JP5017116B2 - 修飾Fc分子 - Google Patents

修飾Fc分子 Download PDF

Info

Publication number
JP5017116B2
JP5017116B2 JP2007533681A JP2007533681A JP5017116B2 JP 5017116 B2 JP5017116 B2 JP 5017116B2 JP 2007533681 A JP2007533681 A JP 2007533681A JP 2007533681 A JP2007533681 A JP 2007533681A JP 5017116 B2 JP5017116 B2 JP 5017116B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
seq
peptide
loop
sequence
domain
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2007533681A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2008514201A5 (ja
JP2008514201A (ja
Inventor
ゲツグ,コリン
シヨン,フエイ
シツトニー,カレン・シー
Original Assignee
アムジエン・インコーポレーテツド
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by アムジエン・インコーポレーテツド filed Critical アムジエン・インコーポレーテツド
Publication of JP2008514201A publication Critical patent/JP2008514201A/ja
Publication of JP2008514201A5 publication Critical patent/JP2008514201A5/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5017116B2 publication Critical patent/JP5017116B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07KPEPTIDES
    • C07K16/00Immunoglobulins [IGs], e.g. monoclonal or polyclonal antibodies
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61KPREPARATIONS FOR MEDICAL, DENTAL OR TOILETRY PURPOSES
    • A61K47/00Medicinal preparations characterised by the non-active ingredients used, e.g. carriers or inert additives; Targeting or modifying agents chemically bound to the active ingredient
    • A61K47/50Medicinal preparations characterised by the non-active ingredients used, e.g. carriers or inert additives; Targeting or modifying agents chemically bound to the active ingredient the non-active ingredient being chemically bound to the active ingredient, e.g. polymer-drug conjugates
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61PSPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
    • A61P19/00Drugs for skeletal disorders
    • A61P19/02Drugs for skeletal disorders for joint disorders, e.g. arthritis, arthrosis
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61PSPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
    • A61P21/00Drugs for disorders of the muscular or neuromuscular system
    • A61P21/06Anabolic agents
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61PSPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
    • A61P3/00Drugs for disorders of the metabolism
    • A61P3/08Drugs for disorders of the metabolism for glucose homeostasis
    • A61P3/10Drugs for disorders of the metabolism for glucose homeostasis for hyperglycaemia, e.g. antidiabetics
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61PSPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
    • A61P35/00Antineoplastic agents
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61PSPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
    • A61P37/00Drugs for immunological or allergic disorders
    • A61P37/02Immunomodulators
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61PSPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
    • A61P43/00Drugs for specific purposes, not provided for in groups A61P1/00-A61P41/00
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61PSPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
    • A61P7/00Drugs for disorders of the blood or the extracellular fluid
    • A61P7/04Antihaemorrhagics; Procoagulants; Haemostatic agents; Antifibrinolytic agents
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61PSPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
    • A61P7/00Drugs for disorders of the blood or the extracellular fluid
    • A61P7/06Antianaemics
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07KPEPTIDES
    • C07K14/00Peptides having more than 20 amino acids; Gastrins; Somatostatins; Melanotropins; Derivatives thereof
    • C07K14/435Peptides having more than 20 amino acids; Gastrins; Somatostatins; Melanotropins; Derivatives thereof from animals; from humans
    • C07K14/475Growth factors; Growth regulators
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07KPEPTIDES
    • C07K2317/00Immunoglobulins specific features
    • C07K2317/20Immunoglobulins specific features characterized by taxonomic origin
    • C07K2317/21Immunoglobulins specific features characterized by taxonomic origin from primates, e.g. man
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07KPEPTIDES
    • C07K2317/00Immunoglobulins specific features
    • C07K2317/50Immunoglobulins specific features characterized by immunoglobulin fragments
    • C07K2317/52Constant or Fc region; Isotype
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07KPEPTIDES
    • C07K2318/00Antibody mimetics or scaffolds
    • C07K2318/10Immunoglobulin or domain(s) thereof as scaffolds for inserted non-Ig peptide sequences, e.g. for vaccination purposes
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07KPEPTIDES
    • C07K2319/00Fusion polypeptide
    • C07K2319/30Non-immunoglobulin-derived peptide or protein having an immunoglobulin constant or Fc region, or a fragment thereof, attached thereto

