力伝達を行う。ポンプインペラ11はエンジン2のクランクシャフト2aに連結されている。タービンランナ12はタービンシャフト14を介して前後進切換機構20に連結されている。
このトルクコンバータ10には、当該トルクコンバータ10の入力側と出力側とを直結するロックアップクラッチ15が設けられている。ロックアップクラッチ15は、係合側油室16内の油圧と解放側油室17内の油圧との差圧(ロックアップ差圧=係合側油室16内の油圧−解放側油室17内の油圧)を制御することにより、解放(ロックアップオフ)または係合(ロックアップオン)される。なお、係合時には、ショック低減のために適宜に油圧がコントロールされる。
ロックアップクラッチ15を完全係合させると、ポンプインペラ11とタービンランナ12とが一体回転する。また、ロックアップクラッチ15を所定のスリップ状態(係合過渡状態)で係合させると、駆動時には所定のスリップ量でタービンランナ12がポンプインペラ11に追随して回転する。一方、ロックアップ差圧を負に設定すると、ロックアップクラッチ15が解放状態になる。なお、トルクコンバータ10にはポンプインペラ11に連結して駆動される機械式のオイルポンプ(油圧発生源)18が設けられている。
前後進切換機構20は、ダブルピニオンタイプの遊星歯車機構21、前進用クラッチC1、後進用ブレーキB1などを備えている。
遊星歯車機構21のサンギヤ21aがタービンシャフト14に、また、遊星歯車機構21のキャリア21bがベルト式無段変速機30のプライマリシャフト31にそれぞれ連結されている。前進用クラッチC1および後進用ブレーキB1を制御することにより、タービンシャフト14から入力される駆動力を、前進駆動力(正方向駆動力)あるいは後進駆動力(逆方向駆動力)として出力する。
ベルト式無段変速機30は、プライマリプーリ(駆動プーリ)33とセカンダリプーリ(従動プーリ)34とに、ベルト35を巻き掛けた構成になっている。
プライマリプーリ33は、入力軸(駆動軸)となるプライマリシャフト31の外径側に設けられており、また、セカンダリプーリ34は、出力軸(従動軸)となるセカンダリシャフト32の外径側に設けられている。プライマリプーリ33およびセカンダリプーリ34は、共に、固定シーブ33a,34aと可動シーブ33b,34bとを組み合わせた構成である。
プライマリプーリ33は、プライマリシャフト31の外周に一体に形成される固定シーブ33aと、プライマリシャフト31の外周に軸方向スライド可能に装着される可動シーブ33bとを組み合わせた構成である。油圧サーボ36により可動シーブ33bをスライドさせることにより、固定シーブ33aと可動シーブ33bとで形成するV溝の幅を大小調整して、プライマリプーリ33に対するベルト35の巻き掛け径を変更する。
セカンダリプーリ34は、セカンダリシャフト32の外周に一体に形成される固定シーブ34aと、セカンダリシャフト32の外周に軸方向変位可能に装着される可動シーブ34bとを組み合わせた構成である。油圧サーボ37により可動シーブ34bをスライドさせることにより、固定シーブ34aと可動シーブ34bとで形成するV溝の幅を大小調整して、セカンダリプーリ34に対するベルト35の巻き掛け径を変更する。
なお、プライマリプーリ33の可動シーブ33bを固定シーブ33aから遠ざけることによりV溝の幅を大きくしてベルト35の巻き掛け径を小さくするとともに、セカンダリプーリ34の固定シーブ34aと可動シーブ34bとで形成するV溝の幅を小さくしてベルト35の巻き掛け径を大きくするほど、減速比が大きくなる。
逆に、プライマリプーリ33の可動シーブ33bを固定シーブ33aに近づけることによりV溝の幅を小さくしてベルト35の巻き掛け径を大きくするとともに、セカンダリプーリ34の固定シーブ34aと可動シーブ34bとで形成するV溝の幅を大きくしてベルト35の巻き掛け径を小さくするほど、減速比が小さくなる。
減速歯車機構40は、ベルト式無段変速機30から出力された駆動力を減速しながらデファレンシャル50に伝達するもので、リダクションドライブギヤ41、リダクションドリブンギヤ42、デファレンシャルドライブギヤ43などを備えている。
リダクションドライブギヤ41の中心軸44は、ベルト式無段変速機30のセカンダリシャフト32に同軸で一体回転可能に連結されている。リダクションドリブンギヤ42およびデファレンシャルドライブギヤ43は、セカンダリシャフト32とほぼ平行に配置されたシャフト45に軸方向隣り合わせに一体に形成されている。リダクションドライブギヤ41は、リダクションドリブンギヤ42に噛み合わされており、デファレンシャルドライブギヤ43は、デファレンシャル50のファイナルリングギヤ51に噛み合わされている。
