JP5005858B2 - 金属ストリップのくせ取りのためのくせ取り機械 - Google Patents

金属ストリップのくせ取りのためのくせ取り機械 Download PDF

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、機械スタンドにおける少なくとも2つのくせ取りローラユニットによる引っ張りの下で、金属ストリップ又は金属板くせ取りのためのくせ取り機械であって、
前記くせ取りローラユニット、それぞれ金属ストリップの上下に配設されており、
前記くせ取りローラユニットが、
その縦軸線の回りに回転可能に配設された少なくとも1つのくせ取りローラと、くせ取り隙間を形成するための調整手段と、並びに、前記くせ取りローラユニットを金属ストリップ搬送平面に対して水平に機械フレームに隣接したローラ保守及び分解位置への移動のための案内手段とを備えたローラカセットを有する、前記くせ取り機械に関する。
【0002】
【従来の技術】
高い平面度及び最小の残留応力を有する板の形成のための金属板の延伸の際に、板を複数の上下のくせ取りローラによって形成され、板横断面に相応して調整されたくせ取り隙間を通って搬送しかつ交互に曲げることが公知である。
【0003】
ヨーロッパ特許出願第0446130号明細書から、それぞれ金属ストリップに対して上下に配設されていて、機械フレームにおいてストリップ走行方向に対してずらして配設された少なくとも2つのくせ取りローラユニットによって、引っ張り下にストリップをくせ取りするためのくせ取り機械が公知である。作業位置と金属ストリップから距離をおいた休止位置との間で、ストリップ走行方向に対して垂直に両装置を移動させるための案内及び制御手段が設けられている。各くせ取りローラユニットは、その少なくとも1つの軸線の回りに回転可能に組み付けられたワークロールをくせ取りローラとして支持しているシャーシ若しくはローラカセットを有する。保守若しくはローラ交換のために、両くせ取りローラユニットは交換装置によってストリップ走行方向に対して横に、機械フレーム若しくは機械集合体から側方に繰り出される。一方下部くせ取りローラユニット若しくはそのローラは、保守及びローラ交換のために好適な位置あり、ローラは上方に位置するために、上部くせ取りローラユニットのローラは、辛うじてアクセス可能である。上部のくせ取りローラユニットのローラのアクセス可能性を高めるために、引き出された位置において、そのローラを同様に上方位置にもたらすために、上部くせ取りローラユニットはその全体としてその縦軸線の回りに180°回転されることが提案されている。
【0004】
このために、少なくとも上部くせ取りローラユニットのシャーシは、2つの同列の回転軸上に回転可能に配設されており、くせ取りローラユニットは、それぞれシャーシの両端に配設された2つの支持要素において回転され、従ってワークロールを下方に向けた作業位置とワークロールを上方に向けた回転された保守及び分解位置との間を上方のくせ取りローラユニット全体が回転される水平の回転軸線を特定する。
【0005】
この解決は、コスト高である、そのわけは保守及び交換のためにくせ取りローラユニットのローラへのアクセスを保証するために、上部くせ取りローラユニットはそれぞれ全体として回転されねばならないからである。
【0006】
【発明が解決すべき課題】
本発明は、技術分野のくせ取り機械を、大きくない装置コストでかつ上部くせ取りローラユニット若しくは上部くせ取りローラユニット全体の回転をさせることなしに、上部くせ取りローラユニットのローラにその保守のために若しくは分解及び組み立てのためにアクセス可能にすることである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
この課題の解決のために、請求項1の特徴を有するくせ取り機械が提案される。有利な更なる展開は従属請求項並びに明細書の次の記載に開示されている。
本願のくせ取り機械は、少なくとも上部くせ取りローラユニットのローラカセットが軸受ユニットを有し、軸受ユニットはくせ取りローラ若しくはワークローラを収容しかつローラカセットの金属ストリップ進入側又は金属ストリップ出口側で閉じた位置と旋回されたローラ保守位置及び繰り出し若しくは組み込み位置との間に旋回可能に配設されるように、構成される。
