JP4545654B2 - 冷却貯蔵庫 - Google Patents
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Description
また冷却ダクトの奥壁側に冷気の吹出口を設ける場合は、冷却ダクトの奥壁が、貯蔵庫本体の奥側の壁面との間に間隔を開けて設けられ、その隙間によって吹出口が形成されることが多いが、上記のように成長した氷が吹出口を塞ぎ、冷気の円滑な循環供給が妨げられるおそれもあった。
本発明は上記のような事情に基づいて完成されたものであって、その目的は、除霜水等の排水不良を防止するところにある。
請求項3の発明は、請求項1または請求項2に記載のものにおいて、前記加熱手段がコードヒータであって、このコードヒータが前記ドレンパンの前記側壁の外面に沿って配線されており、かつ前記ダクトの前記排水路が上面開口の溝形に形成される一方、前記ドレンパンの前記排水口側から前記排水路の上面開口を覆うようにしてカバーが突設され、前記コードヒータの一部が前記カバーの上面に配線されているところに特徴を有する。
請求項5の発明は、請求項1ないし請求項4のいずれかに記載のものにおいて、前記ドレンパンにおける前記側壁の上縁には、前記加熱手段が装着された空間を覆う蓋部が設けられているところに特徴を有する。
ドレンパンにおける排水口が設けられた側壁には、除霜運転時に霜の塊が付着したり、冷却運転時に着霜する可能性があるが、この側壁の裏側には加熱手段が配されて同側壁が加熱されるために、付着した霜の塊や霜が速やかに融かされて排水口から排出され、霜の塊や霜等が凍結して成長することが阻止される。そのため、ダクトの排水路が塞がれることが防止され、除霜水を円滑に排水することができる。
ダクトの側壁と貯蔵庫本体の壁面との間に冷気の流通路が構成されている場合、その流通路がダクトの側壁側から張り出した凍結物で塞がれることが防止され、庫内の冷気循環を安定して行うことができる。
<請求項3の発明>
加熱手段がコードヒータであり、このコードヒータがドレンパンの側壁の外面に沿って配線されて貼り付け等により装着される。特にドレンパンが金属製である場合には、熱変形を招くことなく側壁を効率良く加熱することができる。また、ドレンパンの側壁に沿って配線されたコードヒータの途中位置等が、排水路の上面を塞いだカバーの上面に配線される。1本のコードヒータでもって排水路内も加熱することができる。
カバーの上面に付着した霜がコードヒータの熱で融かされ、カバーの先端から排水路側に滴下される。
<請求項5の発明>
ドレンパンの側壁に設けられた蓋部が、加熱手段の装着空間を塞いでいるから、加熱手段に手を触れることから防止される。
以下、本発明の一実施形態を図1ないし図16に基づいて説明する。
図1において、符号10は冷蔵庫本体であって、内箱11と外箱12との間に発泡樹脂等からなる断熱材13が充填された前面開口の縦長の断熱箱体から構成されており、4本の脚14で支持されているとともに、内部が貯蔵室15となっている。貯蔵室15内には、棚受部材16を介して棚網17が多段に設置できるようになっている。貯蔵室15の前面の開口部18には、断熱扉19が揺動開閉可能に装着されている。
貯蔵室15の天井部分における窓孔28の下面側には、詳しくは後記するように、冷却ダクト40が張設され、その上方に冷却器室30が形成されている。冷却ダクト40の底面は、奥縁(図1の右側)に向けて下り勾配となるように形成され、手前側の領域に吸込口32が開口されているとともに、奥縁と貯蔵室15の背面壁15Bとの間に吹出口33が形成されている。
冷却ダクト40はABS樹脂等の合成樹脂製であって、図4及び図5に示すように、平面略方形の皿状に形成されており、ただし左右の側壁41は、手前側(図4の左側)から奥側に向けて次第に背が高くなるように形成され、後記するように、同側壁41の上縁が水平姿勢をなすように取り付けられ、その取付状態において、冷却ダクト40の底面42が奥縁に向けて下り勾配となった傾斜姿勢を取るようになっている。
