JP5023016B2 - 光ファイバ製造装置および線引き炉のシール方法 - Google Patents
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Description
しかしながら、プリフォームの外径がある程度以上変動していると、プリフォームの位置によっては、線引き炉の上端において、プリフォームとガスシールリングとの間の空隙が光ファイバの線引き中にプリフォームの外径に応じて大きく変化する。この空隙の大きさが変動すると、線引き炉の内部に供給される不活性ガスの流れが変化して、光ファイバの外径制御が困難になる。さらに、この空隙が所定値以上になると外気が線引き炉内に侵入して、高温状態にある炉芯管等のカーボン製の部材が酸化により浸食される。その結果、線引き炉内の部材の寿命が短くなるばかりでなく、浸食部分から発塵してこれがガラスプリフォームの溶融部分に付着することで、光ファイバの局所的な外径変動や脆化が起こり、光ファイバの光学特性や強度が低下する。
把持部4には、光ファイバプリフォーム1を搬送する時に搬送ジグと係合する搬送用突起部7が形成されている。
しかしながら、プリフォーム挿通口とテーパ部2との間に形成される空隙は大きすぎるので、この空隙をプリフォーム挿通口に設置したガスシール用リングだけで十分にシールすることは困難である。この空隙を十分にシールできないと、コア6の光ファイバ化の途中で、線引き炉内に大気が侵入することにより、光ファイバの光学特性や強度が低下する。
しかしながら、この方法は、対応できる外径変動幅が小さく、外径変動幅の大きなテーパ部を有するプリフォームに対応できない。
本発明の他の目的は、線引きされる光ファイバ用プリフォームの基端部側のテーパ部分と線引き炉のプリフォーム挿通口との間の空隙を効果的にシールすることができる線引き炉のシール方法を提供することにある。
図2は、本発明の一実施形態に係る光ファイバ製造装置の概略縦断面図である。
この製造装置は、線引き炉20、第1のシールユニット50、第2のシールユニット70、送り機構80、樹脂コーティング装置200、巻き取り装置300を有する。
筐体21の上端部には、図3Bに示すように、第1のシールユニット50との間に不活性ガスを供給するための複数のガス噴出口27が全周にわたり設けられている。
ガス噴出口27から不活性ガスGを噴出させることにより、第1のシールユニット50は、線引き炉20の上端面に対して僅かに浮上する。これにより、第1のシールユニット50の横方向へ移動する際の摺動抵抗が低減され、第1のシールユニット50は光ファイバ用プリフォーム1の横方向の変位に滑らかに追随する。
これら環状シール体60の間に、不活性ガスGを満たすためのスペース52sを形成するための環状のスペーサ部材52等を有する。
スペーサ部材52は、スペース52sに不活性ガスGを導入するためのガス導入口53を備えている。
スペーサ部材52は、筐体21の上端に配置され、光ファイバ用プリフォーム1の横方向の変位に追随して横方向に移動可能になっている。
環状シール体60は、ガラスプリフォーム1を挿入するための挿入孔61aを中心部に備えた複数の環状円盤61を積層して構成されている。
この環状円盤61は、挿入孔61aの内縁から外周側に向けて形成された複数の切れ込み61bを備えている。また、環状円盤61は、これら複数の切れ込み61bにより画定されて可撓性が付与された複数の可撓性部分61cを備える。
環状円盤61の形成材料として黒鉛シートを用いる場合には、高配向性熱分解黒鉛シートあるいは膨張黒鉛シートを用いるのが好ましい。また、環状円盤61を形成する耐熱金属としては、例えば、タンタルが好ましい。さらに、ヒーターからの輻射熱量が比較的小さい場合は、より耐熱性の低い材料を用いることもできる。
ここで、環状シール体60を構成する環状円盤61の枚数を増やすほどそのシール性は向上する。
また、モータ88を上記所定の方向に対して逆転させると、可動部材82は上方に向けて移動する。
光ファイバ用プリフォーム1は、図2に示すように、線引き炉20内で加熱溶融され、その下方の先端部から光ファイバ8が線引きされて、引取り口26から引き出される。線引きされた光ファイバ8は、樹脂コーティング装置200によって樹脂被覆され、その後、巻き取り装置300によってボビンに巻き取られる。
図2に示すように、光ファイバ用プリフォーム1の直胴部1aが、第1のシールユニット50を通過している際には、第2のシールユニット70は、第1のシールユニット50の上方に離隔して配置されている。この状態においては、線引き炉20の挿通口25は、第1のシールユニット50のみによりシールされている。これにより、線引き炉20内への大気の侵入が阻止されている。
また、第1のシールユニット50を、プリフォームの外径に対応した内径を有するガスシール用のリングで構成することも可能である。
1a…直胴部
2,3…テーパ部
4,5…把持部
6…コア
7…搬送用突起部
8…光ファイバ
