JP4614888B2 - 冷却貯蔵庫 - Google Patents
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Description
このとき、冷蔵庫本体の天面の上方に上部ケースを持ち上げるだけの十分なスペースがあればよいが、冷蔵庫が設置された部屋の天井が低くて、冷蔵庫本体の天面との間のスペースが不十分であると、上部ケースを上記のように持ち上げることはできない。その場合は、冷却ユニットごと床上に降ろして改めて冷却器室を開く必要があり、メンテナンス終了後に再度冷却ユニットを載せることも含めて、煩雑な作業が余儀なくされていた。
本発明は上記のような事情に基づいて完成されたものであって、その目的は、冷却器室の開放作業を簡単に行えるようにするところにある。
請求項2の発明は、請求項1に記載のものにおいて、前記下部ケースと前記上部ケースの各分割面のいずれか一方には突条が、他方にはこの突条が緊密に嵌合されるシール溝が形成され、さらに、前記下部ケースと前記上部ケースとは、締結バンドによって締結されるところに特徴を有する。
請求項3の発明は、請求項1または請求項2に記載のものにおいて、前記低い水平面には、凹部が形成されているところに特徴を有する。
上下のケースの分割面が、奥側から手前側に向けて下り勾配となった傾斜面か、それに連設された水平面であるから、上部ケースは手前に引くことで外すことができる。冷却器室の上方に十分なスペースがない場合にも、冷却器室をいちいち床等に降ろすことなく冷却器室内を開放でき、メンテナンスの作業等を能率良く行うことができる。
上下のケースの分割面の間でシールを取るために、例えば上下のケースを締結バンドで締結することが行われるが、その締結に伴い、水平面では上部ケースの分割面が下部ケースの分割面を垂直に押さえ、傾斜面においても分力によって、上部ケースの分割面が下部ケースの分割面を垂直に押さえるから、分割面の全領域にわたって強固にシールすることができる。
上下一方のケースの分割面の突条が、相手の分割面のシール溝に緊密に嵌って結合されることで、分割面間でより強固にシールを取ることができる。上部ケースを外す場合は、突条がシール溝から抜けるまで上部ケースを持ち上げた後、手前に引くことで外すことができる。冷却器室の上方に突条の高さ分程度の僅かなスペースがあれば、下部ケースを貯蔵庫本体の天面に残したままで上部ケースを外すことができる。
以下、本発明の一実施形態を図1ないし図12に基づいて説明する。この実施形態ではプレハブ式の冷蔵庫を例示している。
図1において、符号10は冷蔵庫本体であって、複数枚の断熱性のパネル11を組み付けることで箱形に形成され、内部が貯蔵室とされており、前面の中央部に断熱扉12を装備した出入口が設けられている。
冷蔵庫本体10の天面10Aには、冷却ユニット15が設置されている。この冷却ユニット15は、図2に示すように、ユニットベース16上における一側(正面から見た左側)に、冷凍装置20が設置されているとともに、他側(同右側)には断熱性の冷却器室30が設置され、冷却器室30内には、上記の冷凍装置20と冷媒配管26により循環接続された冷却器63と、冷却ファン66と、冷却器63等からの除霜水を受けるドレンパン60が収容されている。
冷凍装置20は、圧縮機21、凝縮器ファン23付きの凝縮器22等を備えており、上記のようにユニットベース16上の左側における奥側寄りの位置に設置されている。冷凍装置20の手前側には、冷却運転の制御装置等が収納された電装箱25が設置されている。
冷却器室30は、発泡スチロール等の発泡樹脂製の断熱材によって形成されており、図3ないし図5に示すように、下部ケース31と、その上面に被着される上部ケース50とに二分割されている。
下部ケース31は基本的には、図6にも示すように、底壁32の周縁に周壁を巡らしてなる上面開口の方形の箱状に形成されている。詳細には、背壁33が全幅にわたって冷却器室30の全高よりも少し低い高さ寸法に形成されているのに対して、前壁34が、同全高の1/4程度の高さ寸法に留められている。なお前壁34の上面には、幅方向の中央部において逆台形の凹部34Aが形成されている。
左右の側壁35は、手前から冷却器室30の奥行の約6割に当たる部分が、前壁34の両端部と同じ高さで、残りの奥側の部分が、背壁33の高さに向けて次第に背が高くなるように形成されている。
この下部ケース31の分割面37には、幅方向の中央部において、突条38が全周にわたって形成されている。
下部ケース31の内底面には、幅方向の中央部において、ドレンパン60を載せる受け面42が凹み形成されており、この受け面42は、手前の右隅の位置が最低位部となるように傾斜が付けられ、また、同位置から前壁34の上面にわたり、ドレンパン60に設けられたドレン管61が挿通される半割の挿通孔43Dが形成されている。
底壁32における受け面42の左側の領域では、その手前側の一部が仕切壁44で仕切られることによって、冷媒配管26やリード線が挿通される挿通空間45が形成され、左側壁35の手前の端部寄りの位置における上面に、3本の半割の挿通孔46Dが形成されている。
そして、底壁32の受け面42にドレンパン60が嵌められつつ、ドレン管61が挿通孔43Dに嵌められ、図2に示すように、ドレンパン60内における右側の領域に、冷却器63が浮いた状態で設置されるとともに、その左隣に冷却ファン66が設置されるようになっている。また、冷却器63の手前側の面には、同冷却器63の入力側に接続されたキャピラリチューブ64が配される。
なお後記するように、下部ケース31は、嵌合突部40を嵌合孔に嵌めつつユニットベース16上に載せられ、このユニットベース16が冷蔵庫本体10の天面10Aの所定位置に取り付けられるが、冷蔵庫本体10の天壁には、図示はしないが、上記した下部ケース31の吸込口48と吹出口49と、貯蔵室とを連通する通孔が開口されている。
