JP2022024231A - 目地装置 - Google Patents

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Abstract

Figure 2022024231000001
【課題】地震によって躯体同士が異なる方向に揺れ動いても、揺れ動きを吸収できる目地装置を提供する。
【解決手段】一方の躯体と一方の目地部2bを介して設けられた他方の躯体と、一方の躯体に設けた第1の目地プレート支持部と、他方の躯体に設けた第2の目地プレート支持部と、第1の目地プレート支持部に支持部材を介して取り付けた第2の目地プレート支持部7に支持されかつ一方の目地部2bの床部分を塞ぐ目地プレートと、一方の躯体に設けた一方のカバー装置取付部と、一方のカバー装置取付部に対して他方の目地部2aを介して他方の躯体に設けた他方のカバー装置取付部と、一方のカバー装置取付部に一端部が取り付けられ他方のカバー装置取付部に他端部がそれぞれ取り付けられた位置変位可能なカバー装置と、カバー装置の他端部を支持部材又は目地プレートのいずれかに接続するカバー装置接続手段13とで構成されていることを特徴とする。
【選択図】図1

Description

本発明は、平面視略コ字状の目地部、主に一方の躯体と他方の躯体間に設けられた自動式階段(エスカレーター)を含む階段の踊り場と躯体との間の目地部を塞ぐ目地装置に関する。
従来、一方の躯体と他方の躯体間に設けられたエスカレーターや階段は、その一端部(下階部分)の踊り場が一方の躯体に固定され、他端部(上階部分)の踊り場が他方の躯体に固定されている。
ところで、「踊り場」とは、本願発明においては自動式階段や階段の端部に設けられた平坦部をいう。
このような階段やエスカレーターにおいて、地震によって躯体が揺れ動いた場合に、その揺れ動きを吸収できるものとしては、「一方の躯体と、該一方の躯体に下端部側が取り付けられた階段と、該階段の上端部側の踊り場に目地部を介して設けられた他方の躯体と、該他方の躯体に設けられた目地プレート支持部と、前記階段の上端部側に一端部が取り付けられ、他端部が前記目地プレート支持部に支持され、前記目地部を塞ぐ目地プレートと、前記他方の躯体に一端部が固定され、他端部が前記目地プレートに支持され、かつ、前記目地プレート支持部を覆うカバープレートと、前記階段の前後方向の側部に設けられ、前記目地部をカバーするカバー装置とで構成され、前記カバー装置は、前記階段の上端部側の前後方向の両側部にそれぞれ設けられた一方の袖壁と、該一方の袖壁に対向するように他方の躯体にそれぞれ設けられた他方の袖壁と、前記一方の袖壁に一端部がスライド可能に挿入されると共に、前記他方の袖壁に他端部がスライド可能に挿入され、ヒンジ部を有するカバー部材と、該カバー部材を内側へ付勢する付勢手段とで構成され、前記カバー部材は、前記ヒンジ部を支点にして屈曲しており、地震によって一方と他方の躯体が揺れ動いた場合、前記階段は前記一方の躯体と同調して揺れ動く目地装置。」が知られている(特許文献1)。
しかし、このような目地装置では、中空上の袖壁等を用い、この袖壁内にカバー部材を挿入しなければならないので、構造が複雑になり、その結果、コスト高になるという欠点があった。
また、ヒンジ部の位置を維持する維持手段等を用いると、その機構が外部から目視することができるため、美観が損なわれるという欠点があった。
特許第6638048号公報
本発明は以上のような従来の問題点に鑑み、コストを抑え、かつ、美観を向上させることができると共に、地震によって躯体同士が異なる方向に揺れ動いた場合であっても、破損等せずに地震による揺れ動きを吸収でき、かつ、容易に設置可能な目地装置を提供することを目的としている。
本発明の前記ならびにそのほかの目的と新規な特徴は次の説明を添付図面と照らし合わせて読むと、より完全に明らかになるであろう。
ただし、図面はもっぱら解説のためのものであって、本発明の技術的範囲を限定するものではない。
上記目的を達成するために、本発明の請求項1に記載の目地装置は、一方の躯体と、一方の目地部(2b)を介して設けられた他方の躯体と、前記一方の躯体に設けられた第1の目地プレート支持部と、前記他方の躯体に設けられた第2の目地プレート支持部と、前記第1の目地プレート支持部に支持部材を介して移動可能に取り付けられると共に、前記第2の目地プレート支持部7に支持されかつ前記一方の目地部(2b)の床部分を塞ぐ目地プレートと、前記一方の躯体に設けられた一方のカバー装置取付部と、この一方のカバー装置取付部に対して、前記他方の目地部(2a)を介して前記他方の躯体に設けられた他方のカバー装置取付部と、前記一方のカバー装置取付部に一端部が取り付けられていると共に前記他方のカバー装置取付部に他端部がそれぞれ取り付けられかつ地震時に位置変位可能なカバー装置と、前記カバー装置の他端部を前記支持部材又は前記目地プレートのいずれかに接続するカバー装置接続手段13とで構成されていることを特徴とする。
