JP6222673B2 - 蓄熱材及びそれを備えた冷蔵庫 - Google Patents

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Description

本発明は蓄熱材に関し、特に、保温用の蓄熱材に関する。
従来、蓄熱材は、食品保存技術や医療技術等の様々な分野で用いられている。これらの蓄熱材は例えば凝固点における潜熱を利用して保冷効果を生じる。蓄熱材は、例えば、吸水性樹脂の含水ゲルを含み、ブロー成型等の容器中に密封して用いられる。
また、近年、停電等で冷蔵庫への電力供給が遮断された場合に冷蔵庫内を保冷するために蓄熱材を冷蔵庫内に設置することが提案されている。冷蔵庫内に蓄熱材が設置される場合、蓄熱材は、10℃程度の融点を有する必要がある。10℃程度の融点を有する材料として、テトラブチルアンモニウムが知られている。特許文献1には、テトラブチルアンモニウムが用いられた蓄熱材が記載されている。
特開2008−214527号公報
しかしながら、蓄熱材を冷蔵庫内に設置する場合には、次のような問題が生じる。冷蔵庫は、食品等の腐敗を防止するために、冷蔵庫内温度を3℃〜10℃程度に保つ必要がある。このため、冷蔵庫内に蓄熱材を設置する場合には、蓄熱材は、約3℃で凝固し、約10℃で融解する必要がある。しかし、蓄熱材が凝固する際に過冷却が生じ、蓄熱材が凝固点に達しても凝固しないという問題がある。
また、特許文献1に記載された蓄熱材には、過冷却を防止する過冷却防止剤としてリン酸水素二ナトリウムが添加されている。しかしながら、リン酸水素二ナトリウムが添加された蓄熱材は、蓄熱量が減少してしまう。このため、リン酸水素二ナトリウムが添加された蓄熱剤には、蓄熱性能が低下してしまうという問題がある。
本発明の目的は、蓄熱性能の低下を防止しつつ、過冷却を防止することできる蓄熱材を提供することにある。
上記目的を達成するための本発明の一態様によれば、
テトラアルキルアンモニウム塩を含む水溶液と、前記テトラアルキルアンモニウム塩をゲスト分子とする包接水和物とに可逆的に変化する蓄熱材料と、
前記水溶液に添加された四ホウ酸ナトリウムと
を有することを特徴とする蓄熱材であってもよい。
上記本発明の蓄熱材であって、
前記テトラアルキルアンモニウム塩は、テトラブチルアンモニウムブロミドであること
を特徴とする蓄熱材であってもよい。
上記本発明の蓄熱材であって、
前記水溶液中での前記テトラブチルアンモニウムブロミドの濃度は、25wt%以上、40wt%以下であること
を特徴とする蓄熱材であってもよい。
上記本発明の蓄熱材であって、
前記四ホウ酸ナトリウムの添加量は、0℃での水に対する飽和溶解度以上、3wt%以下であること
を特徴とする蓄熱材であってもよい。
本発明によれば、蓄熱性能の低下を防止しつつ、過冷却を防止することができる蓄熱材を実現することができる。
上記目的を達成するための本発明の一態様によれば、
冷蔵室と、
前記冷蔵室内に配置された上記蓄熱材と
を有することを特徴とする冷蔵庫であってもよい。
本発明の一の実施の形態の実施例1における過冷却防止効果の検証結果を示す図である。 本発明の一の実施の形態の実施例2における過冷却防止効果の検証結果を示す図である。 本発明の一の実施の形態の実施例3における過冷却防止効果の検証結果を示す図である。 本発明の一の実施の形態の実施例4における過冷却防止効果の検証結果を示す図である。 本発明の一の実施の形態の比較例における過冷却防止効果の検証結果を示す図である。 本発明の一の実施の形態の実施例5における蓄熱材の潜熱量を示す図である。 本発明の一の実施の形態の実施例6における蓄熱材の融解開始温度を示す図である。 本発明の一の実施の形態の実施例7における蓄熱材の融解開始温度の変化を示す図である。 本発明の一の実施の形態の実施例8における蓄熱材のTBABの濃度と融解 本発明の一の実施の形態の実施例9における過冷却防止効果の検証結果を示す図である。 本発明の一の実施の形態の実施例10による冷蔵庫の保冷効果を示す図である。
本発明の一実施の形態による蓄熱材について、図1〜図9を用いて説明する。まず、本実施の形態による蓄熱材の組成について説明する。本実施の形態による蓄熱材は、テトラアルキルアンモニウム塩を含む水溶液(以下、「テトラアルキルアンモニウム塩水溶液」という。)と、テトラアルキルアンモニウム塩をゲスト分子とする包接水和物(以下、「テトラアルキルアンモニウム塩包接水和物」という。)とに可逆的に変化する蓄熱材料を有している。テトラアルキルアンモニウム塩水溶液は、所定の温度でテトラアルキルアンモニウム塩包接水和物に変化する。テトラアルキルアンモニウム塩包接水和物が生成される温度(以下、「包接水和物生成温度」という。)は、テトラアルキルアンモニウム塩の濃度により制御される。ここで、包接水和物生成温度とは、過冷却が生じなかった場合に、テトラアルキルアンモニウム塩包接水和物が生成される温度である。
また、テトラアルキルアンモニウム塩包接水和物は、所定の温度でテトラアルキルアンモニウム塩と水とに分解する。これにより、テトラアルキルアンモニウム塩包接水和物は、所定の温度でテトラアルキルアンモニウム塩水溶液に変化する。テトラアルキルアンモニウム塩包接水和物がテトラアルキルアンモニウム塩水溶液に変化する温度(以下、「包接水和物分解温度」)は、包接水和物生成温度とほぼ一致している。
また、本実施の形態による蓄熱材は、過冷却防止剤として、四ホウ酸ナトリウムを有している。四ホウ酸ナトリウムは、テトラアルキルアンモニウム塩水溶液に添加されている。四ホウ酸ナトリウムは、テトラアルキルアンモニウム塩水溶液中での核生成を起こしやすくして、テトラアルキルアンモニウム塩水溶液液を結晶化しやすくする。これにより、四ホウ酸ナトリウムは、テトラアルキルアンモニウム塩水溶液がテトラアルキルアンモニウム塩包接水和物に変化するときの過冷却度を小さくして、過冷却を防止することができる。
(実施例1)
次に、本実施の形態の実施例1による蓄熱材について説明する。近年、停電や消費電力のピークシフトに対応できる冷蔵庫が求められている。停電や消費電力のピークシフトのために冷蔵庫への電力供給が遮断された場合、冷蔵庫内を保冷するために蓄熱材が用いられる。蓄熱材は、冷蔵庫に電力が供給されない場合、冷蔵庫内の温度を10℃程度に所定時間維持することが求められている。
冷蔵庫内の温度帯(例えば、3℃〜10℃)に融点を有する材料として、テトラデカンが知られている。テトラデカンは、炭素数14の直鎖状のアルカンである。このため、テトラデカンは、可燃性であり、冷蔵庫等の電化製品に設置されるのは好ましくない。また、テトラデカンは、揮発性有機化合物(VOC)に該当し、取扱いが容易ではない。
本実施例による蓄熱材の蓄熱材料には、テトラアルキルアンモニウムブロミド(TBAB)が用いられる。TBABを含む水溶液(以下、「TBAB水溶液」という。)は、冷却されるとTBABをゲスト分子とする包接水和物(以下、「TBAB包接水和物」という。)に変化する。
また、TBAB水溶液及びTBAB包接水和物は、可燃性ではない。また、TBAB水溶液及びTBAB包接水和物は、揮発性有機化合物(VOC)に該当せず、取扱いが容易である。このため、本実施例による蓄熱材の蓄熱材料は、可燃性ではなく、取扱いが容易である。また、蓄熱材に用いられる包接水和物には、テトラブチルアンモニウムクロリド(TBAC)、テトラブチルアンモニウムフルオリド(TBAF)等がある。
