JP3599977B2 - 冷蔵庫の排水装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、排水の凍結を防止する冷蔵庫の排水装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の冷蔵庫の排水装置について説明する。多数の放熱フィンを備えた冷却器の下方にガラス管で覆われた除霜ヒータを設置し、この除霜ヒータの下方に樹脂等で成形された排水受皿を配設し、前記排水受皿の孔に合致する透孔を設けたアルミ等の金属板体で露受皿は形成されていた。除霜は周期的に行われ、除霜時には除霜ヒータは通電されて前記ガラス管を中心に放射状に熱を発散する。上方へは冷却器に付着した霜を融解する熱源とし、下方には露受皿に放熱し、霜や氷及び冷水が落下した後、0℃以上の水にして孔から発泡ウレタン内に埋没したドレン配水管を通じて庫外の蒸発皿へと導かれる。
【0003】
しかしながら、着霜状態や外気温度が低い場合、霜や氷が完全に溶けなかったり、蒸発皿上で表面張力でドレンを詰まらせる現象が起きる可能性があった。これを回避するための従来例として、例えば実公昭50―32390号公報がある。この従来例を図6に基づいて説明する。棒状熱良導体100の上端のフック部をヒータ管101に引っかけ、下端部を前記露受皿102の排水孔103に挿入しており、除霜時に発熱する除霜用ヒータのヒータ管101の熱を棒状熱良導体100で伝導させ露受皿102の排水孔103の付近を加熱して除霜水が凍結して出来た氷塊を溶解させ、又、排水孔103の付近に表面張力等で残留する除霜水を棒状熱良導体で収集して、水切り作用を良好にし、残留する除霜水を極力少なくするようにしていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
かかる従来例では、熱良導体は上端部のみの固定のため、冷蔵庫の輸送時や冷蔵庫設置時等、強い衝撃を受けた時、ヒータ管から外れ落ちる問題がある。またユーザが誤って冷凍室奥部の前記区画壁の仕切板の冷気吹出口や冷気吸込口から食品の小片を押し込み露受皿まで落ちた場合や冷蔵庫の組立時、誤って部品を前記露受皿に落とした場合、前記露受皿の排水孔を塞ぎ排水詰まりを起こし冷凍室内への水漏れ、水のあふれが生じる。
【0005】
さらに、前記熱良導体の他端は前記排水孔内に挿入されているだけのため、この排水孔に熱良導体が接触しないことがあり、排水孔への伝導熱が少なくなり排水孔内の水が凍結する問題があった。
【0006】
本発明は、上記の問題を解決するもので、冷凍室内の除霜時に除霜水が冷凍室内で水漏れ、水あふれを発生させることを防止し、除霜水を排水管を通して確実に外部へ導くことができる冷蔵庫の排水装置を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明は、断熱箱体の奥部に配置される冷却器と、この冷却器の下方に配置される露受 皿と、この露受皿と前記冷却器との間に配置されて上部に保護板を有する除霜ヒータと、この除霜ヒータの保護板に係合される熱良導体とを備え、前記熱良導体を前記除霜ヒータの端部と前記露受皿の排水孔の上方の保護板との両方に係合される係合部と、前記露受皿の排水孔に挿入されてこの排水孔に複数ヶ所接触する弾性部とで構成し、前記熱良導体の係合部での除霜ヒータからの汲み上げられる熱量を多くするとともに、弾性部を排水孔内で複数ヶ所接触させてこの排水孔と弾性部との固定を確実にするようにしている。
【0008】
【0009】
【発明の実施の形態】
以下本発明を図に基づき説明する。図1は冷蔵庫の縦断面図であり、図2は熱良導体の斜視図であり、図3は露受皿と除霜ヒータに取り付けた熱良導体の斜視図であり、図4は露受皿を切断して右から見た断面図であり、図5は露受皿を切断して左から見た断面図である。
【0010】
