JP4345973B2 - 石英ガラス管、その製造方法および製造装置、並びにプラグ - Google Patents

石英ガラス管、その製造方法および製造装置、並びにプラグ Download PDF

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Description

本発明は、主に光ファイバ母材の製造に用いられる石英ガラス管の製造方法および製造装置に関する。
近年、光通信技術の発展に伴い、光ファイバの需要が高まっている。光ファイバ母材の製造方法としては、VAD法(Vapor Phase Axial Deposition Method;気相軸付け法)、OVD法(Outside Vapor Phase Deposition Method;外付け法)、MCVD法(Modified Chemical Vapor Deposition Method;内付け法)などがある。
例えば、上記のVAD法においては、火炎中に四塩化珪素などのガラス原料ガスを導入して加水分解反応によって二酸化珪素の微粒子を生成させ、それを堆積させて多孔質の光ファイバ母材が形成される。この光ファイバ母材は、ガラス化された後(以下、ガラス化された光ファイバ母材を「プリフォーム」と呼ぶ。)、高速の線引きにより、所望の外径の光ファイバに加工される。
光通信システムにおいては、光通信の更なる高速化・大容量化を目的として、波長多重(WDM:Wavelength Division Multiplexing)数の増大、使用波長領域の拡大が進められている。WDM光伝送システムにおいて使用される種々のWDM伝送光部品の中には、断面に開口部(空孔)を有する偏波保持光ファイバと呼ばれる特殊ファイバがある。また極低損失性、超高非線形性、低曲げ損失性などが期待されるホーリファイバと呼ばれる特殊ファイバもあるが、このファイバも空孔を有する。従って、これらの偏波保持光ファイバ、ホーリファイバを製造するためには、前述のプリフォームに空孔を設ける必要がある。
石英ガラス素材に空孔を設ける方法としては、冷間でドリルにより切削加工する方法があるが、クラックが発生しやすく、開口部内面が粗くなる。また、切削時の切削油や切削屑が付着し、特殊ファイバとしての光学特性が損なわれるという問題もある。
上記のVAD法、OVD法、MCVD法等で、光ファイバのコア部となるべきコアロッド材を製造し、別途に用意した光ファイバクラッド部となるべき石英ガラス管材の中にこのコアロッド材を挿入し、ロッドインコラプス法によって石英ガラス管と合体させて光ファイバプリフォームを得る方法もあるが、この方法の場合でも、光ファイバのクラッド部となる石英ガラス管材に予め空孔を設けておく必要がある。
特許文献1には、ドリルによる切削加工を不要とするロッドインコラプス法が開示されている。ここでは、多角形、星形などの非円形の断面形状を有する穿孔治具を先端に取り付けてなるプラグを加熱軟化させた棒状の石英ガラス素材の端面に押し付けることによって、断面形状の内輪郭が非円形である石英ガラス管を製造する。そして、断面形状の内輪郭が非円形である石英ガラス管をクラッド管材として、その中に、円形断面を有するコアロッド材を挿入して、ロッドインコラプス法により光ファイバプリフォームを形成するものである。
特開2003-221253号公報
特許文献1に記載の穿孔装置においては、穿孔部(プラグ)は軸棒を介して支持部によってガラス素材と同期回転させられる構成となっている。この穿孔部を支持する軸棒は、通常は穿孔後のガラスパイプの長さにより応じて決められ、ある程度の長さが必要である。そのため、回転による穿孔部に振れが生じ、穿孔後のガラスパイプの貫通孔の形状が目的とする形状から拡げられたり、軸棒方向にガラスパイプの肉厚の変化を生じたりしやすいという問題があった。
