JP6418703B2 - 手摺 - Google Patents

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Description

本発明は目地部を介して設けられた躯体の間の目地部に設けられる手摺に関する。
従来、目地部に設けられる手摺としては、「目地部を介して設けられた左右の躯体に他方の躯体方向へ突出するように設けられた一対の端部壁と、この一対の端部壁がそれぞれスライド移動可能に入り込む、該一対の端部壁の先端部が中央部に位置し、外側端部が一対の端部壁のほぼ中央部に位置する一対の筒状の可動壁と、この一対の筒状の可動壁がそれぞれスライド移動可能に入り込む外側端部が、該一対の筒状の可動壁のほぼ中央部に位置する一対の筒状の可動壁の約2倍の長さの筒状の中央壁と、両端部が前記一対の端部壁に取付けられ、地震により目地部が広くなったり、狭くなるように揺れ動いた場合に、前記中央壁を目地部の中央部に位置させるとともに、一対の筒状の可動壁をスライド移動させて、その揺れ動きを吸収する壁伸縮装置とからなることを特徴とする伸縮壁」が知られている(特許文献1)。
しかしながら、このような伸縮壁(手摺)は、手摺の底面が目地プレートよりも上方に浮いた状態で位置しており、かつ、筒状の壁部材に、小さい壁部材が入り込む構造となっているため、壁部材の底面に目地プレートとの隙間を塞ぐゴム等を設けることができなかった。
また、伸縮壁の底面が段差状になっているため、目地プレート側に隙間を塞ぐゴム等を設けることもできなかった。
そのため、例えば小銭や小物を誤って落としてしまった場合、手摺と目地プレートの隙間から落下物が階下に落ちるという危険があった。
特許第4638520号公報
本発明は以上のような従来の欠点に鑑み、伸縮可能で、かつ、手摺の底面と目地プレートの間の隙間を塞ぐことができる手摺を提供することを目的としている。
本発明の前記ならびにそのほかの目的と新規な特徴は次の説明を添付図面と照らし合わせて読むと、より完全に明らかになるであろう。
ただし、図面はもっぱら解説のためのものであって、本発明の技術的範囲を限定するものではない。
上記目的を達成するために、本発明の手摺は、左右の躯体間の目地部に設けられる手摺であって、前記躯体の一方の躯体に設けられ、少なくとも底面及び他方の躯体側の側面に開口を有する一方の端部手摺と、該一方の端部手摺に対して前記躯体の他方の躯体に設けられた他方の端部手摺と、前記一方の端部手摺と他方の端部手摺の間に介在し、その一端部側が前記一方の端部手摺内部に挿入されるとともに、他端部側に前記他方の端部手摺が挿入され、底面及び側面に開口を有する中間手摺と、該中間手摺を所定の位置に位置させる位置調整機構と、前記一方の端部手摺、中間手摺及び他方の端部手摺の底部にそれぞれ設けられた閉塞部材取付部と、該閉塞部材取付部にそれぞれ取り付けられ、床面との間の隙間を塞ぐ閉塞部材とで構成され、前記一方の端部手摺は、その内側面に備えられた支持レールと、フレーム状の一方の手摺本体と、この一方の手摺本体の表面を覆うように固定された化粧板とで構成され、前記閉塞部材取付部は該化粧板に形成されており、前記他方の手摺は、フレーム状の他方の手摺本体と、この他方の手摺本体の表面を覆うように固定された化粧板とで構成され、前記閉塞部材取付部は該化粧板に形成されており、前記中間手摺は、その一端部側に備えられた前記支持レールを転動する転動部材と、フレーム状の中間手摺本体と、この中間手摺本体の表面を覆うように固定された化粧板とで構成され、前記閉塞部材取付部は該化粧板に形成されている
以上の説明から明らかなように、本発明にあっては次に列挙する効果が得られる。
(1)請求項1に記載の発明においては、一方の手摺(中央手摺)及び中間手摺の底面が開口しているので、一方の端部手摺、中間手摺及び他方の端部手摺の底部の閉塞部材取付部に閉塞部材を設けても、この閉塞部材が干渉することなく手摺を伸縮させることができる。
(2)一方の端部手摺、中間手摺及び他方の端部手摺に床面との間の隙間を塞ぐ閉塞部材それぞれ設けられているので、手摺と床面との間から小物等が階下へ落下することを確実に防止できる。
