JP5021289B2 - 筆記具 - Google Patents

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本発明は、軸筒の把持部位に滑り止めなどを目的として、弾性変形可能な軟質材料からなる筒状のグリップ(弾性把持部材)を具備した、例えばボールペンやシャープペンシルやサインペンなどの筆記具に関する。
詳しくは、グリップの端部の位置ズレ防止機構を備えた筆記具に関する。
従来、この種の筆記具として、グリップ(外被体30)の後端に内方へ向けて複数の凸部(後方厚肉部33)を周方向へ等間隔毎に突出形成し、これら凸部を夫々軸筒(20)の外周面及びその後方固定突起(23)の間に区画形成された凹部(空間)へ嵌め込み、その外側から係止リング(後方止めリング44)で覆って挟み込むことにより、グリップの後端凸部(後方厚肉部33)と軸筒(20)とが凹凸嵌合され、これら後方固定突起(23)と係止リング(後方止めリング44)との間に幅狭の後方幅狭部(57)を形成して、筆記時の把持圧でグリップ(外被体30)の後端部に前方への押圧力が掛かったとしても、該グリップの後端凸部(後方厚肉部33)が後方幅狭部(57)を通過できないようにしたものがある(例えば、特許文献1参照)。
また、軸筒とグリップとの固定を、グリップの後方に、1個以上の凹部や貫通孔(穴)を形成し、この凹部や貫通孔に係合する突起を前記軸筒側に形成して、それらの凹凸嵌合や又は貫通孔に突起を挿通した軸嵌合で前方へ移動不能に保持することにより、グリップと軸筒の緩みや空回り等が防止されるものもある(例えば、特許文献2参照)。
しかし乍ら、このような従来の筆記具によれば、特許文献1の場合は、グリップ(外被体30)の後端部に前方への押圧力が掛かると、グリップ(外被体30)の後端部全体が軸方向へ伸び変形して、この前方への押圧力が、複数の凹凸嵌合部だけに局部的に掛かるため、軟質材料からなる各凸部(後方固定突起23)の肉厚寸法が薄くなり易く、それにより凹凸嵌合部が外れて、グリップ(外被体30)が前方へ位置ズレする恐れがあるという問題がある。
また、特許文献2の場合には、グリップの後端部に前方への押圧力が掛かると、グリップの後端部全体が軸方向へ伸び変形して、この前方への押圧力が凹凸嵌合部や軸嵌合部に局部的に掛かるため、軟質材料からなる凹部や貫通孔の肉厚寸法が薄くなり易く、それにより凹凸嵌合部が外れたり、貫通孔が断裂するなどして前方への位置ズレする恐れがあるという問題がある。
特に、近年では把持感触を向上する観点などから、例えばゴム硬度が40度以下の極軟質な材料で成形したグリップが増えつつあり、その場合には、上述した位置ズレの発生が顕著となり、長期に亘って快適な把持感触を持続できないという問題があった。
特開2005−07585号公報(第4,5,7,8頁、図2−8) 特開2005−67085号公報(第3,4頁、図1,3−8)
本発明は、上記従来事情に鑑みてなされたもので、その課題とするところは、成形材料に関係なくグリップ端部の前方及び周方向への位置ズレや空回りと緩みやめくれを確実に防止した筆記具を提供することにある。
上記課題を解決するために第一の発明は、軸筒の把持部位に軟質材料からなる筒状のグリップを具備した筆記具において、前記グリップの端部外周面と対向する係止リングを、軸筒側に対してその軸方向へ向け移動不能に止着し、この係止リングの外周に被覆リングを被せて、該係止リングを縮径し、係止リングの内周部をグリップの端部外周面に食い込ませたことを特徴とする。
また、第二の発明は、上記係止リングの内周部に周方向へわたる単数もしくは複数の係止突起を設け、この係止突起をグリップの端部外周面に食い込ませたことを特徴とする。
また、第三の発明は、上記係止リングが、周方向に対し交差する切れ目を有することを特徴とする。
また、第四の発明では、上記切れ目を、上記軸筒の外周面に設けた凸部に嵌め合わせるようにしたことを特徴とする。
また、第五の発明では、上記係止リングを、上記切れ目と逆側の箇所で上記軸筒に対し凹凸状に嵌め合わせたことを特徴とする。
