JP5003213B2 - 蓄熱剤、包接水和物の蓄熱速度を増加させる方法 - Google Patents
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Description
(1) 「包接水和物」には、準包接水和物が含まれる。
(2) 「包接水和物」は「水和物」と略称される場合がある。
(3) 「ゲスト化合物」は「ゲスト」と略称される場合がある。
(4) 「スラリ」とは、液体中に固体粒子が分散又は懸濁した状態又はその状態にある物質をいう。沈降しがちな固体粒子を浮遊状態とするために界面活性剤を添加したり、機械的に攪拌したりすることもあるが、液体中に固体粒子が分散又は懸濁している限り、「スラリ」という。液体中に固体粒子が分散又は懸濁している限り、その分散又は懸濁が不均一なものであっても、「スラリ」という。
(6) 「水和物生成温度」とは、原料水溶液を冷却したとき、包接水和物が生成するべき平衡温度をいう。原料水溶液のゲスト化合物の濃度により包接化合物が生成する温度が変動する場合であっても、これを「水和物生成温度」という。なお、簡便のため、「水和物生成温度」を「融点」という場合がある。
(7) 「第四級アンモニウム塩をゲスト化合物とする包接水和物」は「第四級アンモニウム塩の水和物」と略称される場合がある。
(8) 「冷熱」とは、0℃よりも高温で、30℃よりも低温の範囲の温度を与える又は当該温度に対応する熱エネルギーをいう。「冷熱範囲」とは、0℃よりも高温で、30℃よりも低温の温度範囲をいう。「蓄冷」とは、冷熱範囲に水和物生成温度を有する包接水和物による熱エネルギーの蓄積をいう。
(10) 「蓄熱剤」とは、熱エネルギーの貯蔵や輸送その他の使用の目的や態様、利用分野等の如何を問わず、蓄熱性を有する物質をいう。蓄冷性を有する物質を「蓄冷剤」という場合がある。蓄熱性を有する包接水和物は、「蓄熱剤」又は「蓄冷剤」の構成成分となり得る。
(11) 「蓄熱材」とは、蓄熱性を有する部材をいう。蓄熱剤は「蓄熱材」の構成要素となり得る。「蓄冷材」とは、蓄冷性を有する部材をいう。蓄冷剤は「蓄冷材」の構成要素となり得る。
(12) 「蓄熱速度」とは、単位体積もしくは単位重量の蓄熱剤が、ある条件の熱交換操作により単位時間内に蓄積できる熱エネルギーの量又はこれに正の相関関係を有するパラメータをいう。
(13) 「調和融点」とは、原料水溶液の液相から包接水和物が生成する際、原料水溶液中のゲスト化合物の濃度と包接水和物中のゲスト化合物の濃度とが等しく、包接水和物の生成の前後において当該液相の組成が変わらない場合の温度をいう。
なお、縦軸を水和物生成温度、横軸を原料水溶液の液相のゲスト化合物の濃度とした状態図では極大点が「調和融点」となる。また、調和融点を与える原料水溶液中のゲスト化合物の濃度を「調和融点濃度」という。調和融点濃度未満の濃度の原料水溶液から包接水和物を生成する場合には、包接水和物の生成につれて原料水溶液のゲスト化合物の濃度が低下し、その濃度に対する水和物生成温度が低下する。
上記の包接水和物の一例として非気体をゲストとするもの、即ち非気体包接水和物が知られており(非特許文献1)、その非気体包接水和物の代表例として、第四級アンモニウム塩をゲストとするものが知られている(特許文献1)。
また、多くの第四級アンモニウム塩の水和物は、調和融点又は水和物生成温度が氷の融点(常圧下で0℃)よりも高いため、蓄熱剤を冷却して水和物を生成する際の冷媒の温度が高くてよく、冷媒を冷却する冷凍機の成績係数(COP)が高くなり省エネルギーが図れるという利点もある。
更に、第四級アンモニウム塩の水和物は水や水溶液に分散又は懸濁し易く、概して分散状態が均一で凝集性が低く、相分離も顕著でなく、流動抵抗もかなり低いので、スラリとして製造してやれば(特許文献2、特許文献3)、蓄熱材又は蓄熱剤や熱輸送媒体をスラリとして構成でき、取り扱うことができる(特許文献4、特許文献5)。
川崎成武他1名、"気体水和物の冷熱蓄熱材への応用"、ケミカル・エンジニアリング、株式会社化学工業社、昭和57年8月1日、Vol.27、No.8、p.603、表1