請求項2に記載の目地装置は、前記他方のカバー装置取付部に端部カバー部材がスライド移動可能に取り付けられおり、該端部カバー部材は、前記他方の躯体の壁面に設けられ、かつ、前後方向に壁面を有するレール状のカバー装置支持部に支持され、前記端部カバー部材の底面には、前記カバー装置支持部の前後方向の壁面に略当接する下向き略コ字状のガイドレールと、前記ガイドレールの内側に設けられ、その下部が前記カバー装置支持部に支持される複数個の滑動部材とを備えることを特徴とする。
請求項3に記載の目地装置は、一方の躯体と、前記一方の躯体に目地部を介して設けられた他方の躯体と、前記一方の躯体に設けられた第1の目地プレート支持部と、前記第1の目地プレート支持部に前記目地部を介して左右方向に対向するように前記他方の躯体に設けられた第2の目地プレート支持部と、前記第1の目地プレート支持部にその一端部が支持部材を介して前後方向にスライド移動可能に取り付けられると共に、前記第2の目地プレート支持部に他端部が支持された目地プレートと、前記一方の躯体の前後方向の両側部側にそれぞれ設けられた一対の一方のカバー装置取付部と、この一方のカバー装置取付部とそれぞれ前記目地部を介して前後方向に対向するように前記他方の躯体側に設けられた一対の他方のカバー装置取付部と、前記一方のカバー装置取付部に一端部側がそれぞれ取り付けられていると共に、前記他方のカバー装置取付部に他端部側がそれぞれ取り付けられた一対のカバー装置と、前記一対のカバー装置の他端部側をそれぞれ前記支持部材又は前記目地プレートに接続するカバー装置接続手段とで構成され、前記カバー装置は、前記一方のカバー装置取付部に、その一端部が回動可能に取り付けられた一方のカバー部材と、前記一方のカバー部材の他端部に回転可能に一端部が接続された接続部材と、前記接続部材の他端部に一端部が回転可能に取り付けられた他方のカバー部材と、前記カバー部材の他端部に回転可能に取り付けられるとともに、前記他方のカバー装置取付部にスライド移動可能に取り付けられた端部カバー部材とで構成されており、前記目地部が開口しないように塞ぐことができることを特徴とする。
請求項4に記載の目地装置の前記端部カバー部材は、前記他方の躯体の壁面に設けられ、かつ、前後方向に壁面を有するレール状のカバー装置支持部に支持され、前記端部カバー部材の底面には、前記カバー装置支持部の前記前後方向の壁面に略当接する下向き略コ字状のガイドレールと、前記ガイドレールの内側に設けられ、その下部が前記カバー装置支持部に支持される複数個の滑動部材とを備えることを特徴とする。
請求項5に記載の目地装置の前記接続部材は、少なくとも1つのヒンジ部を有し、前記接続部材が前記ヒンジ部を支点に折り曲げ可能に形成されていることを特徴とする。
以上の説明から明らかなように、本発明にあっては次に列挙する効果が得られる。
(1)請求項1及び請求項3に記載の発明においては、階段の踊り場と他方の躯体との間の目地部を目地プレートで覆っているので、一方の躯体と他方の躯体が地震によって異なる揺れ動きをした場合であっても、躯体や階段が損傷することなく地震による揺れ動きを吸収することができる。
(2)階段は一方の躯体と同調して揺れ動くように設けられているので、階段の一端部側は、通常と同様の施工で設置することができる。したがって、比較的容易に設置することができる。
(3)実施形態では、例えば目地プレートの前後方向の端部にそれぞれ設けられた前後一対の他方のカバー装置取付部(11、11)に前後一対のカバー装置(12、12)の他端部をそれぞれ取り付け、一方、前記カバー装置(12)の他端部の反対側の一端部を踊り場(5a)側の前後の側壁部(26、26)に取り付けたので、人が前記踊り場(5a)の前後と他方の躯体4の前後の空間部分に相当する目地部(2a、2a)に人が入り込まないように防止することができる。また低コストで施工でき、しかも、部品点数が少ないため、美観を向上させることができる。