(3)請求項2に記載の発明においても、前記(1)〜(2)と同様な効果が得られると共に、化粧板に閉塞部材取付部を形成することで、容易に閉塞部材取付部を形成することができる。
(4)また、フレーム状の一方の手摺本体等を用いることにより、軽量化を図ることができる。
(5)請求項3に記載の発明においても、前記(1)〜(4)と同様な効果が得られる。
図1乃至図10は本発明の第1の実施形態を示す説明図である。
図11乃至図13は本発明の第2の実施形態を示す説明図である。
第1の実施形態を示す手摺の設置状態の平面図(通常時)。 図1の2−2線に沿う断面図。 図1の3−3線に沿う断面図。 手摺の説明図。 一方の端部手摺の斜視説明図。 中間手摺の斜視説明図。 他方の端部手摺の斜視説明図。 地震で目地部が狭くなった正面視側からの動作説明図。 地震で目地部が広くなった正面視側からの動作説明図。 地震で躯体が異なる前後方向に揺れ動いた状態の平面視側からの動作説明図。 第2の実施形態を示す手摺の設置状態の平面図(通常時)。 図11の12−12線に沿う断面図。 図11の13−13線に沿う断面図。
以下、図面に示す本発明を実施するための形態により、本発明を詳細に説明する。
図1乃至図10に示す本発明を実施するための第1の形態において、1は目地部2を介して設けられた一方の躯体3及び他方の躯体4間に設置された手摺である。
なお、左右方向とは図8における左右方向であり、前後方向とは図3における左右方向をいい、上下方向とは図3における上下方向をいう。
また、本発明において躯体とは、建物、道路、スラブ、エレベーターシャフト等の目地プレートを設置可能な建造物をいい、出入口とはドアや扉の設けられた出入口だけではなく、人や車両等が通行できる通路も含むものである。
この手摺1は、一方の端部手摺5と、中間手摺7と、他方の端部手摺6が左右の躯体3、4の間(目地部2)に「入れ子状」に組み合わせられている。
すなわち、図1乃至図4に示すように、その一端部(被取付部)5aが一方の躯体3に取り付けられ、底面及び他方の躯体側の側面に開口を有する一方の端部手摺5と、該一方の端部手摺5に対して前記他方の躯体4に設けられた他方の端部手摺6と、前記一方の端部手摺5と他方の端部手摺6の間に介在し、その一端部側が前記一方の端部手摺5の内部に挿入されているとともに、他端部側が前記他方の端部手摺6に支持され、底面及び両側面に開口を有する中間手摺7と、該中間手摺7を所定の位置に位置付けさせるパンタグラフ状の位置調整機構8と、前記一方の端部手摺5、中間手摺7及び他方の端部手摺6と床面との間の隙間を塞ぐ(取付状態によっては微小な隙間があいていてもよい)閉塞部材9で構成されている。
なお、一方の躯体3と他方の躯体4の間の目地部2は床用目地プレート10によって塞がれており、前記閉塞部材9は、この床用目地プレート10の床面(上面)と一方の端部手摺5、中間手摺7及び他方の端部手摺6の各底面との間の隙間又は他方の躯体4の渡り廊下11の床面と一方の端部手摺5、中間手摺7及び他方の端部手摺6の各底面との間の隙間を閉塞部材9で塞ぐものである。なお、この閉塞部材9は一方の端部手摺5、中間手摺7及び他方の端部手摺6にそれぞれ設けられた閉塞部材取付部12に取り付けられている。
前記一方の躯体3は、図1乃至図3等に示すように、本実施形態においては他方の躯体4と対向する位置に開口部13が形成されており、他方の躯体4の該開口部13に対応する部位には、渡り廊下11が形成されている。
本発明の手摺1はこの開口部13の側部の壁面と、渡り廊下11の突出部位の間に設けられるものである。
一方の端部手摺5は、本実施形態においては図5に示すように、フレーム状の一方の手摺本体14と、この一方の手摺本体14の表面を覆うように固定された一対の化粧板15と、この一対の化粧板15の継ぎ目部分を覆うキャップ部材16とで構成されている。この一対の化粧板15のうち、一方の化粧板15aの下端部は折り曲げられ、閉塞部材取付部12aが形成される。
