JP5029135B2 - 自動車の側部車体構造 - Google Patents
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Description
すなわち、この特許文献1では、車両後部のリアピラー内に、サスペンションタワーとルーフサイドレールを連結する補強部材を設け、この補強部材と車両後端のリアエンドクロスメンバーとの間に、車両前後方向に延びる荷重伝達ビームを設ける車体構造が開示されている。
すなわち、後面衝突時にリアゲート開口部の下方縁部に入力される衝突荷重は、第一荷重伝達部材を介してサスペンションタワーの上部に伝達される。この伝達された衝突荷重は、連結部材とサイドピラーを介してルーフサイドレールに伝達されるが、第二荷重伝達部材によりサスペンションタワー上部とリアピラーを連絡しているため、この第二荷重伝達部材を介してリアピラーにも伝達される。これにより、サイドピラーだけでなく、リアピラーも利用して、衝突荷重をルーフサイドレールに伝達することができるのである。
このため、ルーフサイドレールへの衝突荷重の伝達を、サイドピラーだけでなく、リアピラーも利用して行なうことができるため、車体後部の側面にウィンドウ開口部を形成していても、衝突荷重を確実にルーフサイドレールに伝達することができる。
よって、第二荷重伝達部材によるリアピラーへの衝突荷重の伝達を、より効率的に行なうことができ、衝突エネルギーの分散を確実に行なうことができる。
上記構成によれば、車両後方からの衝突荷重が、第一荷重伝達部材からサスタワー上部に伝達された際に、サスタワー上部に生じる上向き分力についても、後上がりに傾斜配置した第一荷重伝達部材によって、リアピラーに適切に伝達することができる。
このため、衝突荷重の水平分力だけでなく、上向き分力についても、確実にリアピラーに伝達することができる。
よって、より確実に、後面衝突の衝突荷重を、リアピラーを利用して、ルーフサイドレールに伝達することができる。
上記構成によれば、第一荷重伝達部材の後端位置が、第二荷重伝達部材の後端位置より後方側に位置するため、後面衝突時において、必ず最初に第一荷重伝達部材に衝突荷重が作用することになる。
このため、トラック等の車高の高い車両が後方から衝突してきた場合であっても、常に、第一荷重伝達部材から衝突荷重が作用することになるため、衝突荷重の伝達経路を、常に一定にすることができる。
よって、衝突してくる車両の種類に関係なく、常時安定して車体の衝突安全性能を高めることができる。
上記構成によれば、ルーフサイドレールとサスペンションタワーを直接繋ぐ連結補強部材を備えたことで、サスタワーからサイドピラーを介してルーフサイドレールに伝達される衝突荷重を、より効率的にルーフサイドレールに伝達することができる。
このため、剛性が十分でないサイドピラーであっても、確実に衝突荷重をルーフサイドレールに伝達することができる。
よって、リアピラーとサイドピラーを利用して、より確実に衝突荷重をルーフサイドレールに伝達することができる。
上記構成によれば、第一荷重伝達部材が繋がるリアゲート開口縁部の閉断面内に節部材を設けたことにより、後面衝突時におけるリアゲート開口縁部の変形を抑制することができる。
このため、リアゲート開口縁部からの衝突荷重を、効率的に第一荷重伝達部材に伝達することができる。
よって、確実に、第一荷重伝達部材に衝突荷重を伝達でき、衝突エネルギーの車体上部への分散を確実に行なうことができる。
上記構成によれば、リアピラーを、上部が車両前方側に傾斜するように折曲形成して、その屈曲部の上部に第二荷重伝達部材を結合することで、第二荷重伝達部材からの衝突荷重が、折曲部を介することなくリアピラーの直線部を利用してルーフサイドレールに直接伝達されることになる。
このため、折曲部を経由することによる、衝突荷重の伝達効率の悪化を抑制して、ルーフサイドレールに確実に衝突荷重を伝達することができる。
また、リアピラーが折曲げ形成されていることで、第二荷重伝達部材からの車両前方側への引っ張り荷重に対して、リアピラーが変形しにくいため、より確実にリアピラーを利用して衝突荷重をルーフサイドレールに伝達することができる。
よって、車体上部への衝突エネルギーの分散を、リアピラーを利用してより確実に行なうことができる。
