JP6421569B2 - 光ファイバ製造方法及び光ファイバ製造装置 - Google Patents

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Description

本発明は、光ファイバ用線引炉における上端開口部と光ファイバ母材との間の間隙をシールしながら光ファイバの線引きを行う光ファイバ製造方法、及びその光ファイバ製造装置に関する。
光ファイバ用線引炉(以下、線引炉という)による光ファイバの線引きは、例えば石英を主成分とする光ファイバ母材(ガラス母材)をヒータなどで加熱溶融して行われる。このときの線引炉内の温度は、約2000℃と非常に高温となるので、線引炉内の部品には、耐熱性に優れたカーボンが用いられている。このカーボンは、高温の酸素含有雰囲気中で酸化して消耗する性質を有する。このため、線引炉内は、アルゴンガスやヘリウムガス等の希ガス又は窒素ガス(以下、不活性ガス等という)の雰囲気に保つ必要がある。
そして、さらに炉内圧力を陽圧にすることにより、炉外の空気(酸素)が炉内に入り込むことを防いでいるが、線引炉の上端部における光ファイバ母材の導入口の隙間、つまり線引炉の上端開口部における光ファイバ母材との隙間でうまく気密がとれていないと(シールされていないと)、炉外の空気を巻き込んでしまうことになる。
従って、炉外空気を炉内に巻き込まないように、線引炉の上端部の隙間をシールするシール機構が必要となる。また、この部分をうまくシールすることができれば、不活性ガス等の使用量を減らすことができ、コスト低減につなげることも可能である。
このようなシール機構として、上部チャンバ方式が採用されることがある。上部チャンバとは、炉体上部に設置され光ファイバ母材の全体を囲い、光ファイバ母材上部に設置した均一外径のダミー棒でシールされる空間である。しかし、高価なヘリウムガスではなく、比較的安価なアルゴンガスを用いて線引きを行うに際し、上部チャンバ方式を採用すると、光ファイバの外径変動がヘリウムガスを用いた場合に比べて悪くなる。これは上部チャンバ内部で発生するガス流の乱れに由来する。そのため、上部チャンバ方式を採用せず、上部チャンバ部分を取り払って光ファイバ母材の部分でシールする接触シール方式を採用することが、特に低コストでの線引きのためには望ましいと言える。
接触シール方式に関し、特許文献1には、線引炉において炉外の空気が炉内に入り込むことを防ぐために、光ファイバ母材の導入口(挿入口)にシート状耐熱封止材を設け、上記導入口の上部にそのシート状耐熱封止材を覆う小室を形成し、その小室外のダミー棒側にその小室上部に形成された上記導入口との隙間を封止するシート状封止材を設けることが開示されている。
特許文献2には、光ファイバ母材の周りを囲むように線引炉の上端部に設置する上部シールリングと、その外周に上部シールリングの中心方向に力を作用させる伸縮機構とを備え、上部シールリングが光ファイバ母材に常に密着するように線引炉の上端部の隙間をシールするシール構造が開示されている。ここで、上部シールリングは、複数の内側シールリング片を連結して構成された内側シールリングと、その外周に配置される、複数の外側シールリング片を連結して構成された外側シールリングとから構成されており、且つ内側シールリング片の連結部と外側シールリング片の連結部とが重ならないように配置されている。
特許文献3には、光ファイバ母材の直胴部より若干小さい内径をもつリング状のスリット付きカーボンシートを3つ以上有するシール部を備えた光ファイバ製造装置が開示されている。
特開2003−171139号公報 特開2006−342030号公報 特開2011−230978号公報
上述した線引炉の上端開口部のシール構造のように光ファイバ母材にシール部材を接触させて気密を維持する場合、光ファイバ母材径の変動が小さければ、その母材径に合わせて線引炉の上端開口部と光ファイバ母材との隙間を単に塞いでおけば、十分なシール効果が得られる。しかし、実際には、光ファイバ母材径は、例えば±2mm以上、長手方向に変動していることがあり、場合によっては±5mm程度以上変動していることもある。このような場合には、上記隙間の間隔が大きく変動するため、その隙間の変動分を加味しながらシールできるシール構造が必要となる。