また、第六の発明では、上記軸筒には、上記グリップの後端部に対し後方から当接するように環状突起が設けられ、上記係止リングは、その後端側内周面に配設された鍔部を前記環状突起に対し後方から当接させるとともに、上記グリップの後端部および前記環状突起を覆うように設けられていることを特徴とする。
また、第七の発明では、上記軸筒側とグリップとの間に、これら双方を周方向へ移動不能に係合する位置決め手段を設けたことを特徴とする。
また、第八の発明では、上記位置決め手段が、軸筒に形成される凸部と、グリップの端部に形成される凹部とからなり、この凹部を該端部の厚み方向一部分のみに部分的に形成し、同厚み方向の他の部分には、このグリップを周方向へ連続させる連絡部を形成したことを特徴とする。
また、第九の発明では、上記係止リングを全周にわたって連続する環状に形成するとともに、上記係止突起を、上記係止リングの略全周にわたって設けたことを特徴とする。
また、第十の発明では、上記係止リングの前端側に係止凹部を形成するとともに、軸筒には凸部を形成し、これら係止凹部と凸部とを軸方向へ凹凸嵌合させたことを特徴とする。
本発明は、以上説明したように構成されているので、以下に記載されるような作用効果を奏する。
第一の発明によれば、係止リングの内周部をグリップの端部外周面に食い込ませた状態が、係止リングの周囲に被せた被覆リングによって維持されるとともに、グリップ端部の厚み方向への拡径及び変形も抑制される。
したがって、筆記時の把持圧でグリップに対し前方への押圧力が掛かったり、グリップに対し周方向への回転力(捻れ力)が作用したりても、グリップの前方への移動や回転移動を阻止することができる。
しかも、弾性を有する凸部を軸筒に嵌め合わせるようにした従来技術と比較し、グリップが局部的な変形によって外れてしまうようなことを、確実に防ぐことができる。
そのため、成形材料に関係なくグリップ端部の前方及び周方向への位置ズレや空回りと緩みやめくれを確実に防止することができ、例えばゴム硬度が40度以下の極軟質な材料でグリップを成形しても、部分的な変形や断裂が発生せず、長期に亘って快適な把持感触を持続できる。
更に、係止リングが被覆リングにより隠れるので、装飾効果が得られると共にデザインの自由度も増える。
更に、第二の発明によれば、係止リングの内周部の係止突起が周方向へわたってグリップに食い込むため、グリップの局部的な変形や断裂をより確実に防止することができる。
更に、第三の発明によれば、係止リングを切れ目によって弾性的に拡縮し易くしたため、グリップに対し係止リングを、より密着させて食い込ませることができる上、係止リングをグリップ端部外周面に組み付ける際の製造作業性も向上することができる。
更に、第四の発明によれば、切れ目と軸筒外周面の凸部との嵌り合いにより、係止リングが周方向へ回転してしまうのを阻むことができ、ひいては、グリップの周方向への回転を、より確実に防ぐことができる。
更に、第五の発明によれば、製造時に係止リングと軸筒とが凹凸状に嵌り合って位置決めされるため、係止リングを軸筒に組み付ける際の作業性を向上することができる上、使用時における係止リングのずれも防ぐことができ、ひいては、グリップの軸方向への移動および周方向への回転を、一層確実に防ぐことができる。
更に、第六の発明によれば、係止リングが軸筒前方へ移動してしまうのを、係止リング側の鍔部と軸筒側の環状突起との当接により防ぐことができ、ひいては、グリップの前方への移動を、より確実に防ぐことができる。
更に、第七の発明によれば、軸筒側とグリップとの間に、これら双方を周方向へ移動不能に係合する位置決め手段を設けることにより、組立時において軸筒側とグリップが位置合わせされ、また筆記時の把持圧でグリップに対し周方向への押圧(捻れ力)が作用しても、位置決め手段でグリップの回転移動が阻止される。
従って、軸筒とグリップを周方向へ正確に位置合わせしながらグリップの空回りをより効果的に防止することができる。
更に、第八の発明によれば、位置決め手段が、軸筒に形成される凸部と、グリップの端部に形成される凹部とからなり、この凹部を該端部の厚み方向一部分のみに部分的に形成し、同厚み方向の他の部分には、このグリップを周方向へ連続させる連絡部を形成することにより、連絡部でグリップが筒状に連続して厚み方向に貫通しない構造となっている。