例えば、特許文献1の図10〜17には、断面形状が三角形、四角形、星形等である貫通孔を形成するための穿孔部及び穿孔したガラスパイプから形成されたプリフォームが示されているが、回転による穿孔部の振れに起因して、これらの三角形、四角形、星型の貫通孔の輪郭は直線部分が弓なりの丸みを帯びた形状となりやすい。
また、非円形の孔を穿孔する場合、穿孔部の形状によっては、穿孔部に大きな負荷がかかり、穿孔部が破損するおそれが高まる。例えば、特許文献1の図2または図7に示された穿孔部を用いるとき、図2の穿孔部は3つの先端を持ち、図7の穿孔部は5つの先端をもつため、加熱軟化した石英ガラス素材の流動が隣り合う先端部間で干渉しあって、穿孔部に大きな負荷がかかりやすい。とくに、石英ガラス素材が穿孔部の円柱部と接し始めるとき、穿孔部には急激に大きな負荷が加わるため、穿孔部が破損する場合もある。
本発明の目的は、断面形状の内輪郭が非円形である高精度の石英ガラス管の製造方法および製造装置を提供することにある。
本発明は、下記の(1)〜(3)に示す石英ガラス管の製造方法、下記の(4)及び(5)に示す石英ガラス管の製造装置を要旨とする。
)石英ガラス素材の一部または全部を加熱した後、石英ガラス素材を回転させつつ、ダイスとプラグとによって形成される空間部に圧入して石英ガラス管を製造する方法であって、プラグを石英ガラス素材の内面とプラグとの間の接触により石英ガラス素材の回転に同期して回転させることを特徴とする石英ガラス管の製造方法。
)石英ガラス素材の前端部に、断面形状の内輪郭がプラグの断面形状の外輪郭に対応する形状のダミー材が取り付けられていることを特徴とする上記の()に記載の石英ガラス管の製造方法。
)石英ガラス素材の回転数を0.5〜5rpmとすることを特徴とする上記の()または()に記載の石英ガラス管の製造方法。
(4)石英ガラス素材を回転可能な状態で保持するチャックと、石英ガラス素材を加熱する加熱装置と、加熱した石英ガラス素材を圧入する空間を形成するためのダイスとプラグとを有する石英ガラス管の製造装置であって、プラグが石英ガラス素材の内面との接触により回転可能な状態で保持されていることを特徴とする石英ガラス管の製造装置。
)軸方向に垂直な断面の形状が非円形であるとともに、先端部が半球状であることを特徴とする上記の()に記載の石英ガラス管の製造装置。
本発明に係る製造方法により得られる石英ガラス管は、その断面形状の内輪郭が非円形でありかつ寸法精度が高いため、偏波保持ファイバやホーリファイバの光ファイバ母材の製造などに用いることができる。また、本発明に係る石英ガラス管の製造方法及び製造装置によれば、断面形状の内輪郭が非円形である石英ガラス管を精度よく製造することができる。本発明に係るプラグ(穿孔治具)の形状を採用すれば、さらに安定した操業を可能にできる。
1.石英ガラス管について
図1は、本発明に係る製造方法により得られる石英ガラス管の断面形状を例示した図である。
図1(a)〜(f)に示すように、本発明に係る製造方法により得られる石英ガラス管の断面形状は、その内輪郭が例えば、多角形、楕円形、その他の組み合わせ図形など非円形のものである。また、本発明に係る製造方法により得られる石英ガラス管は、ダイスとプラグとによって外輪郭と内輪郭が一体的に形成されるとともに、内輪郭の長手方向のねじれが2°/m以下である。このような高精度・高品質の石英ガラス管は、例えば断面に空孔を有する偏波保持光ファイバやホーリファイバなどにようにその断面形状が複雑でかつ寸法精度が要求されるファイバの製造などに用いるのに好適である。
2.石英ガラス管の製造方法、その装置およびプラグについて
図2は、本発明に係る石英ガラス管の製造方法を例示した模式図である。
図2に示すように、本発明に係る石英ガラス管の製造装置1は、石英ガラス素材2を回転可能な状態で保持するチャック3-1、3-2と、石英ガラス素材2を加熱するヒータ4と、加熱した石英ガラス素材2を圧入する空間を形成するためのダイス5とプラグ6とを有する装置である。この製造装置においては、プラグ6が保持棒10から独立して回転可能な状態で保持棒10の先端に保持されている。
