JP2007269004A - 筆記具 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 軸筒11の把持部位1aに軟質材料からなる筒状のグリップ2を具備した筆記具において、前記グリップ2の端部外周面2aと対向する係止リング13を、軸筒11側に対してその軸方向へ向け移動不能に止着し、この係止リング13の外周に被覆リング15を被せて、該係止リング13を縮径し、係止リング13の内周部をグリップ2の端部外周面2aに食い込ませた。
【選択図】 図1
Description
詳しくは、グリップの端部の位置ズレ防止機構を備えた筆記具に関する。
また、軸筒とグリップとの固定を、グリップの後方に、1個以上の凹部や貫通孔(穴)を形成し、この凹部や貫通孔に係合する突起を前記軸筒側に形成して、それらの凹凸嵌合や又は貫通孔に突起を挿通した軸嵌合で前方へ移動不能に保持することにより、グリップと軸筒の緩みや空回り等が防止されるものもある(例えば、特許文献2参照)。
また、特許文献2の場合には、グリップの後端部に前方への押圧力が掛かると、グリップの後端部全体が軸方向へ伸び変形して、この前方への押圧力が凹凸嵌合部や軸嵌合部に局部的に掛かるため、軟質材料からなる凹部や貫通孔の肉厚寸法が薄くなり易く、それにより凹凸嵌合部が外れたり、貫通孔が断裂するなどして前方への位置ズレする恐れがあるという問題がある。
特に、近年では把持感触を向上する観点などから、例えばゴム硬度が40度以下の極軟質な材料で成形したグリップが増えつつあり、その場合には、上述した位置ズレの発生が顕著となり、長期に亘って快適な把持感触を持続できないという問題があった。
第一の発明によれば、係止リングの内周部をグリップの端部外周面に食い込ませた状態が、係止リングの周囲に被せた被覆リングによって維持されるとともに、グリップ端部の厚み方向への拡径及び変形も抑制される。
したがって、筆記時の把持圧でグリップに対し前方への押圧力が掛かったり、グリップに対し周方向への回転力(捻れ力)が作用したりても、グリップの前方への移動や回転移動を阻止することができる。
しかも、弾性を有する凸部を軸筒に嵌め合わせるようにした従来技術と比較し、グリップが局部的な変形によって外れてしまうようなことを、確実に防ぐことができる。
そのため、成形材料に関係なくグリップ端部の前方及び周方向への位置ズレや空回りと緩みやめくれを確実に防止することができ、例えばゴム硬度が40度以下の極軟質な材料でグリップを成形しても、部分的な変形や断裂が発生せず、長期に亘って快適な把持感触を持続できる。
更に、係止リングが被覆リングにより隠れるので、装飾効果が得られると共にデザインの自由度も増える。
従って、軸筒とグリップを周方向へ正確に位置合わせしながらグリップの空回りをより効果的に防止することができる。
従って、グリップ端部の拡径や変形を抑制しながら断裂を確実に防止することができる。
よって、グリップの凹部及び軸筒側の凸部からなる嵌合部分の強度アップをも図れる。
従って、成形材料に関係なくグリップ端部の前方及び周方向への位置ズレや空回りと緩みやめくれを確実に防止することができる。
よって、グリップの端部が凹凸嵌合や軸嵌合で前方へ移動不能に保持される従来技術と比べ、例えばゴム硬度が40度以下の極軟質な材料でグリップを成形しても、部分的な断裂が発生せず、長期に亘って快適な把持感触を持続できる。
従って、簡単な構造で軸筒に係止リングを確実に止着することができる。
その他の例として、予め複数に分割形成された部品を相互に連結することで、筒状のグリップ2となるようにしたり、例えば特開2005−07585号公報に開示されるように、グリップ2と軸筒1,11の把持部位1aとの間に、緩衝目的でゲル状物質などを介在させることも可能である。
それ以外の例としては、例えばネジ止めや軸嵌合やピン止めや接着や溶着などで、軸方向か或いは少なくとも前方へ向け移動不能に止着することも可能である。
この場合も該位置決め手段4は、上述した係止リング3,13と同様に凹凸嵌合に限らず、軸嵌合やピン止めや接着や溶着などで止着することも可能である。
以下、本発明の一実施例を図面に基づいて説明する。
図示例の場合には、図1(b)(c)及び図2(a)(b)に示す如く、凸部4aを軸筒1の環状突起1bからグリップ2に向けて周方向へ等間隔毎に一対突設しているが、それ以外の例として図示せぬが、凸部4aを軸筒1の環状突起1bからグリップ2と反対側の後方へ向け突出させて、後述する係止リング3の係止凹部3bと凹凸嵌合させることも可能である。
先ず、図2(a)(b)に示す如く、軸筒1の把持部位1aに対してその前方からグリップ2を挿入し、その後端面2cが該環状突起1bの前面側に当接するか又はそれに近い状態まで差し込むと共に、位置決め手段4を構成する軸筒1の凸部4aとグリップ2の凹部4bとを凹凸嵌合させて、周方向へ位置合わせする。
なお、この筆記具Bにおいて、上記筆記具Aと共通する部分については、上記筆記具Aの場合と同一の符号を付けることで、重複する詳細説明を省略する。
この筆記具Bは、上記筆記具Aに対し、軸筒1を軸筒11に置換し、係止リング3を係止リング13に置換し、被覆リング5を被覆リング15に置換した構成としてある(図4参照)。
