JP5880522B2 - 光ファイバ製造方法及び光ファイバ線引炉 - Google Patents

光ファイバ製造方法及び光ファイバ線引炉 Download PDF

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Description

本発明は、光ファイバ用ガラス母材から光ファイバを溶融線引きして光ファイバを製造する光ファイバ製造方法及びこれに用いる光ファイバ線引炉に関する。
石英を主成分とする光ファイバ用ガラス母材(以下、単にガラス母材ともいう)を溶融線引きして光ファイバを製造するために光ファイバ線引炉(以下、単に線引炉ともいう)が用いられている。光ファイバは、ガラス母材を線引炉の上方から炉心管内に下降させながらその先端が加熱溶融され、ガラス母材の先端が細径化されて線引炉の下方から線引きされることにより製造される。このときの線引炉内の温度は、約2000℃と非常に高温となるので、線引炉内の部品には、耐熱性に優れたカーボンなどが用いられている。
このカーボンは、高温の酸素含有雰囲気中で酸化して消耗する性質を有する。このため、線引炉内は、アルゴンガスやヘリウムガス等の希ガス、窒素ガス(以下、不活性ガス等という)の雰囲気に保つ必要がある。そして、この場合、線引炉内を陽圧にし、外気(酸素)が線引炉内に入り込むことを防いでいるが、線引炉内の圧力変動が大きくなると、これに伴って光ファイバのガラス径が変動(線径変動)する場合がある。
光ファイバのガラス径の変動許容範囲は、シングルモード光ファイバの国際規格であるITU−T(International Telecommunication Union-Telecommunication sector)G652Dによれば、±1μmと規定されている。この規定を満足するために、線引炉内の圧力変動を抑える種々の工夫がなされている。
上記の線引炉に係る従来技術として、例えば、特許文献1には、ガラス母材を加熱溶融して光ファイバに加工するドロー加熱炉を備え、ドロー加熱炉の上端部及び下端部からヘリウムガスや、窒素ガス、アルゴンガスなどの不活性ガス等を供給する技術が開示されている。
また、特許文献2には、ヒータで囲まれた炉心管の上方に煙突状の上部チャンバを有し、上部チャンバの上端部を加熱保温することで、炉心管の周囲と上部チャンバの上端部との温度差を小さくし、線引炉内での対流の発生を防いで圧力変動を防止する技術が開示されている。また、特許文献3には、線引炉内の圧力が一定になるように、線引炉上方のガス吹き込み口から供給するガス流量を調整する技術が開示されている。
特表2013−512463号公報 特開平9−2832号公報 特開2000−63142号公報
上記の不活性ガス等としては、通常、熱伝導率の高いヘリウムガスが使用されるが、このヘリウムガスは高価且つ希少であることから、アルゴンガスなどの比較的安価なガスを混合して使用することが提案されている。この場合、単純にヘリウムガスにアルゴンガスを混合すると、アルゴンガスは熱伝導率が低いために、炉内に圧力変動を発生させ、この圧力変動に起因して光ファイバのガラス径が変動する虞がある。
もう少し具体的に説明すると、線引炉内での圧力変動は、上部チャンバの内部で発生するものと考えられる。すなわち、上部チャンバは、ヒータで囲まれた炉心管上方に設置されているため、ヒータで温められたガスが上部チャンバへ上昇し、上部チャンバ内部で冷却されて再び下降する。この際、アルゴンガスなどの熱伝導率の低いガスを使用すると、上部チャンバ内のガス密度と炉心管内のガス密度とで密度差(温度差)が大きくなり、この密度差により対流現象が発生し易くなる。これにより、加熱軟化状態にあるガラス母材の下端部の雰囲気を形成するガスの流れが不安定となり、光ファイバのガラス径の変動が大きくなる。
ヘリウムガスのみを不活性ガス等として使用する場合、ガス温度差による密度差はアルゴンガスと比べておよそ1/10程度と小さいため、あまり問題にならなかったが、ヘリウムガスにアルゴンガスが微小量でも混入されると、これに起因して対流現象が発生し、この結果、光ファイバのガラス径が変動する。従って、ヘリウムガスとアルゴンガスとの混合ガスを、単純にヘリウムガスに置き換えて使用する場合、上述の±1μmという規定を満足させることは難しい。
