JP5072236B2 - 塩味増強方法と減塩方法、並びに減塩食品とその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、オレイン酸高含有油脂の新規用途に関する。より詳しくは、オレイン酸高含有油脂の使用による食品の風味の調整技術、特に食品の塩味の調整に係わる技術に関する。
生理的に必要とされる食塩は、成人一日当たり2〜5g程度と言われているのに対して、近年における国民栄養調査の結果では、日本人は、一日に約10〜14gという過剰の食塩を摂取していると報告されている。
食塩の過剰摂取は、高血圧症をはじめ、腎疾患や心臓疾患などの循環器系疾病の誘発原因となると言われているので、日本人の栄養所要量(第6次改定)を基にした食事摂取基準では、一日当たりの摂取量は10g未満が目標とされ、さらに、一日当たり6〜7gまでの減塩が望ましいとされている。
このような状況下、各種食品において、減塩の試みがなされている。しかし、単純に食塩含量を減らす技術では、食品本来の風味を損なうという問題が発生することが一般に知られている。このため、前記問題を解決するための技術が幾つか提案されている。
例えば、特許文献1には、食塩含有食品に所定炭素数の飽和脂肪酸モノカルボン酸を添加することによって塩辛味を増強する方法が開示されており、特許文献2には、塩化ナトリウムを含有する飲食物に、トレハロースを添加することによって塩味と旨みを増強する方法が開示されており、さらに、特許文献3には、アミノ酸およびコハク酸を添加することによって塩味を増強する方法が開示されている。これらの従来方法では、塩味増強の効果を得られるが、添加物それ自体が有する風味が影響などして、食品本来の風味バランスが崩れてしまう場合があった。また、特許文献4には、油脂及び具材からなる油脂組成物における油脂含量その他を調整することによって、食品に塩味を付与する技術が開示されている。
特開平05−184326号公報。 特開平10−66540号公報。 特開2002−345430号公報。 特開2000−228947号公報。
次に、一価不飽和脂肪酸であるオレイン酸(oleic acid)は、オリーブ油に代表される植物油に豊富に含まれている。また、近年は、品種改良の成果により、高オレイン酸ひまわり油や高オレイン酸紅花油などが登場している。
このオレイン酸の食品に及ぼす効果としては、加熱したときの刺激臭や不快臭を低減する効果(特許文献5参照)、酸化安定性や熱安定の向上効果や食品の口溶け・風味・食感・物性を改善する効果(特許文献6参照)が知られている。また、高オレイン酸ひまわり油は、他の油と比較して安定性に優れること、生理機能では血漿コレステロール低下作用があること、などが確認されている(非特許文献1参照)。このように、オレイン酸は、食品風味や物性に好ましい影響を与え、健康にも良いことが徐々に明らかになってきている。
特開2003−158999号公報。 特開2003−064395号公報。 ニューフードインダストリー 40(8)、23。
本発明は、食品本来の風味バランスを損なうことなく、食品の塩味増強を行うことができる技術を提供すること、より詳しくは、油脂の新規用途開発によって、添加物による風味調整を行わなくても、塩味及び風味のバランスのよい減塩食品を製造できる技術などを提供することを主な目的とする。
本発明では、全脂肪酸組成に含まれるオレイン酸の含量が70重量%以上である油脂の飲食品における塩味増強成分としての使用、同油脂を使用することを特徴とする塩味増強方法、同油脂を使用することを特徴とする飲食品の減塩方法、同油脂を用いて調味又は/調理された減塩食品、同油脂を使用して調味又は/及び調理する工程を含むことを特徴とする減塩食品の製造方法を提供する。
これらの発明で用いる油脂は、例えば、大豆油、菜種油、コーン油、綿実油、ひまわり油、紅花油、米油、落花生油、パーム油、オリーブ油、ゴマ油など、食用に適する油脂の中から選択された油脂、あるいは複数の油脂を組み合わせて得られた油脂であって、該油脂に含まれる全脂肪組成物中のオレイン酸が天然成分として70重量%以上含まれているもの、あるいは、全脂肪酸組成中のオレイン酸含量が70重量%以上となるように、人為的に調整された油脂である。好ましくは、油脂中の全脂肪酸組成中のオレイン酸含量が75重量%以上、より好ましくは80重量%以上含まれている油脂であることが望ましい。なお、該オレイン酸含量の上限は理論的に100重量%となる。また、高オレイン酸種のひまわりを原料とする油脂を単独又は主成分として配合した油脂の形態が好ましい態様として例示できる。また、該油脂は、精製油脂であることが望ましい。なお、油脂中の全脂肪酸組成中のオレイン酸含量は、基準油脂分析法[2.4.2.1-1996脂肪酸組成(FID恒温ガスクロマトグラフ法)]により求めることができる。
