JP5441518B2 - 冷却ユニット - Google Patents
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この冷却ユニットは、除霜水の蒸発機能も併せて保持した構造となっており、具体的には、合成樹脂製のベースの一側に、冷却器の載置部を兼ねたドレンパンが形成されて、同冷却器を覆って断熱カバーが被着されることで冷却器室が形成されるとともに、ベースの他側には蒸発皿が形成されて、圧縮機、ファン付きの凝縮器等からなる冷凍装置が設置され、上記のドレンパンには、同ドレンパンで受けた除霜水を流下させる排水路が、断熱カバーを貫通して蒸発皿に向けて斜め下方を向いた姿勢で設けられた構造となっている。そして、蒸発皿に貯留された除霜水は、冷凍装置の発熱を受けて加熱蒸発され、放散されるようになっている。
本発明は上記のような事情に基づいて完成されたものであって、その目的は、除霜水の蒸発促進用の熱が冷却器室に侵入することを抑えるところにある。
冷凍装置側からの熱が遮蔽板で遮られ、排水路を通って冷却器室内に侵入することが抑えられる。もって、冷却効率の向上を図ることができる。
(1)前記ドレンパンに対して前記蒸発皿が低位置に形成されており、前記排水路は前記ドレンパンから前記蒸発皿側に向けて略水平に延出したのち、出口が前記蒸発皿の底面に向けて垂下した形態で形成されており、この出口のほぼ全高に亘って前記遮蔽板が設けられている。
(2)前記蒸発皿上には、前記冷凍装置を構成する圧縮機とファン付きの凝縮器とが並んで設置されており、前記遮蔽板は、流下した除霜水を前記圧縮機の下面側に向けて案内可能な姿勢で設けられている。蒸発皿に流下される除霜水は遮蔽板で案内されて圧縮機の下面側に導かれる。圧縮機の熱源を効率的に利用でき、蒸発皿における除霜水の蒸発効率を向上させることができる。
(4)前記波立ち防止部材が、前記冷凍装置の構成部品の取付部材を兼ねている。蒸発皿内のスペースが有効利用できる。
本発明の一実施形態を図1ないし図12によって説明する。この実施形態では、穀物等を貯蔵する低温貯蔵庫を例示している。
図1及び図2において、符号10は貯蔵庫本体であって、前面開口の縦長の断熱箱体により形成されて内部が貯蔵室11となっており、底面に配された脚12によって支持されているとともに、前面の出入口に断熱扉13が揺動開閉可能に装着されている。
貯蔵庫本体10の上面には、冷却ユニット15が設置されている。この冷却ユニット15は、図10及び図12に参照して示すように、ユニットベース20上における一側に、冷却器50が収容された断熱性の冷却器室30が設けられているとともに、他側に冷凍装置80が設置されており、これらの上方がケース95で覆われた構造となっている。
この冷却室の基部31の周縁には、外壁32が全周に亘って形成されているとともに、この外壁32の内側には、平面視で外壁32よりも一回り小さい横長の長方形をなし、ただし同外壁32よりも背の高い内壁33が、間隔を開けてほぼ同心に形成されている。外壁32と内壁33とは、それぞれ手前側の壁面の横幅方向の中央部同士が、内壁33と同じ高さの厚肉の連結壁35によって連結されている。これにより、外壁32と内壁33との間には、後記する断熱カバー55の下端部を嵌めるための上下両面に開口した方形の環形溝37が形成されている。なお、連結壁35の上面には、冷媒配管86等を逃がすほぼ半円形の凹面35Aが形成されている。
また、環形溝37の底部側では、周方向の適宜間隔を開けた位置ごとに、内外の側面に亘る板状のリブ38が形成され、これにより形状保持のための補強がなされている。
内壁33内の上面部には、その横幅方向の中央部に冷却器50等の載置部を兼ねたドレンパン40が形成されているとともに、その右側と左側には吸込口41と吹出口42とが形成されている。吸込口41と吹出口42とには、それぞれルーバ43が形成されている。
ユニットベース20の第2領域21Bには、後記するように蒸発皿70が形成されており、上記した基部31の外壁32における手前側の壁面が、蒸発皿70の奥側の壁面70R(以下、奥壁70R)を兼ねている。