左右の側壁53は、手前から冷却器室30の奥行の約6割に当たる部分が、前壁52の両端部と同じ垂下長で、残りの奥側の部分が、天壁51の奥縁に向けて次第に垂下長が小さくなるように形成されている。
この上部ケース50の分割面55には、幅方向の中央部において、下部ケース31の突条38が緊密に嵌るシール溝56が全周にわたって形成されている。
なお、上記した挿通空間45の底面は、図6に示すように、挿通された冷媒配管26やリード線から垂れた結露水を受けてドレンパン60に案内できるように、同ドレンパン60側に向けて下り勾配となった傾斜面として形成されている。また、後記するように、上部ケース50が下部ケース31の上面に正規に被せられた場合には、上部ケース50の天壁51が、下部ケース31内に設置された冷却器63や冷却ファン66の上面を押さえることができるようになっている。
冷却ユニット15を組み付ける際には、ユニットベース16上の左側の領域に、冷凍装置20、すなわち圧縮機21、凝縮器22、凝縮器ファン23等を取り付ける。併せて、冷却器室30を構成する下部ケース31が、外底面の嵌合突部40を嵌合孔に嵌めてユニットベース16の右側の領域に載せられる。次に、ドレン管61を挿通孔43Dに嵌めつつ、下部ケース31の底壁32の受け面42上にドレンパン60が載せられる。
続いて、左右一対の締結バンド70が、冷却器室30の左右の側面における上縁及び前後縁の3縁辺の角部にわたって嵌められ、前後の取付板72がユニットベース16上にねじで止められる。これにより、上部ケース50の分割面55が、下部ケース31の分割面37に対して強固に押し付けられることでシールが取られる。また、上部ケース50の天壁51が冷却器63や冷却ファン66の上面を押さえて、これらを冷却器室30内に強固に保持する。
このように冷却ユニット15が組み付けられたら、把手18を持って冷蔵庫本体10の天面10A上の所定位置に載せられ、取付板17をねじ止めすることで固定される。このとき、冷却器室30における下部ケース31の底壁32に設けられた吸込口48と吹出口49とが、通孔を介して貯蔵室内に連通した状態となる。
上部ケース50を再度組み付ける場合は、上部ケース50を下部ケース31の真上位置まで前方から入れたのち、シール溝56を突条38に嵌めつつ互いの分割面55,37を合わせるようにして被せる。そののち、左右一対の締結バンド70で、上下のケース50,31を締結すればよい。
またメンテナンス等の作業が短時間で済むことに付随し、貯蔵室内の温度上昇を最小限に抑えることができ、ドライアイス等を別途準備することを不要にできる。また、冷却ユニット15を一旦床等に降ろすと、再度設置した場合に冷凍装置20等の機能に不具合が生じて調整等を余儀なくされる場合があるが、冷却ユニット15自体は降ろさないから上記のような不具合は生じず、よってサービスマン等の負担増を招くおそれもない。
図13及び図14は、本発明の関連技術を示す。この関連技術では、締結バンド80の形状に変更が加えられている。
締結バンド80は、門形に形成されていることは上記実施形態と同様であるが、上縁81Aのみがアングル材で、前後両縁81B,81Cが平板によって形成されており、したがって前後両縁81B,81Cについては、弾性的な曲げ変形可能とされている。
上下のケース50,31を締結するに当たっては、左右一対の締結バンド80は、上縁81Aが、冷却器室30の左右の側面における上縁の角部に嵌められ、また前後両縁81B,81Cが前面または後面の端部に当てられて、その下端の取付板82がユニットベース16上にねじで止められる。
本発明は上記記述及び図面によって説明した実施形態に限定されるものではなく、例えば次のような実施形態も本発明の技術的範囲に含まれ、さらに、下記以外にも要旨を逸脱しない範囲内で種々変更して実施することができる。
(1)上記実施形態とは逆に、突条が上部ケースの分割面に、シール溝が下部ケースの分割面に設けられていても良い。
(3)結束バンドの形状は上記実施形態に例示したものに限らず、要は上下のケースを上下方向に締結できるようになっていればよい。また両分割面の間に相応のシール性が確保できれば、締結バンドは必ずしも装備しなくても良い。
(4)本発明は、冷却器室が冷凍装置とは別に取り付けられるもの、すなわちユニット化されていないものにも同様に適用可能である。
Claims (3)
- 貯蔵庫本体の天面には、冷却器を収容した断熱材からなる冷却器室が設置されたものにおいて、
前記冷却器室が下部ケースとその上面に被着される上部ケースとに二分割され、かつ両ケースの分割面が、奥側に設けられた高い水平面と、この高い水平面から手前側に向けて下り勾配となった傾斜面と、この傾斜面の手前側に設けられた低い水平面と、を有し、
前記下部ケースの奥行きの半分よりも広い範囲が前記低い水平面とされ、
前記下部ケースの底壁には、前記低い水平面に近い高さ位置に受け面が形成され、
前記受け面に、前記冷却器および冷却ファンが設置されていることを特徴とする冷却貯蔵庫。 - 前記下部ケースと前記上部ケースの各分割面のいずれか一方には突条が、他方にはこの突条が緊密に嵌合されるシール溝が形成され、
さらに、前記下部ケースと前記上部ケースとは、締結バンドによって締結されることを特徴とする請求項1に記載の冷却貯蔵庫。 - 前記低い水平面には、凹部が形成されていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の冷却貯蔵庫。
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