JP5113415B2 - 石英ガラス管の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、非円率および偏肉率の小さい石英ガラス管の製造方法に関する。
現在、光通信システムにおいては、光通信の更なる高速化・大容量化のため、波長多重(WDM:Wavelength Division Multiplexing)数の増大および使用波長領域の拡大が進められている。そして、波長多重光伝送システムにおいて使用される光ファイバは、特に偏波モード分散といった厳しい光学特性が要求される。
一般的に光ファイバプリフォームは、主としてMCVD法(Modified Chemical Vapor Deposition Method;内付け法)、VAD法(Vapor Phase Axial Deposition Method;気相軸付け法、OVD法(Outside Vapor Phase Deposition Method;外付け法)により製造される。光ファイバは、この光ファイバプリフォームを高速で線引きすることによって得られる。
MCVD法の場合には、まずサブストレイト管と呼ばれる比較的肉厚の小さい石英ガラス管を使用し、光ファイバのコアに相当する部分をMCVD法により内付けしてコアロッドを作製する。光ファイバプリフォームは、コアロッドをクラッド管と呼ばれる石英ガラス管に挿入し、これらを加熱して一体化することによって製造される。尚、コアロッドとクラッド管とを一体化する技術は、VAD法やOVD法で製作されたコアロッドをクラッド管と一体化する場合にも用いられる。
MCVD法では、石英ガラス管(サブストレイト管)の内面に光ファイバのコアになる部分を形成し、その後、コラップスによりサブストレイト管が中実化され、光ファイバのコアに相当する部分が作製される。サブストレイト管の偏肉率、非円率等の寸法特性が悪いと、コア部を楕円化し、光ファイバの光学特性に影響を与え、最終的に得られた光ファイバの偏波モード分散が悪化する。従って、サブストレイト管には、偏肉率、非円率等の高い寸法特性が要求される。
石英ガラス管を製造する方法として、例えば、特許文献1には、石英ガラス素管を1600〜3000℃で加熱延伸もしくは加熱加圧延伸する際の石英ガラス素管の外径(Do)と内径(Di)の比(Do/Di)と延伸後の石英ガラス管の外径(do)と内径(di)の比(do/di)が、(Do/Di)/(do/di)=1.0〜1.5となるように内圧を制御し、ダイスを用いることなく石英ガラス素管を延伸して石英ガラス管を製造する方法が提案されている。
特開平7−109136号公報
特許文献1に記載の方法では、石英ガラス素管の外径(Do)と内径(Di)の比(Do/Di)と延伸後の石英ガラス管の外径(do)と内径(di)の比が(Do/Di)/(do/di)>1.5となる条件で石英ガラス管を製造すると、石英ガラス管の厚さ誤差(肉厚変動、即ち、偏肉)が大きくなり、温度条件によっては石英ガラス管が破裂することもあるとされている。
従って、この方法では、石英ガラス素管のサイズおよび延伸後の石英ガラス管のサイズの選択幅が極めて小さく、非常に限られた範囲内でしか石英ガラス管を製造することができず、実用上の課題を残している。
本発明は、上記の問題を解決するためになされたものであり、石英ガラス素管のサイズおよび延伸後の石英ガラス管のサイズの選択自由度が大きく、偏肉率、非円率といった寸法特性が非常に優れた石英ガラス管の製造方法を提供することを目的としている。
本発明は、上記の課題を解決するためになされたものであり、下記の(a)に示す石英ガラス管の製造方法を要旨とする。
(a)中空石英ガラス素材を下記の工程1により拡管して得た中空石英ガラス中間体を、下記の工程2により延伸して石英ガラス管を得る石英ガラス管の製造方法。
工程1:
中空石英ガラス素材にダイス中心に対して相対的な回転を与えつつ、中空石英ガラス素材の少なくとも一部を加熱した後、中空石英ガラス素材をダイスに挿入して中空石英ガラス中間体を得る工程であって、中空石英ガラス素材の内部を加圧し、中空石英ガラス素材の外面がダイス内面に接触するまで拡管する工程
工程2:
中空石英ガラス中間体にその軸中心周りに回転を与えつつ、中空石英ガラス中間体の少なくとも一部を加熱し、延伸する工程
なお、上記の工程1においては、中空石英ガラス素材の外径(mm)および内径(mm)をそれぞれODおよびIDとし、中空石英ガラス中間体の外径(mm)および内径(mm)をそれぞれODおよびIDとするとき、下記(1)式の関係を満たす条件で拡管する。
1.0<(OD/ID)/(OD/ID≦5.0 ・・・(1)
また、上記の工程2においては、中空石英ガラス中間体の内部を加圧して延伸してもよい。この場合、中空石英ガラス中間体の外径(mm)および内径(mm)をそれぞれODおよびID とし、石英ガラス管の外径(mm)および内径(mm)をそれぞれODおよびIDとするとき、下記の(2)式の関係を満たす条件で延伸するのが望ましい。
1.0<(OD/ID)/(OD/ID)≦1.5・・・(2)
ダイスの中空石英ガラス素材と接触する部分は、かさ密度1.5Mg/m3以下の炭素材で構成されているのが望ましい。
本発明によれば、偏肉率、非円率といった寸法特性が非常に優れた石英ガラス管を製造することができる。特に、本発明の望ましい態様によれば、石英ガラス素管のサイズおよび延伸後の石英ガラス管のサイズの選択自由度が大きい。
図1は、本発明の拡管工程の一例を示す模式図であり、(a)は拡管途中の状態を示す図であり、(b)は拡管終了の状態を示す図である。また、図7は、本発明の延伸工程の一例を示す模式図であり、(a)は延伸開始時の状態を示す図であり、(b)は延伸途中の状態を示す図である。
本発明の石英ガラス管の製造方法は、例えば、中空石英ガラス素材1にダイス4中心に対して相対的な回転を与えつつ、中空石英ガラス素材1の少なくとも一部を加熱炉5により加熱した後、中空石英ガラス素材の内部を加圧しつつ、ダイス4に挿入し、中空石英ガラス中間体2を得る拡管工程(図1(a)および(b)参照。)、および、中空石英ガラス中間体2にその軸中心周りに回転を与えつつ、中空石英ガラス中間体2の少なくとも一部を加熱炉5により加熱し、延伸もしくは加圧しつつ、延伸して石英ガラス管3を得る延伸工程(図7(a)および(b)参照。)で構成される。拡管工程および延伸工程それぞれについて、以下に詳しく説明する。
<拡管工程>
図示は省略するが、中空石英ガラス素材とダミーとの溶着は、例えば、以下のようにして行なわれる。即ち、中空石英ガラス素材1の左端とダミー6とを溶着した後、チャック8でダミー6を保持しつつ、回転を与え、中空石英ガラス素材1の右端を加熱炉5に挿入する。一方、チャック9でダミー7を保持しつつ、回転を与え、ダミー7を加熱炉5の反対側から挿入する。そして、加熱炉5内で中空石英ガラス素材1の右端とダミー7の左端とを加熱しつつ、密着させ、両者を溶着する。
そして、図1(a)に示すように、中空石英ガラス素材1は、ダミー6、7を介して移動可能な一対のチャック8、9に回転可能な状態で保持されることになる。なお、ダミー6は、中空形状を有し、その後端には、例えば、密閉ホルダ10が設置され、その後方には加圧装置(図示しない)が設置される。加圧装置は、窒素、空気等の加圧用ガスを中空石英ガラス素材1内に導入することにより加圧可能な手段を備えている。
中空石英ガラス素材1は、チャック8、9により回転が与えられつつ、加熱炉5に挿入され、その少なくとも一部が所定の温度にまで加熱され軟化される。この状態で、中空石英ガラス素材1は、内部から加圧され、ダイス4によって形成される空間部において、中空石英ガラス素材1の外面がダイス4の内面に接触するまで拡径される。図1(b)に示すように、この状態でチャック8、9を図面右方向に移動させ、中空石英ガラス中間体2を製造する。