しかしながら、特許文献1に記載のシール構造では、シート状耐熱封止材としてカーボンフェルトリングを用いているが、そのシール構造は複雑なものとなっている。また、特許文献2に記載のシール構造では、各シールリング片が連結された構造であるため、光ファイバ母材の径変動が長手方向について大きい場合は、その径変動に追従させることが難しい。なお、特許文献2には、その背景技術において、シール部材としてカーボンフェルトを用いることが好ましくないことも記載されている。
また、特許文献3に記載のシール構造では、そのような光ファイバ母材径の変動に追従させるために、スリットが入ったカーボンシート又はカーボンフェルトを複数枚用いることでその内径(光ファイバ母材との接触面)を可変にしている。しかしながら、このシール構造では、スリットの部分で生じる隙間によるシール性能の低下が起こり得る。
さらに、カーボンシートは伸縮性に限界があるため、引き伸び時にカーボンシートが破断する問題がある。一方で、カーボンフェルトはカーボン繊維で形成されたフェルトであって布のようなものであり、カーボンシートに比べて伸縮性があるものの、1枚でシールできる光ファイバ母材の外径変動は±2mm以下程度までであり、且つ光ファイバ母材の太径の部分をシールした際に引き伸ばされると、細径の部分が通過する際、縮径が追い付かずシール性能が局所的に低下する問題がある。
このように、特許文献3に記載のシール構造では、光ファイバ母材径変動が大きくても±2mm程度に対応できる程度であり、それ以上の外径変動を有する光ファイバ母材のシールは困難であった。
本発明は、上述のような実状に鑑みてなされたものであり、その目的は、径変動が大きい光ファイバ母材であっても、光ファイバ用線引炉における上端開口部と光ファイバ母材との間に生じる隙間を簡易で確実にシールしながら、線引きを行うことを可能にする、光ファイバ製造方法及び光ファイバ製造装置を提供することにある。
本発明に係る光ファイバ製造方法は、線引炉における上端開口部と光ファイバ母材との間の間隙をシール部でシールしながら、光ファイバの線引きを行う光ファイバ製造方法であって、上記シール部として、上記光ファイバ母材の有効部の最大外径以下の内径をもつ2枚以上のカーボンフェルトリングと、上記カーボンフェルトリング間に設けた上記有効部の最大外径以上の内径をもつシートリングと、を用いて、上記線引きを行い、上記2枚以上のカーボンフェルトリングのうち少なくとも1枚は、他のカーボンフェルトリングと内径が異なり且つ上記有効部の最小外径以下の内径をもつようにしたものである。
本発明に係る光ファイバ製造装置は、光ファイバ母材を挿入するための上端開口部を有する線引炉と、上記上端開口部と挿入された上記光ファイバ母材との間の隙間をシールするためのシール部と、を備えた光ファイバ製造装置であって、上記シール部は、上記光ファイバ母材の有効部の最大外径以下の内径をもつ2枚以上のカーボンフェルトリングと、上記カーボンフェルトリング間に設けた上記有効部の最大外径以上の内径をもつシートリングと、を有し、上記2枚以上のカーボンフェルトリングのうち少なくとも1枚は、他のカーボンフェルトリングと内径が異なり且つ上記有効部の最小外径以下の内径をもつようにしたものである。
本発明によれば、径変動が大きい光ファイバ母材であっても、光ファイバ用線引炉における上端開口部と光ファイバ母材との間に生じる隙間を簡易で確実にシールしながら、線引きを行うことが可能になる。
本発明の一実施形態に係る光ファイバ製造装置の一構成例を示す図である。 図1の光ファイバ製造装置におけるシール部の一例を示す図である。 図2Aのシール部に用いられるカーボンフェルトリングの一例を示す図である。 図2Aのシール部に用いられるカーボンシートリングの一例を示す図である。 図1の光ファイバ製造装置を用いて線引きを行った際の、光ファイバ母材位置に対する光ファイバ母材の外径及び線引炉内の内部圧力の変動結果を示す図である。
[本発明の実施形態の説明]
