JP5008513B2 - 冷却貯蔵庫 - Google Patents
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Description
このものは、冷却器を収容する冷却器室が、貯蔵室の側壁に設けられた凹部を覆って合成樹脂製のダクトが着脱可能に張られることで形成されているとともに、冷却器における貯蔵室側の面の下端部からブラケットが突設され、ガラス管ヒータを収容したヒータカバーに設けられた取付板が、上記のブラケットに重ねられてねじ止めにより取り付けられる構造となっている。この構造では、ダクトを外せばヒータを収容したヒータカバーが露出状態となるから、貯蔵室側からヒータカバーごと外したのち、貯蔵室内または庫外のスペースを利用してヒータをヒータカバーから外せばよく、またヒータを装備する場合も、上記とは逆の手順により、ヒータを取り付けたヒータカバーを冷却器のブラケットに取り付け、そののちダクトを装着すればよい。
本発明は上記のような事情に基づいて完成されたものであって、その目的は、棒状ヒータの配設部分において構造を簡略化して製造コストの低減を図るところにある。
特に、棒状ヒータを収めたヒータカバーを、冷却器のダクトと対向した側の面の下端から垂設された垂下板の裏側に配したから、その垂下板がダクトを棒状ヒータの熱から保護する機能を果たし、別途保護部材を設ける必要がない。もって部品点数の削減を図り、製造コストの低減に寄与することができる。
また、棒状ヒータからの輻射熱が、傾斜面に形成された通孔を通って垂下板の裏面に向けられ、そこで反射されて冷却器の下面に向けられる。冷却器を加熱することにより有効となる。
(1)前記垂下板と前記ヒータカバーとが一体に形成されている。部品点数並びに組付工数のさらなる削減が図られる。
(2)前記ヒータカバーのカバー板が、前記冷却器の下面に接触されている。棒状ヒータで加熱されたカバー板の熱が、接触部分から熱伝導により冷却器に伝わり、冷却器がより効率良く加熱される。
棒状ヒータの端部をヒータカバーの側板の取付孔に嵌合または離脱するのに、開閉部材の開閉を伴い開口溝を通して径方向に抜き差しすれば良いから、棒状ヒータの着脱をより簡単に行うことができる。
棒状ヒータを外す場合は、開閉板を開くことで棒状ヒータの端部を開口溝を通して手前側の下方に抜き取る。棒状ヒータを取り付ける場合は、同じく開閉板を開いた状態において、棒状ヒータの端部を径方向から開口溝に通して取付孔に嵌め、そののち開閉板を閉じることで棒状ヒータの端部が抜け止めされる。
本発明の一実施形態を図1ないし図11に基づいて説明する。この実施形態では、2ドア式の横型(テーブル型)冷蔵庫を例示している。
図1および図2において全体構造を説明すると、符号10は冷蔵庫本体であって、前面に開口した横長の断熱箱体により構成されている。この断熱箱体は、ステンレス鋼板製の外箱11内に、ABS樹脂等の合成樹脂製の内箱12を嵌めて、その間に発泡樹脂等の断熱材13が充填された構造である。本体10の内部は貯蔵室15とされ、同貯蔵室15の前面開口には、一対の断熱扉16が観音開き式に装着されている。
機械室20の前面には前面パネル30が設けられ、図1に示すように、同前面パネル30の下部領域、すなわち凝縮器ファン28の前方領域には、外気の吸気口31が形成されているとともに、上部の左側領域、すなわち凝縮器27の前方領域には、排熱の排気口32が形成されている。また、前面パネル30の上部の右側には、電装箱34が設けられている。
同ダクト60は、その周縁部がボックス41のフランジ41Aに当てられ、左右の縦縁の上下2箇所ずつがねじで止められることにより、貯蔵室15側から着脱可能に装着されるようになっている。膨出面63の裏面側に、吸い込まれた庫内空気の流通路65が確保される(図10参照)。また、吹出口61の裏面側には、冷却ファン62を挟むようにして一対の縦向きの風向板66が突設され、両風向板66はまた、冷却器45の正面側に当てられるようになっている。
