JP5095270B2 - 開閉装置 - Google Patents
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この従来の開閉装置によれば、閉鎖動作中の開閉体がその下方側の障害物に当接した場合であっても、可撓性シート部が撓むため、開閉体から前記障害物に伝わる押圧力を軽減することができる。
更なる技術的手段によれば、前記開閉体に、閉鎖方向と交差する方向へ突出する複数の係止凸部を設け、これら複数の係止凸部の各々を、前記複数のストッパー部の各々によって受けるようにした。
更に、この開閉装置には、開閉体を巻取り軸に巻き取って収納するようにした態様や、開閉体を巻取り軸に巻き取ることなくその開放方向側に収納するようにした態様等を含む。
また、本明細書中において「開閉体幅方向」とは、開閉体の開閉方向と略直交する方向であって、上記開閉体の厚さ方向ではない方向を意味する。
また、本明細書中において「開閉体開閉方向」とは、開閉体が空間を仕切ったり開放したりするためにスライドする方向を意味する。
開閉体の下端側にストッパー部との当接による荷重が集中してしまうのを緩和することができ、ひいては、開閉体の下端側がストッパー部との当接により変形したり破損したり等するのを防ぐことができるため、剛体部の重量の制約を緩和することができる。
以下の開閉装置1は、住宅やビル、倉庫、工場、地下街、トンネル、車両の荷台等の躯体の開口部分や内部に配設され、前記開口部分を開閉したり、躯体内部の空間を仕切ったり開放したりするシャッター装置として適用可能であるが、特に好ましい態様として、火災等の非常時に自動閉鎖されて火炎や煙の蔓延を防ぐ防火シャッター装置に適用した一例について説明する。
この収納部10によれば、図示しない制御部が防災信号を受け、該制御部から開閉体20を閉鎖させるための指令が発せられると、開閉機13の出力軸及び巻取軸12が自由回転可能な状態となり、巻取軸12に巻かれた開閉体20が、自重によって下方へ繰り出され、閉鎖動作することになる。なお、この閉鎖動作の際、図示しない調速装置により巻取軸12の回転速度は制限される。
この開閉体構成部材21aは、上下に隣接する該開閉体構成部材21a,21aの内の一方を他方に対し回動させるように、且つ、これら隣接する上下の開閉体構成部材21a,21a間に遊びb(図2参照)を有するように、上下方向へわたって複数接続されている。
この遊びbは、図2(b)に示す好ましい一例によれば、第二の係止凸部21b2を有する開閉体構成部材21a(図示の最上部の開閉体構成部材21a)と、その下側に隣接する開閉体構成部材21aとが略最大限に離れた際の遊びとしているが、他例としては、前記隣接する開閉体構成部材21a,21a同士が図示よりも接近し、図示の遊びbよりも小さい遊びを確保した状態であってもよい。すなわち、前記隣接する開閉体構成部材21a,21a間に全く遊びのない状態でなければよい。
各係止凸部21b1,21b2,21b3は、図示例によれば略直方体状の剛体(例えば金属材料からなる)であり、上側に配置されるものほど開閉体幅方向の寸法が長く形成されている。
また、第二の係止凸部21b2は、前記最下端側の開閉体構成部材21aから所定数上側の開閉体構成部材21aに対し、その両側の各々に固定される。
また、第三の係止凸部21b3は、前記第二の係止凸部21b2から所定数上側の開閉体構成部材21aに対し、その両側の各々に固定される。
これら係止凸部21b1,21b2,21b3の各々を開閉体構成部材21aに対し固定する手段は、溶接や、ねじ止め、嵌合等とすればよい。
なお、当該開閉装置1が防炎目的に使用されない場合等には、前記可撓性シート部22の材質を、耐火性を有しない可撓性シート材とすることも可能である。
この可撓性シート部22は、複数のシート材を縦方向や横方向、あるいは斜め方向等に接続して構成してもよいし、一枚のシート材により構成してもよい。
また、前記可撓性シート部22の下端側には、全閉時に着座対象部位p(例えば床面や地面、枠部材等)に当接させるための座板部材23が、開閉体幅方向へわたって接続されている。
また、図示例以外の他例として、座板部材23を省略した態様とすることも可能である。
そして、このガイドレール30の溝底面には、受部材40が固定されている。