先ず、石英ガラス素材2にダミー7-2を取り付けたものを用意し、ダミー7-2をチャック3-2で保持する。一方、出側のチャック3-1にはダミー7-1が取り付けられる。この状態で、石英ガラス素材2は、チャック3-2により回転が与えられつつ、ヒータ4により加熱され、一方、出側のダミー材7-1は、チャック3-1により回転が与えられつつ、ヒータ4により加熱される。そして、石英ガラス素材2の先端部およびダミー7-1の先端部が十分に加熱された状態で、これらの端部を接近させ、溶着させる。
その後、石英ガラス素材2は、ダミー7-1、7-2を介して、チャック3-1、3-2により回転が与えられつつ、ヒータ4により所定の温度に加熱され、ダイス5とプラグ6とによって形成される空間部に圧入される。上述のように、プラグ6は、保持棒10とは独立して回転可能な状態で保持されているため、石英ガラス素材2(及び石英ガラス管8)の内面とプラグ6との間の接触(摩擦力など)によって石英ガラス素材2の回転に同期して回転する。このとき、保持棒10は固定されており、回転しない。
本発明の製造方法においては、プラグ6のみが石英ガラス素材2の回転に同期して回転している状態で、石英ガラス素材2がダイス5とプラグ6とで形成される空間部に圧入されるので、断面形状の内輪郭が非円形の石英ガラス管8を高精度で連続的に製造することができる。
なお、駆動装置を用いて保持棒を介してプラグを強制的に回転させる方法も考えられるが、石英ガラス管の寸法精度等を悪化させる。すなわち、プラグを保持する保持棒の長さは、石英ガラス管の長さにより決まるが、保持棒の長さが長いほど、回転によるプラグの振れが大きくなる。このような状態で、石英ガラス素材の圧入を継続すると、石英ガラス管の内輪郭の寸法精度が悪化し、長手方向にも偏肉を生じるおそれがする。
本発明では、プラグは、保持棒から独立して回転可能な状態で保持され、プラグのみが石英ガラス素材(及び石英ガラス管)の内面とプラグとの間の接触により石英ガラス素材の回転に同期して回転するので、穿孔後の石英ガラス管の内輪郭はプラグ断面形状が高精度に反映し、寸法精度が高められるのである。
図3は、本発明に係るプラグおよび保持棒を例示した模式図である。このプラグの断面形状は、楕円形である。図3に示すように、プラグ6は、プラグ回転軸部スリーブ首部11aを挟む、プラグ本体6aとプラグ回転軸部6bからなり、プラグ本体6aは、プラグ回転軸部6bがプラグ回転軸部スリーブ11内で回転することにより、保持棒10とは独立して回転できる構成となっている。保持棒10はネジが切られた保持棒先端10aによりプラグ回転軸部スリーブ11に固定される。排気は、プラグ6に設けられた排気孔6cおよび保持棒10内の排気孔12を通じて行われる。
図4および図5は、本発明の製造装置に用いることができるプラグを例示した模式図であり、いずれの図においても、(a)は斜視図を示し、(b)は(a)の矢印方向から見た図である。図4に示すプラグは、石英ガラス管の断面形状の内輪郭を5つの円が重なり合って形成される非円形とする場合に用いるプラグであり、図5に示すプラグは、断面形状の内輪郭を四角形とする場合に用いるプラグである。
これらのプラグは、その断面形状が目的とする石英ガラス管の内輪郭と対応する非円形となっており、しかも、先端部の形状が半球状であり、一つの頂点から流線型に広がる形状である。このようなプラグは、例えば、図6に示すようなプラグ(先端部形状が半円球状の円柱型プラグ)を用意し、このプラグに所望の断面形状となるような切削加工を施すことにより製造できる。