デファレンシャル50は、前記減速歯車機構40から入力される駆動力を左右一対のアクスルシャフト52,53に連結される駆動輪(図示省略)に適宜の比率で分配して伝達する。
油圧制御回路100は、図2に示すように、ロックアップクラッチ15の切り換え制御に関係する構成要素として、少なくともクラッチアプライコントロールバルブ112、ロックアップコントロールバルブ122、ロックアップ制御用のデューティーソレノイドバルブDSUなどを備えている。なお、クラッチアプライコントロールバルブ112が、請求項に記載のフェールセーフバルブに相当し、ロックアップコントロールバルブ122が、請求項に記載のスプールバルブに相当し、デューティーソレノイドバルブDSUが請求項に記載のソレノイドバルブに相当している。
なお、ライン油圧PLは、エンジン2により駆動されるオイルポンプ18から出力(発生)される油圧を元圧として、図示していないライン油圧調圧弁(例えばリリーフ型のプライマリレギュレータバルブ)によりエンジン負荷等に応じた値に調圧される。また、第2ライン油圧PL2は、前記ライン油圧調圧弁によるライン油圧PLの調圧のために当該ブライン油圧調圧弁から排出される油圧を元圧として、図示していない第2ライン油圧調圧弁(例えばリリーフ型のセカンダリレギュレータバルブ)により調圧される。出力油圧PLM2は、ライン油圧PLを元圧として、例えばライン圧モジュレータNO.2バルブ124により調圧される。さらに、モジュレータ油圧PMは、変速制御用デューティーソレノイドバルブDS1,DS2から出力される制御油圧PDS1,PDS2と、ロックアップ制御用デューティーソレノイドバルブDSUから出力される制御油圧PDSUとの元圧になるものであって、ライン油圧PLを元圧としてモジュレータバルブ126により一定圧に調圧される。
ロックアップ制御用のデューティーソレノイドバルブDSUは、リニアソレノイドバルブからなり、励磁(ON)された状態において制御油圧PDSUを出力してロックアップコントロールバルブ122の油室122dに入力することによりロックアップコントロールバルブ122を図2のON位置にする一方で、非励磁(OFF)の状態において制御油圧PDSUの出力を停止してロックアップコントロールバルブ122を図2のOFF位置にする。
ロックアップコントロールバルブ122は、スプールバルブからなり、スプール弁子122a、圧縮コイルスプリング122b、油室122c、油室122d、フィードバック油室122e、入力ポート122i、入出力ポート122j、入出力ポート122k、入力ポート122m、ドレンポートEX、ドレンポートEX2などを備えている。
スプール弁子122aは、圧縮コイルスプリング122bにより図2の左半分に示すOFF位置側に向かって付勢されている。油室122cには、クラッチアプライコントロールバルブ112の出力ポート112uから出力された制御油圧PDS2が供給される。油室122dには、デューティーソレノイドバルブDSUから出力される制御油圧PDSUが供給される。フィードバック油室122eには、入出力ポート122jから出力されるロックアップ係合油圧PAPPLYが供給されるようになっており、このフィードバック油室122eにロックアップ係合油圧PAPPLYが供給されると、スプール弁子122aをOFF位置側に付勢する。
このロックアップコントロールバルブ122の基本的な動作を説明する。
まず、制御装置200から出力されるロックアップ差圧指示値PDに従ってデューティーソレノイドバルブDSUが励磁(ON)されることによって制御油圧PDSUが油室122dに入力されると、スプール弁子122aがその制御油圧PDSUに応じた推力により圧縮コイルスプリング122bの付勢力に抗して図2の右半分に示すON位置側へ移動させられることになる。
このON位置では、入力ポート122iに入力される第2ライン圧PL2を元圧とする作動油がロックアップ係合油圧PAPPLYとして入出力ポート122jから出力されてロックアップクラッチ15の係合側油室16に入力されるとともに、解放側油室17内の作動油が入出力ポート122kを介してドレンポートEXから排出される。これにより、ロックアップクラッチ15が係合される(ロックアップオン)。このようにスプール弁子122aをON位置に移動させた状態が請求項に記載の第1状態に相当する。