最初に本願発明の実施形態の内容を列記して説明する。
(1)本発明に係る光ファイバ製造方法は、線引炉における上端開口部と光ファイバ母材との間の間隙をシール部でシールしながら、光ファイバの線引きを行う光ファイバ製造方法であって、上記シール部として、上記光ファイバ母材の有効部の最大外径以下の内径をもつ2枚以上のカーボンフェルトリングと、上記カーボンフェルトリング間に設けた上記有効部の最大外径以上の内径をもつシートリングと、を用いて、上記線引きを行い、上記2枚以上のカーボンフェルトリングのうち少なくとも1枚は、他のカーボンフェルトリングと内径が異なり且つ上記有効部の最小外径以下の内径をもつようにしたものである。これにより、径変動が大きい光ファイバ母材であっても、光ファイバ用線引炉における上端開口部と光ファイバ母材との間に生じる隙間を簡易で確実にシールしながら、線引きを行うことが可能になる。
(2)上記(1)の光ファイバ製造方法において、上記2枚以上のカーボンフェルトリングはいずれも上記有効部の最小外径以下の内径をもつようにしたものである。これにより、全てのカーボンフェルトリングで常にシールを行いつつ、内径の大きなカーボンフェルトリングにより光ファイバ母材の拡径後の縮径にも追従させてシールすることができる。
(3)本発明に係る光ファイバ製造装置は、光ファイバ母材を挿入するための上端開口部を有する線引炉と、上記上端開口部と挿入された上記光ファイバ母材との間の隙間をシールするためのシール部と、を備えた光ファイバ製造装置であって、上記シール部は、上記光ファイバ母材の有効部の最大外径以下の内径をもつ2枚以上のカーボンフェルトリングと、上記カーボンフェルトリング間に設けた上記有効部の最大外径以上の内径をもつシートリングと、を有し、上記2枚以上のカーボンフェルトリングのうち少なくとも1枚は、他のカーボンフェルトリングと内径が異なり且つ上記有効部の最小外径以下の内径をもつようにしたものである。これにより、径変動が大きい光ファイバ母材であっても、光ファイバ用線引炉における上端開口部と光ファイバ母材との間に生じる隙間を簡易で確実にシールしながら、線引きを行うことが可能になる。
[本発明の実施形態の詳細]
本発明の一実施形態に係る光ファイバ製造方法及び光ファイバ製造装置の具体例を、以下に図1〜図3を参照しつつ説明する。なお、以下では、線引炉として、加熱源(ヒータ)により炉心管を加熱する抵抗炉を挙げて説明するが、コイルに高周波電源を印加し、炉心管を誘導加熱する誘導炉も適用可能である。
図1は、本発明の一実施形態に係る光ファイバ製造装置の一構成例を示す図である。
図1に示すように、本実施形態に係る光ファイバ製造装置は、光ファイバ線引炉の本体(以下、単に線引炉という)10、シール部20、及び蓋体40を備え、線引炉10に光ファイバ母材1が挿入されて線引きがなされる。
線引炉10は、炉筐体11、その内部に設けられた炉心管12、炉心管12の外周に設けられた筒状の加熱源(ヒータ)13、及びヒータ13の外周に設けられた断熱材14を備える。
炉心管12は、線引炉10の上端開口部から挿入された光ファイバ母材1を内部に収容する。ヒータ13は、炉心管12に収容された光ファイバ母材1を加熱して溶融する。また、線引炉10には図示しない不活性ガス等の供給機構が設けられており、炉心管12内やヒータ13の周りに酸化や劣化防止のために不活性ガス等を供給するようになっている。
また、線引炉10において、光ファイバ母材1は、別途設けた移動機構により線引方向(下側方向)に移動させることが可能となっており、光ファイバ母材1の上側には、その光ファイバ母材1を上側から吊り下げて支持するための支持棒(ダミー棒)2が連結されている。上記移動機構に設けられた把持部がこの支持棒2を把持することになる。この支持棒2は、光ファイバ母材1と同種のガラスロッドであり、光ファイバ母材1と別々に製造して融着してもよいし、別途設けた接続部材で接続してもよい。
また、図1では、光ファイバ母材1として、その直胴部の上端部分で平らに切断した例を図示しているが、直胴部の上端部分にテーパ部(縮径部)が存在していてもよく、縮径後の細い直胴部を接続部材で接続したり、直接把持するようにしてもよい。