これらのプラグは、プラグの先端部が1つの頂点で構成されており、しかも、プラグの先端部の形状が半球状であるため、プラグ圧入により目的とする輪郭の単数の貫通孔を形成する、すなわち石英ガラス管の断面形状の内輪郭を目的とするものとする場合に、加熱軟化した石英ガラス素材はプラグ頂点部から全て外向きに流動し、製造時のプラグの負荷を低減できる。このため、非円形の単数の貫通孔(断面形状の非円形の内輪郭)を更に高い精度で形成させることができるので、石英ガラス管の製造を安定して操業できる。なお、形状が半球状とは、その形状を構成する面が真円球体または楕円球体の一部を構成する面であることをいうが、その形状を構成する面が必ずしも完全な真円球または楕円球である必要はなく、例えば放物面などの類似の曲面であってよいことは言うまでもない。
プラグの断面形状の外輪郭の形状は、上述したものが好ましいが、製作する石英ガラス管の断面形状の内輪郭の形状にあわせて設定すればよく、図4の形状に限定されないことは言うまでもない。即ち、製作すべき石英ガラス管の断面形状の内輪郭に合わせて、断面形状の外輪郭が円形または楕円形、多角形、星形、その他の組み合わせ図形等の非円形であるプラグを用いればよい。
ダイスの孔型形状(断面形状の内輪郭)は、目標とする石英ガラス管の断面形状の外輪郭にあわせて製作すればよい。例えば円形の石英ガラス管を製造する場合は、ダイスの孔型形状(断面形状の内輪郭)は円形とすればよい。ダイスは、ピンなどで固定しても良いし、固定しなくても良い。固定しない場合には、ダイスは、石英ガラス素材の回転に同期して回転することになる。
以上のように、本発明の石英ガラス管の製造装置においては、保持棒とは独立してプラグのみが石英ガラス素材の内面とプラグとの間の接触により石英ガラス素材の回転に同期して回転するので、穿孔後の石英ガラス管の内輪郭(貫通孔)はプラグ断面形状が高精度に反映し、寸法精度が高められるのである。また、プラグを回転させるための駆動装置が不要であるため、製造コストを低減できる。
本発明の製造方法においては、図2にも示されているように、石英ガラス素材の前端部には、ダミー材が取り付けられることが望ましい。
ダミー材7-1を用いる場合には、ダミー材7-1の断面形状の内輪郭をプラグ6の断面形状の外輪郭と対応する形状、例えば同一形状となるように加工しておくのがよい。こうすることで、プラグ6がダミー材7-1に挿入されたときから、すなわち石英ガラス素材2がダイス5とプラグ6とによって形成される空間部に圧入される以前から、プラグ6を回転させることができる。その結果、石英ガラス管8の断面形状の内輪郭を精度よく成形することができる。
また、石英ガラス素材の後端部にダミー材を取り付けると、石英ガラス素材の後端まで全域有効に加工することができ、石英ガラス管の製品歩留まりを向上することができる。
本発明の製造方法において、石英ガラス素材の回転数は、0.5〜5rpmとすることが望ましい。これは、回転数が0.5rpm未満の場合、石英ガラス素材の均熱が難しくなるためである。均熱ができず部分的に軟化していない箇所ができると、石英ガラス管の寸法精度に悪影響を及ぼす。また、回転数が5rpmを超える場合には、ダイスおよびプラグの損傷が激しくなると共に、得られる石英ガラス管の表面性状が劣化する。
入側チャック3-2の走行速度(S2)と出側チャック3-1の走行速度(S1)との比(S2/S1)は、石英ガラス素材の断面積(A1)とダイスおよびプラグによって形成される石英ガラス管の断面積(A2)の比の逆数(A1/A2)と一致するように設定すればよい。また、入側チャック3-2の回転速度と出側チャック3-1の回転速度とは、速度差を設けても良いが、石英ガラスの断面形状の外輪郭を精度よく軸方向に連続的に形成させるためには、できる限り速度差は小さいことが望ましい。回転速度の差は実質的にゼロであるのが理想的である。
石英ガラス素材としては、VAD法などで製造される合成石英ガラスのみでなく、天然石英ガラスその他の石英ガラスを用いても良い。また、図2では、石英ガラス素材として石英ガラス管を用いた例を示しているが、石英ガラス棒を用いても良い。