このロックアップクラッチ15の係合状態は、完全係合状態だけでなく係合過渡状態も含んでいる。つまり、制御装置200から出力されるロックアップ差圧指示値PDに従ってデューティーソレノイドバルブDSUの励磁電流が連続的に変化させられる一方で、ロックアップコントロールバルブ122のフィードバック油室122eにロックアップ係合油圧PAPPLYが供給されているので、制御油圧PDSUとロックアップ係合油圧PAPPLYおよび圧縮コイルスプリング122bの付勢力とが釣り合うようにスプール弁子122aが移動する。このように、ロックアップ差圧指示値PDに従う制御油圧PDSUに応じて、ロックアップ係合油圧PAPPLYとロックアップ解放油圧PRELEASEとの差圧つまりロックアップクラッチ15の係合側油室16内の油圧と解放側油室17内の油圧との差圧を連続的に制御することが可能になるので、その差圧に応じてロックアップクラッチ15を所定の係合過渡状態に制御することができる。
一方、デューティーソレノイドバルブDSUの励磁が停止(OFF)されることによって油室122dへの制御油圧PDSUの入力が停止されると、スプール弁子122aが圧縮コイルスプリング122bの付勢力によってOFF位置に移動される。
このOFF位置では、入力ポート122mに入力される第2ライン圧PL2を元圧とする作動油がロックアップ解放油圧PRELEASEとして入出力ポート122kから出力されてロックアップクラッチ15の解放側油室17に入力されるとともに、係合側油室16内の作動油が入出力ポート122jを介してドレンポートEX2から排出される。これにより、ロックアップクラッチ15が解放される(ロックアップオフ)。このようにスプール弁子122aをOFF位置に移動させた状態が請求項に記載の第2状態に相当する。
クラッチアプライコントロールバルブ112は、スプールバルブからなり、スプール弁子112a、圧縮コイルスプリング112b、油室112c、径差部112d、入力ポート112i、入力ポート112j、入力ポート112k、入力ポート112m、出力ポート112s、出力ポート112t、出力ポート112u、ドレンポートEXなどを備えている。
このクラッチアプライコントロールバルブ112は、スプール弁子112aが圧縮コイルスプリング112bにより上方に向かって付勢されることにより図2の左半分に示す第1状態(ノーマルポジション)とされており、油室112cに所定圧以上の制御油圧PDS1が、また、入力ポート112mに所定圧以上の制御油圧PDS2が共に入力されると、スプール弁子112aが前記第1状態から図2の右半分に示す第2状態(コントロールポジション)に移動させられる。そして、油室112cへの制御油圧PDS1および入力ポート112mへの制御油圧PDS2の少なくともいずれか一方の入力が停止されると、スプール弁子112aが前記第2状態から第1状態に移動させられる。
なお、例えば車両停止時においてシフトレバー(図示省略)がニュートラルポジションNからドライブポジションDあるいはリバースポジションRへ操作されると、所定圧以上の制御油圧PDS1が油室112cへ供給されるとともに所定圧以上の制御油圧PDS2が入力ポート112mへ供給される。
前記第1状態では、入力ポート112kに出力油圧PLM2が入力されると、この出力油圧PLM2が出力ポート112sから出力されてマニュアルバルブ(図示省略)を介して前進用クラッチC1のみに係合油圧PAとして供給されるので、前進用クラッチC1のみが係合される。
前記第2状態では、入力ポート112iに制御油圧PSLTが入力されると、この制御油圧PSLTが出力ポート112sから出力されてマニュアルバルブ(図示省略)を介して後進用ブレーキB1のみに係合油圧PAとして供給されるので、後進用ブレーキB1のみが係合される。
この他、前記第2状態において、入力ポート112mに制御油圧PDS2が入力されていると、この制御油圧PDS2が出力ポート112uから出力されてロックアップコントロールバルブ122の油室122cに入力されることになるので、制御油圧PDSUがロックアップコントロールバルブ122の油室122dに入力されていてもスプール弁子122aが強制的にOFF位置に保持されることになり、それによってロックアップクラッチ15が強制的に解放される(ロックアップオフ)。この状態は、フェールセーフ制御が実行されている状態である。このように、クラッチアプライコントロールバルブ112は、ロックアップ制御用のデューティーソレノイドバルブDSUのソレノイドオン故障によりロックアップクラッチ15が係合したままになっている場合に、ロックアップクラッチ15を強制解放させるためのフェールセーフバルブとして使用することができる。