上記より、ヘリウムガス単独で使用することが望ましいが、上述したようにヘリウムガスは高価且つ希少であることから、その使用量は出来るだけ少なくしたい。しかしながら、線引炉内を下向きに流すガス流量をある程度確保しないと、炉内に煤が溜まるなどの不具合が生じてしまうため、単純に流量を減らすだけでは、問題は解決しない。従って、ヘリウムガスの使用量を減らしつつ、対流現象による圧力変動を低減し、さらに、ガス流量をある程度確保できる方法が望まれる。
これに対して、特許文献1には、ドロー加熱炉の上端及び下端からヘリウムガス、窒素ガス、アルゴンガスなどの不活性ガス等を供給することが開示されているが、供給するガス種が特定されておらず、上記のような課題を解決するものではない。また、特許文献2,3には、線引炉内の圧力変動がガスの対流現象の影響を受けることについて示唆されているが、やはり上記のような課題を解決するものではない。
本発明は、上述のような実情に鑑みてなされたもので、ヘリウムガスの使用量を減らしつつ、線引炉内のガスの対流現象による圧力変動を低減すると共に、ガス流量をある程度確保できる光ファイバ製造方法及びこれに用いる光ファイバ線引炉を提供することを目的とする。
本発明は、
(1)光ファイバ用ガラス母材が供給される炉心管と、該炉心管の周囲に設けられた加熱部と、前記炉心管の上方に連結され且つ前記光ファイバ用ガラス母材を収容する上部チャンバとを備え、前記光ファイバ用ガラス母材の下端部を加熱溶融させて光ファイバを線引きする光ファイバ線引炉を用いた光ファイバ製造方法であって、上端が蓋体により封止された前記上部チャンバに設けられた第1のガス導入路からヘリウムガスを供給すると共に、前記第1のガス導入路の下部であり、且つ前記上部チャンバの下端部もしくはそれより下部に設けられた第2のガス導入路からアルゴンガスまたは窒素ガスを供給する。
(2)光ファイバ用ガラス母材が供給される炉心管と、該炉心管の周囲に設けられた加熱部と、前記炉心管の上方に連結され且つ前記光ファイバ用ガラス母材を収容する上部チャンバとを備え、前記光ファイバ用ガラス母材の下端部を加熱溶融させて光ファイバを線引きする光ファイバ線引炉であって、上端が蓋体により封止された前記上部チャンバに第1のガス導入路を設けると共に、該第1のガス導入路の下部であり、且つ前記上部チャンバの下端部もしくはそれより下部に第2のガス導入路を設け、前記第1のガス導入路からヘリウムガスが供給されると共に、前記第2のガス導入路からアルゴンガスまたは窒素ガスが供給される。
上記発明によれば、上部チャンバに設けられた第1のガス導入路からヘリウムガスを供給すると共に、第1のガス導入路の下部に設けられた第2のガス導入路からアルゴンガスまたは窒素ガスとを供給することにより、ヘリウムガスの使用量を減らしつつ、線引炉内のガスの対流現象による圧力変動を低減すると共に、ガス流量をある程度確保することができる。
本発明の一実施形態に係る光ファイバ製造方法及びこれに用いる光ファイバ線引炉の概要について説明する図である。 ガス供給機構の他の例を示す図である。 アルゴンガスの割合に応じたガラス外径変動及び炉内圧変動の計測結果の一例を示す図である。 図3の計測結果をグラフに示した図である。
(本発明の実施形態の説明)
最初に本発明の実施形態の内容を列記して説明する。
本発明は、
(1)光ファイバ用ガラス母材が供給される炉心管と、該炉心管の周囲に設けられた加熱部と、前記炉心管の上方に連結され且つ前記光ファイバ用ガラス母材を収容する上部チャンバとを備え、前記光ファイバ用ガラス母材の下端部を加熱溶融させて光ファイバを線引きする光ファイバ線引炉を用いた光ファイバ製造方法であって、前記上部チャンバに設けられた第1のガス導入路からヘリウムガスを供給すると共に、前記第1のガス導入路の下部に設けられた第2のガス導入路からアルゴンガスまたは窒素ガスを供給する。これにより、ヘリウムガスの使用量を減らしつつ、線引炉内のガスの対流現象による圧力変動を低減すると共に、ガス流量をある程度確保することができる。