石英ガラス管の内部はプラグ表面から排気して減圧することが望ましい。石英ガラス管の内部を減圧することにより、石英ガラス素材がプラグ表面に密着し流動するため、成形後の石英ガラス管の断面形状の内輪郭の形状および寸法精度が向上する。
例えば石英ガラス素材として石英ガラス管を用いる場合には、成形加工中の石英ガラス管の両端または片端に、図2に示すようなホルダ9-1、9-2を設け、外気の侵入を遮断する。図3に示したような排気孔を設けたプラグ6を用い、このプラグを保持する保持棒10を中空のものとし、真空ポンプ13-1によって保持棒10を介して石英ガラス素材の開孔部を減圧する。また、さらに真空ポンプ13-2により石英ガラス素材の管内を減圧してもよい。
上記の石英ガラス素材の開孔部の減圧は、僅かに大気圧より低くするだけでも効果があり、100000Pa以下とすればよい。ただし、過剰に減圧すると、石英ガラス素材の開孔部とプラグとの接触が激しくなり、プラグの破損、石英ガラス管内の表面性状の劣化という問題が生じる。このため、石英ガラス素材側入側内部の圧力は30000〜70000Pa、プラグ側出側内部の圧力は1000〜50000Pa程度が望ましい。
加工時の石英ガラス素材の温度は、軟化点を左右するOH基、Cl基等の濃度との関係で設定すればよい。石英ガラス素材の加熱は、ダイスの直前で最も高い温度になり、それよりやや低下したところで、ダイスおよびプラグに接するようにするのが理想的である。
加熱炉の温度は、2000〜2700℃程度の範囲で、石英ガラス素材の軟化点にあわせて設定すればよい。加熱炉内は、酸化防止のため不活性雰囲気であるのがよい。これらの温度域に適用できるダイスおよびプラグとしては、酸化アルミナ系の酸化物、タングステン、モリブデン等の金属、黒鉛等を用いればよい。この中でも高温域での強度ならびに純度の面から黒鉛を用いるのが最も望ましい。
高純度のSiCl4を酸水素火炎にて加水分解したSiO2より合成石英ガラスインゴットを作製し、この合成石英ガラスインゴットから石英ガラス棒(外径100mm、長さ2000mm)および石英ガラス管(外径100mm、内径60mm、長さ2000mm)を作製し、石英ガラス素材とした。実験は、図2に示すような製造装置を用いておこなった。
(実施例1)
実施例1は、図7に示す断面形状を目標として、上記の石英ガラス棒を、図4に示すプラグを用いて石英ガラス管にしたものである。実験は、加熱炉の温度を2400℃、石英ガラス素材の回転数を3rpm、石英ガラス素材の送り込み速度を28.94mm/min、石英ガラス管の引き抜き速度を22.62mm/minとしておこなった。なお、減圧は実施しなかった。
得られた石英ガラス管の長さは、1550mmであった。実験後のダイス、プラグとも破損、亀裂の発生はなかった。
この石英ガラス管の寸法をノギスで測定したところ、外輪郭の円形の直径は平均で119.85mm(4箇所の平均値。実測値は119.74〜119.92mmの範囲にあった。)であり、内輪郭の中心円部の直径は平均で30.58mm(2箇所の平均値。実測値は30.56mmおよび30.60mmであった。)、内輪郭の中心円に付随する円の直径は平均で15.46mm(各円につき1箇所ずつ測定、4つの円の平均値。実測値は15.43〜15.50mmであった。)であり、いずれも良好であった。また、軸方向での内輪郭のねじれ量を測定したところ、2°/mであった。
(実施例2)
実施例2は、図7に示す断面形状を目標として、上記の石英ガラス棒を、図4に示すプラグを用いて石英ガラス管にしたものである。実験は、加熱炉の温度を2400℃、石英ガラス素材の回転数を3rpm、圧入後の石英ガラス管内圧を2000Pa、石英ガラス素材の送り込み速度を28.94mm/min、石英ガラス管の引き抜き速度を22.62mm/minとしておこなった。