また、包接水和物の結晶は構造が複雑であるため、例えば氷に比べて結晶の生成や成長が遅い。このことは、包接水和物の結晶の生成や成長が包接水和物による蓄熱の律速となり得ることを意味している。それ故、包接水和物による潜熱蓄熱において包接水和物の蓄熱速度をより高める技術を構築しようとする場合には、包接水和物の結晶の生成や成長の挙動をより好ましく改善する手法が求められてくる。
しかし、これらの手段を、包接水和物を潜熱蓄熱剤又はその成分として利用する装置や設備に付帯させることは、装置や設備の構成、機構、運転等の複雑化を招来し、コスト低減の要請に反することになる。それ故、過冷却現象を抑制又は防止するのであれば、原料水溶液への添加物を工夫して、上記のコスト低減の要請に応える手法の方が望ましい。
本発明はこれらの新たな知見に基づきなされたものであり、具体的には以下の構成を備えている。
本発明に係る蓄熱剤は、第四級アンモニウム塩を含む水溶液を冷却することにより生成される前記第四級アンモニウム塩をゲスト化合物とする包接水和物を含む蓄熱剤であって、前記水溶液にアルカリ金属のリン酸塩が添加されていることにより蓄熱速度が向上していることを特徴とするものである。
また、本発明に係る包接水和物の蓄熱速度を増加させる方法は、第四級アンモニウム塩を含む水溶液を冷却することにより生成する第四級アンモニウム塩をゲスト化合物とする包接水和物の蓄熱速度を増加させる方法であって、アルカリ金属のリン酸塩が添加された前記水溶液を準備する工程と、アルカリ金属のリン酸塩を添加された前記水溶液を冷却する工程とを有することを特徴とするものである。
また、本発明によれば、第四級アンモニウム塩の水和物を生成する性質を有する原料水溶液に、アルカリ金属のリン酸塩が添加されているので、当該原料水溶液が水和物生成温度以下に冷却されて包接水和物が生成する際、過冷却を防止又は抑制することができる(以下「過冷却抑制効果」という)。
総じていえば、本発明は、蓄熱速度増加効果及び過冷却抑制効果のうち少なくとも一方の効果を奏する。
本発明の各形態が奏する作用効果は、以下のとおりである。
また、本発明の第1の形態によれば、水和物生成温度以下に冷却されたとき第四級アンモニウム塩の水和物を生成する性質を有し、その冷却の際、過冷却が防止又は抑制される原料溶液を実現することができる。これらは、潜熱蓄熱剤又はその成分として使用される包接水和物を生成させる原料水溶液として好適である。
<水和物生成ビーカー実験>
四級アンモニウム塩の典型例としての臭化テトラnブチルアンモニウム(TBAB)の水溶液に、アルカリ金属のリン酸塩の典型例としてのナトリウムのリン酸塩またはカリウムのリン酸塩を添加して、包接水和物の生成挙動と蓄熱量を調べた。
TBAB16wt%水溶液をブランクの原料水溶液とし、その水和物生成温度は7℃以上9℃未満である。
[実験方法]
原料水溶液を90g入れ回転攪拌翼を設けたガラスビーカを4℃の冷却液に挿入したり取り出したりして、冷却や冷却の一時停止を行い包接水和物の生成挙動を観察した。
また、生成した包接水和物をガラスビーカに備えた電気ヒータにより加熱して融解して水溶液温度が12℃になるまでの累積熱量を計測し、12℃を基準とした蓄熱量として求めた。12℃を基準とするのは、一般的なセントラル冷房空調システムにおいて負荷側に送った冷媒が戻ってくる温度が12℃であり、蓄熱剤または熱輸送媒体が一般的なセントラル冷房空調システムで用いられる際の温度範囲の上限温度が12℃であり、12℃までの温度範囲で保有する熱量を蓄熱量として評価するからである。
TBAB水溶液のみ
常温のTBAB16wt%水溶液を入れたガラスビーカを4℃の冷却液に挿入し、水溶液を攪拌しながら冷却した。水溶液の温度が約4℃になり、60分経過したところで、水和物の生成は認められず、過冷却状態のままであった。
常温のTBAB16wt%水溶液を入れたガラスビーカを4℃の冷却液に挿入し、水溶液を攪拌しながら冷却した。水溶液温度が5.4℃に到達した時点で、TBAB第一水和物の核を水和物生成用の核として1g投入した。TBAB第一水和物は、TBAB16wt%の水溶液をもとに別に作成したものを用いた。
前記3分間の冷却後、ガラスビーカを冷却液から取り出し、攪拌は続けながら冷却を停止し、1分間保持後、攪拌しながらガラスビーカに挿入されている電気ヒータにより一定電力で加熱した。加熱により水和物が融解しスラリは徐々に薄くなり、やがてほぼ透明な水溶液となった。水溶液温度が更に上昇して12℃に到達するまで、電気ヒータでの加熱を続けた。