(2)光ファイバ用ガラス母材が供給される炉心管と、該炉心管の周囲に設けられた加熱部と、前記炉心管の上方に連結され且つ前記光ファイバ用ガラス母材を収容する上部チャンバとを備え、前記光ファイバ用ガラス母材の下端部を加熱溶融させて光ファイバを線引きする光ファイバ線引炉であって、前記上部チャンバに第1のガス導入路を設けると共に、該第1のガス導入路の下部に第2のガス導入路を設け、前記第1のガス導入路からヘリウムガスが供給されると共に、前記第2のガス導入路からアルゴンガスまたは窒素ガスが供給される。これにより、上記と同様に、ヘリウムガスの使用量を減らしつつ、線引炉内のガスの対流現象による圧力変動を低減すると共に、ガス流量をある程度確保することができる。
(3)また、前記第2のガス導入路を前記上部チャンバに設ける場合、前記第2のガス導入路の先端部分は、前記炉心管の方向に屈曲していることが好ましい。これにより、アルゴンガスまたは窒素ガスを確実に下向きに流すことが可能となる。
(本発明の実施形態の詳細)
以下、本発明の実施形態に係る光ファイバ製造方法及び該方法に用いる光ファイバ線引炉の具体例を、図面を参照しつつ説明する。なお、本発明はこれらの例示に限定されるものではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内での全ての変更が含まれることが意図される。
図1は、本発明の一実施形態に係る光ファイバ製造方法及びこれに用いる光ファイバ線引炉の概要について説明する図である。なお、以下ではヒータにより炉心管を加熱する抵抗炉を例に説明するが、コイルに高周波電源を印加し、炉心管を誘導加熱する誘導炉にも、本発明は適用可能である。
図1において、10は光ファイバ線引炉(以下、線引炉)、11は光ファイバ用ガラス母材(以下、ガラス母材)、12は光ファイバ、13はダミー棒、14は連結部分、15は炉心管、16はヒータ、17は断熱材、18は炉筐体、19は下部チャンバ、20は上部チャンバ、21は蓋体、21aは上端開口、22aは第1のガス導入路,22bは第2のガス導入路、23aは第1のガス供給部、23bは第2のガス供給部を示す。
線引炉10は、大きく分けて、炉筐体18、下部チャンバ19、及び上部チャンバ20からなる。炉心管15は、炉筐体18の中央部に円筒状に形成され、下部側が下部チャンバ19に連結され、上部側が上部チャンバ20に連結されている。炉心管15はカーボン製であり、この炉心管15内には、ガラス母材11が上部チャンバ20を介して挿入される。
上部チャンバ20は、炉心管15と同程度の内径を有し、上端に蓋体21を配して封止(シール)される。蓋体21には上端開口21aが形成され、ガラス母材11と同種のガラスロッドからなるダミー棒13を挿通させる。炉筐体18内には、本発明の加熱部の一例であるヒータ16が炉心管15を囲むように配され、断熱材17がヒータ16の外側を覆うように収納される。ヒータ16は、炉心管15の内部に挿入されたガラス母材11を加熱溶融し、溶融縮径した光ファイバ12を下部チャンバ19から垂下させる。
ガラス母材11は、ダミー棒13に連結する連結部分14にて溶着、あるいは、連結部材を介して接続一体化される。また、ガラス母材11は、移動機構(図示せず)により線引方向(上下方向)に移動可能になっている。
線引炉10にはガスの供給機構が設けられている。より具体的には、上部チャンバ20に第1のガス導入路22a及び第1のガス供給部23aが設けられ、第1のガス導入路22aの下部に第2のガス導入路22b及び第2のガス供給部23bが設けられる。これにより、不活性ガス等が線引炉10内に送り込まれ、炉心管15、ヒータ16回りの酸化や劣化防止を図ることができる。
この不活性ガス等の供給量は、常に一定量流すようにしてもよく、また、ガス供給部23でP制御(Proportional Control:比例制御)、I制御(Integral Control:積分制御)、D制御(Derivative Control:微分制御)、あるいは、これらを適宜組み合わせた各種制御を適用するようにしてもよいが、制御方法はこれらに限定されるものではない。なお、このガス供給部23として、マスフローコントローラ(MFC)を使用しても良い。