そして、ドレンパン40の手前側の周壁40F(以下、前壁40F)における左端に寄った位置、詳細には上記した連結壁35の左隣の位置に排水口45が切り欠き形成され、同排水口45から蒸発皿70の奥壁70Rに亘るように排水路46が形成されている。排水路46の周辺の構造については、後述する。
冷却ファン51はファンモータからなり、ドレンパン40の左側の壁面の内面側に設けられた支持台48に下端部を挿入することにより、軸線を左右方向に向けた姿勢において支持されている。
断熱カバー55の周壁56の下端部は、上記した基部31の環形溝37の底までほぼ緊密に嵌合されるようになっている。そのため断熱カバー55の周壁56の下端面には、上記した連結壁35と排水路46とを逃がす逃がし溝57が形成されている。この逃がし溝57の天面のうち、連結壁35の上面と対応する位置にはほぼ半円形をなす凹面58Aが形成され、排水路46の上面と対応する位置には、フラットな閉鎖面58Bが形成されている。
断熱カバー55の周壁56の下端面には、環形溝37の底部側に形成されたリブ38を全高に亘って挿入して逃がす逃がし溝60が形成されている。
なお、断熱カバー55の内面には、正規に被着された場合に、冷却器50の吹き出し側の面(左側面)において、冷却ファン51の前後両面を覆うガイド部61や、冷却器50と冷却ファン51の上面を押さえる押圧部62等が形成されている。
蒸発皿70における図3の左側の奥行の長い領域が、圧縮機81の設置領域となっており、同領域には、4個の支持部73が、奥行がやや長い長方形をなす形態で配されている。圧縮機81は、図9に示すように、その下面に設けられた4本の脚81Aを、各支持部73にそれぞれ固定することにより、底面から浮いた形態で設置されている。
凝縮器82の設置構造としては、蒸発皿70の右側壁の上縁から一段高い位置に張り出し形成されたフランジ74に、前後一対の差込溝75Aが形成されているとともに、蒸発皿70内の差込溝75Aの左側の位置には、上端に掛止爪76を設けた前後一対の支持柱75Bが立てられている。そして、凝縮器82は、図9に示すように、前後のエンドプレートの下端部に設けられた内方屈曲板82Aの右端部が差込溝75Aに差し込まれ、両屈曲板82Aの左端部が支持柱75Bに載せられて掛止爪76で係止されることにより、底面から浮いた状態で設置されている。
波立ち防止部材100は詳細には、図6及び図7に示すように、蒸発皿70の周壁に匹敵する高さを持った幅広と幅狭の前後一対の風向板101,102が、共に手前側の端部を右側に30度程度振った斜め姿勢をなして、一部をラップさせた形態で所定間隔を開けて互いに平行に配されており、そのラップした箇所が角筒状をなす連結部103で連結された形態となっている。同連結部103の上面には、ドライヤ84の途中位置を受ける受け面104が形成されているとともに、斜め方向に対向した一対の弾性掛止片105が設けられている。従ってドライヤ84は、風向板101,102に沿った姿勢で連結部103の受け面104に押し込まれ、弾性掛止片105で抜け止めされて保持される。
端的には、凝縮器ファン83の駆動によって図6の右側から左側に流れる冷却風のうち、蒸発皿70のほぼ深さ内に流れる冷却風は、波立ち防止部材100に当たることで圧縮機81側に向かうことが遮断され、風向板101,102の傾斜に沿って逃がされ、結果、圧縮機81の下側に強い風が流れることが規制されるようになっている。
そして、排水口45から蒸発皿70の奥壁70Rに至る連結壁35と仕切壁63との間には、図4に示すように、ドレンパン40の底面40Bの傾斜に連続するように先下がりに傾斜した底板46Bが形成され、これにより、ドレンパン40の排水口45から蒸発皿70の奥壁70Rの手前側に達する下り勾配の排水路46が構成されている。なお、底板46Bにおける蒸発皿70の奥壁70Rの上縁に繋がる部分では丸みが付けられている。