前記ストッパー部は、図示例によれば、下側から順に、第一のストッパー部41、第二のストッパー部42、第三のストッパー部43とされる。
同様にして、第二のストッパー部42は第二の係止凸部21b2の先端側を受けるように、また第三のストッパー部43は第三の係止凸部21b3の先端側を受けるように、それぞれ略平坦面状に形成している。
したがって、これらストッパー部41,42,43は、上方側のものほど、ガイドレール30の溝底部に近く配置される。
そのため、第一の係止凸部21b1が固定された開閉体構成部材21aに対する第一の係止凸部21b1下端面の相対位置と、第二の係止凸部21b2が固定された開閉体構成部材21aに対する第二の係止凸部21b2下端面の相対位置とを等しくした場合には、第一のストッパー部41の上端当接面と第二のストッパー部42の上端当接面との間隔cは、上記c’と等しくなり(換言すれば「c=c”」となり)、この間隔cは、「c=a×(n−1)+b」の式によって計算されることになる。
なお、第一の係止凸部21b1が固定された開閉体構成部材21aに対する第一の係止凸部21b1下端面の相対位置と、第二の係止凸部21b2が固定された開閉体構成部材21aに対する第二の係止凸部21b2下端面の相対位置とが異なる場合には、前記間隔cは、その相対位置の差k分だけ増減されて、「c=a×(n−1)+b+k」の式によって計算されることになる。
また、以上は第一のストッパー部41と第二のストッパー部42との間隔について説明したが、第二のストッパー部42と第三のストッパー部43との間隔についても、上記構成と同様にして設定される。
この構成の場合、上記数式は、遊びbを確保した接続箇所の数をxとし、「c=a×(n−1)+xb」となる。
また、更なる他例としては、第二の係止凸部21b2が固定された開閉体構成部材21aと、その下側に隣接する開閉体構成部材21aとの接続箇所のみに、上記遊びbよりも小さい遊びb1(図示せず)を確保することも可能である。この構成の場合、上記数式は、「c=a×(n−1)+b1(但し、0<b1<b)」となる。
先ず、図示しない自動閉鎖装置の作動により、開閉機13および巻取軸12等が自由回転可能な状態になると、開閉体20が自重によって巻取軸12から繰り出されて閉鎖動作する。
そして、開閉体20の閉鎖方向端部(詳細には座板部材23)が、着座対象部位p(例えば床面や地面、枠部材等)に当接すると、その当接と略同時に、剛体部21最下端の第一の係止凸部21b1が第一のストッパー部41に当接する。この当接時点までは、図2(a)に示すように、上下に隣接する開閉体構成部材21a,21a間の各接続箇所には、遊びbが確保される。
この際の「遊びbが詰まる」とは、上下に隣接する開閉体構成部材21a,21aが、前記遊びbの範囲内で最も接近した状態を意味している。
次に、下から2番目の開閉体構成部材21aとその上側の開閉体構成部材21aとの間の接続箇所について、遊びbが詰まる。
以降、同様にして、複数の接続箇所について、下から順番にbが詰まってゆく。
同様に、第二のストッパー部42には、第二の係止凸部21b2と第三の係止凸部21b3との間の開閉体構成部材21a(図示例によれば5つの開閉体構成部材21a)のみの重量が加わる。
また、第三のストッパー部43に対しては、第三の係止凸部21b3よりも上側の開閉体構成部材21aにおいて、巻取軸12に巻き残された部分(捨て巻き部分)以外の部分の重量が加わることになる。
すなわち、全閉時に開閉体20が受部材40から受ける荷重を、剛体部21における複数の係止凸部21b1,21b2,21b3を有する箇所に分散することができる。
しかも、係止凸部21b1,21b2間(又は21b2,21b3間)毎に、開閉方向の圧縮荷重を遊びbによって逃がすことができる。
ひいては、全閉時に剛体部21最下端側に荷重が集中して、剛体部21最下端側の開閉体構成部材21aが変形したり破損したり等するのを防ぐことができる。
図3に示す態様では、剛体部21の上下方向に所定間隔置きに設けられる複数(図示例によれば3つ)の係止凸部の内、その最下位の第一の係止凸部21c1は、先端側が断面L字状に曲げられた形状を呈し、その先端側を、開閉体厚さ方向における一方(図示例によればスラット裏面側)へ向けている。
また、最上位の第三の係止凸部21c3は、先端側が断面L字状に曲げられた形状を呈し、その先端側を、開閉体厚さ方向における他方(図示例によればスラット表面側)へ向けている。