各取付板43の上縁には、前後2箇所の位置において掛止部45が形成されている。前側(図4の左側)の掛止部45Fは、後方を向いた鈎形に形成され、その掛止縁46Fは後方に向けて下り勾配となっている。後側の掛止部45Rには、後縁に開口した溝47が切られており、この溝47は溝の奥に向けて幅が次第に狭くなり、掛止縁46Rとなる溝47の上縁は、上記した前側の掛止部45の掛止縁46Fとは逆に、前方に向けて下り勾配となっている。なお、後側の掛止部45Rにおける溝47が切られた後部を含め、取付板43の後部側の所定領域48が、他の部位と比べて厚肉部とされている(図5参照)。
また、正面から見た右側の取付板43には、前側の掛止部45Fの形成位置の下方内側に、庫内ファン35のリード線35Bを保持するパースロック49(図3参照)の装着位置が設けられている。
なお、冷却ダクト40の左右の側壁41等が、窓孔28の下面側における左右の側縁等に当たった場合に、掛止部45の掛止縁46と、対応する突部52の掛止面53との間に、上下方向に1mm程度の隙間cが開く設定としておくと、例えば天井壁15Aが膨張した場合等にも掛止を担保し得る、いわゆる余裕度が得られる。
冷却ダクト40の底面における手前側の領域には、上記した吸込口32が左右に2個の並んで形成されている。吸込口32の回りには、四隅に位置するようにして取付座59が設けられおり、庫内ファン35はケーシング35Aの四つ角が取付座59に嵌められ、図3に示すように、対角の2位置がねじ60で止められることで固定されている。また、吸込口32の側縁部には、リベット孔61が図示3箇所開口されている。
係る構造としたことにより、リード線35Bが庫内ファン35に巻き込まれるおそれがなく、また固定片63Bに一巻きしたことでストレインリリーフ機能が果たされ、機械室21側からリード線35Bが引っ張られた場合にも、モータ側の接続端に負荷が加わることが回避される。
左右の奥壁79A,79Bの上縁には、それぞれ左端または右端から分断端の少し手前の位置にわたり、フランジ83が奥側に直角曲げして形成されており、このフランジ83が、上記した冷却ダクト40とドレンパン75の奥壁65,79同士の間に形成された装着空間82の上面を覆うようになっている。
すなわち、ドレンパン75が冷却ダクト40の底面42の所定位置に張られると、排水口80の上縁から突設されたカバー85が、排水路67の中央高さ位置よりも少し上方位置に嵌って、カバー85と排水路67の底面との間に十分な流通断面を確保しつつ排水路67の上面開口を塞ぐ。またカバー85の先端は、図3に示すように、排水路67の先端よりも控えた位置、例えば側壁に設けられた逃がし部68の手前の位置まで達している。
コードヒータ90の配線態様の一例は、以下のようである。図11に示すように、まずコードヒータ90の一端が、右奥壁79B(同図では左側)の外面における右端のほぼ中央高さ位置に配されて、同右奥壁79Bの外面に沿って排水口80に向けて配線される。続いて図9に示すように、カバー85の上面における右側縁に沿って先端側に向けて配線され、カバー85の先端から突出したところでUターンされて、反対の左側縁に沿って基端側に向けて配線される。次に、再び図11に示すように、左奥壁79Aの外面における中央高さ位置を左端(同図では右端)まで配線される。コードヒータ90の他端から引き出されたリード線92は左端で上方にUターンされたのち、左奥壁79Aから右奥壁79Bにわたる外面の上部位置に沿って配線される。
なお排水用通路38の下端部には、図示しないドレンホースが接続され、排水溝等の排水箇所に導かれている。