Description

薬物Enbrel(登録商標)(エタネルセプト)の成功によって、抗体の定常ドメインを用いて改変された治療薬の期待が結実した。抗体は、機能上独立した2個の部分、すなわち、抗原に結合する「Fab」として知られる可変ドメインと、補体活性化及び食細胞による攻撃のようなエフェクター機能に結びつく「Fc」として知られる定常ドメインとを含む。Fcは血清半減期が長いのに対して、Fabは短命である。Capon et al.(1989), Nature 337: 525−31。Fcドメインは、治療タンパク質と一緒に構築すると、半減期を延長することができ、又はFc受容体結合、プロテインA結合、補体結合、さらにはおそらく胎盤通過のような機能をもたらすことができる。前記。表1に、当分野で公知のFc融合タンパク質の使用について要約する。
Figure 0005017116
治療薬を開発する極めて異なる手法はペプチドライブラリースクリーニングである。タンパク質リガンドとその受容体との相互作用は、比較的大きな界面で起こることが多い。しかし、ヒト成長ホルモンとその受容体で示された通り、界面におけるほんの少数の重要な残基が結合エネルギーの大部分に寄与している。Clackson et al.(1995), Science 267: 383−6。タンパク質リガンドのバルクは、単に正しい形態の結合エピトープを示し、又は結合に無関係な機能を果たすだけに過ぎない。従って、「ペプチド」長(2から40個のアミノ酸)のみの分子は、所与の大きなタンパク質リガンドの受容体タンパク質に結合することができる。かかるペプチドは、大きいタンパク質リガンドの生理活性を模倣することができ(「ペプチドアゴニスト」)、又は大きいタンパク質リガンドの生理活性を競合的結合を介して阻害することができる(「ペプチドアンタゴニスト」)。
ファージディスプレイペプチドライブラリーは、かかるペプチドアゴニスト及びアンタゴニストの特定における強力な方法として出現した。例えば、Scott et al.(1990), Science 249: 386、Devlin et al.(1990), Science 249: 404、1993年6月29日に発行された米国特許第5,223,409号、1998年3月31日に発行された米国特許第5,733,731号、1996年3月12日に発行された米国特許第5,498,530号、1995年7月11日に発行された米国特許第5,432,018号、1994年8月16日に発行された米国特許第5,338,665号、1999年7月13日に発行された米国特許第5,922,545号、1996年12月19日に公開された国際公開第96/40987号及び1998年4月16日に公開された国際公開第98/15833号を参照されたい(これらの各々を参照により本明細書に組み入れる。)。かかるライブラリーにおいては、ランダムペプチド配列は、繊維状ファージのコートタンパク質と融合することによって示される。典型的には、示されたペプチドは、抗体に固定された、受容体の細胞外ドメインに対して親和溶出される。保持されたファージは、親和精製及び再増殖(repropagation)を繰り返すことによって濃縮することができる。最適な結合ペプチドの配列を決定して、構造的に関係する1つ以上のペプチドファミリー内の重要な残基を特定することができる。例えば、Cwirla et al.(1997), Science 276: 1696−9を参照されたい。ここでは、2つの異なるファミリーが特定された。アラニンスキャンニングによって、又はDNAレベルでの変異誘発によって、その残基を安全に置換することができるペプチド配列も示唆することができる。変異誘発ライブラリーを作製し、スクリーニングして、最適なバインダーの配列をさらに最適化することができる。Lowman (1997), Ann. Rev. Biophys. Biomol. Struct. 26: 401−24。
他の方法は、ペプチド研究においてファージディスプレイと競合する。ペプチドライブラリーは、lacリプレッサーのカルボキシ末端と融合し、E.コリ(E. coli)中で発現させることができる。E.コリを用いる別の方法は、ペプチドグリカン関連リポタンパク質(PAL)との融合によって細胞外膜上でのディスプレイが可能である。以下、これらの方法及び関係する方法を「E.コリディスプレイ」と総称する。可溶ペプチド混合物をスクリーニングする別の生物学的手法は、発現及び分泌に酵母を使用する。Smith et al.(1993), Mol. Pharmacol. 43: 741−8を参照されたい。以下、Smith等の方法及び関係する方法を「酵母スクリーニング」と称する。別の方法においては、ランダムRNAの翻訳は、リボソームから放出される前に停止し、その関連RNAを含むポリペプチドライブラリーは依然として結合したままである。以下、この方法及び関係する方法を「リボソームディスプレイ」と総称する。他の方法は、ペプチドとRNAの化学的連結を使用する。例えば、Roberts & Szostak (1997), Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 94: 12297−303を参照されたい。以下、この方法及び関係する方法を「RNA−ペプチドスクリーニング」と総称する。ペプチドがポリエチレンロッド、溶媒透過性樹脂などの安定な非生物学的材料上に固定された、化学的に誘導されたペプチドライブラリーが開発された。別の化学的に誘導されたペプチドライブラリーは、フォトリソグラフィーを用いて、ガラススライド上に固定されたペプチドをスキャンする。以下、これらの方法及び関係する方法を「化学−ペプチドスクリーニング」と総称する。化学−ペプチドスクリーニングは、D−アミノ酸及び他の異常アナログ並びに非ペプチド要素を使用することができる点で有利である。生物学的方法と化学的方法のどちらもWells & Lowman(1992), Curr. Opin. Biotechnol. 3: 355−62に概説されている。
公知の生理活性ペプチドの場合には、治療上好都合な諸特性を有するペプチドリガンドの合理的設計を完了することができる。かかる手法においては、ペプチド配列に段階的変化を加え、ペプチドの生理活性又は予測される生物物理学的性質(例えば、溶液構造)に対する置換の効果を確認する。以下、これらの技術を「合理的設計」と総称する。かかる一技術においては、単一残基をアラニンと一度に交換して一連のペプチドを調製する。この技術を「アラニンウォーク(alanine walk)」又は「アラニンスキャン」と一般に記述する。(隣接する又は相隔たる)2個の残基を置換するときには、「ダブルアラニンウォーク」と記述する。生じるアミノ酸置換を単独で、又は組み合わせて使用して、治療上好都合な諸特性を有する新しいペプチド体(peptide entity)を得ることができる。
タンパク質−タンパク質相互作用の構造解析を使用して、大きいタンパク質リガンドの結合活性を模倣するペプチドを示唆することもできる。かかる分析においては、結晶構造によって、大きいタンパク質リガンドの重要な残基の同一性及び相対的配向を示唆することができ、それからペプチドを設計することができる。例えば、Takasaki et al.(1997), Nature Biotech. 15: 1266−70を参照されたい。以下、これらの方法及び関係する方法を「タンパク質構造解析」と記述する。これらの分析方法を使用して、受容体タンパク質とファージディスプレイによって選択されるペプチドとの相互作用を検討することもできる。これによって、結合親和性を増大させるためのペプチドのさらなる修飾を示唆することができる。
概念的には、ファージディスプレイ及び上述した他の方法を用いてあらゆるタンパク質のペプチド模倣物を発見することができる。これらの方法は、エピトープマッピングに、タンパク質−タンパク質相互作用における重要なアミノ酸の確認に、また、新しい治療薬の発見の手がかりとして、使用されてきた。例えば、Cortese et al.(1996), Curr. Opin. Biotech. 7: 616−21。ペプチドライブラリーは、現在、エピトープマッピングなどの免疫学的研究において最も頻繁に使用されている。Kreeger(1996), The Scientist 10(13): 19−20。
ここで特に興味深いのは、薬理学的に活性なペプチドの発見におけるペプチドライブラリー及び他の技術の使用である。当分野で確認された幾つかのかかるペプチドを表2に要約する。各ペプチドは列挙した刊行物に記載されている。その各々を参照により本明細書に組み入れる。ペプチドの薬理活性を記載する。多くの場合、括弧内にこれに対する略記号を後に続ける。これらのペプチドの一部は(例えば、C末端で架橋した2量体を形成するために)修飾されている。典型的には、薬理学的に活性なタンパク質の受容体(例えば、EPO受容体)に結合するかどうかによってペプチドライブラリーをスクリーニングした。少なくとも1つ(CTL A4)においては、ペプチドライブラリーをモノクローナル抗体に結合するかどうかによってスクリーニングした。
Figure 0005017116
Figure 0005017116
Figure 0005017116
Figure 0005017116
Figure 0005017116
Figure 0005017116
ペプチドライブラリースクリーニングによって特定されたペプチドは、治療薬自体としてではなく、治療薬開発における単なる「手がかり」と長期間見なされていた。他のタンパク質及びペプチド同様、これらのペプチドも、腎臓ろ過、細網内皮系における細胞クリアランス機構又はタンパク質分解によってインビボで迅速に除去される。Francis (1992), Focus on Growth Factors 3: 4−11。その結果、当該技術は、特定されたペプチドを用いて薬物標的を確認することに、又は特定されたペプチドを、化学ライブラリースクリーニングによって容易に若しくは素早く特定されない恐れがある有機化合物の設計の足場として用いた。Lowman(1997), Ann. Rev. Biophys. Biomol. Struct. 26: 401−24、Kay et al.(1998), Drug Disc. Today 3: 370−8。
より最近の開発は、ランダムに生成されたペプチドとFcドメインとを融合するものである。2003年12月9日に発行されたFeige他の米国特許第6,660,843号を参照されたい(参照によりその全体を本明細書に組み入れる。)。かかる分子は、「ペプチボディ(peptibodies)」として知られるようになった。ペプチボディは、N末端、C末端、アミノ酸側鎖又はこれらの部位の2つ以上に連結された1個以上のペプチドを含む。ペプチボディ技術によって、1個以上のリガンド又は受容体、腫ようホーミングペプチド、膜輸送ペプチドなどを標的とするペプチドを組み入れた治療薬を設計することができる。ペプチボディ技術は、ジスルフィドによって拘束された線状ペプチド、「直列ペプチド多量体」(すなわち、Fcドメインの単鎖上の1個を超えるペプチド)を含めて、幾つかのかかる分子の設計において有用であることが証明された。例えば、米国特許第6,660,843号、(2002年11月21日に公開された国際公開第02/092620号に対応する)2003年10月16日に公開された米国特許出願公開第2003/0195156号、(2003年4月17日に公開された国際公開第03/031589号に対応する)2003年9月18日に公開された米国特許出願公開第2003/0176352号、(2000年5月4日に公開された国際公開第00/24770号に対応する)1999年10月22日に出願された米国特許出願第09/422,838号、2003年12月11日に公開された米国特許出願公開第2003/0229023号、2003年7月17日に公開された国際公開第03/057134号、(2004年4月8日に出願されたPCT/US04/010989号に対応する)2003年12月25日に公開された米国特許出願公開第2003/0236193号、(2004年4月1日に公開された国際公開第04/026329号に対応する)2003年9月18日に出願された米国特許出願第10/666,480号を参照されたい。これらの各々を参照によりその全体を本明細書に組み入れる。当該技術は、ポリペプチド治療薬のかかる合理的設計を可能にするさらなる技術からの利益を得るものである。
本発明は、少なくとも1種類の生物活性ペプチドが内部配列としてFcドメイン中に組み込まれる方法に関する。かかる内部配列は、(すなわち、既存のFcドメイン中のアミノ酸間への)挿入によって、又は既存のFcドメイン中のアミノ酸の置換(すなわち、既存のFcドメイン中のアミノ酸の除去とペプチドアミノ酸の付加)によって、付加することができる。後者の場合、付加されるペプチドアミノ酸の数は、既存のFcドメインから除去されるアミノ酸の数に対応する必要はない。例えば、本発明は、10個のアミノ酸が除去され、15個のアミノ酸が付加される分子に関する。本発明においては、薬理学的に活性な物質は、
a) 目的タンパク質の活性を調節する少なくとも1種類のペプチドを選択すること、及び
b) Fcドメインの内部配列として選択ペプチドのアミノ酸配列を含む薬剤を調製すること
を含む方法によって調製される。
この方法を用いて、ポリペプチド(例えば、エタネルセプト)に、又は(例えば、米国特許出願公開第2003/0195156号、同2003/0176352号、同2003/0229023号及び同2003/0236193号;国際公開第00/24770号;国際公開第04/026329号に記載の)ペプチドに、N末端、C末端又は側鎖を介してすでに連結されているFcドメインを修飾することができる。全体を通して記述する本方法は、抗体の一部であるFcドメインの修飾に使用することもできる(例えば、アダリムマブ、エピラツズマブ、インフリキシマブ、Herceptin(登録商標)など)。このようにして、異なるエピトープへの結合ドメイン、前駆体分子の既存のエピトープへの追加の結合ドメインなどの追加の官能性を有する様々な分子を作成することができる。ペプチドは、例えば、(好ましくは)ファージディスプレイ、E.コリディスプレイ、リボソームディスプレイ、RNA−ペプチドスクリーニング、酵母スクリーニング、化学−ペプチドスクリーニング、合理的設計若しくはタンパク質構造解析によって選択することができ、又は天然のペプチド(例えばPTH、GLP−1)とすることができる。
本発明は、さらに、Fcドメインの内部配列として(好ましくはループ領域中に)ペプチドを含むように修飾されたFcドメインを含む分子に関係する。内部ペプチド配列を含む分子は、全体を通して「Fc内部ペプチボディ」又は「Fc内部ペプチド分子」と記述する。これらの分子を以下にさらに記述する。
Fc内部ペプチド分子は、特定の内部領域中に1個を超える直列のペプチド配列を含むことができ、他の内部領域中にさらなるペプチドを含むことができる。推定ループ領域が好ましいものの、Fcの任意の他の非末端ドメイン中の挿入も本発明の一部と考えられる。(以下に記述する)上記化合物の変異体及び誘導体も本発明に包含される。
本発明の化合物は、標準合成方法、組換えDNA技術、又はペプチド及び融合タンパク質を調製する任意の他の方法によって調製することができる。
Fc内部ペプチド分子について企図される主要な用途は治療薬又は予防薬である。選択ペプチドは、ペプチドによって模倣される天然リガンドと類似の活性、さらにはそれを超える活性を有することができる。また、ある種の天然リガンド系治療薬は、患者自身の内因性リガンドに対する抗体を誘導することがある。これに対し、ビヒクルに連結されたペプチドの独特の配列は、天然リガンドと配列同一性を殆ど持たない、又は典型的にはまったく持たないことによってこの落とし穴を回避する。また、Fc内部ペプチボディは、N又はC末端連結Fc分子を上回るリフォールディング及び精製の利点を有し得る。さらに、Fc内部ペプチボディは、キメラドメインの安定化のために熱力学的にも、また、アミノペプチダーゼ及びカルボキシペプチダーゼ由来のタンパク質分解に対する高い抵抗性のために化学的にもより安定となり得る。Fc内部ペプチボディは、薬物動態学的諸特性も改善され得る。
本発明の化合物は、大部分は治療薬として企図されるが、かかる薬剤のスクリーニングにおいても有用となり得る。例えば、抗Fc被覆プレートを用いるアッセイにおいてFc内部ペプチボディ(例えば、Fcループ−SH2ドメインペプチド)を使用することができる。Fc内部ペプチボディは、不溶性ペプチドを可溶性にすることができ、従って幾つかのアッセイにおいて有用となり得る。
本発明の化合物は、適切な薬剤担体材料と一緒に処方し、治療又は予防の必要なヒト(又は他の哺乳動物)などの患者に有効量を投与することによって、治療又は予防の目的に使用することができる。他の関係する態様も本発明に含まれる。
本発明の多数の追加の態様及び利点も、本発明の図及び詳細な説明を考慮することによって明らかになるはずである。
図1A、1Bおよび1Cは、この発明の方法により修飾し得るFcドメインのループ領域を示す。FcのCH2およびCH3ドメインのこれら構造表示において、これらループ領域は、示されていない、βシート(平板矢印)またはαシート(円筒)のモデルの何れの部分でも良いと考えられる。
(図面の簡単な説明)
図1Aは、単量体のラットIgG2a Fcドメイン(タンパク質データベースファイル#1I1C、http://www.rcsb.org/pdb/)を示す。この図は、x線回折結晶構造から得られた、ラットIgG2a Fcドメインモノマーの3次元モデルを示す(pdb #1I1C)。CH2ドメインとCH3ドメインの両方の可能なFcループ挿入部位を示す。好ましいCH3ドメインFcループ挿入部位を特に区別して示す。
図1Bは、単量体ネズミIgG1 Fcドメイン(タンパク質データベースファイル#1IGY)を示す。この図は、x線回折結晶構造から得られた、ネズミIgG1 Fcドメインモノマーの3次元モデルを示す(pdb #1IGY)。CH2ドメインとCH3ドメインの両方の可能なFcループ挿入部位を示す。好ましいCH3ドメインFcループ挿入部位を特に区別して示す。
図1Cは、単量体ヒトIgG1 Fcドメイン(タンパク質データベースファイル#1H3T)を示す。この図は、x線回折結晶構造から得られた、ヒトIgG1 Fcドメインモノマーの3次元モデルを示す(pdb #1H3T)。CH2ドメインとCH3ドメインの両方の可能なFcループ挿入部位を示す。好ましいCH3ドメインFcループ挿入部位を特に区別して示す。
これら構造は、異なるIgGサブタイプ内においておよび種間で、二次および三次立体構造において、高度の相同性があることを示している。これら構造についてのx−線結晶構造座標は、PRCB Protein Data Bank(http://www.rcsb.org/pdb/)に見出すことができる。
図2Aは、太字の予測ループ配列とのペプチボディ融合体に使用する一連のヒトIgG1 Fc配列(配列番号599)を示す図である。図2Aは、本発明に使用するヒトIgG1配列に関連して、図1A、1B及び1Cに示す構造によって示唆される、太字のFcループ領域(配列番号621、622、624、625、627、628、630、632、634及び636)を示す。太字で示す部位のいずれか又は全ては、ペプチド配列による完全若しくは部分的な置換に、又はペプチド配列の挿入に適切となり得、本発明の一部と見なされる。特に好ましい内部部位に下線を引く(配列番号623、626、629、631、633、635及び637)。好ましい一部位は、DELTK(配列番号630)ループ中のLeu139とThr140の間の配列番号631である。他のIgサブタイプにおける可能なループ部位は、当該技術においては、図2B及び2Cに示すアラインメントに基づいて理解される。
図2B及び2Cは、IgA、IgM及びIgGサブクラス由来のヒトFcドメインの配列アラインメントを示す図である。図2B及び2Cは、本発明において有用であり得るIgA、IgM及びIgGサブタイプ由来のヒトFc領域の例示的アミノ酸配列(配列番号600から607)を示す。図2B及び2Cは、コンセンサス配列(配列番号608)も示す。
図2B及び2Cはまた、図2Aに示すFc配列の内部部位に対応する、ペプチド付加のための好ましい内部部位を太字で示す(配列番号599)。特に、図2B及び2Cは、以下の好ましい部位を示す。
・ 配列番号603から608内の太字で示す配列番号621、
・ 配列番号603から606及び608内の配列番号622、
・ 配列番号607内の配列番号638、
・ 配列番号603から608内の配列番号624、
・ 配列番号603及び604内の配列番号625、
・ 配列番号605から608内の配列番号639、
・ 配列番号603から605、607及び608内の配列番号627、
・ 配列番号606内の配列番号640、
・ 配列番号603、604及び608内の配列番号628、
・ 配列番号605内の配列番号641、
・ 配列番号606内の配列番号642、
・ 配列番号607内の配列番号643、
・ 配列番号603内の配列番号630、
・ 配列番号604から608内の配列番号644、
・ 配列番号603、604、606、607及び608内の配列番号632、
・ 配列番号605内の配列番号645、
・ 配列番号603、604及び607内の配列番号634、
・ 配列番号605、606及び608内の配列番号646、
・ 配列番号603、604、606及び608内の配列番号636、
・ 配列番号605内の配列番号614、並びに
・ 配列番号607内の配列番号620。
図2B及び2Cの配列アラインメントは、(図2A中の配列番号599の付番を用いて)Q167/P168及び/又はG183/S184におけるさらに可能な2個の挿入部位を示唆する。これらの位置は、並べられたIgAとIgMの配列中に存在する2及び3個の挿入残基があるIgG配列中のギャップに相当する。他の好ましい挿入部位は図2A中の配列に対応する。好ましい挿入部位は図2B及び2Cの下線部であり、以下の通りである。
・ 配列番号603及び604中のH53/E54
・ 配列番号605中のH100/E101
・ 配列番号606中のH49/E50
・ 配列番号607中のQ50/E51
・ 配列番号608中のH 65 /E 66
・ 配列番号603及び604中のY81/N82
・ 配列番号605中のF128/N129
・ 配列番号606中のF77/N78
・ 配列番号607中のF78/N79
・ 配列番号608中のF 93 /N 94
・ 配列番号603及び604中のN110/K111
・ 配列番号605中のN157/K158
・ 配列番号606中のN106/K107
・ 配列番号607中のN107/K108
・ 配列番号608中のN 122 /K 123
・ 配列番号603及び604中の、L143/T144 及びM 143 /T 144
・ 配列番号605中のM190/T191
・ 配列番号606中のM139/T140
・ 配列番号607中のM140/T141
・ 配列番号608中のM 157 /T 158
・ 配列番号603及び604中のQ171/P172
・ 配列番号605中のQ218/P219
・ 配列番号606中のQ167/P168
・ 配列番号607中のQ168/P169
・ 配列番号608中のQ 185 /P 188
・ 配列番号603及び604中のE173174
・ 配列番号605中のE220/N221
・ 配列番号606中のE169/N170
・ 配列番号607中のE170/N171
・ 配列番号608中のE 189 /N 190
・ 配列番号603及び604中のS 185 /D 186
・ 配列番号605中のS232/D233
・ 配列番号606中のS181/D182
・ 配列番号607中のS182/D183
・ 配列番号608中のS 201 /D 202
・ 配列番号603及び604中のG 187 /S 188
・ 配列番号605中のG234/S235
・ 配列番号606中のG183/S184
・ 配列番号607中のG184/S185
・ 配列番号608中のG 203 /S 207
・ 配列番号603及び604中のG205/N206
・ 配列番号605中のG252/N253
・ 配列番号606中のG201/N202
・ 配列番号607中のG202/N203、並びに
・ 配列番号608中のG 224 /N 225
図2Dは、ペプチボディプラットフォームに使用するヒトIgG1 Fcドメイン(Amgen Fc、配列番号609)と、FcRn/Fc複合体の結晶構造由来のラットIgG2A(1I1A.pdb、配列番号610とのアラインメントを示す図である。得られたコンセンサス配列(配列番号611)も示す。
図3Aは、ミオスタチン結合ペプチド(配列番号365)が挿入されたヒトIgG1 Fcドメインのアミノ酸配列(配列番号612)を示す図である。以下、この分子を「ミオスタチンループペプチボディ」又は「Fcループ−myo7」と記述する。挿入ペプチドを太字で示し、グリシンリンカーをイタリック体で示す。
図3Bは、TN8−19−07と記述されるC末端連結ペプチボディのアミノ酸配列(配列番号613)を示す図である。このペプチボディは、Fcループ−myo7と同じペプチド配列を含む(配列番号365)。TN8−19−07ペプチドを太字で示し、グリシン及びアラニンの各リンカーをイタリック体で示す。
図3Cは、Fcループ−EMPと以下で記述するFc内部ペプチボディのアミノ酸配列(配列番号615)を示す図である。このペプチボディはEPO様ペプチド(配列番号2)を含む。挿入ペプチドを太字で示し、グリシンリンカーをイタリック体で示す。ジスルフィド結合を形成するシステインには下線が引かれている。
図3Dは、Fcループ−Amp2と以下で記述するFc内部ペプチボディのアミノ酸配列(配列番号616)を示す図である。生理活性ペプチド(配列番号28)を太字で強調表示し、グリシンリンカーをイタリック体で強調表示する。AMP−2ペプチド挿入におけるジスルフィド拘束はない。
図3Eは、Fcループ−AMP2−2量体と以下で記述するC末端連結ペプチボディのアミノ酸配列(配列番号617)を示す図である。この直列治療ペプチド2量体は、治療ペプチド配列(配列番号28)を太字で示し、リンカーをイタリック体で示す。この分子は、Fcループ−AMP−2中に存在するものと同じペプチド配列の直列ペプチド2量体を含む。
図4A及び4Bは、SDS−PAGE(4−20%)によってFcループ−myo7及びTN8−19−07のE.コリ中での発現を示す図である。Fcループ−Myo7(#6951)とTN8−19−07(#6826)の両方の粗製細胞溶解物(lys)、不溶性画分(insol)及び可溶性(sol)画分の還元ゲル中の各試料を示す。SeeBlue及び分子量マーカー(レーン1)、全細胞溶解物(レーン2)、不溶性画分(レーン3)及び不溶性画分(レーン4)。
図5は、Fcループ−Myo7(#6951)及びTN8−19−07(#6826)の各未精製再折り畳み反応物の逆相高速液体クロマトグラフィー(RP−HPLC)を比較したグラフである。ペプチボディ約10μgを再折り畳み反応からVydak C4カラム(5μM、300オングストローム、4.6×250mm)に直接充填し、線状40−50%ACN勾配で0.5%/minで溶出させた。
図6は、FcループTN8−19−07(#6951)とカルボキシ末端Fc TN8−19−07(#6826)の各最終精製プールの逆相高速液体クロマトグラフィー(RP−HPLC)を比較したグラフである。精製ペプチボディ10μgをVydak C4カラム(5μM、300オングストローム、4.6×250mm)に充填し、線状40−50%ACN勾配で0.5%/minで溶出させた。
図7は、FcループTN8−19−07(#6951)及びカルボキシ末端Fc TN8−19−07(#6826)の各最終精製プールのSDS−PAGE(4−20%ゲル)による分析結果を示す図である。各試料5μgを以下の通り充填した:#6951(レーン1)、#6826(レーン2)、SeeBlue+マーカー(レーンM)、還元#6951(レーン3)、還元#6826(レーン4)。
図8は、ミオスタチン抑制性化合物を測定するインビトロ細胞系バイオアッセイを示すグラフである。FcループTN8−19−07(#6951)は、カルボキシ末端TN8−19−07ペプチボディ(#6826)と比較して十分な抑制活性を保持する。
図9は、FcループTN8−19−07(#6951)及びカルボキシ末端TN8−19−07ペプチボディ(#6826)に対するインビボ安定性試験のウエスタンブロット分析結果を示す図である。5匹のマウスから得た血清プールを各時点(0、4、24及び48時間)で評価した。レーン1−3はそれぞれ2ng、5ng及び10ngのFcループTN8−19−07標準である。レーン4と5は4時間におけるそれぞれFcループペプチボディ対カルボキシ末端ペプチボディである。レーン6と7は24時間におけるそれぞれFcループペプチボディ対カルボキシ末端ペプチボディである。レーン8と9は48時間におけるそれぞれFcループペプチボディ対カルボキシ末端ペプチボディである。レーン10−12は、それぞれ2ng、5ng及び10ngのカルボキシ末端ペプチボディ標準である。ゲルは、MES還元緩衝剤中で実施した1mm 4−12%SDS−PAGEゲルであり、ウエスタンブロットをヤギ抗ヒトIgG Fc−HRP複合体を用いて展開した。
図10Aは、Ang2結合ペプチド(配列番号147)が挿入されたヒトIgG1 Fcドメインのアミノ酸配列(配列番号618)を示す図である。以下、この分子を「Ang2ループペプチボディ」又は「Fcループ−Ang2」と記述する。生理活性ペプチドを太字で強調表示し、グリシンリンカーをイタリック体で強調表示する。
図10Bは、本明細書ではTN8−Con4と記述するC末端連結ペプチボディのアミノ酸配列(配列番号619)を示す図である。この分子は、Fcループ−ang2と同じペプチド配列を含む(配列番号147)。生理活性ペプチドを太字で強調表示し、グリシン及びアラニンの各リンカーをイタリック体で強調表示する。
図11は、FcループTN8−Con4(#6888)及びカルボキシ末端TN8−Con4(#5564)の各ペプチボディのE.コリ中での発現及び分布をSDS−PAGEによって示す図である。Fcループ−Tn8−Con4(#6888)とTN8−Con4(#5564)の両方の粗製細胞溶解物(lys)、不溶性画分(insol)及び可溶性(sol)画分の還元ゲル中の各試料を示す。
図12は、FcループAng2(#6888)とカルボキシ末端Fc TN8−19−07(#5564)の各再折り畳み反応物のRP−HPLCを比較したグラフである。再折り畳み反応物20μlをVydak C4カラム(5μM、300オングストローム、4.6×250mm)に充填し、線状40−50%ACN勾配で0.5%/minで溶出させた。
図13は、FcループAng2(#6888)とカルボキシ末端Fc TN8−Con4(#5564)の各最終精製プールのRP−HPLCを比較したグラフである。精製ペプチボディ10μgをVydak C4カラム(5μM、300オングストローム、4.6×250mm)に充填し、線状40−50%ACN勾配で0.5%/minで溶出させた。
図14は精製Fcループ−myo7及びTN8−19−7を示す図である。
図15はFcループ−ang2及びFc−ang2−直列のBiacore結合分析結果を示すグラフである。
図16は、Fcループ−ang2、TN8−Con4及びFc−ang2−直列のインビトロ酵素結合免疫吸着検定法(ELISA)の結果を示す図である。
図17は、Fcループ−EMPのUT7エリスロポイエチン増殖アッセイの結果を示す図である。このアッセイでは、2個の異なるFcループ−EMP分子の活性をエポエチンアルファの活性と比較する。
図18は、FcループTN8−Amp2(#6875)ペプチボディのE.コリ中での発現及び分布をSDS−PAGEによって示す図である。Fcループ−Amp2(#6888)の粗製細胞溶解物(lys)、不溶性画分(insol)及び可溶性(sol)画分の還元ゲル中の各試料を示す。
図19は、FcループAMP 2(#6875)の最終精製プールのSDS−PAGE(4−20%ゲル)による分析結果を示す図である。レーン2にFcループAMP 2ペプチボディ5μgを充填した。レーン4に還元FcループAMP 2ペプチボディ5μgを充填した。レーン1及び3にSeeBlue及び2種類の分子量マーカーを充填した。
図20は、FcループAMP 2(#6875)の最終精製プールのRP−HPLC分析結果を示すグラフである。精製ペプチボディ10μgをVydak C4カラム(5μM、300オングストローム、4.6×250mm)に充填し、線状40−50%ACN勾配で0.5%/minで溶出させた。
図21は、FcループAMP 2及びAMG 531の各ペプチボディのネズミインビボバイオアッセイ結果を示すグラフである。50μg/kgペプチボディ又は担体のみを単回皮下注射したマウス。アッセイ方法については実施例9を参照されたい。
図22は、2個の生理活性ペプチドをFcループペプチボディに組み込む幾つかの戦略を示す図である。
図23は、精製Fcループ構築体のSDS−PAGEゲルを示す図である。試料(2ug/レーン)を4−20%Tris−グリシンSDS−PAGEゲル上で+/−還元緩衝剤泳動させた。
図24はFcループ構築体のRP−HPLCを示すグラフである。
用語の定義
具体例において特に限定しない限り、本明細書を通して使用する用語を以下の通り定義する。
アミノ酸配列に関連して使用する「含む」という用語は、化合物が所与の配列のN末端、C末端又はその両方に追加のアミノ酸を含むことができることを意味する。
「抗体」又は「抗体ペプチド」とは、無傷の抗体、又は特異的結合に対して無傷の抗体と競合するその結合性フラグメントを指し、キメラ抗体、ヒト化抗体、全ヒト抗体、二重特異性抗体などが挙げられる。ある実施形態においては、結合性フラグメントを組換えDNA技術によって生成させる。別の実施形態においては、結合性フラグメントを無傷の抗体の酵素切断又は化学切断によって生成させる。結合性フラグメントとしては、Fab、Fab’、F(ab’)、Fv、単鎖抗体などが挙げられるが、これらだけに限定されない。
「ネイティブFc」という用語は、単量体でも多量体でも、抗体全体を消化して得られ、ループ領域への挿入又はループ領域の置換によってその中にペプチド配列を付加することができる、非抗原結合性フラグメントの配列を含む分子又は配列を指す。ネイティブFcの本来の免疫グロブリン源は好ましくはヒト起源であり、免疫グロブリンのいずれでもよいが、IgG1及びIgG2が好ましい。ネイティブFcは、共有結合(例えば、ジスルフィド結合)及び非共有結合によって2量体又は多量体中に連結させることができる単量体ポリペプチドで構成されている。ネイティブFc分子の単量体サブユニット間の分子間ジスルフィド結合数は、クラス(例えば、IgG、IgA、IgE)又はサブクラス(例えば、IgG1、IgG2、IgG3、IgA1、IgGA2)に応じて1から4の範囲である。ネイティブFcの一例は、IgGのパパイン消化から得られるジスルフィド結合2量体である(Ellison et al.(1982), Nucleic Acids Res. 10: 4071−9を参照されたい。)。本明細書では「ネイティブFc」という用語は、単量体、2量体及び多量体の総称である。
「Fc変異体」という用語は、ネイティブFcから改変されたがサルベージ受容体FcRnに対する結合部位を依然として含む分子又は配列を指す。(1997年9月25日に公開された)国際公開第97/34631号及び国際公開第96/32478号は、例示的Fc変異体、及びサルベージ受容体との相互作用を記載している。これらの国際公開を参照により本明細書に組み入れる。従って、「Fc変異体」という用語は、非ヒトネイティブFcからヒト化された分子又は配列を含む。また、ネイティブFcは、本発明の融合分子に不要である構造的特徴又は生物活性をもたらすので除去することができる部位を含む。従って、「Fc変異体」という用語は、(1)ジスルフィド結合形成、(2)選択宿主細胞との不適合性(3)選択宿主細胞中での発現時のN末端不均一性、(4)グリコシル化、(5)補体相互作用、(6)サルベージ受容体以外のFc受容体との結合又は(7)抗体依存性細胞傷害(ADCC)に影響を及ぼす、又はこれらに関与する、1個以上のネイティブFc部位又は残基を欠く、分子又は配列を含む。Fc変異体を以下でさらに詳細に述べる。
「Fcドメイン」という用語は、上記ネイティブFc及びFc変異分子及び配列を包含する。Fc変異体及びネイティブFc同様、「Fcドメイン」という用語は、抗体全体から消化されていようと、又は他の手段によって生成されていようと、単量体又は多量体の分子を含む。
Fcドメイン又はFcドメインを含む分子に適用する「多量体」という用語は、共有結合した、非共有結合した、又は共有結合性と非共有結合性の両方の相互作用によって結合した、2本以上のポリペプチド鎖を有する分子を指す。IgG分子は典型的には2量体を形成し、IgMは5量体、IgDは2量体、IgAは単量体、2量体、3量体又は4量体を形成する。多量体は、FcのネイティブIg源の配列及び生じる活性を活用することによって、又はかかるネイティブFcを(以下に定義するように)誘導体化することによって、形成することができる。
Fcドメイン又はFcドメインを含む分子に適用する「2量体」という用語は、共有結合又は非共有結合した2本のポリペプチド鎖を有する分子を指す。本発明の範囲内の例示的2量体は米国特許第6,660,843号、図2に示されている。この特許を参照により本明細書に組み入れる。
「誘導体化する」及び「誘導体」又は「誘導体化された」という用語は、それぞれ(1)化合物が環式部分、例えば、化合物内のシステイニル残基間の架橋を有する、(2)化合物が架橋されている、又は架橋部位を有する;例えば、化合物がシステイニル残基を有し、従って培養又はインビボで架橋2量体を形成する、(3)1個以上のペプチジル連結が非ペプチジル連結で置換されている、(4)N末端が−NRR、NRC(O)R、−NRC(O)OR、−NRS(O)、−NHC(O)NHR、スクシンイミド基又は置換若しくは非置換ベンジルオキシカルボニル−NH−で置換されている(式中、R及びR及び環置換基は以下に定義する通りである。)、(5)C末端が−C(O)R又は−NRで置換されている(式中、R、R及びRは以下に定義する通りである。)、(6)化合物が個々のアミノ酸部分が選択した側鎖又は末端残基と反応することができる薬剤で処理することによって修飾されている、方法及びこの方法によってもたらされた化合物を含む。誘導体については以下でさらに述べる。
「ポリペプチド」という用語は、かかる分子が膜結合性でない限り、天然に存在してもしなくても、40個を超えるアミノ酸の分子を指す。例示的なポリペプチドとしては、IL−1ra、レプチン、可溶性1型及び2型TNF受容体(sTNF−R1、sTNF−R2)、KGF、EPO、TPO、G−CSF、ダーベポエチン(darbepoietin)、Fab断片などが挙げられる。
「ペプチド」という用語は、2から40個のアミノ酸の分子を指す。3から20個のアミノ酸の分子が好ましく、6から15個のアミノ酸の分子が最も好ましい。例示的なペプチドは、ペプチドライブラリー(例えば、ファージディスプレイライブラリー)において実施する上記方法のいずれかによってランダムに生成することができ、又はタンパク質を消化して誘導することができる。
ペプチド配列に関連して用いる「ランダム化」という用語は、(例えば、ファージディスプレイ方法によって選択される)完全なランダム配列、及び天然の分子の1個以上の残基が、天然の分子中のその位置には存在しないアミノ酸残基で置換された配列を指す。ペプチド配列を特定する例示的な方法としては、ファージディスプレイ、E.コリディスプレイ、リボソームディスプレイ、酵母スクリーニング、RNA−ペプチドスクリーニング、化学スクリーニング、合理的設計、タンパク質構造解析などが挙げられる。
「薬理学的に活性な」という用語は、そのように記述した物質が、医学的パラメータ(例えば、血圧、血球数、コレステロールレベル)又は病態(例えば、癌、自己免疫異常)に影響を及ぼす活性を有すると判定されることを意味する。従って、薬理学的に活性なペプチドは、以下のアゴニストペプチド又は様ペプチド及びアンタゴニストペプチドを含む。
「様ペプチド」及び「アゴニストペプチド」という用語は、目的タンパク質と相互作用するタンパク質(例えば、EPO、TPO、G−CSF)に類似した生物活性を有するペプチドを指す。これらの用語は、さらに、目的タンパク質の天然リガンドの効果の増強などによって目的タンパク質の活性を間接的に模倣するペプチドも含む。例えば、本明細書の表2及び参照により本明細書に組み入れる米国特許第6,660,843号の表7に示すG−CSF様ペプチドを参照されたい。従って、「EPO様ペプチド」という用語は、Wrighton et al.(1996), Science 273: 458−63, Naranda et al.(1999), Proc. Natl. Acad. Sci. USA 96: 7569−74又はEPO様対象を含むと認定された表2中の任意の他の参考文献に記載のように特定することができるペプチド、又は誘導することができる任意のペプチドを含む。当業者は、これらの参考文献の各々によって、異なるペプチドライブラリーを用いて、開示された手順に従って、その中で実際に開示されたものとは異なるペプチドを選択することができることを理解されたい。
「アンタゴニストペプチド」又は「阻害ペプチド」という用語は、関連する目的タンパク質の生物活性を遮断するペプチド、何らかの方法で妨害するペプチド、又は関連する目的タンパク質の公知アンタゴニスト若しくは阻害剤と類似の生物活性を有するペプチドを指す。従って、「TNFアンタゴニストペプチド」という用語は、Takasaki et al.(1997), Nature Biotech. 15: 1266−70又はTNFアンタゴニスト対象を含むと認定された表2中の参考文献のいずれかに記載のように特定することができるペプチド、又は誘導することができるペプチドを含む。当業者は、これらの参考文献の各々によって、異なるペプチドライブラリーを用いて、開示された手順に従って、その中で実際に開示されたものとは異なるペプチドを選択することができることを理解されたい。
「TPO様ペプチド」という用語は、2000年5月4日に公開された国際公開第00/24770号に加えて、Cwirla et al.(1997), Science 276: 1696−9、米国特許第5,869,451号及び同5,932,946号、2003年9月18日に公開された米国特許出願公開第2003/0176352号、2003年4月17日に公開された国際公開第03/031589号及びTPO様対象を含むと認定された表2中の任意の他の参考文献に記載のように特定することができるペプチド、又は誘導することができるペプチドを含む。これらの文献を参照により本明細書に組み入れる。当業者は、これらの参考文献の各々によって、異なるペプチドライブラリーを用いて、開示された手順に従って、その中で実際に開示されたものとは異なるペプチドを選択することができることを理解されたい。
「ang−2結合ペプチド」という用語は、2003年12月11日に公開された米国特許出願公開第2003/0229023号、7/17/03に公開された国際公開第03/057134号、2003年12月25日に公開された米国特許出願公開第2003/0236193号及びang−2に関係する対象を含むと認定された表2中の任意の他の参考文献に記載のように特定することができるペプチド、又は誘導することができるペプチドを含む。当業者は、これらの参考文献の各々によって、異なるペプチドライブラリーを用いて、開示された手順に従って、その中で実際に開示されたものとは異なるペプチドを選択することができることを理解されたい。
「NGF結合ペプチド」という用語は、2004年4月1日に公開された国際公開第04/026329号及びNGFに関係する対象を含むと認定された表2中の任意の他の参考文献に記載のように特定することができるペプチド、又は誘導することができるペプチドを含む。当業者は、これらの参考文献の各々によって、異なるペプチドライブラリーを用いて、開示された手順に従って、その中で実際に開示されたものとは異なるペプチドを選択することができることを理解されたい。
「ミオスタチン結合ペプチド」という用語は、2003年12月19日に出願された米国特許出願第10/742,379号及びミオスタチンに関係する対象を含むと認定された表2中の任意の他の参考文献に記載のように特定することができるペプチド、又は誘導することができるペプチドを含む。当業者は、これらの参考文献の各々によって、異なるペプチドライブラリーを用いて、開示された手順に従って、その中で実際に開示されたものとは異なるペプチドを選択することができることを理解されたい。
また、本発明の化合物の生理学的に許容される塩も本発明に包含される。「生理学的に許容される塩」とは、薬剤として許容されることが知られている、又は将来発見される、あらゆる塩を意味する。幾つかの具体例は、酢酸塩;トリフルオロ酢酸塩;塩酸塩、臭化水素酸塩などのヒドロハロゲン化物(hydrohalide);硫酸塩;クエン酸塩;酒石酸塩;グリコール酸塩及びシュウ酸塩である。
化合物の構造
一般
本発明に従って調製する構成物においては、ペプチドは、ペプチドのN末端又はC末端を介してビヒクルに結合することができる。従って、本発明のビヒクル−ペプチド分子は、以下の式Iによって記述することができる。
Figure 0005017116
式中、
はループ領域中に少なくとも1個のXを含むように修飾されたFcドメインであり、
及びXは−(L−P、−(L−P−(L−P、−(L−P−(L−P−(L−P及び−(L−P−(L−P−(L−P−(L−Pから各々独立に選択され、
は−(L−P、−(L−P−(L−P、−(L−P−(L−P−(L−P及び−(L−P−(L−P−(L−P−(L−Pから独立に選択され、
、P、P及びPは各々独立に薬理学的に活性なポリペプチド又は薬理学的に活性なペプチドの配列であり、
、P、P及びPは各々独立に薬理学的に活性なペプチドの配列であり、
、L、L、L、L、L、L及びLは各々独立にリンカーであり、
a、b、c、d、e及びfは各々独立に0又は1である。
好ましい実施形態においては、aとbはどちらも0である。すなわち、X基とX基のどちらもFcドメインのN末端にもC末端にも存在しない。
当業者は、1個を超えるX置換基がFcドメイン中に存在することができ、複数のX置換基が異なることができ、例えば、異なるPペプチド、同じペプチド配列に結合した異なるリンカーなどを含むことができることを理解されたい。同様に、XとXは同じでも異なっていてもよく、整数cからfはX、X及びXで異なっていてもよい。
従って、化合物Iは、式IIの化合物
Figure 0005017116
及びその多量体(式中、FはXのC末端で結合している。)、
式IIIの化合物
Figure 0005017116
及びその多量体(式中、FはXのN末端で結合している。)、
式IVの化合物
Figure 0005017116
及びその多量体(式中、Fは−(L−PのN末端で結合している。)、
並びに式Vの化合物
Figure 0005017116
及びその多量体(式中、Fは−L−P−L−PのN末端で結合している。)
を含む。
ペプチド
任意の数のペプチドを本発明に関連して使用することができる。好ましいペプチドは、アンジオポエチン−2(ang−2)、ミオスタチン、神経成長因子(NGF)、腫よう壊死因子(TNF)、B細胞活性化因子(BAFF、TALL−Iとも称される。)に結合し、又はEPO、TPO若しくはG−CSFの活性を模倣する。腫ようホーミングペプチド、膜輸送ペプチドなどを含めて、ターゲティングペプチドも興味深い。これらのクラスのペプチドの全てを、本明細書で引用する参考文献及び他の参考文献に記載の方法によって発見することができる。
特にファージディスプレイは、本発明に使用するペプチドの生成に有用である。ランダムペプチドライブラリーからの親和性選択は、任意の遺伝子産物の任意の部位に対するペプチドリガンドの特定に使用することができると述べられてきた。Dedman et al.(1993), J. Biol. Chem. 268: 23025−30。ファージディスプレイは、細胞表面受容体又は線状エピトープを有するタンパク質のような目的タンパク質に結合するペプチドを特定するのに特に適している。Wilson et al.(1998), Can. J. Microbiol. 44: 313−29; Kay et al.(1998), Drug Disc. Today 3: 370−8。かかるタンパク質は、参照により本明細書に組み入れるHerz et al.(1997), J. Receptor & Signal Transduction Res. 17(5): 671−776に広範に概説されている。かかる当該タンパク質は本発明に使用するのに好ましい。