前記油脂を用いて、調味したり、油揚げしたり、炒めたりすることによって得られる食品は、特に限定されず、狭く解釈されない。調味された食品の代表例を挙げると、ドレッシングやマヨネーズであり、油揚げ食品の代表例を挙げると、天ぷら、フライ食品、唐揚げ、フリッター、米菓・スナック菓子などのフライ菓子、フライ麺などであり、炒め食品の代表例を挙げると、野菜炒め、チャーハン、お好み焼きなどであり、とりわけ、食塩、香辛料、ソースやたれなどの調味料を用いて、風味調整が行われる食品に好適である。
「減塩食品」は、通常一般の食品配合における食塩含有量に比して、食塩含有量が意図的に低減された食品を広く含む。例えば、食塩摂取制限による健康維持の側面から減塩が施された食品などが該当する。
全脂肪酸組成に含まれるオレイン酸の含量が70重量%以上である油脂を、食品の塩味増強成分として使用することとは、当該油脂を用いて食品を調理した結果によって当該油脂が食品成分となる場合や当該食品の配合成分として含まれる場合などにおいて、食品塩味増強に係わる機能を有効に発揮するように使用することを意味する。なお、全脂肪酸組成に含まれるオレイン酸の含量が70重量%以上である油脂が、食品の成分中に認められれば、前記機能は必然的に発揮される。
本発明によれば、調理に使用されたり、配合成分として用いられたりしている既存の油脂を、全脂肪酸組成中のオレイン酸含量が70重量%以上、好ましくは75重量%以上、より好ましくは80重量%以上の高オレイン酸含有油脂に置き換えるだけで、食品本来の風味バランスを損なうことなく、食品の塩味を増強できる。添加物による風味調整を行わなくても、風味のバランスがよい減塩食品その他の食品を製造することができる。前記油脂を使用すれば、添加物による風味調整を行わなくても、本来の風味バランスを損なうことがないので、食品の原料コストを抑制できる。
即席麺(油揚げインスタントラーメン)を用いた実施例1。全脂肪酸組成中のオレイン酸含量の異なる各種油脂(表1参照)を用いて、以下の通りに、それぞれ油揚げインスタントラーメンを調製した。
定法により調製した蒸し麺80gを、140℃に加熱した前記各油脂で、2分30秒フライし、油切り及び放冷したサンプルについて、調理し、食味評価を行った。なお、スープは、市販の即席中華塩ラーメンに付属している粉末スープを定められた処方に従って、調理した。
食味評価は、10名の熟練パネラーが、上記各油脂で調理された各サンプルを喫食し、塩味の感じ方を評価した。評価は、パーム油を使用したサンプルを基準点(3.0点)として、それよりも塩味を強く感じる場合を5点、弱く感じる場合を1点とし、パネラー10名の平均点を算定することとした。以下の「表1」に、本実施例1の評価結果を示す。
Figure 0005072236
前掲の「表1」に示す結果から明らかなように、高オレイン酸ひまわり油や高オレイン酸キャノーラ油でフライされて調理されたサンプル(油揚げインスタントラーメン)は、全脂肪酸組成中のオレイン酸含量が70重量%未満であるパーム油やキャノーラ油で調理されたサンプルに比べて、パネラーに塩味を強く感じさせている。特に、全脂肪酸組成中のオレイン酸含量77重量%以上、又は高オレイン酸ひまわり油では、塩味増強において顕著な効果を示した。
米菓を用いた実施例2。フライ用の油脂として、ひまわり油(全脂肪酸組成中のオレイン酸含量20重量%)、大豆油(全脂肪酸組成中のオレイン酸含量24重量%)、パーム油(全脂肪酸組成中のオレイン酸含量40重量%)、高オレイン酸キャノーラ油(全脂肪酸組成中のオレイン酸含量70重量%)、高オレイン酸ひまわり油(全脂肪酸組成中のオレイン酸含量86重量%)、以上5種類の油脂を用いて、うるち米のもち生地を油揚げし、以下の通りに、米菓を調製した。