このとき、加熱炉内は、不活性ガス雰囲気とするのが望ましい。炉内の酸化防止のためである。加熱炉5に導入する不活性ガスの量は、製造する石英ガラス中間体2の寸法にもよるが、50〜200(L/min)であることが望ましい。不活性ガスの量が50(L/min)未満の場合、接触域を十分に不活性雰囲気にすることが困難となる。このため、ダイス(通常炭素材からなる)が消耗しやすくなり、炭素材と石英ガラスとの反応を抑制できず、SiCの発生が発生しやすくなる。その結果、不純物による汚染、加熱炉5の劣化等が懸念される。不活性ガスの量が200(L/min)を超える場合には、不活性ガスにより加熱炉内の温度が低下し、加熱が不十分となるおそれがある。不活性ガスの種類は、特に限定されないが、アルゴン、ヘリウム、窒素などが好ましい。
ここで、中空石英ガラス素材の外径(mm)および内径(mm)をそれぞれOD0およびID0とし、中空石英ガラス中間体の外径(mm)および内径(mm)をそれぞれOD1およびID1とするとき、下記(1)式の関係を満たす条件で拡管するのが望ましい。
1.0<(OD0/ID0)/(OD1/ID1) ・・・(1)
これは、中空石英ガラス素材1を炉内へ送り込む速度よりも、中空石英ガラス中間体2を引き抜く速度の方を速くしなければ、中空石英ガラス素材1から中空石英ガラス中間体2に変形する領域で座屈する可能性があるからである。
なお、中空石英ガラス素材1の外周はダイスで拘束されているため、寸法精度が極端に低下したり、石英ガラス中間体2が破裂するといった問題は生じにくいが、上記(1)式の上限は、5.0以下とするのが望ましい。
図1(a)および(b)では、中空石英ガラス素材1の左端から加圧する構成の装置が示されているが、加圧は、中空石英ガラス中間体2のダミー7を中空形状とし、ダミー7の右端に密閉ホルダを設置し、加圧装置により、中空石英ガラス中間体2の右端から加圧する構成の装置であってもよい。
中空石英ガラス素材1および中空石英ガラス中間体2の回転速度は、製造する石英ガラス中間体2の寸法によるが、10〜30(rpm)とすることが望ましい。回転速度が10(rpm)未満の場合には、中空石英ガラス素材1の均熱性が損なわれ、石英ガラス管3の目標肉厚が薄い場合には寸法精度が低下しやすくなる。しかし、回転速度が30(rpm)を超える場合には、遠心力の影響が大きくなり、石英ガラス管3の製造が困難になり、寸法精度に悪影響を及ぼす。
入側チャック8の回転速度と出側チャック9の回転速度とは、基本的に速度差を持たせないことが望ましい。また速度差を持たせる場合は1(rpm)以下とする。さもなければ、製造中に石英ガラス管の捻れが生じるからである。
図2は、図1に示す拡管工程に用いることができるダイスの一例を示す模式図であり、(a)はダイス入側から見た平面図であり、(b)は(a)のA−A断面図である。図3は、図1に示す拡管工程に用いることができるダイスの他の例を示す模式図であり、(a)はダイス入側から見た平面図であり、(b)は(a)のB−B断面図である。
図2は、ダイス4−1の断面方向の内面形状が円形のものを示しており、図3は、ダイス4−2の断面方向の内面形状が六角形のものを示している。これらの内面には、中空石英ガラス素材1が中空石英ガラス中間体2に成形される際に、石英ガラスの外面が接触し、中空石英ガラス中間体2の外径が制御される。
図2および3のいずれのダイス4−1、4−2においても、石英ガラスとの反応を防止するために、ダイスの内面から不活性ガスを導入できる機構を有するのが望ましい。また、石英ガラス管の外表面傷を抑えるべく、ダイスの内面形状は、石英ガラスとの摺擦を抑制できるものが望ましい。具体的には、図3に示すような六角形の他、三角形、四角形、八角形のような多角形はもとより、星形のような完全な多角形からずれたような形状でも良い。
