JP5077864B2 - リチウムイオン二次電池とその製造法 - Google Patents

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Description

本発明は、リチウムイオン二次電池に関し、主にリチウムイオン二次電池の寿命特性の向上に関する。
リチウムイオン二次電池は、正極と負極と、それらの間に介在して非水電解液を保持するセパレータとからなる極板群を有する。正極は、正極芯材および正極芯材に担持された正極合剤層を含み、負極は、負極芯材および負極芯材に担持された負極合剤層を含む。セパレータには、ポリエチレン樹脂などを含む微多孔性シートが用いられている。正負の電極合剤層は、電極活物質と電極結着剤とを含み、電極結着剤には、従来、熱可塑性樹脂や変性ゴム材料が用いられている。
正負の電極を作製するには、まず、電極活物質と電極結着剤とを含む電極合剤を、電極用分散媒と混合して、電極合剤スラリーを調製する。次いで、得られた電極合剤スラリーを、電極芯材に塗布し、塗布されたスラリーを乾燥させて、電極合剤層を形成する。乾燥温度は、一般に130℃以下であり、熱風を用いて乾燥を行う。乾燥後の電極合剤層をロールプレス機で圧延し、その後、電極芯材と電極合剤層とを一緒に所定形状に裁断すれば、所望の電極が得られる。
近年、リチウムイオン二次電池の品質向上の観点から、電極の表面に多孔膜を接着する技術が提案されている。電極表面に多孔膜を接着するには、まず、無機フィラーと膜結着剤とを含む膜用合剤を、膜用分散媒と混合して、多孔膜ペーストを調製する。次いで、多孔膜ペーストを、電極合剤層に塗布し、塗布されたペーストを乾燥させて、多孔膜を形成する(特許文献1参照)。
従来、電極合剤に含まれる電極結着剤には、電極合剤スラリーを調製するときに用いる電極用分散媒に溶解もしくは均一分散する樹脂材料が用いられている。また、多孔膜に含まれる膜結着剤には、多孔膜ペーストを調製するときに用いる膜用分散媒に溶解もしくは均一分散する樹脂材料が用いられている。電極用分散媒および膜用分散媒には、例えばN−メチル−2−ピロリドン(NMP)が用いられている。
特許第3371301号公報
一般的に、膜結着剤を膜用分散媒に溶解もしくは均一分散させるためには、膜結着剤と膜用分散媒との親和性が高い必要がある。膜用分散媒として最も一般的なNMPを用いた場合には、膜結着剤として、溶解度パラメータが9から11程度の材料が選択される。これは、結着剤のダマやムラなどのない均一な塗膜を得るためである。その結果、歩留まりが高く、品質の安定した多孔膜を形成することができる。
しかしながら、前記のような膜結着剤を用いた場合、膜結着剤と非水電解液の溶媒種との組み合わせによっては、膜結着剤が電解液に溶解したり、膨潤したりして、電池性能を低下させることがある。これは、膜結着剤が膨潤することで多孔膜の孔を塞いだり、または、溶解することで電解液の伝導度が低下するためである。
すなわち、本発明の課題は、多孔膜の製造工程において品質を高め、かつ、電池性能に優れた多孔膜を提供し、それらにより、安全性と電池性能を両立した電池を提供することである。
本発明者らは、分散媒に溶解もしくは均一分散する膜結着剤の溶解度パラメータと、非水電解液の非水溶媒の溶解度パラメータとが、特に近似する場合において、上記のような問題が生じることを見出し、膜結着剤の溶解度パラメータと非水溶媒の溶解度パラメータとの関係を詳細に検討した結果、本発明を完成するに至った。
溶解性パラメータは、物質の極性を示す指標であり、例えば物質間の親和性の指標となる。一般に物質間の溶解度パラメータが近いほど、それらの物質の相溶性は良好になる(物理学辞典、培風館出版参照)。例えば、NMPなどの分散媒の溶解度パラメータは、炭酸エステルを含む非水溶媒の溶解度パラメータと近似しており、これらは相溶性が高いものである。従って、膜用分散媒に溶解もしくは均一分散する膜結着剤は、炭酸エステルを含む非水溶媒との相溶性が高く、その非水溶媒で膨潤しやすいと考えられる。
以上を鑑み、本発明は、(a)正極芯材および正極芯材に担持された正極合剤層を含む正極、(b)負極芯材および負極芯材に担持された負極合剤層を含む負極、(c)セパレータ、(d)炭酸エステルを含む非水溶媒と、非水溶媒に溶解する溶質とを含む非水電解液、ならびに(e)正極および負極の少なくとも一方の表面に接着された多孔膜を具備し、多孔膜が、無機フィラーおよび膜結着剤を含み、膜結着剤が、熱架橋型樹脂の硬化物を含み、膜結着剤の溶解度パラメータが、非水溶媒の溶解度パラメータと1以上異なり、膜結着剤の溶解度パラメータは、60℃で測定される実測値であるリチウムイオン二次電池に関する。
本発明は、また、(a)電極活物質と電極結着剤とを含む電極合剤を、電極用分散媒と混合して、電極合剤スラリーを調製する工程、(b)電極合剤スラリーを、電極芯材に塗布し、塗布されたスラリーを乾燥させて、電極合剤層を形成する工程、(c)炭酸エステルを含む非水溶媒に溶質を溶解させて、非水電解液を調製する工程、(d)無機フィラーと膜結着剤とを含む膜用合剤を、膜用分散媒と混合して、多孔膜ペーストを調製する工程、(e)多孔膜ペーストを、電極合剤層の表面に塗布し、塗布されたペーストを乾燥させて、多孔膜を形成する工程、ならびに(f)多孔膜を有する電極と非水電解液とを用いて、電池を組み立てる工程を具備し、膜結着剤が、熱架橋型樹脂を含み、膜結着剤の溶解度パラメータが、非水溶媒の溶解度パラメータと1以上異なり、膜結着剤の溶解度パラメータは、60℃で測定される実測値であるリチウムイオン二次電池の製造法に関する。
架橋型樹脂の硬化は、電池の製造工程において、注液前の状態で完了していることが好ましい。さらには、熱架橋型樹脂は、多孔膜ペーストの製造プロセスの簡略化という点から、一液型であることが好ましい。
電解液においては、炭酸エステルを含む非水溶媒の溶解度パラメータが、11.5〜14であることが好ましい。また、溶解度パラメータが前記の範囲であれば、炭酸エステル以外の溶媒でも用いることができる。
電極用分散媒の溶解度パラメータは、非水溶媒の溶解度パラメータと1以上異なることが好ましい。
膜用分散媒の溶解度パラメータは、非水溶媒の溶解度パラメータと1以上異なることが好ましい。