なお、図1では、炉心管12の内壁の上端部がそのまま線引炉10の上端部11aにおける上端開口部を形成している例を挙げているが、これに限ったものではない。例えば、炉心管12の内径dよりさらに狭い上端開口部となる上蓋を炉心管12の上側に設けてもよく、この場合にシール対象となる隙間は、この狭い上端開口部と光ファイバ母材1との間に生じる隙間となる。また、光ファイバ母材1の断面形状は、基本的に真円を目指して生成されたものとするが、その精度を問わず一部で凸凹が存在してもよく、また楕円形などであってもよい。また、上記上端開口部の断面は円形としておけばよいが、この精度は問わない。
シール部20は、線引炉10の上端開口部と挿入された光ファイバ母材との間の隙間をシールするための部位であって、本実施形態の主たる特徴部分であり、図2A等を参照しながら後述する。
上述した線引炉10における光ファイバ線引工程を概略的に説明する。線引炉10では、上端部11aに設けた後述のシール部20によって炉外空気を巻き込まないようにシールしながら、炉内の光ファイバ母材1の下部を炉心管12内でヒータ13により加熱する。線引炉10では、こうして加熱溶融されて細径となった光ファイバ母材1の下端から光ファイバ3を溶融垂下させて、炉筐体11の下端部に設けられた排出孔16からその光ファイバ3を引き出す。そして、線引きが進むに連れて、支持棒2と共に光ファイバ母材1を上記移動機構により徐々に下降させていく。
ここで、蓋体40について説明する。図1に示したように光ファイバ母材1に支持棒2が設けられた構成では、線引工程の進行により、支持棒2が炉心管12の位置まで下がる場面、つまり支持棒2が線引炉10の上端部11aより下に位置する場面がある。
そのような場面でも炉内をシールし続けるために、シール部20の他に蓋体40を有することが好ましい。蓋体40は、支持棒2を貫通し光ファイバ母材1の上側に載置される蓋であり、図示したように、支持棒2の断面形状に合った貫通孔40aと肩部40bとを有するように形成されている。蓋体40の材料としては、例えば石英や金属などが挙げられる。
蓋体40を設けておくことで、光ファイバ3の線引が進み光ファイバ母材1及び支持棒2が下降しても、シール部20から光ファイバ母材1が離脱する前に、蓋体40の下端面がシール部20に接する状態に移行して、シール状態を維持することができる。なお、蓋体40が肩部40bを有することを前提として説明したが、蓋体40は単なる円盤に支持棒2の貫通孔40aを開けただけの形状であってもよい。
次に、本実施形態の主たる特徴であるシール部20について、図2A〜図2Cを参照しながら説明する。図2Aは、図1の光ファイバ製造装置におけるシール部の一例を示す図、図2Bは、図2Aのシール部に用いられるカーボンフェルトリングの一例を示す図、図2Cは、図2Aのシール部に用いられるカーボンシートリングの一例を示す図である。
図2Aで例示するシール部20は、光ファイバ母材1の光ファイバコアがある領域(以下、有効部)の最大外径以下の内径をもつ2枚以上のカーボンフェルトリングを有する。そして、上記2枚以上のカーボンフェルトリングのうち少なくとも1枚は、他のカーボンフェルトリングと内径が異なり、且つ上記有効部の最小外径以下の内径をもつものとする。また、設けられたカーボンフェルトリングの全ての内径が互いに異なるものであることが好ましい。
これらのカーボンフェルトリングは、スリットが入っていないリング状のカーボンフェルトである。カーボンフェルトは、カーボン繊維で形成されたフェルトであって、気密性があり、また、カーボンシートに比べて伸縮性があり撓ませることができる素材である。カーボンの材料としては、不純物混入の観点から、高純度カーボンと呼ばれるものを用いるのが好ましい。
図2Aでは、上記2枚以上のカーボンフェルトリングとして、2枚のカーボンフェルトリング21,22を採用した例を挙げている。カーボンフェルトリング21,22は、図2Bにその上面図を示すようにリング状のカーボンフェルトであり、両者の内径D1は異なり、カーボンフェルトリング21の内径D1の方がカーボンフェルトリング22のそれより小さく且つ光ファイバ母材1の外径(有効部の外径)φの最小値以下の内径をもつものとする。