なお、フェールセーフ制御を実行解除するために前記第2状態から第1状態に切り換えられると、ロックアップコントロールバルブ122の油室122cに供給された制御油圧PDS2が出力ポート112uを経てドレンポートEXから排出される。これにより、油室122cに供給された制御油圧PDS2の残圧によりロックアップクラッチ15の係合制御が影響を受けずに済む。
制御装置200は、CPU、ROM、RAMならびにバックアップRAMなどを互いに接続した構成のECU(Electronic Control Unit)とされている。ROMには、各種制御プログラムや、それら各種制御プログラムを実行する際に参照されるマップ等が記憶されている。CPUは、ROMに記憶された各種制御プログラムやマップに基づいて演算処理を実行する。また、RAMはCPUでの演算結果や各センサから入力されたデータ等を一時的に記憶するメモリであり、バックアップRAMはエンジン2の停止時にその保存すべきデータ等を記憶する不揮発性のメモリである。
この制御装置200は、各種センサ(図示省略)から入力される情報(例えばエンジン回転数NE、スロットルバルブ開度θth、エンジン水温Tw、タービンシャフト14の回転数NT、車速V、アクセルペダル開度Acc、フットブレーキ踏み込み量、シフトレバーポジションなど)に基づいて、例えばベルト式無段変速機30の変速制御やロックアップクラッチ15の切り換え制御などを実行する。
なお、ロックアップクラッチ15の基本的な切り換え制御については、例えば入力トルクに対応するスロットルバルブ開度θth及び車速Vをパラメータとして予め作成されてROMに記憶される制御マップ(係合、解放の切り換え条件)と、車両状態(実際のスロットルバルブ開度θthや車速V)とに基づいて、行うようにしている。
例えばロックアップクラッチ15が解放されている状態から、車速Vが高車速側に変化したり、スロットルバルブ開度θthが低開度側に変化して制御マップの係合切換線(図示省略)を横切ったりした場合には、ロックアップクラッチ15の係合要求(ロックアップオン指令)を油圧制御回路200に出力して、ロックアップクラッチ15の係合側油室16および解放側油室17に対する油圧供給量を制御することにより、ロックアップクラッチ15を係合させる。一方、ロックアップクラッチ15が係合している状態から、車速Vが低車速側に変化したり、スロットルバルブ開度θthが高開度側に変化して制御マップの解放切換線(図示省略)を横切ったりした場合には、ロックアップクラッチ15の解放要求(ロックアップオフ指令)を油圧制御回路200に出力して、ロックアップクラッチ15の係合側油室16および解放側油室17に対する油圧供給量を制御することにより、ロックアップクラッチ15を解放させる。
この制御装置200は、さらに、フェールセーフ制御、故障診断制御、レートモニタ制御などを実行する。
フェールセーフ制御は、油圧制御回路200のフェールセーフバルブとしてのクラッチアプライコントロールバルブ112を作動させることによりロックアップクラッチ15を強制解放させる制御である。
故障診断制御は、車載故障診断機能(OBD:オンボードダイアグノーシスシステム)の診断項目の1つに対応するものであり、前記フェールセーフ制御を実行した状態で車両発進した場合に油圧制御回路200のデューティーソレノイドバルブDSUのソレノイドがオン故障しているか否かを判定するための制御である。
レートモニタ制御は、車載故障診断機能(OBD)の診断項目の1つに対応するものであり、前記フェールセーフ制御を実行しない状態で車両発進した場合に前記故障診断制御の実行可能条件と同じ条件を模擬的に再現し、この再現回数に基づいて前記故障診断制御の実行可能条件が成立する確率を求めるとともに、この確率を情報記憶手段(例えば前記バックアップRAMなどに相当)に記憶する制御である。
以下、前記した切り替え制御、フェールセーフ制御、故障診断制御、レートモニタ制御について、図3から図5を参照して詳しく説明する。以下の説明では、制御装置200の制御動作を主体にして説明している。
まず、図3のタイミングチャートを参照して、ロックアップ制御用のデューティーソレノイドバルブDSUが正常作動する場合のロックアップクラッチ15の切り換え制御を説明する。