ヒータカバー75は大まかには、ガラス管ヒータ70の上面を覆うカバー板76と、ガラス管ヒータ70の両端部を嵌めて支持する左右一対の側板80L,80Rとを備えている。カバー板76は、図11に示すように、頂角が90度をなす断面山形をなし、その左右方向の長さは、図5に示すように、ガラス管ヒータ70の全長よりも少し短い寸法となっている。ただし、冷却器45の間口寸法よりは長い全長となっている。
一方、左側の側板80Lの取付孔82の手前側には、同取付孔82の直径に等しい幅を持った開口溝85が、同じく手前側上面板77と平行な下り勾配の姿勢をなして手前側の側縁に開口して形成されている。
また、奥側上面板78には、縦幅方向の中央部(ガラス管ヒータ70の上方を覆う領域よりも裾側の位置)において、同じく長孔状をなす5個の通孔91Bが、左右方向に間隔を開けて並んで開口されている。
なお、奥側下面板79における手前側の略半分の領域には、同様の長孔状をなす通孔91Cが、互いに間隔を開けて左右方向に5列で2段にわたって形成されている。
この縦板93の上縁部における貯蔵室15側から見た左右両端部には、ねじ95の挿通孔96が開口されている。
この取付板100の下縁における左右両端部からは、一対の取付脚片108が垂設されており、各取付脚片108には、上記したねじ95が螺合されるねじ孔109が、縦板93の両挿通孔96間と同じ間隔を開けて形成されている。
ガラス管ヒータ70は、以下のようにして装着される。まず、ヒータカバー75が、冷却器45の貯蔵室15側の面の下部位置に張られた取付板100に対して取り付けられる。ヒータカバー75は、図7に示すように、カバー板76に設けられた開閉板87を開放位置に開いた状態において、縦板93の上縁部が取付板100の左右の取付脚体108の表面に重ねられて、ねじ95の挿通孔96と対応するねじ孔109同士が整合され、挿通孔96に通したねじ95をねじ孔109にねじ込むことにより、縦板93が、冷却器45の貯蔵室15側の面の下縁から鉛直姿勢で垂下した形態で取り付けられる。
これに伴い、図11に参照して示すように、ヒータカバー75は、縦板93における貯蔵室15側とは反対側すなわち裏側において、冷却器45の下方に位置する。ここで、ヒータカバー75のカバー板76の頂上(稜線76A)は冷却器45の下面における奥行のほぼ中央部に接触し、またカバー板76を構成する手前側と奥側の上面板77,78は、それぞれ45度の傾斜角で手前側または奥側に下り勾配となった傾斜面を形成している。
続いて、ガラス管ヒータ70を上記と逆方向に45度回して、リード線74が下向きに引き出された姿勢にされ、そのときも左右の各キャップ72の突起73は、対応する左右の側板80L,80Rにおける取付孔82の内側の孔縁に当たった状態にあるから、ガラス管ヒータ70は、真直姿勢を取って左右の両取付孔82の間にわたされ、かつ軸線方向の移動を規制された状態に保持される。
このようにガラス管ヒータ70が取り付けられたら、ガラス管ヒータ70のリード線74は、除霜サーミスタ105、温度ヒューズ106のリード線105A,106Aともども、冷媒管の挿通管47内に区画形成された配線挿通部47A(図4参照)を通して機械室20の天井側に突出される。
なお、冷却ファン62から引き出されたリード線も、併せて挿通管47の配線挿通部47Aを通して機械室20側に引き出され、ガラス管ヒータ70のリード線74等ともども、機械室20の天井部に設けられた配線空間を通って電装箱34側に導かれる。
この間、庫内サーミスタ(図示せず)で庫内温度が検知され、庫内温度が設定温度よりも低くなると、冷凍装置25と冷却ファン62が停止され、庫内温度が設定温度よりも高くなると、再び冷凍装置25と冷却ファン62が駆動され、その繰り返しによって、貯蔵室15内がほぼ設定温度に維持される。