筒状本体部98の先端の外周縁からは、ラッパ状に広がった密着環99が形成されている。ただし密着環99は、筒状本体部98に対して軸線が傾いていて、図15に示すように、先下がりの排水路67に嵌装された場合に、密着環99の開口面が鉛直姿勢を取るようになっている。
また基端側では、上面部の外面側からひれ部100が突設されているとともに、底部では、下部ストッパ71を逃がす逃がし溝101が切り込み形成されている。
パッキン97が装着された状態で、排水路67が接続口95内に正規量挿入されると、密着環99が弾性変形しつつ接続口95における背面壁15Bの内面への開口縁に押し付けられて密着し、排水路67の差し込み部分がシールされるようになっている。
冷却ダクト40の組み付け並びに取り付けは、以下のようにして行われる。まず、ドレンパン75に対してコードヒータ90が配線される。繰り返すと、コードヒータ90は、正面から見た右奥壁79Bの外面に沿って配線されたのちカバー85の上面に至り、そこで折り返されたのち左奥壁79Aの外面に沿って配線され、リード線92ともどもアルミ箔94によって貼り付けられる。なお、カバー85の上面での折り返し部93は、カバー85の先端から突出して浮いた状態にある。また両リード線92は、右奥壁79Bの端部からまとめて引き出される。
それとともに、冷却ダクト40の吸込口32にはそれぞれ庫内ファン35が載置され、対角の2位置でねじ60で止められて固定される。各庫内ファン35のリード線35Bは、固定片63Aの内側に挟まれたのち、4本揃って一番の右側の固定片63Bに一巻きされ、パースロック49で保持されて導出される。
それには、同図の矢線に示すように、冷却ダクト40に立てられた左右の取付板43の前後の掛止部45F,45Rが、それぞれ左右の窓枠51に形成された前後の突部52F,52Rよりも前方(図16の左側)に外れた位置において、排水路67を接続口95に差し込みながら、左右の取付板43が左右の窓枠51の内面に沿って下方から入れられる。冷却ダクト40の前壁44並びに左右の側壁41の上縁が、窓孔28の下面側における前縁から左右の側縁にわたって当たるまで押し上げられると、各掛止部45の掛止縁46が、対応する突部52の上方に至るから、引き続いて冷却ダクト40を奥側に押し込むと、図8に参照して示すように、後側の掛止部45Rの溝47が後側の突部52Rに案内されつつ嵌って、掛止縁46Rが掛止面53Rに掛止され、また前側の掛止部45Fの掛止縁46Fが前側の突部52Fの掛止面53Fに掛止されて仮保持される。ここで、前後の突部52F,52Rの掛止面53F,53Rが互いに逆向きの傾斜面とされているから、前後の掛止部45F,45Rを対応する突部52F,52Rに掛止したのちは、手を放しても冷却ダクト40が落ちることはない。
最後に、冷却ダクト40の前縁側に設けられた2箇所の取付座55の挿通孔57にねじ56を通し、天井壁15Aのねじ孔に螺合して締め付けることにより冷却ダクト40が固定され、冷却ダクト40の取り付けが完了する。
除霜運転は、冷却器26に設けられた除霜ヒータ(図示せず)に通電して加熱することで行われ、冷却器26等に付着した霜が溶けて除霜水となってドレンパン75上に滴下し、その底面の傾斜に倣って奥壁79まで流下するとともに、奥壁79の傾斜に沿って排水口80まで流れ、同排水口80から冷却ダクト40の排水路67を通って背面壁15Bの排水用通路38に流入される。排水用通路38に流入した除霜水は、同排水用通路38中を流下したのち、ドレンホースを介して所定の排水箇所に排水される。
一方、カバー85上には冷却運転中に着霜する可能性があるが、カバー85はその先端が排水路67の先端よりも控えて設けられる一方、カバー85上には上記のようにコードヒータ90が折り返して配線され、U字状の折り返し部93がカバー85の先端から突出して、排水路67の底面から浮いた状態となっているから、カバー85上に着霜があった場合は、コードヒータ90の熱で融かされてカバー85上を傾斜に倣って流下したのち、先端から排水路67に滴下して排出される。