(4)請求項2及び請求項4に記載の発明についても、前記(1)~(3)と同様な効果が得られるとともに、支持レール及びガイドレールを重ね合わせるように設けているので、端部カバー部材の下端部等に隙間がある場合でも、この支持レール及びガイドレールによって、物が前記隙間から落下することを防止できる。
(5)請求項5に記載の発明についても、前記(1)~(4)と同様な効果が得られるとともに、接続部材も屈曲可能に形成しているため、自身によりカバー部材が屈曲変位する際に、よりスムーズに地震による揺れ動きを吸収することができる。
図1乃至図9は本発明の第1の実施形態を示す説明図である。
図10乃至図12は本発明の第2の実施形態を示す説明図である。
第1の実施形態の目地装置の平面図。 図1の2-2線に沿う断面図。 目地部及び第1、第2の目地プレート支持部の説明図。 目地プレートの説明図。 カバー装置の説明図。 他方のカバー装置取付部に端部カバー部材を取り付けた状態の断面図。 地震で目地部が狭くなった動作説明図。 地震で目地部が広くなった動作説明図。 地震で左右の躯体が異なる前後方向に揺れ動いた場合の動作説明図。 第2の実施形態の目地装置の平面図。 図10の11-11線に沿う断面図。 目地プレートの説明図。
以下、図面に示す本発明を実施するための形態により、本発明を詳細に説明する。ここで、用語について定義する。明細書に於いて、左右方向とは図1における左右方向(符号の向きを基準)であり、「前後方向」とは図1における上下方向(符号の向きを基準)をいい、「上下方向」とは図2における上下方向をいう。また「躯体」とは、建物、道路、スラブ、エレベーターシャフト等の目地プレートを設置可能な建造物をいい、出入口とはドアや扉の設けられた出入口だけではなく、人や車両等が通行できる通路も含むものである。
また「踊り場」とは、当業者の間では、階段の途中に設けた、やや広い平坦なスペースのことを言うが、ここでは自動式階段を含む階段の途中に設けた平坦なスペース、自動式階段を含む階段の上端部に設けたやや広い平坦なスペースを言う。したがって、固定式或いは可動式階段やエスカレーターを利用して登った場合の方向変換可能な広い平坦なスペースは全て含まれる。
また「目地部」とは、少なくとも踊り場の周りの一部と他方の躯体の間のクリアランスが含まれ、さらに、実施形態では、少なくとも前記踊り場の前後の側壁部と他方の躯体に設けた前後のカバー装置支持部との間の目地プレートを配設されていない前後の空間部分も含まれる。また「端部」と「端部側」は同義である。さらに「設け」又は「取り付け」の概念には、A部材にB部材を直接的に接続した場合にのみならず、発明の課題を逸脱しない範囲で、A部材にC部材を介してB部材を間接的に接続した場合も含まれる。
さて、図1乃至図9に示す本発明を実施するための第1の形態において、1は目地装置である。この目地装置1は、一方の躯体と階段を介して接続する踊り場の周りの一部又は全部と他方の躯体の間の目地部2を塞ぐものである。実施形態では、踊り場5aの右側に設けた第1目地プレート支持部6と、該第1目地プレート支持部と対向する他方の躯体の第2目地プレート支持部7の間の目地部2(2b)には、目地プレート9が配設されている。
これに対して、前記階段の上端部側に相当する踊り場5aの前後の側壁部26と他方の躯体4に設けた前後のカバー装置支持部11との間の目地部2(2a)には、目地プレートを配設されていない。
ここで、本発明を要約すると、目地装置1は、階段5を備える一方の躯体3と、前記階段の踊り場5aの一方の目地部2(2b)を介して設けられた他方の躯体4と、前記一方の躯体3に前記踊り場5aを介して設けられた第1の目地プレート支持部6と、前記他方の躯体4に設けられた第2の目地プレート支持部7と、前記第1の目地プレート支持部6に支持部材8を介して移動可能に取り付けられると共に、前記第2の目地プレート支持部7に支持され、かつ、前記一方の目地部2(2b)の床部分を塞ぐ目地プレート9と、前記階段5に設けられた一方のカバー装置取付部10と、この一方のカバー装置取付部10に対して、踊り場5aの他方の目地部2(2a) を介して前記他方の躯体4に設けられた他方のカバー装置取付部11と、前記一方のカバー装置取付部10に一端部が取り付けられていると共に、前記他方のカバー装置取付部11に他端部がそれぞれ取り付けられ、かつ、地震時に位置変位可能なカバー装置12と、前記カバー装置12の他端部を前記支持部材8又は前記目地プレート9のいずれかに接続するカバー装置接続手段13とで構成されている。