図4は、本発明の拡管工程の他の例を示す模式図である。図5は、図4に示す拡管工程に用いることができるダイスの一例を示す模式図であり、(a)はダイス入側から見た平面図であり、(b)は(a)のC−C断面図であり、(c)は(a)のア部拡大図である。図6は、図5に示すダイスに用いることができるガイドの例を示す模式図であり、(a)は長手方向に垂直な断面図であり、(b)は(a)のD−D断面図である。
図4〜6に示すように、中空石英ガラス素材1は、その内部が加圧された状態で、加熱されるので、加熱炉5内で徐々に外径が大きくなり、ダイス4−3内に複数箇所(図5に示す例では2カ所)設置されたかさ密度が1.5Mg/m3以下の炭素材のガイド(以下、単に「ガイド」と呼ぶ。)12で構成される内面空間に拘束され、目的寸法の中空石英ガラス中間体2に成形される。
この例では、ガイド12の表面間の距離によって目的とする中空石英ガラス中間体2の外径寸法が決まる。中空石英ガラス素材1の外周は、ガイドの少なくとも一部で接触させれば良く、長手方向のどの位置で接触が開始するのかは、中空石英ガラス素材1の温度および加圧の条件によって定まる。接触位置の変動を配慮して、長手方向の中央部で接触を開始させるのがよい。
ダイス4−3は、リング状の外枠11と、ガイド12とから構成される。そして、このダイス4−3を用いる場合には、図5(c)に示すように、中空石英ガラス素材1は、ガイド12の内面と接することで、外径が形成される。このため、単に、リング状のダイスを用いる場合と比較して、接触面積が減少し、また、リング状の外枠11と中空石英ガラス中間体2との間に一定の隙間ができることで、中空石英ガラス中間体2の冷却が進みやすく、ダイス4−3の酸化、消耗が低減される。
図6に示すように、ガイド12の内部には、空間13が形成されており、この空間13内に不活性ガスが導入される。そして、ガイド12は、例えば、その一端は閉鎖されており、他端は不活性ガス導入管を設置するためのネジ加工が施されているものである。
なお、図5および6では棒状突起部が2個の場合を示したが、個数には特に制限はない。ただし、不活性ガスの流動の観点からは個数は少ない方がよい。また、外枠11も図5に示すリング状のものでなくてもよいが、あまりに石英ガラスシリンダとの隙間が大きくなるようなものであると、外気が混入し、ヒータの温度を低下させたりする。このため、外枠11としては、図5に示すリング状のものであって、所望の石英ガラス管の外径より1.0〜5.0mm大きい内径を有するものがより望ましい。
ガイド12としては、かさ密度1.5Mg/m3以下の炭素材で構成するのがよい。この理由は下記の通りである。
(1)成形過程にある中空石英ガラス素材1は、加熱炉5内で少なくとも軟化点以上に加熱されており、粘度も4.5×107poise以下と比較的軟らかい状態にある。一方、従来、ダイスは、かさ密度が1.8Mg/m3程度で硬さが60HS(ショア硬さ)程度である。従って、このような高温環境下で、石英ガラスと硬質の炭素材とを接触させると、接触箇所にツールマークが発生する。この観点からは、かさ密度が1.5Mg/m3以下の軟質の炭素材を用いる必要がある。
(2)成形過程にある中空石英ガラス素材は、1700℃以上という高温環境において、炭素材で構成されるガイドと接触する。このため、接触箇所において比較的容易に石英ガラスと炭素材とが反応してSiCが形成され、石英ガラス管表面にツールマークおよび不純物による汚染が発生しやすい。しかし、かさ密度1.5Mg/m3以下の炭素材は、極めて気孔率が高いため、炭素材内部に不活性ガスを導入すれば、そのガスが石英ガラスとの接触域全域に均等に流れ、接触域を不活性雰囲気に維持することができ、SiCの発生を防止することができる。しかも、炭素材の消耗を極限まで抑制することができる。