なお、カバー85を含む排水路67の基端側の大部分がパッキン97の筒状本体部98で覆われていて、コードヒータ90の熱が逃げにくくなっているから、霜の塊や霜がより融かしやすくなる。
ここで、カバー85を含む排水路67の基端側の大部分がパッキン97の筒状本体部98で覆われていて、コードヒータ90の熱が逃げにくくなっているから、霜の塊や霜がより融かしやすくなる。また、排水路67の内底面にリブ70が立てられているから、上記したコードヒータ90の折り返し部93からの放射熱を受けて排水路67がより加熱されやすくなる。
ドレンパン75は、裏面における周縁部の全周にわたってコーキング材103が塗布された状態で、冷却ダクト40の底面に押し付けられて張られているから、同コーキング材103によってドレンパン75と冷却ダクト40との間に除霜水等が浸水すること、ひいてはそれが凍結することが防止される。
本発明は上記記述及び図面によって説明した実施形態に限定されるものではなく、例えば次のような実施形態も本発明の技術的範囲に含まれ、さらに、下記以外にも要旨を逸脱しない範囲内で種々変更して実施することができる。
(1)上記実施形態では、冷却ダクトにおける排水路が設けられた奥壁側に冷気の吹出口が設けられた場合を例示したが、吹出口は別の側壁側に設けられていてもよい。
(2)上記実施形態では、冷却ダクトが言わば前後方向を向いて設けられていたが、冷却ダクトは左右方向を向いていて、左右いずれか一縁側から庫内空気を吸い込んで、他縁側から冷気を吹き出す構造であってもよい。
(4)本発明は冷蔵庫に限らず、冷凍庫、急速凍結庫等、要はダクト内に除霜水を受けるドレンパンを設けた形式の排水構造を備えた冷却貯蔵庫全般に広く適用することができる。
Claims (5)
- 貯蔵庫本体の天井部にはダクトが配設されることにより冷却器が収容された冷却器室が画成され、このダクトの側壁には排水路が突設されて前記貯蔵庫本体の壁面に設けられた排水用通路に進入しているとともに、前記冷却器の下方にはドレンパンが配設されて、このドレンパンにおける前記ダクトの前記側壁と対向した側壁に設けられた排水口が前記排水路に臨んでおり、前記ドレンパンで受けられた除霜水が前記排水口から前記排水路を通って前記排水用通路に排出されるようにした冷却貯蔵庫において、
前記ドレンパンと前記ダクトの前記側壁同士の間には、加熱手段が装着されていることを特徴とする冷却貯蔵庫。 - 前記ダクトの前記側壁が、対向する前記貯蔵庫本体の壁面との間に間隔を開けて設けられ、前記冷却器室と庫内との間の冷気の流通路が形成されていることを特徴とする請求項1記載の冷却貯蔵庫。
- 前記加熱手段がコードヒータであって、このコードヒータが前記ドレンパンの前記側壁の外面に沿って配線されており、かつ前記ダクトの前記排水路が上面開口の溝形に形成される一方、前記ドレンパンの前記排水口側から前記排水路の上面開口を覆うようにしてカバーが突設され、前記コードヒータの一部が前記カバーの上面に配線されていることを特徴とする請求項1または請求項2記載の冷却貯蔵庫。
- 前記カバーの先端が前記排水路の先端よりも手前に控えている一方、前記コードヒータは、前記カバーの先端から突出して前記排水路の上方に臨んで配線されていることを特徴とする請求項3記載の冷却貯蔵庫。
- 前記ドレンパンにおける前記側壁の上縁には、前記加熱手段が装着された空間を覆う蓋部が設けられていることを特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれかに記載の冷却貯蔵庫。
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