また、TBAB水溶液は、TBABの濃度が20wt%〜40wt%である場合、過冷却が生じないとすると、約8℃〜12℃でTBAB包接水和物に変化する。同様に、TBAB包接水和物は、約8℃〜12℃でTBAB水溶液に変化する。本実施例による蓄熱材は、TBAB包接水和物がTBAB水溶液に変化する際、温度をほぼ一定に保ちながら吸熱をする。これにより、本実施例による蓄熱材は、所定時間、温度をほぼ一定に保つ保冷をする。このため、本実施例による蓄熱材は、冷蔵庫内の保冷用に好適である。また、これ以降では、蓄熱材料がTBAB水溶液からTBAB包接水和物に変化することを蓄熱材が凝固するといい、蓄熱材料がTBAB包接水和物からTBAB水溶液に変化することを蓄熱材が融解するという。
蓄熱材が凝固する際の変化は、液体から固体への変化である。液体から固体への変化の際には、TBAB水溶液中の分子のエネルギー状態が安定している場合や、核生成が生じるための核がない場合等で過冷却が生じる。蓄熱材は、過冷却が生じると、包接水和物生成温度に冷却されても凝固しない。蓄熱材は、凝固しないと、温度をほぼ一定に保つ保冷をすることができない。
このため、本実施例による蓄熱材には、過冷却度を小さくして過冷却を防止する過冷却防止剤として四ホウ酸ナトリウムが用いられている。四ホウ酸ナトリウムは、TBAB水溶液に添加されている。四ホウ酸ナトリウムには、例えば、四ホウ酸ナトリウム無水物(Na)、四ホウ酸ナトリウム五水和物(Na・5HO)、四ホウ酸ナトリウム十水和物(Na・10HO)がある。本実施例では、過冷却防止剤として四ホウ酸ナトリウム五水和物が用いられている。なお、過冷却防止剤として、四ホウ酸ナトリウム無水物や四ホウ酸ナトリウム十水和物が用いられてもよい。
本実施例では、水道水にTBABを溶解させてTBAB水溶液を作製した。TBAB水溶液中のTBABの濃度は、25wt%とした。また、TBAB水溶液中に四ホウ酸ナトリウム五水和物(Na・5HO)を含まない蓄熱材サンプルと、TBAB水溶液中の四ホウ酸ナトリウムの濃度が0.5wt%、1.0wt%、1.5wt%、2.0wt%、3.0wt%である蓄熱材サンプルを作製した。
また、同じ重量の蓄熱材では、過冷却防止剤の重量比が大きくなると、蓄熱材料の重量比が小さくなって潜熱量が減少し、蓄熱材の蓄熱性能が低下する。このため、蓄熱材は、過冷却防止剤が必要以上に添加されると蓄熱性能が低下する。また、蓄熱材の蓄熱性能の低下を防ぐため、四ホウ酸ナトリウム五水和物の濃度は、常温(例えば、20℃)で四ホウ酸ナトリウムが飽和になる濃度程度にすることが好ましい。水に対する20℃での四ホウ酸ナトリウムの溶解度は2.58である。本実施例では、過冷却防止剤である四ホウ酸ナトリウム五水和物の濃度上限を3.0wt%にした。
また、本実施例では、ガラス製の容量20mlのサンプル管瓶に各蓄熱材サンプルを15g封入し、サンプル管瓶を冷蔵庫内で約16時間冷却し、過冷却防止効果を検証した。サンプル管瓶は、冷蔵庫内の温度設定を中(約3℃〜5℃)に設定した場合の最も温度の高い箇所に配置した。当該箇所の温度は、3.2℃であった。以上の条件で、蓄熱材サンプルが凝固したら過冷却防止効果有りとし、蓄熱材サンプルが凝固しなかったら過冷却防止効果無しとした。
図1は、本実施例の過冷却防止効果の検証結果を示す表である。図1には、蓄熱材サンプルが凝固した場合には「○」と標記し、蓄熱材サンプルが凝固しなかった場合には「×」と標記している。図1に示すように、四ホウ酸ナトリウム五水和物を含まない蓄熱材サンプルは、凝固しなかった。同様に、四ホウ酸ナトリウム五水和物の濃度が0.5wt%、1.0wt%である蓄熱材サンプルは凝固しなかった。一方、四ホウ酸ナトリウム五水和物の濃度が1.5wt%、2.0wt%、3.0wt%である蓄熱材サンプルは、いずれも凝固した。これにより、TBAB水溶液中のTBABの濃度が25wt%である蓄熱材において、四ホウ酸ナトリウム五水和物の濃度を1.5wt%以上にすると過冷却防止効果が有ることが分かった。
また、各蓄熱材サンプルを凝固させて、各蓄熱材サンプルが融解する際の融解開始温度と潜熱量を測定した。蓄熱材サンプルの融解開始温度と潜熱量とは、DSC(示差走査熱量測定)により測定した。DSC測定時の昇温速度は5℃/minとした。ここで、潜熱量は、蓄熱材サンプルが融解を開始してから融解が終了するまでの間で吸熱する熱量とする。
図1に示すように、四ホウ酸ナトリウム五水和物を含まない蓄熱材サンプルの融解開始温度は6.1℃であり、潜熱量は120J/gであった。また、四ホウ酸ナトリウム五水和物の濃度が0.5wt%である蓄熱材サンプルの融解開始温度は5.7℃であり、潜熱量は95J/gであった。四ホウ酸ナトリウム五水和物の濃度が1.0wt%である蓄熱材サンプルの融解開始温度は6.1℃であり、潜熱量は116J/gであった。四ホウ酸ナトリウム五水和物の濃度が1.5wt%である蓄熱材サンプルの融解開始温度は5.9℃であり、潜熱量は121J/gであった。四ホウ酸ナトリウム五水和物の濃度が2.0wt%である蓄熱材サンプルの融解開始温度は6.4℃であり、潜熱量は123J/gであった。四ホウ酸ナトリウム五水和物の濃度が3.0wt%である蓄熱材サンプルの融解開始温度は5.8℃であり、潜熱量は125J/gであった。
このように、四ホウ酸ナトリウム五水和物を含まない蓄熱材サンプルと、四ホウ酸ナトリウム五水和物を含む蓄熱材サンプルとで、融解開始温度と潜熱量とに大きな差は生じなかった。このように、過冷却防止剤として四ホウ酸ナトリウムを蓄熱材に添加した場合、蓄熱材の融解開始温度は変化せずに、潜熱量も低下しない。
本実施例の過冷却防止効果の検証結果に基づいて、TBABの濃度が25wt%である30gの蓄熱材を作製した。また、TBAB水溶液中の四ホウ酸ナトリウム五水和物の濃度を3.0wt%にした。当該蓄熱材は、冷蔵庫の電源をオフにした後、蓄熱材の温度を10℃以下に3.5時間保持することができた。
本実施例による蓄熱材は、TBAB水溶液と、TBAB包接水和物とに可逆的に変化する蓄熱材料と、TBAB水溶液に添加された四ホウ酸ナトリウムとを有している。本実施例による蓄熱材は、蓄熱性能の低下を防ぎつつ、過冷却を防止することができる。このため、本実施例による蓄熱材は、3℃で凝固し、10℃以下で融解を開始する。本実施例による蓄熱材は、冷蔵庫への電力供給が遮断された場合に、冷蔵庫内を10℃程度に保冷することができる。
(実施例2)
次に、本実施の形態の実施例2による蓄熱材について説明する。本実施例では、上記実施例1と同様に、水道水にTBABを溶解させてTBAB水溶液を作製した。TBAB水溶液中のTBABの濃度は、33wt%とした。また、上記実施例1と同様に、TBAB水溶液中に四ホウ酸ナトリウム五水和物を含まない蓄熱材サンプルと、TBAB水溶液中の四ホウ酸ナトリウムの濃度が0.5wt%、1.0wt%、1.5wt%、2.0wt%、3.0wt%である蓄熱材サンプルを作製した。
また、本実施例では、上記実施例1と同様の条件で過冷却防止効果を検証した。図2は、本実施例の過冷却防止効果の検証結果を示す表である。図2には、蓄熱材サンプルが凝固した場合には「○」と標記し、蓄熱材サンプルが凝固しなかった場合には「×」と標記している。図2に示すように、四ホウ酸ナトリウム五水和物を含まない蓄熱材サンプルは、凝固しなかった。同様に、四ホウ酸ナトリウム五水和物の濃度が0.5wt%、1.0wt%である蓄熱材サンプルは凝固しなかった。一方、四ホウ酸ナトリウム五水和物の濃度が1.5wt%、2.0wt%、3.0wt%である蓄熱材サンプルは、いずれも凝固した。これにより、TBAB水溶液中のTBABの濃度が33wt%である蓄熱材において、四ホウ酸ナトリウム五水和物の濃度を1.5wt%以上にすると過冷却防止効果が有ることが分かった。