(3)成形過程にある中空石英ガラス素材1は、ヒータ内で加熱され、その後、ダイス内で、冷却されつつ成形されるが、このときの冷却速度が遅い場合には、微少な変形が発生する可能性がある。しかし、かさ密度1.5Mg/m3以下の炭素材を用いたダイス4−3であれば、前述のように、内部から不活性ガスを導入させることができるので、成形途中だけでなく、成形完了後も継続的に不活性雰囲気ガスを供給することができる。このため、石英ガラスの冷却を促進でき、微少な変形を防止することができる。
なお、外枠11は、通常の炭素材(かさ密度1.8Mg/m3程度またはそれ以上)を用いるのがよい。これは、石英ガラスと接触する棒状突起部は、柔らかくて、気孔が多く不活性ガスを通しやすい材料とする必要があるが、石英ガラスと接触しない外枠は、むしろ機械的強度が高い方がよいためである。
<延伸工程>
図7(a)に示すように、本発明の延伸工程開始前には、例えば、中空石英ガラス中間体2を十分に冷却した後、双方のチャック8、9を上流側(図の左側)へ移動させておき、石英ガラス管3を製造する準備をする。なお、図7の例は、拡管工程と同じ加熱炉5を用いる場合を示しているため、加熱炉5内にダイス4が設置されているが、延伸工程では、石英ガラス管がダイス4に接触することはない。従って、延伸工程は、拡管工程とは別の加熱炉(ダイスの有無を問わない)を用いてもよい。このとき、例えば、一旦、中空石英ガラス中間体2とダミー6、7とを切断し、上記と同様の方法により、中空石英ガラス中間体2と別のダミー6、7とを溶着したものを、チャック8、9により保持してもよい。
図7(b)に示すように、中空石英ガラス中間体2は、チャック8、9により回転が与えられつつ、加熱炉5に挿入され、その少なくとも一部が所定の温度にまで加熱され軟化される。この状態で、チャック8、9を図面右方向に移動させ、中空石英ガラス中間体2は、加圧された状態または加圧されない状態で延伸され、目標寸法の石英ガラス管3に製造される。
このとき、拡管工程の場合と同様に、加熱炉5内は、アルゴン、ヘリウム、窒素などの不活性ガス雰囲気とするのが望ましい。加熱炉に導入する不活性ガスの量も、拡管工程の場合と同様の理由から、50〜200(L/min)とすることが望ましい。
図7(a)および(b)に示す例では、ダミー6は、中空形状を有し、その後端には、例えば、密閉ホルダ10が設置され、その後方には加圧装置(図示しない)が設置され、加圧装置は、窒素、空気等の加圧用ガスを中空石英ガラス素材1内に導入することにより加圧可能な手段を備えている。但し、以下に詳しく説明するように、この加圧手段は必須ではない。
なお、加圧手段を備える場合には、図7(a)および(b)に示すように、中空石英ガラス素材1の左端から加圧する構成に限られず、中空石英ガラス中間体2の右端から加圧する構成であってもよいことは、拡管工程と同様である。
中空石英ガラス中間体2および石英ガラス管3の回転速度は、拡管工程の場合と同様の理由から、10〜30(rpm)とすることが望ましく、また、入側チャック8の回転速度と出側チャック9の回転速度とは、基本的に速度差を持たせないことが望ましい。また速度差を持たせる場合は1(rpm)以下とする。
入側のチャックの走行速度と出側チャック走行速度との比は、中空石英ガラス中間体2の断面積と石英ガラス管3の断面積の比の逆数と一致するように設定すればよい。
ここで、中空石英ガラス中間体の外径(mm)および内径(mm)をそれぞれODおよびID とし、石英ガラス管の外径(mm)および内径(mm)をそれぞれODおよびIDとするとき、(OD/ID)および(OD/ID)が実質的に同一となる条件で延伸する場合には、これは加工前後の断面形状が相似形であることを意味するので、石英ガラス中間体2の内部を加圧する必要がない。従って、密閉ホルダ10を設置しないか、設置しても開口状態としておく必要がある。
