JP5527982B2 - 光ファイバの製造装置、光ファイバの製造方法 - Google Patents
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Description
しかし、一体化しながら光ファイバまで一度に線引きする後者の場合、炉心管内部のガス流の安定性が重要であるため、大流量でのガスシールはファイバ径変動の原因となる。そのため大流量のガスシールを用いることなく、炉心管と光ファイバ母材をシールできることが必要である。
特許文献1に示される光ファイバ線引炉は、光ファイバ母材の外径変動に追従することができる伸縮可能なカーボンフェルトを耐熱封止部材として用いるとともに、ガスシールを行うことで、耐熱封止部材の熱劣化および酸化を防ぐための大型のチャンバを用いることなく、ガスシールを可能としたものである。
特許文献1に開示される光ファイバ線引炉においては、光ファイバ母材の外径変動に追従することができる耐熱封止部材として、カーボンフェルトを使用している。光ファイバ用石英ガラス管とダミー石英管との接合部には、火炎溶接した際の影響で、光ファイバ母材の長手方向に外径縮小部が存在しているにもかかわらず、カーボンフェルトは熱の影響で硬化するため、一度広がった内径を小さくすることは難しい。従って外径縮小部においては、シール性が悪化しやすくなるという問題があった。
第1の発明は、光ファイバ母材の外側をなす光ファイバ用石英ガラス管および該光ファイバ用石英ガラス管の端部に接合されたダミー石英管が挿入される炉心管を内部に有する紡糸炉と、該紡糸炉の上面に配置され、リング状のシール部材によって該シール部材の中央に形成された開口部に挿通した該光ファイバ母材および該ダミー石英管をシールするシール機構と、を具備し、前記紡糸炉内で加熱された光ファイバ母材を線引きすることで光ファイバを製造する光ファイバの製造装置において、前記シール機構は、前記光ファイバ母材の挿入方向に沿って、少なくとも3段のシール部材を具備し、前記光ファイバ用石英ガラス管と前記ダミー石英管との接合部近傍に存在する外形縮小部の管長手方向の距離をA、管長手方向に最も離れた前記シール部材間の距離をBとした場合、B≧Aなる関係式を満たすように設定されてなり、前記3段のシール部材のいずれかが、前記外形縮小部以外の箇所において、光ファイバ母材の外周に接してシールしていることを特徴とする光ファイバの製造装置を提供する。
第2の発明は、前記シール部材周りの各段部分にパージガスを流入させるためのパージガス導入管を設けたことを特徴とする第1の発明の光ファイバの製造装置。
第3の発明は、前記シール部材は、該シール部材の内周から切り込むように形成されたスリットである内周側スリットと、該シール部材の外周から切り込むように形成されたスリットである外周側スリットとをそれぞれ複数有してなるスリット付きシールリングを具備して構成されていることを特徴とする第1または第2のいずれかの発明の光ファイバの製造装置を提供する。
第4の発明は、前記スリット付きシールリングのスリットは、前記光ファイバ母材が挿通される前記開口部の半径方向に沿うように形成されているとともに、内周側スリットと外周側スリットとが、該シール部材の周方向に沿って互い違いに配置されていることを特徴とする第3の発明の光ファイバの製造装置を提供する。
第5の発明は、前記シール部材は、前記スリット付きシールリングと中心位置を同じくし、スリットを有していないシールリングであるスリット無しシールリングを複数具備し、該複数のスリット無しシールリングが該スリット付きシールリングを挟んで配置されてなることを特徴とする第3または第4のいずれかの発明の光ファイバの製造装置を提供する。
第7の発明は、前記シール部材周りの各段部分にパージガスを流入させることを特徴とする第6の発明の光ファイバの製造方法を提供する。
第8の発明は、前記シール部材として、該シール部材の内周から切り込むように形成されたスリットである内周側スリットと、該シール部材の外周から切り込むように形成されたスリットである外周側スリットとをそれぞれ複数有してなるスリット付きシールリングを用い、該スリット付きシールリングの開口部に前記光ファイバ母材が挿通された状態で前記光ファイバ母材を線引きすることを特徴とする第6または第7のいずれかの発明の光ファイバの製造方法を提供する。