また、シール部20は、カーボンフェルトリング21,22間に、有効部の最大外径以上の内径をもつ(つまりカーボンフェルトリング21,22より内径が大きい)シートリング24を有する。図2Aでは、シートリング24の他に、カーボンフェルトリング21の下側に同様のシートリング23を設け、カーボンフェルトリング22の上側に同様のシートリング25を設けた例を挙げている。
シートリング23〜25は、図2Cにその上面図を示すようにリング状のシートであり、カーボンであること、特に高純度カーボンであることが好ましいが、それに限らず石英など、他の耐熱性素材を用いてもよい。なお、シートリング23〜25の内径D2は異なっても同じであってもよいが、高密度であって収縮力がなく且つスリットも入れていないことを前提とした場合は、上述したように上記有効部の最大外径以上である必要がある。
カーボンフェルトリング21,22及びシートリング23〜25は、図示する順番で炉筐体11の上端部11aに重ねて載置されており、シートリング25の上側には、カーボンフェルトリング21,22やカーボンシートリング23〜25が浮いて気密性を損なわないように、石英リング26が設けられている。蓋体40を設ける場合には線引きの進行に伴って蓋体40の下端がこの石英リング26の上端に接することになる。石英リング26の材質は石英に限らず、耐熱性があれば金属などであってもよい。また、シール部20には、リング21〜26の外枠として、耐熱性がある素材で形成された円筒形の筐体27が設けられている。
なお、線引炉10の炉内へガスを供給するガス導入口やガス供給機構について図示していないが、例えば、シートリング23の下側と上端部11aとの間に不活性ガス等が供給されるガス導入口を設けておき、そのガス導入口から図示しないガス供給機構により炉内へガスを供給するようにしてもよい。供給するガスは、ヘリウムガス、アルゴンガス、窒素ガスや、それらの混合ガスなどが挙げられる。
本実施形態に係る光ファイバ製造方法では、このようなシール部20を用いて線引きを行う。そして、伸縮性のあるカーボンフェルトリングの内側を光ファイバ母材1の有効部に接触させてシールしているため、光ファイバ母材1の外径φの変動に追従させることができ、シールを維持できる。
さらに、本実施形態では、2枚以上のカーボンフェルトリングによってシールすることで、より気密性を高められるだけでなく、2枚以上のフェルトリングのうち少なくとも1つが内径D1を異ならせているため、光ファイバ母材1の外径φの長手方向変動があった場合でも、よりフェルトの気密性維持が容易となる。具体的には、フェルトは伸縮性を有するといってもある一定以上引き伸ばされると、内径D1が復元されるまでの間、シール性能が低下する。しかし、内径D1が大きいカーボンフェルトリングが配置されているので、同じようにシール性能が劣化する可能性が低く、シール性能低下のリスクを軽減でき、シールがより維持し易くなる。また、何本もの光ファイバ母材1を線引することで、仮に内径D1が小さい方の可撓性が損なわれた場合でも、損なわれた方のカーボンシートリングだけを交換することで、シールを維持させることができる。
さらに、本実施形態では、カーボンフェルトリング21,22の間にシートリング24を設置しているため(スペースがあるため)、光ファイバ母材1の太い部分が通過する際の、カーボンフェルトリング21,22の曲がり具合を異ならせることができる。これに加えて、シートリング24により、カーボンフェルトリング間の摩擦を低減し、カーボンフェルトリング同士が擦れることによるダストの発生を抑制することができる。
以上のように、本実施形態によれば、外径φの変動が大きい光ファイバ母材1であっても、線引炉における上端開口部と光ファイバ母材1との間に生じる隙間を簡易で確実にシールしながら、線引きを行うことが可能になる。