一方の化粧板15aの略垂直下方へ延伸する下端部は、本実施形態においては、略直角に折り曲げられ、所定長さ横方向(前後方向)に延伸した後、略直角に上方向に折り曲げられ(第1係合部17を形成し)、所定長さ上方向に延伸した後、略垂直下方向へ折り返されている。この終端部付近が閉塞部材取付部12aとなり、この部位に閉塞部材9がビス等で固定される。
他方の化粧板15bは、略垂直下方へ延伸する下端部が略逆コ字状に折り曲げられており、こちらの化粧板15bには本実施形態では閉塞部材取付部12aは形成されない。なお、この終端部は第1係合部17となる。
これらの一対の化粧板15は、その上部が一方の手摺本体14の上面に当接するように、上端部が略直角に折り曲げられている。この上端部付近がフレーム状の一方の手摺本体14にビス等で固定されており、上部の継ぎ目部分にはキャップ部材16が取り付けられる。なお、キャップ部材16と化粧板15が面一となるように、一対の化粧板15の上部に凹所状のキャップ部材取付部を形成するとよい。
この一方の端部手摺5の内部の側面には、左右方向に延在する支持レール18が固定されている。この支持レール18を後述する中間手摺の転動部材19が転動する。支持レール18は断面視アングル状の金具又は角パイプで構成されており、本実施形態においてはアングル状の金具を用いている。
一方の端部手摺5は、全体として正面視略長方形状で、その一端部5aが一方の躯体3に取付部材20を介して取り付けられている。なお、この取付部材20を介して取り付けられる部位には、凸部状の被取付部5aが形成されている。一方の手摺部材5は、底部及び突出端部の側面が開口しており、突出端部の端面は下向きコ字状に形成されている。
中間手摺7は、本実施形態においては図6に示すように、フレーム状の中間手摺本体21と、この中間手摺本体21の表面を覆うように固定された一対の化粧板22と、この一対の化粧板22の継ぎ目部分を覆うキャップ部材23とで構成されている。この一対の化粧板22のうち、一方の化粧板22aの下端部は折り曲げられ、閉塞部材取付部12bが形成される。
一方の化粧板22aの略垂直下方へ延伸する下端部は、本実施形態においては、略垂直上向きとなるように折り返され、所定長さ上方向に延伸(第1被係合部24を形成)した後、略直角に折り曲げられて所定長さ横方向(前後方向)に延伸した後、略直角に上方向に折り曲げられ、所定長さ上方向に延伸(第2係合部25を形成)し、略垂直下方向へ折り返される。この終端部付近が閉塞部材取付部12bとなり、この部位に閉塞部材9がビス等で固定される。
他方の化粧板22bは、略垂直下方へ延伸する下端部が略垂直上向きとなるように折り返され、所定長さ上方向に延伸(第1被係合部24を形成)した後、略直角に折り曲げられて横方向へ延伸する。所定長さ延伸した後、略直角に折り曲げられ、略垂直上方へ延伸(第2係合部25を形成)して終端となる。こちらの化粧板22bには本実施形態では閉塞部材取付部12bは形成されない。
中間手摺7は、全体として正面視略長方形状で底面及び左右の側面が開口しており、断面視で下向きコ字状の断面形状に形成されている。
これらの一対の化粧板22は、その上部が中間手摺本体21の上面に当接するように、上端部が略直角に折り曲げられている。この上端部付近がフレーム状の中間手摺本体21にビス等で固定されており、上部の継ぎ目部分にはキャップ部材23が取り付けられる。なお、キャップ部材23と化粧板22が面一となるように、一対の化粧板22の上部に凹所状のキャップ部材取付部を形成するとよい。
この中間手摺7の一方の躯体3側の端部付近の上面(キャップ部材23の上面)には、支持レール14を転動する転動部材19が左右方向に突出するように設けられている。この転動部材19によって中間手摺7の一方の躯体3側が支持される。
また、中間手摺7の他方の躯体4側の端部は、内部に他方の端部手摺6が挿入されるので、この他方の端部手摺6の上面に支持される。他方の端部手摺6の上面には必要に応じて転動部材や滑り材等を設けることが好適である。