特に好ましいペプチド群は、サイトカイン受容体に結合する群である。サイトカインは、最近、その受容体コードによって分類された。参照により本明細書に組み入れるInglot (1997), Archivum Immunologiae et Therapiae Experimentalis 45: 353−7を参照されたい。これらの受容体のうち、最も好ましいのはCKR(表3のファミリーI)である。受容体分類を表3に示す。
Figure 0005017116
Figure 0005017116
Figure 0005017116
本発明におけるペプチド産生用標的としての特定の目的タンパク質としては以下が挙げられる。
αvβ3
αVβ1
Ang−2
BAFF/TALL−1
B7
B7RP1
CRP1
カルシトニン
CD28
CETP
cMet
補体因子B
C4b
CTLA4
グルカゴン
グルカゴン受容体
LIPG
MPL
ミオスタチン
腫よう細胞上で優先的に発現される分子のスプライスバリアント、例えば、CD44、CD30
ムチン及びLewis Y表面糖タンパク質の非グリコシル化変異体
CD19、CD20、CD33、CD45
前立腺特異的膜抗原及び前立腺特異的細胞抗原
分泌及び膜結合性のマトリックスメタロプロテイナーゼ(MMP)(例えば、MMP−9)
カテプシン
アンジオポエチン−2
TIE−2受容体
ヘパラナーゼ
ウロキナーゼプラスミノゲンアクチベーター(UPA)、UPA受容体
副甲状腺ホルモン(PTH)、副甲状腺ホルモン関連タンパク質(PTHrP)、PTH−RI、PTH−RII
Her2
Her3
インスリン
本発明の例示的ペプチドは、参照により本明細書に組み入れる米国特許第6,660,843号の表4から20にある。追加の好ましいペプチドは、2003年12月11日に公開された米国特許出願公開第2003/0229023号、2003年7月17日に公開された国際公開第03/057134号、2003年12月25日に公開された米国特許出願公開第2003/0236193号、2000年5月4日に公開された国際公開第00/24770号、2003年9月18日に公開された米国特許出願公開第2003/0176352号、2003年4月17日に公開された国際公開第03/031589号、2003年9月18日に出願された米国特許出願第10/666,480号、2004年4月1日に公開された国際公開第04/026329号、2003年12月19日に出願された米国特許出願第10/742,379号、2003年12月19日に出願されたPCT/US03/40781号にある。これらの各々を参照により本明細書に組み入れる。かかるペプチドは、当分野で開示される方法によって調製することができる。
特に好ましいペプチドを下表に示す。単一文字のアミノ酸略語を使用する。これらのペプチドのいずれも、リンカーを用いて、又はリンカーを用いないで、直列に(すなわち、逐次的に)連結することができる。システイニル残基を含むペプチドは、別のCys含有ペプチド又はタンパク質と架橋することができる。1個を超えるCys残基を有するペプチドは、ペプチド内ジスルフィド結合も形成することができる。これらのペプチドのいずれも本明細書に記載されたように誘導体化することができる。全てのペプチドは、他に断らない限り、ペプチド結合を介して連結されている。
Figure 0005017116
Figure 0005017116
Figure 0005017116
Figure 0005017116
Figure 0005017116
Figure 0005017116
Figure 0005017116
Figure 0005017116
Figure 0005017116
Figure 0005017116
Figure 0005017116
Figure 0005017116
Figure 0005017116
Figure 0005017116
Figure 0005017116
Figure 0005017116
Figure 0005017116
Figure 0005017116
Figure 0005017116
Figure 0005017116
Fcドメイン
本発明は、ペプチド配列を含むように修飾された少なくとも1個のFcドメインが存在する必要がある。
上述したように、ネイティブFcとFc変異体のどちらも本発明の範囲内で使用するのに適切なFcドメインである。ネイティブFcは、サルベージ受容体との結合が維持される限り、本発明によるFc変異体を形成するように大幅に修飾することができる。例えば国際公開第97/34631号及び国際公開第96/32478号を参照されたい。かかるFc変異体においては、本発明の融合分子によって必要とされない構造的特徴又は機能的活性をもたらすネイティブFcの1個以上の部位を除去することができる。これらの部位は、例えば、残基の置換若しくは除去、部位への残基の挿入、又は部位を含む部分の切断によって除去することができる。挿入又は置換された残基は、ペプチド模倣物、D−アミノ酸などの変化したアミノ酸とすることもできる。Fc変異体は、幾つかの理由のために望ましい場合がある。そのうち幾つかを以下に記述する。例示的なFc変異体としては、以下の分子及び配列が挙げられる。
1. ジスルフィド結合形成に関与する部位が除去されている。かかる除去によって、本発明の分子を生成するのに使用する宿主細胞中に存在する他のシステイン含有タンパク質との反応を回避することができる。このために、N末端のシステイン含有セグメントを切断することができ、又はシステイン残基を欠失させ、若しくは他のアミノ酸(例えば、アラニル、セリル)で置換することができる。特に、N末端の配列番号599の20アミノ酸セグメントを切断することができ、又は配列番号599の7位及び10位のシステイン残基を欠失させ、若しくは置換することができる。システイン残基を除去するときでも、単鎖Fcドメインは、非共有結合した2量体Fcドメインを依然として形成することができる。
2. ネイティブFcは、選択宿主細胞にさらに適合するように修飾される。例えば、典型的なネイティブFcのN末端近くのPA配列を除去することができる。PA配列は、プロリンイミノペプチダーゼなどのE.コリ中の消化酵素によって認識することができる。分子がE.コリなどの細菌細胞中で組換え発現されるときには特に、N末端メチオニン残基を付加することもできる。配列番号599のFcドメイン(図2A)はかかる1つのFc変異体である。
3. ネイティブFcのN末端部分は、選択宿主細胞中で発現されるときには、N末端の不均一性を防止するために除去される。このために、N末端の第1の20アミノ酸残基のいずれか、特に1、2、3、4及び5位のアミノ酸残基を欠失させることができる。
4. 1個以上のグリコシル化部位は除去される。典型的にはグリコシル化される残基(例えば、アスパラギン)は、細胞溶解性応答を与える恐れがある。かかる残基は、欠失させることができ、又は非グリコシル化残基(例えば、アラニン)で置換することができる。
5. C1q結合部位など補体との相互作用に関与する部位は除去される。例えば、ヒトIgG1のEKK配列を欠失させることができ、又は置換することができる。補体動員は、本発明の分子では有利でない場合もあり、かかるFc変異体を用いて回避することができる。
6. サルベージ受容体以外のFc受容体との結合に影響を及ぼす部位は除去される。ネイティブFcは、ある種の白血球との相互作用部位を有し得る。この部位は、本発明の融合分子には不要であり、従って除去することができる。
7. ADCC部位は除去される。ADCC部位は当分野で公知である。例えば、IgG1中のADCC部位に関してはMolec. Immunol. 29(5): 633−9(1992)を参照されたい。これらの部位も、本発明の融合分子には不要であり、従って除去することができる。
8. ネイティブFcが非ヒト抗体に由来するときには、ネイティブFcをヒト化することができる。典型的には、ネイティブFcをヒト化するために、非ヒトネイティブFc中の選択残基をヒトネイティブFc中に通常存在する残基で置換する。抗体のヒト化技術は当分野で周知である。
好ましいFc変異体は以下を含む。配列番号599(図2A)においては、15位のロイシンをグルタミン酸で置換することができ、99位のグルタミン酸をアラニンで置換することができ、101位及び103位のリジンをアラニンで置換することができる。また、1個以上のチロシン残基をフェニルアラニン(phenyalanine)残基で置換することができる。
追加のビヒクル
米国特許第4,640,835号、同4,496,689号、同4,301,144号、同4,670,417号、同4,791,192号及び同4,179,337号に記載のように、本発明は、さらに、ポリエチレングリコール、ポリオキシエチレングリコール、ポリプロピレングリコールなどの1個以上の水溶性ポリマー付加物を含むように共有結合的に修飾された分子も包含する。当分野で公知のさらに別の有用なポリマーとしては、モノメトキシ−ポリエチレングリコール、デキストラン、セルロース又は他の炭水化物系ポリマー、ポリ(N−ビニルピロリドン)−ポリエチレングリコール、プロピレングリコールホモポリマー、ポリプロピレンオキシド/エチレンオキシドコポリマー、ポリオキシエチル化ポリオール(例えば、グリセリン)、ポリビニルアルコール、これらのポリマーの混合物などが挙げられる。特に好ましいのは、ポリエチレングリコール(PEG)サブユニットを用いて共有結合的に修飾されたペプチボディである。水溶性ポリマーは、特定の位置、例えばペプチボディのアミノ末端に結合させることができ、又はポリペプチドの1個以上の側鎖にランダムに結合させることができる。特定の結合剤、例えばペプチボディ、特にヒト化抗体の治療能力を向上させるためにPEGを使用することは、2000年10月17日に発行されたGonzales他の米国特許第6,133,426号に記載されている。
現在、ビヒクルとして有用である化学成分を結合させる様々な手段が利用可能である。例えば、参照によりその全体を本明細書に組み入れる、特許協力条約(「PCT」)国際公開第96/11953号”N−Terminally Chemically Modified Protein Compositions and Methods”を参照されたい。このPCT刊行物は、なかでも、タンパク質N末端への水溶性ポリマーの選択的結合を開示している。
好ましいポリマービヒクルはポリエチレングリコール(PEG)である。PEG基は、任意の好都合な分子量とすることができ、線状でも分枝状でもよい。PEGの平均分子量は、好ましくは約2キロダルトン(「kD」)から約100kD、より好ましくは約5kDaから約50kDa、最も好ましくは約5kDから約20kDの範囲である。PEG基は、一般に、本発明の化合物に、アシル化又は還元的アルキル化によって、PEG部分の反応性基(例えば、アルデヒド、マレイミド、アミノ、チオール又はエステル基)を介して、本発明の化合物の反応性基(例えば、アルデヒド、アミノ、チオール又はエステル基)に結合する。
合成ペプチドのPEG化に有用な戦略は、溶液中で共役連結を形成することによって、相互に反応する特別な官能基を各々が有するペプチドとPEG部分とを結合させることからなる。ペプチドは、従来の固相合成によって容易に調製することができる(例えば、図5及び6並びに本明細書中の付随する文章を参照されたい。)。ペプチドは、特定の部位の適切な官能基を用いて「予備活性化される(preactivated)」。前駆体を精製し、PEG部分と反応させる前に十分分析する。ペプチドとPEGの連結は、通常、水相で起こり、分析用逆相HPLCによって容易にモニターすることができる。PEG化ペプチドは、分取用HPLCによって容易に精製することができ、分析用HPLC、アミノ酸分析及びレーザー脱離質量分析法によって分析することができる。
多糖ポリマーは、タンパク質修飾に使用することができる水溶性ポリマーの別のタイプである。デキストランは、主にα1−6連結によって連結されたグルコースの個々のサブユニットで構成された多糖ポリマーである。デキストラン自体は、多数の分子量範囲で入手可能であり、約1kDから約70kDの分子量で容易に入手可能である。デキストランは、ビヒクルとして、単独で、又は別のビヒクル(例えば、Fc)と組み合わせて、本発明での使用に適切な水溶性ポリマーである。例えば、国際公開第96/11953号及び国際公開第96/05309号を参照されたい。治療又は診断用免疫グロブリンと複合化されたデキストランの使用は、すでに報告されている。例えば、参照により本明細書に組み入れる欧州特許公報第0 315 456号を参照されたい。デキストランを本発明によるビヒクルとして使用するときには、約1kDから約20kDのデキストランが好ましい。
追加のビヒクルは、サルベージ受容体と結合可能である、タンパク質、ポリペプチド、ペプチド、抗体、抗体断片又は小分子(例えば、ペプチド模倣化合物)とすることもできる。例えば、1998年4月14日に発行されたPresta他の米国特許第5,739,277号に記載のポリペプチドをビヒクルとして使用することができる。ペプチドは、FcRnサルベージ受容体との結合についてファージディスプレイによって選択することもできる。かかるサルベージ受容体結合化合物も、本発明における「ビヒクル」の範ちゅうに含まれる。かかるビヒクルは、(例えば、プロテアーゼによって認識される配列を回避することによって)半減期が延長されるかどうかによって、また、(例えば、抗体のヒト化において発見される、非免疫原性配列を優先することによって)免疫原性が減少するかどうかによって、選択すべきである。
リンカー
「リンカー」基は必須でない。存在するときには、主にスペーサーとして働くので、その化学構造は重要ではない。リンカーは、ペプチド結合によって連結されたアミノ酸で構成されることが好ましい。従って、好ましい実施形態においては、リンカーは、ペプチド結合によって連結された1から20個のアミノ酸で構成される。アミノ酸は、20種類の天然アミノ酸から選択される。当業者によって十分理解されるように、これらのアミノ酸の一部はグリコシル化することができる。より好ましい一実施形態においては、1から20個のアミノ酸をグリシン、アラニン、プロリン、アスパラギン、グルタミン及びリジンから選択する。さらにより好ましくは、リンカーは、グリシン、アラニンなどの立体障害のないアミノ酸の大多数で構成される。従って、好ましいリンカーは、ポリグリシン(特に(Gly)、(Gly))、ポリ(Gly−Ala)及びポリアラニンである。リンカーの他の具体例は、
(Gly)Lys(Gly)(配列番号595)、
(Gly)AsnGlySer(Gly)(配列番号596)、
(Gly)Cys(Gly)(配列番号597)及び
GlyProAsnGlyGly(配列番号598)である。
上記命名法を説明すると、例えば、(Gly)Lys(Gly)はGly−Gly−Gly−Lys−Gly−Gly−Gly−Glyを意味する。GlyとAlaの組み合わせも好ましい。本明細書に示すリンカーは例示である。本発明の範囲内のリンカーは、これらよりはるかに長くすることができ、他の残基を含むことができる。
非ペプチドリンカーも可能である。例えば、−NH−(CH−C(O)−(式中、s=2−20)などのアルキルリンカーを使用することができる。これらのアルキルリンカーは、さらに、低級アルキル(例えば、C−C) 低級アシル、ハロゲン(例えば、Cl、Br)、CN、NH、フェニルなどの非立体障害基で置換することもできる。例示的な非ペプチドリンカーはPEGリンカーである。
Figure 0005017116
式中、nは、リンカーが100から5000kD、好ましくは100から500kDの分子量を有するようなものである。ペプチドリンカーは、上述と同様に、改変して誘導体を形成することができる。
誘導体
本発明は、アミノ酸残基の挿入、欠失若しくは置換以外の修飾、又はこれらに加えた修飾を有する分子を含む「誘導体」も提供する。好ましくは、修飾は、本質的に共有結合性であり、例えば、ポリマー、脂質、他の有機成分及び無機成分との化学結合が挙げられる。本発明の誘導体は、分子の循環半減期を延長するように、所望の細胞、組織若しくは器官に対する分子のターゲティング能力を改善するように、分子の溶解性若しくは吸収を改善するように、又は分子の望ましくない副作用を除去若しくは減弱するように、調製することができる。例示的な誘導体としては、以下の化合物が挙げられる。
1. 化合物又はその一部が環式である。例えば、ジスルフィド結合の形成によって環化することができる2個以上のCys残基を(例えば、リンカー中に)含むようにペプチド部分を修飾することができる。環化誘導体の調製に関する参考文献の引用については表2を参照されたい。
2. 化合物は架橋され、又は分子間架橋可能にされる。例えば、ペプチド部分は、1個のCys残基を含み、それによって類似分子と分子間ジスルフィド結合を形成することができるように修飾することができる。化合物は、下記分子のように、そのC末端を介して架橋することもできる。
Figure 0005017116
3. 1個以上のペプチジル[−C(O)NR−]連結(結合)は、非ペプチジル連結で置換される。例示的な非ペプチジル結合は、−CH−カルバメート[−CH−OC(O)NR−]、ホスホナート、−CH−スルホンアミド[−CH−S(O)NR−]、尿素[−NHC(O)NH−]、−CH−第二級アミン及びアルキル化ペプチド[−C(O)NR−(式中、Rは低級アルキルである。)]である。
4. N末端は誘導体化される。典型的には、N末端は、アシル化することができ、又は置換アミンに改変することができる。例示的なN末端の誘導体基としては、(−NH以外の)−NRR、−NRC(O)R、−NRC(O)OR、−NRS(O)、−NHC(O)NHR、コハク酸イミド又はベンジルオキシカルボニル−NH−(CBZ−NH−)が挙げられる。式中、R及びRは各々独立に水素又は低級アルキルであり、フェニル環は、C−Cアルキル、C−Cアルコキシ、クロロ及びブロモからなる群から選択される1から3個の置換基で置換することができる。
5. 自由C末端は誘導体化される。典型的には、C末端はエステル化又はアミド化される。例えば、当分野で記述されている方法を用いて(NH−CH−CH−NHを本発明の化合物に付加することができる。同様に、当分野で記述されている方法を用いて−NHを本発明の化合物に付加することができる。例示的なC末端誘導基としては、例えば、−C(O)R(式中、Rは低級アルコキシである。)又は−NR(式中、R及びRは独立に水素又はC−Cアルキル(好ましくはC−Cアルキル)である。)が挙げられる。
6. ジスルフィド結合は、別の、好ましくはより安定な、架橋成分(例えば、アルキレン)で置換される。例えば、Bhatnagar et al.(1996), J. Med. Chem. 39: 3814−9; Alberts et al.(1993) Thirteenth Am. Pep. Symp., 357−9を参照されたい。
7. 1個以上の個々のアミノ酸残基が修飾される。以下に詳述するように、選択側鎖又は末端残基と特異的に反応する様々な誘導体化剤(derivatizing agent)が知られている。
リシニル残基及びアミノ末端残基は、コハク酸又は他のカルボン酸無水物と反応させることができる。これによって、リシニル残基の電荷は逆転する。アルファ−アミノ含有残基を誘導体化する他の適切な試薬としては、メチルピコリンイミダートなどのイミドエステル、ピリドキサールリン酸、ピリドキサール、クロロボロヒドリド、トリニトロベンゼンスルホン酸、O−メチルイソ尿素、2,4ペンタンジオン、グリオキシル酸とのトランスアミナーゼ触媒反応などが挙げられる。
アルギニル残基は、フェニルグリオキサール、2,3−ブタンジオン、1,2−シクロヘキサンジオン及びニンヒドリンを含めて、幾つかの従来の試薬のいずれか1種類又は組み合わせと反応させることによって修飾することができる。アルギニル残基の誘導体化は、グアニジン官能基のpKaが高いので、反応をアルカリ条件下で実施する必要がある。また、これらの試薬は、リジン基及びアルギニンイプシロン−アミノ基と反応させることができる。
チロシル残基の特異的修飾は、芳香族ジアゾニウム化合物又はテトラニトロメタンとの反応によってスペクトル標識をチロシル残基に導入することに特に関心を集めて、広範に研究されてきた。最も一般的には、N−アセチルイミジゾール(acetylimidizole)及びテトラニトロメタンを用いて、それぞれO−アセチルチロシル種及び3−ニトロ誘導体を形成する。
カルボキシル側鎖基(アスパルチル又はグルタミル)は、1−シクロヘキシル−3−(2−モルホリニル−(4−エチル)カルボジイミド又は1−エチル−3−(4−アゾニア−4,4−ジメチルペンチル)カルボジイミドなどのカルボジイミド(R’−−N=C=N−−R’)との反応によって選択的に修飾することができる。また、アスパルチル及びグルタミル残基は、アンモニウムイオンとの反応によって、アスパラギニル及びグルタミニル残基に変換することができる。
グルタミニル及びアスパラギニル残基は、脱アミドして、対応するグルタミル及びアスパルチル残基にすることができる。或いは、これらの残基は、弱酸性条件下で脱アミドされる。これらの残基のどちらの形態も本発明の範囲内である。
システイニル残基は、ジスルフィド結合を除去するために、又は逆に架橋を安定化するために、アミノ酸残基又は他の成分で置換することができる。例えば、Bhatnagar et al.(1996), J. Med. Chem. 39: 3814−9を参照されたい。
二官能性薬剤を用いた誘導体化は、ペプチド又はその機能的誘導体を水不溶性支持マトリックス又は他の巨大分子ビヒクルに架橋させるのに有用である。一般に使用される架橋剤としては、例えば、1,1−ビス(ジアゾアセチル)−2−フェニルエタン、グルタルアルデヒド、N−ヒドロキシスクシンイミドエステル、例えば、4−アジドサリチル酸とのエステル、3,3’−ジチオビス(スクシンイミジルプロピオナート)などのジスクシンイミジルエステルを含めたホモ二官能性イミドエステル及びビス−N−マレイミド−1,8−オクタンなどの二官能性マレイミドが挙げられる。メチル−3−[(p−アジドフェニル)ジチオ]プロピオイミダートなどの誘導体化剤は、光の存在下で架橋を形成することができる光活性化可能な中間体を生成する。或いは、米国特許第3,969,287号、同3,691,016号、同4,195,128号、同4,247,642号、同4,229,537号及び同4,330,440号に記載の臭化シアン活性化炭水化物、反応性基質などの反応性水不溶性マトリックスをタンパク質の固定に使用する。
炭水化物(オリゴ糖)基は、タンパク質中のグリコシル化部位であることが知られている部位に好都合には結合させることができる。一般に、配列Asn−X−Ser/Thr(式中、Xはプロリン以外の任意のアミノ酸とすることができる。)の一部であるときには、O連結オリゴ糖はセリン(Ser)又はトレオニン(Thr)残基に結合しているのに対して、N連結オリゴ糖はアスパラギン(Asn)残基に結合している。Xは、好ましくは、プロリン以外の19種類の天然アミノ酸の1つである。各タイプにおいて存在するN連結及びO連結オリゴ糖並びに糖残基の構造は異なる。両方で一般に存在する糖の1タイプは、N−アセチルノイラミン酸(シアル酸と記述する。)である。シアル酸は、通常、N連結とO連結の両方のオリゴ糖の末端残基であり、その負電荷のために、グリコシル化化合物に酸性の諸性質を付与することができる。かかる部位は、本発明の化合物のリンカーに組み込むことができ、好ましくは、(例えば、CHO、BHK、COSなどの哺乳動物細胞中で)ポリペプチド化合物の組換え産生中に細胞によってグリコシル化される。しかし、かかる部位は、さらに、当分野で公知の合成又は半合成手順によってもグリコシル化することができる。
他の可能な修飾としては、プロリン及びリジンのヒドロキシル化、セリル又はトレオニル残基のヒドロキシル基のリン酸化、Cys中の硫黄原子の酸化、リジン、アルギニン及びヒスチジン側鎖のアルファ−アミノ基のメチル化などが挙げられる。Creighton, Proteins: Structure and Molecule Properties (W.H. Freeman & Co., San Francisco), pp.79−86(1983)。
かかる誘導体化成分は、好ましくは、化合物の抗血管形成活性、溶解性、吸収、生物学的半減期などを含めて、1つ以上の特性を改善する。或いは、誘導体化成分は、誘導体化しない化合物の同じ又は本質的に同じ諸特性及び/又は諸性質を有する化合物をもたらすことができる。或いは、誘導体化成分は、化合物などの望ましくない副作用を除去又は減弱することができる。
本発明の化合物は、DNAレベルでも変えることができる。化合物の任意の部分のDNA配列は、選択した宿主細胞にさらに適合するコドンに変えることができる。好ましい宿主細胞であるE.コリの場合、最適化コドンは当分野で公知である。コドンは、制限酵素切断部位を除去するように、又は選択宿主細胞中のDNAのプロセシングに役立ち得るサイレントな制限酵素切断部位を含むように、置換することができる。ビヒクル、リンカー及びペプチドDNA配列は、上記配列変化のいずれかを含むように修飾することができる。
同位体複合誘導体及び毒素複合誘導体有用な誘導体の別のセットは、毒素、トレーサー又は放射性同位体と複合化された上記分子である。かかる複合化(conjugation)は、腫よう細胞又は病原体に結合するペプチド配列を含む分子に特に有用である。かかる分子は、治療薬として、又は手術(例えば、免疫RIガイド手術又はRIGS)の補助として、又は診断薬(例えば、放射免疫診断又はRID)として使用することができる。
治療薬として、これらの複合誘導体は幾つかの利点を有する。これらの複合誘導体は、ペプチド配列によってもたらされる特異的結合なしで投与すると毒性がある、毒素及び放射性同位体の使用を容易にする。これらの複合誘導体は、複合相手の有効量を低減することによって、放射及び化学療法の使用に付随する副作用を軽減することができる。
有用である複合相手としては、
90イットリウム、131ヨウ素、225アクチニウム、213ビスマスなどの放射性同位体、
・ リシンA毒素、シュードモナス(Pseudomonas)内毒素(例えば、PE38、PE40)などの微生物由来の毒素など、
・ キャプチャーシステムにおけるパートナー分子(下記参照)、
・ (キャプチャーシステムにおけるパートナー分子又は特に診断用のトレーサーとして有用である)ビオチン、ストレプトアビジン及び
・ 細胞毒性薬(例えば、ドキソルビシン)などが挙げられる。
これらの複合誘導体の1つの有用な適応はキャプチャーシステムにおける使用である。かかるシステムにおいては、本発明の分子は、良性のキャプチャー分子を含む。このキャプチャー分子は、例えば毒素又は放射性同位体を含む、別個のエフェクター分子に特異的に結合することができる。ビヒクル複合分子とエフェクター分子の両方を患者に投与する。かかるシステムにおいては、エフェクター分子は、ビヒクル複合キャプチャー分子に結合したときを除いて、半減期が短く、従って毒性副作用が最小限に抑えられる。ビヒクル複合分子は、比較的長い半減期を有するが、良性で無毒である。両方の分子の特異的結合部分は、公知の特異的結合対の一部(例えば、ビオチン、ストレプトアビジン)とすることができ、又は本明細書に記載の方法などのペプチド産生方法から得ることができる。
かかる複合誘導体は、当分野で公知の方法によって調製することができる。タンパク質エフェクター分子(例えば、シュードモナス内毒素)の場合には、かかる分子は、相応するDNA構築体から融合タンパク質として発現させることができる。放射性同位体複合誘導体は、例えばBEXA抗体(Coulter)に対して記述されたように、調製することができる。細胞毒性薬又は微生物毒素を含む誘導体は、例えばBR96抗体(Bristol−Myers Squibb)に対して記述されたように、調製することができる。キャプチャーシステムに用いる分子は、例えばNeoRxの特許、特許出願及び刊行物によって記述されたように、調製することができる。RIGS及びRIDに用いる分子は、例えばNeoProbeの特許、特許出願及び刊行物によって記述されたように、調製することができる。
複合誘導体を調製する方法も企図される。例えば、腫よう細胞は、その正常な対応細胞上に存在しないエピトープを提示する。かかるエピトープは、例えば、その急速な増殖に起因する異なる翻訳後修飾を含む。従って、本発明の一態様は、
a)標的エピトープに特異的に結合する少なくとも1種類のランダムペプチドを選択すること、及び
b)(i)少なくとも1種類のビヒクル(Fcドメインが好ましい。)と、(ii)選択ペプチド又はペプチドの少なくとも1個のアミノ酸配列と、(iii)エフェクター分子とを含む薬剤を調製すること
を含む方法である。
標的エピトープは、好ましくは、腫よう特異的エピトープ又は病原体に特異的なエピトープである。エフェクター分子は、上記複合相手のいずれかとすることができ、好ましくは放射性同位体である。
変異体
変異体も本発明の範囲に含まれる。変異体に含まれるのは、挿入、欠失及び置換の変異体である。本発明の特定の分子は、1種類、2種類又は全3種類の変異体を含むことができると理解される。挿入及び置換変異体は、天然アミノ酸、(下記の)特殊なアミノ酸又はその両方を含むことができる。
一例において、天然アミノ酸又は特殊アミノ酸の1個以上のアミノ酸残基がペプチド又はペプチボディアミノ酸配列を補う挿入変異体を提供する。挿入は、タンパク質の一方若しくは両方の末端に位置することができ、又はペプチボディアミノ酸配列の内部領域内に位置することができる。一方若しくは両方の末端に追加の残基を有する挿入変異体としては、例えば、融合タンパク質及びアミノ酸タグ又は標識を含むタンパク質が挙げられる。挿入変異体としては、1個以上のアミノ酸残基がペプチド又はペプチボディアミノ酸配列又はそれらの断片に付加したペプチド及びペプチボディなどが挙げられる。
本発明の変異体は、リーダー又はシグナル配列が除去された、成熟ペプチド及びペプチボディも含む。生成したタンパク質は追加のアミノ末端残基を有する。このアミノ酸は天然でも非天然でもよい。2位及び1位に追加のメチオニン及びリジン残基を有する具体的な結合剤(Met−Lys−1−)と同様に、アミノ酸位置1に追加のメチオニル残基を有する(ペプチボディなどの)本発明の分子(Met1−ペプチボディ)が企図される。追加のMet、Met−Lys、Lys残基(又は一般に1個以上の塩基性残基)を有する変異体は、細菌宿主細胞中での組換えタンパク質産生を増加させるのに特に有用である。
本発明は、特定の発現系を使用して生じる、追加のアミノ酸残基を有する変異体も包含する。例えば、グルタチオン−S−トランスフェラーゼ(GST)融合産物の一部として所望のポリペプチドを発現する市販ベクターは、所望のポリペプチドからGST成分を切断した後、アミノ酸位置1に追加のグリシン残基を有する所望のポリペプチドを与える。ポリヒスチジンタグがアミノ酸配列の一般にカルボキシ及び/又はアミノ末端においてアミノ酸配列に組み込まれた変異体を含めて、他のベクター系における発現から得られる変異体も企図される。
挿入変異体は、ペプチド又はペプチボディのアミノ末端及び/又はカルボキシ末端が別のポリペプチドと、その断片と又は特定のタンパク質配列の一部であるとは一般に認識されないアミノ酸と融合した、融合タンパク質も含む。かかる融合タンパク質の例は、免疫原性ポリペプチド、免疫グロブリン定常領域などの循環半減期の長いタンパク質、マーカータンパク質、所望のペプチド又はペプチボディの精製を容易にするタンパク質又はポリペプチド、及び(2量体形成/安定性に有用であるロイシンジッパーモチーフなどの)多量体タンパク質の形成を促進するポリペプチド配列である。
このタイプの挿入変異体は、一般に、第2のポリペプチドの全部又は部分にN又はC末端で連結された、ネイティブ分子の全部又はかなりの部分を有する。例えば、融合タンパク質は、典型的には他の種由来のリーダー配列を用いて、異種宿主中でタンパク質を組換え発現させる。別の有用な融合タンパク質としては、融合タンパク質の精製を容易にする、抗体エピトープなどの免疫学的に活性なドメインの付加などが挙げられる。融合部に、又は融合部の近くに切断部位を介在させると、精製後の異質ポリペプチドの除去が容易になる。他の有用な融合としては、酵素由来の活性部位、グリコシル化ドメイン、細胞ターゲティングシグナル又は膜貫通領域などの機能的ドメインの連結が挙げられる。
本発明に使用することができる様々な市販融合タンパク質発現系がある。特に有用な系としては、グルタチオン−S−トランスフェラーゼ(GST)系(Pharmacia)、マルトース結合タンパク質系(NEB、Beverley、MA)、FLAG系(IBI、New Haven、CT)、6xHis系(Qiagen、Chatsworth、CA)などが挙げられるが、これらだけに限定されない。これらの系は、ペプチド又はペプチボディの活性に大きな影響を及ぼしそうにない少数の追加のアミノ酸のみを有する組換えペプチド及び/又はペプチボディを産生することができる。例えば、FLAG系と6xHis系のどちらも短配列しかその天然の高次構造に付加しない。この短配列のどちらも抗原性が低いことが知られており、ポリペプチドの折り畳みに悪影響を及ぼさない。有用であると予想される別のN末端融合は、タンパク質又はペプチドのN末端領域におけるMet−Lysジペプチドの融合である。かかる融合は、タンパク質発現又は活性における有利な増加をもたらし得る。
他の融合系は、所望のペプチド又はペプチボディから融合相手を切除することが望ましいものであるポリペプチドハイブリッドを産生する。一実施形態においては、融合相手は、特定のプロテアーゼ認識配列を含むペプチド配列によって組換えペプチボディに連結される。適切な配列の例は、タバコエッチ(Tobacco Etch)ウイルスプロテアーゼ(Life Technologies、Gaithersburg、MD)又は第X因子a(New England Biolabs、Beverley、MA)によって認識される配列である。
本発明はまた、切断型組織因子(tTF)と組み合わせて本発明のペプチボディ又はペプチドの全部又は一部を含む融合ポリペプチドを提供する。tTFは、腫よう血管凝固剤として働くヒト凝固誘導タンパク質の切断型からなる血管ターゲティング剤であり、米国特許第5,877,289号、同6,004,555号、同6,132,729号、同6,132,730号、同6,156,321号及び欧州特許第0988056号に記載されている。抗Ang−2ペプチボディ若しくはペプチド又はその断片とtTFの融合によって標的細胞への抗Ang−2の送達が容易になる。
別の態様においては、本発明は、ペプチド又はペプチボディ中の1個以上のアミノ酸残基が除去された欠失変異体を提供する。欠失は、ペプチボディの一端若しくは両末端において、又はペプチボディアミノ酸配列中の1個以上の残基の除去から、生じさせることができる。欠失変異体は、ペプチド又はペプチボディの全ての断片を必ず含む。
さらに別の態様においては、本発明は、本発明のペプチド及びペプチボディの置換変異体を提供する。置換変異体としては、1個以上のアミノ酸残基が除去され、1個以上の天然でも非天然でもよい代替アミノ酸で置換されたペプチド及びペプチボディが挙げられる。置換変異体は、2個の分子が同一アミノ酸をある割合で含む点で元のペプチド又はペプチボディと「類似」したペプチド又はペプチボディを産生する。置換変異体は、ペプチド又はペプチボディ内の1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、15、20、25、30個のアミノ酸の置換を含む。置換数は、ペプチド又はペプチボディのアミノ酸の10パーセント以上までとすることができる。一態様においては、置換は本質的に保存的であるが、本発明は、非保存的である置換及び特殊なアミノ酸を含む置換も包含する。
関係するペプチド及びペプチボディの同一性及び類似度は、公知の方法によって容易に計算することができる。かかる方法としては、Computational Molecular Biology, Lesk, A.M., ed., Oxford University Press, New York(1988); Biocomputing: Informatics and Genome Projects, Smith, D.W., ed., Academic Press, New York(1993); Computer Analysis of Sequence Data, Part 1, Griffin, A.M., and Griffin, H.G., eds., Humana Press, New Jersey(1994); Sequence Analysis in Molecular Biology, von Heinje, G., Academic Press(1987); Sequence Analysis Primer, Gribskov, M. and Devereux, J., eds., M. Stockton Press, New York(1991)及びCarillo et al., SIAM J. Applied Math., 48:1073(1988)に記載の方法などが挙げられるが、これらだけに限定されない。
2個のペプチド若しくはポリペプチド又はポリペプチドとペプチドの関連性又は同一割合を求める好ましい方法は、試験配列間の最大一致を生じるように設計される。同一性を求める方法は、公的に利用可能なコンピュータプログラムに記述されている。2個の配列間の同一性を求めるのに好ましいコンピュータプログラム方法としては、GAP(Devereux et al., Nucl. Acid. Res., 12:387(1984); Genetics Computer Group, University of Wisconsin, Madison, WI, BLASTP, BLASTN及びFASTA(Altschul et al., J. Mol. Biol., 215:403−410(1990))を含めて、GCGプログラムパッケージなどが挙げられるが、これらだけに限定されない。BLASTXプログラムは、National Center for Biotechnology Information(NCBI)及び他の出所(BLAST Manual, Altschul et al. NCB/NLM/NIH Bethesda, MD 20894; Altschul et al., 同上(1990))から公的に利用可能である。周知のSmith Watermanアルゴリズムを用いて同一性を求めることもできる。
2個のアミノ酸配列を整列させるある種のアラインメントスキームは、2個の配列の短い領域のみの一致を生じる場合がある。この小さな整列領域は、2個の完全長配列間に重要な関係が存在しない場合でも極めて高い配列同一性を有する場合がある。従って、ある実施形態においては、選択したアラインメント方法(GAPプログラム)は、比較する標的ポリペプチドの完全長の少なくとも10パーセント、すなわち、少なくとも400個からなるアミノ酸の配列を比較する場合には少なくとも40個の隣接アミノ酸、少なくとも300から約400個からなるアミノ酸の配列を比較する場合には少なくとも30個の隣接アミノ酸、200から約300個からなるアミノ酸の配列を比較する場合には少なくとも20個の隣接アミノ酸、及び約100から200個からなるアミノ酸の配列を比較する場合には少なくとも10個の隣接アミノ酸にわたるアラインメントを生じる。
例えば、コンピュータアルゴリズムGAP(Genetics Computer Group、University of Wisconsin、Madison、WI)を用いて、配列同一性割合を求めようとする2個のポリペプチドをそれぞれのアミノ酸が最適一致するように整列させる(アルゴリズムによって決定される「一致スパン(matched span)」)。ある実施形態において、ギャップ開始ペナルティ(典型的には平均対角線の3倍として計算される。「平均対角線」は使用する比較マトリックスの対角線の平均である。「対角線」は、特定の比較マトリックスによって各完全アミノ酸一致に割り当てられるスコア又は数値である。)及びギャップ伸長ペナルティ(通常はギャップ開始ペナルティの1/10である。)並びにPAM 250、BLOSUM 62などの比較マトリックスをアルゴリズムと併せて使用する。ある実施形態においては、標準比較マトリックス(PAM 250比較マトリックスについてはDayhoff et al., Atlas of Protein Sequence and Structure, 5(3)(1978)を参照されたい。BLOSUM 62比較マトリックスについてはHenikoff et al., Proc. Natl. Acad. Sci USA, 89:10915−10919(1992)を参照されたい。)もアルゴリズムによって使用される。
ある実施形態において、ポリペプチド配列比較のパラメータとして以下のものが挙げられる。
アルゴリズム: Needleman et al., J. Mol. Biol., 48:443−453(1970)、
比較マトリックス: Ηenikoff et al.,同上(1992)のBLOSUM 62、
ギャップペナルティ: 12
ギャップ長ペナルティ: 4
類似度のしきい値: 0
GAPプログラムは、上記パラメータを用いると有用となり得る。ある実施形態においては、上記パラメータは、GAPアルゴリズムを用いたポリペプチド比較のデフォルトパラメータ(末端ギャップに対するペナルティなし。)である。
ある実施形態においては、(アミノ酸配列に対して)ポリヌクレオチド分子配列の比較のパラメータとして以下のものが挙げられる。
アルゴリズム: Needleman et al.,同上(1970)、
比較マトリックス: 一致=+10、ミスマッチ=0
ギャップペナルティ: 50
ギャップ長ペナルティ: 3
GAPプログラムは、上記パラメータを用いても有用となり得る。上記パラメータは、ポリヌクレオチド分子比較のデフォルトパラメータである。
Program Manual, Wisconsin Package, Version 9, September, 1997に記載のものを含めて、他の例示的アルゴリズム、ギャップ開始ペナルティ、ギャップ伸長ペナルティ、比較マトリックス、類似度のしきい値などを使用することができる。なされる特定の選択は、当業者に明らかであり、DNAとDNA、タンパク質とタンパク質、タンパク質とDNAなど、さらには、比較が(GAP又はBestFitが一般に好ましい)所与の配列対間でも、(FASTA又はBLASTAが好ましい)一配列と大きい配列データベースとの間でも、なされる具体的比較に応じて決まる。
本明細書では、20種類の従来のアミノ酸及びその略語は、従来の用法に従う。参照により本明細書に組み入れる、Immunology−A Synthesis(2nd Edition, E.S. Golub and D.R. Gren, Eds., Sinauer Associates, Sunderland, Mass.(1991))を参照されたい。
アミノ酸は、L配置でもD配置でもよく(LでもDでもないGlyを除く。)、本発明のポリペプチド及び構成物は、立体配置の組み合わせを含むことができる。しかし、L配置が好ましい。本発明は、アミノ酸のアミノ末端からカルボキシ末端までの配列が逆である逆分子も提供する。例えば、通常の配列がX−X−Xである分子の逆はX−X−Xである。本発明は、上記のように、アミノ酸のアミノ末端からカルボキシ末端までの配列が逆であり、通常「L」鏡像異性体である残基が「D」立体異性体に変わった、レトロ逆分子(retro−reverse molecule)も提供する。
20種類の従来のアミノ酸、α−,α−二置換アミノ酸などの異常アミノ酸、N−アルキルアミノ酸、乳酸及び他の特殊なアミノ酸の立体異性体(例えば、D−アミノ酸)も、本発明のポリペプチドに適切な成分とすることができる。特殊アミノ酸の例としては、アミノアジピン酸、ベータ−アラニン、ベータ−アミノプロピオン酸、アミノ酪酸、ピペリジン酸、アミノカプロン酸(aminocaprioic acid)、アミノヘプタン酸、アミノイソ酪酸、アミノピメリン酸、ジアミノ酪酸、デスモシン、ジアミノピメリン酸、ジアミノプロピオン酸、N−エチルグリシン、N−エチルアスパラギン(ethylaspargine)、ヒドロキシリジン(hyroxylysine)、アロヒドロキシリジン、ヒドロキシプロリン、イソデスモシン、アロイソロイシン、N−メチルグリシン、サルコシン、N−メチルイソロイシン、N−メチルバリン、ノルバリン、ノルロイシン、オルニチン(orithine)、4−ヒドロキシプロリン、γ−カルボキシグルタマート、ε−N,N,N−トリメチルリジン、ε−N−アセチルリジン、O−ホスホセリン、N−アセチルセリン、N−ホルミルメチオニン、3−メチルヒスチジン、5−ヒドロキシリジン、σ−N−メチルアルギニン、他の類似のアミノ酸及びアミノ酸(例えば、4−ヒドロキシプロリン)などが挙げられるが、これらだけに限定されない。
同様に、別段の記載がないかぎり、一本鎖ポリヌクレオチド配列の左手末端は5’末端であり、二本鎖ポリヌクレオチド配列の左手方向を5’方向と記述する。新生RNA転写物の5’から3’の付加方向を転写方向と記述する。RNAと同じ配列を有し、RNA転写物の5’末端に対して5’であるDNA鎖上の配列領域を「上流の配列」と記述する。RNAと同じ配列を有し、RNA転写物の3’末端に対して3’であるDNA鎖上の配列領域を「下流の配列」と記述する。
アミノ酸残基は、その共通側鎖の諸特性に基づくクラスに分類できることを理解されたい。
1. 中性疎水性:アラニン(Ala;A)、バリン(Val;V)、ロイシン(Leu;L)、イソロイシン(Ile;I)、プロリン(Pro;P)、トリプトファン(Trp;W)、フェニルアラニン(Phe;F)及びメチオニン(Met、M)。
2. 中性極性:グリシン(Gly;G);セリン(Ser;S)、トレオニン(Thr;T)、チロシン(Tyr;Y)、システイン(Cys;C)、グルタミン(Glu;Q)、アスパラギン(Asn;N)及びノルロイシン。
3. 酸性:アスパラギン酸(Asp;D)、グルタミン酸(Glu;E);
4) 塩基性:リジン(Lys;K)、アルギニン(Arg;R)、ヒスチジン(His;H)。
Lewin, B., Genes V, Oxford University Press(1994), p.11を参照されたい。
保存的アミノ酸置換は、特殊アミノ酸残基を包含することができる。特殊アミノ酸残基は、典型的には、生体系における合成ではなく、化学ペプチド合成によって組み込まれる。特殊アミノ酸残基としては、ペプチド模倣物、アミノ酸成分の他の逆又は裏返しの形などが挙げられるが、これらだけに限定されない。非保存的置換は、これらのクラスの1つのアミノ酸残基と別のクラスのアミノ酸残基との交換を含むことができる。
かかる変化を起こす際には、ある実施形態によれば、アミノ酸の疎水性親水性指標を考慮することができる。各アミノ酸は、その疎水性及び電荷特性に基づいて疎水性親水性指標を割り当てられている。疎水性親水性指標は、イソロイシン(+4.5)、バリン(+4.2)、ロイシン(+3.8)、フェニルアラニン(+2.8)、システイン/シスチン(+2.5)、メチオニン(+1.9)、アラニン(+1.8)、グリシン(−0.4)、トレオニン(−0.7)、セリン(−0.8)、トリプトファン(−0.9)、チロシン(−1.3)、プロリン(−1.6)、ヒスチジン(−3.2)、グルタミン酸(−3.5)、グルタミン(−3.5)、アスパラギン酸(−3.5)、アスパラギン(−3.5)、リジン(−3.9)及びアルギニン(−4.5)である。
相互作用的な生物学的機能をタンパク質に付与する際の疎水性親水性アミノ酸指標の重要性は当分野では理解されている。Kyte et al., J. Mol. Biol., 157:105−131(1982)。ある種のアミノ酸は、類似の疎水性親水性指標又はスコアを有する他のアミノ酸を置換することができ、それでもなお類似の生物活性を保持することが知られている。疎水性親水性指標に基づいて変化させる際には、ある実施形態においては、疎水性親水性指標が±2以内であるアミノ酸の置換を含む。ある実施形態においては±1以内であるアミノ酸の置換を含み、ある実施形態においては±0.5以内であるアミノ酸の置換を含む。