また、各蓄熱材サンプルを凝固させて、各蓄熱材サンプルが融解する際の融解開始温度と潜熱量を測定した。蓄熱材サンプルの融解開始温度と潜熱量とは、DSC(示差走査熱量測定)により測定した。DSC測定時の昇温速度は5℃/minとした。ここで、潜熱量は、蓄熱材サンプルが融解している際に吸熱する熱量とする。
図2に示すように、四ホウ酸ナトリウム五水和物を含まない蓄熱材サンプルの融解開始温度は6.5℃であり、潜熱量は158J/gであった。また、四ホウ酸ナトリウム五水和物の濃度が0.5wt%である蓄熱材サンプルの融解開始温度は6.6℃であり、潜熱量は150J/gであった。四ホウ酸ナトリウム五水和物の濃度が1.0wt%である蓄熱材サンプルの融解開始温度は6.0℃であり、潜熱量は142J/gであった。四ホウ酸ナトリウム五水和物の濃度が1.5wt%である蓄熱材サンプルの融解開始温度は6.3℃であり、潜熱量は130J/gであった。四ホウ酸ナトリウム五水和物の濃度が2.0wt%である蓄熱材サンプルの融解開始温度は6.2℃であり、潜熱量は150J/gであった。四ホウ酸ナトリウム五水和物の濃度が3.0wt%である蓄熱材サンプルの融解開始温度は6.4℃であり、潜熱量は147J/gであった。
このように、四ホウ酸ナトリウム五水和物を含まない蓄熱材サンプルと、四ホウ酸ナトリウム五水和物を含む蓄熱材サンプルとで、融解開始温度と潜熱量とに大きな差は生じなかった。特に、四ホウ酸ナトリウム五水和物の濃度が高くなるにつれて、潜熱量が低下する傾向はみられなかった。このように、過冷却防止剤として四ホウ酸ナトリウムを蓄熱材に添加した場合、蓄熱材の融解開始温度は変化せずに、潜熱量も低下しない。
本実施例の過冷却防止効果の検証結果に基づいて、TBABの濃度が33wt%である30gの蓄熱材を作製した。また、TBAB水溶液中の四ホウ酸ナトリウム五水和物の濃度を3.0wt%にした。当該蓄熱材は、冷蔵庫の電源をオフにした後、蓄熱材の温度を12℃以下に5.0時間保持することができた。
本実施例による蓄熱材は、TBAB水溶液と、TBAB包接水和物とに可逆的に変化する蓄熱材料と、TBAB水溶液に添加された四ホウ酸ナトリウムとを有している。本実施例による蓄熱材は、蓄熱性能の低下を防ぎつつ、過冷却を防止することができる。このため、本実施例による蓄熱材は、3℃で凝固し、10℃以下で融解を開始する。本実施例による蓄熱材は、冷蔵庫での電力供給が遮断された場合に、冷蔵庫内を10℃程度に保冷することができる。
(実施例3)
次に、本実施の形態の実施例3による蓄熱材について説明する。本実施例では、上記実施例1及び2と同様に、水道水にTBABを溶解させてTBAB水溶液を作製した。TBAB水溶液中のTBABの濃度は、28wt%、30wt%、32wt%、36wt%、38wt%、40wt%とした。また、上記実施例1と同様に、TBAB水溶液中に四ホウ酸ナトリウム五水和物を含まない蓄熱材サンプルと、TBAB水溶液中の四ホウ酸ナトリウムの濃度が0.5wt%、1.0wt%、1.5wt%、2.0wt%、3.0wt%である蓄熱材サンプルを作製した。
また、本実施例では、上記実施例1及び2と同様の条件で過冷却防止効果を検証した。図3は、本実施例の過冷却防止効果の検証結果を示す表である。図3には、蓄熱材サンプルが凝固した場合には「○」と標記し、蓄熱材サンプルが凝固しなかった場合には「×」と標記している。また、図3には、比較のために、実施例1(TBAB:25wt%)及び実施例2(TBAB:33wt%)での検証効果を記載している。
図3に示すように、TBABの濃度が28wt%、30wt%、32wt%である場合、四ホウ酸ナトリウム五水和物を含まない蓄熱材サンプルは、凝固しなかった。同様に、TBABの濃度が28wt%、30wt%、32wt%である場合、四ホウ酸ナトリウム五水和物の濃度が0.5wt%、1.0wt%である蓄熱材サンプルは凝固しなかった。一方、TBABの濃度が28wt%、30wt%、32wt%である場合、四ホウ酸ナトリウム五水和物の濃度が1.5wt%、2.0wt%、3.0wt%である蓄熱材サンプルは、いずれも凝固した。これにより、TBAB水溶液中のTBABの濃度が25wt%〜33wt%である蓄熱材において、四ホウ酸ナトリウム五水和物の濃度を1.5wt%以上にすると過冷却防止効果が有ることが分かった。
また、TBABの濃度が36wt%である場合、四ホウ酸ナトリウム五水和物を含まない蓄熱材サンプルは、凝固しなかった。また、TBABの濃度が36wt%である場合、四ホウ酸ナトリウム五水和物の濃度が0.5wt%である蓄熱材サンプルは凝固しなかった。一方、TBABの濃度が36wt%である場合、四ホウ酸ナトリウム五水和物の濃度が1.0wt%、1.5wt%、2.0wt%、3.0wt%である蓄熱材サンプルは、いずれも凝固した。これにより、TBAB水溶液中のTBABの濃度が36wt%である蓄熱材において、四ホウ酸ナトリウム五水和物の濃度を1.0wt%以上にすると過冷却防止効果が有ることが分かった。
また、TBABの濃度が38wt%、40wt%である場合、四ホウ酸ナトリウム五水和物を含まない蓄熱材サンプルは、凝固しなかった。一方、TBABの濃度が38wt%、40wt%である場合、四ホウ酸ナトリウム五水和物の濃度が0.5wt%、1.0wt%、1.5wt%、2.0wt%、3.0wt%である蓄熱材サンプルは、いずれも凝固した。これにより、TBAB水溶液中のTBABの濃度が38wt%以上である蓄熱材において、四ホウ酸ナトリウム五水和物の濃度を0.5wt%以上にすると過冷却防止効果が有ることが分かった。
図3に示すように、TBABの濃度が高くなるほど、四ホウ酸ナトリウム五水和物の添加量が少なくても過冷却防止効果が有ることが分かった。これは、TBABの濃度が高くなるほど、包接水和物生成温度も高くなるため、過冷却が生じても3.2℃でTBAB包接水和物が生成されるからである。
また、TBAB水溶液の包接水和物分解温度は、TBABの濃度が40wt%になると、調和融点となる。このため、本実施例では、TBABの濃度上限を40wt%にしている。
また、各蓄熱材サンプルを凝固させて、各蓄熱材サンプルが融解する際の融解開始温度と潜熱量を測定した。蓄熱材サンプルの融解開始温度と潜熱量とは、DSC(示差走査熱量測定)により測定した。DSC測定時の昇温速度は5℃/minとした。ここで、潜熱量は、蓄熱材サンプルが融解している際に吸熱する熱量とする。
図3に示すように、TBABの濃度が28wt%であり、四ホウ酸ナトリウム五水和物を含まない蓄熱材サンプルの融解開始温度は6.5℃であり、潜熱量は135J/gであった。また、TBABの濃度が28wt%であり、四ホウ酸ナトリウム五水和物の濃度が0.5wt%である蓄熱材サンプルの融解開始温度は6.2℃であり、潜熱量は140J/gであった。TBABの濃度が28wt%であり、四ホウ酸ナトリウム五水和物の濃度が1.0wt%である蓄熱材サンプルの融解開始温度は6.1℃であり、潜熱量は140J/gであった。TBABの濃度が28wt%であり、四ホウ酸ナトリウム五水和物の濃度が1.5wt%である蓄熱材サンプルの融解開始温度は6.5℃であり、潜熱量は136J/gであった。TBABの濃度が28wt%であり、四ホウ酸ナトリウム五水和物の濃度が2.0wt%である蓄熱材サンプルの融解開始温度は5.9℃であり、潜熱量は148J/gであった。TBABの濃度が28wt%であり、四ホウ酸ナトリウム五水和物の濃度が3.0wt%である蓄熱材サンプルの融解開始温度は6.3℃であり、潜熱量は143J/gであった。
