JP5691861B2 - 蓄熱剤 - Google Patents
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TBAB濃度が15重量%以上20重量%未満では該重量比率が0.1%以上3.0%以下であり、
TBAB濃度が20重量%以上25重量%未満では該重量比率が0.1%以上7.0%以下であり、
TBAB濃度が25重量%以上30重量%未満では該重量比率が0.1%以上12.0%以下であり、
TBAB濃度が30重量%以上35重量%未満では該重量比率が0.1%以上9.0%以下であり、
TBAB濃度が35重量%以上40.5重量%以下では該重量比率が0.1%以上8.0%以下であることを特徴とするものである。
TBAB濃度が15重量%以上20重量%未満では該重量比率が0.1%以上8.0%以下であり、
TBAB濃度が20重量%以上25重量%未満では該重量比率が0.1%以上10.0%以下であり、
TBAB濃度が25重量%以上30重量%未満では該重量比率が0.1%以上11.0%以下であり、
TBAB濃度が30重量%以上35重量%未満では該重量比率が0.1%以上9.0%以下であり、
TBAB濃度が35重量%以上40.5重量%以下では該重量比率が0.1%以上7.0%以下であることを特徴とするものである。
本発明の第9の形態に係る蓄熱剤は、第1乃至第8のいずれかの形態に係る蓄熱剤であって、腐食抑制剤が添加されていることを特徴とするものである。
(A)供試原料水溶液
15重量%から40.5重量%(調和融点を与える濃度)までの数種類の濃度に調整された臭化テトラnブチルアンモニウムの水溶液に、臭化テトラisoペンチルアンモニウム(TiPAB)、りん酸水素二ナトリウム(Na2HPO4)及びカルボキシルメチルセルロースナトリウム(CMCNa)を添加した原料水溶液を調製し、評価する。
上記の要領により調製した供試原料水溶液をガラス製試験管に5ml装填し、3℃に制御した恒温槽に浸漬し3℃で30分間冷却し、水和物の結晶が生成するか否かを調べた。水和物結晶が生成すれば3℃で過冷却防止性又は過冷却防止の効果が認められると評価する。さらに、この原料水溶液を装填した試験管を3℃に制御した恒温槽と20℃に制御した恒温槽に交互に浸漬し、3℃に冷却して水和物を生成させることと、20℃に加熱して生成した水和物を融解させるという水和物の生成又は凝固と融解との操作を1000回繰返して、過冷却防止性の低下がないと認められたときに過冷却防止性能の低下がない又は過冷却防止効果の耐久性があると評価する。また、冷却温度を1℃とする場合についても、同様に評価する。
上記の要領により調製した原料水溶液を冷却することにより生成される水和物の蓄熱量を断熱型連続法により測定する。ここでいう蓄熱量とは、試料を3℃で30分間保持した後、入熱量1.0Wで15℃まで加熱して、計測された3℃と15℃のエンタルピーの差をいい、3〜15℃の温度範囲における潜熱に相当する熱エネルギーと原料水溶液の顕熱と水和物の顕熱との総和であり、体積あたりの熱量kJ/Lで表す。
上記の要領により調製した供試原料水溶液を静置し、りん酸水素二ナトリウム結晶の沈降の発生を観察する。後述の表17〜19において、りん酸水素二ナトリウムの沈降が認められなかった場合には○を、りん酸水素二ナトリウムの沈降が認められた場合には×を記した。
(1)臭化テトラisoペンチルアンモニウム添加率の好ましい範囲
(1−1)臭化テトラisoペンチルアンモニウム添加率の好ましい範囲の下限
臭化テトラnブチルアンモニウム(TBAB)水溶液に対する臭化テトラisoペンチルアンモニウム(TiPAB)の好ましい重量比率の範囲の下限を、臭化テトラnブチルアンモニウムの重量濃度が15重量%、30重量%及び40.5重量%の水溶液について過冷却防止性の評価を行い検討した。