第9の発明は、前記スリット付きシールリングのスリットとして、前記光ファイバ母材が挿通される前記開口部の半径方向に沿うように形成されているとともに、内周側スリットと外周側スリットとが、該シール部材の周方向に沿って互い違いに配置されているものを用いることを特徴とする第8の発明の光ファイバの製造方法を提供する。
第10の発明は、前記シール部材として、前記スリット付きシールリングと中心位置を同じくし、スリットを有していないシールリングであるスリット無しシールリングを複数具備し、該複数のスリット無しシールリングが該スリット付きシールリングを挟んで配置されてなるものを用い、全てのシールリングの開口部に前記光ファイバ母材が挿通された状態で前記光ファイバ母材を線引きすることを特徴とする第8または第9のいずれかの発明の光ファイバの製造方法を提供する。
また、シール部材として、内周側スリット及び外周側スリットがそれぞれ複数設けられて変形自由度が高められたスリット付きシール部材を使用する構成であり、シール部材の破損が生じにくく、かつ該シール部材による光ファイバ母材のシール性を維持することができる。
また、光ファイバ用石英ガラス管とダミー石英管とで別々のシール部材を用いているわけではなく、3段のシール部材でシールするので、特許文献2に記載の発明のように、ダミー石英管をシールするための部材を必要としない。よって、光ファイバ母材を傷つけるという問題が発生することなく、均一な径の光ファイバを製造することが可能となる。
図1は、本発明に係る光ファイバ製造装置100である。この光ファイバ製造装置100は、ヒータ1が内蔵されてその内部に、光ファイバ母材Fが挿入される炉心管2が上下に沿う軸方向(矢印a−b方向)に配置された紡糸炉3と、この紡糸炉3の前記炉心管2が位置する上部位置にて中心軸(符号Oで示す)を同じくするように開口部が配置されたリング状のシール機構20と、を有するものである。
ダミー石英管10は、光ファイバ用石英ガラス管4の上端部に火炎溶接された管体であって、その内部には、光ファイバ用コアロッド5を先端部で固定するための押さえ石英管11が挿入されている。
真空引き用キャップ12は、ダミー石英管10の上端面に設置されるものであって、光ファイバ用コアロッド5をダミー石英管10の内部に挿入した後、石英管11を介して該光ファイバ用コアロッド5を固定及び保持する。
ダミー部材13は円錐形状であって、光ファイバ用石英ガラス管4の下端部に火炎溶接されることで固定されるものであって、ファイバ線引時に口出し部となる。
図2に示すように、前記シール機構20は紡糸炉3の上部に配置されている。このシール機構20は、炉心管2内に酸素を含む外気が流入することを防止するためのものであり、円筒状のシール機構ケース27、該シール機構ケース内に収納されたシール部材21〜23、および各段にパージガスを導入するためのパージガス導入管28などから構成されている。
本発明においては、シール部材21〜23を光ファイバ母材の挿入方向に対して3段備えた構成とすることで更なるシール性の向上を実現している。
各シール部材21〜23は、それぞれ3枚のカーボンシートを備えて構成されている。3枚のカーボンシートは、図6(b)に示すようにスリット41、42が形成された1枚のスリット付きカーボンシート40に対して、図6(a)に示すような、スリット無しカーボンシートを1枚ずつスリット付きカーボンシート40の上下に重ねた構成である。この構成によって、よりシール性が維持され、スリットを通じて炉心管2内にガスが流入することを防ぐことが可能となる。
シール部材21〜23内に流入させるパージガスとしてはヘリウム、アルゴンが望ましいが、ヘリウムは高価であるためアルゴンガスを用いる方がコストダウンにつながり好ましい。ただし最下段のシール部材21内のガスは、光ファイバ母材Fの送り込みに伴い、紡糸炉3の内部に拡散する場合がある。そのため紡糸炉3の内部でヘリウムを用いる条件の場合は、最下段のシール部材21内のパージガスとしてヘリウムを用いると、ファイバ径変動の安定化が容易になり、より好ましい。
スリット付きカーボンシート40の内周縁40Aは、スリット無しカーボンシート31、32の内周縁31A、32Aより更に内方側へ突出するように配置されている。