また、TBABの濃度が30wt%であり、四ホウ酸ナトリウム五水和物を含まない蓄熱材サンプルの融解開始温度は6.9℃であり、潜熱量は124J/gであった。また、TBABの濃度が30wt%であり、四ホウ酸ナトリウム五水和物の濃度が0.5wt%である蓄熱材サンプルの融解開始温度は6.0℃であり、潜熱量は138J/gであった。TBABの濃度が30wt%であり、四ホウ酸ナトリウム五水和物の濃度が1.0wt%である蓄熱材サンプルの融解開始温度は6.1℃であり、潜熱量は138J/gであった。TBABの濃度が30wt%であり、四ホウ酸ナトリウム五水和物の濃度が1.5wt%である蓄熱材サンプルの融解開始温度は6.2℃であり、潜熱量は134J/gであった。TBABの濃度が30wt%であり、四ホウ酸ナトリウム五水和物の濃度が2.0wt%である蓄熱材サンプルの融解開始温度は6.0℃であり、潜熱量は139J/gであった。TBABの濃度が30wt%であり、四ホウ酸ナトリウム五水和物の濃度が3.0wt%である蓄熱材サンプルの融解開始温度は6.0℃であり、潜熱量は138J/gであった。
また、TBABの濃度が32wt%であり、四ホウ酸ナトリウム五水和物を含まない蓄熱材サンプルの融解開始温度は7.0℃であり、潜熱量は146J/gであった。また、TBABの濃度が32wt%であり、四ホウ酸ナトリウム五水和物の濃度が0.5wt%である蓄熱材サンプルの融解開始温度は6.7℃であり、潜熱量は147J/gであった。TBABの濃度が32wt%であり、四ホウ酸ナトリウム五水和物の濃度が1.0wt%である蓄熱材サンプルの融解開始温度は6.4℃であり、潜熱量は148J/gであった。TBABの濃度が32wt%であり、四ホウ酸ナトリウム五水和物の濃度が1.5wt%である蓄熱材サンプルの融解開始温度は6.2℃であり、潜熱量は144J/gであった。TBABの濃度が32wt%であり、四ホウ酸ナトリウム五水和物の濃度が2.0wt%である蓄熱材サンプルの融解開始温度は5.9℃であり、潜熱量は134J/gであった。TBABの濃度が32wt%であり、四ホウ酸ナトリウム五水和物の濃度が3.0wt%である蓄熱材サンプルの融解開始温度は6.6℃であり、潜熱量は139J/gであった。
また、TBABの濃度が36wt%であり、四ホウ酸ナトリウム五水和物を含まない蓄熱材サンプルの融解開始温度は7.0℃であり、潜熱量は143J/gであった。また、TBABの濃度が36wt%であり、四ホウ酸ナトリウム五水和物の濃度が0.5wt%である蓄熱材サンプルの融解開始温度は5.7℃であり、潜熱量は144J/gであった。TBABの濃度が36wt%であり、四ホウ酸ナトリウム五水和物の濃度が1.0wt%である蓄熱材サンプルの融解開始温度は6.0℃であり、潜熱量は147J/gであった。TBABの濃度が36wt%であり、四ホウ酸ナトリウム五水和物の濃度が1.5wt%である蓄熱材サンプルの融解開始温度は7.2℃であり、潜熱量は142J/gであった。TBABの濃度が36wt%であり、四ホウ酸ナトリウム五水和物の濃度が2.0wt%である蓄熱材サンプルの融解開始温度は6.5℃であり、潜熱量は147J/gであった。TBABの濃度が36wt%であり、四ホウ酸ナトリウム五水和物の濃度が3.0wt%である蓄熱材サンプルの融解開始温度は7.2℃であり、潜熱量は146J/gであった。
また、TBABの濃度が38wt%であり、四ホウ酸ナトリウム五水和物を含まない蓄熱材サンプルの融解開始温度は6.9℃であり、潜熱量は148J/gであった。また、TBABの濃度が38wt%であり、四ホウ酸ナトリウム五水和物の濃度が0.5wt%である蓄熱材サンプルの融解開始温度は7.0℃であり、潜熱量は147J/gであった。TBABの濃度が38wt%であり、四ホウ酸ナトリウム五水和物の濃度が1.0wt%である蓄熱材サンプルの融解開始温度は9.0℃であり、潜熱量は151J/gであった。TBABの濃度が38wt%であり、四ホウ酸ナトリウム五水和物の濃度が1.5wt%である蓄熱材サンプルの融解開始温度は9.3℃であり、潜熱量は143J/gであった。TBABの濃度が38wt%であり、四ホウ酸ナトリウム五水和物の濃度が2.0wt%である蓄熱材サンプルの融解開始温度は8.2℃であり、潜熱量は147J/gであった。TBABの濃度が38wt%であり、四ホウ酸ナトリウム五水和物の濃度が3.0wt%である蓄熱材サンプルの融解開始温度は8.8℃であり、潜熱量は145J/gであった。
また、TBABの濃度が40wt%であり、四ホウ酸ナトリウム五水和物を含まない蓄熱材サンプルの融解開始温度は9.8℃であり、潜熱量は153J/gであった。また、TBABの濃度が40wt%であり、四ホウ酸ナトリウム五水和物の濃度が0.5wt%である蓄熱材サンプルの融解開始温度は8.7℃であり、潜熱量は147J/gであった。TBABの濃度が40wt%であり、四ホウ酸ナトリウム五水和物の濃度が1.0wt%である蓄熱材サンプルの融解開始温度は10.1℃であり、潜熱量は147J/gであった。TBABの濃度が40wt%であり、四ホウ酸ナトリウム五水和物の濃度が1.5wt%である蓄熱材サンプルの融解開始温度は9.7℃であり、潜熱量は150J/gであった。TBABの濃度が40wt%であり、四ホウ酸ナトリウム五水和物の濃度が2.0wt%である蓄熱材サンプルの融解開始温度は9.2℃であり、潜熱量は154J/gであった。TBABの濃度が40wt%であり、四ホウ酸ナトリウム五水和物の濃度が3.0wt%である蓄熱材サンプルの融解開始温度は9.3℃であり、潜熱量は149J/gであった。
このように、四ホウ酸ナトリウム五水和物を含まない蓄熱材サンプルと、四ホウ酸ナトリウム五水和物を含む蓄熱材サンプルとで、融解開始温度と潜熱量とに大きな差は生じなかった。これにより、過冷却防止剤として四ホウ酸ナトリウムを蓄熱材に添加した場合、蓄熱材の融解開始温度は変化せずに、潜熱量も低下しない。
本実施例による蓄熱材は、TBAB水溶液と、TBAB包接水和物とに可逆的に変化する蓄熱材料と、TBAB水溶液に添加された四ホウ酸ナトリウムとを有している。本実施例による蓄熱材は、蓄熱性能の低下を防ぎつつ、過冷却を防止することができる。
また、本実施例の蓄熱材において、TBAB水溶液中でのTBABの濃度は、25wt%以上、40wt%以下である。本実施例による蓄熱材は、約3℃で凝固し、6℃〜10℃で融解を開始するので、冷蔵庫内の保冷に好適に用いることができる。
(実施例4)
次に、本実施の形態の実施例4による蓄熱材について図4を用いて説明する。上記のように、本実施の形態による蓄熱材では、過冷却防止剤として四ホウ酸ナトリウムが用いられている。四ホウ酸ナトリウムには、四ホウ酸ナトリウム無水物、四ホウ酸ナトリウム五水和物、四ホウ酸ナトリウム十水和物がある。過冷却防止剤としては、四ホウ酸ナトリウム無水物、四ホウ酸ナトリウム五水和物又は四ホウ酸ナトリウム十水和物のいずれが用いられてもよい。
また、四ホウ酸ナトリウムは、TBAB水溶液に添加されている。このため、水和水を含む四ホウ酸ナトリウム五水和物及び四ホウ酸ナトリウム十水和物において、過冷却防止に寄与しているのは、水和水ではなく四ホウ酸ナトリウム自体である。四ホウ酸ナトリウム五水和物における四ホウ酸ナトリウムの重量比は、約69wt%である。また、四ホウ酸ナトリウム十水和物における四ホウ酸ナトリウムの重量比は、約53wt%である。