類似アミノ酸の置換は、本例のように、特にそれによって産生される生物学的に機能的であるペプチボディ又はペプチドを免疫学的実施形態に用いようとする場合には、親水性に基づいて効果的に実施することができることも当分野では理解されている。ある実施形態においては、その隣接アミノ酸の親水性によって支配される、タンパク質の局所的な最大平均親水性は、その免疫原性及び抗原性、すなわち、タンパク質の生物学的特性と相関がある。
以下の親水性値がこれらのアミノ酸残基に割り当てられている:アルギニン(+3.0)、リジン(+3.0)、アスパラギン酸(+3.0±1)、グルタミン酸(+3.0±1)、セリン(+0.3)、アスパラギン(+0.2)、グルタミン(+0.2)、グリシン(0)、トレオニン(−0.4)、プロリン(−0.5±1)、アラニン(−0.5)、ヒスチジン(−0.5)、システイン(−1.0)、メチオニン(−1.3)、バリン(−1.5)、ロイシン(−1.8)、イソロイシン(−1.8)、チロシン(−2.3)、フェニルアラニン(−2.5)及びトリプトファン(−3.4)。類似の親水性値に基づいて変化させる際には、ある実施形態においては、親水性値が±2以内であるアミノ酸の置換を含み、ある実施形態においては±1以内であるアミノ酸の置換を含み、ある実施形態においては±0.5以内であるアミノ酸の置換を含む。親水性に基づいて一次アミノ酸配列からエピトープを特定することもできる。これらの領域は、「エピトープコア領域」とも記述される。
例示的なアミノ酸置換を下記表10に示す。
Figure 0005017116
Figure 0005017116
当業者は、周知技術を用いて、本明細書に記載のポリペプチドの適切な変異体を決定することができる。ある実施形態において、当業者は、活性に重要ではないと考えられる領域を標的にすることによって活性を損なわずに変化させることができる適切な分子域を特定することができる。ある実施形態においては、類似のペプチド又はポリペプチド間で保存されている、残基及び分子の一部を特定することができる。ある実施形態において、生物活性又は構造に重要であり得る領域でも、生物活性を損なわずに、又はポリペプチド構造に悪影響を及ぼさずに、保存的アミノ酸置換に供することができる。
また、当業者は、活性又は構造に重要である類似のポリペプチド中の残基を特定する構造−機能研究を再検討することができる。かかる比較を考慮して、類似のタンパク質中の活性又は構造に重要であるアミノ酸残基に対応するタンパク質中のアミノ酸残基の重要性を予測することができる。当業者は、予測されたかかる重要なアミノ酸残基を化学的に類似したアミノ酸で置換することを選択することができる。
当業者は、類似のポリペプチドにおいて、その構造に関連して3次元構造及びアミノ酸配列を分析することもできる。かかる情報を考慮して、当業者は、その3次元構造に関して、抗体のアミノ酸残基のアラインメントを予測することができる。ある実施形態において、当業者は、タンパク質表面に存在すると予測されたアミノ酸残基に過激な変化を起こさないように選択することができる。というのは、かかる残基は、他の分子との重要な相互作用に関与し得るからである。さらに、当業者は、各所望のアミノ酸残基において単一のアミノ酸置換を含む試験変異体を生成させることができる。次いで、当業者に公知の活性アッセイを用いて、変異体をスクリーニングすることができる。かかる変異体は、適切な変異体についての情報収集に使用することができる。例えば、特定のアミノ酸残基に対する変化が、損なわれた活性、望ましくない低活性又は不適当な活性をもたらすことを発見した場合には、かかる変化を含む変異体を回避することができる。換言すれば、かかる定常的な実験から収集した情報に基づいて、当業者は、さらなる置換を単独で又は他の変異と組み合わせて回避すべきアミノ酸を容易に決定することができる。
幾つかの科学関係の出版物が二次構造の予測に注力している。Moult J., Curr. Op. in Biotech., 7(4):422−427(1996), Chou et al., Biochemistry, 13(2):222−245(1974); Chou et al., Biochemistry, 113(2):211−222(1974); Chou et al., Adv. Enzymol. Relat. Areas Mol. Biol., 47:45−148(1978); Chou et al., Ann. Rev. Biochem., 47:251−276及びChou et al., Biophys. J., 26:367−384(1979)を参照されたい。さらに、二次構造予測の支援にコンピュータプログラムが現在利用可能である。二次構造を予測する1つの方法は、相同性モデリングに基づくものである。例えば、30%を超える配列同一性又は40%を超える類似度を有する2個のポリペプチド又はタンパク質は、類似の構造形態を有することが多い。タンパク質構造データベース(PDB)の最近の進展によって、ポリペプチド又はタンパク質の構造中の可能な折り畳み数を含めて、二次構造の予測性が向上した。Holm et al., Nucl. Acid. Res., 27(1):244−247(1999)を参照されたい。所与のポリペプチド又はタンパク質中には限定数の折り畳みが存在し、臨界数の構造が解明されると、構造予測は劇的により正確になることが示唆された(Brenner et al., Curr. Op. Struct. Biol., 7(3):369−376(1997))。
二次構造を予測するさらに別の方法としては、「スレッディング(threading)」(Jones, D., Curr. Opin. Struct. Biol., 7(3):377−87(1997); Sippl et al., Structure, 4(1):15−19(1996))、「プロファイル分析」(Bowie et al., Science, 253:164−170(1991); Gribskov et al., Meth. Enzym., 183:146−159(1990); Gribskov et al., Proc. Nat. Acad. Sci., 84(13):4355−4358(1987))、「進化連鎖」(Holm、同上(1999)及びBrenner、同上(1997))などが挙げられる。
ある実施形態においては、ペプチボディ変異体は、N連結グリコシル化部位などの1個以上のグリコシル化部位がペプチボディに付加したグリコシル化変異体を含む。N連結グリコシル化部位は、配列Asn−X−Ser又はAsn−X−Thrを特徴とする。ここで、Xで示されるアミノ酸残基は、プロリン以外の任意のアミノ酸残基とすることができる。この配列を生じるアミノ酸残基の置換又は付加によって、N連結糖鎖の付加が可能な新しい部位がもたらされる。或いは、この配列を除去する置換によって、既存のN連結糖鎖が除去される。1個以上のN連結グリコシル化部位(典型的には天然のN連結グリコシル化部位)が除去され、1個以上の新しいN連結部位が生成する、N連結糖鎖の再配列ももたらされる。
本発明の化合物は、DNAレベルでも変えることができる。化合物の任意の部分のDNA配列は、選択した宿主細胞にさらに適合するコドンに変えることができる。好ましい宿主細胞であるE.コリの場合、最適化コドンは当分野で公知である。コドンは、制限酵素切断部位を除去するように、又は選択宿主細胞中のDNAのプロセシングに役立ち得るサイレントな制限酵素切断部位を含むように、置換することができる。ビヒクル、リンカー及びペプチドDNA配列は、上記配列変化のいずれかを含むように修飾することができる。従って、本明細書において考察する全ての修飾、置換、誘導体化(derivitization)などは、ペプチド、ペプチド2量体及び多量体、リンカー並びにビヒクルを含めて、本発明の全態様に等しく適用される。
親和性成熟
本発明の一実施形態は「親和性成熟」ペプチド及びペプチボディを含む。この手順は、ファージディスプレイ又は他の選択技術を用いて、本発明のペプチド及びペプチボディの親和性又は生理活性を高めることを企図する。(関連ペプチドの集団に対して生成される)コンセンサス配列に基づいて、(コンセンサス配列から決定される)「コア」アミノ酸が一定である、又はその出現度数が偏った、誘導二次ファージディスプレイライブラリー(directed secondary phage display libraries)を作製することができる。或いは、個々のペプチド配列を用いて、偏った誘導ファージディスプレイライブラリーを作製することができる。かかるライブラリーのパニングによって、標的と強く結合した、又は生理活性の高い、(ペプチボディに転化することができる)ペプチドを得ることができる。
非ペプチド類似体/タンパク質模倣物
また、構造を安定化する、又は生分解を減少させる、ペプチドの非ペプチド類似体も企図される。ペプチド模倣類似体は、選択した抑制性ペプチドに基づいて、1個以上の残基を非ペプチド部分で置換することによって調製することができる。好ましくは、非ペプチド部分によって、ペプチドはその天然の確認(confirmation)を保持することができ、又はAng−2を認識し、それに結合する能力を保持する好ましい確認(confirmation)、例えば生理活性な確認(confirmation)を安定化することができる。一態様においては、生成した類似体/模倣物は、Ang−2に対する結合親和性が増加する。非ペプチド模倣類似体をペプチドから調製する方法の一例は、Nachman et al., Regul. Pept. 57:359−370(1995)に記載されている。必要に応じて、本発明のペプチドは、例えば、グリコシル化、アミド化、カルボキシル化若しくはリン酸化によって、又は本発明のペプチドの酸付加塩、アミド、エステル、特にC末端エステル及びN−アシル誘導体を生成することによって、修飾することができる。ペプチボディは、他の成分と共有結合性又は非共有結合性複合体を形成することによってペプチド誘導体を生成するように改変することもできる。共有結合複合体は、ペプチボディを構成するアミノ酸の側鎖上の、又はN若しくはC末端の、官能基に化学成分を連結することによって調製することができる。
特に、ペプチドは、放射性標識、蛍光標識、(例えば、比色定量又は蛍光定量的な反応を触媒する)酵素、基質、固体マトリックス又は担体(例えば、ビオチン又はアビジン)を含めて、但しこれらだけに限定されないレポーター基と複合化することができると予測される。従って、本発明は、ペプチボディ分子を含む分子を提供する。この分子は、好ましくは、さらに、放射性標識、蛍光標識、酵素、基質、固体マトリックス及び担体からなる群から選択されるレポーター基を含む。かかる標識は当業者に周知であり、例えば、ビオチン標識が特に企図される。かかる標識の使用は当業者に周知であり、例えば、米国特許第3,817,837号、同3,850,752号、同3,996,345号及び同4,277,437号に記載されている。他の有用な標識としては、放射性標識、蛍光標識、化学発光標識などが挙げられるが、これらだけに限定されない。かかる標識の使用に関する米国特許としては、例えば、米国特許第3,817,837号、同3,850,752号、同3,939,350号及び同3,996,345号が挙げられる。本発明のペプチボディのいずれも、これらの標識のいずれか1つ、2つ又は3つ以上を含むことができる。
製造方法
本発明の化合物は、主として、形質転換宿主細胞中で組換えDNA技術を用いて製造することができる。このために、ペプチドをコードする組換えDNA分子を調製する。かかるDNA分子の調製方法は、当分野で周知である。例えば、ペプチドをコードする配列を、適切な制限酵素を用いてDNAから切除することができる。或いは、DNA分子をホスホロアミデート法などの化学合成技術によって合成することができる。また、これらの技術を併用することもできる。
本発明は、適切な宿主中でペプチドを発現することができるベクターも含む。ベクターは、適切な発現調節配列に作用可能に連結されたペプチドをコードするDNA分子を含む。DNA分子をベクターに挿入する前又は挿入した後に、この作用連結(operative linking)をもたらす方法は周知である。発現調節配列としては、プロモーター、アクチベーター、エンハンサー、オペレーター、リボソーム結合部位、開始シグナル、停止シグナル、キャップシグナル、ポリアデニレーションシグナル、転写又は翻訳の制御に関係する他のシグナルなどが挙げられる。
DNA分子を有する生成ベクターを使用して、適切な宿主を形質転換する。この形質転換は、当分野で周知の方法によって実施することができる。
本発明の実施には、多数の利用可能な周知の宿主細胞のいずれかを使用することができる。特定の宿主は、当該技術によって認められる幾つかの要因に応じて選択される。これらの要因としては、例えば、選択した発現ベクターとの適合性、DNA分子によってコードされるペプチドの毒性、形質転換速度、ペプチド回収の容易さ、発現特性、バイオセーフティ及びコストが挙げられる。全ての宿主が特定のDNA配列の発現に等しく有効であり得るとは限らないことを理解した上で、これらの要因のバランスをとらなければならない。これらの一般的指針内で、有用な微生物の宿主としては、(E.コリ種などの)細菌、(サッカロミセス(Saccharomyces)種などの)酵母及び他の真菌、昆虫、植物、(ヒトを含めた)哺乳動物の培養細胞、当分野で公知の他の宿主などが挙げられる。
次に、形質転換宿主を培養し、精製する。宿主細胞は、所望の化合物が発現されるように従来の発酵条件下で培養することができる。かかる発酵条件は当分野で周知である。最後に、ペプチドを当分野で周知の方法によって培養物から精製する。
化合物は、合成方法によって製造することもできる。例えば、固相合成技術を使用することができる。適切な技術は当分野で周知であり、Merrifield (1973), Chem. Polypeptides, pp.335−61(Katsoyannis and Panayotis eds.); Merrifield (1963), J. Am. Chem. Soc. 85: 2149; Davis et al.(1985), Biochem. Intl. 10: 394−414; Stewart and Young (1969), Solid Phase Peptide Synthesis;米国特許第3,941,763号; Finn et al.(1976), The Proteins (3rd ed.) 2: 105−253及びErickson et al.(1976), The Proteins (3rd ed.) 2: 257−527に記載の技術などが挙げられる。固相合成は、少量のペプチドを製造する最も費用効果の高い方法であるので、個々のペプチドを製造する好ましい技術である。
誘導体化ペプチドを含む化合物又は非ペプチド基を含む化合物は、周知の有機化学反応技術によって合成することができる。
化合物の使用
一般。本発明の化合物は、目的タンパク質の天然リガンドのアゴニスト、模倣物又はアンタゴニストとして、かかる目的タンパク質に結合する能力に起因する薬理活性を有する。具体的化合物の有用性を表2に示す。これらの化合物の活性は、当分野で公知のアッセイによって測定することができる。TPO様及びEPO様化合物の場合、インビボでのアッセイを本明細書の実施例の項でさらに説明する。
治療上の使用に加えて、本発明の化合物は、対象となるその関連タンパク質の機能不全を特徴とする疾患の診断に有用である。一実施形態において、生物学的試料中の活性化可能な目的タンパク質(例えば、受容体)を検出する方法は、(a)試料を本発明の化合物と接触させる段階及び(b)化合物による目的タンパク質の活性化を検出する段階を含む。生物学的試料としては、組織標本、無傷細胞、その抽出物などが挙げられる。本発明の化合物は、生物学的試料中の対象となるその関連タンパク質の存在を検出する診断キットの一部として使用することができる。かかるキットは、検出を可能にする結合標識を有する本発明の化合物を用いる。本化合物は、正常又は異常な目的タンパク質の特定に有用である。EPO様化合物の場合、例えば、生物学的試料中の対象となる異常タンパク質の存在は、EPO受容体の機能不全であると考えられるダイアモンド−ブラックファン貧血のような障害を示している場合がある。
EPO様分子の治療上の使用
本発明のEPO様化合物は、低赤血球レベルを特徴とする障害の治療に有用である。哺乳動物におけるEPO受容体の内因的活性を調節する方法、好ましくはEPO受容体の活性を増加させる方法は、本発明に含まれる。一般に、貧血などエリスロポイエチンによって治療可能な症状は、本発明のEPO様化合物によっても治療することができる。これらの化合物は、治療する症状の性質及び重症度に適切であり、当業者によって確認することができる、量及び送達経路で投与される。投与は、皮下、筋肉内又は静脈内の注射によることが好ましい。
TPO様化合物の治療上の使用
TPO様化合物の場合、国際公開第95/26746号「Compositions and Methods for Stimulating Megakaryocyte Growth and Differentiation」に記載のアッセイのような標準アッセイを利用することができる。インビボアッセイも以下の実施例に示す。
治療する症状は、一般に、既存の巨核球/血小板欠乏又は(例えば、計画手術又は血小板供与による)予想される巨核球/血小板欠乏を含む症状である。かかる症状は、通常、活性Mplリガンドのインビボでの(一時的又は恒常的)欠乏の結果である。血小板欠乏の一般的用語は血小板減少症であり、従って本発明の方法及び構成物は、一般に、治療が必要な患者における血小板減少症の治療に利用可能である。
血小板減少症(血小板欠乏)は、化学療法及び様々な薬物を用いた他の治療、放射線療法、手術、偶発的な失血、他の具体的症状を含めて、様々な理由によって起こり得る。血小板減少症を含み、本発明に従って治療することができる例示的な具体的症状は、再生不良性貧血、特発性血小板減少症、血小板減少症をもたらす転移性腫よう、全身性エリテマトーデス、ひ腫、ファンコニー症候群、ビタミンB12欠乏症、葉酸欠乏症、メイ−ヘグリン異常、ウィスコット−オールドリッチ症候群及び発作性夜間血色素尿症である。また、ある種のAIDS治療も血小板減少症をもたらす(例えば、AZT)。ある種の創傷治癒障害も、血小板数の増加による利点を得ることがある。
例えば将来の手術による、予測される血小板欠乏に関しては、本発明の化合物を血小板の必要な数日から数時間前に投与することができる。急性の状況、例えば、偶発的な多量の失血に関しては、本発明の化合物を血液又は精製血小板と一緒に投与することができる。
本発明のTPO様化合物は、巨核球以外のある種の細胞タイプがMpl受容体を発現することが判明した場合には、かかる細胞の刺激にも有用であり得る。Mplリガンドによる刺激に応答するMpl受容体を発現する細胞に関連した症状も本発明の範囲内である。
本発明のTPO様化合物は、血小板若しくは血小板前駆細胞の産生が望まれる、又はc−Mpl受容体の刺激が望まれる、あらゆる状況において使用することができる。従って、例えば、本発明の化合物は、哺乳動物において血小板、巨核球などを必要とする症状の治療に使用することができる。かかる症状は、以下の例示的な出典、すなわち、国際公開第95/26746号、同95/21919号、同95/18858号、同95/21920号に詳述されている。これらを本明細書に組み込む。
本発明のTPO様化合物は、血小板及び/又は巨核球及び関連細胞の生存度又は貯蔵寿命を維持するのにも有用であり得る。従って、かかる細胞を含む組成物中に1種類以上のかかる化合物の有効量を含めることが有用であり得る。
Ang−2結合分子の治療上の使用
Ang−2結合活性又は他の細胞活性を調節する薬剤を他の治療薬と併用して、その治療効果を高め、又は起こり得る副作用を減少させることができる。
一態様においては、本発明は、細胞におけるAng−2活性の望ましくない又は異常なレベルを特徴とする疾患及び症状の治療に有用である試薬及び方法を提供する。これらの疾患としては、癌、過形成などの他の過剰増殖症状、乾せん、接触性皮膚炎、免疫障害、不妊などが挙げられる。
本発明は、Ang−2活性を阻害又は抑制する、ペプチボディなどの特定の結合剤の有効量を動物に投与することを含む、ヒトを含めた動物における癌を治療する方法も提供する。本発明は、さらに、生体系における細胞増殖、侵襲性及び転移の各プロセスを含めて、癌細胞の増殖を阻止する方法も対象とする。方法は、癌細胞増殖の阻害剤として本発明の化合物を使用することを含む。本方法は、哺乳動物などの生きている動物における癌細胞増殖、侵襲性、転移又は腫よう発生の阻害又は抑制に使用することが好ましい。本発明の方法は、アッセイシステムにおける使用、例えば、癌細胞増殖及びその諸性質の分析並びに癌細胞増殖に影響を及ぼす化合物の特定にも容易に適合する。
本発明の方法によって治療可能な癌は、好ましくは哺乳動物において発生する。哺乳動物としては、例えば、ヒト及び他の霊長目、イヌ、ネコなどのペット又は伴侶動物、ラット、マウス、ウサギなどの実験動物並びにウマ、ブタ、ヒツジ、ウシなどの家畜が挙げられる。
腫よう又は新生物としては、細胞の増殖が抑制されず、進行性である組織細胞の腫ようなどが挙げられる。一部のかかる腫ようは良性であるが、他の腫ようは悪性と称され、生物の死をもたらし得る。悪性新生物又は癌は、攻撃的な細胞増殖を示すことに加えて、周囲組織に侵入し、転移し得る点で、良性腫ようと区別される。さらに、悪性新生物は、分化のより大きな喪失(より大きな脱分化)を示し、相互及びその周囲組織に対するその組織化のより大きな減少を示すことを特徴とする。この特性は「退形成」とも呼ばれる。
本発明によって治療可能な新生物としては、固形腫よう、すなわち、癌腫及び肉腫なども挙げられる。癌腫としては、周囲組織に浸潤(侵入)し、転移する、上皮細胞由来の悪性新生物などが挙げられる。腺癌は、腺組織由来の癌腫、又は認識可能な腺構造を形成する癌腫である。別の癌の広範なカテゴリーとしては、肉腫などが挙げられる。肉腫は、その細胞が胎生結合組織のような原線維物質又は均一物質中に埋め込まれた腫ようである。本発明は、白血病、リンパ腫及び典型的には腫りゅうとして存在しないが、血管又はリンパ細網系中に分布する他の癌を含めて、骨髄系又はリンパ系の癌の治療も可能にする。
従って、発明のang−2結合本分子は、固形腫よう及び白血病を含めて、多種多様な癌の治療に有用である。本発明による治療の対象となる癌又は腫よう細胞のタイプとしては、例えば、ACTH産生腫よう;急性リンパ球性白血病;急性非リンパ性白血病;腺腫;副腎皮質癌;乳房、前立腺及び結腸の腺癌;エナメル上皮腫;アプドーマ;ぼうこう癌;脳腫よう;さい腫;乳癌;気管支原性肺癌の全ての形態;カルチノイド心疾患;癌腫(例えば、ウォーカー癌、基底細胞癌、基底へん平細胞癌、ブラウン−ピアス腫よう、腺管癌、エールリッヒ癌、Krebs 2、メルケル細胞腫、粘液癌、非小細胞肺癌、燕麦細胞癌、乳頭状癌、硬性癌、細気管支癌、気管支癌、へん平上皮癌及び移行上皮癌);悪性カルチノイド症候群;免疫増生性小細胞肺癌;セメント質腫;子宮頚癌;軟骨芽細胞腫;軟骨腫;軟骨肉腫;分離腫;慢性リンパ性白血病;慢性骨髄性白血病;結腸直腸癌;脊索腫;頭蓋咽頭腫;皮膚T細胞リンパ腫;未分化胚細胞腫;子宮体癌;食道癌;ユーイング肉腫;線維腫;線維肉腫;胆嚢癌;巨細胞腫;神経こう腫;有毛細胞白血病;過誤腫;頭頚部癌;肝細胞癌;組織球性障害;組織球増殖症;ホジキンリンパ腫;カポジ肉腫;腎癌;脂肪腫;脂肪肉腫;肝臓癌;肺癌(小細胞及び非小細胞);悪性腹水;悪性胸水;黒色腫;間葉細胞腫;中腎腫;中皮腫;多発性骨髄腫;筋肉腫;粘液腫;粘液肉腫;神経芽細胞腫;非ホジキンリンパ腫;歯牙腫;骨腫;骨肉腫;卵巣癌;卵巣(胚細胞)癌;すい癌;乳頭腫;陰茎癌;プラズマ細胞腫;前立腺癌;細網内皮症;網膜芽細胞腫;皮膚癌;軟部組織肉腫;へん平上皮癌;胃癌;奇形腫;精巣癌;胸腺腫;甲状腺癌;絨毛性新生物;子宮癌;膣癌;外陰癌;ウィルムス腫ようが挙げられる。
さらに、以下のタイプの癌も治療することができる。胆管癌;胆脂腫;円柱腫(cyclindroma);嚢胞腺癌;嚢胞腺腫;顆粒膜細胞腫よう;男女性胚細胞腫;汗腺腫;島細胞腫よう;ライディッヒ細胞腫;乳頭腫;セルトリ細胞腫;卵胞膜細胞腫;平滑筋腫;平滑筋肉腫;筋芽細胞腫;筋腫;筋肉腫;横紋筋腫;横紋筋肉腫;上衣細胞腫;神経節神経腫;神経こう腫;髄芽腫;髄膜腫;神経鞘腫;神経芽細胞腫;神経上皮腫;神経線維腫;神経腫;傍神経節腫;非クロム親和性傍神経節腫;角化血管腫;好酸球増加随伴性血管類リンパ組織増殖症;硬化性血管腫(angioma sclerosing);血管腫症;グロムス血管腫;血管内皮腫;血管腫;血管外皮細胞腫;血管肉腫;リンパ管腫;リンパ管筋腫症;リンパ管肉腫;松果体腫;癌肉腫;軟骨肉腫;葉状嚢肉腫;線維肉腫;血管肉腫;平滑筋肉腫;白血肉腫;脂肪肉腫;リンパ管肉腫;筋肉腫;粘液肉腫;卵巣癌;横紋筋肉腫;肉腫;新生物;神経線維腫症(nerofibromatosis)及び子宮頚部異形成。
NGF結合分子の治療上の使用
NGF結合分子は、NGF関連疾患及び障害の予防又は治療に使用することができる。かかる適応症としては、(炎症性とう痛並びに付随する痛覚過敏及び異痛症、神経因性とう痛並びに付随する痛覚過敏及び異痛症、糖尿病性神経障害とう痛、灼熱痛、交感神経依存性とう痛、求心路遮断症候群、急性痛、緊張性頭痛、片頭痛、歯痛、外傷由来のとう痛、手術に起因するとう痛、切断術又は膿ように起因するとう痛、灼熱痛、脱髄疾患及び三叉神経痛を含めて、但しこれらだけに限定されない)とう痛などが挙げられるが、これらだけに限定されない。本発明のペプチド及び修飾ペプチドは、ぜん息、切迫尿失禁(すなわち、過活動ぼうこう)、乾せん、癌(特に、すい癌及び黒色腫)、慢性アルコール依存症、卒中、視床症候群、糖尿病、後天性免疫不全症候群(「AIDS」)、毒素及び化学療法、一般的頭痛、片頭痛、群発性頭痛、血管及び非血管混合症候群(mixed−vascular and non−vascular syndromes)、一般的炎症、関節炎、リウマチ性疾患、ループス、骨関節炎、炎症性腸疾患、炎症性眼疾患、炎症性若しくは不安定ぼうこう障害、乾せん、炎症性成分を伴う皮膚病、日焼け、心臓炎、皮膚炎、筋炎、神経炎、こう原血管病、慢性炎症性症状、ぜん息、上皮組織損傷若しくは機能不全、単純ヘルペス、呼吸器、尿生殖器、胃腸若しくは血管領域における内臓運動障害、創傷、火傷、アレルギー性皮膚反応、掻よう症(pruritis)、白斑、一般的胃腸疾患、結腸炎、胃潰よう、十二指腸潰よう、血管運動神経性鼻炎、アレルギー性鼻炎又は気管支疾患を含めて、但しこれらだけに限定されない、原因因子としてNGFに関連した他の疾患の予防又は治療に対する治療学的価値を有する。
ミオスタチン結合分子の治療上の使用
本発明のミオスタチン結合剤は、ミオスタチンに結合し、標的細胞内のミオスタチンシグナル伝達を遮断又は阻害する。本発明は、1種類以上のミオスタチン結合剤の有効投与量を動物に投与することによって、動物におけるミオスタチンの量又は活性を減少させる方法及び試薬を提供する。一態様においては、本発明は、1種類以上の結合剤の有効投与量を動物に投与することを含む、動物におけるミオスタチン関連障害を治療する方法及び試薬を提供する。これらのミオスタチン関連障害としては、筋肉疲労の様々な形態、糖尿病及び関連障害などの代謝障害、骨粗しょう症などの骨変性疾患などが挙げられるが、これらだけに限定されない。
米国特許出願第10/742,379号の実施例8に示されるように、本発明の例示的なペプチボディは、CD1 nu/nuマウスモデルにおいて除脂肪筋肉量を劇的に増加させる。このインビボでの活性は、同じペプチボディについて以下に記述するインビトロでの結合及び抑制活性と相関がある。
筋肉疲労障害としては、デュシェンヌ型筋ジストロフィー、進行性筋ジストロフィー、ベッカー型筋ジストロフィー、デジェリン−ランドゥジー筋ジストロフィー、エルブ筋ジストロフィー、乳児型神経軸索ジストロフィーなどのジストロフィーなどが挙げられる。例えば、抗体をインビボで使用してミオスタチンを遮断すると、デュシェンヌ型筋ジストロフィーのmdxマウスモデルのジストロフィー表現型が改善された(Bogdanovich et al.(2002), Nature 420: 28)。例示的ペプチボディを使用すると、下記実施例9に記載のように、mdxマウスモデルにおいて除脂肪筋肉量が増加し、除脂肪筋肉と脂肪の比が増加する。
さらなる筋肉疲労障害は、筋萎縮性側索硬化症、うっ血性閉塞性肺疾患、癌、AIDS、腎不全、リウマチ様関節炎などの慢性疾患から生じる。例えば、悪液質又は筋肉疲労及び体重減少が、胸腺欠損ヌードマウスにおいて全身投与されたミオスタチンによって誘発された(Zimmers et al.、同上)。他の例においては、ミオスタチン免疫反応性タンパク質の血清及び筋肉内濃度が、AIDS関連筋肉疲労を示す男性において増加し、除脂肪体重に反比例することが判明した(Gonzalez−Cadavid et al.(1998), PNAS USA 95: 14938−14943)。筋肉疲労を生じるさらなる条件は、車椅子での拘束など身体障害のための不活動、卒中、疾病、骨折又は外傷のための長期床上安静及び微小重力環境(宇宙飛行)における筋萎縮症から生じ得る。例えば、血しょうミオスタチン免疫反応性タンパク質は、長期床上安静後に増加することが判明した(Zachwieja et al. J Gravit Physiol. 6(2):11(1999)。スペースシャトル飛行中に微小重力環境に曝されたラットの筋肉は、曝されなかったラットの筋肉よりも多量のミオスタチンを発現することも判明した(Lalani et al.(2000), J.Endocrin. 167(3):417−28)。
また、脂肪と筋肉の比の年齢関連性の増加及び年齢関連性の筋萎縮症は、ミオスタチンと関係していると考えられる。例えば、平均血清ミオスタチン免疫反応性タンパク質は、若年群(19−35歳)、中年群(36−75歳)及び高齢者群(76−92歳)の男性及び女性において年齢とともに増加したが、平均筋肉量及び除脂肪体重は、これらの群において年齢とともに減少した(Yarasheski et al. J Nutr Aging 6(5):343−8(2002))。マウスにおけるミオスタチン遺伝子ノックアウトによって筋形成が増加し、脂肪生成が減少し(Lin et al.(2002), Biochem Biophys Res Commun 291(3):701−6、成体の筋肉量が増加し、脂肪蓄積及びレプチン分泌が減少した。例示的な分子は、以下に示すように、加齢mdxマウスにおいて除脂肪筋肉量と脂肪の比を改善する。
また、ミオスタチンは、心筋において低レベルで発現されることが現在見出されており、発現は梗塞後の心筋細胞後に増加する(Sharma et al.(1999), J Cell Physiol. 180(1):1−9)。従って、心筋中のミオスタチンレベルを低下させると、梗塞後の心筋の回復が改善され得る。
ミオスタチンは、2型糖尿病、インスリン非依存性糖尿病、高血糖及び肥満を含めて、代謝障害にも影響を及ぼすと考えられる。例えば、ミオスタチンの欠乏によって、2つのマウスモデルの肥満及び糖尿病表現型が改善することが判明した(Yen et al. 同上)。また、ミオスタチンレベルを低下させて筋肉量を増加させると、骨強度が改善され、骨粗しょう症及び他の変性骨疾患が減少し得る。例えば、ミオスタチン欠乏マウスは、マウス上腕骨のミネラル含有量及び密度が増加し、海綿骨と皮質骨の両方の筋肉が付着している領域におけるミネラル含有量が増加し、筋肉量が増加することも判明している(Hamrick et al.(2002), Calcif Tissue Int 71(1):63−8)。本発明においては、例示的ペプチボディは、以下に示すように、mdxマウスモデルにおいて除脂肪筋肉量と脂肪の比を増加させる。
本発明は、ミオスタチン結合剤の有効投与量を食用動物に投与することによって、食用動物における筋肉量を増加させる方法及び試薬も提供する。成熟C末端ミオスタチンポリペプチドは、試験した全ての種で同一であるので、ミオスタチン結合剤は、ウシ、ニワトリ、シチメンチョウ及びブタを含めて農業に重要なあらゆる種における筋肉量を増加させ、脂肪を減少させるのに有効であると予想される。
本発明のミオスタチン結合分子は、その治療効果を高め、又は起こり得る副作用を減少させるのに単独で又は他の治療薬と組み合わせて使用することができる。本発明の分子は、薬剤の治療学的価値を向上させる諸特性の望ましいが予想外である1つ以上の組み合わせを有する。これらの諸特性としては、高活性、高溶解性、低分解、長い半減期、低毒性、低免疫原性などが挙げられる。従って、本発明の分子は長期治療計画に有用である。また、本発明の化合物の親水性と疎水性はバランスが良好であり、それによってインビトロと特にインビボの両方での使用にその有用性が高くなる。具体的には、本発明の化合物は、体内での吸収及び生物学的利用能を可能にする、水性媒体への適切な溶解度を有する一方で、化合物が特定の筋肉などの推定作用部位に向かって細胞膜を通り抜けることができる、脂質への溶解度も有する。
本発明のミオスタチン結合分子は、適切な組成物中で有効投与量で投与すると、「対象」又はヒトを含めた任意の動物の治療に有用である。
また、本発明のミオスタチン結合分子は、幾つかのアッセイにおいてミオスタチンの検出及び定量に有用である。これらのアッセイは、米国特許出願第10/742,379号に詳述されている。
一般に、本発明のミオスタチン結合分子は、例えば、Asai, ed., Methods in Cell Biology, 37, Antibodies in Cell Biology, Academic Press, Inc., New York(1993)に記載のアッセイと同様に、様々なアッセイにおいてミオスタチンに結合し、固定する捕捉剤として有用である。ミオスタチン結合分子は、何らかの方法で標識することができ、又はミオスタチンの検出及び定量を可能にするように標識された抗結合分子抗体などの第3の分子と反応させることができる。例えば、ミオスタチン結合分子又は第3の分子は、ビオチンなどの検出可能成分で修飾することができ、次いで酵素標識ストレプトアビジンなどの第4の分子又は他のタンパク質と結合させることができる。(Akerstrom(1985), J Immunol 135:2589; Chaubert(1997), Mod Pathol 10:585)。
任意の特定のアッセイを通して、試薬の各組み合わせ後にインキュベーション及び/又は洗浄段階が必要になり得る。インキュベーション段階は約5秒から数時間、好ましくは約5分間から約24時間とすることができる。しかし、インキュベーション時間は、アッセイ形式、溶液の体積、濃度などに応じて決まる。通常、アッセイは、周囲温度で実施するが、ある温度範囲にわたって実施することができる。
BAFF結合分子の治療上の使用
本発明のBAFF結合分子は、B細胞によって媒介される自己免疫疾患の治療に特に有用であり得る。特に、本発明のBAFF結合分子は、全身性エリテマトーデス(SLE)を含めたループス並びにループス関連疾患及び症状の治療、予防、寛解、診断又は予知に有用であり得る。他の好ましい適応症としては、B細胞リンパ腫を含めて、B細胞によって媒介される癌などが挙げられる。
本発明の化合物は、関節の炎症性症状の治療に使用することもできる。関節の炎症性症状は、世界中で数百万人が様々な程度で苦しみ、身体障害者になっている慢性関節疾患である。リウマチ様関節炎は、滑膜から誘導されるパンヌスと呼ばれる増殖性浸潤性結合組織によって軟骨及び骨が徐々に侵食されて無くなる関節疾患である。この疾患には、包、腱鞘、腱などの関節周囲構造及び皮下組織、心血管系、肺、ひ臓、リンパ節、骨格筋、(中枢及び末梢)神経系、眼などの関節外組織が関与し得る(Silberberg(1985), Anderson’s Pathology, Kissane (ed.), II:1828)。骨関節炎は、関節軟骨における変性並びに関節周囲の骨及び軟骨の反応性増殖を特徴とする一般的関節疾患である。骨関節炎は、異化及び同化刺激に対する軟骨細胞の不適当な応答に起因し得る細胞媒介性の活性なプロセスである。関節軟骨の一部のマトリックス分子の変化が初期の骨関節炎において発生するとされている(Thonar et al.(1993), Rheumatic disease clinics of North America, Moskowitz (ed.), 19:635−657 and Shinmei et al.(1992), Arthritis Rheum., 35:1304−1308)。TALL−I、TALL−IR及びその調節物質は、これらの症状及び関係する症状の治療において有用であると考えられる。
BAFF結合分子は、急性すい炎;ALS;アルツハイマー病;ぜん息;アテローム性動脈硬化症;自己免疫性溶血性貧血;癌、特にB細胞に関係する癌;悪液質/食欲不振症;慢性疲労症候群;硬変(例えば、原発性胆汁性肝硬変);糖尿病(例えば、インスリン糖尿病);発熱;IgA糸球体腎炎及び原発性糸球体腎炎を含めた糸球体腎炎;グッドパスチャー症候群;ギランバレー症候群;移植片対宿主病;橋本甲状腺腫;出血性ショック;痛覚過敏;炎症性腸疾患;骨関節炎、乾せん性関節炎及びリウマチ様関節炎を含めた関節の炎症性症状;挫傷、捻挫、軟骨損傷、外傷、整形外科、感染又は他の疾患過程に起因する炎症性症状;インスリン依存性糖尿病;脳虚血(例えば、各々が神経変性をもたらし得る、外傷、てんかん、出血又は卒中の結果としての脳傷害)を含めた虚血性傷害;学習障害;肺疾患(例えば、ARDS);ループス、特に全身性エリテマトーデス(SLE);多発性骨髄腫;多発性硬化症;重症筋無力症;骨髄性(例えば、AML及びCML)及び他の白血病;筋疾患(例えば、筋タンパク質代謝、特に敗血症);(例えば、HIVによって誘導される)神経毒性;骨粗しょう症;とう痛;パーキンソン病;天ほうそう;多発性筋炎/皮膚筋炎;自己免疫肺炎症を含めた肺炎症;早産;乾せん;ライター病;再かん流傷害;敗血症ショック;放射線療法による副作用;シェーグレン症候群;睡眠障害;顎関節疾患;特発性血小板減少症及び自己免疫性新生児血小板減少症を含めた血小板減少症;腫よう転移;ブドウ膜炎及び血管炎を含めて、幾つかのさらなる疾患及び障害の治療においても有用であり得る。
併用療法
本発明の治療方法、構成物及び化合物は、血小板欠乏に加えて他の症候を特徴とする病態の治療において、単独で又は他のサイトカイン、可溶性Mpl受容体、造血因子、インターロイキン、増殖因子若しくは抗体と組み合わせて使用することもできる。本発明の化合物は、IL−3、GM−CSFなど血球新生の一般的刺激物質と組み合わせて、血小板減少症の一部の形態を治療するのに有用であることが判明すると予測される。他の巨核球刺激因子、すなわち、meg−CSF、幹細胞因子(SCF)、白血病抑制因子(LIF)、オンコスタチンM(OSM)又は巨核球刺激活性を有する他の分子をMplリガンドと一緒に使用することもできる。かかる同時投与用のさらなる例示的サイトカイン又は造血因子としては、IL−1アルファ、IL−1ベータ、IL−2、IL−3、IL−4、IL−5、IL−6、IL−11、コロニー刺激因子−1(CSF−1)、SCF、GM−CSF、顆粒球コロニー刺激因子(G−CSF)、EPO、インターフェロン−アルファ(IFN−アルファ)、コンセンサスインターフェロン、IFN−ベータ又はIFN−ガンマが挙げられる。さらに、巨核球が成熟型になった後に巨核球を血小板に断片化する効果を有すると考えられる可溶性哺乳動物Mpl受容体の有効量を同時に又は逐次的に投与することが有用であり得る。従って、(成熟巨核球数を増加させるための)本発明の化合物の投与とそれに続く(リガンドを不活性化し、成熟巨核球が血小板を産生できるようにするための)可溶性Mpl受容体の投与は、血小板産生を刺激する特に有効な手段であると予想される。上記投与量は、治療組成物中のかかる追加の成分を補うように調節される。治療した患者の経過は従来の方法によってモニターすることができる。
本発明の化合物を血小板及び/又は巨核球及び関連細胞の組成物に添加する場合には、添加量は、一般に、当分野で公知の技術及びアッセイによって実験的に確認される。例示的な量の範囲は、細胞10個当たり本発明の化合物0.1μg−1mgである。
薬剤組成物
一般
本発明は、本発明の化合物の薬剤組成物を用いる方法も提供する。かかる薬剤組成物は、注射投与用又は経口、肺、経鼻、経皮若しくは他の投与形態の投与用とすることができる。一般に、本発明は、薬剤として許容される希釈剤、防腐剤、可溶化剤、乳化剤、アジュバント及び/又は担体と一緒に本発明の化合物の有効量を含む薬剤組成物を包含する。かかる組成物としては、様々な緩衝剤含有量(例えば、Tris−HCl、酢酸塩、リン酸塩)、pH及びイオン強度の希釈剤;洗浄剤及び可溶化剤(例えば、Tween 80、Polysorbate 80)、抗酸化剤(例えば、アスコルビン酸、メタ重亜硫酸ナトリウム)、防腐剤(例えば、Thimersol、ベンジルアルコール)、充填物質(例えば、ラクトース、マンニトール)などの添加剤;ポリ乳酸、ポリグリコール酸などの重合体化合物の粒子調製物中への又はリポソーム中への材料の混合などが挙げられる。ヒアルロン酸も使用することができる。ヒアルロン酸は、循環中の持続期間を延長する効果を有し得る。かかる組成物は、本タンパク質及び誘導体の物理的状態、安定性、インビボでの放出速度及びインビボでのクリアランス速度に影響を及ぼし得る。例えば、参照により本明細書に組み入れるRemington’s Pharmaceutical Sciences, 18th Ed.(1990, Mack Publishing Co., Easton, PA 18042) 1435−1712ページを参照されたい。本組成物は、液体の形で調製することができ、又は凍結乾燥体などの乾燥粉末として調製することができる。経皮製剤同様、移植可能な徐放性製剤も企図される。
経口剤形
本発明の使用に企図されるのは経口固体剤形である。経口固体剤形は、一般に、参照により本明細書に組み入れるRemington’s Pharmaceutical Sciences(1990), 18th Ed., Mack Publishing Co. Easton PA 18042の89章に記載されている。固体剤形としては、錠剤、カプセル剤、丸剤、トローチ剤又は舐剤、カシェ剤又はペレット剤などが挙げられる。また、(例えば、米国特許第4,925,673号に報告されているプロテイノイドミクロスフェアのような)リポソーム又はプロテイノイド封入を利用して本組成物を処方することができる。リポソーム封入を利用することができ、リポソームは、様々なポリマーを用いて誘導体化することができる(例えば、米国特許第5,013,556号)。治療薬(therapeutic)の考えられる固体剤形の記述は、参照により本明細書に組み入れるMarshall, K., Modern Pharmaceutics(1979), edited by G.S. Banker and C.T. Rhodesの10章にある。一般に、本製剤は、本発明の化合物と、胃環境に対して保護し、生物活性材料を腸において放出できるようにする不活性成分とを含む。
また具体的に企図されるのは、上記本発明の化合物の経口剤形である。必要に応じて、本化合物は、経口送達が効果的になるように化学修飾することができる。一般に、企図される化学修飾は、少なくとも1種類の成分を化合物分子自体に付加させるものである。前記成分によって、(a)タンパク質分解を抑制することができ、(b)胃又は腸から血流中に吸収することができる。化合物全体の安定性の増加及び体内循環時間の延長も望まれる。本発明において共有結合ビヒクルとして有用である成分をこの目的に使用することもできる。かかる成分の例としては、PEG、エチレングリコールとプロピレングリコールのコポリマー、カルボキシメチルセルロース、デキストラン、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン及びポリプロリンが挙げられる。例えば、Abuchowski and Davis, Soluble Polymer−Enzyme Adducts, Enzymes as Drugs(1981), Hocenberg and Roberts, eds., Wiley−Interscience, New York, NY,, pp 367−83; Newmark, et al.(1982), J. Appl. Biochem. 4:185−9を参照されたい。使用することができる他のポリマーは、ポリ−1,3−ジオキソラン及びポリ−1,3,6−トリオキソカン(tioxocane)である。薬剤の使用に好ましいのは、上述したように、PEG成分である。
経口送達剤形の場合には、本発明の治療化合物の吸収を促進する担体としてN−(8−[2−ヒドロキシベンゾイル]アミノ)カプリル酸ナトリウム(SNAC)などの改変脂肪族アミノ酸の塩を使用することもできる。SNACを用いたヘパリン製剤の臨床効果は、Emisphere Technologiesによって実施された第二相試験において実証された。米国特許第5,792,451号「Oral drug delivery composition and methods」を参照されたい。
本発明の化合物は、粒径約1mmの顆粒又はペレットの形態の微小多粒子として製剤中に含めることができる。カプセル剤投与用材料の剤形は、粉末、軽く圧縮した詰め物(plug)、さらには錠剤とすることもできる。治療薬は圧縮によって調製することができる。
着色剤及び香味料は全て含めることができる。例えば、(リポソーム又はミクロスフェア封入などによって)タンパク質(又は誘導体)を処方し、次いで着色剤及び香味料を含む冷蔵飲料などの可食生成物内にさらに含有させることができる。
本発明の化合物を不活性材料で希釈し、又はその体積を増加させることができる。これらの希釈剤としては、炭水化物、特にマンニトール、α−ラクトース、無水ラクトース、セルロース、スクロース、改変デキストラン、デンプンなどが挙げられる。三リン酸カルシウム、炭酸マグネシウム及び塩化ナトリウムを含めて、ある種の無機塩も充填剤として使用することができる。幾つかの市販されている希釈剤はFast−Flo、Emdex、STA−Rx 1500、Emcompress及びAvicellである。
治療薬の処方において崩壊剤を固体剤形に含めることができる。崩壊剤として使用される材料としては、デンプンを主成分とする市販の崩壊剤Explotabを含めたデンプンなどが挙げられるが、これだけに限定されない。デンプングリコール酸ナトリウム、Amberlite、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ウルトラミロペクチン(ultramylopectin)、アルギン酸ナトリウム、ゼラチン、オレンジの皮、酸カルボキシメチルセルロース(acid carboxymethyl cellulose)、天然海綿及びベントナイトは全て使用することができる。崩壊剤の別の形態は、不溶性陽イオン交換樹脂である。ゴム粉末は崩壊剤及びバインダーとして使用することができる。ゴム粉末としては寒天、カラヤゴム、トラガカントゴムなどのゴム粉末が挙げられる。アルギン酸及びそのナトリウム塩も崩壊剤として有用である。
バインダーは治療薬を結合して硬い錠剤を形成するのに使用することができる。バインダーとしては、アラビアゴム、トラガカントゴム、デンプン、ゼラチンなどの天然物由来の材料などが挙げられる。他のバインダーとしては、メチルセルロース(MC)、エチルセルロース(EC)、カルボキシメチルセルロース(CMC)などが挙げられる。ポリビニルピロリドン(PVP)とヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)はどちらもアルコール溶液として治療薬を顆粒化するのに使用することができる。
減摩剤は、製剤プロセス中の粘着を防止するために、治療薬の処方に含めることができる。潤滑剤は、治療薬とダイ壁との間の層として使用することができる。潤滑剤としては、そのマグネシウム塩及びカルシウム塩を含めたステアリン酸、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、流動パラフィン、植物油、ワックスなどが挙げられるが、これらだけに限定されない。ラウリル硫酸ナトリウム、ラウリル硫酸マグネシウム、様々な分子量のポリエチレングリコール、カーボワックス4000及び6000などの可溶性潤滑剤も使用することができる。
製剤中の薬物の流動性を改善することができ、圧縮中の再配列を助ける流動化剤を添加することもできる。流動化剤としては、デンプン、タルク、熱分解法シリカ、水和アルミノケイ酸塩などが挙げられる。