この解決は、全てのくせ取りローラユニットがくせ取りローラユニットとして回転されることができるのではなく、必要なローラのみが、即ち、少なくともくせ取りローラが保守位置に旋回されるという利点を提供する。上部くせ取りローラユニットのための合理的な解決が問題となるので、軸受ユニットは下方でローラカセットに配設されている。ストリップにくせ取りローラが面した閉鎖位置と旋回された位置との間の旋回角度は、その際1つのローラ若しくは複数のローラにアクセスできるように選択される。
好適な実施形態によれば、軸受ユニットは各駆動側及び操作側のローラ端の支承のための少なくとも2つのローラハウジングを有する。これらのローラハウジングはそれぞれ1つの軸受ブロックに固定されており、軸受ブロックは片側でローラカセットに旋回可能に配設されておりかつその旋回点に向かい合って位置する側で、固定要素によって−好ましくは、ねじ結合によって−分解可能に閉鎖位置のためにローラカセットに係留可能である。
取り扱いの改善のために、ローラカセットの端面に、即ち、ストリップ走行方向に対して平行に延びる側にそれぞればね要素が配設されており、ばね要素は各軸受ブロックと協働しかつローラを含むローラユニットの合計重力と軸受ブロックの全重力とが殆どバランスするような寸法に特定されている。ガス圧力ばね、液体ばねの使用が推奨され又は機械的なばねも考えられる。旋回の際にガス圧力ばねのピストンロッド頭部が略その死点を越えて移動され、それによって軸受ユニットは跳上がりに抗して保守若しくは分解位置に固定保持される。
【0008】
軸受ユニットを手動的に旋回することも行われる。軸受ユニットに作用しかつ旋回運動を実施するマニピュレータの使用も考えられる。
【0009】
軸受ユニットの旋回運動の同期のために及びハンドルとしての機能において、軸受ユニットがローラカセットの縦軸線に沿って、即ち、走行方向に対して横に張り渡された湾曲枠が設けられ、湾曲枠は駆動側の軸受ブロックとも操作側の軸受ブロックとも結合している。
【0010】
くせ取りローラユニットの休止位置において、即ち、機械フレームの内方で、くせ取りローラユニットの金属ストリップから間隔を隔てた位置において旋回運動を実施することが基本的に考えられる。しかし、特に安全及び取り扱いの理由からくせ取り機械が案内手段を備え、即ち、両くせ取りローラユニットを金属ストリップ搬送平面に対して水平に機械フレームに隣接した保守及び分解位置への移動のために、交換装置を備えることが推奨される。
【0011】
さらに金属ストリップ、特に冷間圧延された薄厚ストリップの延伸のための設備−熱間圧延された薄厚ストリップの延伸も可能である−が提案され、設備は、そのような多数のくせ取り機械若しくは多数の、例えば6つのくせ取りローラユニットを備えたくせ取り機械並びにストリップ走行通過運動のための制御手段を有する。
【0012】
本発明の他の利点及び詳細は、請求項及び図示の本発明の好適な実施例の次の記載から明らかにされる。
【0013】
【実施例】
図1及び2は、金属ストリップ25の延伸くせ取りのためのくせ取り機械4を展望した縦断面図及び横断面図を示す。本発明により提案されたローラカセットでの軸受ユニットの旋回の解決は、図3〜図6に詳しく記載されている。くせ取り機械4の機械フレーム5には、上下にそれぞれ3つの上部ローラユニット1a〜1c及び下部ローラユニット6a〜6cが配設されており、くせ取りローラユニットはそれぞれ調整手段24a〜24fを備え、調整手段は、個々のくせ取りローラユニット若しくはくせ取りローラを作業位置にストリップ25に対して殆ど垂直に移動させかつ所望の作業位置に保持する。くせ取りローラユニットは、それぞれ1つのローラカセット2若しくはローラフレームから成り、各くせ取りローラユニットを機械フレームにおける第1位置と機械フレームに隣接する第2の保守及び交換位置との間を移動させるために、ローラカセット2若しくはローラフレームはストリップ25若しくはくせ取りローラから離れた端に案内手段(案内レール)8上を走行する案内ローラ3を有する(図2)。その際案内レール8は機械フレーム5の幅にわたってかつその上に延びている。引き出された位置において、後方の案内ローラ7’のみが案内レール8と接触し、一方ローラカセット2の前端は、棒材(10a)を介して繰り出された交換及び繰り出し装置(10’){繰り出していない位置では(10)で表す}上に載っている。ここに示すクレーン(フック9として図式的に示される)は、例えばローラカセットの内方には案内されていないローラここでは支持ローラの分解が必要な場合、交換装置からのローラカセットの分解のためにローラカセットを支持する。