それに加え、ガラス管ヒータ70の輻射熱が、同図の矢線bに示すように、手前側上面板77の通孔91Aを通って冷却器45の手前側の下面に向けられ、また矢線cに示すように、通孔91Aを通って縦板93に当たったのちそこで反射されて冷却器45の手前側の下面に向けられる。さらに、同図の矢線dに示すように、輻射熱が奥側上面板78の通孔91Bを通って冷却器45の奥側の下面に向けられる。
また、カバー板76の頂上(稜線76A)が冷却器45の下面に接触していることで熱伝導も得られる。すなわち冷却器45は、対流、輻射、並びに熱伝導によって効率良く加熱され、結果除霜時間が短縮される。
なお、冷却器45からの除霜水の一部はヒータカバー75のカバー板76上に滴下し、このカバー板76には通孔91A,91Bが開口されているのであるが、それらの通孔91A,91Bは、ガラス管ヒータ70の上方に対応する領域よりも下方側に形成されているから、除霜水が通孔91A,91Bを通ってガラス管ヒータ70に降り懸かるおそれはない。
さらに、ヒータカバー75における手前側下面が開口しており、同図の矢線fに示すように、ガラス管ヒータ70の輻射熱が同開口110を通ってドレンパン50における貯蔵室15側の領域に当てられることになるが、ガラス管ヒータ70から同領域までは比較的距離があるから、同領域が過熱されるまでには至らず、むしろ適度に加熱されることによって、同じように霜の塊を融解することに有効となる。
除霜運転中、除霜サーミスタ105によって冷却器45の温度が検知され、検知温度が所定以上に達したら着霜が無くなったと擬制されて、ガラス管ヒータ70への通電が停止され、すなわち除霜運転が停止され、所定の水切り時間を経たのち冷却運転が再開される。
この状態から、上記した取り付けの場合と逆の手順によってガラス管ヒータ70を外す。まず、開閉板87を開放位置に折り曲げて、ヒータカバー75の左側の側板80Lの開口溝85を開放したのち、ガラス管ヒータ70を45度回してリード線74が手前の斜め下を向いて突出する姿勢とし、左側のキャップ72を開口溝85に沿って手前に抜くと、それに伴い、リード線74を逃がし溝84に通しつつ右側のキャップ72が右側の側板80Rの取付孔82の内側に抜き出され、結果ガラス管ヒータ70は、ヒータカバー75の開口110を通してその手前側に引き出される。機械室20側に回っていたリード線74も一緒に引き出される。
新たなガラス管ヒータ70を装備する場合は、既述した要領によってヒータカバー75に組み付け、そののち外されていたダクト60が、再び冷却器室40の正面を覆ってねじで止められて固定される。この間に、ガラス管ヒータ70のリード線74、冷却ファン62のリード線が機械室20側に導出される。以上により、ガラス管ヒータ70の交換作業が完了する。
ガラス管ヒータ70を収めたヒータカバー75を、冷却器45におけるダクト60と対向した側の面の下端から垂設された縦板93の裏側に配したから、その縦板93がダクト60をガラス管ヒータ70の熱から保護する機能を果たし、別途保護部材を設ける必要がない。もって部品点数の削減を図り、製造コストの低減に寄与することができる。加えて、縦板93とヒータカバー75とは一体的に形成されているから、部品点数並びに組付工数のさらなる削減が図られる。
ガラス管ヒータ70の左側のキャップ72をヒータカバー75の左側の側板80Lの取付孔82に嵌合または離脱するのに、開閉板87の開閉を伴い開口溝85を通して径方向に抜き差しすれば良いから、ガラス管ヒータ70の着脱をより簡単に行うことができる。
本発明は上記記述及び図面によって説明した実施形態に限定されるものではなく、例えば次のような実施形態も本発明の技術的範囲に含まれる。
(1)冷却器に固定されてヒータカバーを裏面側に設けることに機能する縦板は、ヒータカバーとは別体として形成されていてもよい。