付言すると、実施形態では、目地装置1は、階段5が設けられた一方の躯体3と、前記一方の躯体3の階段5の上端部側の踊り場5aに目地部2を介して設けられた他方の躯体4と、前記踊り場5aに設けられた第1の目地プレート支持部6と、前記第1の目地プレート支持部6に左右の目地部2bを介して左右方向に対向するように前記他方の躯体4に設けられた第2の目地プレート支持部7と、前記第1の目地プレート支持部6にその一端部が支持部材8を介して前後方向にスライド移動可能に取り付けられると共に、前記第2の目地プレート支持部7に他端部が支持され、かつ、前記目地部2の床部分を塞ぐ目地プレート9と、前記一方の躯体3の階段5の前後方向の両側部側にそれぞれ設けられた一対の一方のカバー装置取付部10と、この一方のカバー装置取付部10に対してそれぞれ前後の目地部2a、2aを介して前後方向に対向するように前記他方の躯体4側に設けられた一対の他方のカバー装置取付部11と、前記一方のカバー装置取付部10に一端部側がそれぞれ取り付けられていると共に、前記他方のカバー装置取付部11に他端部側がそれぞれ取り付けられた一対のカバー装置12と、前記一対のカバー装置12の他端部側を前記支持部材8又は前記目地プレート9のいずれかにそれぞれ接続するカバー装置接続手段13とで構成されており、通常時(図1等の状態)のみならず、地震が発生した場合であっても前記目地部2が開口しないように塞ぐものである。
ここで、「目地部2が開口しないように塞ぐ」とは、目地部2の上を歩行者等の通行が通行できるように、前記目地部の少なくとも一部の床面部分を塞ぐとともに、その他の目地部が開口している部分はカバー装置12等を用いて人等が侵入できないようして、目地部2から人等が目地部2の下部へ落下することがないように塞ぐいう意味である。
一方の躯体3と他方の躯体4は、地震によって揺れ動いた際に、それぞれ異なる動きをする躯体で、例えば、地面に設置された階段5自体が一方の躯体3となる場合や、異なる建物間を接続する階段5、一方の躯体3と中間免震装置等で接続された他方の躯体4間(同一の建物内の異なるフロアが一方の躯体3と他方の躯体4となり、そのフロア間)に設けられる階段5等が考えられる。
階段5は、本願発明では、エスカレーターと通常の階段の両方を含むものであり、本実施形態では、エスカレーター5を例にして説明する。なお、エスカレーター5自体は、一般的なエスカレーター5と同様の構成であるので、その説明を割愛する。
例えば図2に示すように、エスカレーター5の一端部(低い方:下端部側)は、一方の躯体3の床面又は地面に取り付けられており、エスカレーター5の他端部(高い方:上端部側)は、バー状の支持部材8を介して一方の躯体3の床面又は地面に支持されている。そのため、エスカレーター5は一方の躯体3と一体的に設けられており、地震時には一方の躯体3又は地面と同調して揺れ動く。本実施形態においては、一方の躯体3にエスカレーター5が設けられている場合について説明する。
このエスカレーター5の他端部側の踊り場5aは、他方の躯体4とは連続しておらず、他方の躯体4との間に前後方向及び左右方向の目地部2を有している。
この目地部2は、例えば図3に示すように、前後の目地部2a及び左右の目地部2bが平面視において全体として略コ字状に形成されている。付言すると、踊り場5aの右側に設けた第1目地プレート6と、該第1目地プレートと対向する他方の躯体の第2目地プレート支持部7の間の一方(左右)の目地部2(2b)と、該一方の目地部2(2b)に連通する踊り場5aの前後の側壁部26と他方の躯体4に設けた前後のカバー装置支持部11との間の他方(前後)の目地部2(2a)は、平面視略コ字状に見える。前記他方の目地部2(2a)と一方の目地部2(2b)は、地震の際に左右方向及び前後方向の揺れ動きを吸収できる所定の長さ及び幅となっている。なお、前述したようにこの目地部2のうち一方の目地部2bは目地プレート9によって塞がれている。
しかして、目地プレート9は、本実施形態においては、エスカレーター5の他端部側の踊り場5aに連続するように、その一端部が前記踊り場5aに設けられたレール状の第1の目地プレート支持部6に支持部材8を介して前後方向にスライド移動可能に取り付けられている。なお、この支持部材8は、角パイプ、H鋼、角柱等のバー状部材で、その底面は第1の目地プレート支持部6に固定されたローラー等の滑動部材14を介して第1の目地プレート支持部6に支持されている。支持部材8の長さは、本実施形態においては、目地部2の前後方向の長さと略同一に形成されている。また、第1の目地プレート支持部6は本実施形態においては、レール状の部材を用いたが、踊り場5a(一方の躯体3)の目地部側端部に直接形成しても良い。