得られた石英ガラス管の長さは、1550mmであった。実験後のダイス、プラグとも破損、亀裂の発生はなかった。
この石英ガラス管の寸法をノギスで測定したところ、外輪郭の円形の直径は平均で119.90mm(4箇所の平均値。実測値は119.86〜119.93mmの範囲にあった。)であり、内輪郭の中心円部の直径は平均で30.09mm(2箇所の平均値。実測値は30.07mmおよび30.11mmであった。)、内輪郭の中心円に付随する円の直径は平均で15.05mm(各円につき1箇所ずつ測定、4つの円の平均値。実測値は15.04〜15.06mmであった。)であり、いずれも良好であった。また、軸方向での内輪郭のねじれ量を測定したところ、1°/mm未満であった。いずれの精度も、減圧しなかった実施例1の場合より良好であった。
(実施例3)
実施例3は、図7に示す断面形状を目標として、上記の石英ガラス管を、図4に示すプラグを用いて石英ガラス管にしたものである。実験は、加熱炉の温度を2300℃、石英ガラス素材の回転数を1rpm、圧入前の石英ガラス管の内圧を5000Pa、圧入後の石英ガラス管内圧を2500Pa、石英ガラス素材の送り込み速度を45.21mm/min、石英ガラス管の引き抜き速度を22.62mm/minとしておこなった。
得られた石英ガラス管の長さは、950mmであった。実験後のダイス、プラグとも破損、亀裂の発生はなかった。
この石英ガラス管の寸法をノギスで測定したところ、外輪郭の円形の直径は平均で119.91mm(4箇所の平均値。実測値は119.86〜119.94mmの範囲にあった。)であり、内輪郭の中心円部の直径は平均で30.16mm(2箇所の平均値。実測値は30.13mmおよび30.19mmであった。)、内輪郭の中心円に付随する円の直径は平均で15.13mm(各円につき1箇所ずつ測定、4つの円の平均値。実測値は15.11〜15.16mmであった。)であり、いずれも良好であった。また、軸方向での内輪郭のねじれ量を測定したところ、1°/m未満であった。いずれの精度も、減圧しなかった実施例1の場合より良好であった。
(実施例4)
実施例4は、図8に示す断面形状を目標として、上記の石英ガラス棒を、図5に示すプラグを用いて石英ガラス管にしたものである。実験は、加熱炉の温度を2450℃、石英ガラス素材の回転数を5rpm、圧入後の石英ガラス管内圧を1000Pa、石英ガラス素材の送り込み速度を28.94mm/min、石英ガラス管の引き抜き速度を23.41mm/minとしておこなった。
得られた石英ガラス管の長さは、1600mmであった。実験後のダイス、プラグとも破損、亀裂の発生はなかった。
この石英ガラス管の寸法をノギスで測定したところ、外輪郭の円形の直径は平均で119.91mm(4箇所の平均値。実測値は119.88〜119.95mmの範囲にあった。)であり、内輪郭の正方形の対辺間隔は平均で40.13mm(各対辺につき3箇所測定した平均値。実測値は40.09mm〜40.15mmであった。)であり、いずれも良好であった。また、軸方向での内輪郭のねじれ量を測定したところ、1°/m未満であった。
(比較例)
比較例は、図8に示す断面形状を目標として、上記の石英ガラス棒を、図9に示すプラグを用いて石英ガラス管にしたものである。このとき、プラグは保持棒の先端に固定し、プラグを保持棒後端に設けられた回転機構により強制的に回転させる構成とした。
実験は、加熱炉の温度を2350℃、石英ガラス素材の回転数を5rpm、プラグの回転数を5rpm、石英ガラス素材の送り込み速度を28.94mm/min、石英ガラス管の引き抜き速度を23.41mm/minとしておこなった。なお、減圧は実施しなかった。
得られた石英ガラス管の長さは、1600mmであった。開孔中、プラグから異音が発生していた。開孔終了後プラグを点検すると、プラグの根元部分に数ヶ所亀裂が観察された。次に、長さ30mmサンプリングし、目視確認したところ、内輪郭は、正方形状ではあったが、4辺とも直線ではなく、弓のような反りが見られた。