本発明によれば、多孔膜の製造工程において、結着剤のダマやムラなどのない均一な塗膜を得ることができるので、歩留まりおよび品質を高めることができる。さらには、膜結着剤が電解液で膨潤することにより多孔膜の細孔が塞がれたり、膜結着剤が電解液に溶解することで電解液の伝導度が低下することが防がれ、電池性能の低下を回避することができる。
本発明に係るリチウムイオン二次電池の形態は、特に限定されず、円筒型、角型、積層型など、様々なタイプを包含するが、特に、正極と負極とを、セパレータを介して捲回した極板群を含む円筒型や角型の電池において有効である。
図1は、一般的な円筒型のリチウムイオン二次電池の一例の縦断面図である。正極5および負極6は、セパレータ7を介して捲回された状態であって、柱状の極板群を構成している。正極5には、正極リード5aの一端が接続されており、負極6には、負極リード6aの一端が接続されている。非水電解液を含浸させた極板群は、上部絶縁リング8aおよび下部絶縁リング8bで挟まれた状態で、電池缶1の内空間に収容されている。極板群と電池缶1の内面との間には、セパレータを介装させてある。正極リード5aの他端は、電池蓋2の裏面に溶接されており、負極リード6aの他端は、電池缶1の内底面に溶接されている。電池缶1の開口は、周縁に絶縁パッキン3が配された電池蓋2で塞がれている。
図1には図示されないが、正極および負極の少なくとも一方の表面には、電子絶縁性を有する多孔膜が接着されている。多孔膜は、フィラー粒子および膜結着剤を含んでいる。多孔膜は、内部短絡部が発生し、多量の発熱が起こり、セパレータが収縮した場合において、セパレータの代わりに、正極合剤もしくは集電体と、負極合剤もしくは集電体とが直接的に接することを防ぐ役割をする。なお、図1は、本発明に係るリチウムイオン二次電池の一形態に過ぎず、本発明の適用範囲が図1の場合に限定されるわけではない。
正極は、正極芯材およびそれに担持された正極合剤層を含む。正極芯材としては、アルミニウム箔などが好ましく用いられる。正極合剤層は、一般に、正極活物質と、正極結着剤と、導電剤とを含んでいる。負極は、負極芯材およびそれに担持された負極合剤層を含む。負極芯材としては、銅箔やニッケル箔などが好ましく用いられる。負極合剤層は、一般に、負極活物質と、負極結着剤とを含んでいる。
本発明においては、多孔膜の膜結着剤が、非水電解液の非水溶媒の溶解度パラメータと1以上異なる溶解度パラメータを有する。膜結着剤の溶解度パラメータが、非水電解液の非水溶媒の溶解度パラメータと1以上異なる場合、非水電解液による多孔膜の膨潤を格段に抑制することが可能である。
リチウムイオン二次電池に用いられる非水電解液は、炭酸エステルを含む非水溶媒とそれに溶解する溶質を含む。炭酸エステルを含む非水溶媒の溶解度パラメータは、NMPの溶解度パラメータと近似している。従って、NMPに溶解する従来の膜結着剤、すなわち、溶解度パラメータが電解液の溶解度パラメータと近い樹脂は、本発明においては好適ではない。
膜結着剤の溶解度パラメータと、非水電解液の非水溶媒の溶解度パラメータとの差が1未満では、非水電解液による多孔膜の膨潤を抑制することができない。リチウム二次電池の寿命特性を格段に向上させるには、前記溶解度パラメータの差を1以上、さらには1.5以上とすることが望ましい。
物質の溶解度パラメータ(SP)は、以下の式で表される。
SP=ΔE/V=(ΔH−RT)/V=(C/M)(ΔH−RT)
ΔE:蒸発エネルギー(cal/mol)
V:分子容(ml/mol)
ΔH:蒸発潜熱(cal/mol)
R:気体定数(cal/mol)
C:密度(g/ml)
M:分子量
T:絶対温度(K)
炭酸エステルを含む非水溶媒の溶解度パラメータは、例えば11.5〜14である。炭酸エステルとしては、例えばエチレンカーボネート(EC、溶解度パラメータ:14.7)、プロピレンカーボネート(PC、溶解度パラメータ:13.3)、ジメチルカーボネート(DMC、溶解度パラメータ:9.9)、ジエチルカーボネート(DEC、溶解度パラメータ:8.8)、メチルエチルカーボネート(MEC)などを挙げることができる。炭酸エステルは、1種を単独で用いることもできるが、2種以上を組み合わせて用いることが好ましい。2種以上を組み合わせた混合溶媒を用いる場合には、各成分の溶解度パラメータ(SP)と各成分の体積割合(V)との積(SP)の和(ΣSP)を混合溶媒の溶解度パラメータとして用いることができる。
膜結着剤として用いる樹脂は、非水電解液による多孔膜の膨潤を抑制する観点から、熱架橋型樹脂である。熱架橋型樹脂とは、加熱により架橋反応が進行し得る樹脂を意味する。熱架橋型樹脂は、加熱前には、膜用分散媒中に実質的に溶解可能であり、膜用のペーストとして適したものを得ることができる。加熱後、すなわち、塗膜形成後の加熱処理により、架橋反応を進行させると、電解液に対する溶解や膨潤を防ぐことができ、その結果、高温の過酷な使用条件下でも、電池の放電レート特性や寿命特性を高めることができる。なお、本明細書において、熱架橋型樹脂は、硬化性樹脂と称することもできる。また、硬化とは、架橋を進行させることを言い、架橋を進行させた熱架橋型樹脂は、硬化物とも称される。硬化物は、非水電解液への溶解度(硬化物中、電解液に溶解する成分の重量%)が5重量%以下であることが望ましい。
上記のような特性を熱架橋型樹脂に付与する観点から、熱架橋型樹脂は、加熱により架橋構造を形成し得る架橋性基を有することが好ましい。架橋性基としてはエポキシ基、ヒドロキシル基、N−メチロールアミド基(N−オキシメチルアミド基)、オキサゾリン基(oxazolyl group)などが挙げられる。
膜結着剤としての熱架橋型樹脂は、マスクされた架橋点を有する樹脂であることが、取り扱いが容易であり、かつ架橋反応の制御が容易である点で好ましい。なお、「マスクされた架橋点」とは、分子鎖による遮蔽など、何らかの方法で一時的に不活性化された活性点、もしくは分子構造の変化によって新たに生成する活性点を言う。マスクされた架橋点を有する樹脂は、所定の温度に達すると、マスクされた架橋点が活性化し(復活し)、架橋反応を開始する。