また、第一の係止凸部21c1と第三の係止凸部21c3との間に位置する第二の係止凸部21c2は、その先端側を、開閉体幅方向へ向けて開閉体構成部材21aの幅方向端部よりも突出している。
また、前記係止凸部21c1,21c2,21c3のそれぞれの先端側を受けるように、第一のストッパー部41’、第二のストッパー部42’、第三のストッパー部43’が配設されている。
而して、図3に示す態様によれば、複数の係止凸部21c1,21c2,21c3により開閉体幅方向のスペースを必要とすることがなく、ひいては、ガイドレール30における開閉体幅方向の深さ寸法を比較的小さくすることができる。
すなわち、従来のパネルシャッター装置では、閉鎖動作の際、先ず最下端側のパネルが着座し、該パネルに次のパネルが着座し、この動作が繰り返されて、全閉に至る。そのため、前記最下端側のパネルに荷重が集中することになる。
しかしながら、上記実施の形態のように、複数のパネルからなる開閉体を、上下方向にわたる複数箇所のストッパー部により受け止めるようにすれば、前記荷重を分散させることができ、ひいては、最下端側のパネルが変形や損傷等するのを防ぐことができる。
更に他例として、可撓性シート部22は、剛体部21に設けられた装置により形成されるウォーターカーテン、ミストカーテン、エアーカーテン等に置換したり、前記カーテンを併設した構成としたり等することも可能である。
21:剛体部 21a:開閉体構成部材
21b1:第一の係止凸部 21b2:第二の係止凸部
21b3:第三の係止凸部 22:可撓性シート部
30:ガイドレール 40:受部材
41:第一のストッパー部 42:第二のストッパー部
43:第三のストッパー部 b:遊び
p:着座対象部位
Claims (3)
- 収納部から繰り出されて下方へ閉鎖動作する開閉体を、不動部位に固定されたストッパー部により受けて停止するようにした開閉装置において、
前記ストッパー部を上下方向へわたって複数箇所に設け、これら複数のストッパー部によって前記開閉体における複数の部分を受け止めるようにし、
前記開閉体に、閉鎖方向と交差する方向へ突出する複数の係止凸部を設け、これら複数の係止凸部の各々を、前記複数のストッパー部の各々によって受けるようにし、
前記開閉体の少なくとも一部を、上下に接続された三以上の開閉体構成部材によって構成するとともに、隣接する上下の開閉体構成部材の接続箇所に、その一方の開閉体構成部材に対し他方の開閉体構成部材を上下方向へ移動可能にする遊びを設け、
前記複数の係止凸部として、一以上の前記開閉体構成部材を間に置いて上下に配置される第一の係止凸部と第二の係止凸部とを具備し、
前記複数のストッパー部として、前記第一の係止凸部を受けるための第一のストッパー部と前記第二の係止凸部を受けるための第二のストッパー部とを具備する開閉装置であって、
前記第一の係止凸部を前記第一のストッパー部によって受けるとともに、前記第二の係止凸部を前記第二のストッパー部によって受けた状態で、少なくとも第二の係止凸部が固定された開閉体構成部材とその下側に隣接する開閉体構成部材との接続箇所に、前記遊びを確保し、その他の接続箇所については前記遊びが詰まるように、第一のストッパー部と第二のストッパー部との間隔を設定したことを特徴とする開閉装置。 - 前記第一の係止凸部を前記第一のストッパー部によって受けるとともに、前記第二の係止凸部を前記第二のストッパー部によって受けた状態で、第一の係止凸部が固定された開閉体構成部材と、第二の係止凸部が固定された開閉体構成部材との間隔は、
前記開閉体構成部材の配設ピッチをaとし、
隣接する上下の開閉体構成部材の接続箇所の遊び寸法をbとし、
第一の係止凸部が固定された開閉体構成部材から第二の係止凸部が固定された開閉体構成部材までの開閉体構成部材の数をnとした場合に、
a×(n−1)+bの式によって計算されることを特徴とする請求項1記載の開閉装置。 - 前記開閉体の上側部分を剛体部により構成するとともに、同開閉体の下側部分を可撓性シート部により構成し、前記可撓性シート部が着座対象部位に当接して全閉した際に、前記剛体部を前記複数のストッパー部により受けて、前記開閉体の閉鎖動作を停止するようにしたことを特徴とする請求項1又は2記載の開閉装置。
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