他方の端部手摺6は、本実施形態においては図7に示すように、フレーム状の他方の端部手摺本体27と、この他方の端部手摺本体27の表面を覆うように固定された一対の化粧板28と、この一対の化粧板28の継ぎ目部分を覆うキャップ部材29とで構成されている。この一対の化粧板28のうち、一方の化粧板28aの下端部は折り曲げられ、閉塞部材取付部12cが形成される。
一方の化粧板28aの略垂直下方へ延伸する下端部は、本実施形態においては、略垂直上向きとなるように折り返され、所定長さ上方向に延伸(第2被係合部30を形成)した後、略直角に折り曲げられて所定長さ横方向(前後方向)に延伸した後、略直角に下方向に折り曲げられる。この終端部付近が閉塞部材取付部12cとなり、この部位に閉塞部材9がビス等で固定される。
他方の化粧板28bは、略垂直下方へ延伸する下端部が略垂直上向きとなるように折り返され、所定長さ上方向に延伸(第2被係合部30を形成)した後、略直角に折り曲げられて横方向へ延伸して終端となる。こちらの化粧板20bには本実施形態では閉塞部材取付部12cは形成されない。
これらの一対の化粧板28は、その上部が他方の端部手摺本体27の上面に当接するように、上端部が略直角に折り曲げられている。この上端部付近がフレーム状の他方の端部手摺本体27にビス等で固定されており、上部の継ぎ目部分にはキャップ部材29が取り付けられる。なお、キャップ部材29と化粧板28が面一となるように、一対の化粧板28の上部に凹所状のキャップ部材取付部を形成するとよい。
なお、前記第1被係合部24には、前記一方の端部手摺5の一対の化粧板15の第1係合部17が係合し、前記第2被係合部30には、前記中間手摺7の一対の化粧板22の第2係合部25が係合することで、一方の端部手摺5と中間手摺7及び中間手摺7と他方の端部手摺6がそれぞれ係合状態となる。
他方の端部手摺6は、全体として正面視略長方形状で、その一端部が他方の躯体4の渡り廊下11の突出端部に取付部材20を介して取り付けられている。
他方の手摺部材6の突出端部側は中間手摺7内部に挿入され、他方の端部手摺6上面が中間手摺7の上部を支持した状態となる。
一方の端部手摺5、他方の端部手摺6、中間手摺7は、それぞれ目地部2の約1/2程度の長さに形成されており、その下端部(閉塞部材取付部12の下端部)は略同じ高さに形成されている。
左右の端部手摺5、6を取り付けている取付部材20は、一方の躯体3の壁面又は渡り廊下11の突出端部の壁面に固定される固定部材31と、該固定部材31に前後方向に回動可能に取り付けられるとともに、端部手摺5、6を上下方向に回動可能に取付ける取付ピン32を備える可動部材33とで構成されている。
左右の端部手摺5、6は、この可動部材33の取付ピン32して上下方向に回動可能に取り付けられる。このように取付けることにより、左右の躯体3、4のいずれかが不等沈下したような場合であっても、その動きに追従することができる。
本実施形態においては不等沈下した場合に左右の端部手摺5、6が可動部材33に干渉しないように、可動部材と端部手摺5、6の間に若干の隙間を有して取り付けているが、端部手摺5、6の躯体側の側面を緩やかな山型(取付ピン32の位置が頂点となるような山型)に形成してもよい。
なお、支持レール18等を備えているため、一方の端部手摺5と中間手摺7及び中間手摺7と他方の端部手摺6には横方向に隙間が生じるが、この隙間についてもパッキンや後述する閉塞部材9のようなゴム板等で塞ぐことが望ましい。
位置調整機構8は、本実施形態においてはパンタグラフ状のリンク部材34を用いており、その一端部が一方の端部手摺5の内部を通過して、一方の端部手摺5の一方の躯体3側の内部壁面に取り付けられ、その他端部は、他方の端部手摺6の突出端部に取り付けられ、その中央枢支部35は中間手摺7の一方の端部手摺5側の端部付近に位置する。この中央枢支部35には、連結ピン36が設けられており、この連結ピン36の両端部は中間手摺7の内側側面に固定される。これにより、中間手摺7は一方の端部手摺5と他方の端部手摺6の略中間に位置することができる。