エスカレーター5の他端部側の踊り場5aと対向する他方の躯体4の部位には、第2の目地プレート支持部7が形成されており、この第2の目地プレート支持部7の上面に前記目地プレート9の他端部が支持される。
この第2の目地プレート支持部7は、本実施形態においては、他方の躯体4の床面上に形成された凹所状の部位で、この凹所内を目地プレート9の他端部が移動可能に支持する。この第2の目地プレート支持部7の目地部2と逆側の端部には乗り上げ傾斜面15が形成されている。
本実施形態において目地プレート9は、図4に示すように、平面視矩形状で浅皿状の目地プレート本体16と、この目地プレート本体16に充填されたモルタルやコンクリート等の充填部材17と、目地プレート本体の一端部側の前後端部付近に設けられたピンボックス18と、前記充填部材17の上部に設けられた化粧板19と、目地プレート本体16の他端部付近にヒンジを介して設けられた端板20とで構成されている。
目地プレート9は、図4に示すように、その一端部が支持部材8に固定された取付ピン21がピンボックス18に挿入され、支持部材8に回動可能に取り付けられ、他端部が第2の目地プレート支持部7に支持されている。
なお、本実施形態においては、複数個の目地プレート9を用いて左右方向の目地部2bを塞いでおり、複数個の目地プレート9は支持部材8により連結されている。
また、前後方向の端部に位置する目地プレート9又は支持部材8の前後端部付近には、カバー装置12を接続するカバー装置接続手段13が設けられている。このカバー装置接続手段13は、地震によって躯体3、4が揺れ動いた際に、カバー装置12の他端部側が目地プレート9や支持部材8と一体となって揺れ動くようにするものである。
ところで、この目地プレート9や支持部材8は、左右方向の揺れ動きについては一方の躯体3と同調して揺れ動き、前後方向の揺れ動きについては他方の躯体4と同調して揺れ動くものである。すなわち、一方の躯体3とは左右方向の位置関係が変化せず、他方の躯体4とは前後方向の位置関係が変化せず揺れ動くものである。
実施形態においては、カバー装置接続手段13は、例えばアングル状に折り曲げられた金具状の部材で、一端部が目地プレート9又は支持部材8(本実施形態においては、支持部材8)に固定され、他端部がカバー装置12の他端部側、本実施形態においては、他方のカバー部材24と端部カバー部材25の接続部又はこの接続部付近の端部カバー部材25に枢支ピン、ビス止め、溶接等によって取り付けられる。
なお、カバー装置接続手段13は目地プレート9等とカバー装置12の他端部側とが同調して動くように接続するものであればどのようなものを用いてもよく、前述のような金具に限定されるものではなく、例えばワイヤー等を用いて目地プレート等とカバー装置を接続してもよい。
第2の目地プレート支持部7の長さは、少なくとも地震による揺れ動き幅の2倍以上で、かつ、地震時に目地プレート9が衝突しない寸法に形成されており、前後方向の寸法は、目地部2の前後方向の寸法と略同寸法に形成されている。
前後方向の目地部2aは、本実施形態においては、一対のカバー装置12を用いて目地部2aが開口しないように塞いでいる。なお、「目地部2が開口しないように塞ぐ」とは、前述したように目地部2の上部が目地プレート9等で直接塞がれている場合や、平面視では目地部2が視認できるものの、壁やカバー装置12等により目地部2に人等が侵入できないように塞いでいる状態を含むものである。
地震時に位置変位可能なカバー装置12は、前後方向に伸縮可能で、本実施形態においては、図1、図5等に示すように、一方のカバー装置取付部10に、その一端部が回動可能に取り付けられた一方のカバー部材22と、前記一方のカバー部材22の他端部に回転可能一端部が接続された接続部材23と、前記接続部材23の他端部に一端部が回転可能に取り付けられた他方のカバー部材24と、前記カバー部材24の他端部に回転可能に取り付けられるとともに、前記他方のカバー装置取付部11にスライド移動可能に取り付けられた端部カバー部材25とで構成されており、通常時、平面視において一方のカバー部材22、接続部材23及び他方のカバー部材24が目地プレート9側へ略山形に凸状態となるように屈曲している。
すなわち、カバー装置12の一端部側(一方のカバー部材22の一端部)が一方のカバー装置取付部10に取り付けられ、他端部側(端部カバー部材25)が他方のカバー装置取付部11に取り付けられている。