よって、車体後部の側面にウィンドウ開口部を形成して、そのウィンドウ開口部の前方にサイドピラーを設けて、後方にリアピラーを設けた自動車の側部車体構造において、後面衝突のエネルギーを適切に車体上部に分散して、衝突安全性能を高めることができる。
図1は自動車の側部車体構造を示した全体斜視図、図2は側部車体構造の全体側面図、図3は図2のA−A線矢視断面図、図4は図2のB−B線矢視断面図、図5は図2のC−C線矢視断面図、図6は図2のD−D線矢視断面図、図7は図2のE−E線矢視断面図である。
図6に示すように、荷重伝達ガセット80の前端結合部83は、中央の平面部83aを連結ガセット70の平面部71の下面に対して接合している。このように、荷重伝達ガセット80の前端結合部83を連結ガセット70の平面部71に接合することで、荷重伝達ガセット80の前端結合部83をサスタワー部7の上部に直接接合しなくてもよいため、サスタワー部7の上部の構造を複雑にすることなく、また、連結ガセット70と荷重伝達ガセット80の組付け作業性も困難になることはない。
すなわち、仮にサスタワー部7に接合すると、衝突荷重がサスタワー部7側に全て伝達されて、そのままピラーインナレイン24を介してCピラー部11にだけ伝達される可能性が高まるが、連結ガセット70に直接接合しているため、衝突荷重を確実に連結ガセット70に伝達してDピラー部12に伝達することができるのである。
この実施形態の自動車の側部車体構造は、サスタワー部7のサスタワーレイン31とルーフサイドレール部13とを、ピラーインナレイン24とCピラー部11とで連結して、サスタワー部7の上部のサスタワーレイン31とゲート開口縁部10の下部10bとを略前後方向に延びる荷重伝達ガセット80で連絡して、サスタワーレイン31とDピラー部12を略前後方向に延びる連結ガセット70を連結している。
このため、車体後部の側面にウィンドウ開口部WOを形成していても、衝突荷重を確実にルーフサイドレール部13に伝達することができる。
よって、車体後部の側面にウィンドウ開口部WOを形成した自動車の側部車体構造において、後面衝突のエネルギーを、車体下部だけでなく、車体上部にも適切に分散して、衝突安全性能を高めることができる。
特に、本実施形態では、車体剛性の高いサスタワー部7及びサスタワーレイン31を利用して、衝突エネルギーを分散しているため、より高い衝突荷重に対しても、適切にエネルギー分散を行なうことができる。
これにより、車両後方からの衝突荷重が、荷重伝達ガセット80からサスタワー部7の上部に伝達された際に、生じる上向き分力についても、後上がりに傾斜配置した荷重伝達ガセット80によって、Dピラー部12に適切に伝達することができる。
このため、衝突荷重の水平分力だけでなく、上向き分力についても、確実にDピラー部12に伝達することができる。
よって、より確実に、後面衝突の衝突荷重を、Dピラー部12を利用して、ルーフサイドレール部13に伝達することができる。
これにより、後面衝突時において、必ず最初に荷重伝達ガセット80に、衝突荷重が作用することになる。
このため、車高の高いトラック等が後方から衝突してきた場合であっても、常に、荷重伝達ガセット80から衝突荷重が作用することになるため、衝突荷重の伝達経路を、常に一定にすることができる。
よって、衝突してくる車両の種類に関係なく、常時安定して車体の衝突安全性能を高めることができる。
これにより、荷重伝達ガセット80の前端結合部83を、敢えて連結ガセット70の結合部分の近傍に結合したことで、荷重伝達ガセット80からの衝突荷重を、連結ガセット70に対して直接伝達することができる。
よって、連結ガセット70によるDピラー部12への衝突荷重の伝達を、より効率的に行なうことができ、衝突エネルギーの分散を確実に行なうことができる。
これにより、サスタワー部7からCピラー部11を介してルーフサイドレール部13に伝達される衝突荷重を、より効率的にルーフサイドレール部13に伝達することができる。
このため、ウィンドウ開口部WOを設けたことで、剛性が十分でないCピラー部11であっても、確実に衝突荷重をルーフサイドレール部13に伝達することができる。
よって、Dピラー部12とCピラー部11を利用して、さらに確実に、衝突荷重をルーフサイドレール部13に伝達することができる。
これにより、後面衝突時におけるゲート開口縁部10の変形を抑制することができる。