本実施例による蓄熱材では、過冷却防止剤として四ホウ酸ナトリウム五水和物が添加されている。本実施例では、四ホウ酸ナトリウム五水和物中の四ホウ酸ナトリウムの重量比から蓄熱材サンプル中の四ホウ酸ナトリウムの重量比を算出して、四ホウ酸ナトリウムの添加量と過冷却防止効果とについて検証した。
本実施例では、上記実施例1〜3と同様の蓄熱材サンプルを作製した。図4は、本実施例の過冷却防止効果の検証結果を示す表である。図4には、蓄熱材サンプルが凝固した場合には「○」と標記し、蓄熱材サンプルが凝固しなかった場合には「×」と標記している。図4に示す過冷却防止効果の結果は、図3に示す過冷却防止効果の結果と同じである。
図4の四ホウ酸ナトリウム五水和物の濃度が1.0wt%である場合の欄と、四ホウ酸ナトリウム五水和物の濃度が1.5wt%である欄の括弧内の数値は、各蓄熱材サンプル中の四ホウ酸ナトリウムの重量比を示している。図4に示すように、TBABの濃度が25wt%であり、四ホウ酸ナトリウム五水和物の濃度が1.0wt%である蓄熱材サンプル中の四ホウ酸ナトリウムの重量比は、0.92wt%である。また、TBABの濃度が28wt%であり、四ホウ酸ナトリウム五水和物の濃度が1.0wt%である蓄熱材サンプル中の四ホウ酸ナトリウムの重量比は、0.96wt%である。また、TBABの濃度が30wt%であり、四ホウ酸ナトリウム五水和物の濃度が1.0wt%である蓄熱材サンプル中の四ホウ酸ナトリウムの重量比は、0.98wt%である。また、TBABの濃度が32wt%であり、四ホウ酸ナトリウム五水和物の濃度が1.0wt%である蓄熱材サンプル中の四ホウ酸ナトリウムの重量比は、1.01wt%である。また、TBABの濃度が33wt%であり、四ホウ酸ナトリウム五水和物の濃度が1.0wt%である蓄熱材サンプル中の四ホウ酸ナトリウムの重量比は、1.03wt%である。また、TBABの濃度が36wt%であり、四ホウ酸ナトリウム五水和物の濃度が1.0wt%である蓄熱材サンプル中の四ホウ酸ナトリウムの重量比は、1.08wt%である。また、TBABの濃度が38wt%であり、四ホウ酸ナトリウム五水和物の濃度が1.0wt%である蓄熱材サンプル中の四ホウ酸ナトリウムの重量比は、1.11wt%である。また、TBABの濃度が40wt%であり、四ホウ酸ナトリウム五水和物の濃度が1.0wt%である蓄熱材サンプル中の四ホウ酸ナトリウムの重量比は、1.15wt%である。
また、TBABの濃度が25wt%であり、四ホウ酸ナトリウム五水和物の濃度が1.5wt%である蓄熱材サンプル中の四ホウ酸ナトリウムの重量比は、1.38wt%である。また、TBABの濃度が28wt%であり、四ホウ酸ナトリウム五水和物の濃度が1.5wt%である蓄熱材サンプル中の四ホウ酸ナトリウムの重量比は、1.44wt%である。また、TBABの濃度が30wt%であり、四ホウ酸ナトリウム五水和物の濃度が1.5wt%である蓄熱材サンプル中の四ホウ酸ナトリウムの重量比は、1.47wt%である。また、TBABの濃度が32wt%であり、四ホウ酸ナトリウム五水和物の濃度が1.5wt%である蓄熱材サンプル中の四ホウ酸ナトリウムの重量比は、1.52wt%である。また、TBABの濃度が33wt%であり、四ホウ酸ナトリウム五水和物の濃度が1.5wt%である蓄熱材サンプル中の四ホウ酸ナトリウムの重量比は、1.54wt%である。また、TBABの濃度が36wt%であり、四ホウ酸ナトリウム五水和物の濃度が1.5wt%である蓄熱材サンプル中の四ホウ酸ナトリウムの重量比は、1.62wt%である。また、TBABの濃度が38wt%であり、四ホウ酸ナトリウム五水和物の濃度が1.5wt%である蓄熱材サンプル中の四ホウ酸ナトリウムの重量比は、1.67wt%である。また、TBABの濃度が40wt%であり、四ホウ酸ナトリウム五水和物の濃度が1.5wt%である蓄熱材サンプル中の四ホウ酸ナトリウムの重量比は、1.73wt%である。
四ホウ酸ナトリウムの0℃での溶液100gに対する溶解度は、1.18である。過冷却防止効果を生じさせるためには、この溶解度よりも多く四ホウ酸ナトリウムが添加される必要があると考えられる。また、冷蔵庫内の温度(例えば、0℃〜5℃)で固体として存在する四ホウ酸ナトリウムは、核生成時の核となり、核生成を促進させて過冷却を防止することができる。このため、四ホウ酸ナトリウムは、蓄熱材中で個体として存在するためには、蓄熱材に溶解度以上添加される必要がある。
図4に示すように、四ホウ酸ナトリウムの重量比が1.18wt%以上である場合、過冷却防止効果が得られている。また、TBABの濃度が高くなるほど、蓄熱材が凝固する凝固点が高温側にシフトする。このため、TBABの濃度が36wt%、38wt%、40wt%であり、四ホウ酸ナトリウム五水和物の濃度が1.0wt%である蓄熱材サンプルは、四ホウ酸ナトリウムの重量比が1.18wt%以下であっても凝固している。
本実施例による蓄熱材は、TBAB水溶液と、TBAB包接水和物とに可逆的に変化する蓄熱材料と、TBAB水溶液に添加された四ホウ酸ナトリウムとを有している。四ホウ酸ナトリウムの添加量は、0℃での水に対する飽和溶解度以上、3wt%以下である。本実施例による蓄熱材は、蓄熱性能の低下を防ぎつつ、過冷却を防止することができる。また、本実施例による蓄熱材は、蓄熱材料の重量比を低減させることなく過冷却を防ぐことができる。
(比較例)
次に、図5を用いて、本実施の形態の比較例による蓄熱材について説明する。本比較例では、水道水にTBABを溶解させてTBAB水溶液を作製した。TBAB水溶液中のTBABの濃度は、20wt%、25wt%、33wt%、40wt%とした。また、本比較例では、過冷却防止剤としてリン酸水素二ナトリウム(NaHPO)が用いられている。リン酸水素二ナトリウムは、TBAB水溶液に添加されている。TBAB水溶液中のリン酸水素二ナトリウムは、0.5wt%、1.0wt%、1.5wt%、2.0wt%、3.0wt%、5.0wt%とした。
本比較例では、TBABの濃度が20wt%、25wt%、33wt%、40wt%である比較サンプルを作製した。また、各比較サンプルにおけるリン酸水素二ナトリウムの濃度を0.5wt%、1.0wt%、1.5wt%、2.0wt%、3.0wt%、5.0wt%に変化させて、過冷却防止効果を検証した。
また、本比較例では、ガラス製の容量20mlのサンプル管瓶に各比較サンプルを15g封入し、サンプル管瓶を冷蔵庫内で約16時間、2.1℃に冷却し、過冷却防止効果を検証した。以上の条件で、各比較サンプルが凝固したら過冷却防止効果有りとし、蓄熱材サンプルが凝固しなかったら過冷却防止効果無しとした。
図5は、本比較例の過冷却防止効果の検証結果を示す表である。図5には、比較サンプルが凝固した場合には「○」と標記し、比較サンプルが凝固しなかった場合には「×」と標記している。図5に示すように、TBABの濃度が20wt%である比較サンプルと、TBABの濃度が25wt%である比較サンプルとは、リン酸水素二ナトリウムの濃度が0.5wt%、1.0wt%、1.5wt%、2.0wt%である場合に凝固しなかった。また、TBABの濃度が20wt%である比較サンプルと、TBABの濃度が25wt%である比較サンプルとは、リン酸水素二ナトリウムの濃度が3.0wt%、5.0wt%である場合に凝固した。TBABの濃度が33wt%である比較サンプルは、リン酸水素二ナトリウムの濃度が0.5wt%、1.0wt%である場合に凝固しなかった。また、TBABの濃度が33wt%である比較サンプルは、リン酸水素二ナトリウムの濃度が1.5wt%、2.0wt%、3.0wt%、5.0wt%である場合に凝固した。TBABの濃度が40wt%である比較サンプルは、リン酸水素二ナトリウムの濃度が0.5wtである場合に凝固しなかった。また、TBABの濃度が40wt%である比較サンプルは、リン酸水素二ナトリウムの濃度が1.0wt%、1.5wt%、2.0wt%、3.0wt%、5.0wt%である場合に凝固した。