水溶液環境への本発明の化合物の溶解を助けるために、界面活性剤を湿潤剤として添加することができる。界面活性剤としては、ラウリル硫酸ナトリウム、スルホコハク酸ジオクチルナトリウム、スルホン酸ジオクチルナトリウムなどの陰イオン洗剤などが挙げられる。陽イオン洗剤も使用することができる。陽イオン洗剤としては、塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウムなどが挙げられる。界面活性剤として製剤に含めることができる非イオン洗剤候補のリストは、ラウロマクロゴール400、ステアリン酸ポリオキシル40、ポリオキシエチレン水添ヒマシ油10、50及び60、モノステアリン酸グリセリン、ポリソルベート40、60、65及び80、ショ糖脂肪酸エステル、メチルセルロース及びカルボキシメチルセルロースである。これらの界面活性剤は、単独で又は異なる比の混合物として、タンパク質又は誘導体の製剤中に存在することができる。
添加剤も、本化合物の吸収を促進するために製剤に含めることができる。この特性を潜在的に有する添加剤は、例えば、脂肪酸 オレイン酸、リノール酸及びリノレン酸である。
制御放出製剤が望ましい場合もある。本発明の化合物は、拡散又は浸出機序による放出を可能にする不活性マトリックス、例えばゴム中に混合することができる。徐々に劣化するマトリックス、例えば、アルギナート、多糖を製剤中に混合することもできる。本発明の化合物の制御放出の別の形態は、Oros治療システム(Alza Corp.)に基づく方法によるものである。すなわち、薬物は、浸透圧効果のために単一の小さな開口を通って水が入り、薬物を押し出す半透膜に封入されている。一部の腸溶コーティングは、遅延放出効果も有する。
他のコーティングも製剤に使用することができる。他のコーティングとしては、コーティングパンに適用することができる様々な糖などが挙げられる。治療薬はフィルムコート錠とすることもできる。この場合に使用される材料は2つのグループに分類される。第1のグループは非腸溶性材料であり、メチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、メチルヒドロキシ−エチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ナトリウムカルボキシメチルセルロース、ポビドン(providone)及びポリエチレングリコールが含まれる。第2のグループは、一般にフタル酸エステルである腸溶材料からなる。
最適なフィルムコーティングを提供するために材料の混合物を使用することができる。フィルムコーティングは、パンコーター若しくは流動層を用いて、又は圧縮コーティングによって実施することができる。
肺送達形態
本タンパク質(又はその誘導体)の肺送達も本発明では企図される。タンパク質(又は誘導体)は、吸入中に哺乳動物の肺に送達され、肺上皮内層(epithelial lining)を通り抜けて血流に入る。(肺送達の他の報告としては、Adjei et al., Pharma. Res. (1990) 7: 565−9; Adjei et al.(1990), Internatl. J. Pharmaceutics 63: 135−44(酢酸ロイプロリド); Braquet et al.(1989), J. Cardiovasc. Pharmacol. 13 (suppl.5): s.143−146 (エンドセリン−1); Hubbard et al.(1989), Annals Int. Med. 3: 206−12 (α1−抗トリプシン); Smith et al.(1989), J. Clin. Invest. 84: 1145−6 (α1−プロテイナーゼ); Oswein et al.(March 1990), ”Aerosolization of Proteins”, Proc. Symp. Resp. Drug Delivery II, Keystone, Colorado (組換えヒト成長ホルモン); Debs et al.(1988), J. Immunol. 140: 3482−8 (インターフェロン−γ及び腫よう壊死因子α)、Platz et al.、米国特許第5,284,656号(顆粒球コロニー刺激因子)などが挙げられる。)。
本発明の実施において使用が企図されるのは、全て当業者によく知られた、ネブライザー、定量吸入器及び粉末吸入器を含めて、但しこれらだけに限定されない、治療薬の肺送達用に設計された様々な機械装置である。本発明の実施に適切な市販装置の幾つかの具体例は、Mallinckrodt, Inc.、St. Louis、Missouriによって製造されているUltraventネブライザー、Marquest Medical Products、Englewood、Coloradoによって製造されているAcorn IIネブライザー、Glaxo Inc.、Research Triangle Park、North Carolinaによって製造されているVentolin定量吸入器及びFisons Corp.、Bedford、Massachusettsによって製造されているSpinhaler粉末吸入器である。
かかる装置は全て、本発明の化合物の投与に適切な製剤を使用する必要がある。典型的には、各製剤は、使用する装置のタイプに特異的であり、治療に有用な希釈剤、アジュバント及び/又は担体に加えて、適切な噴霧材料を使用する必要がある場合がある。
本発明の化合物は、末端の肺に最も効果的に送達するために、平均粒径10μM(又はミクロン)未満、最も好ましくは0.5から5μMの粒子形態で最も有利には調製すべきである。
薬剤として許容される担体としては、トレハロース、マンニトール、キシリトール、スクロース、ラクトース、ソルビトールなどの炭水化物などが挙げられる。製剤に使用する他の成分としては、DPPC、DOPE、DSPC、DOPCなどを挙げることができる。天然又は合成界面活性剤を使用することができる。(タンパク質又は類似体の誘導体化におけるその使用を別にしても)PEGを使用することができる。シクロデキストランなどのデキストランを使用することができる。胆汁酸塩及び他の関係する賦活薬を使用することができる。セルロース及びセルロース誘導体を使用することができる。緩衝製剤中での使用など、アミノ酸を使用することができる。
また、リポソーム、マイクロカプセル若しくはミクロスフェア、包接化合物又は他のタイプの担体が企図される。
噴射又は超音波のネブライザーと一緒に使用するのに適切な製剤は、典型的には、溶液1mL当たり生物活性タンパク質約0.1から25mgの濃度で水に溶解させた本発明の化合物を含む。製剤は、(例えば、タンパク質安定化及び浸透圧調節用の)緩衝剤及び単糖を含むこともできる。ネブライザー製剤は、エアゾールを形成する際の溶液の微粒化によって引き起こされる、表面でのタンパク質凝集を抑制又は防止するために、界面活性剤を含むこともできる。
定量吸入装置と一緒に使用される製剤は、一般に、界面活性剤を用いて噴霧剤中に懸濁された、本発明の化合物を含む微粉を含む。噴霧剤は、トリクロロフルオロメタン、ジクロロジフルオロメタン、ジクロロテトラフルオロエタノール及び1,1,1,2−テトラフルオロエタンを含めて、クロロフルオロ炭素、ヒドロクロロフルオロ炭素、ヒドロフルオロ炭素若しくは炭化水素又はこれらの組み合わせなどこの目的で使用される従来の材料とすることができる。適切な界面活性剤としては、トリオレイン酸ソルビタン、ダイズレシチンなどが挙げられる。オレイン酸も界面活性剤として有用であり得る。
粉末吸入装置投与用製剤は、本発明の化合物を含む乾燥微粉を含み、装置からの粉末の分散を容易にする量、例えば、製剤の50から90重量%のラクトース、ソルビトール、スクロース、マンニトール、トレハロース、キシリトールなどの充填剤を含むこともできる。
他の送達形態
本発明の化合物の経鼻送達も企図される。経鼻送達によって、肺中で治療薬が沈着する必要なしに、治療薬を鼻に投与した直後にタンパク質が血流に入ることができる。経鼻送達用製剤としては、デキストラン又はシクロデキストランを含む製剤などが挙げられる。他の粘膜を通過する送達も企図される。
本発明の化合物の頬送達も企図される。ペプチドを併用する頬送達製剤は当分野で公知である。
投与量
上記症状の治療方法に関わる投与計画は、薬物の作用を加減する様々な要因、例えば患者の年齢、症状、体重、性別及び食事、感染の重症度、投与時間及び他の臨床上の要因を考慮して、主治医によって決定される。一般に、毎日の投薬計画は、体重1キログラム当たり本発明の化合物0.1−1000マイクログラム、好ましくは0.1−150マイクログラム/キログラムの範囲とすべきである。
好ましい具体的実施形態
本発明者らは、多種多様な活性を有する分子の好ましいペプチド配列を決定した。本発明者らは、さらに、好ましいリンカー及びビヒクルと結合したこれらの好ましいペプチドの好ましい構造を決定した。これらの好ましいペプチドの好ましい構造を下表11に示した。リンカー配列を太字で示す。活性なペプチド配列を太字で示し、下線を引く。
Figure 0005017116
Figure 0005017116
Figure 0005017116
実施例
上記化合物は以下に示すように調製することができる。これらの実施例は、本発明の好ましい実施形態を構成し、限定するものではなく説明のためのものである。
Fcループ−ang2の調製
本発明のこの実施例においては、ジスルフィドによって拘束されたペプチドTN8−Con4を、配列D137138139140141(図2A)で定義されるヒトIgG1 Fcループドメインに挿入した。
TN8−Con4 QEEEWDPWTEHM(配列番号147)
ペプチド挿入はFc残基Leu139とThr140の間であり、挿入ペプチドの両側に隣接したリンカーとして2個のGly残基を含む(図10A)。FcループTN8−Con4構築体はAmgenクローン#6888で標識されている。カルボキシ末端TN8−Con4融合ペプチボディ(図10B)は、5個のGlyリンカーを含み、Amgenクローン#5564で標識されている。
クローン#6888と#5564のどちらも、当業者に公知の従来法によってE.コリに形質転換された。両方のクローンは、もっぱら不溶性封入体部分で高レベルで発現することが判明した(図11)。単離封入体部分(1g)を6Mグアニジン−HCl、50mM Tris、8mM DTT、pH9(10ml)に室温で混合しながら1時間溶解させた。変性し、還元したペプチボディを、2M尿素、50mM Tris、4mMシステイン、1mMシスタミンからなる再折り畳み緩衝剤pH8.5中に1:25(v/v)希釈することによって、可溶化封入体から再び折り畳んだ。可溶化ペプチボディを再折り畳み緩衝剤に4℃で撹拌しながら滴下した。再折り畳み反応物を48時間撹拌し、次いで一定分量をSDS−PAGE及び逆相HPLCによって評価した。FcループTN8−Con4(#6888)は、RP−HPLC(図12)によって示されるように、再折り畳み反応において、カルボキシ末端Fc TN8−Con4ペプチボディ(#5564)よりもかなり均一である。
再折り畳みFcループTN8−Con4及びカルボキシ末端Fc TN8−Con4を2カラムプロセスによって精製した。まず、組換えProtein−Aカラムを2M尿素、50mM Tris、pH8.5で平衡にし、ろ過ペプチボディ再折り畳み反応物を充填した。次いで、カラムを平衡緩衝剤2カラム体積、続いてPBS 2カラム体積で洗浄した。ペプチボディ画分を50mM NaOAc、pH3で溶出させ、10mM NaOAc、50mM NaCl、pH5中に1:4希釈することによって素早く中和した。希釈Protein−A溶出物を再度ろ過し、10mM NaOAc、50mM NaCl、pH5で平衡にしたSPセファロースHP陽イオン交換カラム(Pharmacia)に充填した。次いで、ペプチボディ画分を線状50−500mM NaCl勾配で溶出させ、プールし、約2mg/mlに濃縮した。FcループTN8−Con4(#6888)及びカルボキシ末端Fc TN8−Con4(#5564)の各最終プールをRP−HPLC(図13)及びSDS−PAGE(図14)によって評価した。RP−HPLC及びSDS−PAGEによれば、生成物の均一性は、比較のカルボキシ末端融合ペプチボディ(#5564)よりもFcループTN8−Con4(#6888)で改善される。
FcループTN8−Con4とカルボキシ末端融合TN8−Con4ペプチボディのどちらも、アンジオポエチン2受容体の競合阻害についてインビトロELISAによってさらに評価した。この形式では、ペプチボディは、固定化アンジオポエチン2への結合について、アンジオポエチン2受容体−Fc融合体と競合する。アンジオポエチン2受容体−Fc融合体の結合は、酵素結合免疫検出方法を用いた蛍光によってモニターされ、50%阻害における阻害定数(IC50)として記録される。この実験によれば、FcループTN8−Con4は、カルボキシ末端Fc TN8−Con4よりも十分に活性である(図15)。
マウスにおいてFcループTN8−Con4ペプチボディのインビボでの安定性をカルボキシ末端TN8−Con4ペプチボディと比較した。この試験では、15匹のマウスからなる群にペプチボディ構築体を5mg/kgで皮下投与した。注射から4時間後に5匹のマウスを屠殺し、血清を収集した。24時間で別の5匹のマウスから収集し、48時間も同様であった。検出可能なヒトIgG−Fcペプチボディについて個々の血清試料をウエスタンブロットによって評価した。各5匹のマウス群内の血清は全て極めて類似していたので、各群をプールして、代表試料を単一のゲル/ブロット上で一緒に泳動させた。分析結果(図16)によれば、FcループTN8−Con4ペプチボディとカルボキシ末端TN8−Con4ペプチボディのどちらも、プールしたマウス血清中に明白な損失なしに48時間存続することが明らかである。この結果は、Fcループ設計ペプチボディが、ペプチド挿入によってインビボで不安定化されないことを示している。
Fcループ−myo7の調製
本発明の別の実施形態においては、配列
TN8−19−07 LADHGQIRWPWMPPEGWE(配列番号365)
の、ジスルフィドによって拘束された新規ペプチドTN8−19−7(参照により本明細書に組み入れる米国特許出願公開2004−0181033−A1号)をIgG1 Fc配列の推定Fcループ配列DELTK中の内部融合体としてLeu139とThr140の間に挿入した(図2A)。追加の2個のGly残基もフランキングリンカーとしてTN8−19−07ペプチドの各末端に付加した。最終FcループTN8−19−07配列を図3Aに示す。最終FcループTN8−19−07配列は標識クローン#6951である。或いは、同じIgG1 Fc配列とのTN8−19−07のカルボキシ末端融合体を調製し、対象(図3B)及び標識クローン#6826とした。カルボキシ末端融合体は、FcとTN8−19−07の間にリンカーとして働く5個のGly残基を含んだ。
クローン#6951と#6826のどちらも、当業者が用いる従来法によってE.コリに形質転換され、もっぱら不溶性封入体部分で高レベルで発現することが判明した(図4A及び4B)。単離封入体部分(1g)を6Mグアニジン−HCl、50mM Tris、8mM DTT、pH9(10ml)に室温で混合しながら1時間溶解させた。変性還元ペプチボディを、2M尿素、50mM Tris、4mMシステイン、1mMシスタミン、pH8.5中に1:25(v/v)希釈することによって、可溶化封入体部分から再び折り畳んだ。可溶化ペプチボディを再折り畳み緩衝剤に4℃で撹拌しながら滴下した。再折り畳み反応物を48時間撹拌し、次いで一定分量をSDS−PAGE及び逆相HPLCによって評価した。FcループTN8−19−07(#6951)は、RP−HPLC(図5)によって、再折り畳み反応において、カルボキシ末端Fc−TN8−19−07ペプチボディ(#6826)よりもかなり均一であることが判明した。
精製を2カラムプロセスによって実施した。まず、組換えProtein−Aカラムを2M尿素、50mM Tris、pH8.5で平衡にし、ろ過ペプチボディ再折り畳み反応物を充填した。次いで、カラムを平衡緩衝剤2カラム体積、続いてPBS 2カラム体積で洗浄した。ペプチボディ画分を50mM NaOAc、pH3で溶出させ、10mM NaOAc、50mM NaCl、pH5中に1:4希釈することによって素早く中和した。希釈Protein−A溶出物を再度ろ過し、10mM NaOAc、50mM NaCl、pH5で平衡にしたSPセファロースHP陽イオン交換カラム(Pharmacia)に充填した。次いで、ペプチボディ画分を線状50−500mM NaCl勾配で溶出させ、プールし、約2mg/mlに濃縮した。FcループTN8−19−07(#6951)及びカルボキシ末端Fc TN8−19−07(#6826)の各最終プールをRP−HPLC(図6)及びSDS−PAGE(図7)によって評価した。RP−HPLC及びSDS−PAGEによれば、最終生成物の均一性は、比較のカルボキシ末端融合ペプチボディ(#6826)よりもFcループTN8−19−07(#6951)で改善される。
ミオスタチンシグナル伝達活性の阻害を測定するインビトロ細胞アッセイによって、FcループTN8−19−07(#6951)の生理活性を求め、カルボキシ末端融合体(#6826)と比較した。このアッセイでは、両方の構築体を4nMミオスタチンで滴定し、そのミオスタチンシグナル伝達活性阻害能力をルシフェラーゼレポーター系によって測定して評価した。相対ペプチボディ活性を50%阻害有効濃度(EC50)として報告する。この実験によれば、FcループTN8−19−07ペプチボディ(#6951)は、十分なインビトロ生理活性を保持する(図8)。
マウスにおいてFcループTN8−19−07ペプチボディのインビボでの安定性をカルボキシ末端TN8−19−07ペプチボディと比較した。この試験では、15匹のマウスからなる群にペプチボディ構築体を5mg/kgで皮下投与した。注射から4時間後に5匹のマウスを屠殺し、血清を収集した。24時間で別の5匹のマウスから収集し、48時間も同様であった。検出可能なヒトIgG−Fcペプチボディについて個々の血清をウエスタンブロットによって評価した。各5匹のマウス群内の血清は全て極めて類似していたので、各群をプールして、代表試料を単一のゲル/ブロット上で一緒に泳動させた。分析結果(図9)によれば、FcループTN8−19−07ペプチボディは、プールしたマウス血清中に明白な損失なしに48時間存続することが明らかである。これに対して、カルボキシ末端TN8−19−07ペプチボディの濃度は、試験期間を通して絶えず減少し、48時間ではほぼ検出不可能である。この結果は、Fcループ設計手法によって、インビボでのさらなる安定性がTN8−19−07ペプチボディに付与できることを示唆している。
TN8−Con4の調製
この分子を実施例1及び参照により本明細書に組み入れる米国特許出願公開第2003/0236192号(また、PCT/US04/10989)において上述したように調製した。
Fc−ang2−直列の調製
この分子を、参照により本明細書に組み入れる2003年12月25日に公開された米国特許出願公開第2003/0236193号(また、2004年4月8日に出願されたPCT/US04/10989号)に記載のように調製した。
TN8−19−7の調製
この分子を、実施例2及び参照により本明細書に組み入れる2003年12月19日に出願された米国特許出願第10/742,379号(また、2003年12月19日に出願されたPCT/US03/40781号)において上述したように調製した。
Fcループ−EMPの調製
この分子を実施例1で上述したように調製した。
Fcループ−Amp2の調製
本発明の別の実施形態においては、線状非拘束ペプチドAMP 2を、配列D137138139140141(図2A)で定義されるヒトIgG1 Fcループドメインに挿入した。
AMP−2: IEGPTLRQWLAARA(配列番号28)
Fc挿入はLeu139とThr140の間であり、挿入ペプチドの両側に隣接したリンカーとして2個のGly残基を含む(図3D)。FcループAMP 2構築体をAmgenクローン#6875と呼ぶ。
FcループAMP 2クローン(#6875)は、当業者に公知の従来法によってE.コリに形質転換され、もっぱら不溶性封入体部分で高レベルで発現することが判明した(図17)。単離封入体部分(1g)を6Mグアニジン−HCl、50mM Tris、8mM DTT、pH9(10ml)に室温で混合しながら1時間溶解させた。変性還元ペプチボディを、2M尿素、50mM Tris、4mMシステイン、1mMシスタミン、pH8.5中に1:25(v/v)希釈することによって、可溶化封入体部分から再び折り畳んだ。可溶化ペプチボディを再折り畳み緩衝剤に4℃で撹拌しながら滴下した。再折り畳み反応物を48時間撹拌し、次いで一定分量をSDS−PAGE及び逆相HPLCによって評価した。
精製を2カラムプロセスによって実施した。まず、組換えProtein−Aカラムを2M尿素、50mM Tris、pH8.5で平衡にし、ろ過ペプチボディ再折り畳み反応物を充填した。次いで、カラムを平衡緩衝剤2カラム体積、続いてPBS 2カラム体積で洗浄した。ペプチボディ画分を50mM NaOAc、pH3で溶出させ、10mM NaOAc、50mM NaCl、pH5中に1:4希釈することによって素早く中和した。希釈Protein−A溶出物を再度ろ過し、10mM NaOAc、50mM NaCl、pH5で平衡にしたSPセファロースHP陽イオン交換カラム(Pharmacia)に充填した。次いで、ペプチボディ画分を線状50−500mM NaCl勾配で溶出させ、プールし、約2mg/mlに濃縮した。FcループAMP 2(#6875)の最終プールをSDS−PAGE(図19)及びRP−HPLC(図20)によって評価した。
FcループAMP 2の最終調製物をインビボでのマウスバイオアッセイにおいて、直列に連結された2個のAMP 2配列のカルボキシ末端ペプチボディ融合体(Fc直列AMP2)に対して試験した。この比較では、Fc直列−AMP2は、わずか2個のペプチドしか持たないFcループAMP 2と比較して、4個のAMP 2ペプチドの合計原子価を有する。マウスにどちらかのペプチボディ50μg/kgの単一の皮下注射を投与し、その血小板レベルを15日間モニターした(図21)。Fc直列−AMP2はかなりの初期血小板増加を引き起こしたが、全応答は9日までに終了した。これに対して、FcループAMP 2は、8日目に最大になり、15日間持続したはるかに小さな応答を誘発した。これらの結果は、FcループAMP 2ペプチボディの効果的な半減期が、従来のカルボキシ末端融合ペプチボディよりもはるかに大きくなり得ることを示唆している。応答の全体的大きさの相違は、Fc直列−Amp2の原子価が大きい結果であり得る。
Amp2の調製
この分子を実施例7及び米国特許第6,660,843号で上述したように調製した。
インビトロ細胞アッセイ及びミオスタチンシグナル伝達活性の測定(図8)
ミオスタチン活性及びその遮断を定量するために、pMARE−Lucと称するルシフェラーゼレポーター系を開発した。この系はミオスタチン/アクチビンシグナル伝達強度を検知する。pMARE−lucベクターは、最小のプロモーター要素(TATAボックス)を含む基本レポータープラスミドpLuc−MCSにSmad応答性CAGA直列反復配列をサブクローニングすることによって構築した。pMARE−lucベクターを骨格筋由来のC2C12細胞系(ネズミ)に安定に形質移入した。
安定なクローンのミオスタチン応答を分析することによって、ミオスタチンとアクチビンの両方のシグナル伝達活性を検出することができるC2C12系クローンレポーター細胞系を96ウェル形式で高い感度と良好な再現性で特定した。
インビトロでのHTRF(均一時間分解蛍光)Ang−2結合アッセイ(図15)。
濃度100nMから開始して、Fcループペプチボディ及び適切な対照を96ウェルプレート全体にわたりHTRF緩衝剤で3倍、9倍に連続希釈した。次いで、希釈物を96ウェル黒色丸底アッセイプレート上で以下の試薬、すなわちストレプトアビジン−ユウロピウム(1.6nM)、ビオチン化ヒトアンジオポエチン−2(8.0nM)、ヒトTie2−Fc−APC(10nM)と混合した。。次いで、アッセイプレートを振とうしながら室温で2時間インキュベートした。次に、プレートをRubystarマイクロプレートリーダー(BMG Labtechnologies Inc.)によって読み取った。結果を%阻害に変換し、次いで%阻害値をプログラムGRAFIT 5.0(IC50、0−100%パラメータ)で解析することによってIC50を計算した。
インビボでのAMP−2効力アッセイ(図21)
メスのBDF1マウスに担体流体(0.1%BSAを含む1×PBS)、Fc直列−AMP2 50mcg/kg又はFcループ−AMP2 50mcg/kgを皮下注射する。注射体積は0.2mLである。眼か後方の洞の穿刺によってヘパリン処置毛管に各マウスから血液を収集し、次いでEDTAを含むmicrotainerに移す。白血球分画を含めた全血球計算値(CBC)を、マウス血液で較正したADVIA 120血液分析計(Bayer Corp.、Tarrytown、NY)を用いて得る。標準採血日(bleed day)は0、3、5、7及び10である。血小板数を注射後の時間の関数としてプロットする。
EMP活性のUT−7 EPO増殖アッセイ(図18)
UT−7Epo増殖アッセイは、ネズミEPO(mEPO)及びヒトEPO(huEPO)又は成長及び生存のための他のEPO様分子に応答するヒト巨核芽球性白血病細胞系を使用する。
増殖因子を、96ウェルプレート全体にわたり10%FBS−Iscoves Modified Dulbelcco培地(IMDM)100μlで1000ng/mlから0.488ng/mlに3つ組で連続希釈する。10%FBS IMDM 100μl中の15000細胞/ウェルを96ウェルプレートに添加する。ウェル1個当たりの総体積は、15000細胞/ウェルを含む培地200μlである。細胞及び培地単独がゼロ対照(zero control)である。細胞を加湿チャンバ中で37℃でインキュベートする。
調べようとする増殖因子と一緒に72時間インキュベーション後、生細胞をMTS(3−(4,5−ジメチルチアゾル−2−イル)−5−(3−カルボキシメトキシフェニル(carboxymethoxphenyl))−2−(4−スルホフェニル)2H−テトラゾリウム、分子内塩)取り込み(5+/−1時間、37℃)によって求め、成長をO.D.(490nm吸光度)、限界4.0O.D以下によって測定する。参考文献:Yasusada Miura, Keita Kirito, and Norio Komatsu (1998), ”Regulation of Both Erythroid and Megakaryocytic Differentiation of a Human Leukemia Cell Line, UT−7,” Acta Haematologica,99:180−184。
代替Fcループ挿入部位
L139/T140挿入部位を有するFcループ挿入型ペプチボディの可能性が幾つかの異なるペプチドを用いて証明されたので、Fc結晶構造中のさらなるループを調査した。Fcドメイン相同性モデリングを用いて、12個の異なる挿入部位候補を、溶媒接触表面露出(solvent accessible surface exposure)、FcRn結合界面など、ループ内の、Fc2量体界面に近接し、公知エフェクター機能の部位の近位の立体障害に基づいて選択した。挿入部位候補と特定したFcループ部位を詳述し、分類する。図2A及び下表12を参照されたい。
Figure 0005017116
Figure 0005017116
これらの挿入部位候補のうち、6個は、TN8−19−7ペプチド挿入断片を用いて発現され(実施例2)、リフォールディング効率及びインビトロでの活性について評価された。上記最初のループ挿入部位(L139/T140)中に操作された非対称リンカー系Gly4/Gly6を含むさらなる構築体を追加した。合計7個の新しいFcループミオスタチン構築体を再折り畳みし、精製し、活性を試験した。
試験した7個の新しいFcループTN8−19−7構築体は、ヒトIgG1 FcのCH2ドメインとCH3ドメインの両方における挿入を含んだ。具体的には、これらの挿入は、G201/N202(CH3)、E169/N170(CH3)、S181/D182(CH3)、H49/E50(CH2)、L139/T140(G4−6)(CH3)、Y77/N78(CH2)及びK107/A108(CH2−CH3リンカードメイン)であった。これらの構築体は、当分野で公知の従来法によってE.コリに形質転換され、もっぱら不溶性封入体部分で発現することが判明した。興味深いことに、H49/E50、L139/T140(G4−6)及びY77/N78構築体は最高レベルの発現を示すと考えられた。E169/N170、S181/D182、K107/108は中程度の発現を示し、G201/202構築体はある程度の発現を示したが、極めて小さかった。
E.コリ中で十分に発現されたFcループTN8−19−7構築体を、まず単離封入体部分を6Mグアニジン−HCl、50mM Tris、8mM DTT pH9.0(封入体1g当たり10mL)に混合しながら室温で1時間溶解させることによって精製した。次いで、最適なリフォールディング条件を特定するために、変性還元FcループTN8−19−7構築体の各々について様々なリフォールディング条件を評価した。G201/N202、E169/N170及びS181/D182の3個の構築体は、試験した条件のいずれでも十分に再折り畳みされなかった。残りの4個のFcループTN8−19−7構築体のうち、L139/T140(G4−6)が最も良く再折り畳みされ、残りのH49/E50、Y77/N78及びK107/A108の3個は十分な収率で再折り畳みされ、さらに精製された。
最適再折り畳み条件を用いて、4M尿素、50mM Tris−HCl、0.16M Arg−HCl、20%グリセリン、3Mシスチン、5mMシスタミン pH8.5に1:25(v/v)希釈することによって、変性還元FcループTN8−19−7構築体を可溶化封入体部分から再折り畳みした。可溶化ペプチボディを再折り畳み緩衝剤に4℃で撹拌しながら滴下した。再折り畳み反応物を72時間撹拌し、続いてクロマトグラフによって精製した。実施例2に記載した通り、最終精製を2カラムクロマトグラフィープロセスによって実施した。
図23及び24に示したように、L139/T140(G4−6)、H49/E50、Y77/N78及びK107/108の各最終プールをRP−HPLC及びSDS−PAGEによって評価した。これら4個の構築体の収率を表13に示す。
Figure 0005017116
4個の精製類似体のうち、L139/T140(G4−6)挿入部位類似体は、最高純度及び最高収率で生成された。
精製Fcループ挿入類似体を、実施例9に記載のように、機能的ミオスタチン受容体結合活性についてインビトロでの細胞を用いた阻害アッセイによってさらに分析した。結果を表14に示す。
Figure 0005017116
精製Fcループ挿入類似体をFcRn結合についてBiacoreアッセイシステムを用いてさらに分析した。試料K107/A108は、分析後の残留試料が不十分であったので、試験しなかった。インビトロでの細胞を用いたミオスタチン阻害アッセイによって決定されたIC50値は、L139/T140(G4−6)挿入と元のFcループ#6951とでは類似していたのに対して、H49/E50及びY77/N78におけるFcループ挿入ではミオスタチン阻害能力が低下した(図30)。Biacore FcRn結合実験によれば、H49/E50及びY77/N78は、対照(Fcループ−1xTN8−19−7、#6951)と同じ程度にFc受容体と結合し、EC50が約680nMであったが、L139/T140(G4−6)はEC50がより低く、より好都合な約220nMであった。
要約すると、評価した6個の新しい挿入部位のうち、3個は効率的に再折り畳みすることができなかった。回収した3個の新しい挿入部位類似体のうち、K107/A108は折り畳みが不十分であり、H49/E50(CH2ドメイン)はわずかに良好に再折り畳みされ、Y77/N78(CH2ドメイン)における残り2個の挿入及び長い非対称リンカーを有する最初の挿入部位L139/T140(CH3ドメイン)はより高効率で折り畳まれた。興味深いことに、これらの新規挿入部位類似体の全てが、対称Gly2リンカーによって位置L139/T140にTN8−19−7を有する最初のFcループ構築体(#6951)よりもかなり低い収率で再折り畳みされた。
FcRn結合能を保持しているかどうかについて試験すると、全てのFcループ分子は、親和性が類似していると考えられた。但し、予想された例外として、長い非対称リンカー構築体はわずかに良好と考えられた。これは、挿入ペプチドとFcRn結合界面との立体的相互作用を最小化する設計の理論的枠組と一致していた。
全ての精製Fcループ構築体は、インビトロ細胞機能アッセイ(表14)によって活性であったが、最初の挿入部位(L139/T140)及び同じ部位における長い非対称リンカー挿入は最も強力であると考えられた。
この研究は、ヒトIgG1 Fc内の複数のループドメインは、図23で確認されるように、ペプチドとFcRn結合などのFcエフェクター機能の両方の活性を保ちつつ、生理活性ペプチドの挿入が可能であることを示している。これらのFcループドメインを利用したペプチド挿入類似体は、リフォールディング効率及びペプチド活性がかなり変動し得る。各ペプチド/挿入の組み合わせは、回収率及び効力を最大にするように個々に最適化することができる。
より好ましいのは、図23において下線を引いたサブドメインを標的としたペプチド挿入である。最も好ましいのは、挿入部位(L139/T140)及びCHドメイン中の2個の追加のループ(H49/E50及びY77/N78)である。
略語
本明細書を通して使用する略語は、特定の状況で特に断らない限り、以下に定義する通りである。
Ac (アセチル化残基の記述に用いる)アセチル
AcBpa アセチル化p−ベンゾイル−L−フェニルアラニン
ACN アセトニトリル
ADCC 抗体依存性細胞傷害
Aib アミノイソ酪酸
bA ベータ−アラニン
Bpa p−ベンゾイル−L−フェニルアラニン
BrAc ブロモアセチル(BrCHC(O)
BSA ウシ血清アルブミン
Bzl ベンジル
Cap カプロン酸
CTL 細胞傷害性Tリンパ球
CTLA4 細胞傷害性Tリンパ球抗原4
DARC ダッフィ血液型抗原受容体
DCC ジシクロ(Dicylco)ヘキシルカルボジイミド
Dde 1−(4,4−ジメチル−2,6−ジオキソ−シクロヘキシリデン)エチル
EDTA エチレンジアミン四酢酸
EMP エリスロポイエチン様ペプチド
ESI−MS エレクトロンスプレーイオン化質量分析法
EPO エリスロポイエチン
Fmoc フルオレニルメトキシカルボニル
G−CSF 顆粒球コロニー刺激因子
GH 成長ホルモン
HCT ヘマトクリット
HGB ヘモグロビン
hGH ヒト成長ホルモン
HOBt 1−ヒドロキシベンゾトリアゾール
HPLC 高速液体クロマトグラフィー
IL インターロイキン
IL−R インターロイキン受容体
IL−1R インターロイキン−1受容体
IL−1ra インターロイキン−1受容体アンタゴニスト
Lau ラウリン酸
LPS リポ多糖
LYMPH リンパ球
MALDI−MS マトリックス支援レーザー脱離イオン化質量分析法
Me メチル
MeO メトキシ
MES (2−[N−モルホリノ]エタンスルホン酸)
MHC 主要組織適合複合体
MMP マトリックスメタロプロテイナーゼ
MMPI マトリックスメタロプロテイナーゼ阻害剤
NaOAc 酢酸ナトリウム
1−Nap 1−ナフチル(napthyl)アラニン
NEUT 好中球
NGF 神経成長因子
Nle ノルロイシン
NMP N−メチル−2−ピロリジノン
PAGE ポリアクリルアミドゲル電気泳動
PBS リン酸緩衝食塩水
Pbf 2,2,4,6,7−ペンタ(penda)メチルジヒドロベンゾフラン−5−スルホニル
PCR ポリメラーゼ連鎖反応法
Pec ピペコリン酸
PEG ポリ(エチレングリコール)
pGlu ピログルタミン酸
Pic ピコリン酸
PLT 血小板
pY ホスホチロシン
PTFE ポリテトラフルオロエチレン
RBC 赤血球
RBS リボソーム結合部位
RP−HPLC 逆相HPLC
RT 室温(25℃)
Sar サルコシン
SDS ドデシル硫酸ナトリウム
STK セリンスレオニンキナーゼ
t−Boc tert−ブトキシカルボニル
tBu tert−ブチル
TGF 組織成長因子
THF 胸腺液性因子
TK チロシンキナーゼ
TMP トロンボポイエチン様ペプチド
TNF 組織壊死因子
TPO トロンボポイエチン
TRAIL TNF関連アポトーシス誘発リガンド
Trt トリチル
UK ウロキナーゼ
UKR ウロキナーゼ受容体
VEGF 血管内皮細胞増殖因子
VIP 血管作動性腸ペプチド
WBC 白血球
図1A、1Bおよび1Cは、この発明の方法により修飾し得るFcドメインのループ領域を示す。図1Aは、単量体のラットIgG2a Fcドメイン(タンパク質データベースファイル#1I1C、http://www.rcsb.org/pdb/)を示す。この図は、x線回折結晶構造から得られた、ラットIgG2a Fcドメインモノマーの3次元モデルを示す(pdb #1I1C)。CH2ドメインとCH3ドメインの両方の可能なFcループ挿入部位を示す。好ましいCH3ドメインFcループ挿入部位を特に区別して示す。 図1A、1Bおよび1Cは、この発明の方法により修飾し得るFcドメインのループ領域を示す。図1Bは、単量体ネズミIgG1 Fcドメイン(タンパク質データベースファイル#1IGY)を示す。この図は、x線回折結晶構造から得られた、ネズミIgG1 Fcドメインモノマーの3次元モデルを示す(pdb #1IGY)。CH2ドメインとCH3ドメインの両方の可能なFcループ挿入部位を示す。好ましいCH3ドメインFcループ挿入部位を特に区別して示す。 図1A、1Bおよび1Cは、この発明の方法により修飾し得るFcドメインのループ領域を示す。図1Cは、単量体ヒトIgG1 Fcドメイン(タンパク質データベースファイル#1H3T)を示す。この図は、x線回折結晶構造から得られた、ヒトIgG1 Fcドメインモノマーの3次元モデルを示す(pdb #1H3T)。CH2ドメインとCH3ドメインの両方の可能なFcループ挿入部位を示す。好ましいCH3ドメインFcループ挿入部位を特に区別して示す。 図2Aは、太字の予測ループ配列とのペプチボディ融合体に使用する一連のヒトIgG1 Fc配列(配列番号599)を示す図である。図2Aは、本発明に使用するヒトIgG1配列に関連して、図1A、1B及び1Cに示す構造によって示唆される、太字のFcループ領域(配列番号621、622、624、625、627、628、630、632、634及び636)を示す。太字で示す部位のいずれか又は全ては、ペプチド配列による完全若しくは部分的な置換に、又はペプチド配列の挿入に適切となり得、本発明の一部と見なされる。特に好ましい内部部位に下線を引く(配列番号623、626、629、631、633、635及び637)。好ましい一部位は、DELTK(配列番号630)ループ中のLeu139とThr140の間の配列番号631である。 図2B及び2Cは、IgA、IgM及びIgGサブクラス由来のヒトFcドメインの配列アラインメントを示す図である。図2B及び2Cは、本発明において有用であり得るIgA、IgM及びIgGサブタイプ由来のヒトFc領域の例示的アミノ酸配列(配列番号600から607)を示す。図2B及び2Cは、コンセンサス配列(配列番号608)も示す。図2B及び2Cはまた、図2Aに示すFc配列の内部部位に対応する、ペプチド付加のための好ましい内部部位を太字で示す(配列番号599)。 図2B及び2Cは、IgA、IgM及びIgGサブクラス由来のヒトFcドメインの配列アラインメントを示す図である。図2B及び2Cは、本発明において有用であり得るIgA、IgM及びIgGサブタイプ由来のヒトFc領域の例示的アミノ酸配列(配列番号600から607)を示す。図2B及び2Cは、コンセンサス配列(配列番号608)も示す。図2B及び2Cはまた、図2Aに示すFc配列の内部部位に対応する、ペプチド付加のための好ましい内部部位を太字で示す(配列番号599)。 図2Dは、ペプチボディプラットフォームに使用するヒトIgG1 Fcドメイン(Amgen Fc、配列番号609)と、FcRn/Fc複合体の結晶構造由来のラットIgG2A(1I1A.pdb、配列番号610とのアラインメントを示す図である。得られたコンセンサス配列(配列番号611)も示す。 図3Aは、ミオスタチン結合ペプチド(配列番号365)が挿入されたヒトIgG1 Fcドメインのアミノ酸配列(配列番号612)を示す図である。以下、この分子を「ミオスタチンループペプチボディ」又は「Fcループ−myo7」と記述する。挿入ペプチドを太字で示し、グリシンリンカーをイタリック体で示す。 図3Bは、TN8−19−07と記述されるC末端連結ペプチボディのアミノ酸配列(配列番号613)を示す図である。このペプチボディは、Fcループ−myo7と同じペプチド配列を含む(配列番号365)。TN8−19−07ペプチドを太字で示し、グリシン及びアラニンの各リンカーをイタリック体で示す。 図3Cは、Fcループ−EMPと以下で記述するFc内部ペプチボディのアミノ酸配列(配列番号615)を示す図である。このペプチボディはEPO様ペプチド(配列番号2)を含む。挿入ペプチドを太字で示し、グリシンリンカーをイタリック体で示す。ジスルフィド結合を形成するシステインには下線が引かれている。 図3Dは、Fcループ−Amp2と以下で記述するFc内部ペプチボディのアミノ酸配列(配列番号616)を示す図である。生理活性ペプチド(配列番号28)を太字で強調表示し、グリシンリンカーをイタリック体で強調表示する。AMP−2ペプチド挿入におけるジスルフィド拘束はない。 図3Eは、Fcループ−AMP2−2量体と以下で記述するC末端連結ペプチボディのアミノ酸配列(配列番号617)を示す図である。この直列治療ペプチド2量体は、治療ペプチド配列(配列番号28)を太字で示し、リンカーをイタリック体で示す。この分子は、Fcループ−AMP−2中に存在するものと同じペプチド配列の直列ペプチド2量体を含む。 図4A及び4Bは、SDS−PAGE(4−20%)によってFcループ−myo7及びTN8−19−07のE.コリ中での発現を示す図である。Fcループ−Myo7(#6951)とTN8−19−07(#6826)の両方の粗製細胞溶解物(lys)、不溶性画分(insol)及び可溶性(sol)画分の還元ゲル中の各試料を示す。SeeBlue及び分子量マーカー(レーン1)、全細胞溶解物(レーン2)、不溶性画分(レーン3)及び不溶性画分(レーン4)。 図4A及び4Bは、SDS−PAGE(4−20%)によってFcループ−myo7及びTN8−19−07のE.コリ中での発現を示す図である。Fcループ−Myo7(#6951)とTN8−19−07(#6826)の両方の粗製細胞溶解物(lys)、不溶性画分(insol)及び可溶性(sol)画分の還元ゲル中の各試料を示す。SeeBlue及び分子量マーカー(レーン1)、全細胞溶解物(レーン2)、不溶性画分(レーン3)及び不溶性画分(レーン4)。 図5は、Fcループ−Myo7(#6951)及びTN8−19−07(#6826)の各未精製再折り畳み反応物の逆相高速液体クロマトグラフィー(RP−HPLC)を比較したグラフである。 図6は、FcループTN8−19−07(#6951)とカルボキシ末端Fc TN8−19−07(#6826)の各最終精製プールの逆相高速液体クロマトグラフィー(RP−HPLC)を比較したグラフである。 図7は、FcループTN8−19−07(#6951)及びカルボキシ末端Fc TN8−19−07(#6826)の各最終精製プールのSDS−PAGE(4−20%ゲル)による分析結果を示す図である。各試料5μgを以下の通り充填した:#6951(レーン1)、#6826(レーン2)、SeeBlue+マーカー(レーンM)、還元#6951(レーン3)、還元#6826(レーン4)。 図8は、ミオスタチン抑制性化合物を測定するインビトロ細胞系バイオアッセイを示すグラフである。FcループTN8−19−07(#6951)は、カルボキシ末端TN8−19−07ペプチボディ(#6826)と比較して十分な抑制活性を保持する。 図9は、FcループTN8−19−07(#6951)及びカルボキシ末端TN8−19−07ペプチボディ(#6826)に対するインビボ安定性試験のウエスタンブロット分析結果を示す図である。5匹のマウスから得た血清プールを各時点(0、4、24及び48時間)で評価した。レーン1−3はそれぞれ2ng、5ng及び10ngのFcループTN8−19−07標準である。レーン4と5は4時間におけるそれぞれFcループペプチボディ対カルボキシ末端ペプチボディである。レーン6と7は24時間におけるそれぞれFcループペプチボディ対カルボキシ末端ペプチボディである。レーン8と9は48時間におけるそれぞれFcループペプチボディ対カルボキシ末端ペプチボディである。レーン10−12は、それぞれ2ng、5ng及び10ngのカルボキシ末端ペプチボディ標準である。 図10Aは、Ang2結合ペプチド(配列番号147)が挿入されたヒトIgG1 Fcドメインのアミノ酸配列(配列番号618)を示す図である。以下、この分子を「Ang2ループペプチボディ」又は「Fcループ−Ang2」と記述する。生理活性ペプチドを太字で強調表示し、グリシンリンカーをイタリック体で強調表示する。 図10Bは、本明細書ではTN8−Con4と記述するC末端連結ペプチボディのアミノ酸配列(配列番号619)を示す図である。この分子は、Fcループ−ang2と同じペプチド配列を含む(配列番号147)。生理活性ペプチドを太字で強調表示し、グリシン及びアラニンの各リンカーをイタリック体で強調表示する。 図11は、FcループTN8−Con4(#6888)及びカルボキシ末端TN8−Con4(#5564)の各ペプチボディのE.コリ中での発現及び分布をSDS−PAGEによって示す図である。Fcループ−Tn8−Con4(#6888)とTN8−Con4(#5564)の両方の粗製細胞溶解物(lys)、不溶性画分(insol)及び可溶性画分(sol)の還元ゲル中の各試料を示す。 図12は、FcループAng2(#6888)とカルボキシ末端Fc TN8−19−07(#5564)の各再折り畳み反応物のRP−HPLCを比較したグラフである。 図13は、FcループAng2(#6888)とカルボキシ末端Fc TN8−Con4(#5564)の各最終精製プールのRP−HPLCを比較したグラフである。 図14は精製Fcループ−myo7及びTN8−19−7を示す図である。 図15はFcループ−ang2及びFc−ang2−直列のBiacore結合分析結果を示すグラフである。 図16は、Fcループ−ang2、TN8−Con4及びFc−ang2−直列のインビトロ酵素結合免疫吸着検定法(ELISA)の結果を示す図である。 図17は、Fcループ−EMPのUT7エリスロポイエチン増殖アッセイの結果を示す図である。このアッセイでは、2個の異なるFcループ−EMP分子の活性をエポエチンアルファの活性と比較する。 図18は、FcループTN8−Amp2(#6875)ペプチボディのE.コリ中での発現及び分布をSDS−PAGEによって示す図である。Fcループ−Amp2(#6888)の粗製細胞溶解物(lys)、不溶性画分(insol)及び可溶性(sol)画分の還元ゲル中の各試料を示す。 図19は、FcループAMP 2(#6875)の最終精製プールのSDS−PAGE(4−20%ゲル)による分析結果を示す図である。レーン2にFcループAMP 2ペプチボディ5μgを充填した。レーン4に還元FcループAMP 2ペプチボディ5μgを充填した。レーン1及び3にSeeBlue及び2種類の分子量マーカーを充填した。 図20は、FcループAMP 2(#6875)の最終精製プールのRP−HPLC分析結果を示すグラフである。 図21は、FcループAMP 2及びAMG 531の各ペプチボディのネズミインビボバイオアッセイ結果を示すグラフである。 図22は、2個の生理活性ペプチドをFcループペプチボディに組み込む幾つかの戦略を示す図である。 図23は、精製Fcループ構築体のSDS−PAGEゲルを示す図である。試料(2ug/レーン)を4−20%Tris−グリシンSDS−PAGEゲル上で+/−還元緩衝剤泳動させた。 図24はFcループ構築体のRP−HPLCを示すグラフである。