さらには、前記のマスクされた架橋点を有する熱架橋型樹脂は、一液型であることが、多孔膜ペーストの製造プロセスの簡略化という点から、より好ましい。従来のマスクされた架橋点を有さない架橋剤を用いる二液型の熱架橋型樹脂では、多孔膜ペーストの調製工程、例えば膜用合剤と膜用分散媒との混合工程において、架橋反応が進行する。そのため、多孔膜ペーストが過剰に増粘して、保存中の多孔膜ペーストの粘度や分散状態も不安定化する。その結果、多孔膜ペーストの塗布工程も安定しなくなる。一方、本発明のマスクされた架橋点を有する一液型の熱架橋型樹脂を用いることにより、前述のような問題を改善できる。
ここで、一液型樹脂とは、所定温度で一定時間放置しても、液状を維持する硬化性樹脂をいう。本発明で用いる一液型樹脂としては、分散媒と混合された状態であっても、例えば40℃で72時間放置しても、5%以下の架橋反応しか進行しない安定なものを用いることが望ましい。架橋反応の進行の度合いは、例えば示差走査熱量測定(DSC:differential scanning calorimetry)により求めることができる。
膜結着剤として用いる樹脂、特に一液型の熱架橋型樹脂は、重量平均分子量が3000以上300000以下であることが好ましい。重量平均分子量が3000未満では、フィラー粒子を分散させた多孔膜ペーストにおいて、フィラー粒子の沈降が発生しやすくなることがある。また、重量平均分子量が300000を超えると、多孔膜ペーストの粘度が高くなり過ぎる場合がある。
膜結着剤として用いる樹脂、特に一液型の熱架橋型樹脂は、分子鎖中に、高解離度の親水性基を含むことが、加熱時の架橋特性と、多孔膜ペーストにおけるフィラー粒子の分散状態の安定性とのバランスが優れる点で好ましい。高解離度の親水性基としては、硫酸基、スルホン酸基、リン酸基、酸性リン酸エステル基、ホスホン酸基などのように、硫黄またはリンを含む基(強酸の塩の基)や、四級アンモニウム基などの強電解質基が好ましい。
高解離度の親水性基を含む樹脂は、例えば、高解離度の親水性基を含む単量体と、これと共重合可能な単量体とを、共重合させることにより、得ることができる。高解離度の親水性基を含む単量体としては、不飽和有機スルホン酸塩、不飽和有機硫酸塩などのような硫黄を含む強酸塩の基を含有する単量体、不飽和有機リン酸塩、不飽和有機ホスホン酸塩などのようなリンを含む強酸塩の基を含有する単量体、四級アンモニウム塩の基を含む不飽和単量体などが挙げられる。
高解離度の親水性基を含む単量体と共重合可能な単量体としては、例えば、アクリル酸メチル、アクリル酸−n−プロピル、アクリル酸イソプロピル、アクリル酸−t−ブチル、アクリル酸ヘキシル、アクリル酸シクロヘキシル、アクリル酸ドデシル、アクリル酸ラウリルなどのアクリル酸アルキルエステル;メタクリル酸メチル、メタクリル酸−n−プロピル、メタクリル酸イソプロピル、メタクリル酸−t−ブチル、メタクリル酸ヘキシル、メタクリル酸シクロヘキシル、メタクリル酸ドデシル、メタクリル酸ラウリルなどのメタクリル酸アルキルエステル;フマール酸ジメチル、マレイン酸ジエチル、マレイン酸ブチルベンジルなどの不飽和多価カルボン酸のアルキルエステル;アクリル酸−2−メトキシエチル、メタクリル酸−2−メトキシエチルなどのアルコキシ基を含む不飽和カルボン酸エステル;アクリロニトリル、メタクリロニトリルなどのα,β−不飽和ニトリル;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニルなどのカルボン酸ビニルエステル;塩化ビニル、フッ化ビニル、臭化ビニル、塩化ビニリデン、フッ化ビニリデン、三フッ化エチレン、四フッ化エチレン、六フッ化プロピレンなどのハロゲン化オレフィン;メチルビニルエーテル、イソブチルビニルエーテル、セチルビニルエーテルなどのビニルエーテル;マレイン酸、イタコン酸などの不飽和カルボン酸、無水マレイン酸、無水イタコン酸などの不飽和カルボン酸無水物、(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミドなどの不飽和カルボン酸アミド;エチレン、プロピレンなどのα−オレフィン;シアン化ビニリデン;などが挙げられる。特に、アクリロニトリル単位を含む共重合体は、柔軟性と強度とのバランスに優れる点で好ましい。
高解離度の親水性基を含む単量体と、これと共重合可能な単量体とを、共重合させる方法は、特に限定されないが、例えば、溶液重合法、懸濁重合法、乳化重合法などを用いることができる。重合に用いられる重合開始剤としては、例えば過酸化ラウロイル、ジイソプロピルパーオキシジカーボネート、ジ−2−エチルヘキシルパーオキシジカーボネート、t−ブチルパーオキシピバレート、3,5,5−トリメチルヘキサノイルパーオキシドなどの有機過酸化物;α,α’−アゾビスイソブチロニトリルなどのアゾ化合物;過硫酸アンモニウム、過硫酸カリウムなどの過硫酸塩などが挙げられる。
マスクされた架橋点を有する一液型樹脂は、ポリアクリロニトリル鎖を含むことが望ましい。ポリアクリロニトリル鎖を含む樹脂は、柔軟性と強度とのバランスに優れるからである。例えば、柱状の極板群の中心付近では、極板が形成する円筒の半径は非常に小さくなっており、一般に0.5〜1.5mm程度である。従って、極板表面に接着した多孔膜も、同様に屈曲することになる。そこで、このように屈曲しても損傷しない、柔軟性に優れた多孔膜を極板上に形成することが望まれる。
膜結着剤としての熱架橋型樹脂は、100℃以上で迅速に架橋反応が進行するものであることが好ましい。従って、マスクされた架橋点が活性化する(復活する)温度は、100℃以上であることが好ましい。架橋点が活性化する温度が100℃未満では、多孔膜ペーストの調製工程、例えば膜用合剤と膜用分散媒との混合中に、ペースト温度が高くなるため、架橋反応が起こり、その結果、ペースト粘度が不安定化してしまう。また、架橋反応が進行する温度が高すぎると、架橋反応の際に、活物質等の電極構成材料が劣化することがあるため、架橋点が活性化する温度は220℃以下であることが好ましい。架橋点が活性化する温度は、例えば示差走査熱量測定(DSC:differential scanning calorimetry)において得られる吸熱ピークの頂点温度として定義される。
