JP5052203B2 - 断熱箱体の開口部構造 - Google Patents
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Description
従来、この種の天井壁の開口部構造としては、特許文献1に記載されているように、外箱の開口縁と内箱の開口縁とに亘って略チャンネル形をなす合成樹脂製の連結体が装着されることで、開口部の周面が形成されている。連結体はより具体的には、一方の側壁の突出端から弾性接触片が延出形成されるとともに、他方の側壁の内側に間隔を開けて弾性舌片が形成されていて、同連結体は、弾性接触片を外箱の開口縁の内面に挿入して弾性的に密着させるとともに、他方の側壁と弾性舌片との間に内箱の開口縁を弾性的に挟持することにより、両箱の開口縁間を塞いで装着されるようになっている。
本発明は上記のような事情に基づいて完成されたものであって、その目的は、断熱材の漏れ止めを図るところにある。
また、前記連結体は、前記外箱の開口縁側と連結される上端部が外側に拡がるように後退した段差状に形成されているから、段差部分を、例えば各種配線等の仮収容部として利用できる。
また、以下のような構成としてもよい。
以下、本発明の一実施形態を図1ないし図12に基づいて説明する。この実施形態では、4ドア型の冷蔵庫を例示している。
本実施形態の冷蔵庫は、図1ないし図3に示すように、前面開口のやや縦長の断熱箱体からなる本体10を有している。本体10は大まかには、亜鉛鋼板等の金属板製の複数枚のパネルを組み付けてなる前面開口の外箱11内に、ステンレス鋼板等の金属板製の複数枚のパネルを組み付けてなる内箱12が間隔を開けて収容され、両箱11,12の間に、発泡ウレタン樹脂等の発泡樹脂からなる断熱材13が発泡充填されることで形成されている。
本体10内は冷蔵室15とされ、棚柱16を介して棚網17が多段に設置できるようになっているとともに、本体10の前面開口部18には、十字形に組まれた断熱性の仕切枠19が装着されることで計4個の出入口20が形成され、観音開き式の断熱扉21が上下2段に分かれて装着されている。
冷凍ユニット25は、平面方形をなす断熱性の基台26の上面に、圧縮機28、空冷式の凝縮器29等からなる冷凍装置27が載置されるとともに、下面側に冷却器30が吊り下げて取り付けられ、冷凍装置27と冷却器30とが冷媒配管により循環接続された構造となっている。
一方、機械室24の底面、言い換えると本体10の天井壁32には、詳しくは後記するように、基台26よりも一回り小さい方形孔からなる天面開口部33が形成されており、上記した冷凍ユニット25の基台26が、冷却器30を天面開口部33の下面側に通しつつ天面開口部33を塞いで取り付けられている。
したがって冷却ファン38が駆動されると、図1の矢線に示すように、冷蔵室15の空気が吸込口37から冷却器室36内に吸い込まれ、冷却器30を流通したのち吹出口39から冷蔵室15に向けて吹き出されるといった循環流が生じ、冷蔵室15内が冷却される。
なお適宜に除霜運転が行われ、冷却器30等からの除霜水は、エアダクト35の奥端に設けられたドレンパイプ41から、本体10の奥壁等に設けられた排水路42を通って、庫外に排水されるようになっている。
外装天板50は、上記したように亜鉛鋼板等の金属板製であって、正面から見て左右方向に長い平面長方形に形成されており、その横幅方向の中央部で、かつ奥行方向の奥側に寄った位置に、左右方向に長い角孔51が開口されている。この角孔51の開口縁には、下向きに直角曲げされた短寸の屈曲部52が、全周に亘って形成されている。なお、同角孔51の右手前の隅部には、逃がし孔53が手前側に向けて切り欠き形成されている。
各周壁71の断面形状は、図8にも示すように、縦壁72の上端部から横壁73が外方に張り出し形成され、同横壁73の張り出し端の全周に亘る上面に、厚肉部74Uが立ち上がり形成された段差状となっている。同周壁71の上側厚肉部74Uの上面には、外装天板50の角孔51の開口縁に下向きに形成された屈曲部52が差し込まれる差込溝75Uが、全周に亘って形成されている。差込溝75Uは、外側の側面76Aが鉛直面であるのに対して、内側の側面76Bが、上部に向けて次第に内方に開いた傾斜面となっている。