臭化テトラnブチルアンモニウムの15重量%、30重量%及び40.5重量%の水溶液に、臭化テトラisoペンチルアンモニウムを数種類の添加率で添加することにより、原料水溶液を準備した。より具体的には、臭化テトラnブチルアンモニウム水溶液に対する臭化テトラisoペンチルアンモニウムの重量比率(TiPAB添加率)を0.05%、0.1%、0.15%とし、りん酸水素二ナトリウム添加率は0.05%、カルボキシルメチルセルロースナトリウム添加率は0.1%とした原料水溶液を準備し、かくして準備された各原料水溶液に対して、冷却温度を3℃とする場合の過冷却防止性の評価を行った。その結果を下記表1に示す。
冷却温度が3℃の場合には、TiPAB添加率の下限は0.1%であるが、冷却温度が1℃の場合についても、TiPAB添加率の下限を評価した。臭化テトラnブチルアンモニウムの15重量%、30重量%及び40.5重量%の水溶液に、臭化テトラisoペンチルアンモニウムを数種類の添加率で添加することにより、原料水溶液を準備した。より具体的には、臭化テトラnブチルアンモニウム水溶液に対する臭化テトラisoペンチルアンモニウムの重量比率(TiPAB添加率)を0.02%、0.05%、0.1%とし、りん酸水素二ナトリウム添加率は0.05%、カルボキシルメチルセルロースナトリウム添加率は0.1%とした原料水溶液を準備し、かくして準備された各原料水溶液に対して、冷却温度を1℃とする場合の過冷却防止性の評価を行った。その結果を下記表2に示す。
臭化テトラnブチルアンモニウム(TBAB)水溶液に対する臭化テトラisoペンチルアンモニウム(TiPAB)の好ましい重量比率の範囲の上限を、臭化テトラnブチルアンモニウムの重量濃度が15重量%から40.5重量%(調和融点を与える濃度)までの数種類の濃度の水溶液について蓄熱量の測定・評価を行い検討した。
TBAB濃度が20重量%以上25重量%未満ではTiPAB添加率が0.1%以上7.0%以下であり、
TBAB濃度が25重量%以上30重量%未満ではTiPAB添加率が0.1%以上12.0%以下であり、
TBAB濃度が30重量%以上35重量%未満ではTiPAB添加率が0.1%以上9.0%以下であり、
TBAB濃度が35重量%以上40.5重量%以下ではTiPAB添加率が0.1%以上8.0%以下である範囲とすることが好ましい。
(2−1)りん酸水素二ナトリウム添加率の好ましい範囲の下限
臭化テトラnブチルアンモニウム(TBAB)水溶液に対するりん酸水素二ナトリウム(Na2HPO4)の好ましい重量比率の範囲の下限を、臭化テトラnブチルアンモニウムの重量濃度が15重量%、30重量%及び40.5重量%の水溶液について過冷却防止性の評価を行い検討した。
臭化テトラnブチルアンモニウムの15重量%、30重量%及び40.5重量%の水溶液に、りん酸水素二ナトリウムを数種類の添加率で添加することにより、原料水溶液を準備した。より具体的には、臭化テトラnブチルアンモニウム水溶液に対するりん酸水素二ナトリウムの重量比率(Na2HPO4添加率)を0.05%、0.1%、0.15%とし、臭化テトラisoペンチルアンモニウム添加率は0.05%、カルボキシルメチルセルロースナトリウム添加率は0.1%とした原料水溶液を準備し、かくして準備された各原料水溶液に対して、冷却温度を3℃とする場合の過冷却防止性の評価を行った。その結果を下記表9に示す。
冷却温度が3℃の場合には、Na2HPO4添加率の下限は0.1%であるが、冷却温度が1℃の場合についても、Na2HPO4B添加率の下限を評価した。臭化テトラnブチルアンモニウムの15重量%、30重量%及び40.5重量%の水溶液に、りん酸水素二ナトリウムを数種類の添加率で添加することにより、原料水溶液を準備した。より具体的には、臭化テトラnブチルアンモニウム水溶液に対するりん酸水素二ナトリウムの重量比率(Na2HPO4添加率)を0.02%、0.05%、0.1%とし、臭化テトラisoペンチルアンモニウム添加率は0.05%、カルボキシルメチルセルロースナトリウム添加率は0.1%とした原料水溶液を準備し、かくして準備された各原料水溶液に対して、冷却温度を1℃とする場合の過冷却防止性の評価を行った。その結果を下記表10に示す。
臭化テトラnブチルアンモニウム(TBAB)水溶液に対するりん酸水素二ナトリウム(Na2HPO4)の好ましい重量比率の範囲の上限を、臭化テトラnブチルアンモニウムの重量濃度が15重量%から40.5重量%(調和融点を与える濃度)までの数種類の濃度の水溶液について蓄熱量の測定・評価を行い検討した。