熱架橋型樹脂もしくはその硬化物以外にも、膜結着剤には、様々な樹脂成分を用いることができる。例えば、スチレンブタジエンゴム(SBR)、アクリル酸単位もしくはアクリレート単位を含むSBRの変性体、ポリエチレン、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体(FEP)、ポリアクリル酸誘導体、ポリアクリロニトリル誘導体などを用いることができる。これらは単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。これらのうちでは、特にポリアクリル酸誘導体やポリアクリロニトリル誘導体が好ましい。これらの誘導体は、アクリル酸単位または/およびアクリロニトリル単位の他に、アクリル酸メチル単位、アクリル酸エチル単位、メタクリル酸メチル単位およびメタクリル酸エチル単位よりなる群から選ばれる少なくとも1種を含むことが好ましい。
本発明においては、熱架橋型樹脂もしくはその硬化物のみからなる膜結着剤、または、熱架橋型樹脂もしくはその硬化物と他の樹脂成分とを含む膜結着剤を用いることが特に好ましい。膜結着剤全体に占める熱架橋型樹脂もしくはその硬化物の割合は50重量%以上であることが望ましい。
リチウムイオン二次電池は、一般に、電極活物質と電極結着剤とを含む電極合剤を、電極用分散媒と混合して、電極合剤スラリーを調製する工程、電極合剤スラリーを、電極芯材に塗布し、塗布されたスラリーを乾燥させて、電極合剤層を形成する工程、炭酸エステルを含む非水溶媒に溶質を溶解させて、非水電解液を調製する工程、および得られた電極と非水電解液とを用いて、電池を組み立てる工程を具備する。本発明では、更に、無機フィラーと膜結着剤とを含む膜用合剤を、膜用分散媒と混合して、多孔膜ペーストを調製する工程と、多孔膜ペーストを、電極合剤層に塗布し、塗布されたペーストを乾燥させて、多孔膜を形成する工程とが行われる。
分散媒として有機溶剤を使用する場合、安全性確保の観点から、塗膜乾燥機の熱源として蒸気を用いるのが一般的である。しかし、蒸気を熱源とする塗膜乾燥機の到達温度は、通常130℃程度以下である。従って、沸点202℃のNMPを分散媒に用いると、乾燥に時間がかかり、生産性向上の妨げとなる。そこで、電極用分散媒もしくは膜用分散媒としては、例えばメチルエチルケトン(MEK)、シクロヘキサノン(ANON)等を用いることがより好ましい。なかでもメチルエチルケトンを電極用分散媒に用いる場合には、従来のNMPに比べて、電極合剤スラリーによる吸水量が格段に低下するため、製造工程が環境変化の影響を受けにくくなる。従って、電極合剤スラリーの粘度変化も小さくなり、電極芯材への安定な塗工が可能となる。
電極合剤スラリーは、活物質および電極結着剤を含む電極合剤を、電極用分散媒と混合することにより調製できる。電極用分散媒には、電極結着剤を溶解するものを用いることが好ましい。電極合剤スラリーに含ませる電極結着剤は、活物質100重量部あたり、例えば1〜6重量部が好適である。
次に、電極合剤スラリーを電極芯材に塗布し、得られた塗膜を加熱する。加熱により、電極用分散媒が揮散する。なお、乾燥後の電極合剤の塗膜は、ロールプレスで圧延して、電極合剤層の密度調整を行うことが好ましい。
また、多孔膜ペーストは、無機フィラーおよび膜結着剤を含む膜用合剤を、膜用分散媒と混合することにより調製できる。膜用分散媒には、膜結着剤を溶解するものを用いることが好ましい。多孔膜ペーストに含ませる膜結着剤は、無機フィラー100重量部あたり1〜10重量部であることが好ましく、3.5〜10重量部であることが更に好ましい。膜結着剤の割合が多すぎると、電池性能が低下する傾向があり、膜結着剤の割合が少なすぎると、多孔膜の強度が不十分になることがある。
次に、多孔膜ペーストを正極および負極の少なくとも一方の表面に塗布し、得られた塗膜を加熱する。加熱により、膜用分散媒が揮散する。熱架橋型樹脂を含む膜結着剤を用いる場合には、続いて、熱架橋型樹脂の架橋反応を進行させる。こうして得られた多孔膜においては、熱架橋型樹脂が硬化物を形成しているため、強度に優れた多孔膜を得ることができる。なお、膜用分散媒の揮散を膜結着剤の架橋反応がほとんど進行しない温度で行い、その後に膜結着剤の架橋反応を行ってもよいし、膜用分散媒の揮散と膜結着剤の架橋反応とを同時に進行させてもよい。
正極活物質としては、複合リチウム酸化物が好ましく用いられる。複合リチウム酸化物としては、特に限定されないが、コバルト酸リチウム(LiCoO)、コバルト酸リチウムの変性体、ニッケル酸リチウム(LiNiO)、ニッケル酸リチウムの変性体、マンガン酸リチウム(LiMn)、マンガン酸リチウムの変性体、これらの酸化物のCo、MnもしくはNiの一部を他の遷移金属元素で置換したものなどが好ましい。各変性体には、アルミニウム、マグネシウムなどの元素を含むものがある。また、コバルト、ニッケルおよびマンガンの少なくとも2種を含むものもある。LiMnなどのMn系リチウム含有遷移金属酸化物は、特に、地球上に豊富に存在し、低価格である点で有望である。
負極活物質としては、特に限定されないが、各種天然黒鉛、各種人造黒鉛、石油コークス、炭素繊維、有機高分子焼成物などの炭素材料、酸化物、シリサイドなどのシリコン含有複合材料、各種金属もしくは合金材料を用いることができる。
正極合剤層や負極合剤層には、導電剤を含めることができる。このような導電剤としては、アセチレンブラック、ケッチェンブラック(登録商標)、各種黒鉛などを用いることができる。これらは単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
電極結着剤には、種々の樹脂材料を用いることができる。
正極結着剤としては、例えばポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリアクリル酸系誘導体ゴム粒子(日本ゼオン(株)製の「BM−500B(商品名)」など)、ポリフッ化ビニリデン(PVdF)などを用いることができる。PTFEやBM−500Bは、正極合剤層の原料ペーストの増粘剤となるCMC、ポリエチレンオキシド(PEO)、変性アクリロニトリルゴム(日本ゼオン(株)製の「BM−720H(商品名)」など)などと組み合わせて用いることもできる。PVdFは、単一でも正極結着剤としての機能と、増粘剤としての機能とを有する。