図4及び図5を比較すると、本実施の形態による蓄熱材は、TBABの濃度が25wt%である場合、過冷却防止剤である四ホウ酸ナトリウム五水和物の濃度が1.5wt%で凝固している。一方、比較例による蓄熱材は、TBABの濃度が25wt%である場合、過冷却防止剤であるリン酸水素二ナトリウムの濃度が3.0wt%で凝固している。このため、過冷却防止剤に四ホウ酸ナトリウムを用いると、リン酸水素二ナトリウムを用いた場合よりも、過冷却防止剤の添加量を少なくしても過冷却防止効果が得られた。
また、本実施の形態の過冷却防止効果の検証では蓄熱材サンプルを3.2℃に冷却しているのに対し、本比較例の過冷却防止効果の検証では比較サンプルを2.1℃に冷却している。過冷却防止剤に四ホウ酸ナトリウムを用いると、リン酸水素二ナトリウムを用いた場合よりも、高い温度で蓄熱材が凝固した。このため、TBABを用いた蓄熱材においては、リン酸水素二ナトリウムよりも四ホウ酸ナトリウムの方が過冷却防止効果が高いことが分かる。
(実施例5)
次に、本実施の形態の実施例5による蓄熱材について図6を用いて説明する。本実施例では、過冷却防止剤に四ホウ酸ナトリウムを用いた場合と、リン酸水素二ナトリウムを用いた場合での、蓄熱材が凝固及び融解を繰り返したときの潜熱量の変化について検証する。
本実施例では、水道水にTBABを溶解させて、TBAB水溶液中のTBABの濃度を33wt%とする蓄熱材サンプルを2個作製した。一方の蓄熱材には、過冷却防止剤として、四ホウ酸ナトリウム五水和物が添加されている。TBAB水溶液中での四ホウ酸ナトリウム五水和物の濃度は、2.0wt%とした。また、他方の蓄熱材には、過冷却防止剤として、リン酸水素二ナトリウムが添加されている。TBAB水溶液中でのリン酸水素二ナトリウムの濃度は、2.0wt%とした。このように、過冷却防止剤の濃度を同じにした2個の蓄熱材サンプルを作製した。
本実施例では、各蓄熱材サンプルの凝固及び融解を100回繰り返し、1サイクル毎の潜熱量をDSCで測定した。図6には、凝固及び融解の1回目、2回目、3回目及び100回目での潜熱量の測定結果を示している。DSC測定時の昇温速度は5℃/minとした。ここで、潜熱量は、蓄熱材サンプルが融解している際に吸熱する熱量とする。
凝固及び融解の1回目では、四ホウ酸ナトリウム五水和物が添加された蓄熱材サンプルの潜熱量は、154J/gであり、リン酸水素二ナトリウムが添加された蓄熱材サンプルの潜熱量は、145J/gであった。凝固及び融解の2回目では、四ホウ酸ナトリウム五水和物が添加された蓄熱材サンプルの潜熱量は、159J/gであり、リン酸水素二ナトリウムが添加された蓄熱材サンプルの潜熱量は、134J/gであった。凝固及び融解の3回目では、四ホウ酸ナトリウム五水和物が添加された蓄熱材サンプルの潜熱量は、158J/gであり、リン酸水素二ナトリウムが添加された蓄熱材サンプルの潜熱量は、132J/gであった。凝固及び融解の100回目では、四ホウ酸ナトリウム五水和物が添加された蓄熱材サンプルの潜熱量は、147J/gであり、リン酸水素二ナトリウムが添加された蓄熱材サンプルの潜熱量は、121J/gであった。
このように、過冷却防止剤にリン酸水素二ナトリウムが用いられている蓄熱材サンプルよりも、過冷却防止剤に四ホウ酸ナトリウムが用いられている蓄熱材サンプルの方が、凝固及び融解を繰り返しても潜熱量は低下しなかった。これは、リン酸水素二ナトリウムが添加された蓄熱材は凝固及び融解を繰り返すと、テトラブチルアンモニウムのカウンターイオンが臭素イオンからリン酸イオンに置換され、凝固時に生成されるTBAB包接水和物が減少してしまうからであると考えられる。
一方、四ホウ酸ナトリウムが添加された蓄熱材が凝固及び融解を繰り返しても、テトラブチルアンモニウムのカウンターイオンは、臭素イオンのままである。このため、四ホウ酸ナトリウム五水和物が添加された蓄熱材サンプルは、凝固及び融解を繰り返しても潜熱量が低下していない。
本実施例による蓄熱材は、TBAB水溶液と、TBAB包接水和物とに可逆的に変化する蓄熱材料と、TBAB水溶液に添加された四ホウ酸ナトリウムとを有している。本実施例による蓄熱材は、凝固及び融解を繰り返しても潜熱量が低下せず、信頼性が高い。
(実施例6)
次に、本実施の形態の実施例6による蓄熱材について図7を用いて説明する。本実施例では、過冷却防止剤に四ホウ酸ナトリウムを用いた場合と、リン酸水素二ナトリウムを用いた場合とでの、蓄熱材の融解開始温度の変化について検証する。
本実施例では、水道水にTBABを溶解させて、TBAB水溶液中のTBABの濃度を36wt%とする蓄熱材サンプルを2個作製した。一方の蓄熱材には、過冷却防止剤として、四ホウ酸ナトリウム五水和物が添加されている。TBAB水溶液中での四ホウ酸ナトリウム五水和物の濃度は、1.0wt%とした。また、他方の蓄熱材には、過冷却防止剤として、リン酸水素二ナトリウムが添加されている。TBAB水溶液中でのリン酸水素二ナトリウムの濃度は、1.0wt%とした。このように、過冷却防止剤の濃度を同じにした2個の蓄熱材サンプルを作製した。また、各蓄熱材サンプルの融解開始温度をDSCで測定した。
図7は、各蓄熱材サンプルの融解開始温度を示している。図7に示すように、過冷却防止剤として四ホウ酸ナトリウムが添加された蓄熱材サンプルの融解開始温度は、6.9℃であった。また、過冷却防止剤としてリン酸水素二ナトリウムが添加された蓄熱材サンプルの融解開始温度は、8.1℃であった。
TBAB水溶液にリン酸水素二ナトリウムが添加されると、テトラブチルアンモニウムのカウンターイオンが臭素イオンからリン酸イオンに置換してしまうと考えられる。テトラブチルアンモニウムのカウンターイオンがリン酸イオンに置換されると、蓄熱材の融解開始温度が高くなってしまう。このため、リン酸水素二ナトリウムが添加された蓄熱材サンプルは、四ホウ酸ナトリウムが添加された蓄熱材サンプルよりも、融解開始温度が高くなっていると考えられる。
例えば、冷蔵庫に蓄熱材が設置される場合、蓄熱材は、冷蔵庫内の温度を10℃程度に維持するために6℃〜7℃程度で融解を開始し、融解時の吸熱ピーク温度が約10℃になることが好ましい。このため、蓄熱材の融解開始温度が8℃以上になるのは好ましくない。
本実施例による蓄熱材は、TBAB水溶液と、TBAB包接水和物とに可逆的に変化する蓄熱材料と、TBAB水溶液に添加された四ホウ酸ナトリウムとを有している。四ホウ酸ナトリウムを含む蓄熱材は、融解開始温度の上昇を防ぐことができる。このため、本実施例による蓄熱材は、冷蔵庫に好適に用いることができる。
また、図3を参照すると、TBABの濃度が36wt%であり、四ホウ酸ナトリウムを含まない蓄熱材サンプルの融解開始温度は、7.0℃になっている。一方、図7に示すように、TBABの濃度が36wt%であり、四ホウ酸ナトリウムの濃度が1.0wt%である蓄熱材サンプルの融解開始温度は、6.9℃になっている。このように、四ホウ酸ナトリウムを添加しても、蓄熱材の融解開始温度は変化しない。このため、本実施例による蓄熱材は、融解開始温度をTBABの濃度で制御することができる。これにより、本実施例による蓄熱材は、所望の融解開始温度を容易に得ることができる。