改めると、遮蔽板66の屈曲部67Bが、排水路46の出口68における蒸発皿70側に向いた開口を遮蔽し、すなわち蒸発皿70側に生じた暖気が正面から出口68側に向かうことを遮断する。一方、排水路46の出口68を流下した除霜水を図6の左側に曲げて、導出口69を通して圧縮機81の奥側に導くように機能する。
なお、蒸発皿70の左側壁の上縁部にはオーバフロー溝91が形成されているとともに、蒸発皿70の左右両側には把手部92が形成されている。
また、ケース95の右側面と左側面には、それぞれ冷却風の吸気口97と排気口(図示せず)とが形成されているとともに、両側面の下端には、ユニットベース20に設けられた把手部92を外部に臨ませる窓孔98が切り欠き形成されている。
ユニットベース20に設けられた蒸発皿70内に、圧縮機81、凝縮器82、ドライヤ84が取り付けられるとともに、ドレンパン40内に冷却器50が取り付けられる。この状態から、図9に示すように、圧縮機81、凝縮器82、ドライヤ84、キャピラリチューブ85及び冷却器50が冷媒配管86によって循環接続され、冷凍回路が構成される。冷媒配管86のうち冷却器50に対して出し入れされる冷媒配管86は、連結壁35の凹面35Aに載せられる。
次に、蒸発皿70内の凝縮器82の隣に凝縮器ファン83が取り付けられるとともに、ドレンパン40内の左側縁部に冷却ファン51が設置される。
このとき、断熱カバー55の周壁56の下端面が、環形溝37の開口した底面よりも若干突出する。また、逃がし溝57の天面の凹面58Aと、連結壁35の上面の凹面35Aとが合わさって円形の挿通孔が形成され、冷媒配管86が同挿通孔内にほぼ緊密に挿通された状態となるとともに、排水路46の上面が、逃がし溝57の天面の閉鎖面58Bで塞がれる。
最後に、ケース95が被せられる。ケース95は、前後の取付板96がユニットベース20の取付板23に重なった状態で、ユニットベース20の上方を全域に亘って覆った状態で被せられ、このとき左右の側面の窓孔98に把手部92が臨んだ状態となる。また、ケース95の天面が、冷却器室30の断熱カバー55の上面に当てられる。
冷却ユニット15は、両把手部92に手を掛けて持ち上げられ、図12に示すように、冷却器室30の基部31における内壁33の内部が開口部14と整合した状態で、貯蔵庫本体10の上面に載せられる。そして、ケース95とユニットベース20の取付板96,23が重なった状態で、ねじで共締めされることによって固定される。
このとき、冷却器室30を構成する断熱カバー55がケース95で押さえられた状態となって、周壁56の下面が開口部14の口縁部(スポンジシート)に押し付けられる。
また、導出口69は、凝縮器ファン83からの風の流れの下流側を向いて開口しているから、暖気の侵入を効率良く防止できる。
なお、排水路46は、冷却器50の載置部を兼ねたドレンパン40と一体的に形成されているのであるから、冷却運転中は、冷却器50の冷熱を受けて少なからず冷却された状態にある。ここで上記のように、排水路46の出口68には、左側を向いて開口した導出口69が形成されているから、同導出口69から暖気の一部が少量入り込んで排水路46を昇温させ、それにより底板46Bの裏面等に結露することが防止される。
蒸発皿70内に貯留された除霜水は、冷却運転に戻った際に、圧縮機81や凝縮器82からの発熱を受けて強制蒸発され、またこの間、上記したように凝縮器ファン83により外気が吸引されて、凝縮器82続いて圧縮機81を冷却したのちの排熱が排気口から排出され、外気が蒸発皿70の上面を通過することから、さらに蒸発が促されるとともに、蒸発皿70から立ち上った蒸気は、外気の流れを受けて排気口から排出されるところとなる。
また、凝縮器ファン83により冷却風が凝縮器82から圧縮機81へと流通する部分では、圧縮機81の手前側に、波立ち防止部材100が設けられているから、圧縮機81の下面側に強い風は流れず、そのため圧縮機81の下方で波立ちが起きることが抑制され、水しぶきを受けることに起因して圧縮機81が濡れることが防止される。