従って、グリップ端部の拡径や変形を抑制しながら断裂を確実に防止することができる。
よって、グリップの凹部及び軸筒側の凸部からなる嵌合部分の強度アップをも図れる。
また、第九の発明によれば、環状の係止突起、グリップの端部外周面に対し周方向略全周に亘って食い込むので、筆記時の把持圧でグリップに対し前方への押圧力が掛かっても、グリップの端部外周面は、環状の係止突起で周方向略全周に亘って前方へ移動不能に咬持される。このため、前方への押圧力が集中せずに周方向へ略均等に掛かると共に、グリップに対し周方向への押圧(捻れ力)が作用しても、グリップの回転移動阻止することができる。
従って、成形材料に関係なくグリップ端部の前方及び周方向への位置ズレや空回りと緩みやめくれを確実に防止することができる。
よって、グリップの端部が凹凸嵌合や軸嵌合で前方へ移動不能に保持される従来技術と比べ、例えばゴム硬度が40度以下の極軟質な材料でグリップを成形しても、部分的な断裂が発生せず、長期に亘って快適な把持感触を持続できる。
更に、第十の発明によれば、係止リングの係止凹部と軸筒の凸部とが嵌り合って、係止リングの軸方向前方への移動および回転が阻止される。
従って、簡単な構造で軸筒に係止リングを確実に止着することができる。
本発明の筆記具A及び筆記具Bは、図1〜図7に示す如く、軸筒1,11と、その把持部位1aを覆うように挿着されるグリップ2と、このグリップ2の後端部外周面2a及び又は前端部外周面と対向当接する係止リング3,13とを備え、この係止リング3,13を、軸筒1,11側に対して軸方向か或いは少なくとも前方(図面では下方)へ向け移動不能に止着し、該係止リング3,13の外周に被覆リング5,15を被せて、該係止リング3,13を縮径し、係止リング3,13における内周部の環状の係止突起3a,13aを、グリップ2の後端部外周面2a及び又は前端部外周面に対し食い込ませたものである。
前記グリップ2は、好ましくはゴム硬度が5〜40度、詳しくは15度程度の極軟質な材料で、略円筒状か又は断面三角形や多角形などの角筒状に形成され、その内径を前記軸筒1,11の把持部位1aの外径と略同じとするか、或いはそれよりも若干大きくして、把持部位1aへの挿入を容易にすると共に、その後端部及び又は前端部を円筒状に形成している。
その他の例として、予め複数に分割形成された部品を相互に連結することで、筒状のグリップ2となるようにしたり、例えば特開2005−07585号公報に開示されるように、グリップ2と軸筒1,11の把持部位1aとの間に、緩衝目的でゲル状物質などを介在させることも可能である。
前記係止リング3,13は、例えば金属や合成樹脂などの弾性的に撓み変形可能な硬質材料で環状もしくは略C字状に形成され、その内径を前記グリップ2の後端部外周面2a及び又は前端部外周面の外径と略同じか又はそれよりも若干大きく形成し、その前端側内周面及び又は後端側内周面には、内方へ向け突出する係止突起3a,13aを、その内端へ向けて徐々に肉厚寸法が薄くなるように尖らせて形成している。
この係止リング3,13の軸筒1,11側に対する止着手段としては、該係止リング3,13に凹部又は凸部を形成し、この凹部又は凸部と軸方向へ係合する凸部又は凹部を前記軸筒1側に形成して、それらを凹凸嵌合させることにより、軸方向か或いは少なくとも前方へ向け移動不能に止着すると共に、更に必要に応じて周方向へ移動不能に止着することも可能である。
それ以外の例としては、例えばネジ止めや軸嵌合やピン止めや接着や溶着などで、軸方向か或いは少なくとも前方へ向け移動不能に止着することも可能である。
更に、前記軸筒1,11側とグリップ2との間には、これら双方を周方向へ移動不能に係合する位置決め手段4を設けて、両者を周方向へ移動不能に位置決めすることが好ましい。
この場合も該位置決め手段4は、上述した係止リング3,13と同様に凹凸嵌合に限らず、軸嵌合やピン止めや接着や溶着などで止着することも可能である。