また、差込溝75Uの内側の側壁79Aにおける係止突起77Uの形成位置と対向した位置には、係止突起77Uよりも幅広で、かつ上縁に向けて次第に幅広となる逆台形をなす逃がし用の切欠部80Uが形成されている。
差込溝75Uの外側の側壁79Bの突出端には、外向きのフランジ82Uが全周にわたって形成されており、このフランジ82Uの上面が、外装天板50の角孔51の開口縁における下面側(内面側)の口縁部51Aに密着する密着面83Uとなっている。
また、差込溝75Dの内側の側壁79Aにおける係止突起77Dの形成位置と対向した位置には、係止突起77Dよりも幅広で、かつ下縁に向けて次第に幅広となる台形をなす逃がし用の切欠部80Dが形成されている。
差込溝75Dの外側の側壁79Bの突出端には、同様に外向きのフランジ82Dが全周にわたって形成されており、このフランジ82Dの下面が、内装天板60の角孔61の開口縁における上面側(内面側)の口縁部61Aに密着する密着面83Dとなっている。
連結体70の周壁71における縦壁72の外面には、ほぼ中央高さ位置において、補強等に機能するフランジ92が全周にわたって形成されている。
上記したエアダクト35は、天面開口部33の下面に当てられて固定される際、エアダクト35の周縁に設けられた挿通孔にねじを通して、内装天板60の角孔61の開口縁に沿って形成されたねじ孔63(図4参照)にねじ込むことで固定されるが、内装天板60の上面側に突出したねじの突出端を保護壁93内に収めて、その付近に配線された電線と干渉することを回避するように機能する。
本実施形態のエアダクト35は、ねじ止め箇所が手前側の縁部における3箇所だけであるから、手前側の縦壁72に形成された保護壁93のみが実質的に使用される。左右の縦壁72の保護壁93は、エアダクトの種類が異なって、左右の周縁部でもねじ止めするような場合に使用される。
また、連結体70の左右の周壁71の内面には、図5及び図6に示すように、エアダクト35を吊り下げ掛止するための前後一対ずつの掛止部95が形成されている。
外箱11は、既述したように前面開口の箱形に組み付けられ、例えば、その奥面に排水路42が設けられ、また前面開口部18の口縁の裏面側に前面枠ヒータが配設される。このような外箱11の外装天板50の角孔51における下側の開口縁に対して、連結体70が組み付けられる。それには、連結体70が、電線の挿通孔88が右手前隅部に来る姿勢として角孔51の下側に入れられ、上面の差込溝75Uに対して、外装天板50の角孔51の開口縁に設けられた下向きの屈曲部52が差し込まれるようにして、連結体70が押し上げられる。
このとき、前面枠ヒータのリード線は、外装天板50の裏面に貼り付けられたのち、挿通孔88を通して外装天板50の上面に引き出され、一旦段差面87に沿って配線される。
詳細には、内装天板60の角孔61の開口縁に設けられた上向きの屈曲部62が、連結体70の下面の差込溝75Dに差し込まれるようにして、内装天板60すなわち内箱12が持ち上げられる。
図10及び図12に示すように、内装天板60の角孔61の上面側の口縁部61Aが、連結体70における下側の密着面83Dに当たるまで押し込まれると、係止孔65の上縁が係止突起77Dを通過するために、屈曲部62が復元変形しつつ係止突起77Dが係止孔65に嵌り、係止突起77Dの係止面78Aが係止孔65の上縁に係止する。このような係止動作が、係止突起77Dと係止孔65の組が設けられた箇所ごとに行われ、これにより連結体70の下縁が、内装天板60の角孔61における上側の開口縁に対して、外れ止めされて組み付けられる。
このような断熱箱体の外殻体が、発泡治具内にセットされて内外両面から押さえられ、例えば外箱11に形成された注入口(図示せず)から断熱材13である発泡ウレタン樹脂の原液が注入されて、これが両箱11,12の間の中空内で発泡し充填されることにより、断熱箱体が形成される。