なお、この不活性ガス等は、ガラス母材11と炉心管15との隙間を通り、線引きされた光ファイバ12と共に、下部チャンバ19の下方のシャッター部分などからも外部に放出される。
ここで、線引炉10内に送り込む不活性ガス等として、熱伝導率の低いアルゴンガスを、このアルゴンガスの約10倍近く熱伝導率の高いヘリウムガスに混ぜて使用すると、前述したようにヘリウムガスを100%使用する場合と比べて温度ムラに起因した圧力変動が発生し易くなり、光ファイバ12の線径変動(ガラス外径変動)が大きくなる。なお、アルゴンガスに代えて窒素ガスを用いても概ね似たような結果となる。
本発明の主たる目的は、ヘリウムガスの使用量を減らしつつ、線引炉内のガスの対流現象による圧力変動を低減すると共に、ガス流量をある程度確保できるようにすることにある。このための構成として、線引炉10は、ガラス母材11が供給される炉心管15と、炉心管15の周囲に設けられた加熱部の一例であるヒータ16と、炉心管15の上方に連結され且つガラス母材11を収容する上部チャンバ20とを備え、ガラス母材11の下端部を加熱溶融させて光ファイバを線引きする。そして、上部チャンバ20に設けられた第1のガス導入路22aからヘリウムガスを供給すると共に、第1のガス導入路22aの下部に設けられた第2のガス導入路22bからアルゴンガスまたは窒素ガスを供給する。以下、アルゴンガスを例示して説明するが、窒素ガスを用いても同様の効果が得られることは言うまでもない。
図1において、第1のガス導入路22aと第2のガス導入路22bとの位置関係は、上部チャンバ20に対して、第1のガス導入路22aが上端部、第2のガス導入路22bが下端部に配置された場合を例示しているが、第1のガス導入路22aが第2のガス導入路22bよりも上方に配置されていればよく、上部チャンバ20の上端部及び下端部に配置関係を限定するものではない。但し、第1のガス導入路22aは、Heガスを上部チャンバ20に満たすために、上部チャンバ20にあることが必要であり、また、第2のガス導入路22bは、上部チャンバ20の下端部もしくはそれより下部に配置したほうがより圧力変動を小さくすることができため、より好ましい。
上記より、上部チャンバ20に設けられたガス導入路からヘリウムガスを供給することで、上部チャンバ20はヘリウムガスで満たされる。このため、対流の発生が抑制され、炉内圧の変動が低減される。また、第1のガス導入路22aの下部からアルゴンガスを供給することで、炉心管15にはヘリウムガスとアルゴンガスの合計流量が流れるため、煤が溜まるなどの不具合が生じないよう必要十分なガス流量が確保される。なお、第1のガス導入路22a及び第2のガス導入路22bはそれぞれ1ヶ所に限らず、複数箇所に設けるようにしてもよい。
図2は、ガス供給機構の他の例を示す図である。本例では、第2のガス導入路22b′が上部チャンバ20に設けられており、第2のガス導入路22b′の先端部分は、炉心管15の方向(下向き)に屈曲している。炉出口が下方にあるため、上部チャンバ20の側面から導入されたガスは通常下向きに流れるが、屈曲させることにより、第2のガス導入路22b′から供給されるアルゴンガスを確実に下向きに流すことが可能となる。なお、第2のガス導入路22b′の先端部分の屈曲形状は、真下を向く形状でなくてもよく、斜め下を向くような形状であってもよい。
図3は、アルゴンガスの割合に応じたガラス外径変動及び炉内圧変動の計測結果を示す図である。図3(A)は比較例であり、図1の第1のガス導入路22aからヘリウムガスとアルゴンガスの混合ガスを供給した場合の例である。この場合、第2のガス導入路22bは閉止とする。また、図3(B)は実施例であり、図1の第1のガス導入路22aからヘリウムガス、第2のガス導入路22bからアルゴンガスを別々に供給した場合の例である。
なお、図3(A)の比較例と図3(B)の実施例とにおいて、ヘリウムガスとアルゴンガスとを合計した合計流量は、各条件で同じになるようにしている。また、炉内圧変動(Pa)は、線引炉10の基準内圧に対してのばらつき(標準偏差)を計測し、その3倍とした値(3σ)である。また、ガラス外径変動(μm)は、光ファイバ12の基準外径(125μm)からのばらつき(標準偏差)を計測し、その3倍とした値(3σ)である。