Claims (23)

  1. 次式の構成物、及びその多量体:
    Figure 0005017116
    [式中、
    はループ領域中に個のXを含むように修飾されたIgG Fcドメインであり、前記ループ領域はIgG Fcドメインの非末端ドメインに存在している、
    は−(L−P であり
    薬理学的に活性なペプチドの配列であり、
    リンカーであり
    およびは0であり、
    cは0又は1であり、
    前記IgG Fドメインが配列番号599及び配列番号603〜608から選択される配列を含み、Xが、配列番号599のH49/E50,Y77/N78,K107/A108もしくはL139/T140において、又は配列番号603のH53/E54、Y81/N82、K111/A112もしくはL143/T144において、又は配列番号604のH53/E54、Y81/N82、K111/A112もしくはM143/T144において、又は配列番号605のH100/E101、F128/N129、K158/A159もしくはM190/T191において、又は配列番号606のH49/E50、F77/N78、K107/G108もしくはM139/T140において、又は配列番号607のQ50/E51、F78/N79、K108/G109もしくはM140/T141において、又は配列番号608のH65/E66、F93/N94、K123/A124もしくはM157/T158において挿入されている]。
  2. がアンジオテンシン−2(ang−2)結合ペプチド配列を含む請求項1に記載の構成物。
  3. ang−2結合ペプチド配列が配列番号100〜189から選択される請求項に記載の構成物。
  4. ang−2結合ペプチド配列が配列番号147である請求項に記載の構成物。
  5. がミオスタチン結合ペプチド配列を含む請求項1に記載の構成物。
  6. ミオスタチン結合ペプチド配列が配列番号218〜509から選択される請求項に記載の構成物。
  7. ミオスタチン結合ペプチド配列が配列番号365である請求項に記載の構成物。
  8. がエリスロポイエチン様(EPO様)ペプチド配列を含む請求項1に記載の構成物。
  9. EPO様ペプチド配列が配列番号1〜27から選択される請求項に記載の構成物。
  10. EPO様ペプチド配列が配列番号2である請求項に記載の構成物。
  11. がトロンボポイエチン様(TPO様)ペプチド配列を含む請求項1に記載の構成物。
  12. TPO様ペプチド配列が配列番号28〜99から選択される請求項11に記載の構成物。
  13. TPO様ペプチド配列が配列番号28である請求項12に記載の構成物。
  14. が神経成長因子(NGF)結合ペプチド配列を含む請求項1に記載の構成物。
  15. NGF結合ペプチド配列が配列番号190〜218から選択される請求項14に記載の構成物。
  16. がB細胞活性化因子(BAFF)結合ペプチド配列を含む請求項1に記載の構成物。
  17. BAFF結合ペプチド配列が配列番号510〜594から選択される請求項16に記載の構成物。
  18. 請求項1に記載の構成物をコードするDNA。
  19. 請求項18に記載のDNAを含む発現ベクター。
  20. 請求項19に記載の発現ベクターを含む宿主細胞。
  21. 細胞がE.コリ(E. coli)細胞である請求項20に記載の細胞。
  22. 個のXをループ領域中に含むように修飾されたIgG Fcドメインを含む修飾抗体であって、前記ループ領域はIgG Fcドメインの非末端ドメインに存在しており、
    が−(L−P であり
    薬理学的に活性なペプチドの配列であり、
    各々独立にリンカーであり、
    cが0又は1であり、
    前記IgG Fcドメインが配列番号599及び配列番号603〜608から選択される配列を含み、Xが、配列番号599のH49/E50,Y77/N78,K107/A108もしくはL139/T140において、又は配列番号603のH53/E54、Y81/N82、K111/A112もしくはL143/T144において、又は配列番号604のH53/E54、Y81/N82、K111/A112もしくはM143/T144において、又は配列番号605のH100/E101、F128/N129、K158/A159もしくはM190/T191において、又は配列番号606のH49/E50、F77/N78、K107/G108もしくはM139/T140において、又は配列番号607のQ50/E51、F78/N79、K108/G109もしくはM140/T141において、又は配列番号608のH65/E66、F93/N94、K123/A124もしくはM157/T158において挿入されている、
    前記修飾抗体。
  23. a)目的タンパク質の活性を調節する1個のペプチドを選択すること、及び
    b)IgG抗体のFcドメインのループ領域中に前記選択ペプチドのアミノ酸配列を含むIgG抗体を調製すること
    を含む、修飾抗体を調製する方法であって、ここで前記ループ領域は前記Fcドメインの非末端ドメインに存在しており、前記Fcドメインが配列番号599及び配列番号603〜608から選択される配列を含み、前記選択ペプチドが、配列番号599のH49/E50,Y77/N78,K107/A108もしくはL139/T140において、又は配列番号603のH53/E54、Y81/N82、K111/A112もしくはL143/T144において、又は配列番号604のH53/E54、Y81/N82、K111/A112もしくはM143/T144において、又は配列番号605のH100/E101、F128/N129、K158/A159もしくはM190/T191において、又は配列番号606のH49/E50、F77/N78、K107/G108もしくはM139/T140において、又は配列番号607のQ50/E51、F78/N79、K108/G109もしくはM140/T141において、又は配列番号608のH65/E66、F93/N94、K123/A124もしくはM157/T158において挿入されている、前記調製方法。
JP2007533681A 2004-09-24 2005-09-23 修飾Fc分子 Active JP5017116B2 (ja)