詳細に説明すれば、前軸である軸筒11の後端側には、後軸11’を乗り越え嵌合させるための単数もしくは複数の環状突起11a(図4,6,及び7参照)が形成されている。
前記後軸11’の内周面には、前記環状突起11aに対し乗り越え嵌合させるための単数もしくは複数の凸部11a’(図4参照)が形成されている。
この凸部11bは、環状突起11aの周方向において部分的に遠心方向へ突出する突起であり、後述する係止リング13に対し嵌り合う。
この係止リング13の内周部には、周方向において所定間隔置きに、複数の係止突起13aが形成されている。
また、前記係止リング13における軸方向他端側の内周面には、軸筒11の環状突起1bに対し後方から当接するように、周方向へわたる鍔部13bが複数設けられている。
この鍔部13bは、図示例によれば、切れ目tを跨ぐようにして2箇所配設され、更に、その180度反対側に1箇所配設されている。
各鍔部13bは、係止リング13の成形性(詳細には成形時の型抜き)を良好にするために、上記係止突起13aに対し軸方向において重ならないように配置されている。
この係止孔13cは、製造時には係止リング13を周方向および軸方向の位置決めに用いられ、更に、筆記時には、係止リング13の周方向や軸方向へのずれ防止として作用する。
この圧接突起13dは、図示例によれば、係止リング13の周方向において略等間隔置きに四つ配設されている。各圧接突起13dは、圧接突起13dの外周面から遠心方向へ突出し、且つ、その外面が被覆リング15の内周面に沿う曲面となるように形成されている。
この圧接突起13dによれば、係止リング13に対し被覆リング15が環状に嵌め合わせられる際に、係止リング13と被覆リング15との接触面積を小さくして、その嵌め合わせ作業を容易にする。
リング部15aは、後軸11’の前端側外周面と略面一となる無端輪状に形成され、係止リング13に対し環状に嵌め合わせられることで、係止リング13を弾性的に縮径する。
環状鍔部15bは、係止リング13の鍔部13bを介して軸筒11の環状突起1bに当接されることで、リング部15aが前方へ移動しないようにしている。
先ず、筆記具Aと略同様に、図6(a)(b)に示す如く、軸筒11の把持部位1aに対してその前方からグリップ2を挿入し、その後端面2cが該環状突起1bの前面側に当接するか又はそれに近い状態まで差し込むと共に、位置決め手段4を構成する軸筒11の凸部4aとグリップ2の凹部4bとを凹凸嵌合させて、周方向へ位置合わせする。
よって、グリップ2全体をゴム硬度40度以下の極軟質な材料で成形しても、グリップ2の後端部外周面2aの前方及び周方向への位置ズレ及び緩みやめくれや空回りを確実に防止できる。
2 グリップ 2a 端部外周面(後端部外周面)
3,13 係止リング 3a 係止突起
3b 係止凹部 4 位置決め手段
4a 凸部 4b 凹部
5,15 被覆リング
Claims (10)
- 軸筒の把持部位に軟質材料からなる筒状のグリップを具備した筆記具において、
前記グリップの端部外周面と対向する係止リングを、軸筒側に対してその軸方向へ向け移動不能に止着し、
この係止リングの外周に被覆リングを被せて、該係止リングを縮径し、係止リングの内周部をグリップの端部外周面に食い込ませたことを特徴とする筆記具。 - 上記係止リングの内周部に周方向へわたる単数もしくは複数の係止突起を設け、この係止突起をグリップの端部外周面に食い込ませたことを特徴とする請求項1記載の筆記具。
- 上記係止リングが、周方向に対し交差する切れ目を有することを特徴とする請求項1又は2記載の筆記具。
- 上記切れ目を、上記軸筒の外周面に設けた凸部に嵌め合わせるようにしたことを特徴とする請求項3記載の筆記具。
- 上記係止リングを、上記切れ目と逆側の箇所で上記軸筒に対し凹凸状に嵌め合わせたことを特徴とする請求項3又は4記載の筆記具。
- 上記軸筒には、上記グリップの後端部に対し後方から当接するように環状突起が設けられ、
上記係止リングは、その後端側内周面に配設された鍔部を前記環状突起に対し後方から当接させるとともに、上記グリップの後端部および前記環状突起を覆うように設けられていることを特徴とする請求項1乃至5何れか1項記載の筆記具。 - 上記軸筒側とグリップとの間に、これら双方を周方向へ移動不能に係合する位置決め手段を設けたことを特徴とする請求項1乃至6何れか1項記載の筆記具。
- 上記位置決め手段が、軸筒に形成される凸部と、グリップの端部に形成される凹部とからなり、この凹部を該端部の厚み方向一部分のみに部分的に形成し、同厚み方向の他の部分には、このグリップを周方向へ連続させる連絡部を形成したことを特徴とする請求項7記載の筆記具。
- 上記係止リングを全周にわたって連続する環状に形成するとともに、
上記係止突起を、上記係止リングの略全周にわたって設けたことを特徴とする請求項1又は2記載の筆記具。 - 上記係止リングの前端側に係止凹部を形成するとともに、軸筒には凸部を形成し、これら係止凹部と凸部とを軸方向へ凹凸嵌合させたことを特徴とする請求項9項記載の筆記具。
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