一方のカバー装置取付部10は、エスカレーター5の前後方向の側面付近に略当接するようにそれぞれ設けられた手摺状の一方の側部壁26に設けられている。この一方の側部壁26は他方の躯体4側の端部(左右方向の目地部2b側の端部)が踊り場5aの目地部側端部と略面一となるように形成されており、この他方の躯体4側の端部付近に一方のカバー装置取付部10が設けられている。
ところで、「略当接する」とは、ピッタリと当接する状態、わずかな隙間を隔てて接近している状態、重なり合っている状態を含むものである。
この一方のカバー装置取付部10は、ヒンジジョイントのように形成されており、この一方のカバー装置取付部10に一方のカバー部材22の一端部が回転可能に枢支される。
他方のカバー装置取付部11は、他方の躯体4の前後の目地部2a側の壁面に固定したカバー装置支持部27としてのレール部材27と、他方の躯体4の前後の目地部2a付近に設けられた他方の側部壁28に備えられ、端部カバー部材25の上端部付近をガイドするガイド部29とで構成されている。
カバー装置支持部27として、上面が開口した略コ字状のレール部材27が固定されており、端部カバー部材25の底面が、このレール部材27に左右方向にスライド移動可能に支持される。
ところで、図6に示すように、端部カバー部材25の底面には、前記レール部材27の前後方向の壁面27aに略当接し、下向き略コ字状のガイドレール30と、前記ガイドレール30の内側に設けられ、その下部がレール部材27に支持される複数個の滑動部材14が設けられている。
このようにレール状のカバー装置支持部27と下向き略コ字状のガイドレール30とが上下方向に嵌合(遊嵌)状態となることにより、端部カバー部材25の底面とカバー装置支持部27との間に隙間が生じることを防止することができ、そのような隙間から物等が目地部2に落下することを防止することができる。
カバー装置支持部27は、本実施形態においては、他方の躯体4の壁面に固定されたレール部材27を用いているが、例えば、他方の躯体4の前後の目地部2a側床面を凹所状に形成してカバー装置支持部27としてもよいし、他方の躯体4の前後の目地部2a付近の床面自体をカバー装置支持部27としても良い。また、他方の躯体4の前後の目地部2a側床面をレール状に加工してカバー装置支持部27としてもよく、このような場合には、レール状の部材を用いることなく下向き略コ字状のガイドレール30を嵌合(遊嵌)状態で取り付けることができる。
他方の側部壁28は平面視において、左右方向に延在し、他方の躯体4の前後方向の目地部2a付近に固定されている。この他方の側部壁28の上端部付近の前記前後方向の目地部2a側には、端部カバー部材25をガイドするガイド部29が設けられている。このガイド部29は、端部カバー部材25の上面と係合するレール状に形成されており、端部カバー部材25が目地部2a側に傾倒することなく左右方向にスライド移動できるようにガイドしている。
なお、一方のカバー部材22、他方のカバー部材24、端部カバー部材25及び側部壁26、28は壁面状、手摺状に形成されているものであればどのような形状のものを用いてもよい。付言すると、ガラスパネル、格子状の手摺、壁面状の手摺等、人や物の侵入が防止できるものであればどのような形状でもよい。また、一方の側部壁26については、エスカレーター5の手摺5bを一方の側部壁26として用いてもよい。エスカレーター5の手摺5bを一方の側部壁26とする場合には、一方のカバー装置取付部10を踊り場5aの目地部側端部と略面一となるように形成する。
一方のカバー部材22は、その他端部に接続部材23を介して他方のカバー部材24が取り付けられており、一方のカバー部材22と接続部材23の接続部、他方のカバー部材24と接続部材23との接続部及び他方のカバー部材24と端部カバー部材25の接続部は、それぞれ回動軸31を介して接続されている。
接続部材23は、所定の長さを有する部材で、本実施形態においては、少なくとも1つのヒンジ部32を有し、接続部材23が前記ヒンジ部32を支点に折り曲げ可能に形成されている。
なお、回動軸31とヒンジ部32の間にはほとんど間隙が生じないように、略当接するように回動軸31とヒンジ部32を設けることが望ましい。
このような接続部材23を用いることにより、一方のカバー部材22、接続部材23、他方のカバー部材24が平面視において略山型状に接続され、地震による躯体3、4の揺れ動きによってカバー部材22、24が変位する際に、スムーズに変位させることができる。一方のカバー部材22と一方の側部壁26の成す角及び他方のカバー部材24と端部カバー部材25が成す角は、それぞれ120度程度であることが望ましい。
