JP5097458B2 - 冷却貯蔵庫 - Google Patents
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Description
このドレンヒータは、言わば冷蔵庫本体内に埋設された状態となるため、そのリード線は、電装箱等が設置される冷蔵庫本体の上面側に引き出す必要がある。具体的な構造としては、断熱箱体の外殻を組み付ける途中において、排水路の入口にドレンヒータが装着されるとともに、そのリード線が、内箱の天板の上面上を開口部の一周壁の裏面に向けられ、そののち同周壁さらには隣り合う周壁の裏面に沿うように配線されたのち、例えば同開口部の一角部において外箱の天板に切り欠き形成された引出口から上面に引き出され、この状態で外殻内に発泡樹脂が発泡充填されるようになっている。
言い換えると、ねじ込まれたねじは、開口部の周壁の裏面において内箱の天板の上面に突出するが、同位置は、ドレンヒータのリード線が配線される場所でもあるため、突出したねじがリード線と干渉して断線を招くおそれがある。これを回避するには、リード線を周壁の裏面に沿って配線する場合に、ねじ孔の位置を避けて這わせる必要があり、しかも発泡樹脂の発泡充填時における発泡圧を受けてリード線がねじ孔の位置までずれてしまわないように、這わせたのちに適宜にテープを貼って固定する必要があって、その作業に手間が掛かるという問題があった。
本発明は上記のような事情に基づいて完成されたものであって、その目的は、配線作業の繁雑さを招くことなく、断熱箱体内の電線を断線等から保護するところにある。
上記により電線は、断熱材中をねじの突出部分を避けて配線されるから、カバーを取り付けるべくねじが下方からねじ込まれて、連結枠の周壁の裏面側に突出した場合にも、電線と干渉することが回避される。電線は、連結枠の周壁の裏面に沿うように単に配線すれば、2枚の規制板によって発泡の前後に拘わらず電線がねじの突出部分に侵入することが回避でき、すなわち配線に格別の気を遣ったり、手間を掛ける必要がない。
前記規制板の突出端縁の上部位置からは、同規制板の板面に沿った略水平姿勢で突片が突出形成されている。電線が突片に引っ掛かることにより、電線が規制板の上に乗り上げることが防止される。仮に規制板の上縁よりも上にねじの突出端が突出した場合にも、ねじが電線と干渉することが防止される。
本発明の実施形態1を図1ないし図14によって説明する。この実施形態では、4ドア型の冷蔵庫を例示している。
本実施形態の冷蔵庫は、図1及び図2に示すように、前面開口のやや縦長の断熱箱体からなる冷蔵庫本体10(以下、本体10という)を有している。本体10は大まかには、亜鉛鋼板等の金属板製の複数枚のパネルを組み付けてなる前面開口の外箱11内に、ステンレス鋼板等の金属板製の複数枚のパネルを組み付けてなる内箱12が間隔を開けて収容され、両箱11,12の間に、発泡ウレタン樹脂等の発泡樹脂からなる断熱材13が発泡充填されることで形成されている。
本体10内は冷蔵室15とされ、棚柱16を介して棚網17が多段に設置できるようになっているとともに、本体10の前面開口部18には、十字形に組まれた断熱性の仕切枠19が装着されることで計4個の出入口20が形成されている。これらの出入口20には、裏面にパッキン21Aが装着された断熱扉21が、上下2段に分かれて観音開き式の開閉可能に装着されている。
冷凍ユニット25は、平面方形をなす断熱性の基台26の上面に、圧縮機28、空冷式の凝縮器29等からなる冷凍装置27が載置されるとともに、下面側に冷却器30が吊り下げて取り付けられ、冷凍装置27と冷却器30とが冷媒配管により循環接続された構造となっている。
一方、機械室24の底面、言い換えると本体10の天井壁32には、基台26よりも一回り小さい方形孔からなる天面開口部33が形成されており、上記した冷凍ユニット25の基台26が、冷却器30を天面開口部33の下面側に通しつつ天面開口部33を塞いで取り付けられている。