負極結着剤としては、正極結着剤と同様のものも用いられるが、ゴム性状高分子が好ましく用いられる。ゴム性状高分子としては、スチレン単位およびブタジエン単位を含むものが好ましく用いられる。例えばスチレン−ブタジエン共重合体(SBR)、SBRの変性体などを用いることができるが、これらに限定されない。これらのゴム性状高分子は、粒子状を呈することが好ましい。粒子状を呈するゴム性状高分子は、活物質粒子同士を点接着することができる。従って、負極活物質の表面を被覆せずにリチウムイオン受入れ性に優れた負極合剤層が得られる。負極結着剤と負極増粘剤とを併用する場合、負極増粘剤としては、水溶性高分子が好ましく用いられる。セルロース系樹脂が好ましく、特にカルボキシメチルセルロース(CMC)が好ましい。
多孔膜に用いられる無機フィラーは、リチウムイオン二次電池の使用環境下で、電気化学的にも安定であることが望まれる。また、無機フィラーは、多孔膜ペーストを調製するのに適した材料であることが望まれる。
無機フィラーのBET比表面積は、例えば0.9m/g以上、さらには1.5m/g以上であることが好ましい。また、無機フィラーの凝集を抑制し、多孔膜ペーストの流動性を好適化する観点から、BET比表面積は大き過ぎず、例えば150m/g以下であることが好ましい。また、無機フィラーの平均粒径(個数基準のメディアン径)は、0.1〜5μmであることが好ましい。
以上のような観点から、無機フィラーとしては、無機酸化物が好ましく、例えばアルミナ(酸化アルミニウム)、マグネシア(酸化マグネシウム)、酸化カルシウム、チタニア(酸化チタン)、ジルコニア(酸化ジルコニウム)、タルク、珪石等を好ましく用いることができる。特に、α−アルミナやマクネシアを用いることが好ましい。
炭酸エステルを含む非水溶媒には、所定の溶解度パラメータを有する範囲で、炭酸エステル以外の他の成分を含ませることができる。他の成分としては、特に限定されないが、例えば、鎖状エーテル(例えばジメチルエーテル、ジエチルエーテルなど)、環状エーテル(例えばテトラヒドロフランなど)、鎖状カルボン酸エステル(例えば蟻酸メチル、酢酸メチル、プロピオン酸エチルなど)、環状カルボン酸エステル(例えばγ−ブチロラクトン、γ−バレロラクトンなど)を用いることができる。ただし、他の成分は、非水溶媒全体の30重量%以下であることが好ましい。
非水溶媒に溶解させる溶質としては、リチウム塩を用いることが好ましい。リチウム塩としては、例えば6フッ化リン酸リチウム(LiPF)、過塩素酸リチウム(LiClO)、ホウフッ化リチウム(LiBF)などを挙げることができる。非水溶媒に溶解する溶質濃度は、一般に0.5〜2mol/Lである。
電池のサイクル寿命を向上させるために、極板上に良好な皮膜を形成させる添加剤を非水電解液と混合することができる。このような添加剤としては、ビニレンカーボネート(VC)、ビニルエチレンカーボネート(VEC)、VCやVECの変性体などを用いることができる。
また、電池の高温保存特性を改良するために、正極を被覆する添加剤を非水電解液と混合することができる。このような添加剤としては、プロパンサルトン(PS)、エチレンサルファイト(ES)、PSやESの変性体などを用いることができる。
また、電池の過充電時の安定性を向上させるために、過充電時に被膜を形成する添加剤を非水電解液と混合することができる。このような添加剤としてはシクロヘキシルベンゼン(CHB)やその変性体などを用いることができる。
セパレータは、リチウムイオン二次電池の使用環境に耐え得る材料からなるものであれば、特に限定されない。ポリオレフィン樹脂を含む微多孔性シートをセパレータとして用いることが一般的である。ポリオレフィン樹脂としては、ポリエチレン、ポリプロピレンなどが挙げられる。微多孔性シートは、1種のポリオレフィン樹脂を含む単層膜であってもよく、2種以上のポリオレフィン樹脂を含む多層膜であってもよい。セパレータの厚さは8〜30μmであることが好ましい。
次に、本発明を実施例に基づいて具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
[実施例]
まず、以下の実施例および比較例で行った評価方法について説明する。
(500サイクル後容量維持率)
完成した電池に対し、2度の予備充放電を行い、45℃環境下で7日間保存した。その後、20℃環境下で、以下のパターンの充放電を500回繰り返した。初回の放電容量に対する500サイクル目の放電容量の割合を、容量維持率として求めた。
定電流充電:1400mA(終止電圧4.2V)
定電圧充電:4.2V(終止電流100mA)
定電流放電:400mA(終止電圧3V)
(結着剤の分子量の測定)
膜結着剤もしくは電極結着剤に用いた樹脂の重量平均分子量は、N−メチル−2−ピロリドンを溶媒とするゲル・パーミエーション・クロマトグラフィーにより、ポリスチレン換算値として求めた。
(溶解度パラメータ)
膜結着剤もしくは電極結着剤に熱架橋型樹脂を用いる場合には、熱架橋型樹脂を、170℃で、24時間加熱し、その後、溶解度パラメータが既知の様々な溶媒中に60℃で72時間浸漬し、浸漬前に対する浸漬後の体積比が最も大きくなる溶媒を見出し、その溶媒の溶解度パラメータを、熱架橋型樹脂の溶解度パラメータとした。なお、溶解度パラメータが既知の溶媒には、溶解度パラメータが0.1ずつ異なり、かつ8.0〜12.0の範囲に含まれる複数の溶媒を用いた。架橋しない結着剤の場合は、100℃以下で成形したものを用いて 同様の方法で求めた。
《参考例1》
(a)正極の作製
コバルト酸リチウム100重量部と、正極結着剤としてのアクリロニトリル共重合体を4重量部と、アセチレンブラック1重量部と、適量の電極分散媒とを、双腕式練合機にて攪拌し、不揮発成分の含有率が50重量%の正極合剤スラリーを調製した。このスラリーを正極芯材である15μm厚のアルミニウム箔の両面に塗布し、120℃で乾燥させた。その後、乾燥塗膜をロールプレスして、密度が3.3g/cmの正極合剤層を形成した。この際、アルミニウム箔および正極合剤層からなる極板の厚みを160μmに制御した。次いで、円筒型電池(品番18650)の缶状電池ケースに挿入可能な幅に極板をスリットし、正極のフープを得た。