なお、接続部材23はヒンジ部32を2つ以上有してもよいし、ヒンジ部32を有さなくてもよい。
他方のカバー部材24の他端部には端部カバー部材25が回転可能に接続されている。カバー装置接続手段13は、カバー装置12の他端部側に接続されていればよいが、好ましくは他方のカバー部材24と端部カバー部材25の接続部付近に接続されることが望ましい。
地震で左右の躯体3、4が左右方向に揺れ動き、左右方向の目地部2bが狭くなると、図7に示すように、エスカレーター5は一方の躯体3に同調して揺れ動き、目地プレート9が第2の目地プレート支持部7に形成された乗り上げ傾斜面15に乗り上げ、カバー装置12の他端部側は目地プレート9等と同調して左右方向にスライド移動し、揺れ動きを吸収する。なお、このとき端部カバー部材25は他方のカバー装置取付部11にガイドされて左右方向にスライド移動する。
地震で左右の躯体3、4が左右方向に揺れ動き、左右方向の目地部2bが広くなると、図8に示すように、エスカレーター5は一方の躯体3に同調して揺れ動き、目地プレート9が第2の目地プレート支持部7上を左右方向にスライド移動すると共に、カバー装置12の他端部側は目地プレート9等と同調して左右方向にスライド移動し、揺れ動きを吸収する。
地震で左右の躯体3、4が前後方向に揺れ動き、前後方向の目地部2aの幅が変化すると、図9に示すように、カバー装置12の一方のカバー部材22、接続部材23、他方のカバー部材24が変形し、その揺れ動きを吸収する。
また、目地プレート9は、他方の躯体4と同調して揺れ動き、目地プレート9の一端部が一方の躯体3と相対的に前後方向にスライド移動(支持部材8が第1の目地プレート支持部6上を前後方向にスライド移動)し、地震による揺れ動きを吸収する。地震による揺れ動きが終了し、躯体3、4が通常状態に復帰すると、カバー装置12も通常状態(図1の状態)に復帰する。
なお、図示しないが回動軸31やヒンジ部32にねじりコイルばね等の付勢具を設けることにより、カバー装置12の復帰を補助することもできる。
[発明を実施するための異なる形態]
次に、図10乃至図12に示す本発明を実施するための異なる形態につき説明する。なお、これらの本発明を実施するための異なる形態の説明に当って、前記本発明を実施するための第1の形態と同一構成部分には同一符号を付して重複する説明を省略する。
図10乃至図12に示す本発明を実施するための第2の形態において、前記本発明を実施するための第1の形態と主に異なる点は、他方の躯体4の床面を第2の目地プレート支持部7Aとするとともに、平板状の目地プレート9Aを用いた点で、このようなカバー装置12A等を用いた目地装置1Aにしても、前記本発明を実施するための第1の形態と同様の作用効果を得ることができる。
この目地プレート9Aは、複数個の平面視略方形状の板状の部材で、支持部材8に一端部側が固定されて前後方向に連結されており、その他端部側には他方の躯体4の床面との段差を解消するための傾斜面33が形成されている。
ところで、このように複数個の目地プレート9Aを用いず、一枚板の幅広の目地プレート9Aを用いてもよいし、目地部2bを塞ぐことができるものであればどのような形状であってもよい。
本実施形態においては、カバー装置接続手段13を目地プレート9Aに設けている。前後方向の端部に位置する目地プレート9Aの端部付近に平板状の金具を固定し、この金具を端部カバー部材25等に固定して目地プレート9A等とカバー装置12の他端部側を接続する。
なお、第2の目地プレート支持部7を凹所状に形成し、この凹所の上部にカバープレート等を設け、凹所状の第2の目地プレート支持部7を塞いでもよい。
また、一方のカバー部材22、接続部材23、他方のカバー部材24の下部(底面)は、本実施形態においては、目地プレート9Aと接触しない(宙に浮いている)状態となっているが、ローラーやベアリング等の滑動部材14を介して目地プレート9Aと接触していてもよい。
本発明の実施形態においては、自動式階段(エスカレーター)を想定して説明したが、本発明はこれに限られず、通常の階段に用いてもよく、また、階段に限らず平面視略コ字状の目地部間に設けることができる。
本発明は目地装置を製造する産業で利用される。
1、1A:目地装置、 2:目地部、
3:一方の躯体、 4:他方の躯体、
5:階段、 5a:踊り場、
6:第1の目地プレート支持部、
7、7A:第2の目地プレート支持部、8:支持部材、
9、9A:目地プレート、 10:一方のカバー装置取付部、