【0014】
図3によって、本発明によって提案された上部くせ取りローラユニット1のローラカセット2に対するローラの旋回可能な配列が記載されている。上部くせ取りローラユニット1のローラカセット2の下方部分に沿って、延伸くせ取りローラが延びている。3つの支持ローラ12a,12b,12cによって支持された(図4も参照)2つの中間ローラ11a,11bの間を走行するくせ取りローラ10が対象とされる。くせ取りローラ10及び両中間ローラ11a,11bは、端側でそれぞれ1つのローラハウジング13に支承されている。このローラハウジング13は、軸受ブロック14と結合しており、軸受ブロックは、その片側でローラカセットの端面の下部分の旋回点Aにおいて旋回可能に支承されている。この旋回点は、金属ストリップ進入側又は進出側のいずれかに配置されることができる。この旋回点Aに相対している側には、軸受ブロック14が、ねじ装置15によってローラカセット端面側に係脱可能にロックされている。レバー要素16を介してガス圧力ばね17が軸受ブロック14に枢支されている。
【0015】
そのようなローラハウジング13、そのような軸受ブロック14並びにそのようなガス圧力ばね17は、ローラカセット2の駆動側にも操作側にも取り付けられている。一括して、それらは、軸受ユニット18を形成し、軸受ユニットはローラハウジング13によって収容されるローラ10,11a,11bの旋回軸の回りの旋回を可能にする。旋回運動では、旋回点Aの回りを軸受ブロック14が動かされ、図示の実施例では旋回角は、略66°、正確には65.6°になる。軸受ユニットの旋回可能な位置は一点鎖線で表されている。旋回運動によって、軸受ブロック14のレバー要素16に作用するガス圧力ばね17のピストンロッド頭部19は、ガスを充填されたシリンダにおいて、従ってばね力に抗してばね死点(ここでは19Aで示す)を越えて僅かに移動され、その結果軸受ユニット18’は保守及び分解位置において跳上げ力に抗して位置固定される。
【0016】
ローラハウジング13には、レバー20が固定されており、レバーは、駆動側若しくは操作側の軸受ブロックの間の湾曲枠としての運動の同期のために形成されている。この湾曲枠は、同時にハンドル21として形成されており、ハンドルは軸受ユニット18の簡単な手動の旋回運動を可能にする(ここでは図式的に表す)。
【0017】
図示の実施形態では、ローラカセットの各端面側の下面が傾斜して形成されており、その結果軸受ブロック14若しくは軸受ユニット18のための斜めの支持面が得られる。この角度位置−略20°−は、作業位置で金属ストリップとくせ取りローラ10の接触を改良しかつワークロールが延伸くせ取りの際にその受け部から飛び出すことを阻止するために選択されている。同時にこの角度位置は、提案された解決では有利であることが実証された、そのわけはローラカセットでの軸受ブロックの水平の配列に比して、小さい旋回角度でも保守作業員の十分なアクセスを達成し、それによって取り扱いが改善されるからである。しかし勿論、軸受ブロックの支持面は、水平に形成されることもできる(図5による図式的配列参照)。
【0018】
図4による前面図は、軸受ユニットの旋回されてない状態を示す。くせ取りローラ10及び両中間ローラ(ここでは11bのみが見えている)は、旋回可能なローラハウジング13に支承されている。このローラ上に支持ローラ12cが作用し、支持ローラは、ローラカセット2に固定して配設された軸受ブロック22a、22bに回転可能に支承されている。前記支持ローラ12cは、旋回されない。軸受ブロック若しくは軸受ユニットのための旋回軸線は、Bで表される。前記図5に対して、図6は軸受ユニット18の1つの断面の部分断面図を示しており、この軸受ユニットがローラカセットの端面に旋回可能に取り付けられる。ローラハウジングは、ローラ交換の際に分解及び組み込みを容易にするために、収容凹部23を備える。中間ローラ11bは、ラジアル方向に支承されておりかつ更に偏心して配設されたローラ27によって軸線方向に案内されている。くせ取りローラ10は、ラジアル軸受28にねじ込まれている。
【0019】
一括して、ローラの収容のための旋回可能な軸受ユニットの提案された解決によれば、容易にアクセス可能かつ良好に取り扱い可能な保守及び分解技術が得られる。本発明は、特定数のローラに限定されない。旋回可能なローラハウジングは、旋回可能なローラ数若しくはローラ型に相応して適合される。