また、前記係止リング3,13の外周には、被覆リング5,15を被せて、該係止リング3,13を径方向へ押圧し縮径させることにより、係止リング3,13の内周面及び環状の係止突起3aをグリップ2の後端部外周面2a及び又は前端部外周面に密着させて食い込ませることが好ましい。
以下、本発明の一実施例を図面に基づいて説明する。
この実施例1の筆記具Aは、図1(a)〜(c)に示す如く、上記グリップ2の後端部外周面2aだけを係止リング3の環状の係止突起3aによる食い込みで前方へ移動不能に咬持又は保持し、上記軸筒1とグリップ2との位置決め手段4が、該軸筒1に突出形成される凸部4aと、グリップ2の後端部に形成される凹部4bとからなり、この凹部4bを該後端部の径方向一部分のみに部分的に形成し、同厚み方向の他の部分には、このグリップ2を周方向へ連続させる連絡部2bを形成すると共に、上記係止リング3の止着手段として、該係止リング3に前記軸筒1の凸部4aと軸方向へ係合する係止凹部3bを形成し、これら凸部4aと凹部3bとの凹凸嵌合で、該係止リング3が軸筒1に対して前方へ向け移動不能に係止される場合を示すものである。
前記軸筒1には、グリップ2の後端面2cと対向当接する環状突起1bが形成され、この環状突起1bの外径を、上記係止リング3の環状の係止突起3aの内径よりも小さく形成し、該環状突起1bには、上記位置決め手段4の凸部4aを、一個又は周方向へ適宜間隔毎に複数突設している。
図示例の場合には、図1(b)(c)及び図2(a)(b)に示す如く、凸部4aを軸筒1の環状突起1bからグリップ2に向けて周方向へ等間隔毎に一対突設しているが、それ以外の例として図示せぬが、凸部4aを軸筒1の環状突起1bからグリップ2と反対側の後方へ向け突出させて、後述する係止リング3の係止凹部3bと凹凸嵌合させることも可能である。
上記グリップ2の後端部には、前記軸筒1の凸部4aと対応する数の凹部4bが形成され、図示例の場合には、その後端部外周面2aに一対の凹部4bを周方向へ等間隔毎に凹設しており、この凹部4bと厚み方向反対側の内周面に肉薄な連絡部2bを形成することにより、該連絡部2bでグリップ2が筒状に連続して厚み方向に貫通しない構造となっている。
更に、グリップ2の後端部外周面2aの外径を、他の部分の外周面2dの外径よりも小さく形成して、該後端部外周面2aの外周に、上記係止リング3と後述する被覆リング5を被せた状態で、これら他の部分の外周面2dと被覆リング5の外周面5bとを略面一状にしている。
前記係止リング3の前端縁には、前記軸筒1の凸部4aと対応する数の係止凹部3bが形成され、図示例の場合には、一対の係止凹部3bを周方向へ等間隔毎に凹設することにより、軸筒1の凸部4aと前方及び周方向へ夫々移動不能に止着している。
この係止リング3の外周面3cと対向当接する被覆リング5は、例えば金属や合成樹脂などの硬質材料で環状に形成され、その前端部内周面5aの内径を係止リング3の外径と略同じとするか、又はそれよりも若干小さくしている。
図示例の場合には、前記軸筒1が把持部位1aを凹状に形成した前軸であり、この前軸の後端部外周に、前記被覆リング5の後端部5cを嵌挿又は圧入することで、この前軸1に対し被覆リング5が軸方向へ移動不能に一体化され、該後端部5cの外周面には後軸1′を螺着接合などで連結することにより、これら前軸1、被覆リング5及び後軸1′を一体化している。
また、前記軸筒1の前端には、グリップ2の前端面との間に、滑り性に優れた材料で形成された滑りリング6を介して先口7が螺着接合などで連結され、その内部には、リフィール8が出没自在に組み込まれたノック式ボールペンの場合を示している。
次に、斯かる筆記具Aの組立方法及びその作用効果について説明する。
先ず、図2(a)(b)に示す如く、軸筒1の把持部位1aに対してその前方からグリップ2を挿入し、その後端面2cが該環状突起1bの前面側に当接するか又はそれに近い状態まで差し込むと共に、位置決め手段4を構成する軸筒1の凸部4aとグリップ2の凹部4bとを凹凸嵌合させて、周方向へ位置合わせする。
そして、軸筒1の環状突起1bへ向けてその後方(図面では上方)から係止リング3を挿入し、その係止凹部3bを軸筒1の凸部4aと凹凸嵌合させて、周方向へ位置合わせしながら、前方へ向け移動不能に止着すると同時に、該係止リング3の内周面に突出形成された環状の係止突起3aを、グリップ2の後端部外周面2aに食い込ませる。