市販の米菓用生地(2.5g)を加湿高温条件下で水分調整し、230℃で45秒間油揚げした。得られた米菓製品に対して、それぞれ1重量%の割合で、共通の食塩を均一にふりかけ、冷却したサンプル品について、食味評価を行った。
食味評価は、熟練パネラー10名により、サンプル品である米菓を喫食し、塩味の感じ方を評価した。具体的には、計5種類のサンプルについて、塩味を感じる順番に順位(1位から5位)をつけ、この順位点(1点から5点)の平均を最終評価点とした。以下の「表2」にその結果を示す。なお、順位点が低いほど、塩味を強く感じたことを示す。
Figure 0005072236
前掲した「表2」の結果から明らかなように、高オレイン酸のキャノーラ油やひまわり油でフライされて調理された米菓は、パネラーに最も塩味を感じさせている。
ポテトチップスを用いた実施例3。男爵いもを1mm厚にスライスし、ブランチング処理を施した後、全脂肪酸組成中のオレイン酸含量の異なる各種油脂(表3参照)で175℃、4分フライした。製品に対して、1重量%の割合で食塩をふりかけ、冷却し、ポテトチップスサンプル品を得た。
食味評価は、10名の熟練パネラーが、上記各油脂で調理された各サンプルを喫食し、塩味の感じ方を評価した。評価は、パーム油を使用したサンプルを基準点(3.0点)として、それよりも塩味を強く感じる場合を5点、弱く感じる場合を1点とし、パネラー10名の平均点を算定した。以下の「表3」に本実施例3の評価結果を示す。
Figure 0005072236
前掲の「表3」に示す結果から明らかなように、高オレイン酸のキャノーラ油やひまわり油でフライされて調理されたポテトチップスサンプル品は、全脂肪酸組成中のオレイン酸含有量が低い油脂で調理された他のサンプル品に比べて、パネラーに塩味を強く感じさせている。特に高オレイン酸のひまわり油では、顕著な塩味増強効果が見られた。
以上の実施例1から3の結果から判断すると、高オレイン酸の油脂で調理された食品は、塩味が強く感じられるようになることが明らかになった。この結果から、高オレイン酸のひまわり油やキャノーラ油などの油脂を、塩味増強を目的として利用できること、あるいは塩分のある油脂使用食品において塩味増強成分として利用できること、従って減塩食品を製造できることが明らかになった。さらに、高オレイン酸のひまわり油においてその効果が顕著に奏されることも明らかになった。
本実施例4は、野菜のかき揚げ天ぷらを用いたオレイン酸高含有油脂の塩味増強効果検証に係わる試験例である。天ぷら粉の食塩の含量とフライ用油脂の種類を変えることによって、塩味の感じ方の違いを確認した。
本試験で使用したフライ用油脂は、1)大豆油(全脂肪酸組成中のオレイン酸含量24重量%)、2)コーン油(全脂肪酸組成中のオレイン酸含量29重量%)、3)高オレイン酸キャノーラ油(全脂肪組成中のオレイン酸含量70重量%)、4)高オレイン酸ひまわり油(全脂肪酸組成中のオレイン酸含量82重量%)を用いた。
以下のレシピで野菜のかき揚げ天ぷらを調製した。まず、千切りしたタマネギ450gとニンジン100gに市販薄力小麦粉55gを打ち粉として加えて、よく混合した(A)。次に「表4」に示す通りに食塩濃度が調整された各試験粉170gを水272g(加水率160%)に加え、撹拌し、試験用バッターを調製した(B)。AとBを混合し、天ぷら用基材とした。180℃に加熱した各種油脂に天ぷら用基材20gを投入し、2分間フライし、かき揚げ天ぷらを作製した。
Figure 0005072236
食味評価は、熟練パネル9名により実施した。「表4」に掲げる試験区1〜3に該当するかき揚げ天ぷらを塩味基準とし、フライ用油脂として高オレイン酸ひまわり油を用いて揚げ調理された「かき揚げ天ぷら」(試験粉中の食塩濃度違い6種類:4-1〜6)と比較したときに、塩味の感じ方が同等と思われるものを選択させた。結果を以下の表5〜7に示す。
Figure 0005072236
前掲された「表5」の結果からわかるように、塩味基準に採用した試験区1の塩味を同等と感じる食塩濃度は、高オレイン酸ひまわり油の方が低かった。具体的には、大豆油でフライしたかき揚げ天ぷらよりもフライ用油脂として高オレイン酸ひまわり油を使用したかき揚げ天ぷらの方が、より少量の食塩で同等の塩味を感じることが明らかになった。大豆油で食塩濃度1.5%に対して、1.08%(加重平均値)であったことから、約28%程度の減塩効果が期待される。