TBAB濃度が20重量%以上25重量%未満ではNa2HPO4添加率が0.1%以上10.0%以下であり、
TBAB濃度が25重量%以上30重量%未満ではNa2HPO4添加率が0.1%以上11.0%以下であり、
TBAB濃度が30重量%以上35重量%未満ではNa2HPO4添加率が0.1%以上9.0%以下であり、
TBAB濃度が35重量%以上40.5重量%以下ではNa2HPO4添加率が0.1%以上7.0%以下である範囲とすることが好ましい。
(3−1)カルボキシルメチルセルロースナトリウム添加率の好ましい範囲の下限
臭化テトラnブチルアンモニウム(TBAB)水溶液に対するカルボキシルメチルセルロースナトリウム(CMCNa)の好ましい重量比率の範囲の下限を、臭化テトラnブチルアンモニウムの重量濃度が15重量%、30重量%及び40.5重量%の水溶液についてりん酸水素二ナトリウムの沈降防止性の評価を行い、検討した。
臭化テトラnブチルアンモニウムの水溶液に対するカルボキシルメチルセルロースナトリウムの重量比率をむやみに高くすると、原料水溶液中の臭化テトラnブチルアンモニウムの重量比率が相対的に低くなり、蓄熱量が低下してしまうため、カルボキシルメチルセルロースナトリウム添加率は10%以下とすることが好ましい。
グループ1〜4に示される物質のうち少なくとも一種類以上を添加する。
グループ2:下記の物質の無水塩もしくは水和物で、カチオンがナトリウム、カリウム、リチウム、カルシウム、マグネシウム、ストロンチウムである物質
亜硝酸塩、硝酸塩、タングステン酸塩、モリブデン酸塩、クロム酸塩、オレイン酸塩、ポリリン酸塩、メタ珪酸塩、チオ硫酸塩、亜硫酸塩、ほう酸塩
グループ3:ヒドラジン、アクリル酸系ポリマー、塩化カルシウム、臭化カルシウム、ヨウ化カルシウム
グループ4:ホスホン酸、ホスフィノポリカルボン酸、ホスホノカルボン酸、マレイン酸系重合体、アクリル酸系重合体、ジエチル尿素や ジブチルチオ尿素などのチオ尿素誘導体、アゾール化合物
臭化テトラnブチルアンモニウム水溶液に腐食抑制剤を添加する場合に、腐食抑制剤の濃度範囲としては、0.001重量%〜5重量%の範囲とすることが好ましい。0.001重量%未満だと腐食抑制効果が十分得られず、5%重量よりも多量に添加すると原料水溶液の凝固点が変化するため、十分な蓄熱性能が得られなくなる。
増粘・ゲル化剤としては、下記に示す物質を用いることができ、また組み合わせて用いてもよい。
トラガントガム、ペクチン、グアガム、ローカストビーンガム、スピノガム、ガラクトマンナン、タマリンド種子多糖類、カラギーナン、ファーセラレン、キサンタンガム、プルラン、ジェランガム、アラビアガム、タラガム
・α-化デンプン
各種デンプン(コーンスターチ、甘藷澱粉、馬鈴薯澱粉、小麦澱粉、米澱粉、タピオカ澱粉)をα-化したもの
・界面活性剤
β-ナフタレンスルホン酸ナトリウム縮合体、クレオソート油スルホン酸ナトリウム縮合体
メラミン樹脂スルホン酸ナトリウム、リグニンスルホン酸ナトリウム、ノニルフェノールポリオキシエチレンエーテル、グルコン酸ナトリウム、スルホン酸塩類(アルキルベンゼンスルホン酸塩)、硫酸エステル塩類、リン酸エステル塩類、ポリオキシエチレン系化合物(ポリオキシエチレンステアリルエーテル)
・カルシウム塩
ギ酸カルシウム、酢酸カルシウム、塩化カルシウム、酒石酸カルシウム、乳酸カルシウム
・高分子
ポリアクリル酸ナトリウム、ポリアクリルアミド、ポリグリセリン、ポリビニルアルコール、ゼラチン、寒天
・脂肪酸(直鎖脂肪酸、側鎖脂肪酸)
パルミチン酸、ステアリン酸、ヒドロキシステアリン酸、ベヘン酸、モンタン酸、ラウリン酸、リシノール酸、オクチル酸
・脂肪酸金属塩
上記脂肪酸のリチウム塩、ナトリウム塩、カリウム塩、カルシウム塩、アルミニウム塩、バリウム塩、マグネシウム塩、亜鉛塩。
臭化テトラnブチルアンモニウム水溶液に増粘・ゲル化剤を添加する場合に、増粘・ゲル化剤の濃度範囲としては0.01重量%〜5重量%の範囲にすることが好ましい。0.01重量%未満であると十分なゲル化状態を呈さない。一方、5重量%より多量に添加してもゲル化効果の向上は認められず、原料水溶液の凝固点が変化するため、十分な蓄熱性能が得られなくなる。