その後、図3(a)(b)に示す如く、軸筒1の環状突起1bへ向けてその後方(図面では上方)から被覆リング5を挿入し、その前端部内周面5aを前記係止リング3の外周に被せて縮径させる。
それにより、係止リング3の内周面及びそれに突設した環状の係止突起3aがグリップ2の後端部外周面2aに密着して、係止突起3aが更に食い込み、それと同時にグリップ2の後端部外周面2aの厚み方向への拡径及び変形が抑制される。
このように組み立てられた筆記具Aは、筆記時の把持圧でグリップ2に対し前方への押圧力が掛かったとしても、グリップ2の後端部外周面2aが係止リング3の環状の係止突起3aにより周方向略全周に亘って前方へ移動不能に咬持されるため、前方への押圧力が周方向の一部分に集中して作用することはなく、周方向略全周に亘り均等に掛かる。
それにより、グリップ2全体を弾性変形し易い軟質材料で成形しても、それに関係なく後端部外周面2aの前方及び周方向への位置ズレ及び緩みやめくれや空回りを確実に防止できる。
更に、本実施例の場合には、上記グリップ2の凹部4bが形成される後端部を連絡部2bでグリップ2が筒状に連続して厚み方向に貫通しない構造としているため、その引っ張り強度が部分的に著しく低下せず、それにより、グリップ2の後端部が伸びて拡径したり変形するのを抑制できると共に断裂の発生を確実に防止できて、該凹部4bと凸部4aからなる嵌合部分の強度アップをも図れるという利点がある。
また、係止リング3の止着手段として、位置決め手段4の凸部4aと軸方向へ係合する係止凹部3bを形成したので、これら両手段の構成要素が一部共用されて、その分だけ構造を簡素化できるという利点がある。
尚、前示実施例では、グリップ2の後端部外周面2aだけを係止リング3の係止突起3aによる食い込みで前方へ移動不能に咬持又は保持したが、これに限定されず、グリップ2の前端部外周面も同様に軸方向へ移動不能に咬持又は保持しても良い。
また、図示例では、前記軸筒1である前軸と後軸1′が被覆リング5を介して螺着接合される場合を示したが、これに限定されず、軸筒を分離不能な一体構造としても良い。
次に、本発明の第二実施例である筆記具Bについて説明する。
なお、この筆記具Bにおいて、上記筆記具Aと共通する部分については、上記筆記具Aの場合と同一の符号を付けることで、重複する詳細説明を省略する。
この筆記具Bは、上記筆記具Aに対し、軸筒1を軸筒11に置換し、係止リング3を係止リング13に置換し、被覆リング5を被覆リング15に置換した構成としてある(図4参照)。
軸筒11は、上記軸筒1に対し、その後端側の形状を変更したものである。
詳細に説明すれば、前軸である軸筒11の後端側には、後軸11’を乗り越え嵌合させるための単数もしくは複数の環状突起11a(図4,6,及び7参照)が形成されている。
前記後軸11’の内周面には、前記環状突起11aに対し乗り越え嵌合させるための単数もしくは複数の凸部11a’(図4参照)が形成されている。
また、軸筒11において、上記筆記具Aの構成で説明した環状突起1bには、凸部4aの逆側に、凸部11b(図6(a)参照)が加え設けられている。
この凸部11bは、環状突起11aの周方向において部分的に遠心方向へ突出する突起であり、後述する係止リング13に対し嵌り合う。
また、係止リング13は、弾性的に撓むことが可能な硬質合成樹脂材料(例えばPOM等)を、図5に示すように、周方向において切れ目tを有する略C字状に形成してなる。
この係止リング13の内周部には、周方向において所定間隔置きに、複数の係止突起13aが形成されている。
前記係止突起13aは、図示例によれば、係止リング13の軸方向一端側の内周面において、切れ目tを中央にして左右対称に2つ設けられる。各係止突起13aは、周方向へわたる片状に設けられ、内端へ向けて徐々に肉厚が薄くなるように形成されている。
また、前記係止リング13における軸方向他端側の内周面には、軸筒11の環状突起1bに対し後方から当接するように、周方向へわたる鍔部13bが複数設けられている。