ただし、発泡ウレタン樹脂は相応の発泡圧を持って発泡するため、その一部が、外装天板50の口縁部51Aと上側の密着面83Uの間、あるいは内装天板60の口縁部61Aと下側の密着面83Dの間を拡げつつ、図12の矢線に示すように、同隙間に侵入する可能性がある。しかしながら、仮に発泡ウレタン樹脂が侵入したとしても、密着面83U,83Dに設けられた凹部85に溜められ、それ以上侵入すること、ひいては外部に漏れ出ることが防がれる。
また、前面開口部18には、十字形に組まれた断熱性の仕切枠19が装着され、それによって形成された出入口20に断熱扉21が装着されることになる。
連結体70の周壁71の上下両縁にフランジ82U,82Dが設けられ、同フランジ82U,82Dに設けられた密着面83U,83Dが、外装天板50における角孔51の口縁部51Aと、内装天板60における角孔61の口縁部61Aにそれぞれ密着されることで、外装天板50と内装天板60の角孔51,61の開口縁同士が閉鎖されていることに加え、両密着面83U,83Dには凹部85が形成されている構造であるから、仮に断熱材13である発泡ウレタン樹脂が、外装天板50の口縁部51Aまたは内装天板60の口縁部61Aと、対向する密着面83U,83Dの間に侵入したとしても、密着面83U,83Dに設けられた凹部85に溜められ、それ以上侵入すること、ひいては外部に漏出することが防止される。
外装天板50の屈曲部52並びに内装天板60の屈曲部62と、それらが差し込まれる差込溝75U,75Dとの間には、各屈曲部52,62を抜け止めする手段を設けたから、連結体70を定位置に位置決めして組み付ける際に有利である。なお、抜け止め位置の設定によっては、上下両密着面83U,83Dを対応する外装天板50の角孔51の口縁部51Aまたは内装天板60の角孔61の口縁部61Aに対して密着状態をより強固に保持することが可能となる。
本発明は上記記述及び図面によって説明した実施形態に限定されるものではなく、例えば次のような実施形態も本発明の技術的範囲に含まれる。
(1)上記実施形態では、連結体が、天井開口部の4周面を構成するべく一体に繋がった方形の枠状に形成された場合を例示したが、同枠体は、各周面ごとの4本が備えられたもの、あるいは隣り合う2面を構成するL型をなす2本を有する等、複数本備えた形式であってもよい。
(3)本発明は冷蔵庫に限らず、冷凍庫、急速凍結庫等の冷却貯蔵庫全般の本体を構成する断熱箱体の開口部構造に適用することができる。
Claims (2)
- 外箱内に内箱を間隔を開けて収容して両箱の間に発泡樹脂からなる断熱材を充填した断熱箱体に設けられた開口部の構造であって、
前記開口部は前記断熱箱体の天井壁に形成され、
前記外箱の開口縁と前記内箱の開口縁とに亘るように合成樹脂製の連結体が装着され、 前記連結体のうち前記外箱の開口縁側と連結される上端部は、外側に拡がるように後退した段差状に形成され、これにより形成された段差面の内側にコーナ壁部が立ち上がり形成され、
前記外箱の開口縁の先端と前記内箱の開口縁の先端とは互いに対向するように屈曲され、
前記連結体には、前記外箱の開口縁の屈曲部と前記内箱の開口縁の屈曲部とがそれぞれ差し込まれる差込溝が形成され、
前記差込溝には、前記屈曲部に設けられた係止孔に嵌合する係止突起が設けられ、かつ前記差込溝のうち前記係止突起と対向する部分には、前記係止突起が前記係止孔に嵌合する際の前記屈曲部の変形を逃がす切欠部が形成され、
前記差込溝における前記断熱材と接触する側の側壁の突出端から前記外箱の開口縁の内面と前記内箱の開口縁の内面とにそれぞれ密着する密着面が延出形成され、この密着面には前記断熱材を溜めることが可能な凹部が設けられていることを特徴とする断熱箱体の開口部構造。 - 前記開口部は方形孔であり、前記連結体は前記方形孔の4周面を構成するべく一体に繋がった方形の枠状に形成されている請求項1記載の断熱箱体の開口部構造。
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