つまり、デューティーソレノイドバルブDSUが正常作動する場合には、車両発進時にフェールセーフ制御を実行しない。そこで、車両発進に伴いエンジントルクがトランスアクスル1を介して駆動輪(図示省略)に伝達されることによって、図3(a)に示すように車速が漸増することになる。この車速が時刻t1において所定速度(ロックアップオン判定値LUON)以上になると、図3(b)に示すようにロックアップオン指令を出力することにより、ロックアップクラッチ15を係合させる。このようにデューティーソレノイドバルブDSUが正常作動する場合には、図3(c)に示すようにソレノイドオン故障が検出されない。
次に、図4のタイミングチャートを参照して、デューティーソレノイドバルブDSUのソレノイドがオン故障している場合の各種制御を説明する。
つまり、デューティーソレノイドバルブDSUのソレノイドがオン故障している場合には、デューティーソレノイドバルブDSUから出力される制御油圧PDSUがロックアップコントロールバルブ122の油室122cに入力され続けるので、ロックアップコントロールバルブ122が図2のON状態のまま保持されてしまうことになり、ロックアップクラッチ15が係合(ロックアップオン)したままの状態になってしまう。
このようにロックアップクラッチ15がロックアップオンしたままの状態で例えば車両を発進させると、エンジン2がストールしてしまう。そこで、この実施形態では、エンジンストールが発生したことを検出すると、制御装置200はデューティーソレノイドバルブDSUのソレノイドがオン故障していると認識し、その後で車両を再発進させるときに、フェールセーフ制御を実行することにより、エンジンストールを回避させるようにしている。このフェールセーフ制御は、前記したが、クラッチアプライコントロールバルブ112によりロックアップクラッチ15を強制的に解放させる制御のことである。
そこで、図4(b)に示すように前記フェールセーフ制御を実行している状態(ロックアップクラッチ15が強制解除されている状態)で車両を発進させると、その発進時にエンジン2がストールすることが回避されることになって、デューティーソレノイドバルブDSUの正常作動時と同様、図4(a)に示すように車速が円滑に漸増するようになる。
この車速の漸増に伴い、時刻t11において車速が所定速度(フェールセーフオフ判定値FSOFF)以上になると、図4(b)に示すように前記フェールセーフ制御の実行を解除(フェールセーフオフ)させるための指令を出力する。このフェールセーフの実行解除は、クラッチアプライコントロールバルブ112からロックアップコントロールバルブ122の油室122cに対する制御油圧PDS2の入力を停止させることにより行う。なお、前記フェールセーフオフ判定値FSOFFは、ソレノイドオン故障の診断開始車速に設定される。
このフェールセーフ制御の実行を解除すると、デューティーソレノイドバルブDSUが正常作動する場合にはロックアップクラッチ15が解放(ロックアップオフ)されることになって、前記フェールセーフの解除時点からトルクコンバータ10のスリップ量が徐々に増加するようになるが、デューティーソレノイドバルブDSUのソレノイドがオン故障している場合にはロックアップクラッチ15が係合(ロックアップオン)されることになってしまうので、図4(d)に示すようにフェールセーフ制御の実行を解除した時刻t11からトルクコンバータ10のスリップ量が低下し始める。
このようにトルクコンバータ10のスリップ量が低下してゼロになると、デューティーソレノイドバルブDSUのソレノイドがオン故障していると推定できるが、それが一時的な現象か否かを見極めるために、スリップ量がゼロになった状態が所定時間TSにわたって継続されたか否かを調べる。
ここで、図4(d)に示すようにスリップ量がゼロになった時点から所定時間TSにわたって継続された場合には、図4(e)に示すように、時刻t13においてデューティーソレノイドバルブDSUのソレノイドがオン故障していてロックアップクラッチ15が係合したままの異常状態になっていると判定する。
ところで、前記フェールセーフオフ判定値FSOFFは、図4(a)に示すように、前記切り換え制御におけるロックアップオン判定値LUONよりも小さい値(低い車速値)に設定される。しかも、これら両方の判定値FSOFF,LUONの差(LUON−FSOFF)を小さく設定している場合、通常、時刻t11でフェールセーフオフ指令を出力してから直ぐの時刻t12においてロックアップオン指令を出力することになってしまうために、前記したようなデューティーソレノイドバルブDSUのソレノイドオン故障を判定するための時間つまり故障診断時間TTが不足する結果になってしまう。