閉塞部材9は、本実施形態においては板ゴムで形成されており、一方の端部手摺5、中間手摺7及び他方の端部手摺6の底面に横長のヒレ状にそれぞれ固定される。付言すると、その上下方向の長さは、床面と一方の端部手摺5、中間手摺7及び他方の端部手摺6の間の隙間よりも長く形成されており、その下端部が床面に押圧され外側に湾曲している。
このような寸法にすることにより、確実に床面との隙間を塞ぐことができる。
また、前記一方の端部手摺5及び中間手摺7は、その底面が開口しているため、地震によって目地部2が狭くなった場合等も、閉塞部材9が隣接する手摺に衝突すること等がない。
前記床用目地プレート10は、本実施形態においては、一方の躯体3の開口部13の下部壁面に固定された前後方向に延在する目地プレート支持レール37にその一端部が滑り部材等を介して前後方向にスライド移動可能に支持されるとともに、前記渡り廊下11の床面にその他端部が左右方向にスライド移動可能に支持される。この目地プレート10の他端部には、床面との段差を解消するように傾斜面38が形成されている。
本実施形態においては、目地プレート10は一枚の板状のものであるが、例えば、浅皿状の目地プレートにモルタル等を充填した目地プレートや、その他公知の目地プレートを用いてもよい。
地震で躯体3、4が左右方向に揺れ動き目地部2が狭くなると、図8に示すように、目地プレート10は渡り廊下11の床面を左右方向にスライド移動するとともに、中間手摺7が一方の手摺5の内部に入り込み、かつ、他方の手摺6が中間手摺7の内部に入り込むことにより手摺1が縮小し、地震による揺れ動きを吸収する。
地震で躯体3、4が左右方向に揺れ動き目地部2が広くなると、図9に示すように、目地プレート10は渡り廊下11の床面を左右方向にスライド移動するとともに、中間手摺7が一方の手摺5の内部に入り込んでいる長さが小さくなり、ライド移動するとともに、中間手摺7が一方の手摺5の内部に入り込み、かつ、他方の手摺6が中間手摺7の内部に入り込んでいる長さが小さくなることにより、手摺1が伸長し、地震による揺れ動きを吸収する。
地震で躯体3、4が異なる前後方向に揺れ動くと、図10に示すように、一方の端部手摺5を取り付けている可動部材33及び他方の端部手摺6を取り付けている可動部材33が前後方向に回動し、地震による揺れ動きを吸収する。
[発明を実施するための異なる形態]
次に、図11乃至図13に示す本発明を実施するための異なる形態につき説明する。なお、これらの本発明を実施するための異なる形態の説明に当って、前記本発明を実施するための第1の形態と同一構成部分には同一符号を付して重複する説明を省略する。
図11乃至図13に示す本発明を実施するための第2の形態において、前記本発明を実施するための第1の形態と主に異なる点は、複数の手摺部材を用いて中間手摺7Aを形成した点で、このような手摺1Aにしても、前記本発明を実施するための第1の形態と同様の作用効果を得ることができる。
付言すると、本実施形態においては複数個の中間手摺7Aは、第1の中間手摺7a及び第2の中間手摺7bとで構成されている。
第1の中間手摺7aは、正面視略長方形状で底面及び左右の側面が開口しており、フレーム状の中間手摺本体21aと、この中間手摺本体21aの表面を覆うように固定された一対の化粧板22Aと、この一対の化粧板22Aの継ぎ目部分を覆うキャップ部材23aと、内側面に設けられた左右方向に延在する断面視略リップ溝形状のガイドレール39と、支持レール14を転動する転動部材19とで構成されている。
この一対の化粧板22Aは前記第1の実施形態と同様に折り曲げ加工がされている。第2の中間手摺7bは、正面視略長方形状で底面及び左右の側面が開口しており、フレーム状の中間手摺本体21bと、この中間手摺本体21bの表面を覆うように固定された一対の化粧板22Bと、この一対の化粧板22Bの継ぎ目部分を覆うキャップ部材23bと、ガイドレール39を転動する転動部材26とで構成されている。
この一対の化粧板22Bも前記第1の実施形態と同様に折り曲げ加工がされている。