Figure 0005072236
前掲の「表6」の結果からわかるように、塩味基準とした試験区2の塩味と同等と感じる食塩濃度は、高オレイン酸ひまわり油の方が低かった。即ち、フライ用の油脂として高オレイン酸ひまわり油を使用することにより、より少量の食塩で同等の塩味を感じさせることが明らかになった。コーン油で食塩濃度1.5%に対して、1.23%(加重平均値)であったことから、約18%程度の減塩効果が期待される。
Figure 0005072236
前掲の「表7」の結果からわかるように、塩味基準とした試験区3の塩味と同等と感じる食塩濃度は、ほぼ同等であった。高オレイン酸キャノーラ油で食塩濃度1.5%に対して、高オレイン酸ひまわり油使用では1.41%(加重平均値)であったことから、約6%程度の減塩効果が期待される。オレイン酸含量が70重量%以上の油脂同志での比較では、その差は小さくなるが、オレイン酸含量がより高い油脂の方が減塩効果を期待できることがわかった。
本実施例5は、マヨネーズを用いたオレイン酸高含有油脂の塩味増強効果検証に係わる試験例である。マヨネーズ規定重量中の食塩の含量の変化と油脂の種類の変化による塩味の感じ方の違いを確認した。
マヨネーズに使用した油脂は、a)大豆油(全脂肪酸組成中のオレイン酸含量24重量%)、b)コーン油(全脂肪酸組成中のオレイン酸含量29重量%)、c)キャノーラ油(全脂肪酸組成中のオレイン酸含量59重量%)、d)高オレイン酸キャノーラ油(全脂肪酸組成中70重量%)、e)高オレイン酸サフラワー油(全脂肪酸組成中のオレイン酸含量78重量%)、f)高オレイン酸ひまわり油(全脂肪酸組成中のオレイン酸含量82重量%)である。これらの油脂を用いて、定法によりマヨネーズを調製した。
マヨネーズは、醸造酢13g、卵黄12g、砂糖1.0g、こしょう0.1g、食塩1.0gに合計100gとなるように前記各油脂を加えた基本配合とした。食塩の配合量は、0.5〜1.2gまで変化させ、油脂により合計が100gとなるように調整した(以下の「表8」の配合表を参照)。乳化には、カップ式ホモジナイザーを用いた。
Figure 0005072236
食味評価は、熟練パネル9名により実施した。各種油脂をベースとして、食塩配合量1.0gとしたマヨネーズ(試験区5〜9)を塩味基準とし、これらと高オレイン酸ひまわり油を使用したマヨネーズ(試験区10−1〜8)と比較したときに、塩味の感じ方が同等のものを選択させた。その結果を以下の表9〜13に示す。
Figure 0005072236
前掲した「表9」に示された結果からわかるように、塩味を同等と感じる食塩濃度は、高オレイン酸ひまわり油の方が低かった。したがって、高オレイン酸ひまわり油使用により、より少量の食塩で同等の塩味を感じさせることが可能となった。大豆油で食塩濃度1.0%に対して、0.71%(加重平均値)であったことから、約29%程度の減塩効果が期待される。
Figure 0005072236
前掲した「表10」に示された結果からわかるように、塩味を同等と感じる食塩濃度は、高オレイン酸ひまわり油の方が低かった。したがって、高オレイン酸ひまわり油使用により、より少量の食塩で同等の塩味を感じさせることが可能となった。コーン油で食塩濃度1.0%に対して、0.74%(加重平均値)であったことから、約26%程度の減塩効果が期待される。
Figure 0005072236
前掲した「表11」に示された結果からわかるように、塩味を同等と感じる食塩濃度は、高オレイン酸ひまわり油の方が低かった。したがって、高オレイン酸ひまわり油使用により、より少量の食塩で同等の塩味を感じることが明らかになった。キャノーラ油で食塩濃度1.0%に対して、0.82%(加重平均値)であったことから、約18%程度の減塩効果が期待される。
Figure 0005072236
前掲した「表12」に示された結果からわかるように、塩味を同等と感じる食塩濃度は、高オレイン酸ひまわり油の方が若干低い傾向であった。したがって、高オレイン酸ひまわり油使用により、より少量の食塩で同等の塩味を感じることが明らかになった。高オレイン酸キャノーラ油で食塩濃度1.0%に対して、0.87%(加重平均値)であったことから、約13%程度の減塩効果が期待される。オレイン酸含量が70重量%以上の油脂同志での比較では、その差は小さくなるが、オレイン酸含量がより高い油脂の方が減塩効果を期待できることがわかった。