(実施例7)
次に、本実施の形態の実施例7による蓄熱材について図8を用いて説明する。上記実施例1〜6では、千葉県柏市の柏第5水源地から供給された水道水にTBABを溶解させて蓄熱材サンプルを作製した。この水道水は、硬度が約80mg/lの中程度軟水である。また、世界保健機関(WHO)は、硬度が120mg/l以下の水を軟水に分類している。
また、近年の工場の海外移転により、蓄熱材がインドネシア等の新興国で製造される場合がある。インドネシアの工業用水の硬度は、約300mg/Lである。このため、インドネシアの工業用水に含まれるカルシウムイオンの濃度は、相対的に高い。
カルシウムイオンを多く含む水にTBABと、過冷却防止剤としてリン酸水素二ナトリウムを添加すると、水に不溶なリン酸カルシウムイオンが生成される。これにより、TBAB水溶液にリン酸カルシウムが沈殿してしまう。このため、硬水を用いて蓄熱材が製造される場合、過冷却防止剤としてリン酸水素二ナトリウムを添加してもリン酸水素二ナトリウムがリン酸カルシウムに変化してしまい、過冷却防止効果が得られない。TBABを用いた蓄熱材の60wt%〜80wt%が水であり、新興国の上水道水や工業用水は硬水である場合が多い。このため、硬水を用いて蓄熱材を製造できないことは問題である。
本実施例では、硬度が500mg/Lの硬水を用いて、TBAB水溶液中のTBABの濃度を36wt%とする蓄熱材サンプルを2個作製した。一方の蓄熱材には、過冷却防止剤として、四ホウ酸ナトリウム五水和物が添加されている。TBAB水溶液中での四ホウ酸ナトリウム五水和物の濃度は、1.0wt%とした。また、他方の蓄熱材には、過冷却防止剤として、リン酸水素二ナトリウムが添加されている。TBAB水溶液中でのリン酸水素二ナトリウムの濃度は、1.0wt%とした。このように、過冷却防止剤の濃度を同じにした2個の蓄熱材サンプルを作製した。また、各蓄熱材サンプルの凝固点をDSCで測定した。
図8は、硬度が約80mg/lの水道水で作製した蓄熱材サンプルと、硬度が500mg/Lである硬水で作製した蓄熱材サンプルとの凝固点の差を示している。図8に示すように、四ホウ酸ナトリウムが添加された場合、硬水で作製した蓄熱材サンプルの凝固点は、柏市の水道水で作製した蓄熱材サンプルの凝固点よりも0.2℃高くなった。このため、四ホウ酸ナトリウムが添加された場合、硬水で蓄熱材を作製しても凝固点は大きく変化しない。一方、リン酸水素二ナトリウムが添加された場合、硬水で作製した蓄熱材サンプルの凝固点は、柏市の水道水で作製した蓄熱材サンプルの凝固点よりも4.4℃高くなった。このため、リン酸水素二ナトリウムが添加される場合、硬水で蓄熱材を作製すると凝固点は、約4℃も上昇する。
本実施例による蓄熱材は、TBAB水溶液と、TBAB包接水和物とに可逆的に変化する蓄熱材料と、TBAB水溶液に添加された四ホウ酸ナトリウムとを有している。本実施例による蓄熱材は、硬水で製造されても、凝固点の上昇を防ぐことができる。
(実施例8)
次に、本実施の形態の実施例8による蓄熱材について説明する。TBABが用いられている本実施例の蓄熱材は、冷蔵庫内の保冷用に好適である。本実施例の蓄熱材は、TBAB水溶液中の濃度により、融解開始温度が制御される。図9は、本実施例による蓄熱材の融解開始温度とTBABの濃度の関係を示すグラフである。図9の縦軸は融解開始温度(℃)を示し、横軸はTBAB水溶液中のTBABの濃度を示している。
図9のグラフの「◆」印は、蓄熱材の融解開始温度とTBABの濃度を示している。各「◆」印を結んだ曲線cが示すように、TBABの濃度が高くなるにつれて、融解開始温度が上昇している。図9に示すように、例えば、TBABの濃度が25wt%である場合、融解開始温度が5.9℃である。また、TBABの濃度が30wt%である場合、融解開始温度が6.2℃である。また、TBABの濃度が33wt%である場合、融解開始温度が6.3℃である。また、TBABの濃度が36wt%である場合、融解開始温度が7.2℃である。また、TBABの濃度が38wt%である場合、融解開始温度が9.3℃である。
また、蓄熱材におけるTBABの濃度は、融解開始温度を測定して、図9を参照すると解析することができる。蓄熱材の融解開始温度は、DSCで測定することができる。また、液体クロマトグラフィー(LC)、質量分析(MS)、X線回折を用いて蓄熱材の組成や各組成の濃度を解析することができる。また、エバポレーターを用いて蓄熱材に含まれる水を蒸発させ、水に溶解されていた材料の組成を解析してもよい。
(実施例9)
次に、本実施の形態の実施例9による蓄熱材について図10を用いて説明する。本実施例では、蓄熱主剤(蓄熱材料)であるTBABと過冷却防止剤である四ホウ酸ナトリウムを用いて蓄熱材サンプルを作製し実際に冷蔵庫にて凍結の評価を行った。
本実施例では、水道水にTBABを溶解させて、TBAB水溶液中のTBABの濃度を29wt%、31wt%、35wt%とする蓄熱材サンプルを3個作製した。蓄熱材サンプルには、過冷却防止剤として、四ホウ酸ナトリウム五水和物を添加した。各蓄熱材サンプルにおいて、TBABの濃度は29wt%、31wt%、35wt%とし、四ホウ酸ナトリウム五水和物の濃度はいずれも2.0wt%とし、水道水は69wt%、67wt%、63wt%になるように調整した。
また、本実施例では、比較対象として、比較サンプルを3個作製した。各比較サンプルにおいて、TBABの濃度は29wt%、31wt%、35wt%とし、水道水71wt%、69wt%、65wt%とした。また、いずれの比較サンプルにも四ホウ酸ナトリウム五水和物等の過冷却防止剤は添加していない。
本実施例では、TBABは撹拌して完全に溶解させてTBAB水溶液とする。次に、縦の長さ18cm、横の長さ21cm、厚さ1.5cmの直方体状のブロー成型容器に四ホウ酸ナトリウム五水和物を先に入れ、後からTBAB水溶液を入れる。四ホウ酸ナトリウム五水和物がTBAB水溶液に完全に溶解せずに一部が粉末状態のまま存在する状態にする。これにより、370gの蓄熱材サンプルをブロー成型容器に封入した。また、比較サンプルも同様のブロー成型容器に370g封入した。
本実施例では、蓄熱材サンプルの過冷却が防止されて3℃の冷蔵庫内で蓄熱材サンプルが凝固(凍結)できるかの過冷却防止効果の検証を行った。
本実施例では、蓄熱材サンプルと比較サンプルとを同じ環境の下で凝固(凍結)確認を行った。蓄熱材サンプルが封入されたブロー成型容器と、比較サンプルが封入されたブロー成型容器とを冷蔵室に入れ、18時間後サンプルの凝固(凍結)の確認を行った。図10は、本実施例での過冷却防止効果を検証結果を示す表である。図10の「Na・5HO 0wt%」の欄は四ホウ酸ナトリウムを添加していない比較サンプルの検証結果を示し、「Na・5HO 2.0wt%」の欄は四ホウ酸ナトリウムを含む蓄熱材サンプルの検証結果を示している。また、図10には、各サンプルが凝固した場合には「○」と標記し、サンプルが凝固しなかった場合には「×」と標記している。
図10に示すように、本実施例の蓄熱材サンプルはいずれも凝固し、比較サンプルはいずれも凝固しなかった。この結果から、TBAB水溶液中のTBABの濃度が29wt%〜35wt%である蓄熱材において、四ホウ酸ナトリウム五水和物の濃度を2.0wt%とし、四ホウ酸ナトリウム五水和物の一部がTBAB水溶液に溶解しない場合は過冷却防止効果が有り、冷蔵室内にて凍結することが確認された。