一方、1.0<(OD1/ID1)/(OD2/ID2)の条件で延伸する場合には、中空石英ガラス中間体2の内部を加圧する必要があるため、密閉ホルダ10を設置し、加圧装置を使用する必要がある。また、(OD1/ID1)/(OD2/ID2)が大きすぎると、石英ガラス管3の寸法精度を確保できない、温度条件によっては石英ガラス管3が破損するといった問題が生じることがある。従って、延伸工程において中空石英ガラス中間体2の内部を加圧する場合には、下記の(2)式を満足する条件で延伸するのが望ましい。
1.0<(OD1/ID1)/(OD2/ID2)≦1.5・・・(2)
<その他>
中空石英ガラス素材1を形成する石英ガラス素材としては、VAD法などで製造される合成石英ガラスのみではなく、天然石英ガラスあるいはその他の石英ガラスを用いても良い。
加工時の中空石英ガラス素材1や中空石英ガラス中間体2の温度は、軟化点を左右するOH基、Cl基等の濃度との関係で設定すればよい。加熱炉内は、酸化防止のため通常は不活性雰囲気とする。これらの温度域に適用できるダイスとしては、酸化アルミナ系の酸化物、タングステン、モリブデン等の金属、黒鉛等を用いればよい。この中でも高温域での強度並びに純度の面から黒鉛を用いるのが好ましい。
高純度のSiCl4を酸水素火炎中で加水分解反応させて、SiO2微粒子を堆積成長させた多孔質体を焼結、透明化して、合成石英ガラスインゴットとし、この合成石英ガラスインゴットを出発素材として、中空石英ガラス素材を作製した。そして、この中空石英ガラス素材から表1および2に示す条件で石英ガラス管を製造し、下記の方法により寸法精度を求めるとともに、外表面の性状を調査した。その結果を表3に示す。
なお、本発明例1〜5および比較例1では、公称外径135mm、公称内径66mmの中空石英ガラス素材から公称外径50mm、公称内径46mmの石英ガラス管を製造した例であり、本発明例6は、公称外径135mm、公称内径40mmの中空石英ガラス素材から公称外径50mm、公称内径46mmの石英ガラス管を製造した例である。また、本発明例1、3および5においては、図1に示す装置を用いた。本発明例2、4および6においては、図4に示す装置を用い、かさ密度が1.15Mg/m3の炭素材で構成されるガイドにより中空石英ガラス中間体の外径を規制した。
<寸法精度>
中空石英ガラス素材、中空石英ガラス中間体および石英ガラス管それぞれの外径、肉厚および内径を測定した。外径は、長さ方向に100mmピッチの測定位置において、円周方向に等間隔で4箇所をレーザースキャンマイクロメータで測定した。肉厚は、長さ方向に100mmピッチの測定位置において、円周方向に等間隔で8箇所を超音波肉厚計で測定した。内径は、測定された外径と肉厚から計算によって求められた。尚、石英ガラス管については延伸された全長の内外径変動の少ない5000mmを選び寸法測定を実施した。
偏肉は、肉厚の測定結果から、円周方向8箇所の測定値のうちの最大値および最小値の差を全ての測定位置について求め、それらの値のうちの最大値とする。非円は、外径の測定結果から、円周方向4カ所の測定値のうちの最大値および最小値の差を全ての測定位置について求め、それらの値のうちの最大値とする。
Figure 0005113415
Figure 0005113415
Figure 0005113415
表3に示すように、比較例1では、外表面状態は良いものの、外径変動および肉厚変動が本発明例に比べて大きかった。偏肉および非円に関しても同様の結果となった。光ファイバ用途で使用する石英ガラス管の場合、このように偏肉や非円が大きいと光ファイバの特性が低下するため到底使用することができない。
本発明例1〜6においては、いずれも光ファイバ用途で使用可能な寸法精度および外表面状態を有する石英ガラス管を製造することができた。特に、(OD1/ID1)/(OD2/ID2)が1.5以下である本発明例1〜4および6においては、この値が1.5を超える本発明例5より、高い寸法精度を有していた。