また、上記2枚以上のカーボンフェルトリングはいずれも、上記有効部の最小外径以下の内径をもつことが好ましい。これにより、全てのカーボンフェルトリングで常にシールを行いつつ、内径D1の大きなカーボンフェルトリングにより、光ファイバ母材1の有効部が拡径した後に縮径した場合であっても、追従してシールさせることができる。
最後に、図3を参照しながら、上述した光ファイバ製造装置を用いて線引きを行った際の、光ファイバ母材(ガラス母材)1の外径(平均径からの変動値)及び線引炉内の内部圧力の変動結果について説明する。図3に示す変動結果は、ガラス母材1に対して、図2Aで例示したような2枚のシールでのシール性能を評価した結果である。ここでは、シートリング23〜25として、内径がガラス母材最大径+14mm、厚み1mmのカーボンシートリングを用い、カーボンフェルトリング21として、内径がガラス母材最大径−11mm、厚み5mmのカーボンフェルトリングを用い、カーボンフェルトリング22として、内径がガラス母材最大径−6mm、厚み5mmのカーボンフェルトリングを用いた。なお、カーボンフェルトリング21,22のうちの少なくとも内径の小さい方は、ガラス母材の有効部の最小外径以下としている。
その結果、このガラス母材1は、線引きの進行に伴ってガラス母材1の下からの位置(初期の最下点を0mmとした位置)が増すに連れて、ガラス母材1の有効部の外径φが一旦小さくなり、その後、大きくなり、最後にまた小さくなるものであったが、そのときの線引炉10内の内部圧力の基準圧力(最大圧力)に対する変動量(低下量)は0.2Pa程度となり、炉の気密を維持できることを確認した。
上述したように、図3の結果では、0.2Pa程度の圧力低下に留まっており、炉の気密を維持できることが確認できた。これに対し、内径が大きい方のカーボンフェルトリング22を設けない場合(1枚のシール)でも実験を行ったが、圧力低下はこれより大きく0.4Pa程度となった。
今回開示された実施の形態は全ての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した意味ではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内での全ての変更が含まれることが意図される。
1…光ファイバ母材、2…支持棒、3…光ファイバ、10…線引炉、11…炉筐体、11a…上端部、12…炉心管、13…ヒータ、14…断熱材、15…隙間、16…排出孔、20…シール部、21,22…カーボンフェルトリング、23,24,25…シートリング、26…石英リング、27…筐体、40…蓋体、40a…貫通孔、40b…肩部。

Claims (3)

  1. 線引炉における上端開口部と光ファイバ母材との間の間隙をシール部でシールしながら、光ファイバの線引きを行う光ファイバ製造方法であって、
    前記シール部として、前記光ファイバ母材の有効部の最大外径以下の内径をもつ2枚以上のカーボンフェルトリングと、該カーボンフェルトリング間に設けた前記有効部の最大外径以上の内径をもつシートリングと、を用いて、前記線引きを行い、
    前記2枚以上のカーボンフェルトリングのうち少なくとも1枚は、他のカーボンフェルトリングと内径が異なり且つ前記有効部の最小外径以下の内径をもつ、光ファイバ製造方法。
  2. 前記2枚以上のカーボンフェルトリングはいずれも前記有効部の最小外径以下の内径をもつ、請求項1に記載の光ファイバ製造方法。
  3. 光ファイバ母材を挿入するための上端開口部を有する線引炉と、該上端開口部と挿入された該光ファイバ母材との間の隙間をシールするためのシール部と、を備えた光ファイバ製造装置であって、
    前記シール部は、前記光ファイバ母材の有効部の最大外径以下の内径をもつ2枚以上のカーボンフェルトリングと、該カーボンフェルトリング間に設けた前記有効部の最大外径以上の内径をもつシートリングと、を有し、
    前記2枚以上のカーボンフェルトリングのうち少なくとも1枚は、他のカーボンフェルトリングと内径が異なり且つ前記有効部の最小外径以下の内径をもつ、光ファイバ製造装置。
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