各側板36は、天面開口部33の下面側の奥行寸法にほぼ等しい長さを有し、前縁側(図4の左側)がテーパ縁36Aとされているとともに、上縁が外側に直角曲げされてフランジ36Bが形成されている。両側板36が、天面開口部33の下面側の横幅にほぼ等しい間隔を開けて配される。
また、本体10の奥壁10Aには縦向きの排水路44が設けられ、その上端にはエルボ45が接続されて、冷蔵室15の奥面における上端部の所定位置に開口している。なお、排水路44の下端側は、例えば同奥壁10Aから側壁側に回り込んだのち、本体10の底面に開口している。
このうち、前面開口部18の口縁の裏面に配線される前面ヒータ48は、本体10(断熱箱体)が形成される前に予め配線され、言わば本体10の内部に埋設された状態であって、そのリード線48Aは、本体10の天井面からその上方に引き出されるようになっている。一方、仕切枠19は、本体10の前面開口部18に後付けで組み付けられるため、同仕切枠19に配線された前面ヒータのリード線(図示せず)は、仕切枠19の組み付け時に、本体10の天井壁32を貫通してその上方に引き出されるようになっている。
このドレンヒータ49も、本体10内に埋設された状態となるため、そのリード線49Aは、同じく電装箱等が設置される本体10の上面側に引き出す必要がある。ドレンヒータ49のリード線49Aは、上方に引き出されて天面開口部33の奥側の周壁の裏面を右端まで配線されたのち、右側の周壁の裏面に沿って手前側に配線され、天面開口部33の右手前角部から、前面ヒータ48のリード線48Aともども、上方に引き出されるようになっている。
ドレンヒータ49のリード線49Aも、本体10(断熱箱体)の外殻を組み付ける途中において予め配線され、その後に外殻内に発泡樹脂が発泡充填されるようになっている。
まず、本体10の天井壁32に設けられた天面開口部33の構造について説明する。本体10の天井壁32の外殻は、図6及び図7に示すように、外箱11の天板50(以下、外装天板50という)と、内箱12の天板60(以下、内装天板60という)と、連結枠70とによって形成されている。
外装天板50は、上記したように亜鉛鋼板等の金属板製であって、正面から見て左右方向に長い平面長方形に形成されており、その横幅方向の中央部で、かつ奥行方向の奥側に寄った位置に、左右方向に長い角孔51が開口されている。この角孔51の開口縁には、下向きに直角曲げされた短寸の屈曲部52が、全周に亘って形成されている。また、同角孔51の右手前の隅部には、逃がし孔53が手前側に向けて切り欠き形成されている。
各周壁71の断面形状は、縦壁72の上端部から横壁73が外方に張り出し形成され、同横壁73の張り出し端の全周に亘る上面に、厚肉部74Uが立ち上がり形成された段差状となっている。同周壁71の上側厚肉部74Uの上面には、外装天板50の角孔51の開口縁に下向きに形成された屈曲部52が差し込まれる差込溝75Uが、全周に亘って形成されている。
下側の差込溝75Dにおける外側の側面の下縁位置、同様に、長辺側の2本の差込溝75Dでは、全長をほぼ3等分する2位置における外側の側面の下縁に沿った箇所に、また短辺側の2本の差込溝75Dでは、長さ方向の両端部に寄った2位置における外側の側面の下縁に沿った箇所に、それぞれ横長の係止突起77Dが形成されている。一方、内装天板60の屈曲部62の根元部分には、各係止突起77Dと対応する位置ごとに、係止突起77Dが嵌る係止孔65が開口されている。差込溝75Dの外側の側壁の突出端には、同様に外向きのフランジ82Dが全周にわたって形成されており、このフランジ82Dの下面が、内装天板60の角孔61の開口縁における上面側(内面側)の口縁部61Aに密着する密着面83Dとなっている。
連結枠70の上面における右手前の角部からは、手前に張り出すようにして張出部90が形成されており、同張出部90には、上記した段差面87の右手前の角部から同段差面87と面一の状態で手前に延出するようにして延出部92が形成されている。この延出部92は、上記した外装天板50の角孔51の逃がし孔53の下方に対応して形成され、同延出部92には、リード線48A,49Aを挿通可能な電線挿通孔93が開口されている。