(b)負極の作製
人造黒鉛100重量部と、負極結着剤としてのスチレン−ブタジエンゴム誘導体(日本ゼオン(株)製のBM−400Bのゴム成分)2重量部と、増粘剤としてのCMC1重量部と、適量の水とを、双腕式練合機にて攪拌し、負極合剤スラリーを調製した。このスラリーを負極芯材である10μm厚の銅箔の両面に塗布し、乾燥後、ロールプレスして、密度が1.4g/cmの負極合剤層を形成した。この際、銅箔および負極合剤層からなる極板の厚みを180μmに制御した。その後、円筒型電池(品番18650)の缶状電池ケースに挿入可能な幅に極板をスリットし、負極のフープを得た。
正極結着剤(アクリロニトリル共重合体)には、アクリロニトリル単位(unit)、アクリル酸ドデシル単位、およびブタジエンモノオキサイド単位を含み、異なる溶解度パラメータを有する共重合体A〜Eを用いた。各共重合体の重量平均分子量は、以下の通りである。
共重合体A:178000
共重合体B:155000
共重合体C:143000
共重合体D:126000
共重合体E:137000
正極分散媒には、正極合剤スラリーに含まれる正極結着剤(アクリロニトリル共重合体)の溶解度パラメータと同じか、もしくはそれに近い溶解度パラメータを有する電極分散媒を用いた。
具体的には、共重合体A(溶解度パラメータ:11.3)を含む正極合剤スラリーには、正極分散媒として、N−メチル−2−ピロリドン(NMP、溶解度パラメータ:11.3、沸点:202℃)を用いた。
また、共重合体D(溶解度パラメータ:9.8)および共重合体E(溶解度パラメータ:9.3)を含む正極合剤スラリーには、正極分散媒として、シクロヘキサノン(ANON、溶解度パラメータ:9.9、沸点155℃)を用いた。
また、共重合体B(溶解度パラメータ:10.8)および共重合体C(溶解度パラメータ:10.3)を含む正極合剤スラリーには、正極分散媒として、N−メチル−2−ピロリドンと、シクロヘキサノンとの混合溶媒(重量比はNMP:ANON=7:3)を用いた。
(c)非水電解液の調製
エチレンカーボネート(EC、溶解度パラメータ:14.7)と、ジメチルカーボネート(DMC、溶解度パラメータ:9.9)と、ジエチルカーボネート(DEC、溶解度パラメータ:8.8)とを、体積比4:4:2で含む混合溶媒(溶解度パラメータ:11.6)に、LiPFを1mol/Lの濃度で溶解し、さらにビニレンカーボネート(VC)を3重量%添加して、非水電解液とした。
(d)電池の作製
上述の正極、負極および非水電解液を用いて、品番18650の円筒型電池を作製した。まず、正極と負極を、それぞれ所定の長さで切断した。正極芯材には、正極リードの一端を接続した。また、負極芯材には、負極リードの一端を接続した。その後、正極と負極とを、厚さ20μmのポリエチレン樹脂製微多孔性シートからなるセパレータを介して、捲回し、柱状の極板群を構成した。極板群の外面はセパレータで介装した。この極板群を、上部絶縁リングおよび下部絶縁リングで挟まれた状態で、電池缶の内空間に収容した。次いで、上記の非水電解液を5g秤量して、電池缶内に注液し、133Paの減圧雰囲気中で非水電解液を極板群に含浸させた。正極リードの他端は電池蓋の裏面に溶接した。また、負極リードの他端は電池缶の内底面に溶接した。最後に電池缶の開口を、周縁に絶縁パッキンが配された電池蓋で塞いだ。こうして、円筒型のリチウムイオン二次電池を完成した。
得られた電池の充放電500サイクル後の容量維持率を、上記の方法で評価した。結果を表1に示す。また、正極結着剤(共重合体A〜E)の溶解度パラメータ(SP値)、非水溶媒の溶解度パラメータと正極結着剤の溶解度パラメータとの差を表1に示す。
Figure 0005077864
《参考例2》
(a)正極の作製
コバルト酸リチウム100重量部と、正極結着剤としてのポリフッ化ビニリデン(PVdF)(呉羽化学(株)製の「#1320(商品名)」のPVdF成分)4重量部と、アセチレンブラック3重量部と、適量のNMPとを、双腕式練合機にて攪拌し、正極合剤スラリーを調製した。このスラリーを正極芯材である15μm厚のアルミニウム箔の両面に塗布し、乾燥後、ロールプレスして、密度が3.3g/cmの正極合剤層を形成した。この際、アルミニウム箔および正極合剤層からなる極板の厚みを160μmに制御した。その後、円筒型電池(品番18650)の缶状電池ケースに挿入可能な幅に極板をスリットし、正極のフープを得た。
(b)負極の作製
人造黒鉛100重量部と、負極結着剤としてのアクリロニトリル共重合体を3重量部と、適量の電極分散媒とを、双腕式練合機にて攪拌し、不揮発成分の含有率が70重量%の負極合剤スラリーを調製した。このスラリーを負極芯材である10μm厚の銅箔の両面に塗布し、120℃で乾燥させた。その後、乾燥塗膜をロールプレスして、密度が1.4g/cmの負極合剤層を形成した。この際、銅箔および負極合剤層からなる極板の厚みを180μmに制御した。次いで、円筒型電池(品番18650)の缶状電池ケースに挿入可能な幅に極板をスリットし、負極のフープを得た。
負極結着剤としては、参考例1で正極結着剤として用いたのと同じアクリロニトリル単位(unit)、アクリル酸ドデシル単位、およびブタジエンモノオキサイド単位を含み、異なる溶解度パラメータを有する共重合体A〜Eを用いた。
負極分散媒としては、負極合剤スラリーに含まれる負極結着剤(アクリロニトリル共重合体)の溶解度パラメータと同じか、もしくはそれに近い溶解度パラメータを有する負極分散媒を用いた。これらは、参考例1で用いたのと同じものである。
(c)電池の作製
上記の正極と負極を用いたこと以外、参考例1と同様にして、円筒型のリチウムイオン二次電池を完成した。
得られた電池の充放電500サイクル後の容量維持率を、上記の方法で評価した。結果を表2に示す。また、負極結着剤(共重合体A〜E)の溶解度パラメータ(SP値)、非水溶媒の溶解度パラメータと負極結着剤の溶解度パラメータとの差を表2に示す。
Figure 0005077864
《参考例3》
参考例2の負極を用いたこと以外、参考例1と同様にして、円筒型のリチウムイオン二次電池を完成した。得られた電池の充放電500サイクル後の容量維持率を、上記の方法で評価した。結果を表3に示す。