(2)上記実施形態では、ヒータカバーのカバー板の一部を冷却器の下面に接触させたが、非接触としてもよい。
(3)ヒータカバーのカバー板は、上記実施形態に例示した断面山形に限らず、ガラス管ヒータの上方を覆える限り他の形状であってもよい。
(5)開閉板の形状は上記実施形態に例示したものに限らず、また別体の開閉部材を着脱可能に備えるようにしてもよい。
(6)除霜用のヒータとして、ガラス管ヒータ以外に他の棒状をなすヒータを用いた形式のものにも、本発明は適用できる。
(8)本発明は上記実施形態に例示した冷蔵庫に限らず、要は、貯蔵室の側面に冷却器室が形成されてその中に固定的に冷却器が設けられたものであって、その冷却器の下面に除霜用の棒状ヒータが装備される場合全般に広く適用することができる。
Claims (5)
- 貯蔵室の側壁には凹部が設けられ、この凹部の開口側を覆ってダクトが前記貯蔵室側から着脱可能に張られることにより冷却器室が形成されるとともに、この冷却器室には冷却器が収納されかつ同冷却器には除霜用の棒状ヒータが装備された冷却貯蔵庫において、
前記棒状ヒータの上面を覆うカバー板と、このカバー板の両端に設けられ前記棒状ヒータの端部が嵌合可能な取付孔が開口された左右一対の側板とを有するヒータカバーと、
前記冷却器における前記ダクトと対向した側の面の下端から垂下して設けられた垂下板と、が設けられ、
この垂下板における前記ダクトと対向した側とは反対となる裏側に、前記ヒータカバーが設けられており、
かつ、前記ヒータカバーのカバー板には前記垂下板側に向けて下り勾配となった傾斜面が設けられて、同傾斜面の下縁が前記垂下板の下縁と連結され、この傾斜面には、軸線が前記垂下板の裏面を指向した複数の通孔が形成されていることを特徴とする冷却貯蔵庫。 - 前記垂下板と前記ヒータカバーとが一体に形成されていることを特徴とする請求項1記載の冷却貯蔵庫。
- 前記ヒータカバーのカバー板が、前記冷却器の下面に接触されていることを特徴とする請求項1または請求項2記載の冷却貯蔵庫。
- 前記ヒータカバーにおける前記側板に設けられた取付孔のうち少なくとも一方の取付孔には、前記側板の貯蔵室側の端縁に開口する開口溝が連通して形成され、前記棒状ヒータの端部が前記開口溝を通して径方向から前記取付孔に嵌合可能となっているとともに、前記カバー板には、前記棒状ヒータの端部の挿抜を許容するべく前記開口溝を開く開放位置と、前記棒状ヒータの端部が抜け出るのを規制するべく前記開口溝を塞ぐ閉塞位置とで移動可能な開閉部材が設けられていることを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれか一項に記載の冷却貯蔵庫。
- 前記カバー板の前記傾斜面の両側縁における上部側には、前記側板が下向きに直角曲げされた形態で設けられ、各側板に設けられた取付孔のうち少なくとも一方の取付孔には、前記傾斜面とほぼ同じ下り勾配で前記側板の貯蔵室側の端縁に開口する開口溝が連通して形成され、前記棒状ヒータの端部が前記開口溝を通して径方向から前記取付孔に嵌合可能となっているとともに、
前記開口溝を有する前記側板が設けられた側の前記傾斜面の側縁における下部側には、開閉板が、前記傾斜面と略面一姿勢を取った開放位置と、下向きに略直角曲げされた閉鎖位置との間で揺動開閉可能に設けられ、前記開放位置では前記棒状ヒータの端部の挿抜を許容するべく前記開口溝を開き、前記閉鎖位置では、前記棒状ヒータの端部が抜け出るのを規制するべく前記開口溝を塞ぐようになっていることを特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれか一項に記載の冷却貯蔵庫。
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