また、段差面87における内側の四隅には、角に丸みが付けられた平面アングル形の落下防止壁95が立ち上がり形成されている。同落下防止壁95は、上側厚肉部74Uの約半分の高さである。
一部既述したように、エアダクト35は、手前と左右のフランジ37C,36Bが、天面開口部33の下面側における手前と左右の口縁部にそれぞれ当てられて、ねじ42で止められて固定されるようになっている。そのため、同天面開口部33の下面側における手前と左右の口縁部となる、内装天板60の角孔61の手前と左右の口縁部61Aには、各フランジ37C,36Bのねじ42の挿通孔43と対応する位置ごとに、図13に示すように、バーリング部67が上向きに形成されて、ねじ孔68が切られている。
各規制板101は、図10及び図13にも示すように、下側フランジ82Dにおける密着面83Dから、上記した補強リブ99の少し下方位置に至る背の高さと、下側フランジ82Dの突出長さの2倍程度の突出長を有しており、同フランジ82Dの突出長さの同程度の間隔を開けて配されている。
なお、本実施形態では、ドレンヒータ49のリード線49Aが配線されるのは、天面開口部33の奥側と右側の周壁の裏面側だけであり、このうちねじ止めされて接触のおそれがあるのは、右側の口縁部のみであるから、右側の周壁71に設けられた規制部100のみが実質的に使用される。他の周壁71に設けられた規制部100は、リード線等の電線の配線位置が変更となって、それらの周壁71の裏面側に沿って電線が配線された場合に、ねじから保護することに機能する。
外箱11は、前面開口の箱形のうち外装天板50を除いた形態(前面開口部18の上側の口縁は含む)で組み付けられ、図5に示すように、前面開口部18の口縁の裏面側に前面ヒータ48が配線される。同前面ヒータ48は例えば、前面開口部18の裏面側の口縁における右上角部から、上縁、左縁、下縁及び右縁に沿い、同右上角部に戻るといったように配線されて、テープ等で貼り付けられる。前面ヒータ48の両端に接続されたリード線48Aは、自由状態で延出される。
それとともに、外箱11の奥面に排水路44が設けられ、その上端部の外周面にドレンヒータ49が装着される。ドレンヒータ49のリード線49Aも、自由状態で延出される。
それとともに、ドレンヒータ49のリード線49Aが、内装天板60の上面において、図5及び図12に示すように、連結枠70の奥側の縦壁72の裏面から、右側の縦壁72の裏面に沿うように配線され、特に右側の縦壁72の裏面では、図13及び図14に示すように、規制板101の突出縁に当たることで、それ以上、縦壁72の裏面側に侵入すること、言い換えると、ねじ孔68の位置まで侵入することが規制される。
リード線49Aの先端は、連結枠70の電線挿通孔93を通して上方に引き出され、上記した前面ヒータ48のリード線48Aとともに、一旦収容凹部88に収容される。
以上により、天面開口部33の外殻が形成される。それとともに、外箱11と内箱12の前面の開口縁同士の間が合成樹脂製のジョイナで閉鎖されつつ連結され、これにより、前面開口部18と天面開口部33とを備えた断熱箱体の外殻が形成される。
一方、外殻の内部では、連結枠70の回りに配線されたリード線49Aに対して、周壁71の裏面側に押し付けるような発泡圧が作用することがあるが、その場合も規制板101の突出縁に当たることで、ねじ孔68の位置まで侵入することが規制される。
このとき、同図に示すように、リード線49Aは、ねじ42の先端の突出位置から離間した位置に保持されているから、ねじ42の先端と干渉するおそれはない。
その他、冷蔵室15の内面に棚柱16が取り付けられ、また前面開口部18に、十字形に組まれた断熱性の仕切枠19が装着され、それによって形成された出入口20に断熱扉21が装着されることになる。
そこで本実施形態では、連結枠70の縦壁72の裏面に、2枚の縦向きの規制板101を間隔を開けて配してなる規制部100が設けられ、両規制板101の間に、内装天板60に設けられたねじ孔68が位置するようにしている。そのため、発泡前にリード線49Aが配線される際にリード線49Aが引っ張られたり、発泡時の発泡圧を受けた場合でも、リード線49Aは規制板101の突出縁に当たることで、ねじ孔68の位置、すなわちねじ42の突出部分に侵入することが規制される。