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
US61268004P 2004-09-24 2004-09-24
US60/612,680 2004-09-24
PCT/US2005/034273 WO2006036834A2 (en) 2004-09-24 2005-09-23 MODIFIED Fc MOLECULES

Publications (3)

Publication Number Publication Date
JP2008514201A JP2008514201A (ja) 2008-05-08
JP2008514201A5 JP2008514201A5 (ja) 2009-04-16
JP5017116B2 true JP5017116B2 (ja) 2012-09-05

Family

ID=35911109

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2007533681A Active JP5017116B2 (ja) 2004-09-24 2005-09-23 修飾Fc分子

Country Status (17)

Country Link
US (7) US7442778B2 (ja)
EP (1) EP1797127B1 (ja)
JP (1) JP5017116B2 (ja)
KR (1) KR100920282B1 (ja)
CN (1) CN101103045B (ja)
AU (1) AU2005289685B2 (ja)
BR (1) BRPI0516011A (ja)
CA (1) CA2580796C (ja)
DK (1) DK1797127T3 (ja)
EA (1) EA011879B1 (ja)
ES (1) ES2629397T3 (ja)
IL (1) IL182139A (ja)
MA (1) MA28989B1 (ja)
MX (1) MX2007003320A (ja)
SI (1) SI1797127T1 (ja)
WO (1) WO2006036834A2 (ja)
ZA (1) ZA200702222B (ja)

Families Citing this family (197)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US5360496A (en) * 1991-08-26 1994-11-01 Aluminum Company Of America Nickel base alloy forged parts
MEP42108A (en) 1998-10-23 2011-02-10 Kiren Amgen Inc Dimeric thrombopoietin peptide mimetics binding to mp1 receptor and having thrombopoietic activity
US7183387B1 (en) 1999-01-15 2007-02-27 Genentech, Inc. Polypeptide variants with altered effector function
EP1443961B1 (en) * 2001-10-25 2009-05-06 Genentech, Inc. Glycoprotein compositions
ATE496938T1 (de) * 2002-12-20 2011-02-15 Amgen Inc Myostatin hemmende bindungsstoffe
EP1797127B1 (en) 2004-09-24 2017-06-14 Amgen Inc. Modified fc molecules
CN101098891B (zh) * 2005-01-05 2014-05-21 F-星生物技术研究与开发有限公司 分子中互补决定区以外的区域中工程改造了的具有结合特性的合成免疫球蛋白结构域
US7833979B2 (en) 2005-04-22 2010-11-16 Amgen Inc. Toxin peptide therapeutic agents
US8008453B2 (en) 2005-08-12 2011-08-30 Amgen Inc. Modified Fc molecules
US7846445B2 (en) * 2005-09-27 2010-12-07 Amunix Operating, Inc. Methods for production of unstructured recombinant polymers and uses thereof
EP1929073A4 (en) * 2005-09-27 2010-03-10 Amunix Inc PROTEIN MEDICAMENT AND ITS USE
US20090099031A1 (en) * 2005-09-27 2009-04-16 Stemmer Willem P Genetic package and uses thereof
US7855279B2 (en) * 2005-09-27 2010-12-21 Amunix Operating, Inc. Unstructured recombinant polymers and uses thereof
US7723477B2 (en) 2005-10-31 2010-05-25 Oncomed Pharmaceuticals, Inc. Compositions and methods for inhibiting Wnt-dependent solid tumor cell growth
JP5368798B2 (ja) * 2005-10-31 2013-12-18 オンコメッド ファーマシューティカルズ インコーポレイテッド 癌を診断し処置するための組成物および方法
US8067562B2 (en) 2005-11-01 2011-11-29 Amgen Inc. Isolated nucleic acid molecule comprising the amino acid sequence of SEQ ID NO:1
EP1968621A2 (en) * 2005-12-06 2008-09-17 Amgen Inc. Uses of myostatin antagonists
US9283260B2 (en) 2006-04-21 2016-03-15 Amgen Inc. Lyophilized therapeutic peptibody formulations
MX2008015213A (es) * 2006-05-30 2008-12-09 Dow Global Technologies Inc Metodo de optimizacion de codon.
US7981425B2 (en) 2006-06-19 2011-07-19 Amgen Inc. Thrombopoietic compounds
AT503902B1 (de) * 2006-07-05 2008-06-15 F Star Biotech Forsch & Entw Verfahren zur manipulation von immunglobulinen
AT503889B1 (de) 2006-07-05 2011-12-15 Star Biotechnologische Forschungs Und Entwicklungsges M B H F Multivalente immunglobuline
WO2008051383A2 (en) * 2006-10-19 2008-05-02 Amgen Inc. Use of alcohol co-solvents to improve pegylation reaction yields
AR063384A1 (es) 2006-10-25 2009-01-28 Amgen Inc Agentes terapeuticos a base de peptidos derivados de toxinas
CN101611053B (zh) * 2006-11-10 2015-06-03 CovX科技爱尔兰有限公司 抗血管生成化合物
AU2011202645B2 (en) * 2006-11-10 2012-07-12 Covx Technologies Ireland Limited Anti-angiogenic compounds
US20090098130A1 (en) * 2007-01-05 2009-04-16 Bradshaw Curt W Glucagon-like protein-1 receptor (glp-1r) agonist compounds
US8501678B2 (en) 2007-03-06 2013-08-06 Atara Biotherapeutics, Inc. Variant activin receptor polypeptides and uses thereof
TWI573802B (zh) 2007-03-06 2017-03-11 安美基公司 變異之活動素受體多肽及其用途
AU2008262490B2 (en) * 2007-05-22 2011-11-17 Amgen Inc. Compositions and methods for producing bioactive fusion proteins
US8921279B2 (en) * 2007-06-26 2014-12-30 F-Star Biotechnologische Forschungs—und Entwicklungsges. m.b.H Display of binding agents
EP2078091A4 (en) * 2007-07-10 2010-09-01 Medimmune Llc CRYSTALS AND STRUCTURE OF THE VARIANT OF IGG FC HUMAN
CA2695374A1 (en) 2007-08-15 2009-02-19 Amunix, Inc. Compositions and methods for modifying properties of biologically active polypeptides
US8454960B2 (en) 2008-01-03 2013-06-04 The Scripps Research Institute Multispecific antibody targeting and multivalency through modular recognition domains
US8557242B2 (en) 2008-01-03 2013-10-15 The Scripps Research Institute ERBB2 antibodies comprising modular recognition domains
US8557243B2 (en) 2008-01-03 2013-10-15 The Scripps Research Institute EFGR antibodies comprising modular recognition domains
SG10201605629VA (en) * 2008-01-03 2016-08-30 Scripps Research Inst Antibody targeting through a modular recognition domain
US8574577B2 (en) 2008-01-03 2013-11-05 The Scripps Research Institute VEGF antibodies comprising modular recognition domains
US8580927B2 (en) 2008-01-31 2013-11-12 The United States Of America, As Represented By The Secretary, Department Of Health And Human Services Engineered antibody constant domain molecules
EP2113255A1 (en) 2008-05-02 2009-11-04 f-star Biotechnologische Forschungs- und Entwicklungsges.m.b.H. Cytotoxic immunoglobulin
US20110076723A1 (en) * 2008-05-23 2011-03-31 Samsung Electronics Co., Ltd. Antibody-peptide fused synergibody
EP2304033B1 (en) * 2008-06-30 2016-09-07 ESBATech, an Alcon Biomedical Research Unit LLC Functionalized polypeptides
US7926951B2 (en) * 2008-07-11 2011-04-19 Eastman Kodak Company Laser illuminated micro-mirror projector
SG190568A1 (en) 2008-09-26 2013-06-28 Oncomed Pharm Inc Frizzled-binding agents and uses thereof
US8551789B2 (en) 2010-04-01 2013-10-08 OncoMed Pharmaceuticals Frizzled-binding agents and their use in screening for WNT inhibitors
EA201791940A3 (ru) 2008-11-26 2018-04-30 Амген Инк. Варианты полипептидов рецептора iib активина и их использование
CN102348715B (zh) 2009-02-03 2017-12-08 阿穆尼克斯运营公司 延伸重组多肽和包含该延伸重组多肽的组合物
US8680050B2 (en) * 2009-02-03 2014-03-25 Amunix Operating Inc. Growth hormone polypeptides fused to extended recombinant polypeptides and methods of making and using same
US8703717B2 (en) * 2009-02-03 2014-04-22 Amunix Operating Inc. Growth hormone polypeptides and methods of making and using same
US8716448B2 (en) 2009-02-03 2014-05-06 Amunix Operating Inc. Coagulation factor VII compositions and methods of making and using same
WO2010096394A2 (en) 2009-02-17 2010-08-26 Redwood Biosciences, Inc. Aldehyde-tagged protein-based drug carriers and methods of use
NZ603712A (en) * 2009-02-24 2014-05-30 Alexion Pharma Inc Antibodies containing therapeutic tpo/epo mimetic peptides
US8734796B2 (en) 2009-03-20 2014-05-27 Amgen Inc. Carrier immunoglobulins
US9849188B2 (en) 2009-06-08 2017-12-26 Amunix Operating Inc. Growth hormone polypeptides and methods of making and using same
PT2440228T (pt) 2009-06-08 2018-12-24 Amunix Operating Inc Polipéptidos de regulação da glicose e métodos de preparação e utilização dos mesmos
CN102482321B (zh) 2009-06-22 2015-06-17 安姆根有限公司 使用化学控制的氧化还原态重折叠蛋白质
AU2010266093B2 (en) 2009-06-25 2013-06-27 Amgen Inc. Capture purification processes for proteins expressed in a non-mammalian system
WO2011003811A1 (en) * 2009-07-09 2011-01-13 F-Star Biotechnologische Forschungs- Und Entwicklungsges.M.B.H Stabilized immunoglobulin constant domains
US9493578B2 (en) 2009-09-02 2016-11-15 Xencor, Inc. Compositions and methods for simultaneous bivalent and monovalent co-engagement of antigens
US20150359850A1 (en) 2009-11-25 2015-12-17 Santa Maria Biotherapeutics, Inc. Administration of an anti-activin-a compound to a subject
TWI535445B (zh) 2010-01-12 2016-06-01 安可美德藥物股份有限公司 Wnt拮抗劑及治療和篩選方法
CA2790708A1 (en) * 2010-02-24 2011-09-01 Emisphere Technologies, Inc. Oral b12 therapy
WO2011123830A2 (en) 2010-04-02 2011-10-06 Amunix Operating Inc. Alpha 1-antitrypsin compositions and methods of making and using same
EP2558493B1 (en) 2010-04-15 2019-09-18 Progenics Pharmaceuticals, Inc. Antibodies for the treatment of clostridium difficile-associated infection and disease
CN114246952A (zh) 2010-06-08 2022-03-29 基因泰克公司 半胱氨酸改造的抗体和偶联物
EP2407487A1 (en) 2010-07-14 2012-01-18 F-Star Biotechnologische Forschungs - und Entwicklungsges. M.B.H. Multispecific modular antibody
US20120100166A1 (en) 2010-07-15 2012-04-26 Zyngenia, Inc. Ang-2 Binding Complexes and Uses Thereof
CA2806252C (en) 2010-07-29 2019-05-14 Xencor, Inc. Antibodies with modified isoelectric points
WO2012040518A2 (en) 2010-09-22 2012-03-29 Amgen Inc. Carrier immunoglobulins and uses thereof
US9067988B2 (en) 2010-12-01 2015-06-30 Alderbio Holdings Llc Methods of preventing or treating pain using anti-NGF antibodies
US9539324B2 (en) 2010-12-01 2017-01-10 Alderbio Holdings, Llc Methods of preventing inflammation and treating pain using anti-NGF compositions
JP6190723B2 (ja) 2010-12-01 2017-08-30 アルダーバイオ ホールディングス エルエルシー 抗ngf組成物およびその使用
US9078878B2 (en) 2010-12-01 2015-07-14 Alderbio Holdings Llc Anti-NGF antibodies that selectively inhibit the association of NGF with TrkA, without affecting the association of NGF with p75
US11214610B2 (en) 2010-12-01 2022-01-04 H. Lundbeck A/S High-purity production of multi-subunit proteins such as antibodies in transformed microbes such as Pichia pastoris
US9884909B2 (en) 2010-12-01 2018-02-06 Alderbio Holdings Llc Anti-NGF compositions and use thereof
AU2012205301B2 (en) * 2011-01-14 2017-01-05 Redwood Bioscience, Inc. Aldehyde-tagged immunoglobulin polypeptides and method of use thereof
EP2686340A2 (en) 2011-03-16 2014-01-22 Amgen Inc. Potent and selective inhibitors of nav1.3 and nav1.7
EP3590965A1 (en) 2011-03-29 2020-01-08 Roche Glycart AG Antibody fc variants
KR20140059168A (ko) 2011-04-21 2014-05-15 더 리젠츠 오브 더 유니버시티 오브 콜로라도, 어 바디 코포레이트 시신경 척수염 치료용 조성물 및 치료 방법
CN103857699B (zh) 2011-05-24 2016-08-31 泽恩格尼亚股份有限公司 多价和单价多特异性复合物及其用途
EP2546268A1 (en) 2011-07-13 2013-01-16 F-Star Biotechnologische Forschungs - und Entwicklungsges. M.B.H. Internalising immunoglobulin
TW201315742A (zh) * 2011-09-26 2013-04-16 Novartis Ag 治療代謝病症之雙功能蛋白質
US10851178B2 (en) 2011-10-10 2020-12-01 Xencor, Inc. Heterodimeric human IgG1 polypeptides with isoelectric point modifications
SG10201605027XA (en) 2011-12-19 2016-08-30 Amgen Inc Variant activin receptor polypeptides, alone or in combination with chemotherapy, and uses thereof
EP2794650B1 (en) 2011-12-21 2019-08-14 Amgen Inc. Variant fc-polypeptides with enhanced binding to the neonatal fc receptor
AU2013208003B2 (en) 2012-01-09 2017-12-14 The Scripps Research Institute Ultralong complementarity determining regions and uses thereof
KR20190094480A (ko) 2012-02-15 2019-08-13 바이오버라티브 테라퓨틱스 인크. 재조합 인자 viii 단백질
CN111548418A (zh) 2012-02-15 2020-08-18 比奥贝拉蒂治疗公司 因子viii组合物及其制备和使用方法
CN117462693A (zh) 2012-02-27 2024-01-30 阿穆尼克斯运营公司 Xten缀合组合物和制造其的方法
JP6321633B2 (ja) * 2012-06-04 2018-05-09 ノバルティス アーゲー 部位特異的標識法およびそれによって生成される分子
JP6628966B2 (ja) * 2012-06-14 2020-01-15 中外製薬株式会社 改変されたFc領域を含む抗原結合分子
JP6154900B2 (ja) 2012-07-13 2017-06-28 ロシュ グリクアート アクチェンゲゼルシャフト 二重特異性抗vegf/抗ang−2抗体及び眼血管疾患の処置におけるそれらの使用
WO2014022102A1 (en) 2012-08-01 2014-02-06 Amgen Inc. Methods of using anti-apoptotic compounds to modulate one or more properties of a cell culture
JP6774164B2 (ja) 2012-08-24 2020-10-21 中外製薬株式会社 マウスFcγRII特異的Fc抗体
US9834597B2 (en) 2012-09-21 2017-12-05 The Regents Of The University Of California Modified FC polypeptides, FC conjugates, and methods of use thereof
EP2911691B1 (en) 2012-10-23 2018-10-10 OncoMed Pharmaceuticals, Inc. Methods of treating neuroendocrine tumors using wnt pathway-binding agents
CN105102618B (zh) 2012-12-27 2018-04-17 中外制药株式会社 异源二聚化多肽
CN105073781A (zh) 2013-01-11 2015-11-18 加州生物医学研究所 牛融合抗体
WO2014109858A1 (en) 2013-01-14 2014-07-17 Amgen Inc. Methods of using cell-cycle inhibitors to modulate one or more properties of a cell culture
US10487155B2 (en) 2013-01-14 2019-11-26 Xencor, Inc. Heterodimeric proteins
CN110981964B (zh) 2013-01-14 2023-09-15 Xencor股份有限公司 新型异二聚体蛋白
US11053316B2 (en) 2013-01-14 2021-07-06 Xencor, Inc. Optimized antibody variable regions
US10131710B2 (en) 2013-01-14 2018-11-20 Xencor, Inc. Optimized antibody variable regions
US9701759B2 (en) 2013-01-14 2017-07-11 Xencor, Inc. Heterodimeric proteins
US9605084B2 (en) 2013-03-15 2017-03-28 Xencor, Inc. Heterodimeric proteins
US10968276B2 (en) 2013-03-12 2021-04-06 Xencor, Inc. Optimized anti-CD3 variable regions
AU2014207549B2 (en) 2013-01-15 2018-12-06 Xencor, Inc. Rapid clearance of antigen complexes using novel antibodies
JP2016510411A (ja) 2013-02-04 2016-04-07 オンコメッド ファーマシューティカルズ インコーポレイテッド Wnt経路インヒビターによる処置の方法およびモニタリング
PT2953976T (pt) 2013-02-08 2021-06-23 Novartis Ag Sítios específicos de modificação de anticorpos para preparar imunoconjugados
TW201446792A (zh) 2013-03-12 2014-12-16 Amgen Inc Nav1.7之強效及選擇性抑制劑
US9458246B2 (en) 2013-03-13 2016-10-04 Amgen Inc. Proteins specific for BAFF and B7RP1
JOP20140087B1 (ar) * 2013-03-13 2021-08-17 Amgen Inc بروتينات مخصصة ل baff و b7rp1 وإستخداماتها
US9168300B2 (en) 2013-03-14 2015-10-27 Oncomed Pharmaceuticals, Inc. MET-binding agents and uses thereof
CA2907181C (en) 2013-03-15 2023-10-17 Viktor Roschke Multivalent and monovalent multispecific complexes and their uses
US10519242B2 (en) 2013-03-15 2019-12-31 Xencor, Inc. Targeting regulatory T cells with heterodimeric proteins
US10106624B2 (en) 2013-03-15 2018-10-23 Xencor, Inc. Heterodimeric proteins
US10858417B2 (en) 2013-03-15 2020-12-08 Xencor, Inc. Heterodimeric proteins
US20160038588A1 (en) * 2013-03-15 2016-02-11 Amgen Inc. Myostatin Antagonism in Human Subjects
AU2014232416B2 (en) 2013-03-15 2017-09-28 Xencor, Inc. Modulation of T Cells with Bispecific Antibodies and FC Fusions
EP3816625A1 (en) 2013-05-06 2021-05-05 Scholar Rock, Inc. Compositions and methods for growth factor modulation
TW202003554A (zh) 2013-08-14 2020-01-16 美商百歐維拉提夫治療公司 因子viii-xten融合物及其用途
TW201601741A (zh) * 2013-09-09 2016-01-16 品特生物療法有限公司 用於治療esrd病患之pew的肌肉生長抑制素拮抗劑
US11130980B2 (en) 2013-10-31 2021-09-28 Amgen Inc. Use of monensin to regulate glycosylation of recombinant proteins
CN113307873A (zh) 2013-11-11 2021-08-27 中外制药株式会社 含有改变了抗体可变区的抗原结合分子
SG10201912081RA (en) 2014-01-29 2020-02-27 Amgen Inc Overexpression of n-glycosylation pathway regulators to modulate glycosylation of recombinant proteins
US10106829B2 (en) 2014-01-29 2018-10-23 Amgen Inc. Overexpression of N-glycosylation pathway regulators to modulate glycosylation of recombinant proteins
KR102497443B1 (ko) 2014-03-28 2023-02-08 젠코어 인코포레이티드 Cd38 및 cd3에 결합하는 이중특이적 항체
CA2943919A1 (en) 2014-03-29 2015-10-08 Intas Pharmaceuticals Ltd. Lyophilized pharmaceutical composition of fc-peptide fusion protein
WO2015187733A2 (en) * 2014-06-02 2015-12-10 Pinta Biotherapeutics, Inc. Myostatin inhibitors for treatment of diabetes
WO2015188135A1 (en) * 2014-06-06 2015-12-10 The California Institute For Biomedical Research Constant region antibody fusion proteins and compositions thereof
KR20170052600A (ko) 2014-09-12 2017-05-12 제넨테크, 인크. 시스테인 가공된 항체 및 콘주게이트
TWI831044B (zh) 2014-11-11 2024-02-01 日商中外製藥股份有限公司 抗原結合分子、包含抗原結合分子的醫藥組合物以及製造及選擇抗原結合分子之方法
CA2967426A1 (en) 2014-11-26 2016-06-02 Xencor, Inc. Heterodimeric antibodies that bind cd3 and tumor antigens
US10259887B2 (en) 2014-11-26 2019-04-16 Xencor, Inc. Heterodimeric antibodies that bind CD3 and tumor antigens
PE20171103A1 (es) 2014-11-26 2017-08-07 Xencor Inc Anticuerpos heterodimericos que se unen a cd3 y cd38
US10428155B2 (en) 2014-12-22 2019-10-01 Xencor, Inc. Trispecific antibodies
US10227411B2 (en) 2015-03-05 2019-03-12 Xencor, Inc. Modulation of T cells with bispecific antibodies and FC fusions
US11215616B2 (en) 2015-04-10 2022-01-04 National Institutes Of Health (Nih), (Dhhs), U.S. Government Methods of determining patient populations amenable to immunomodulatory treatment of cancer
JP6909203B2 (ja) 2015-08-03 2021-07-28 バイオベラティブ セラピューティクス インコーポレイテッド 第ix因子融合タンパク質及びそれらの製造方法及び使用方法
WO2017040344A2 (en) 2015-08-28 2017-03-09 Amunix Operating Inc. Chimeric polypeptide assembly and methods of making and using the same
MA44334A (fr) 2015-10-29 2018-09-05 Novartis Ag Conjugués d'anticorps comprenant un agoniste du récepteur de type toll
CN108699136B (zh) 2015-12-07 2022-03-18 Xencor股份有限公司 结合cd3和psma的异二聚抗体
WO2017104783A1 (en) * 2015-12-18 2017-06-22 Chugai Seiyaku Kabushiki Kaisha Anti-myostatin antibodies, polypeptides containing variant fc regions, and methods of use
JP7082604B2 (ja) 2016-03-21 2022-06-08 マレンゴ・セラピューティクス,インコーポレーテッド 多重特異性および多機能性分子ならびにその使用
AU2017257504A1 (en) 2016-04-26 2018-10-25 R.P. Scherer Technologies, Llc Antibody conjugates and methods of making and using the same
KR102439719B1 (ko) 2016-05-11 2022-09-02 암젠 인크 글루타민 합성효소 유전자내 상보성 벡터를 사용한 높은 수준의 헤테로머 단백질을 발현하는 세포의 직접적인 선택
RU2022104399A (ru) 2016-06-14 2022-05-05 Ксенкор, Инк. Биспецифические антитела-ингибиторы контрольных точек
AU2017290086A1 (en) 2016-06-28 2019-01-24 Xencor, Inc. Heterodimeric antibodies that bind somatostatin receptor 2
EP3494991A4 (en) 2016-08-05 2020-07-29 Chugai Seiyaku Kabushiki Kaisha COMPOSITION FOR PREVENTING OR TREATING DISEASES RELATING TO IL-8
US10793632B2 (en) 2016-08-30 2020-10-06 Xencor, Inc. Bispecific immunomodulatory antibodies that bind costimulatory and checkpoint receptors
CN110214148A (zh) 2016-10-14 2019-09-06 Xencor股份有限公司 含有IL-15/IL-15Rα Fc融合蛋白和PD-1抗体片段的双特异性异源二聚体融合蛋白
US20200291089A1 (en) 2017-02-16 2020-09-17 Elstar Therapeutics, Inc. Multifunctional molecules comprising a trimeric ligand and uses thereof
EP3630836A1 (en) 2017-05-31 2020-04-08 Elstar Therapeutics, Inc. Multispecific molecules that bind to myeloproliferative leukemia (mpl) protein and uses thereof
MA49517A (fr) 2017-06-30 2020-05-06 Xencor Inc Protéines de fusion fc hétérodimères ciblées contenant il-15/il-15ra et domaines de liaison à l'antigène
GB201711208D0 (en) 2017-07-12 2017-08-23 Iontas Ltd Ion channel inhibitors
AU2018312075A1 (en) * 2017-07-31 2020-02-20 Osaka University Highly versatile method of presenting cyclic peptide on protein structure
WO2019035938A1 (en) 2017-08-16 2019-02-21 Elstar Therapeutics, Inc. MULTISPECIFIC MOLECULES BINDING TO BCMA AND USES THEREOF
US10981992B2 (en) 2017-11-08 2021-04-20 Xencor, Inc. Bispecific immunomodulatory antibodies that bind costimulatory and checkpoint receptors
JP2021502100A (ja) 2017-11-08 2021-01-28 ゼンコア インコーポレイテッド 新規抗pd−1配列を用いた二重特異性および単一特異性抗体
US11952422B2 (en) 2017-12-05 2024-04-09 Chugai Seiyaku Kabushiki Kaisha Antigen-binding molecule comprising altered antibody variable region binding CD3 and CD137
JP2021506291A (ja) 2017-12-19 2021-02-22 ゼンコア インコーポレイテッド 改変されたil−2 fc融合タンパク質
WO2019178364A2 (en) 2018-03-14 2019-09-19 Elstar Therapeutics, Inc. Multifunctional molecules and uses thereof
WO2019178362A1 (en) 2018-03-14 2019-09-19 Elstar Therapeutics, Inc. Multifunctional molecules that bind to calreticulin and uses thereof
CN112469477A (zh) 2018-04-04 2021-03-09 Xencor股份有限公司 与成纤维细胞活化蛋白结合的异源二聚体抗体
CN112437777A (zh) 2018-04-18 2021-03-02 Xencor股份有限公司 包含IL-15/IL-15RA Fc融合蛋白和TIM-3抗原结合结构域的靶向TIM-3的异源二聚体融合蛋白
EP3781599A1 (en) 2018-04-18 2021-02-24 Xencor, Inc. Pd-1 targeted heterodimeric fusion proteins containing il-15/il-15ra fc-fusion proteins and pd-1 antigen binding domains and uses thereof
CN112584862A (zh) * 2018-05-17 2021-03-30 伊米若梅有限公司 Ch3结构域表位标签
EP3818083A2 (en) 2018-07-03 2021-05-12 Elstar Therapeutics, Inc. Anti-tcr antibody molecules and uses thereof
WO2020027224A1 (ja) * 2018-07-31 2020-02-06 国立大学法人東京大学 新たな結合特異性を抗体に付与する超汎用法
US11358999B2 (en) 2018-10-03 2022-06-14 Xencor, Inc. IL-12 heterodimeric Fc-fusion proteins
MX2021007444A (es) 2018-12-21 2021-08-05 Jiangsu Hengrui Medicine Co Proteina biespecifica.
WO2020172596A1 (en) 2019-02-21 2020-08-27 Elstar Therapeutics, Inc. Anti-tcr antibody molecules and thereof
GB2599229B (en) 2019-02-21 2024-04-24 Marengo Therapeutics Inc Multifunctional molecules that bind to calreticulin and uses thereof
GB2597851A (en) 2019-02-21 2022-02-09 Marengo Therapeutics Inc Antibody molecules that bind to NKP30 and uses thereof
GB2599227B (en) 2019-02-21 2024-05-01 Marengo Therapeutics Inc Multifunctional molecules that bind to T cells and uses thereof to treat autoimmune disorders
WO2020172571A1 (en) 2019-02-21 2020-08-27 Elstar Therapeutics, Inc. Multifunctional molecules that bind to t cell related cancer cells and uses thereof
CA3132185A1 (en) 2019-03-01 2020-09-10 Xencor, Inc. Heterodimeric antibodies that bind enpp3 and cd3
WO2020201280A1 (en) 2019-04-01 2020-10-08 Novo Nordisk A/S Antibodies directed against liraglutide and use thereof
WO2021041715A2 (en) * 2019-08-30 2021-03-04 University Of Kansas Compositions including igg fc mutations and uses thereof
WO2021138407A2 (en) 2020-01-03 2021-07-08 Marengo Therapeutics, Inc. Multifunctional molecules that bind to cd33 and uses thereof
JP2023519347A (ja) 2020-03-27 2023-05-10 ビオテスト・アクチエンゲゼルシャフト 少なくとも1つの制御性t細胞活性化エピトープを含むタンパク質
CN115397866A (zh) 2020-03-31 2022-11-25 中外制药株式会社 靶向dll3的多特异性抗原结合分子及其用途
EP4139363A1 (en) 2020-04-24 2023-03-01 Marengo Therapeutics, Inc. Multifunctional molecules that bind to t cell related cancer cells and uses thereof
US11919956B2 (en) 2020-05-14 2024-03-05 Xencor, Inc. Heterodimeric antibodies that bind prostate specific membrane antigen (PSMA) and CD3
KR102607909B1 (ko) 2020-08-19 2023-12-01 젠코어 인코포레이티드 항-cd28 조성물
GB2616128A (en) 2020-08-26 2023-08-30 Marengo Therapeutics Inc Antibody molecules that bind to NKp30 and uses thereof
CN116761818A (zh) 2020-08-26 2023-09-15 马伦戈治疗公司 检测trbc1或trbc2的方法
WO2022046920A2 (en) 2020-08-26 2022-03-03 Marengo Therapeutics, Inc. Multifunctional molecules that bind to calreticulin and uses thereof
TW202233660A (zh) 2020-10-30 2022-09-01 美商安進公司 過表現胰島素樣生長因子受體突變體以調節igf補充
CA3212665A1 (en) 2021-03-09 2022-09-15 Xencor, Inc. Heterodimeric antibodies that bind cd3 and cldn6
KR20230154311A (ko) 2021-03-10 2023-11-07 젠코어 인코포레이티드 Cd3 및 gpc3에 결합하는 이종이량체 항체
AU2022255506A1 (en) 2021-04-08 2023-11-09 Marengo Therapeutics, Inc. Multifunctional molecules binding to tcr and uses thereof
CN113402614A (zh) * 2021-04-22 2021-09-17 山东泉港药业有限公司 血小板生成素拟肽融合蛋白(fc-tmp)编码基因与应用
WO2022245259A1 (ru) * 2021-05-18 2022-11-24 Акционерное общество "ГЕНЕРИУМ" Способ промышленной очистки ромиплостима
WO2022261299A1 (en) 2021-06-10 2022-12-15 Amgen Inc. Engineered nrg-1 variants with improved selectivity toward erbb4 but not against erbb3
WO2023044774A1 (en) * 2021-09-24 2023-03-30 Sichuan Clover Biopharmaceuticals, Inc. Tpo mimetic fusion proteins and methods of use submission of sequence listing as ascii text file
WO2023173084A1 (en) 2022-03-11 2023-09-14 University Of Rochester Cyclopeptibodies and uses thereof