3枚のカーボンシート31、32、40は紡糸炉3に対して固定されておらず、カーボンシート押さえ34も紡糸炉3に対して固定されていない。各シール部材21〜23は、カーボンシート押さえ34の質量(重量)によって、3枚のカーボンシート31、32、40を紡糸炉3に押さえ込んだ構成になっている。
また、中間に位置するスリット付きカーボンシート40の開口部40Mの内径は、光ファイバ母材Fの最小径よりも小さく設定されている。このため、スリット付きカーボンシート40は、光ファイバ母材Fに対して密着するためシール性が高い。
上述したように、大型の光ファイバ用石英ガラス管を用いたロッドインチューブ法では、光ファイバ用石英ガラス管4の端部にダミー石英管10が溶接されており、この溶接では、旋盤のチャックに固定した光ファイバ用石英ガラス管4とダミー石英管10を水平方向に押し付けることで溶接している。よって、図7(b)に示すように、両者の接合部にはわずかに外径変動Rが発生する。また、光ファイバ用石英ガラス管4とダミー石英管10との溶接には酸水素火炎によるバーナ60が用いられる。火炎は一定の広がりをもつため、溶接部の近傍も火炎研磨によりわずかに研削される研磨範囲Wが存在する。このような溶接や火炎研磨の影響によって、光ファイバ用石英ガラス管4とダミー石英管10との接合部には、平均母材径より細くなる外径縮小部Dが一定範囲存在する。
本発明は、最も離れたシール部材間の距離(最上段のシール部材23と最下段のシール部材21との距離)が、外形縮小部Dの範囲よりも長くなるように構成した。つまり、光ファイバ用石英ガラス管4とダミー石英管10との接合部近傍に存在する外形縮小部Dの長手方向の距離をA、シール部材21とシール部材23との距離をBとした場合、B≧Aなる関係式を満たすように設定した。
φ150mmの光ファイバ母材径においては、平均母材径と外形縮小部Dの最小径との差は、直径で1.0mmを最大とする。つまり、外形縮小部Dにおいては、シール部材21〜23の内径が平均母材径と等しい場合においては、光ファイバ母材Fとシール部材10とのクリアランスは、最大0.5mmとなる。
なお、外径縮小部Dにおける、光ファイバ母材Fとシール部材21〜23との許容クリアランスは、使用する光ファイバ母材Fの直径に応じて当然異なるものとなる。一例としてはφ200mmの光ファイバ母材径の場合においては、光ファイバ母材Fとシール部材21〜23とのクリアランスは0.4mm程度とする必要がある(シール部材21〜23の内径をφ200.8mm程度とする必要がある)。
以下に示す実施例1〜4は、本願発明に係わるものであって、シール部材21〜23の中間シール部材として、内周縁40Aおよび外周縁40Bの両方にスリット41、42を有するスリット付きカーボンシート40を使用している。一方、比較例1〜3は、本発明と比較するためのものであって、外径縮小部Dが最も離れたシール部材間の距離より大きい場合(比較例1)、シール部材を1段または2段とした場合(比較例2、3)とし、実施例1〜4と比較した。
外径φ155mm、内径φ45mm、長さ1500mmの光ファイバ用石英ガラス管4の端部に外径φ155mm、内径φ80mm、長さ800mmのダミー石英管10をバーナ60により火炎溶接した。溶接時のバーナ火炎による溶接境界の近傍における外径縮小部Aは50mmであった。その後VAD法で作製した光ファイバ用コアロッド5(φ42mm×1500mm、火炎加工で曲がり取り済み)を光ファイバ用石英ガラス管4内に挿入した。引き続き光ファイバ用コアロッド5を固定するための押さえ石英管11をダミー石英管10の内部に挿入後、ダミー石英管10の端部に真空引き用キャップ12を設置した。その後、光ファイバ用石英ガラス管4を、紡糸炉タワーに設置した(図1を参照)。
紡糸炉3の開口部に設置したシール機構20内部に設けられているシール部材は3段構成とし、1段目のシール部材21と3段目のシール部材23との距離Bは60mmとした。各シール部材はカーボンシート(肉厚0.6mm)を3枚それぞれ使用して構成されている。用いたカーボンシートは図6(b)の形状を持つスリット付きカーボンシート40(内径φ154.5mm、スリット数:計72箇所)1枚に対して、図6(a)の形状を持つスリット無しカーボンシート31、32(内径φ156mm)を1枚ずつ上下に重ねて構成されている。1段目(最下段)のシール部材21内にはパージガスとしてヘリウムを3リットル/分、2、3段目のシール部材22、23内にはアルゴンを各3リットル/分流した。