すなわち、リード線49Aの配線作業の繁雑さを招くことなく、本体10(断熱箱体)内のリード線49Aを断線等から保護することができる。
次に、本発明の実施形態2を図15によって説明する。この実施形態2では、規制部110の形状に変更が加えられている。
実施形態2の規制板111は、上記実施形態1に示した規制板101と同一形状の本体部112を備え、この本体部112の突出縁の上端部から、突片113が同本体部112の板面に沿って略水平方向に突出形成されている。突片113は例えば、本体部112の板厚と同じ幅を有していて、本体部112における下側フランジ82Dから突出した長さにほぼ匹敵する突出長さを有している。
図16は本発明の実施形態3を示す。実施形態3の規制部120では、規制板121の形状にさらに変更が加えられており、上記実施形態2に示した突片113の先端に、下向きに直角曲げされた屈曲部122が形成されている。屈曲部122の下端は、例えば、本体部112の1/3の高さ位置程度まで垂下している。
この実施形態3の規制板121によれば、ドレンヒータ49のリード線49Aがねじ42の突出位置に侵入すること、さらに規制板121の上面に乗り上げることが規制される。
そのため例えば、天面開口部33の口縁部において、内装天板60や外装天板50にドリルで孔を開ける後加工が必要となった場合、同孔開けの位置を、屈曲部122よりも外側に対応する位置に設定する限り、同位置にはリード線49Aが存在しないから、リード線49Aを傷付けるのを心配することなく、孔開け加工を行うことが可能である。
本発明は上記記述及び図面によって説明した実施形態に限定されるものではなく、例えば次のような実施形態も本発明の技術的範囲に含まれる。
(1)規制部の形状としては上記実施形態に例示したものに限らず、リード線がねじの突出位置に侵入することをより確実に防止するために、2枚の規制板の突出縁の間を塞いだり、両規制板の間の天面を塞ぐ等、他の形状であってもよい。
(2)ドレンヒータのリード線以外にも、前面ヒータのリード線等の他の電線が連結枠の周壁の裏側に沿うように配線されたものについても、本発明は同様に適用することができる。
(4)エアダクトは金属板製に限らず、合成樹脂製であってもよい。
(5)上記実施形態では、冷却器室を形成するカバーがエアダクトを兼用しているが、カバーとは別にエアダクトが備えられていてもよく、そのようなものも本発明の技術的範囲に含まれる。
Claims (3)
- 外箱内に内箱を間隔を開けて収容して両箱の間に発泡樹脂からなる断熱材を充填した断熱箱体製の貯蔵庫本体が備えられて、この貯蔵庫本体の天井壁に開口部が設けられ、前記天井壁の上面には、冷凍装置を搭載した断熱性の基台が前記開口部を塞いで設置されるとともに、前記開口部の下面側がカバーで覆われ、同カバーの周縁に設けられたフランジが前記開口部の下面側の口縁部に対して下方からねじがねじ込まれて固定されることにより、前記カバー内に、前記冷凍装置と接続された冷却器が収容された冷却器室が形成され、かつ前記開口部の裏側には電線が配線された冷却貯蔵庫において、
前記開口部は、前記外箱の天板に開口された窓孔の開口縁と、前記内箱の天板に対応して開口された窓孔の開口縁とにわたり、合成樹脂製の連結枠が装着されることで形成され、
この連結枠の周壁の裏面からは、2枚の縦向きの規制板が、前記カバーの固定用のねじの突出部分を挟むようにして、かつ同ねじの突出部分を超えた位置まで突設されており、
前記2枚の規制板の突出端縁の外側に沿って前記電線が配線されるようになっていることを特徴とする冷却貯蔵庫。 - 前記規制板の突出端縁の上部位置からは、同規制板の板面に沿った略水平姿勢で突片が突出形成されていることを特徴とする請求項1記載の冷却貯蔵庫。
- 前記規制板に設けられた前記突片の先端には、下向きに屈曲された屈曲部が形成されていることを特徴とする請求項2記載の冷却貯蔵庫。
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