一般的に、アルゴンガスを使用する割合が大きくなるに連れて線引炉内の圧力変動が大きくなる。そして、図3(A)の比較例の場合、ヘリウムガスとの混合ガスとして供給されるアルゴンガスの割合(%)を0,33,50と大きくしていくと、線引炉10の炉内圧変動(Pa)が大きくなり、これに伴い光ファイバ12のガラス外径変動(μm)も大きくなることが分かる。
これに対して、図3(B)の実施例の場合、ヘリウムガスとは別々に供給されるアルゴンガスの割合(%)を0,11,50,60と大きくしても、線引炉10の炉内圧変動(Pa)は低いレベルである程度一定に維持され、光ファイバ12のガラス外径変動(μm)も抑制されていることが分かる。
図4は、図3の計測結果をグラフに示した図である。図4(A)はアルゴンガスの割合(アルゴン濃度)と炉内圧変動との関係を示し、図中、横軸はアルゴン濃度(%)、縦軸は炉内圧変動(±3σ)(Pa)を示す。また、図4(B)はアルゴン濃度とガラス外径変動との関係を示し、図中、横軸はアルゴン濃度(%)、縦軸はガラス外径変動(±3σ)(μm)を示す。
図4(A)において、比較例31の場合、アルゴン濃度が大きくなるに連れて炉内圧変動も大きくなる。これに対して、実施例32の場合、アルゴン濃度が大きくなっても炉内圧変動は低いレベルである程度一定に維持され、比較例31と比べ低減されている。図4(B)においても同様のことが言えるが、比較例33の場合、アルゴン濃度が大きくなるに連れてガラス外径変動も大きくなる。これに対して、実施例34の場合、アルゴン濃度が大きくなってもガラス外径変動は低いレベルである程度一定に維持され、比較例33と比べ低減されている。
以上より、上部チャンバ内をヘリウムガスで満たすことで、炉内の圧力変動を低減させて、光ファイバのガラス外径の変動を抑制することができる。一方、炉心管内に流すガスは、ヘリウムガスとアルゴンガスの混合ガスとしてガス流量を確保することで、煤が溜まるなどの不具合の発生を防止することができる。そして、ヘリウムガスの一部をアルゴンガスで代替することで、ヘリウムガスの使用量を減らすことができる。
10…光ファイバ線引炉(線引炉)、11…光ファイバ用ガラス母材(ガラス母材)、12…光ファイバ、13…ダミー棒、14…連結部分、15…炉心管、16…ヒータ、17…断熱材、18…炉筐体、19…下部チャンバ、20…上部チャンバ、21…蓋体、21a…上端開口、22a…第1のガス導入路,22b,22b′…第2のガス導入路、23a…第1のガス供給部、23b…第2のガス供給部。

Claims (3)

  1. 光ファイバ用ガラス母材が供給される炉心管と、該炉心管の周囲に設けられた加熱部と、前記炉心管の上方に連結され且つ前記光ファイバ用ガラス母材を収容する上部チャンバとを備え、前記光ファイバ用ガラス母材の下端部を加熱溶融させて光ファイバを線引きする光ファイバ線引炉を用いた光ファイバ製造方法であって、
    上端が蓋体により封止された前記上部チャンバに設けられた第1のガス導入路からヘリウムガスを供給すると共に、前記第1のガス導入路の下部であり、且つ前記上部チャンバの下端部もしくはそれより下部に設けられた第2のガス導入路からアルゴンガスまたは窒素ガスを供給する、光ファイバ製造方法。
  2. 光ファイバ用ガラス母材が供給される炉心管と、該炉心管の周囲に設けられた加熱部と、前記炉心管の上方に連結され且つ前記光ファイバ用ガラス母材を収容する上部チャンバとを備え、前記光ファイバ用ガラス母材の下端部を加熱溶融させて光ファイバを線引きする光ファイバ線引炉であって、
    上端が蓋体により封止された前記上部チャンバに第1のガス導入路を設けると共に、該第1のガス導入路の下部であり、且つ前記上部チャンバの下端部もしくはそれより下部に第2のガス導入路を設け、前記第1のガス導入路からヘリウムガスが供給されると共に、前記第2のガス導入路からアルゴンガスまたは窒素ガスが供給される、光ファイバ線引炉。
  3. 前記第2のガス導入路を前記上部チャンバに設ける場合、前記第2のガス導入路の先端部分は、前記炉心管の方向に屈曲している、請求項2に記載の光ファイバ線引炉。
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