さらに、排出路46の出口68に設けられた遮蔽板66は、蒸発皿70の底面から立設されているから、これも波立ち防止の機能を備えている。また、波立ち防止部材100と、排水路46の出口68に一番近い位置の圧縮機81の支持部73と、出口68に設けられた遮蔽板66とで、蒸発皿70内を左右に分けるようになっており、これらの3部材で大きな波立ち防止部材の役割を担っている。
一方、排水路46から流下した除霜水を、遮蔽板66によって優先的に圧縮機81の下面側に導くようにしたから、圧縮機81の熱源を利用して、除霜水を効率良く蒸発させることができる。
なお、出口68の上方は開放しているから、掃除をする場合に便利である。
そのため、圧縮機81に付設された電気部品を保護でき、さらに支持部73に備えたゴム製の受け材の劣化防止や、圧縮機81のケースの錆び付き防止等を図ることができる。
波立ち防止部材100を、ドライヤ84の取付部材と兼用して設けているのであるから、別途備える場合と比べ、構造が簡略化されて蒸発皿70内のスペースを有効利用できる。
本発明は上記記述及び図面によって説明した実施形態に限定されるものではなく、例えば次のような実施形態も本発明の技術的範囲に含まれる。
(1)上記実施形態では、ドレンパンからの排水路が凝縮器ファンと圧縮機との間の位置に設けられている場合を例示したが、その他の位置、例えば凝縮器ファンの上流側や圧縮機の下流側に設けてもよい。その場合、遮蔽板は冷凍装置の熱源との間に位置し、また導出口は暖気が侵入し難い向きに開口すればよい。なお、導出口は複数設けてもよい。
(2)上記実施形態では、凝縮器ファンと圧縮機の配設関係が、正面から見て右側から凝縮器ファン、圧縮機の順に配置された場合を例示したが、左右逆向きであったり、前方から凝縮器ファン、圧縮機の順、さらにはその逆の順序等で配置されたものについても、本発明は同様に適用することができる。
(4)上記実施形態では、波立ち防止部材を、ドライヤの取付部材で兼用させたが、キャピラリチューブやそれに代わる膨張弁の取付部材で兼用させてもよい。さらに波立ち防止部材は、冷凍回路の構成部品の取付部材とは別に単体で備えるようにしてもよい。
(5)本発明は、上記実施形態に例示した低温貯蔵庫に限らず、冷蔵庫、冷凍庫、急速凍結庫等の冷却貯蔵庫全般に装備された冷却ユニットに対して適用することができる。
Claims (4)
- 貯蔵庫本体の上面に設けられる冷却ユニットであって、
合成樹脂製のベースの一側には、冷却器の載置部を兼ねたドレンパンが前記ベースと一体に形成され、このドレンパンに載置された冷却器を覆って断熱カバーが被着されることで冷却器室が形成されるとともに、前記ベースの他側には蒸発皿が形成され、かつ前記冷却器と接続されて冷凍サイクルを構成する冷凍装置が設置され、
前記ドレンパンには、同ドレンパンで受けた除霜水を流下させる排水路が前記蒸発皿を指向して形成されており、この排水路が上面開口の溝状に形成されており、
この排水路の出口には、前記冷凍装置と対向する側の面を遮る遮蔽板が設けられており、
前記ドレンパンに対して前記蒸発皿が低位置に形成されており、前記排水路は前記ドレンパンから前記蒸発皿側に向けて略水平に延出したのち、出口が前記蒸発皿の底面に向けて垂下した形態で形成されており、この出口のほぼ全高に亘って前記遮蔽板が設けられていることを特徴とする冷却ユニット。 - 前記蒸発皿上には、前記冷凍装置を構成する圧縮機とファン付きの凝縮器とが並んで設置されており、前記遮蔽板は、流下した除霜水を前記圧縮機の下面側に向けて案内可能な姿勢で設けられていることを特徴とする請求項1記載の冷却ユニット。
- 前記凝縮器のファンと前記圧縮機との間には、前記ファンからの送風を当てて側方に向ける波立ち防止部材が設けられていることを特徴とする請求項2記載の冷却ユニット。
- 前記波立ち防止部材が、前記冷凍装置の構成部品の取付部材を兼ねていることを特徴とする請求項3記載の冷却ユニット。
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