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1は、6つのくせ取りローラユニットを備えたくせ取り機械を展望した横断面図である。
【図2】 図2は、交換装置を備えたくせ取り機械を展望した縦断面図である。
【図3】 図3は、軸受ユニットを備えたくせ取り機械の上部くせ取りローラユニットの閉鎖位置並びに旋回した保守及び分解位置における側面図である。
【図4】 図4は、図1による上部くせ取りローラユニットの前面の破断図である。
【図5】 図5は、水平に配設されている軸受けブロックを備えた軸受ユニットの側面図である。
【図6】 図6は、図5の軸受ユニットの側面断面図である。
【符号の説明】
1 くせ取りローラユニット
5 機械フレーム
6 くせ取りローラユニット
8 案内手段、案内レール
10 くせ取りローラ
24a 調整手段
24b 調整手段
24c 調整手段
24d 調整手段
24e 調整手段
24f 調整手段
25 金属ストリップ

Claims (9)

  1. 機械スタンド(5)における少なくとも2つのくせ取りローラユニット(1,6)による引っ張りの下で、金属ストリップ又は金属板くせ取りのためのくせ取り機械であって、
    前記くせ取りローラユニット(1,6)、それぞれ金属ストリップ(25)の上下に配設されており、
    前記くせ取りローラユニットが、
    その縦軸線の回りに回転可能に配設された少なくとも1つのくせ取りローラ(10)と、くせ取り隙間を形成するための調整手段(24a〜24f)と、並びに、前記くせ取りローラユニットを金属ストリップ搬送平面に対して水平に機械フレームに隣接したローラ保守及び分解位置への移動のための案内手段(8)とを備えたローラカセット(2)を有する、前記くせ取り機械において、
    上部ローラユニット(1)の少なくとも1つのローラカセット(2)が、軸受ユニット(18)を有し、
    前記軸受ユニット、少なくとも1つのくせ取りローラ(10)を収容し、且つ前記ローラカセット(2)の金属ストリップ進入側及び進出側で、閉鎖された作業位置と旋回されたローラ保守及び分解位置との間に旋回可能に配設されていることを特徴とする前記くせ取り機械。
  2. 軸受ユニット(18)が、各ローラ端部の支承のための少なくとも2つのローラハウジング(13)を有し、且つ、前記ローラハウジング(13)が、それぞれ1つの軸受ブロック(14)に固定されており、
    前記軸受ブロックが、ローラカセット(2)に旋回可能に配設されており、且つ、
    前記軸受ブロックのこの旋回点に向かい合って位置する側で、作業位置のための固定要素(15)によって、前記ローラカセットに係脱可能にロック可能であることを特徴とする請求項1に記載のくせ取り機械。
  3. 軸受ユニット(18)が、少なくとも2つのばね要素(17)を有し、これらのばね要素が、各軸受ブロック(14)に作用しかつローラ(10、11a、11b)を含めたローラハウジング(13)の合計重力と軸受ブロック(14)の全重力とが、殆どバランスしていることを特徴とする請求項1又は2に記載のくせ取り機械。
  4. ばね要素が、ガスばね又は液体ばね(17)又は機械的形式のばねであることを特徴とする請求項3に記載のくせ取り機械。
  5. 旋回レバー(20)が軸受ユニットに固定されていることを特徴とする請求項1から4までのうちのいずれか1つに記載のくせ取り機械。
  6. 旋回レバーが、駆動側軸受ブロック並びに操作側軸受ブロックと結合している軸受ユニットに張り渡された湾曲枠(21)であることを特徴とする請求項5に記載のくせ取り機械。
  7. ローラハウジング(13)に、1つのくせ取りローラ(10)及び2つの中間ローラ(11a、11b)の各ローラ端部の収容凹部(23)が形成されていることを特徴とする請求項1から6までのうちのいずれか1つに記載のくせ取り機械。
  8. 軸受ユニットが、1つのくせ取りローラ(10)及び2つの中間ローラ(11a、11b)のローラ端部を湾曲枠状に握持するローラハウジング(13)を有することを特徴とする請求項1から7までのうちのいずれか1つに記載のくせ取り機械。
  9. 金属ストリップ、特に圧延された薄厚ストリップの延伸のための設備において、
    該設備は請求項1から8までのうちのいずれか1つに記載のくせ取り機械を有することを特徴とする前記設備。
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