特に、かさ密度が1.15Mg/m3の炭素材で構成されるガイドを使用した本発明例2、4および6では、石英ガラス管の外表面に傷は観察されなかった。その他の本発明例では、使用可能ではあるものの、微小な傷が発生した。また、本発明例6では、(OD0/ID0)/(OD2/ID2)が3.099と高く、しかも、寸法精度および外表面状態に優れる石英ガラス管を製造することができた。
本発明によれば、偏肉率、非円率といった寸法特性が非常に優れた石英ガラス管を製造することができる。特に、本発明の望ましい態様によれば、石英ガラス素管のサイズおよび延伸後の石英ガラス管のサイズの選択自由度が大きい。
本発明の拡管工程の一例を示す模式図であり、(a)は拡管途中の状態を示す図であり、(b)は拡管終了の状態を示す図である。 図1に示す拡管工程に用いることができるダイスの一例を示す模式図であり、(a)はダイス入側から見た平面図であり、(b)は(a)のA−A断面図である。 図1に示す拡管工程に用いることができるダイスの他の例を示す模式図であり、(a)はダイス入側から見た平面図であり、(b)は(a)のB−B断面図である。 本発明の拡管工程の他の例を示す模式図である。 図4に示す拡管工程に用いることができるダイスの一例を示す模式図であり、(a)はダイス入側から見た平面図であり、(b)は(a)のC−C断面図であり、(c)は(a)のア部拡大図である。 図5に示すダイスに用いることができるガイドの例を示す模式図であり、(a)は長手方向に垂直な断面図であり、(b)は(a)のD−D断面図である。 本発明の延伸工程の一例を示す模式図であり、(a)は延伸開始時の状態を示す図であり、(b)は延伸途中の状態を示す図である。
符号の説明
1.中空石英ガラス素材
2.中空石英ガラス中間体
3.石英ガラス管
4、4−1、4−2、4−3.ダイス
5.加熱炉
6、7.ダミー
8.入側チャック
9.出側チャック
10.密閉ホルダ
11.外枠
12.ガイド
13.空間

Claims (4)

  1. 中空石英ガラス素材を下記の工程1により拡管して得た中空石英ガラス中間体を、下記の工程2により延伸して石英ガラス管を得る石英ガラス管の製造方法。
    工程1:
    中空石英ガラス素材にダイス中心に対して相対的な回転を与えつつ、中空石英ガラス素材の少なくとも一部を加熱した後、中空石英ガラス素材をダイスに挿入して中空石英ガラス中間体を得る工程であって、中空石英ガラス素材の外径(mm)および内径(mm)をそれぞれOD およびID とし、中空石英ガラス中間体の外径(mm)および内径(mm)をそれぞれOD およびID とするとき、下記(1)式の関係を満たす条件で、中空石英ガラス素材の内部を加圧し、中空石英ガラス素材の外面がダイス内面に接触するまで拡管する工程、
    工程2:
    中空石英ガラス中間体にその軸中心周りに回転を与えつつ、中空石英ガラス中間体の少なくとも一部を加熱し、延伸する工程
    1.0<(OD /ID )/(OD /ID )≦5.0 ・・・(1)
  2. 請求項1に記載の石英ガラス管の製造方法の工程2において、中空石英ガラス中間体の内部を加圧して延伸する石英ガラス管の製造方法。
  3. 請求項2に記載の石英ガラス管の製造方法の工程2において、中空石英ガラス中間体の外径(mm)および内径(mm)をそれぞれODおよびID とし、石英ガラス管の外径(mm)および内径(mm)をそれぞれODおよびIDとするとき、下記の(2)式の関係を満たす条件で延伸する石英ガラス管の製造方法。
    1.0<(OD/ID)/(OD/ID)≦1.5・・・(2)
  4. ダイスの中空石英ガラス素材と接触する部分が、かさ密度1.5Mg/m以下の炭素材で構成されている請求項1から3までのいずれかに記載の石英ガラス管の製造方法。
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