Figure 0005077864
《参考例4》
正極結着剤として、アクリロニトリル共重合体の代わりに、高解離度の親水性基としてスルホン酸基を含む一液型熱架橋型アクリロニトリル共重合体を用いた。ここで用いた一液型熱架橋型アクリロニトリル共重合体は、マスクされた架橋点を有し、アクリロニトリル単位(unit)、アクリル酸ドデシル単位、およびブタジエンモノオキサイド単位を含み、重量平均分子量は239000であった。この一液型熱架橋型アクリロニトリル共重合体を、40℃で72時間放置しても、5重量%以下しか架橋反応が進行しなかった。また、一液型熱架橋型アクリロニトリル共重合体を170℃で24時間加熱して得られた硬化物の非水電解液(ECとDMCとDECとを、体積比4:4:2で含む混合溶媒に、LiPFを1mol/Lの濃度で溶解し、さらにビニレンカーボネート(VC)を3重量%添加した非水電解液)への溶解度は5重量%以下であった。
上記のマスクされた架橋点を有する一液型熱架橋型アクリロニトリル共重合体を用いたこと以外、参考例1と同様にして、正極芯材上に密度が3.3g/cmの正極合剤層を形成した。その後、窒素ガス雰囲気中で、正極合剤層を170℃で24時間加熱し、一液型熱架橋型アクリロニトリル共重合体を架橋させた。
上記の正極を用いたこと以外、参考例1と同様にして、円筒型のリチウムイオン二次電池を完成した。得られた電池の充放電500サイクル後の容量維持率を、上記の方法で評価した。結果を表4に示す。また、ここで用いた正極結着剤の溶解度パラメータを表4に示す。
《参考例5》
正極結着剤として、一液型熱架橋型アクリロニトリル共重合体の代わりに、マスクされていない水酸基を含有するポリアクリロニトリル誘導体を用いて、正極合剤スラリーを調製した。正極合剤スラリーには、前記ポリアクリロニトリル誘導体の架橋剤として、末端にイソシアネート基(−NCO)を有するポリイソシアネートを、前記ポリアクリロニトリル誘導体100重量部あたり20重量部添加した。
なお、マスクされていない水酸基を含有するポリアクリロニトリル誘導体100重量部と、末端にイソシアネート基を有するポリイソシアネート20重量部との混合物を、40℃で72時間放置したところ、混合物の5重量%を超える量の架橋反応が進行した。
この正極合剤スラリーを用いたこと以外、参考例4と同様にして、円筒型のリチウムイオン二次電池を完成した。すなわち、ここでは、正極合剤層を窒素ガス雰囲気中で、170℃で24時間加熱し、ポリアクリロニトリル誘導体を架橋させた。得られた電池の充放電500サイクル後の容量維持率を、上記の方法で評価した。結果を表4に示す。また、ここで用いた正極結着剤の溶解度パラメータを表4に示す。
Figure 0005077864
参考例6
(a)多孔膜ペーストの調製
無機フィラーとしての住友化学工業(株)製のメディアン径0.3μmのα−アルミナ「AKP50(商品名)」を100重量部と、膜結着剤としてのアクリロニトリル共重合体4重量部と、適量の膜分散媒とを、予備攪拌機であるディゾルバで30分間攪拌した。得られた予備攪拌物を、さらに内容積2リットルのビーズミル((株)シンマルエンタープライズ製のKDC−PAILOT−A型)で滞留時間を10分間に設定して攪拌し、不揮発成分45重量%の多孔膜ペーストを調製した。ビーズミルには、円盤状のディスクが内蔵されており、ディスクの回転により、ミルの内容物が攪拌される仕組である。なお、滞留時間とは、ミルの内容積を、ミル内に送り込まれる予備攪拌物の流速で除した値で定義され、分散処理時間に相当する。
膜結着剤としては、参考例1で正極結着剤として用いたのと同じアクリロニトリル単位(unit)、アクリル酸ドデシル単位、およびブタジエンモノオキサイド単位を含み、異なる溶解度パラメータを有する共重合体A〜Eを用いた。
膜分散媒としては、多孔膜ペーストに含まれる膜結着剤(アクリロニトリル共重合体)の溶解度パラメータと同じか、もしくはそれに近い溶解度パラメータを有する膜分散媒を用いた。これらは、参考例1で正極分散媒として用いたものと同じものである。
(b)多孔膜の形成
参考例1と同様の負極を作製し、上記の多孔膜ペーストを、負極合剤層の表面に塗布し、120℃で乾燥させ、負極に接着した厚さ10μmの乾燥塗膜を得た。
(c)電池の作製
上記の多孔膜が表面に接着された負極と、参考例2と同様の正極を用い、セパレータとして厚さ10μmのポリエチレン樹脂製微多孔性シートを用いたこと以外、参考例1と同様にして、円筒型のリチウムイオン二次電池を完成した。
得られた電池の充放電500サイクル後の容量維持率を、上記の方法で評価した。結果を表5に示す。また、膜結着剤(共重合体A〜E)の溶解度パラメータ(SP値)、非水溶媒の溶解度パラメータと膜結着剤の溶解度パラメータとの差を表5に示す。
Figure 0005077864
《実施例
膜結着剤として、上述のアクリロニトリル共重合体の代わりに、高解離度の親水性基としてスルホン酸基を含む一液型熱架橋型アクリロニトリル共重合体を用いた。ここで用いた一液型熱架橋型アクリロニトリル共重合体は、マスクされた架橋点を有し、アクリロニトリル単位(unit)、アクリル酸ドデシル単位、およびブタジエンモノオキサイド単位を含み、重量平均分子量は239000であった。この一液型熱架橋型アクリロニトリル共重合体を、40℃で72時間放置しても、5重量%以下しか架橋反応が進行しなかった。また、一液型熱架橋型アクリロニトリル共重合体を170℃で24時間加熱して得られた硬化物の所定の非水電解液への溶解度は5重量%以下であった。
上記のマスクされた架橋点を有する一液型熱架橋型アクリロニトリル共重合体を用いたこと以外、実施例1と同様にして、多孔膜ペーストを調製し、これを用いて、参考例6と同様にして、負極合剤層上に多孔膜を形成した。その後、負極を窒素ガス雰囲気中で、170℃で24時間加熱し、アクリロニトリル共重合体を架橋させた。
上記の多孔膜を形成したこと以外、参考例6と同様にして、円筒型のリチウムイオン二次電池を完成した。得られた電池の充放電500サイクル後の容量維持率を、上記の方法で評価した。結果を表6に示す。また、ここで用いた膜結着剤の溶解度パラメータを表6に示す。
《実施例
