JP5809573B2 - 冷却貯蔵庫 - Google Patents
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従来その防止策して、下記特許文献1に記載されたように、エアダクトの上面に突部を設けて伝熱プレートを浮いた状態で支持した構造とし、仮に伝熱プレートの下面側に除霜水が浸入したとしても、エアダクト上を流下させて伝熱プレートとの間で留まることを防止し、ひいては両者の間で氷結することを防止するようにしたものが知られている。
なお、上記のような不具合は、エアダクト上に突部が無くても、伝熱プレートとの間に比較的大きな隙間がある場合には同様に生じるところである。
本発明は上記のような事情に基づいて完成されたものであって、その目的は、エアダクトと伝熱プレートとの間に半氷結物が浸入すること、ひいては同半氷結物が氷結することを防止するところにある。
(1)前記防水構造は、前記伝熱プレートの前記側縁と前記エアダクトとの間にコーキング材が塗布されていることで構成されている。コーキング材を塗布して固化させるだけの簡単な手段によって、防水構造を構成することができる。
(2)前記伝熱プレートの下縁と前記エアダクトとの間には、前記排水路の入口を囲むような経路でコーキング材が塗布されている。
排水路に半氷結物が溜まってそれが増え、入口から手前側に延びると、伝熱プレートの下縁側の隙間から半氷結物が浸入するおそれがあるが、排水路の入口を囲むような経路でコーキング材が塗布されているから、同コーキング材で遮断されて半氷結物がそれ以上浸入することが防がれ、ひいては同半氷結物が氷結することが防止される。
伝熱プレートがエアダクトから浮いた状態で支持されているから、仮に伝熱プレートの下面側に除霜水が浸入したとしても、エアダクト上を流下して伝熱プレートとエアダクトとの間で留まるおそれがなく、ひいては両者間で氷結することが回避される。一方、伝熱プレートとエアダクトとの間に比較的広い隙間ができ、逆にシャーベット状の半氷結物は浸入しやすくなるとも言えるが、同半氷結物の浸入は防水構造で阻止される。すなわち、毛細管現象による除霜水の浸入ひいては氷結を阻止した上で、半氷結物の浸入ひいてはその氷結も防止することができる。
以下、本発明の実施形態1を図1ないし図12に基づいて説明する。この実施形態では、4ドア型の冷蔵庫を例示している。
図1及び図2において、符号10は冷蔵庫本体であって、内箱11と外箱12との間に発泡樹脂等からなる断熱材13が充填された前面開口のやや縦長の断熱箱体から構成されており、4本の脚14で支持されているとともに、内部が貯蔵室15となっている。貯蔵室15内には、棚柱16を介して棚網17が多段に設置できるようになっているとともに、貯蔵室15の前面開口部には、十字形に組まれた断熱性の仕切枠18が装着されることで計4個の出入口19が形成され、観音開き式の断熱扉20が上下2段に分かれて装着されている。
冷凍ユニット23は、平面方形をなす断熱性の基台24の上面に、圧縮機26、空冷式の凝縮器27等からなる冷凍装置25が載置されるとともに、下面側に冷却器29が吊り下げて取り付けられ、冷凍装置25と冷却器29とが冷媒配管30(図3)により循環接続された構造となっている。冷却器29は、背面側(図2の右側)が少し下がった斜め姿勢で取り付けられている。
一方、機械室22の底面、言い換えると貯蔵室15の天井壁15Aにおける奥側の位置には、基台24よりも一回り小さい窓孔32が形成されており、上記した冷凍ユニット23の基台24が、冷却器29を窓孔32の下面側に通しつつ同窓孔32を塞いで取り付けられている。
そして、冷凍装置25(圧縮機26)を運転しつつ冷却ファン36を駆動すると、貯蔵室15の庫内空気が冷却ファン36によって吸込口35から冷却器室34内に吸引され、その空気が冷却器29を流通する間に熱交換によって冷気が生成され、その冷気が吹出口37から貯蔵室15の奥面に沿うようにして吹き出され、貯蔵室15内に冷気が循環供給される。また、庫内サーミスタ38(図3)により庫内温度が検知され、庫内温度に応じて冷凍装置25の運転と停止とが制御されて、庫内温度が略一定の冷却温度に維持されるようになっている。
一方、上記したエアダクト50は、除霜水を受けるドレンパンを兼用している。除霜運転は、除霜ヒータ40に通電して冷却器29を加熱することにより行われ、除霜水はエアダクト50(ドレンパン)で受けられたのち、貯蔵室15の背面壁15B内に設けられた排水用通路49を通って庫外に排水されるようになっている。