図1において、1は冷蔵庫であり、この冷蔵庫はその本体を構成する前面開口の断熱箱体2とこの箱体の開口を閉塞する扉3、4、5とで構成される。扉3は後述の冷蔵室6に対応する回動式の扉であり、扉4は後述の冷凍室7に対応する引出式の扉であり、扉5は後述の野菜室8に対応する引出式の扉である。9、10は断熱箱体2の内部を上下3室に仕切る横仕切壁であり、上側の横仕切壁9は上方を食品が凍結しない温度(例えば約+3℃程度)に冷却される冷蔵室6と下方を食品が凍結する凍結温度(例えば−20℃程度)に冷却される冷凍室7とに仕切り、下側の横仕切壁10は上方に冷凍室7と下方に野菜が凍結しない温度(例えば約+7℃程度)に冷却する野菜室8とに仕切っている。
【0011】
また、冷凍室7の奥には仕切板11が配置され、この仕切板の後方である断熱箱体2の奥部には冷却器としてのプレートフィン式の冷却器12及びプロペラファン等の送風機13が上下に配置される冷却器室14が形成されている。仕切板11の上部には冷却器12で冷却された冷気を冷凍室7へ吹き出すための吹出口15が設けられ、下部には冷凍室7内を循環した冷気を冷却器室14へ戻す冷気戻り用の戻り口16が設けられている。
【0012】
17は冷蔵室6への冷気ダクトであり、冷蔵室6への冷気分配はダンパー18により制御されている。断熱箱体2の下部の後部には圧縮機19及び蒸発皿20を配置する機械室21が形成されている。
【0013】
22は冷却器12の下方に配置された露受皿であり、この露受皿22は冷凍室7からの冷気の戻り口16に連通するとともに、野菜室8からの冷気の戻り通路(図示せず)に連通する吸込口23を側壁24に、除霜水を排出する排水孔25を底壁26の中央に下方に向かって小さくなるようにテーパー状に突出させて形成している。
【0014】
27は露受皿22と冷却器12との間に配置されて露受皿22の保持片28で保持されるガラス管製の除霜ヒータで、この除霜ヒータはガラス管29とこのガラス管内に配置された電熱線(図示せず)とガラス管29の両端を塞ぐ絶縁性のシリコンキャップ30とで形成されている。ガラス管29の上にはこのガラス管に冷却器12から直接露が落下しないようにする保護板31がシリコンキャップ30に取り付けられて設けられている。そして、保護板31は冷却器12から滴下する露が直接除霜ヒータ27に当たらないようにしている。
【0015】
32は除霜ヒータ27と露受皿22の排水孔25とを熱的に連結するアルミ線で形成される熱良導体で、この熱良導体は一端にシリコンキャップ30に係合される逆U字状の係合片部33と、他端に保護板31に係合される係合部34と露受皿22の排水孔25内に挿入される熱伝導用の弾性部35とで形成されている。係合片部33は先端33aを外側に広げて形成されている。係合片部33と弾性部35とは垂直な立ち上がり片36と保護板31に接触する水平片37とで連結されている。係合部34は保護板31を挟み込んで係合するとともに、一側に折り返されて排水孔25に除霜ヒータ27の熱を伝える主伝熱部35Aと他側に凸部38を介して直線状の副伝熱部35Bとを設け、主伝熱部35Aと副伝熱部35Bとを略平行にして弾性部35を形成している。そして、副伝熱部35Bは主伝熱部35Aより長さが短く形成されている。また、弾性部35は排水孔25の内径より大きい幅で形成されている。
【0016】
38は露受皿22の排水孔25から蒸発皿20まで除霜水を案内する排水管である。
【0017】
このように構成された冷蔵庫の排水装置において、除霜ヒータ27の熱を排水孔25に伝える熱良導体32は弾性部35を排水孔25内に上方から挿入し、シリコンキャップ30に係合片部33を保護板31に係合部34をそれぞれ上方から挟み込んで係合させて固定される。係合片部33は先端33aを外側に広げることにより、シリコンキャップ30への取付を容易にしている。また、保護板31に係合される係合部34は凸部38によって装着時に外れにくくされている。
【0018】