このため、ゲート開口縁部10からの衝突荷重を、効率的に荷重伝達ガセット80に伝達することができる。
よって、確実に、荷重伝達ガセット80に衝突荷重を伝達でき、衝突エネルギーの車体上部への分散を確実に行なうことができる。
これにより、連結ガセット70からの衝突荷重が、折曲部12aを介することなくDピラー部12の直線部12cを利用してルーフサイドレール部13に直接伝達されることになる。
このため、折曲部12aを経由することによる、衝突荷重の伝達効率の悪化を抑制して、ルーフサイドレール部13に確実に衝突荷重を伝達することができる。
また、Dピラー部12が折曲げ形成されていることで、連結ガセット70からの車両前方側への引っ張り荷重に対して、Dピラー部12が変形しにくいため、より確実にDピラー部12を利用して衝突荷重をルーフサイドレール部13に伝達することができる。
よって、車体上部への衝突エネルギーの分散を、Dピラー部12を利用してより確実に行なうことができる。
この実施形態は、ゲート開口縁部10の下部10bからサスタワーレイン31に衝突荷重を伝達する部材をパイプ状の荷重伝達ビーム180で構成したものである。
よって、衝突エネルギーをより確実に車体上部に分散することができる。
この発明のサイドピラーは、実施形態のCピラー部11に対応し、
以下、同様に
リアピラーは、Dピラー部12に対応し、
連結部材は、ピラーインナレイン24に対応し、
第一荷重伝達部材は、連結ガセット70に対応し、
第二荷重伝達部材は、荷重伝達ガセット80、荷重伝達ビーム180に対応し、
連結補強部材は、ピラーアウタレイン23に対応するも、
この発明は、前述の実施形態に限定されるものではなく、あらゆる自動車の側部車体構造の実施形態を含むものである。
11…Cピラー部
12…Dピラー部
13…ルーフサイドレール部
23…ピラーアウタレインフォースメント
24…ピラーインナレインフォースメント
40…節部材
70…連結ガセット
80…荷重伝達ガセット
180…荷重伝達ビーム
Claims (6)
- サイドドア開口部の後端縁を形成するサイドピラーと、該サイドピラーの後方にウィンドウ開口部を挟んで配設されリアゲート開口部の側縁部を形成するリアピラーと、前記サイドピラーとリアピラーとの間で前記ウィンドウ開口部の下方に配設されたサスペンションタワーとを備えた自動車の側部車体構造であって、
前記サスペンションタワーと車体上部で前後方向に延びるルーフサイドレールとを、前記サイドピラーを介して連絡する連結部材と、
前記サスペンションタワーの上部と前記リアゲート開口部の下方縁部とを略前後方向に延びて連絡する第一荷重伝達部材と、
前記サスペンションタワーの上部と前記リアピラーとを略前後方向に延びて連絡する第二荷重伝達部材を備え、
該第二荷重伝達部材の前端を、前記サスペンションタワーの上部に結合し、
前記第一荷重伝達部材の前端を、該第二荷重伝達部材のサスペンションタワーの上部への結合部近傍に結合した
自動車の側部車体構造。 - 前記第一荷重伝達部材を側面視で前上がりに傾斜配置して、
前記第二荷重伝達部材を側面視で後上がりに傾斜配置した
請求項1記載の自動車の側部車体構造。 - 前記第一荷重伝達部材の後端位置を、前記第二荷重伝達部材の後端位置より車両後方側に設定した
請求項1又は2記載の自動車の側部車体構造。 - 前記サイドピラー内に設置され、上端部が前記ルーフサイドレールに繋がり、下端部が前記サスペンションタワーに繋がって、前記ルーフサイドレールと前記サスペンションタワーとを直接連結すると共に、該サイドピラーを補強する連結補強部材を備えた
請求項1〜3いずれか記載の自動車の側部車体構造。 - 前記リアゲート開口部の下方縁部を閉断面形状に形成すると共に、
該リアゲート開口部の下方縁部の閉断面内に節部材を設け、
該節部材を設けた位置に対応して前記第一荷重伝達部材の後端を結合した
請求項1〜4いずれか記載の自動車の側部車体構造。 - 前記リアピラーを、側面視で上部が車両前方側に傾斜するように上下中間位置に折曲部を備えるように形成して、
該折曲部の上部に、前記第二荷重伝達部材の後端を結合した
請求項1〜5いずれか記載の自動車の側部車体構造。
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