本実施例による蓄熱材は、TBAB水溶液と、TBAB包接水和物とに可逆的に変化する蓄熱材料と、TBAB水溶液に添加された四ホウ酸ナトリウムとを有している。蓄熱材が液相状態である場合に、四ホウ酸ナトリウムの一部は、TBAB水溶液に溶解しない状態となる。本実施例による蓄熱材は、過冷却を防止することができる。
(実施例10)
次に、本実施の形態の実施例10による冷蔵庫について図11を用いて説明する。本実施例による冷蔵庫は、冷蔵室内に配置された蓄熱材を有している。本実施例では、TBABの濃度を35wt%とし、四ホウ酸ナトリウム五水和物の濃度を2.0wt%とする蓄熱材を作製した。当該蓄熱材を上記実施例9で用いたのと同様のブロー成型容器に370g封入したものを2個用意した。
蓄熱材入りの2個のブロー成型容器を冷蔵庫(シャープ株式会社製、Kirei SJ−225MF)の冷蔵室内のフレッシュケースの底部に配置し、冷蔵庫の電源をオン状態にしてから18時間後に電源をオフ状態にし、フレッシュケース内の温度変化を測定した。フレッシュケースは、冷蔵室内に配置され、冷蔵室内の他の領域と樹脂板で仕切られている。本実施例において、フレッシュケースの高さは10cmであり、横幅は40cmであり、奥行きは26cmである。また、フレッシュケースの設定温度は0℃〜5℃である。
本実施例では、蓄熱材をフレッシュケースに配置した場合と、蓄熱材をフレッシュケースに配置しなかった場合とで、フレッシュケース内の温度変化を比較した。図11は、電源をオン状態にしてから18時間後に電源をオフにした時点からのフレッシュケースの温度変化を示すグラフである。図11の縦軸は温度(℃)を示し、横軸は時間(hour)を示している。また、図11において、実線で示す曲線はフレッシュケース内に蓄熱材を配置した場合の温度変化を示し、破線で示す曲線はフレッシュケース内に蓄熱材を配置しなかった場合の温度変化を示している。
図11に示すように、蓄熱材を配置しない場合、フレッシュケース内は約1.5時間経過後に14℃まで温度上昇してしまう。このように、蓄熱材を配置しない場合、冷蔵庫の電源オフ後に冷蔵室内(本実施例ではフレッシュケース内)の温度を10℃以下に保持することは困難である。
一方、蓄熱材を配置した場合、フレッシュケース内の温度を10℃に3.5時間以上保持することができた。このように、蓄熱材を備えた冷蔵庫は、電源オフから3.5時間以上も冷蔵室内を10℃以下に保持するこができる。これにより、蓄熱材を備えた冷蔵庫は、停電等で電源オフになった場合であっても、3.5時間以上、食品等を10℃以下に保冷することができる。なお、本実施例ではフレッシュケースの底部のみに蓄熱材を配置したが、フレッシュケースの側壁や天井に蓄熱材を配置してもよい。底部に加えて側壁や天井に蓄熱材を配置すると、10℃以下での保冷時間をより長くすることができる。
本実施例による冷蔵庫は、冷蔵室と、冷蔵室内に配置された蓄熱材とを有している。本実施例による冷蔵庫によれば、電源オフから所定時間の間、食品等を10℃以下に保冷することができる。
本発明は、上記実施の形態に限らず種々の変形が可能である。
本実施の形態による蓄熱材は、ゲル化されていてもよい。
また、複数のゲル化材をTBAB水溶液に添加して、蓄熱材をゲル化させてもよい。ゲル化材には、繰り返し単位内にヒドロキシル基、カルボキシル基、スルホン酸基、アミノ基、アミド基を1つ以上有する合成高分子分子、天然系多糖類、ゼラチンがある。
ゲル化材に用いられる合成高分子は、ポリアクリルアミド誘導体、ポリビニルアルコール、ポリアクリル酸誘導体のうちから選択される少なくとも一種のポリマーを用い、任意に架橋して生成される。ポリアクリルアミド誘導体は、メチル基、エチル基、シクロプロピル基、プロピル基、イソプロピル基、tert−ブチル基、sec−ブチル基、n−ブチル基、メトキシエチル基、エトキシエチル基、ヒドロキシエチル基、ヒドロキシプロピル、アミノエチル基、アミノプロピル基、2−メチルプロピルスルホン酸基、ジメチルアミノプロピル基又はジメチルアミノプロピルアクリルアミド塩化メチル4級塩を有している。また、これらの置換基以外にも、環状構造を有するアクリロイルモルホリン、メチル基、水素原子を備えるアクリルアミド誘導体のポリマーをゲル化材に用いてもよい。また、複数種類のアクリルアミド誘導体をランダム重合、グラフト重合、ブロック重合して合成したポリマーがゲル化材に用いられていてもよい。
ポリアクリル酸誘導体は、メチル基、エチル基、シクロプロピル基、プロピル基、イソプロピル基、tert−ブチル基、sec−ブチル基、n−ブチル基、メトキシエチル基、エトキシエチル基、ヒドロキシエチル基、ヒドロキシプロピル、アミノエチル基、アミノプロピル基、2−メチルプロピルスルホン酸基、ジメチルアミノプロピル基又はジメチルアミノプロピルアクリルアミド塩化メチル4級塩を有している。複数種類のポリアクリル酸を重合したポリマーがゲル化材に用いられてもよい。また、復数種類のアクリル酸誘導体をランダム重合、グラフト重合、ブロック重合で合成したポリマーがゲル化材に用いられてもよい。また、架橋剤で架橋されたポリマーがゲル化材に用いられてもよい。架橋材としてはN,N’−メチレンビスアクリルアミドが用いられる。
また、ゲル化材に用いられる天然系多糖類には、寒天、アルギン酸、ファーセルラン、ペクチン、澱粉、キサンタンガムとローカストビーンガムの混合物、タマリンド種子ガム、ジュランガム、カラギーナン等がある。
また、上記実施の形態では、ガラス製のサンプル管瓶に蓄熱材を封入して過冷却防止効果等について検証している。蓄熱材をサンプル管瓶に封入した場合と、ブロー成型容器やパック包装材に封入した場合とでは、サンプル管瓶に封入した場合の方が蓄熱材への冷気が伝わりにくくなる。また、蓄熱材は、局所的に3℃よりも低く冷却されると、当該局所的に冷却された箇所で核生成が生じ、全体が凝固する場合がある。このため、蓄熱材の封入容器をサンプル管瓶からブロー成型容器やパック包装材に変更したり、蓄熱材の封入容器を大きくして、蓄熱材が冷蔵庫内で局所的に3℃よりも低く冷却される状態になったりすると、上記実施の形態で凝固しなかった蓄熱材サンプルが凝固する場合がある。
なお、上記詳細な説明で説明した事項、特に上記実施の形態で説明した事項は組み合わせることが可能である。
本発明は、保温用の蓄熱材において広く利用可能である。
c 曲線

Claims (5)

  1. テトラアルキルアンモニウム塩を含む水溶液と、前記テトラアルキルアンモニウム塩をゲスト分子とする包接水和物とに可逆的に変化する蓄熱材料と、
    前記水溶液に添加された四ホウ酸ナトリウムと
    を有することを特徴とする蓄熱材。
  2. 請求項1記載の蓄熱材であって、
    前記テトラアルキルアンモニウム塩は、テトラブチルアンモニウムブロミドであること
    を特徴とする蓄熱材。
  3. 請求項2記載の蓄熱材であって、
    前記水溶液中での前記テトラブチルアンモニウムブロミドの濃度は、25wt%以上、40wt%以下であること
    を特徴とする蓄熱材。
  4. 請求項2又は3に記載の蓄熱材であって、
    前記四ホウ酸ナトリウムの添加量は、0℃での水に対する飽和溶解度以上、3wt%以下であること
    を特徴とする蓄熱材。
  5. 冷蔵室と、
    前記冷蔵室内に配置された請求項1乃至4のいずれか1項に記載の蓄熱材と
    を有することを特徴とする冷蔵庫。
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