その後、紡糸炉3のヒータ1を昇温して、線速1000m/分で紡糸を実施した。紡糸中は光ファイバ用石英ガラス管4内の空隙部を図示しない真空ボンプで減圧し、ブルドン管圧力計の表示で−0.1MPa(ゲージ圧)とした。1段目(最下段)のシール部材21直下で紡糸中の酸素濃度を測定したところ、図3(a)の状態で80〜90ppm、図3(b)の状態で70〜90ppm、図3(c)の状態で90〜100ppmとなり、シール性が充分であることを確認した。紡糸中は断線もなく、紡糸中のオンラインでのファイバ径変動は125±0.1μmと安定しており良好であった。線引き終了後、カーボン部品の外観を確認したところ劣化はほとんどみられず良好な状態であった。
表1に示した実施例2の条件で、光ファイバを製造した。外径縮小部Dの長手方向の距離Aが40mmであること以外は、実施例1と同様に行い、これを実施例2とした。
シール性、ファイバ径変動ともに良好な結果が得られた。
表1に示した実施例3の条件で、光ファイバを製造した。外径縮小部Dの長手方向の距離Aが60mmであり、最も離れたシール部材間の距離Bの60mmと同じであること以外は、実施例1と同様に行い、これを実施例3とした。
やはり、シール性、ファイバ径変動ともに良好な結果が得られた。
表1に示した実施例4の条件で、光ファイバを製造した。最も離れたシール部材間の距離Bを90mmとし、シール部材を4段としたこと以外は、実施例1と同様に行い、これを実施例4とした。
シール性、ファイバ径変動ともに良好な結果が得られた。
表1に示した比較例1の条件で、光ファイバを製造した。最も離れたシール部材間の距離Bが60mmであるのに対して、外径縮小部Dの長手方向の距離Aは70mmであった。
この場合、シール部材を3段構成としても、A>Bの関係であるため、紡糸炉3内の酸素濃度の減少度合いは少なかった。これは外径縮小部Dの範囲が広いため、図3(c)の状態になった際に、3段目(最上段)でのシールが不充分となり、大気中の酸素が炉内に混入した影響と考えられる。また紡糸時の断線は発生しないものの、カーボン部品の劣化は大きいことがわかった。また、ファイバ径のバラつきは満足できるレベルではないことが判明した。
表1に示した比較例2の条件で、光ファイバを製造した。シール部材26の段数は図4に示すように、1段とした。
シール部材26の段数が1段である場合、紡糸炉3内の酸素濃度が高くなってしまい、ファイバ径のバラつきが大きくなるという問題がある。これは図4(b)で示すように、外径縮小部Dがシール部材26を通過する間はシール性が維持できず、大気中の酸素が紡糸炉3内に混入しやすい状況であるためであると考えられる。シール性が不充分であることにより、紡糸炉3内のガス流が乱された結果、紡糸中に断線が発生することとなった。また酸素濃度も高くなった影響で、カーボン部品の劣化も大きくなり、現実的な条件ではないことが判明した。
また、シール部材が1段のみである場合、接合部近傍にある外径縮小部Dをシールするためには、シール部材内に設置するカーボンシートを多数積層する必要がある。しかしこれはコストアップの要因となる以外に、カーボンシート同士が密着しすぎると光ファイバ母材の送り込みに伴う、カーボンシート内周側の上下動が妨げられるため、破損に繋がりやすいため好ましくない。
表1に示した比較例3の条件で、光ファイバを製造した。シール部材24、25の段数は、図5に示すように2段とした。
シール部材24、25の段数が2段である場合、1段の場合と比較して炉内の酸素濃度が減少することがわかった。しかし、外径縮小部Dをシールするためにシール部材間の距離Bを広くした影響で1段目のシール部材24と2段目のシール部材25との間の空間が大きくなり、カーボンシ一トの焼損を防止するためのシールガスが不均一に流れやすくなった。そのため、外部からの酸素混入を避けることは難しくなり、カーボン部品の劣化もやや大きい結果となった。また紡糸時の断線は発生しなかったが、ファイバ径のバラつきは満足できるレベルではないことが判明した。
Claims (10)
- 光ファイバ母材の外側をなす光ファイバ用石英ガラス管および該光ファイバ用石英ガラス管の端部に接合されたダミー石英管が挿入される炉心管を内部に有する紡糸炉と、該紡糸炉の上面に配置され、リング状のシール部材によって該シール部材の中央に形成された開口部に挿通した該光ファイバ母材および該ダミー石英管をシールするシール機構と、を具備し、前記紡糸炉内で加熱された光ファイバ母材を線引きすることで光ファイバを製造する光ファイバの製造装置において、