そこで、この故障診断時間TTを十分に確保するために、車速が前記ロックアップオン判定値LUON以上になった時刻t12で即座にロックアップオン指令を出力せずに、前記時刻t12から所定時間TL遅延させた時刻t14においてロックアップオン指令を出力させるようにする。このようにロックアップオン指令の出力を遅延させることにより、前記故障診断時間TTを必要十分に確保するようにしている。
次に、図5のタイミングチャートを参照して、レートモニタ制御を説明する。このレートモニタ制御は、ロックアップ制御用のデューティーソレノイドバルブDSUが正常作動する状態において、そのソレノイドがオン故障しているか否かを判定するための前提条件つまり前記故障診断制御の実行可能条件が成立する確率を高めるための制御である。
つまり、レートモニタ制御は、ロックアップ制御用のデューティーソレノイドバルブDSUが正常作動する状態つまり図5(b)に示すように前記フェールセーフ制御を実行していない状態で車両を発進させる場合に実行するようにしている。
そこで、車両が発進すると、車両発進に伴いエンジントルクがトランスアクスル1を介して駆動輪(図示省略)に伝達されることによって、図5(a)に示すように車速が漸増することになる。この車速漸増過程では、前記したようにフェールセーフ制御を実行していないので、時刻t11において車速がフェールセーフオフ判定値LUOFF以上になっても、図5(b)に示すようにフェールセーフオフ指令を出力しない。
さらに車速が漸増してロックアップオン判定値LUON以上になると、図5(c)に示すようにロックアップオン指令を出力することにより、ロックアップクラッチ15を係合させる(切り換え制御)。このとき、デューティーソレノイドバルブDSUが正常作動するので、従来例のようにロックアップオンの開始タイミングが目標に対して遅れることがない。したがって、燃費が低下することがない。
そして、前記切り換え制御と並行して、当該切り換え制御にて出力する実際のロックアップオン指令と同じ図5(d)に示す仮想ロックアップオン指令を前記実際のロックアップオン指令の出力時点t12から所定時間TL遅延させて出力することによって図4に示す故障診断時間TTの延長処理を模擬的に再現する。
この後、前記再現処理の実行回数カウンタを図5(e)に示すようにカウントアップする。そして、この実行回数の積算値Xを、車両の発進から停車までを走行1回とした場合の走行回数の積算値Yで除算することにより前記確率を求めるとともに、この確率(実行回数の積算値X/走行回数の積算値Y)を情報記憶手段(制御装置200のバックアップRAMなど)に記憶する。
このようなレートモニタ制御を実行すると、前記故障診断制御を実際に実行していないが、前記したような仮想ロックアップオン指令を作成することによって、フェールセーフ制御を実行した状態で車両発進する場合に実行する前記故障診断制御を模擬的に再現できたことになるのである。
以上説明したように本発明を適用した実施形態では、フェールセーフ制御を実行しない状態(ロックアップ制御用のデューティーソレノイドバルブDSUが正常作動する状態)で車両発進した場合に、レートモニタ制御を実行することにより、デューティーソレノイドバルブDSUのソレノイドがオン故障しているか否かを判定するための前提条件つまり故障診断制御の実行可能条件と同じ条件を模擬的に再現させるようにしている。これにより、前記ソレノイドオン故障が発生していない正常走行中において前記故障診断制御の実行可能条件が成立する確率を高めることが可能になる。また、レートモニタ制御では、前記確率(X/Y)を情報記憶手段(制御装置200のバックアップRAMなど)に記憶させるようにしているから、この記憶情報を後から読み出すことにより、故障診断制御の実行可能条件が成立する確率を向上できていることを例えば車両整備者などが目視にて確認できるようになる。
なお、本発明は、上記実施形態のみに限定されるものではなく、特許請求の範囲内および当該範囲と均等の範囲で包含されるすべての変形や応用が可能である。以下で例を挙げる。
(1)上記実施形態では、本発明に係る車両用動力伝達装置としてFF方式の車両に搭載されるトランスアクスル1を例に挙げているが、本発明はこれに限定されるものではなく、図示していないが、例えばFR(フロントエンジン、リアドライブ)方式やその他の方式の車両に搭載される自動変速機にも適用可能である。但し、この自動変速機は、ロックアップクラッチ付きのトルクコンバータを備える構成になっていることが必須である。