11:他方のカバー装置取付部、 12、12A:カバー装置、
13:カバー装置接続手段、 14:滑動部材、
15:乗り上げ傾斜面、 16:目地プレート本体、
17:充填部材、 18:ピンボックス、
19:ヒンジ、 20:端板、
21:取付ピン、 22:一方のカバー部材、
23:接続部材、 24:他方のカバー部材、
25:端部カバー部材、 26:一方の側部壁、
27:カバー装置支持部、 28:他方の側部壁、
29:ガイド部、 30:ガイドレール、
31:回動軸、 32:ヒンジ部、
33:傾斜面。



Claims (5)

  1. 一方の躯体と、一方の目地部(2b)を介して設けられた他方の躯体と、前記一方の躯体に設けられた第1の目地プレート支持部と、前記他方の躯体に設けられた第2の目地プレート支持部と、前記第1の目地プレート支持部に支持部材を介して移動可能に取り付けられると共に、前記第2の目地プレート支持部7に支持されかつ前記一方の目地部(2b)の床部分を塞ぐ目地プレートと、前記一方の躯体に設けられた一方のカバー装置取付部と、この一方のカバー装置取付部に対して、前記他方の目地部(2a)を介して前記他方の躯体に設けられた他方のカバー装置取付部と、前記一方のカバー装置取付部に一端部が取り付けられていると共に前記他方のカバー装置取付部に他端部がそれぞれ取り付けられかつ地震時に位置変位可能なカバー装置と、前記カバー装置の他端部を前記支持部材又は前記目地プレートのいずれかに接続するカバー装置接続手段13とで構成されている目地装置。
  2. 前記他方のカバー装置取付部に端部カバー部材がスライド移動可能に取り付けられおり、該端部カバー部材は、前記他方の躯体の壁面に設けられ、かつ、前後方向に壁面を有するレール状のカバー装置支持部に支持され、前記端部カバー部材の底面には、前記カバー装置支持部の前後方向の壁面に略当接する下向き略コ字状のガイドレールと、前記ガイドレールの内側に設けられ、その下部が前記カバー装置支持部に支持される複数個の滑動部材とを備えることを特徴とする請求項1に記載の目地装置。
  3. 一方の躯体と、前記一方の躯体に目地部を介して設けられた他方の躯体と、前記一方の躯体に設けられた第1の目地プレート支持部と、前記第1の目地プレート支持部に前記目地部を介して左右方向に対向するように前記他方の躯体に設けられた第2の目地プレート支持部と、前記第1の目地プレート支持部にその一端部が支持部材を介して前後方向にスライド移動可能に取り付けられると共に、前記第2の目地プレート支持部に他端部が支持された目地プレートと、前記一方の躯体の前後方向の両側部側にそれぞれ設けられた一対の一方のカバー装置取付部と、この一方のカバー装置取付部とそれぞれ前記目地部を介して前後方向に対向するように前記他方の躯体側に設けられた一対の他方のカバー装置取付部と、前記一方のカバー装置取付部に一端部側がそれぞれ取り付けられていると共に、前記他方のカバー装置取付部に他端部側がそれぞれ取り付けられた一対のカバー装置と、前記一対のカバー装置の他端部側をそれぞれ前記支持部材又は前記目地プレートに接続するカバー装置接続手段とで構成され、前記カバー装置は、前記一方のカバー装置取付部に、その一端部が回動可能に取り付けられた一方のカバー部材と、前記一方のカバー部材の他端部に回転可能に一端部が接続された接続部材と、前記接続部材の他端部に一端部が回転可能に取り付けられた他方のカバー部材と、前記カバー部材の他端部に回転可能に取り付けられるとともに、前記他方のカバー装置取付部にスライド移動可能に取り付けられた端部カバー部材とで構成されており、前記目地部が開口しないように塞ぐことができる目地装置。
  4. 前記端部カバー部材は、前記他方の躯体の壁面に設けられ、かつ、前後方向に壁面を有するレール状のカバー装置支持部に支持され、前記端部カバー部材の底面には、前記カバー装置支持部の前記前後方向の壁面に略当接する下向き略コ字状のガイドレールと、前記ガイドレールの内側に設けられ、その下部が前記カバー装置支持部に支持される複数個の滑動部材とを備えることを特徴とする請求項3に記載の目地装置。
  5. 前記接続部材は、少なくとも1つのヒンジ部を有し、前記接続部材が前記ヒンジ部を支点に折り曲げ可能に形成されていることを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の目地装置。
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