膜結着剤として、一液型熱架橋型アクリロニトリル共重合体の代わりに、マスクされていない水酸基を含有するポリアクリロニトリル誘導体を用いて、多孔膜ペーストを調製した。多孔膜ペーストには、前記ポリアクリロニトリル誘導体の架橋剤として、末端にイソシアネート基(−NCO)を有するポリイソシアネートを、前記ポリアクリロニトリル誘導体100重量部あたり20重量部添加した。
なお、マスクされていない水酸基を含有するポリアクリロニトリル誘導体100重量部と、末端にイソシアネート基を有するポリイソシアネート20重量部との混合物を、40℃で72時間放置したところ、混合物の5重量%を超える量の架橋反応が進行した。
この多孔膜ペーストを用いたこと以外、実施例と同様にして、円筒型のリチウムイオン二次電池を完成した。すなわち、ここでは、負極合剤層上の多孔膜ペーストの塗膜が乾燥後、負極を窒素ガス雰囲気中で、170℃で24時間加熱し、ポリアクリロニトリル誘導体を架橋させた。得られた電池の充放電500サイクル後の容量維持率を、上記の方法で評価した。結果を表6に示す。また、ここで用いた膜結着剤の溶解度パラメータを表6に示す。
Figure 0005077864
非水電解液の非水溶媒の溶解度パラメータは、11.6である。
非水電解液の非水溶媒の溶解度パラメータと、アクリロニトリル共重合体Aの溶解度パラメータ(NMPの溶解度パラメータ)との差は0.3である。
非水電解液の非水溶媒の溶解度パラメータと、アクリロニトリル共重合体Bの溶解度パラメータとの差は0.8である。
非水電解液の非水溶媒の溶解度パラメータと、アクリロニトリル共重合体Cの溶解度パラメータとの差は1.3である。
非水電解液の非水溶媒の溶解度パラメータと、アクリロニトリル共重合体Dの溶解度パラメータとの差は1.8である。
非水電解液の非水溶媒の溶解度パラメータと、アクリロニトリル共重合体Eの溶解度パラメータとの差は2.3である。
以上のように、アクリロニトリル共重合体C〜Dと非水電解液の非水溶媒との溶解度パラメータの差は、いずれも1.0を超えている。従って、膜結着剤にアクリロニトリル共重合体C〜Dを用いた場合には、表1〜3および表5に示されるように、充放電を500サイクル繰り返した後の容量維持率は、いずれも良好である。また、アクリロニトリル共重合体Dと同じく溶解度パラメータが9.8である一液型熱架橋型のアクリロニトリル共重合体を用いた場合には、さらに良好な容量維持率が得られている。
一方、アクリロニトリル共重合体A、Bと非水電解液の非水溶媒との溶解度パラメータの差は、いずれも1.0未満である。従って、膜結着剤にアクリロニトリル共重合体A、Bを用いた場合には、表1〜3および表5に示されるように、充放電を500サイクル繰り返した後の容量維持率は、いずれも不十分である。
以上のように、本発明によれば、充放電サイクルの繰り返しに伴う容量劣化が抑制されたリチウムイオン二次電池を得ることができる。
円筒型のリチウムイオン二次電池の一例の縦断面図である。
符号の説明
1 電池缶
2 電池蓋
3 絶縁パッキン
5 正極
5a 正極リード
6 負極
6a 負極リード
7 セパレータ
8a 上部絶縁リング
8b 下部絶縁リング

Claims (10)

  1. 正極芯材および前記正極芯材に担持された正極合剤層を含む正極、
    負極芯材および前記負極芯材に担持された負極合剤層を含む負極、
    セパレータ、
    炭酸エステルを含む非水溶媒と、前記非水溶媒に溶解する溶質とを含む非水電解液、ならびに
    前記正極および前記負極の少なくとも一方の表面に接着された多孔膜
    を具備し、
    前記多孔膜が、無機フィラーおよび膜結着剤を含み、
    前記膜結着剤が、熱架橋型樹脂の硬化物を含み、
    前記膜結着剤の溶解度パラメータが、前記非水溶媒の溶解度パラメータと1以上異なり、
    前記膜結着剤の溶解度パラメータは、60℃で測定される実測値である、リチウムイオン二次電池。
  2. 前記多孔膜における前記膜結着剤の量が、前記無機フィラー100重量部あたり1〜10重量部である、請求項1記載のリチウムイオン二次電池。
  3. 前記熱架橋型樹脂が、一液型である、請求項記載のリチウムイオン二次電池。
  4. 前記炭酸エステルを含む非水溶媒の溶解度パラメータが、11.5〜14である、請求項1記載のリチウムイオン二次電池。
  5. 電極活物質と電極結着剤とを含む電極合剤を、電極用分散媒と混合して、電極合剤スラリーを調製する工程、
    前記電極合剤スラリーを、電極芯材に塗布し、前記塗布されたスラリーを乾燥させて、電極合剤層を形成する工程、
    炭酸エステルを含む非水溶媒に溶質を溶解させて、非水電解液を調製する工程、
    無機フィラーと膜結着剤とを含む膜用合剤を、膜用分散媒と混合して、多孔膜ペーストを調製する工程、
    前記多孔膜ペーストを、前記電極合剤層の表面に塗布し、前記塗布されたペーストを乾燥させて、多孔膜を形成する工程、ならびに
    前記多孔膜を有する前記電極と前記非水電解液とを用いて、電池を組み立てる工程を具備し、
    前記膜結着剤が、熱架橋型樹脂を含み、
    前記膜結着剤の溶解度パラメータが、前記非水溶媒の溶解度パラメータと1以上異なり、
    前記膜結着剤の溶解度パラメータは、60℃で測定される実測値である、リチウムイオン二次電池の製造法。
  6. 前記多孔膜ペーストにおける前記膜結着剤の量が、前記無機フィラー100重量部あたり1〜10重量部である、請求項5記載のリチウムイオン二次電池の製造法。
  7. 前記熱架橋型樹脂が、一液型である、請求項5記載のリチウムイオン二次電池の製造法。
  8. 前記炭酸エステルを含む非水溶媒の溶解度パラメータが、11.5〜14である、請求項5記載のリチウムイオン二次電池の製造法。
  9. 前記電極用分散媒の溶解度パラメータが、前記非水溶媒の溶解度パラメータと1以上異なる、請求項5記載のリチウムイオン二次電池の製造法。
  10. 前記膜用分散媒の溶解度パラメータが、前記非水溶媒の溶解度パラメータと1以上異なる、請求項5記載のリチウムイオン二次電池の製造法。
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