Family Cites Families (98)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US580829A (en) * 1897-04-13 mcgrath
US588763A (en) * 1897-08-24 Barrel-head
US3691016A (en) 1970-04-17 1972-09-12 Monsanto Co Process for the preparation of insoluble enzymes
NL154598B (nl) 1970-11-10 1977-09-15 Organon Nv Werkwijze voor het aantonen en bepalen van laagmoleculire verbindingen en van eiwitten die deze verbindingen specifiek kunnen binden, alsmede testverpakking.
US3817837A (en) 1971-05-14 1974-06-18 Syva Corp Enzyme amplification assay
CA1023287A (en) 1972-12-08 1977-12-27 Boehringer Mannheim G.M.B.H. Process for the preparation of carrier-bound proteins
US4179337A (en) 1973-07-20 1979-12-18 Davis Frank F Non-immunogenic polypeptides
US3939350A (en) 1974-04-29 1976-02-17 Board Of Trustees Of The Leland Stanford Junior University Fluorescent immunoassay employing total reflection for activation
US3996345A (en) 1974-08-12 1976-12-07 Syva Company Fluorescence quenching with immunological pairs in immunoassays
US3941763A (en) 1975-03-28 1976-03-02 American Home Products Corporation PGlu-D-Met-Trp-Ser-Tyr-D-Ala-Leu-Arg-Pro-Gly-NH2 and intermediates
US4087778A (en) 1976-04-05 1978-05-02 Trw Inc. Termination for electrical resistor and method of making the same
US4195128A (en) 1976-05-03 1980-03-25 Bayer Aktiengesellschaft Polymeric carrier bound ligands
US4330440A (en) 1977-02-08 1982-05-18 Development Finance Corporation Of New Zealand Activated matrix and method of activation
CA1093991A (en) 1977-02-17 1981-01-20 Hideo Hirohara Enzyme immobilization with pullulan gel
US4229537A (en) 1978-02-09 1980-10-21 New York University Preparation of trichloro-s-triazine activated supports for coupling ligands
US4277437A (en) 1978-04-05 1981-07-07 Syva Company Kit for carrying out chemically induced fluorescence immunoassay
JPS6023084B2 (ja) 1979-07-11 1985-06-05 味の素株式会社 代用血液
US4640835A (en) 1981-10-30 1987-02-03 Nippon Chemiphar Company, Ltd. Plasminogen activator derivatives
US4496689A (en) 1983-12-27 1985-01-29 Miles Laboratories, Inc. Covalently attached complex of alpha-1-proteinase inhibitor with a water soluble polymer
EP0206448B1 (en) 1985-06-19 1990-11-14 Ajinomoto Co., Inc. Hemoglobin combined with a poly(alkylene oxide)
DE3532226A1 (de) 1985-08-13 1987-03-19 Sued Chemie Ag Katalysator zur verringerung des stickoxidgehalts von verbrennungsabgasen
US5985599A (en) * 1986-05-29 1999-11-16 The Austin Research Institute FC receptor for immunoglobulin
NL8720442A (nl) 1986-08-18 1989-04-03 Clinical Technologies Ass Afgeefsystemen voor farmacologische agentia.
US5336603A (en) 1987-10-02 1994-08-09 Genentech, Inc. CD4 adheson variants
US5204244A (en) 1987-10-27 1993-04-20 Oncogen Production of chimeric antibodies by homologous recombination
EP0315456B1 (en) 1987-11-05 1994-06-01 Hybritech Incorporated Polysaccharide-modified immunoglobulins having reduced immunogenic potential or improved pharmacokinetics
US5567584A (en) 1988-01-22 1996-10-22 Zymogenetics, Inc. Methods of using biologically active dimerized polypeptide fusions to detect PDGF
EP0325224B1 (en) 1988-01-22 1996-07-31 ZymoGenetics, Inc. Methods of producing secreted receptor analogs
US6018026A (en) 1988-01-22 2000-01-25 Zymogenetics, Inc. Biologically active dimerized and multimerized polypeptide fusions
WO1989009622A1 (en) 1988-04-15 1989-10-19 Protein Design Labs, Inc. Il-2 receptor-specific chimeric antibodies
US5223409A (en) 1988-09-02 1993-06-29 Protein Engineering Corp. Directed evolution of novel binding proteins
EP1201756A3 (en) 1988-12-22 2002-10-30 Genentech, Inc. Method for preparing water soluble polypeptides
US6406697B1 (en) 1989-02-23 2002-06-18 Genentech, Inc. Hybrid immunoglobulins
US5216131A (en) 1989-02-23 1993-06-01 Genentech, Inc. Lymphocyte homing receptors
US5225538A (en) 1989-02-23 1993-07-06 Genentech, Inc. Lymphocyte homing receptor/immunoglobulin fusion proteins
US5116964A (en) 1989-02-23 1992-05-26 Genentech, Inc. Hybrid immunoglobulins
US5098833A (en) 1989-02-23 1992-03-24 Genentech, Inc. DNA sequence encoding a functional domain of a lymphocyte homing receptor
US5627262A (en) 1989-07-05 1997-05-06 The Board Of Regents Of The University Of Oklahoma Method and composition for the treatment of septic shock
DK0939121T4 (da) 1989-09-12 2008-02-04 Ahp Mfg B V TNF-bindende proteiner
US5013556A (en) 1989-10-20 1991-05-07 Liposome Technology, Inc. Liposomes with enhanced circulation time
US5723286A (en) 1990-06-20 1998-03-03 Affymax Technologies N.V. Peptide library and screening systems
WO1992020791A1 (en) 1990-07-10 1992-11-26 Cambridge Antibody Technology Limited Methods for producing members of specific binding pairs
WO1992001718A2 (en) 1990-07-17 1992-02-06 Board Of Regents Of The University Of Oklahoma Functionally active selectin-derived peptides and ligand for gmp-140
NZ241954A (en) 1991-03-15 1994-01-26 Amgen Inc Compositions of g-csf for pulmonary administration.
US5270170A (en) 1991-10-16 1993-12-14 Affymax Technologies N.V. Peptide library and screening method
US5733731A (en) 1991-10-16 1998-03-31 Affymax Technologies N.V. Peptide library and screening method
US5877289A (en) 1992-03-05 1999-03-02 The Scripps Research Institute Tissue factor compositions and ligands for the specific coagulation of vasculature
US6004555A (en) 1992-03-05 1999-12-21 Board Of Regents, The University Of Texas System Methods for the specific coagulation of vasculature
CA2131003A1 (en) 1992-05-26 1993-12-09 Raymond G. Goodwin Novel cytokine that binds cd30
US5792451A (en) 1994-03-02 1998-08-11 Emisphere Technologies, Inc. Oral drug delivery compositions and methods
EP0671926B1 (en) 1992-08-11 2002-11-13 President And Fellows Of Harvard College Immunomodulatory peptides
AU5098393A (en) 1992-08-14 1994-03-15 Government Of The United States Of America, As Represented By The Secretary Of The Department Of Health And Human Services, The Recombinant toxin with increased half-life
US5985450A (en) 1993-09-22 1999-11-16 Shakespeare Striated monofilaments useful in the formation of papermaking belts
US5922545A (en) 1993-10-29 1999-07-13 Affymax Technologies N.V. In vitro peptide and antibody display libraries
US5773569A (en) 1993-11-19 1998-06-30 Affymax Technologies N.V. Compounds and peptides that bind to the erythropoietin receptor
US5608035A (en) 1994-02-02 1997-03-04 Affymax Technologies N.V. Peptides and compounds that bind to the IL-1 receptor
US5786331A (en) 1994-02-02 1998-07-28 Affymax Technologies N.V. Peptides and compounds that bind to the IL-1 receptor
US5880096A (en) 1994-02-02 1999-03-09 Affymax Technologies N.V. Peptides and compounds that bind to the IL-1 receptor
AU714288B2 (en) 1994-06-28 1999-12-23 Merck & Co., Inc. Novel peptides
US5689452A (en) * 1994-10-31 1997-11-18 University Of New Mexico Method and apparatus for performing arithmetic in large galois field GF(2n)
AU693478B2 (en) 1994-11-10 1998-07-02 Metabolic Pharmaceuticals Limited Treatment of obesity
IL116026A (en) 1994-11-22 2005-08-31 Rhone Poulenc Rorer Sa Peptides capable of linking to the sh3 domain of gap, nucleotide sequences encoding the same, their preparation and uses
US5888763A (en) 1994-12-30 1999-03-30 The Rockefeller University Peptides specific for the first Crk-SH3 domain
US5739277A (en) 1995-04-14 1998-04-14 Genentech Inc. Altered polypeptides with increased half-life
US5800096A (en) 1995-04-27 1998-09-01 Barrow; Jeffrey Subsurface barrier wall and method of installation
US5869451A (en) 1995-06-07 1999-02-09 Glaxo Group Limited Peptides and compounds that bind to a receptor
JPH09151200A (ja) 1995-09-29 1997-06-10 Ajinomoto Co Inc ヒト胃癌に対する免疫応答を誘導できるペプチド及び該ペプチドを含むヒト胃癌治療、予防剤
US5838361A (en) 1996-01-11 1998-11-17 Micron Technology, Inc. Laser marking techniques
US5714577A (en) 1996-01-26 1998-02-03 University Of Pittsburgh Antimicrobial peptides
JP3636535B2 (ja) 1996-03-14 2005-04-06 コニカミノルタビジネステクノロジーズ株式会社 現像方法
AU2978697A (en) 1996-06-07 1998-01-05 Takeda Chemical Industries Ltd. Novel peptide, process for the production of the same, and use of the same
US5932546A (en) 1996-10-04 1999-08-03 Glaxo Wellcome Inc. Peptides and compounds that bind to the thrombopoietin receptor
ATE244579T1 (de) 1997-01-22 2003-07-15 Univ Texas Verfahren und zusammensetzungen des gewebefaktors zur koagulation und behandlung von tumoren
US6133426A (en) 1997-02-21 2000-10-17 Genentech, Inc. Humanized anti-IL-8 monoclonal antibodies
US5869151A (en) * 1997-06-26 1999-02-09 Boto (Licenses) Limited, An Isle Of Man Company Of 3/F Stand
US5932507A (en) * 1998-02-19 1999-08-03 Van Weeren; Remco Method for preventing low-temperature degradation of tetragonal zirconia containing materials
DE69823981T2 (de) 1998-05-21 2005-05-25 Tecnogen S.C.P.A., Piana De Monte Verna Verwendung von Peptidverbindungen zur Behandlung von SLE
US6117639A (en) 1998-08-31 2000-09-12 Vertex Pharmaceuticals Incorporated Fusion proteins, DNA molecules, vectors, and host cells useful for measuring protease activity
US6660843B1 (en) * 1998-10-23 2003-12-09 Amgen Inc. Modified peptides as therapeutic agents
US6133321A (en) * 1998-11-20 2000-10-17 Swift & Company Method for the reduction of stress in meat producing animals and meat produced from slaughtered animals treated thereby
IL147270A0 (en) 1999-07-02 2002-08-14 Genentech Inc Fusion peptides comprising a peptide ligand domain and a multimerization domain
WO2001004296A1 (en) 1999-07-12 2001-01-18 Mcgill University Rbp1 polypeptides and uses thereof
AU2001259432B2 (en) * 2000-05-03 2005-04-21 Amgen Inc. Modified peptides, comprising an FC domain, as therapeutic agents
JP2004526419A (ja) * 2000-10-16 2004-09-02 フィロス インク. 抗体模倣物および他の結合タンパク質のためのタンパク質骨格
GB0029407D0 (en) * 2000-12-01 2001-01-17 Affitech As Product
US6558702B2 (en) 2001-04-13 2003-05-06 Alkermes Controlled Therapeutics, Inc. Method of modifying the release profile of sustained release compositions
CA2446189C (en) 2001-05-11 2011-10-18 Amgen, Inc. Peptides and related molecules that bind to tall-1
US7205275B2 (en) 2001-10-11 2007-04-17 Amgen Inc. Methods of treatment using specific binding agents of human angiopoietin-2
US7138370B2 (en) 2001-10-11 2006-11-21 Amgen Inc. Specific binding agents of human angiopoietin-2
US7332474B2 (en) 2001-10-11 2008-02-19 Amgen Inc. Peptides and related compounds having thrombopoietic activity
US20030215914A1 (en) * 2001-12-10 2003-11-20 Erwin Houtzager Structure for presenting desired peptide sequences
US6641144B2 (en) * 2001-12-28 2003-11-04 General Electric Company Supplemental seal for the chordal hinge seals in a gas turbine
US7241733B2 (en) 2002-06-28 2007-07-10 Centocor, Inc. Mammalian EPO mimetic CH1 deleted mimetibodies, compositions, methods and uses
AU2003280130B2 (en) 2002-06-28 2009-06-11 Centocor, Inc. Mammalian CH1 deleted mimetibodies, compositions, methods and uses
US6919426B2 (en) * 2002-09-19 2005-07-19 Amgen Inc. Peptides and related molecules that modulate nerve growth factor activity
ATE496938T1 (de) 2002-12-20 2011-02-15 Amgen Inc Myostatin hemmende bindungsstoffe
EP1797127B1 (en) 2004-09-24 2017-06-14 Amgen Inc. Modified fc molecules
CN101098891B (zh) 2005-01-05 2014-05-21 F-星生物技术研究与开发有限公司 分子中互补决定区以外的区域中工程改造了的具有结合特性的合成免疫球蛋白结构域

Also Published As

Publication number Publication date
MX2007003320A (es) 2007-05-18
EP1797127B1 (en) 2017-06-14
US7750128B2 (en) 2010-07-06
EA011879B1 (ru) 2009-06-30
US20060140934A1 (en) 2006-06-29
KR100920282B1 (ko) 2009-10-08
MA28989B1 (fr) 2007-11-01
BRPI0516011A (pt) 2008-08-19
AU2005289685B2 (en) 2009-07-16
EA200700623A1 (ru) 2007-12-28
IL182139A0 (en) 2007-07-24
US7655765B2 (en) 2010-02-02
ZA200702222B (en) 2009-04-29
US7750127B2 (en) 2010-07-06
US7655764B2 (en) 2010-02-02
WO2006036834A3 (en) 2006-06-29
DK1797127T3 (en) 2017-10-02
KR20070057975A (ko) 2007-06-07
IL182139A (en) 2014-05-28
US7662931B2 (en) 2010-02-16
CA2580796C (en) 2013-03-26
US20090022744A1 (en) 2009-01-22
US20090041768A1 (en) 2009-02-12
US20090286964A1 (en) 2009-11-19
JP2008514201A (ja) 2008-05-08
CA2580796A1 (en) 2006-04-06
CN101103045B (zh) 2015-11-25
US20090281286A1 (en) 2009-11-12
US20090012272A1 (en) 2009-01-08
SI1797127T1 (sl) 2017-09-29
CN101103045A (zh) 2008-01-09
AU2005289685A1 (en) 2006-04-06
EP1797127A2 (en) 2007-06-20
US7442778B2 (en) 2008-10-28
US20090234104A1 (en) 2009-09-17
US7645861B2 (en) 2010-01-12
ES2629397T3 (es) 2017-08-09
WO2006036834A2 (en) 2006-04-06

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5017116B2 (ja) 修飾Fc分子
JP5239086B2 (ja) 修飾されたFc分子
US7166707B2 (en) Modified peptides as therapeutic agents
AU2001259432B2 (en) Modified peptides, comprising an FC domain, as therapeutic agents
US7488590B2 (en) Modified peptides as therapeutic agents
AU2001259432A1 (en) Modified peptides, comprising an Fc domain, as therapeutic agents

Legal Events

Date Code Title Description
A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20080626

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20080905

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20090227

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20110510

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20110721

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20111115

A601 Written request for extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601

Effective date: 20120209

A602 Written permission of extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A602

Effective date: 20120216

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20120508

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20120605

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20120611

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20150615

Year of fee payment: 3

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5017116

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250