エアダクト50はABS樹脂等の合成樹脂製であって、図4及び図5に示すように、平面略方形の皿状に形成されており、ただし左右の側壁51は、手前側(図4の左側)から奥側に向けて次第に背が高くなるように形成され、後記するように、同側壁51の上縁が水平姿勢をなすように取り付けられ、その取付状態において、エアダクト50の底面50Aが奥縁に向けて下り勾配となった傾斜姿勢を取るようになっている。
エアダクト50の前縁部には、左右両端部と中央部との3箇所に取付座55が形成されており、この取付座55は、エアダクト50の前壁56の上縁と面一の高さに形成され、ねじの挿通孔57が開口されている。これに対し、窓孔32の下面側における前側の縁部には、同ねじが螺合されるねじ孔(図示せず)が対応して形成されている。
エアダクト50は言い換えると、奥縁側が最深部となっており、図5に示すように、奥壁64における幅方向の中央よりも正面から見て少し左側に寄った位置に、排水路65が形成されている。排水路65は、底部側が円弧状となったU字形断面の溝状に形成され、図6に示すように、その底壁がエアダクト50の底面50Aと連続しつつ、奥側に向けて先下がりとなった姿勢を採っている。
また、伝熱プレート70の奥壁73は、エアダクト50の奥壁64の手前側に所定間隔を開けて配されることで、その間に装着空間76が全幅にわたって形成されているとともに、奥壁73の上縁にはフランジ73Aが奥側に直角曲げして形成され、このフランジ73Aが、上記した装着空間76の上面を覆うようになっている。
このように配線された状態で、粘着面を備えたアルミ箔により奥壁73の外面並びにカバー75の上面に貼り付けられる。両リード線81Aは揃って、伝熱プレート70の右側縁に沿って前方に引き出される。
このように第2凍結防水ヒータ82が配線保持されたアルミ箔85が、伝熱プレート70上の所定位置、詳細には、図8に示すように、本体部86が伝熱プレート70の前縁部に沿い、かつ突出部87が突出板72の基端側に突出した位置において貼り付けられる。
各支持リブ68は、その手前側の端部が、図9に示すように伝熱プレート70が張られた場合に、保護リブ89の形成箇所よりも少し手前に突出した箇所に位置し、奥側の端部は、奥壁64よりも所定寸法手前に留まっている。支持リブ68はまた、エアダクト50の底板の厚さより少し小さい高さ寸法(3mm弱)を有している。
図8に示すように、伝熱プレート70の奥壁73からカバー75にわたり、第1凍結防水ヒータ81が配線される。それとともに、伝熱プレート70の前縁に沿った領域に、第2凍結防止ヒータ82がアルミ箔85を介して所定の形態で配線される。
このように第1及び第2の凍結防止ヒータ81,82が配線装着された伝熱プレート70が、エアダクト50上に張られる。それに先立ち、図5に示すように、エアダクト50の底面50Aに設けられた支持リブ68のうち、両端の支持リブ68における先端の上面に、位置決め用のコーキング材93が塗布される。
それとともに、エアダクト50の底面50Aおける排水路65の手前側の位置において、同排水路65の入口65Aの手前側を囲むようなコ字形の経路に亘って、シール用のコーキング材95(以下、第2コーキング材95)が塗布される。第2コーキング材95は、支持リブ68よりも高い高さ寸法を持って塗布される。
それとともに、排水口74から突設されたカバー75が、排水路65の中央高さ位置よりも少し上方位置に嵌められる。なお、排水路65の基端側の回りには、パッキン66(図12参照)が嵌着される。
次に、図12に示すように、3個の吸込口35にそれぞれ冷却ファン36が載置され、対角の2位置においてねじ60で止められて固定される。各冷却ファン36のリード線36Aも一纏めにされたのち、途中を同パースロック62で保持されて導出される。
それには、図4に参照して示すように、エアダクト50の後縁に突設された排水路65を、背面壁15Bの排水用通路49の上端部に差し込みながら、左右の取付板52が窓孔32の左右の周面に沿って下方から入れられ、各取付板52の前後の掛止部53が、それぞれ対応する窓孔32の前後の突部32Aに掛止されて仮保持される。このとき併せて、エアダクト50から引き出された凍結防止ヒータ81,82のリード線81A,84と、冷却ファン36のリード線36Aとが、冷凍ユニット23の基台24に設けられた挿通孔(図示せず)を通して、機械室22内に導出される。
エアダクト50が取り付けられると、図3に示すように、排水路65が貯蔵室15の背面壁15Bに設けられた排水用通路49の上端部内に臨んだ状態となる。