この鍔部13bは、図示例によれば、切れ目tを跨ぐようにして2箇所配設され、更に、その180度反対側に1箇所配設されている。
各鍔部13bは、係止リング13の成形性(詳細には成形時の型抜き)を良好にするために、上記係止突起13aに対し軸方向において重ならないように配置されている。
また、係止リング13における切れ目tと逆側の箇所(換言すれば切れ目tの180度反対側)には、軸筒11における環状突起1b外周の凸部11bに対し嵌り合う係止孔13cが貫通形成されている。
この係止孔13cは、製造時には係止リング13を周方向および軸方向の位置決めに用いられ、更に、筆記時には、係止リング13の周方向や軸方向へのずれ防止として作用する。
また、係止リング13の外周面には、後述する被覆リング15の内周面に圧接させるための圧接突起13dが、周方向に間隔を置いて複数配設されている。
この圧接突起13dは、図示例によれば、係止リング13の周方向において略等間隔置きに四つ配設されている。各圧接突起13dは、圧接突起13dの外周面から遠心方向へ突出し、且つ、その外面が被覆リング15の内周面に沿う曲面となるように形成されている。
この圧接突起13dによれば、係止リング13に対し被覆リング15が環状に嵌め合わせられる際に、係止リング13と被覆リング15との接触面積を小さくして、その嵌め合わせ作業を容易にする。
また、被覆リング15は、筆記具Aにおける被覆リング5から略小径筒状の後端部5cを省いた形状を呈し、詳細には、図7に示すように、大径筒状のリング部15aと、該リング部15a後端から求心方向へ突出する環状鍔部15bとから一体に形成されている。
リング部15aは、後軸11’の前端側外周面と略面一となる無端輪状に形成され、係止リング13に対し環状に嵌め合わせられることで、係止リング13を弾性的に縮径する。
環状鍔部15bは、係止リング13の鍔部13bを介して軸筒11の環状突起1bに当接されることで、リング部15aが前方へ移動しないようにしている。
次に、上記構成の筆記具Bについて、組立方法及びその作用効果を説明する。
先ず、筆記具Aと略同様に、図6(a)(b)に示す如く、軸筒11の把持部位1aに対してその前方からグリップ2を挿入し、その後端面2cが該環状突起1bの前面側に当接するか又はそれに近い状態まで差し込むと共に、位置決め手段4を構成する軸筒11の凸部4aとグリップ2の凹部4bとを凹凸嵌合させて、周方向へ位置合わせする。
そして、軸筒11の環状突起1bへ向けてその後方(図面では上方)から係止リング13を挿入し、該係止リング13の鍔部13bを軸筒11の環状突起1bに当接させて、該係止リング13の係止孔13cを環状突起1b外周の凸部11bに嵌め合わせるとともに、該係止リング13の切れ目tを凸部4aに嵌め合わせることで、該係止リング13を周方向および軸方向へ位置合わせすると同時に、該係止リング13の内周面に突出形成された係止突起13aを、グリップ2の後端部外周面2a(図7(b)参照)に食い込ませる。
その後、図7(a)(b)に示す如く、軸筒11の環状突起1bに嵌め合わせられた係止リング13に対し、その後方(図面では上方)から被覆リング15が環状に装着される。したがって、係止リング13は、周囲に被せられた被覆リング15によって縮径され、内周部の係止突起13aをグリップ2に対し一層深く食い込ませる。そして、グリップ2の後端部外周面2aの厚み方向への拡径及び変形が係止リング13及び被覆リング15によって抑制される。
次に、軸筒11の後端側には、後軸11’が嵌合装着される(図示せず)。この際、軸筒11後端側の環状突起11a,11aに対し、後軸11’内周面の11a’が乗り越え嵌合されるとともに、後軸11’の前端面が被覆リング15の環状鍔部15bに当接することで、後軸11’は軸方向へ移動不能となる。
このように組み立てられた筆記具Bによれば、筆記時の把持圧でグリップに対し前方への押圧力が掛かったり、グリップ2に対し周方向への回転力(捻れ力)が作用したり等しても、グリップ2の前方への移動や回転を、係止リング13内周部の複数の係止突起13aによって阻止することができる。