本実施形態では、位置調整機構8Aとして、複数個の中央枢支部22を有するリンク部材21が用いられる。このリンク部材34の中央枢支部35の連結ピン36は第1の中間手摺7a及び第2の中間手摺7bにそれぞれ取り付けられ、中間手摺7Aを支持する。
なお、本発明の実施形態においては左右の端部手摺を前後上下方向に回動可能な取付部材を介して取り付けているが、ヒンジ部材のように前後方向にのみ回動可能な部材を介して取付けてもよいし、前後方向への揺れ動きを無視できるような場合には、左右の端部手摺を左右の躯体に固定的に取付けてもよい。
位置調整機構としてリンク部材を用いるものについて説明したが、例えば左右の躯体等にそれぞれバネ部材の一端部を固定し、これらのバネ部材の他端部を中央手摺や中間手摺に取り付け、任意の位置に位置するように付勢してもよい。
本発明の実施形態においては、左右の端部手摺及び中間手摺はフレーム状の本体と化粧板とで構成されるものについて説明したが、化粧板を備えない箱状や板状の手摺を用いてもよい。この場合、手摺の下部に閉塞部材取付部を設けて閉塞部材を取付けることができる。
本発明の実施形態においては、化粧板に係合部や被係合部を形成し、端部手摺と中間手摺が係合するものについて説明したが、係合部や被係合部を形成しなくてもよい。
化粧板については、一方の化粧板と他方の化粧板のように一対の部材として説明したが、化粧板を分割せず、一方の化粧板と他方の化粧板が一体となったような化粧板を用いてもよい。
本発明は目地部に用いる手摺を製造する産業で利用される。
1、1A:手摺、 2:目地部、
3:一方の躯体、 4:他方の躯体、
5:一方の端部手摺、 6:他方の端部手摺、
7、7A:中間手摺、 8、8A:位置調整機構、
9:閉塞部材、 10:床用目地プレート、
11:渡り廊下、 12:閉塞部材取付部、
13:開口部、 14:一方の手摺本体、
15:化粧板、 16:キャップ部材、
17:第1係合部、 18:支持レール、
19:転動部材、 20:取付部材、
21:中間手摺本体、 22、22A、22B:化粧板、
23:キャップ部材、 24:第1被係合部、
25:第2係合部、 26:転動部材、
27:他方の端部手摺本体、 28:化粧板、
29:キャップ部材、 30:第2被係合部、
31:固定部材、 32:取付ピン、
33:可動部材、 34:リンク部材、
35:中央枢支部、 36:連結ピン、
37:目地プレート支持レール、 38:傾斜面、
39:ガイドレール。

Claims (2)

  1. 左右の躯体間の目地部に設けられる手摺であって、前記躯体の一方の躯体に設けられ、少なくとも底面及び他方の躯体側の側面に開口を有する一方の端部手摺と、該一方の端部手摺に対して前記躯体の他方の躯体に設けられた他方の端部手摺と、前記一方の端部手摺と他方の端部手摺の間に介在し、その一端部側が前記一方の端部手摺内部に挿入されるとともに、他端部側に前記他方の端部手摺が挿入され、底面及び側面に開口を有する中間手摺と、該中間手摺を所定の位置に位置させる位置調整機構と、前記一方の端部手摺、中間手摺及び他方の端部手摺の底部にそれぞれ設けられた閉塞部材取付部と、該閉塞部材取付部にそれぞれ取り付けられ、床面との間の隙間を塞ぐ閉塞部材とで構成され、前記一方の端部手摺は、その内側面に備えられた支持レールと、フレーム状の一方の手摺本体と、この一方の手摺本体の表面を覆うように固定された化粧板とで構成され、前記閉塞部材取付部は該化粧板に形成されており、前記他方の手摺は、フレーム状の他方の手摺本体と、この他方の手摺本体の表面を覆うように固定された化粧板とで構成され、前記閉塞部材取付部は該化粧板に形成されており、前記中間手摺は、その一端部側に備えられた前記支持レールを転動する転動部材と、フレーム状の中間手摺本体と、この中間手摺本体の表面を覆うように固定された化粧板とで構成され、前記閉塞部材取付部は該化粧板に形成されている手摺。
  2. 前記一方の端部手摺、中間手摺及び他方の端部手摺の下端部は、略同じ高さに形成されていることを特徴とする請求項1に記載の手摺。
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