水溶液温度が12℃に到達するまでの加熱量を求め、12℃を基準とした蓄熱量を求めたところ、水溶液1gあたり7.7calであった。
比較例2において12℃まで加熱した水溶液を、さらに40℃まで加熱し再度冷却した。
即ち、40℃の水溶液が入ったガラスビーカを4℃の冷却液に挿入し、水溶液を攪拌しながら冷却した。水溶液の温度が約4℃になり、60分経過したところで、水和物の生成は認められなかった。
比較例2では、TBAB第一水和物を水和物生成用の核として投入したが、12℃まで加熱されて融解し2回目の冷却時には水和物生成用の核として機能しないことが確認できた。
TBAB 16wt%水溶液に、リン酸水素二カリウムを2wt%添加して原料水溶液を調整し、さらに水酸化ナトリウムを微量(0.1wt%以下)添加してpHを10.5に調整した。
常温の前記水溶液が入ったガラスビーカを4℃の冷却液中に挿入し、水溶液を攪拌しながら冷却した。水溶液温度が5.4℃に到達した時点で、TBAB第一水和物を水和物生成用の核として1g投入した。核として投入したTBAB第一水和物は、TBAB16wt%の水溶液をもとに別に作成したものを用いた。
前記核の投入と同時に、ガラスビーカを冷却液から取り出し冷却を一時停止し、攪拌は続けながら2.5分間保持した。この間に水溶液はスラリ状態を示すとともに、温度上昇が計測され、目視でのスラリの確認と、温度上昇から、TBAB水和物の生成が確認できた。
なお、核を投入して過冷却を解除してからの温度上昇幅は1.5〜2℃程度であり、比較例2より0.5℃ほど大きかった。また、温度上昇の速度も比較例2と比べ大きかった。
前記3分間の冷却後、ガラスビーカを冷却液から取り出し、攪拌は続けながら冷却を停止し、1分間保持後、攪拌しながらガラスビーカに挿入されている電気ヒータにより一定電力で加熱した。加熱により水和物が融解しスラリは徐々に薄くなり、やがてほぼ透明な水溶液となった。水溶液温度が更に上昇して12℃に到達するまで、電気ヒータでの加熱を続けた。
水溶液温度が12℃に到達するまでの加熱量を求め、12℃を基準とした蓄熱量を求めたところ水溶液1gあたり8.1calであった。比較例2と比べ水溶液1gあたり0.4cal増加しており、約5%の増加に相当する。
実施例1の原料水溶液の比熱を測定したところ、リン酸水素二カリウムを2wt%添加したことによる変化は確認できなかった。また、本実施例1の冷却や加熱条件における、リン酸水素二カリウムおよびリン酸水素二カリウムの水和物の溶解度は十分大きく析出することはなかった。従って、リン酸水素二カリウムそのもの自体による蓄熱量への影響は極めて小さいといえ、実施例1ではTBABの水和物の蓄熱量が増加したと認められる。
すなわち蓄熱速度を向上させることができた。
また、過冷却を解除してからの温度上昇幅の増加(すなわち水和物生成量の増加)や、温度上昇速度の増加は、リン酸水素二カリウムの添加によりTBAB水和物の生成速度が増加していることを示している。
実施例1でリン酸水素二カリウムを2wt%添加することを、リン酸水素二ナトリウムを1wt%添加することとしたこと以外は、実施例1と同様に実験を実施した。
水溶液温度が5.4℃に到達するまでの時間(冷却速度)は、比較例2と同じであった。
核の投入と同時に、冷却を一時停止し保持した間に水溶液はスラリ状態を示すとともに、温度上昇が計測され、目視でのスラリの確認と、温度上昇から、TBAB水和物の生成が確認できた。なお、核を投入して過冷却を解除してからの温度上昇幅は1.5〜2℃程度であり、比較例2より0.5℃ほど大きかった。また、温度上昇の速度も比較例2と比べ大きかった。
実施例2の原料水溶液の比熱を測定したところ、リン酸水素二ナトリウムを1wt%添加したことによる変化は確認できなかった。また、本実施例2の冷却や加熱条件における、リン酸水素二ナトリウムおよびリン酸水素二ナトリウムの水和物の溶解度は十分大きく析出することはなかった。従って、リン酸水素二ナトリウムそのもの自体による蓄熱量への影響は極めて小さいといえ、実施例2ではTBABの水和物の蓄熱量が増加したと認められる。
すなわち蓄熱速度を向上させることができた。