(2)上記実施形態では、ベルト式無段変速機30を備えるトランスアクスル1を例に挙げているが、本発明はこれに限定されるものではなく、図示していないが、例えば遊星歯車式変速機とトルクコンバータ10とを組み合わせた自動変速機にも適用可能である。なお、前記遊星歯車式変速機は、遊星歯車機構と複数の摩擦係合要素(クラッチやブレーキ)とを備える構成とされる。
1 トランスアクスル
2 エンジン
10 トルクコンバータ
15 ロックアップクラッチ
16 係合側油室
17 解放側油室
100 油圧制御回路
112 クラッチアプライコントロールバルブ
122 ロックアップコントロールバルブ
DSU ロックアップ制御用のデューティーソレノイドバルブ
DS1 変速制御用デューティーソレノイドバルブ
DS2 変速制御用デューティーソレノイドバルブ
200 制御装置

Claims (3)

  1. ロックアップクラッチ付きのトルクコンバータと、ロックアップクラッチを係合または解放させるための油圧制御回路と、油圧制御回路の油圧供給経路を制御するための制御装置とを備える車両用動力伝達装置であって、
    前記油圧制御回路は、ロックアップクラッチに係合用油圧を入力するための第1状態または解放用油圧を入力するための第2状態に切り換えられるスプールバルブと、このスプールバルブにその状態切り換え用の制御油圧を入力するためのソレノイドバルブと、ソレノイドバルブから前記スプールバルブへの状態切り換え用制御油圧の入力に関係なく前記スプールバルブにそれを強制的に第2状態にするための制御油圧を入力するためのフェールセーフバルブとを備え、
    前記制御装置は、車速がロックアップオン判定値以上になったことを検出したときに前記ソレノイドバルブに前記スプールバルブを第1状態にさせるためのロックアップオン指令を出力する切り換え制御と、
    前記フェールセーフバルブを作動させることにより前記ロックアップクラッチを強制解放させるフェールセーフ制御と、
    前記フェールセーフ制御を実行した状態で車両発進した場合に前記ソレノイドバルブのソレノイドがオン故障しているか否かを判定するための故障診断制御と、
    前記フェールセーフ制御を実行しない状態で車両発進した場合に前記故障診断制御の実行可能条件と同じ条件を模擬的に再現し、この再現回数に基づいて前記故障診断制御の実行可能条件が成立する確率を求めるとともに、この確率を情報記憶手段に記憶するレートモニタ制御とを実行するものであり、
    前記故障診断制御は、前記車両発進後に車速が前記ロックアップオン判定値より小さな値に設定されるフェールセーフオフ判定値以上になったことを検出したときに前記フェールセーフ制御の実行を解除させるためのフェールセーフオフ指令を出力する処理と、
    前記フェールセーフオフ指令の出力に伴い前記トルクコンバータのスリップ量が所定以下に低下したことを検出しかつ当該低下検出時点から前記低下状態が所定時間継続したことを検出したときに、前記ソレノイドバルブのソレノイドがオン故障していると判定する処理と、
    前記オン故障の判定前において、前記車速が前記ロックアップオン判定値以上になったことを検出したときに、前記切り換え制御においてロックアップオン指令を出力するタイミングを所定時間遅延させることによって前記故障判定時間を延長させる処理とを行う、ことを特徴とする車両用動力伝達装置。
  2. 請求項1に記載の車両用動力伝達装置において、
    前記レートモニタ制御は、前記車両発進後に車速が前記ロックアップオン判定値以上になったことを検出したときに、前記切り換え制御と並行して、当該切り換え制御にて出力する実際のロックアップオン指令と同じ仮想ロックアップオン指令を前記実際のロックアップオン指令の出力時点から所定時間遅延させて出力することによって前記時間延長処理を模擬的に再現する処理と、
    前記再現処理の実行回数の積算値を、車両の発進から停車までを走行1回とした場合の走行回数の積算値で除算することにより前記確率を求めるとともに、この確率を情報記憶手段に記憶する処理とを行う、ことを特徴とする車両用動力伝達装置。
  3. 請求項1または2に記載の車両用動力伝達装置において、
    前記車両発進時にフェールセーフ制御を実行するか否かは、当該車両発進の前回発進時に、該車両用動力伝達装置に駆動力を入力するためのエンジンのストールが検出されているか否かに応じて決定され、エンジンストールが検出されている場合にフェールセーフ制御を実行する一方で、エンジンストールが検出されていない場合にフェールセーフ制御を非実行とする、ことを特徴とする車両用動力伝達装置。
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