Figure 0005072236
前掲した「表12」に示された結果からわかるように、塩味を同等と感じる食塩濃度は、高オレイン酸ひまわり油の方が若干低い傾向であった。したがって、高オレイン酸ひまわり油使用により、より少量の食塩で同等の塩味を感じることが明らかになった。高オレイン酸サフラワー油で食塩濃度1.0%に対して、0.93%(加重平均値)であったことから、約7%程度の減塩効果が期待される。オレイン酸含量が70重量%以上の油脂同志での比較では、その差は小さくなるが、オレイン酸含量がより高い油脂の方が減塩効果を期待できることがわかった。
本実施例6は、フレンチドレッシングを用いたオレイン酸高含有油脂の塩味増強効果検証に係わる試験例である。同フレンチドレッシング中の食塩の含量の変化と油脂の種類の変化によって、塩味の感じ方の違いを確認した。油脂は、ア)キャノーラ油(全脂肪酸組成中のオレイン酸含量59重量%)とイ)高オレイン酸ひまわり油(全脂肪酸組成中のオレイン酸含量82重量%)との比較を行った。
フレンチドレッシングは、油脂100g、醸造酢50g、塩5.0gを基準とし、食塩の配合量は、3.0〜6.0gまで変化させ、油脂により合計が155gとなるように調整した。各試験区の配合を次の「表14」に示す。
Figure 0005072236
食味評価は、熟練パネル10名により実施した。キャノーラ油を使用し、食塩配合量5.0gとしたものを基準として、これと高オレイン酸ひまわり油使用品(試験区12−1〜8)と比較したときに、塩味の感じ方が同等のものを選択させた。その結果を次の「表15」に示す。
Figure 0005072236
前掲した「表15」に示された結果からわかるように、塩味を同等と感じる食塩含有量は、高オレイン酸ひまわり油の方が低かった。即ち、高オレイン酸ひまわり油の使用により、より少量の食塩で同等の塩味を感じることが明らかになった。キャノーラ油で食塩5.0g配合品に対して、4.3g配合品(加重平均値)で同等であったことから、約14%程度の減塩効果が期待される。
減塩効果は、食材や対象とする油脂の種類により異なるが、実施例4〜6の結果から、油脂中の全脂肪酸組成中のオレイン酸含量が高いほど、即ち、オレイン酸含量が70重量%以上、好ましくは75重量%以上、より好ましくは80重量%以上の油脂を使用することで、より少量の食塩で同等の塩味を感じさせることが可能であるので、同等の塩味を感じさせるために必要な食塩量を少なくすることが可能である。
本発明は、食品の塩味調整やこの塩味調整に基づく風味バランスの調整技術として、とりわけ、減塩食品の配合技術や製造技術などに利用できる。
より具体的には、全脂肪酸組成中にオレイン酸を70重量%以上、好ましくは75重量%以上、より好ましくは80重量%以上含む油脂は、減塩食品その他の食品を調理(例えば、油揚げ、炒め調理など)するときの油として利用したり、食品の配合成分中に添加したりするなどの簡易な方法により、当該食品の塩味増強、甘味増強、風味バランス調整などを行う技術に利用できる。
例えば、天ぷら、フライ食品、唐揚げ、フリッター、米菓・スナック菓子などのフライ菓子、フライ麺などの油揚げ食品、野菜炒め、チャーハン、お好み焼きなどの炒め調理食品、ドレッシングやマヨネーズなどを含む調味料などの塩味増強などの目的で広く利用できる。また、前記油脂は、減塩食品の塩味増強剤として利用できる。

Claims (4)

  1. 全脂肪酸組成に含まれるオレイン酸の含有量が80重量%以上である油脂の、フライ麺における塩味増強成分としての使用。
  2. 全脂肪酸組成に含まれるオレイン酸の含有量が80重量%以上である油脂を使用することを特徴とするフライ麺の塩味増強方法。
  3. 全脂肪酸組成に含まれるオレイン酸の含有量が80重量%以上である油脂を使用してフライする工程を含むことを特徴とするフライ麺の製造方法。
  4. 請求項3記載の製造方法にて得られたフライ麺。
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