Claims (9)
- 臭化テトラnブチルアンモニウムを溶質として含む水溶液が冷却されることにより生成される包接水和物を含む蓄熱剤であって、
前記水溶液に、臭化テトラisoペンチルアンモニウム、アルカリ金属リン酸塩及びセルロース誘導体が添加されており、
前記セルロース誘導体がカルボキシル基及びカルボキシメチル基のうちの少なくとも一つを有するセルロース誘導体、又はカルボキシル基及びカルボキシメチル基のうちの少なくとも一つ並びにアルカリ金属を有するセルロース誘導体であることを特徴とする蓄熱剤。 - 臭化テトラnブチルアンモニウムを溶質として含む水溶液の臭化テトラnブチルアンモニウムの濃度が20重量%以上40.5重量%以下であり、
臭化テトラnブチルアンモニウムを溶質として含む水溶液に対する臭化テトラisoペンチルアンモニウムの重量比率が、0.1%以上 7.0%以下であることを特徴とする請求項1に記載の蓄熱剤。 - 臭化テトラnブチルアンモニウム(TBAB)を溶質として含む水溶液に対する臭化テトラisoペンチルアンモニウム(TiPAB)の重量比率が、臭化テトラnブチルアンモニウム(TBAB)を溶質として含む水溶液の臭化テトラnブチルアンモニウム(TBAB)の重量濃度であるTBAB濃度に対応して、
TBAB濃度が15重量%以上20重量%未満では該重量比率が0.1%以上3.0%以下であり、
TBAB濃度が20重量%以上25重量%未満では該重量比率が0.1%以上7.0%以下であり、
TBAB濃度が25重量%以上30重量%未満では該重量比率が0.1%以上12.0%以下であり、
TBAB濃度が30重量%以上35重量%未満では該重量比率が0.1%以上9.0%以下であり、
TBAB濃度が35重量%以上40.5重量%以下では該重量比率が0.1%以上8.0%以下であることを特徴とする請求項1に記載の蓄熱剤。 - 前記アルカリ金属リン酸塩がリン酸水素二ナトリウムであることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の蓄熱剤。
- 臭化テトラnブチルアンモニウムを溶質として含む水溶液の臭化テトラnブチルアンモニウムの濃度が15重量%以上40.5重量%以下であり、
臭化テトラnブチルアンモニウムを溶質として含む水溶液に対するリン酸水素二ナトリウムの重量比率が、0.1%以上 7.0%以下であることを特徴とする請求項4に記載の蓄熱剤。 - 臭化テトラnブチルアンモニウム(TBAB)を溶質として含む水溶液に対するリン酸水素二ナトリウムの重量比率が、臭化テトラnブチルアンモニウム(TBAB)を溶質として含む水溶液の臭化テトラnブチルアンモニウム(TBAB)の重量濃度であるTBAB濃度に対応して、
TBAB濃度が15重量%以上20重量%未満では該重量比率が0.1%以上8.0%以下であり、
TBAB濃度が20重量%以上25重量%未満では該重量比率が0.1%以上10.0%以下であり、
TBAB濃度が25重量%以上30重量%未満では該重量比率が0.1%以上11.0%以下であり、
TBAB濃度が30重量%以上35重量%未満では該重量比率が0.1%以上9.0%以下であり、
TBAB濃度が35重量%以上40.5重量%以下では該重量比率が0.1%以上7.0%以下であることを特徴とする請求項4に記載の蓄熱剤。 - 前記カルボキシル基及びカルボキシメチル基のうちの少なくとも一つ、並びにアルカリ金属を有するセルロース誘導体がカルボキシメチルセルロースナトリウムであることを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載の蓄熱剤。
- 臭化テトラnブチルアンモニウムを溶質として含む水溶液に対するカルボキシメチルセルロースナトリウムの重量比率が、0.1%以上10.0%以下であることを特徴とする請求項7に記載の蓄熱剤。
- 腐食抑制剤が添加されていることを特徴とする請求項1乃至8のいずれかに記載の蓄熱剤。
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