熱良導体32の弾性部35は折り返して2本で形成される主伝熱部35Aを先に排水孔25内に挿入し、この主伝熱部より長さの短い1本の副伝熱部35Bを後から排水孔25内に入るように変形させて挿入することにより、排水孔25内に3ヶ所接触することによる弾性力で保持される。副伝熱部35Bは主伝熱部35Aより長さを短くすることにより、排水孔25内に挿入されたときに主伝熱部35Aと副伝熱部35Bとが重なって排水孔25内でつまらないようにしている。
【0019】
熱良導体32はシリコンキャップ30に係合される係合片部33と、保護板31に係合される係合部34と、排水孔25に固定される弾性部35とで固定されることにより、冷蔵庫1の輸送時、又は設置時の衝撃等の振動を受けても容易に外れないようにされている。また、熱良導体32は係合片部33で端部のシリコンキャップ30に、係合部34で保護板31の中央にそれぞれ係合されることにより、左右どちらからでも除霜ヒータ27に取り付けることができるようにされている。
【0020】
熱良導体32は係合片部33、係合部34、立ち上がり片36及び水平片37を除霜ヒータ27のシリコンキャップ30及び保護板31に接触させることにより、除霜ヒータ27から主伝熱部35A及び副伝熱部35Bに伝わる熱量を多くすることができ、排水孔25での凍結を防止でき、氷塊によって排水孔25が塞がれたり、冷蔵庫1の組立時や冷蔵庫の修理時に誤ってビス、部品を露受皿22に落としたとしても熱良導体32の弾性部35によって排水孔25が塞がれて排水詰まりを起こし冷凍室7内への水漏れや、水あふれを防止できるようにしている。
【0021】
本発明よれば、断熱箱体の奥部に配置される冷却器と、この冷却器の下方に配置される露受皿と、この露受皿と前記冷却器との間に配置される除霜ヒータと、この除霜ヒータに上端部が係合される熱良導体とを備え、前記熱良導体を前記除霜ヒータに係合される係合部と、前記露受皿の排水孔に挿入固定される弾性部とで構成したので、前記除霜ヒータの熱を熱良導体で排水孔に導くことができるとともに、冷蔵庫の輸送時、設置時の衝撃、振動を受けても外れるのを防止することができる。
【0022】
【発明の効果】
本発明よれば、断熱箱体の奥部に配置される冷却器と、この冷却器の下方に配置される露受皿と、この露受皿と前記冷却器との間に配置されて上部に保護板を有する除霜ヒータと、この除霜ヒータの保護板に係合される熱良導体とを備え、前記熱良導体を前記除霜ヒータの端部と前記露受皿の排水孔の上方の保護板との両方に係合される係合部と、前記露受皿の排水孔に挿入されてこの排水孔に複数ヶ所接触する弾性部とで構成したので、前記熱良導体の係合部での除霜ヒータからの汲み上げられる熱量を多くするとともに、弾性部を排水孔内で複数ヶ所接触させてこの排水孔と弾性部との固定を確実にでき、熱良導体の冷蔵庫の輸送時、設置時の衝撃、振動を受けてもより外れにくくすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の冷蔵庫の縦断面図である。
【図2】本発明の熱良導体の斜視図である。
【図3】本発明の露受皿と除霜ヒータに取り付けた熱良導体の斜視図である。
【図4】本発明の露受皿を切断して右から見た断面図である。
【図5】本発明の露受皿を切断して左から見た断面図である。
【図6】従来の熱良導体を取り付けた除霜ヒータの斜視図である。
【符号の説明】
1 冷蔵庫
2 断熱箱体
12 冷却器
22 露受皿
25 排水孔
27 除霜ヒータ
31 保護板
32 熱良導体
33 係合片部
34 係合部
35 弾性部

Claims (1)

  1. 断熱箱体の奥部に配置される冷却器と、この冷却器の下方に配置される露受皿と、この露受皿と前記冷却器との間に配置されて上部に保護板を有する除霜ヒータと、この除霜ヒータの保護板に係合される熱良導体とを備えた冷蔵庫において、前記熱良導体は前記除霜ヒータの端部と前記露受皿の排水孔の上方の保護板との両方に係合される係合部と、前記露受皿の排水孔に挿入されてこの排水孔に複数ヶ所接触する弾性部とを備えたことを特徴とする冷蔵庫の排水装置。
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