伝熱プレート70に配線された第2凍結防止ヒータ82は、冷却器29における前端部の下方に位置する。また、伝熱プレート70に突設された3本の保護リブ89の上に、冷却器29の下面における前縁から所定寸法入った位置が受けられ、第2凍結防止ヒータ82が保護される。
除霜運転により、冷却器29等に付着した霜が溶けて除霜水となってエアダクト50上に滴下し、その底面50Aの傾斜に倣って奥まで流下し、排水路65を通って背面壁15Bの排水用通路49を流下したのち、ドレンホースを介して所定の排水箇所に排水される。
それに対して本実施形態では、伝熱プレート70における左右の側縁とエアダクト50の底面50Aとの間には、第1コーキング材94が詰められることで第1防水シール91が施されているから、同位置から半氷結物が伝熱プレート70の下面側に浸入することが防止される。
それに対して本実施形態では、排水路65の入口65Aの手前側に、第2コーキング材95からなるコ字形の第2防水シール92が施されているから、第2防水シール92で遮られて、それ以上半氷結物が浸入することが防止される。
そのため次の冷却運転において、半氷結物が伝熱プレート70の下面側で氷結するおそれがない。
伝熱プレートの左右の側縁とエアダクトとの間に防水シールを施す手段として、図示はしないが以下のような手段を講じてもよい。
エアダクト50としてまず、左右の取付板52が形成されていない形状のものを一次成形し、その底面に伝熱プレート70を載置したのち、左右の取付板52を二次成形により一体成形することに伴い、伝熱プレート70の左右の側縁とエアダクト50の底面50Aとの間を樹脂で埋めることにより、防水シールが施される。
本発明は上記記述及び図面によって説明した実施形態に限定されるものではなく、例えば次のような実施形態も本発明の技術的範囲に含まれる。
(1)エアダクトの排水路の入口の回りをシールする第2防水シールについては、これを割愛してもよく、そのようなものも本発明の技術的範囲に含まれる。
(2)支持リブ上に伝熱プレートを仮止めする手段として、上記実施形態に例示したコーキング材以外に、他の接着剤を用いてもよい。また、第2防水シールを形成する第2コーキング材に仮止め手段を兼用させてもよい。さらに仮止め手段を割愛してもよい。
(3)伝熱プレートを浮いた状態に支持する支持リブに関し、その数や形状については適宜に変更してもよい。また、支持リブを設けることに代えて、例えばボスのようなものをマトリックス状に配置する等の他の構造を採用してもよい。
(4)さらに本発明は、伝熱プレートを浮いた状態に支持する手段を講じていないものについても、同様に適用することができる。
(6)伝熱プレートに配される凍結防止ヒータは、いずれか一方であってもよく、また配線の位置も変更可能である。
(7)エアダクトは、冷蔵庫本体の一方の側壁に向けて下り勾配となった姿勢で設けられるようになっていてもよい。
(8)本発明は冷蔵庫に限らず、冷凍庫、急速凍結庫等、要はドレンパンを兼ねたエアダクトが合成樹脂製であって、同エアダクト上にヒータが設けられた金属製の伝熱プレートが敷かれた構造になる冷却貯蔵庫全般に広く適用することができる。
Claims (2)
- 貯蔵庫本体の天井部には、ドレンパンを兼ねた合成樹脂製のエアダクトが一側に向けて下り勾配となった斜め姿勢で張設されることにより冷却器が収容された冷却器室が形成され、前記冷却器からの除霜水が前記エアダクト上を流下して同エアダクトの下部位置に設けられた排水路から前記貯蔵庫本体の壁面に設けられた排水部に排水されるようになっているとともに、
前記エアダクト上にはヒータが設けられた金属製の伝熱プレートが敷設され、かつ、この伝熱プレートにおける前記除霜水の流下方向に沿った側縁と前記エアダクトとの間を水密に接続する防水構造が施されており、
前記防水構造は、前記伝熱プレートの前記側縁と前記エアダクトとの間にコーキング材が塗布されていることで構成されており、
前記伝熱プレートの下縁と前記エアダクトとの間には、前記排水路の入口を囲むような経路でコーキング材が塗布されており、
前記排水路の前記入口を囲むような経路で塗布された前記コーキング材は、前記排水路の前記入口に向かって開口するコの字状をなしていることを特徴とする冷却貯蔵庫。 - 前記エアダクトには前記伝熱プレートを浮いた状態で支持する複数の突部が、前記除霜水の流下方向とほぼ直交する方向に間隔を開けて並んで設けられていることを特徴とする請求項1記載の冷却貯蔵庫。
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