20…線引き炉
21…筐体
22…炉心管
23…コイル
24…断熱材
25…挿通口
26…取出口
50…第1のシールユニット
52…スペーサ部材
52s…スペース
53…ガス導入口
60…環状シール体
61…環状円盤
61a…挿入孔
61b…切れ込み
61c…可撓性部分
70…第2のシールユニット
71…筒状部材
72…ガイド穴
73…ガス導入口
80…送り機構
81…位置調整機構
82…可動部材
83…シャフト
84…接続機構
85,86…支持部材
87…ねじ軸
88…モータ
200…樹脂コーティング装置
300…巻き取り装置
G…不活性ガス
Claims (9)
- 光ファイバ用プリフォームを受け入れる挿通口を備えた線引き炉と、
前記光ファイバ用プリフォームの一方の端部を支持しながら前記線引き炉に送る送り機構と、
前記光ファイバ用プリフォームと前記挿通口との間の空隙をシールする第1のシールユニットと、
前記光ファイバ用プリフォームの前記一方の端部側のテーパ部分が前記挿通口を通過する際に当該光ファイバ用プリフォームと前記第1のシールユニットとの間をシールする第2のシールユニットと
を備え、
前記第2のシールユニットは、前記送り機構によって前記光ファイバ用プリフォームが前記線引き炉へ向けて送られていくのに伴って前記第1のシールユニット上に搬送されて、前記第1のシールユニットと前記光ファイバ用プリフォームとの間の隙間をシールし、
前記第2のシールユニットは、前記送り機構の可動部に支持されて前記プリフォームと共に前記線引き炉に向けて搬送され、前記第1のシールユニットに当接した後は前記可動部による保持が解放されるように構成されていることを特徴とする光ファイバ製造装置。 - 前記第2のシールユニットは、前記光ファイバ用プリフォームの移動方向において前記送り機構の可動部に移動自在に保持されていることを特徴とする請求項1に記載の光ファイバ製造装置。
- 前記第2のシールユニットは、前記光ファイバ用プリフォームの前記送り機構の可動部に支持された前記一方の端部からこの端部に続くテーパ部までを少なくとも包み込むことが可能な筒状部材を有することを特徴とする請求項1に記載の光ファイバ製造装置。
- 前記第2のシールユニットは、前記第1のシールユニットとの協働により形成される閉空間に不活性ガスを供給するためのガス導入口を備えることを特徴とする請求項3に記載の光ファイバ製造装置。
- 前記第2のシールユニットは、遅くとも前記光ファイバプリフォームの前記テーパ部が前記第1のシールユニットに到達するまでに、前記第1のシールユニット上に到達し、前記第1のシールユニットと前記光ファイバ用プリフォームとの間をシールするように構成されていることを特徴とする請求項4に記載の光ファイバ製造装置。
- 前記第1のシールユニットは、前記光ファイバ用プリフォームと前記挿入口との間の空隙をシールする環状シール体を備え、
前記環状シール体は、互いに積層された複数の環状円盤を有し、
前記複数の環状円盤は、その中心部に形成された前記光ファイバ用プリフォームを挿入するための挿入孔と、前記挿入孔の内縁から外周側に向けて形成された複数の切れ込みと、前記複数の切れ込みにより画定され、かつ、前記挿入孔に挿入される前記光ファイバ用プリフォームとの干渉によりたわむ複数の可撓性部分とを有することを特徴とする請求項1に記載の光ファイバ製造装置。 - 複数の前記環状シール体を同心状に配置し、
前記複数の環状シール体の間に、不活性ガスを満たすためのスペースを形成するためのスペーサを設けたことを特徴とする請求項6に記載の光ファイバ製造装置。 - 前記第1のシールユニットは前記光ファイバ用プリフォームの横方向の変位に追随して横方向に移動可能に前記線引き炉上に設置され、
前記線引き炉には、前記第1のシールユニットと前記線引き炉との間に不活性ガスを供給するためのガス供給部を設けたことを特徴とする請求項1に記載の光ファイバ製造装置。 - 光ファイバ用プリフォームを受け入れる挿通口を備えた線引き炉のシール方法であって、
前記光ファイバ用プリフォームの一方の端部を支持しつつ前記線引き炉に送りながら、前記挿通口とこの挿通口に挿入された前記光ファイバプリフォームとの間を第1のシールユニットでシールし、
前記光ファイバプリフォームの一方の端部側に形成されたテーパ部が前記第1のシールユニットに到達するまでに第2のシールユニットを送り機構によって前記光ファイバ用プリフォームが前記線引き炉へ向けて送られていくのに伴って前記第1のシールユニット上に搬送して前記第1のシールユニット上に配置し、前記第1のシールユニットと前記光ファイバプリフォームとの間をシールし、
前記送り機構の可動部に支持されて前記プリフォームと共に前記線引き炉に向けて搬送した前記第2のシールユニットは、前記第1のシールユニットに当接した後は前記可動部による保持を解放させる、ことを特徴とする線引き炉のシール方法。
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