また、過冷却を解除してからの温度上昇幅の増加(すなわち水和物生成量の増加)や、温度上昇速度の増加は、リン酸水素二ナトリウムの添加によりTBAB水和物の生成速度が増加していることを示している。
実施例1でリン酸水素二カリウムを2wt%添加することを、リン酸水素二ナトリウムを3wt%添加することとしたこと、さらに実施例1でTBAB第一水和物を水和物生成用の核として投入したことを、水和物生成用の核を投入しないこととしたこと以外は、実施例1と同様に実験を実施した。
2度目の温度上昇が計測されたときの水溶液はスラリ状態を呈しており、TBAB水和物の生成が認められた。
比較例1と同じように60分経過した時点では、濃厚なスラリが生成しており、そのスラリの温度もほぼ4℃となっていた。12℃に達するまでの加熱量は、比較例1に比べて2倍以上であった。
実施例3の実験を行なった後、さらに40℃まで加熱した後の水溶液を再度冷却した。
即ち、40℃の水溶液が入ったガラスビーカを4℃の冷却液に挿入し、水溶液を攪拌しながら冷却した。 その結果、水溶液が約5〜7℃になったところで、過冷却が解除され、温度上昇とともに水和物の生成が確認された。
以降、同じ水溶液を12℃まで加熱した後、冷却することを繰り返したが、同様に約5〜7℃にて過冷却解除が見られた。
TBAB13wt%水溶液に、リン酸水素二カリウムを9wt%添加して原料水溶液を調整し、更に水酸化ナトリウムを微量(0.1wt%以下)添加してpHを10.5に調整した。
常温の前記水溶液が入ったガラスビーカを4℃の冷却液中に挿入し、水溶液を攪拌しながら冷却した。水溶液温度が5.4℃に到達した時点で、TBAB第一水和物を水和物生成用の核として1g投入して、過冷却を解除させた。核として投入したTBAB一水和物は、TBAB16wt%の水溶液をもとに別に作成したものを用いた。
前記核の投入と同時に、ガラスビーカを冷却液から取り出し冷却を一時停止し、攪拌は続けながら2.5分間保持した。この間に水溶液はスラリ状態を示すとともに、温度上昇が計測され、目視でのスラリの確認と、温度上昇から、水和物の生成が確認できた。
なお、核を投入して過冷却を解除してからの温度上昇幅は3〜4℃程度であり、比較例2より2.5℃ほど大きかった。また、温度上昇の速度も比較例2と比べ大きかった。
前記3分間の冷却後、ガラスビーカを冷却液から取り出し、攪拌は続けながら冷却を停止し、1分間保持後、攪拌しながらガラスビーカに挿入されている電気ヒータにより一定電力で加熱した。加熱により水和物が融解しスラリは徐々に薄くなり、やがてほぼ透明な水溶液となった。水溶液温度が更に上昇して12℃に到達するまで、電気ヒータでの加熱を続けた。
水溶液温度が12℃に到達するまでの加熱量を求め、12℃を基準とした蓄熱量を求めたところ水溶液1gあたり10.1calであった。比較例2と比べ水溶液1gあたり2.4cal増加しており、約31%の増加に相当する。
TBAB16wt%水溶液の代わりにTBAB13wt%水溶液を用いた以外は比較例2と同様に実験したところ、12℃を基準とした蓄熱量は、比較例2より下回った。
また、リン酸水素二カリウムの添加により、所望の蓄熱量を得るために必要なTBABの量を相対的に減少させることができることを意味している。
それ故、同じ蓄熱量を有する包接水和物及びそのスラリ並びに当該包接水和物を含む潜熱蓄熱剤をより安価に実現することができ、これらの物質を使用する技術の経済性を向上させることができる。
Claims (2)
- 第四級アンモニウム塩を含む水溶液を冷却することにより生成される前記第四級アンモニウム塩をゲスト化合物とする包接水和物を含む蓄熱剤であって、前記水溶液にアルカリ金属のリン酸塩が添加されていることにより蓄熱速度が高められていることを特徴とする蓄熱剤。
- 第四級アンモニウム塩を含む水溶液を冷却することにより生成する第四級アンモニウム塩をゲスト化合物とする包接水和物の蓄熱速度を増加させる方法であって、アルカリ金属のリン酸塩が添加された前記水溶液を準備する工程と、アルカリ金属のリン酸塩を添加された前記水溶液を冷却する工程とを有することを特徴とする包接水和物の蓄熱速度を増加させる方法。
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