よって、グリップ2全体をゴム硬度40度以下の極軟質な材料で成形しても、グリップ2の後端部外周面2aの前方及び周方向への位置ズレ及び緩みやめくれや空回りを確実に防止できる。
なお、上記筆記具Bの構成によれば、後軸11’と別体に被覆リング15を具備することで装飾性を良好にしているが、他例としては、後軸11’の前端部に被覆リング15を一体的に固定したり、後軸11’の前端側を被覆リング15状に加工したり等することも可能である。
また、上記筆記具A及び筆記具Bはノック式ボールペンの一例を示したが、これに限定されず、回転操作によって筆記部を出没させる構造のボールペンや、筆記部が出没しない構造のボールペン、或いはそれ以外の例えばシャープペンシルやサインペンなどであっても良い。
本発明の筆記具の第一実施例を示しており、(a)が筆記具の縦断正面図であり、(b)が図1(a)の(1B)−(1B)線に沿える横断底面図であり、(c)が図1(a)の(1C)−(1C)線に沿える横断平面図である。 グリップと係止リングの組立途中を示しており、(a)が部分拡大縦断正面図であり、(b)が同側面図である。 被覆リングの組立途中を示しており、(a)が部分拡大縦断正面図であり、(b)が同側面図である。 本発明の筆記具の第二実施例を示す縦断正面図である。 同第二実施例において、係止リングの一例を示す斜視図である。 グリップと係止リングの組立途中を示しており、(a)が部分拡大縦断正面図であり、(b)が同側面図である。 被覆リングの組立途中を示しており、(a)が部分拡大縦断正面図であり、(b)が同側面図である。
符号の説明
1,11 軸筒 1a 把持部位
2 グリップ 2a 端部外周面(後端部外周面)
3,13 係止リング 3a 係止突起
3b 係止凹部 4 位置決め手段
4a 凸部 4b 凹部
5,15 被覆リング

Claims (10)

  1. 軸筒の把持部位に軟質材料からなる筒状のグリップを具備した筆記具において、
    前記グリップの端部外周面と対向する係止リングを、軸筒側に対してその軸方向へ向け移動不能に止着し、
    この係止リングの外周に被覆リングを被せて、該係止リングを縮径し、係止リングの内周部をグリップの端部外周面に食い込ませたことを特徴とする筆記具。
  2. 上記係止リングの内周部に周方向へわたる単数もしくは複数の係止突起を設け、この係止突起をグリップの端部外周面に食い込ませたことを特徴とする請求項1記載の筆記具。
  3. 上記係止リングが、周方向に対し交差する切れ目を有することを特徴とする請求項1又は2記載の筆記具。
  4. 上記切れ目を、上記軸筒の外周面に設けた凸部に嵌め合わせるようにしたことを特徴とする請求項3記載の筆記具。
  5. 上記係止リングを、上記切れ目と逆側の箇所で上記軸筒に対し凹凸状に嵌め合わせたことを特徴とする請求項3又は4記載の筆記具。
  6. 上記軸筒には、上記グリップの後端部に対し後方から当接するように環状突起が設けられ、
    上記係止リングは、その後端側内周面に配設された鍔部を前記環状突起に対し後方から当接させるとともに、上記グリップの後端部および前記環状突起を覆うように設けられていることを特徴とする請求項1乃至5何れか1項記載の筆記具。
  7. 上記軸筒側とグリップとの間に、これら双方を周方向へ移動不能に係合する位置決め手段を設けたことを特徴とする請求項1乃至6何れか1項記載の筆記具。
  8. 上記位置決め手段が、軸筒に形成される凸部と、グリップの端部に形成される凹部とからなり、この凹部を該端部の厚み方向一部分のみに部分的に形成し、同厚み方向の他の部分には、このグリップを周方向へ連続させる連絡部を形成したことを特徴とする請求項7記載の筆記具。
  9. 上記係止リングを全周にわたって連続する環状に形成するとともに、
    上記係止突起を、上記係止リングの略全周にわたって設けたことを特徴とする請求項2記載の筆記具。
  10. 上記係止リングの前端側に係止凹部を形成するとともに、軸筒には凸部を形成し、これら係止凹部と凸部とを軸方向へ凹凸嵌合させたことを特徴とする請求項9記載の筆記具。
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