この石英ガラス管の寸法をノギスで測定したところ、外輪郭の円形の直径は平均で119.81mm(4箇所の平均値。実測値は119.75〜119.85mmの範囲にあった。)であり、内輪郭の正方形の対辺間隔は平均で42.73mm(各対辺につき3箇所測定した平均値。実測値は42.27mm〜43.12mmであった。)であり、いずれもバラツキが大きく、寸法精度が不十分であった。また、軸方向での内輪郭のねじれ量を測定したところ、6°/m程度であった。これは、開口され形成された内輪郭とプラグとの間の空間部が保持棒の振れにより大きくなってしまったことによるものと推測できる。
本発明に係る製造方法により得られる石英ガラス管は高性能の光ファイバ母材の製作などに好適である。本発明に係る石英ガラス管の製造方法によれば、断面形状の内輪郭が非円形である石英ガラス管を精度よく製造することができる。また、本発明に係る石英ガラス管の製造装置は、上記の石英ガラス管を製造するのに適している。さらに、本発明に係るプラグは、上記石英ガラス管の製造に好適である。
本発明に係る製造方法により得られる石英ガラス管の断面形状を例示した図である。 本発明に係る石英ガラス管の製造方法を例示した模式図である。 本発明に係るプラグおよび保持棒を例示した模式図である。 本発明の製造装置に用いることができるプラグを例示した模式図であり、(a)は斜視図を示し、(b)は(a)の矢印方向から見た図である。 本発明の製造装置に用いることができる他のプラグを例示した模式図であり、(a)は斜視図を示し、(b)は(a)の矢印方向から見た図である。 先端部形状が半円球状の円柱型プラグを例示した模式図である。 実施例1、2および3の石英ガラス管の断面形状を示す模式図である。 実施例4および比較例の石英ガラス管の断面形状を示す模式図である。 比較例のプラグの模式図であり、(a)は斜視図を示し、(b)は(a)の矢印方向から見た図である。
符号の説明
1.本発明の製造装置、2.石英ガラス素材、3-1、3-2.チャック、
4.ヒータ、5.ダイス、6.プラグ、6a.プラグ本体、6b.プラグ回転軸部、
6c.排気孔、7-1、7-2.ダミー材、8.石英ガラス管、9-1、9-2.ホルダ、
10.保持棒、11.プラグ回転軸部スリーブ、11a.プラグ回転軸部スリーブ首部、
12.排気孔、13-1、13-2.真空ポンプ

Claims (5)

  1. 石英ガラス素材の一部または全部を加熱した後、石英ガラス素材を回転させつつ、ダイスとプラグとによって形成される空間部に圧入して石英ガラス管を製造する方法であって、プラグを石英ガラス素材の内面とプラグとの間の接触により石英ガラス素材の回転に同期して回転させることを特徴とする石英ガラス管の製造方法。
  2. 石英ガラス素材の前端部に、断面形状の内輪郭がプラグの断面形状の外輪郭に対応する形状のダミー材が取り付けられることを特徴とする請求項1に記載の石英ガラス管の製造方法。
  3. 石英ガラス素材の回転数を0.5〜5rpmとすることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の石英ガラス管の製造方法。
  4. 石英ガラス素材を回転可能な状態で保持するチャックと、石英ガラス素材を加熱する加熱装置と、加熱した石英ガラス素材を圧入する空間を形成するためのダイスとプラグとを有する石英ガラス管の製造装置であって、プラグが石英ガラス素材の内面との接触により回転可能な状態で保持されていることを特徴とする石英ガラス管の製造装置。
  5. プラグは、軸方向に垂直な断面の形状が非円形であるとともに、先端部が半球状であることを特徴とする請求項4に記載の石英ガラス管の製造装置。
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