前記シール機構は、前記光ファイバ母材の挿入方向に沿って、少なくとも3段のシール部材を具備し、
前記光ファイバ用石英ガラス管と前記ダミー石英管との接合部近傍に存在する外形縮小部の管長手方向の距離をA、管長手方向に最も離れた前記シール部材間の距離をBとした場合、B≧Aなる関係式を満たすように設定されてなり、
前記3段のシール部材のいずれかが、前記外形縮小部以外の箇所において、光ファイバ母材の外周に接してシールしていることを特徴とする光ファイバの製造装置。 - 前記シール部材周りの各段部分にパージガスを流入させるためのパージガス導入管を設けたことを特徴とする請求項1に記載の光ファイバの製造装置。
- 前記シール部材は、該シール部材の内周から切り込むように形成されたスリットである内周側スリットと、該シール部材の外周から切り込むように形成されたスリットである外周側スリットとをそれぞれ複数有してなるスリット付きシールリングを具備して構成されていることを特徴とする請求項1または2のいずれか1項に記載の光ファイバの製造装置。
- 前記スリット付きシールリングのスリットは、前記光ファイバ母材が挿通される前記開口部の半径方向に沿うように形成されているとともに、内周側スリットと外周側スリットとが、該シール部材の周方向に沿って互い違いに配置されていることを特徴とする請求項3に記載の光ファイバの製造装置。
- 前記シール部材は、前記スリット付きシールリングと中心位置を同じくし、スリットを有していないシールリングであるスリット無しシールリングを複数具備し、該複数のスリット無しシールリングが該スリット付きシールリングを挟んで配置されてなることを特徴とする請求項3または4のいずれか1項に記載の光ファイバの製造装置。
- 紡糸炉の内部に設けられた炉心管に、光ファイバ母材の外側をなす光ファイバ用石英ガラス管および該光ファイバ用石英ガラス管の端部に接合されたダミー石英管を挿入し、前記紡糸炉の上面に配置されたリング状のシール部材によって該シール部材の中央に形成された開口部に挿通した前記光ファイバ母材および前記ダミー石英管をシールした状態で、前記光ファイバ母材を線引きすることで光ファイバを製造する光ファイバの製造方法において、
前記光ファイバ母材の挿入方向に沿って、少なくとも3段のシール部材を設け、
前記光ファイバ用石英ガラス管と前記ダミー石英管との接合部近傍に存在する外形縮小部の管長手方向の距離をA、管長手方向に最も離れた前記シール部材間の距離をBとした場合、B≧Aなる関係式を満たし、
前記3段のシール部材のいずれかを、前記外形縮小部以外の箇所において、光ファイバ母材の外周に接してシールさせることを特徴とする光ファイバの製造方法。 - 前記シール部材周りの各段部分にパージガスを流入させることを特徴とする請求項6に記載の光ファイバの製造方法。
- 前記シール部材として、該シール部材の内周から切り込むように形成されたスリットである内周側スリットと、該シール部材の外周から切り込むように形成されたスリットである外周側スリットとをそれぞれ複数有してなるスリット付きシールリングを用い、該スリット付きシールリングの開口部に前記光ファイバ母材が挿通された状態で前記光ファイバ母材を線引きすることを特徴とする請求項6または7のいずれか1項に記載の光ファイバの製造方法。
- 前記スリット付きシールリングのスリットとして、前記光ファイバ母材が挿通される前記開口部の半径方向に沿うように形成されているとともに、内周側スリットと外周側スリットとが、該シール部材の周方向に沿って互い違いに配置されているものを用いることを特徴とする請求項8に記載の光ファイバの製造方法。
- 前記シール部材として、前記スリット付きシールリングと中心位置を同じくし、スリットを有していないシールリングであるスリット無しシールリングを複数具備し、該複数のスリット無しシールリングが該スリット付きシールリングを挟んで配置されてなるものを用い、全てのシールリングの開口部に前記光ファイバ母材が挿通された状態で前記光ファイバ母材を線引きすることを特徴とする請求項8または9のいずれか1項に記載の光ファイバの製造方法。
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