JP6601145B2 - 過冷却解除物質およびその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、蓄冷材の過冷却を解除する過冷却解除物質およびその製造方法に関する。
TBAB(臭化テトラブチルアンモニウム)水溶液を冷却して生成するTBAB水和物等の包接水和物は、大きな熱密度を有しており、蓄冷材として用いることが知られている。このような包接水和物は、1種類の包接水和物を単独で蓄熱材として用いることもでき、複数種類の包接水和物を混合して蓄熱材として用いることもできる(特許文献1参照)。ところが、包接水和物を生成する水溶液は、水和物生成温度以下に冷却しても水和物が生成しない過冷却状態となりやすく、蓄冷材として安定的に使用することが難しい。
これに対し、過冷却状態のTBAB水溶液に電場を印加することで過冷却状態を解除する技術が報告されている(非特許文献1参照)。この方法では、TBAB水溶液における電場を印加した部分で過冷却解除物質が生成し、過冷却解除物質によって結晶核の生成が助けられることで過冷却の解除が起こり、その部分から徐々に過冷却解除が進行してTBAB水和物が結晶成長するメカニズムが想定される。
特開2007−161893号公報 INTERNATIONAL JOURNAL OF REFRIGERATION 35 (2012) 1266-1274
しかしながら、非特許文献1に記載の方法において、TBAB水溶液に電場を印加した場合に生成する過冷却解除物質の詳細は不明であり、どのような物質によってTBAB水溶液の過冷却が解除されるのかについての報告事例は存在しない。
そこで、本発明は上記点に鑑み、蓄冷材の過冷却を解除することができる過冷却解除物質およびその製造方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、請求項1に記載の発明は、水和物生成温度以下に冷却することで水和物を生成する1種類以上のハロゲン化アルキルアンモニウム水溶液を含んだ蓄冷材の過冷却状態を解除する過冷却解除物質であって、蓄冷材に含まれるアルキルアンモニウムイオンと、蓄冷材に含まれるハロゲン元素を構成要素とする金属ハロゲン化物イオンと、を含んでおり、金属ハロゲン化物イオンに含まれる金属元素は、Cu、Ag、Zn、Cd、Au、Cr、Mn、Fe、Co、Ni、Mo、Tc、Ru、Rh、Re、Os、Ir、Ptの少なくともいずれかであることを特徴としている。
このような構成を備える過冷却解除物質を用いることで、蓄冷材の過冷却状態を確実に解除することが可能となる。この過冷却解除物質の構成を特定することで、電圧印加のみならず、有機合成によっても過冷却解除物質を生成することができる。
第1実施形態の蓄冷装置の全体構成を示す概念図である。 電圧印加部の電極の構成を示す概念図である。 TBAB水溶液の濃度と水和物生成温度との関係を示すグラフである。 過冷却解除制御処理を示すフローチャートである。 過冷却解除物質の分析結果である質量スペクトルを示す図である。 第2実施形態において、電圧印加部の電極材料を変化させた場合の過冷却解除率を示す図表である。 Zn電極を用いた場合に生成した過冷却解除物質の分析結果である質量スペクトルを示す図である。 Ag電極を用いた場合に生成した過冷却解除物質の分析結果である質量スペクトルを示す図である。 第3実施形態の蓄冷装置の全体構成を示す概念図である。 第3実施形態において、TBAB水溶液に各種添加物を添加した場合の過冷却解除効果を示す図表である。 第6実施形態において、TBAB水溶液に各種添加物を添加した場合の過冷却解除効果を示す図表である。
(第1実施形態)
以下、本発明の第1実施形態について図1〜図5に基づいて説明する。
図1に示すように、本実施形態の蓄冷装置1は、過冷却解除物質生成部10、蓄冷材貯蔵部15、冷熱供給部22、制御部28等を備えている。
過冷却解除物質生成部10には、内部に蓄冷材が貯蔵されている。蓄冷材として、水和物生成温度以下に冷却することで水和物を生成するハロゲン化アルキルアンモニウム水溶液を用いている。本実施形態では、ハロゲン化アルキルアンモニウム水溶液としてTBAB(臭化テトラブチルアンモニウム)水溶液を用いている。なお、本実施形態では、蓄冷材として、20wt%に調整したTBAB水溶液を使用している。
TBAB水溶液は、冷却することで水溶液中にTBAB水和物が生成し、冷熱を蓄える蓄冷材として好適に用いることができる。過冷却解除物質生成部10は、TBAB水溶液の過冷却を解除するための過冷却解除物質を生成するために設けられている。過冷却解除物質については、後で詳細に説明する。
過冷却解除物質生成部10には、電圧印加部12が設けられている。電圧印加部12は、蓄冷材に電圧を印加するために設けられており、例えば所定間隔で設けられた一対の電極間に電流を流す構成とすることができる。電圧印加部12で蓄冷材に電圧を印加することで、過冷却解除物質生成部10の蓄冷材に過冷却解除物質が生成する。本実施形態の電圧印加部12は、電極間隔調整機構を備えている。
図2に示すように、電圧印加部12は、一対の電極12a、12b、固定部材12c、モータ12dを備えている。一対の電極12a、12bは、固定電極12aと可動電極12bとから構成され、これらは先端同士が対向するように設けられている。可動電極12bの軸部には雄ネジ部が形成され、固定部材12cには可動電極12bの雄ネジ部に対応する雌ネジ部が形成されている。
本実施形態では、可動電極12bが図示しない直流電源のプラス側に接続された電極となっており、固定電極12aが直流電源のマイナス側に接続された電極となっている。また、電極12a、12bを構成する電極材料として金属を用いており、本実施形態ではCuからなる金属電極を用いている。
モータ12dを作動させることで可動電極12bが回転し、可動電極12bを固定電極12aに対して近づく方向または遠ざかる方向に移動させることができる。これにより、電圧印加部12は、固定電極12aと可動電極12bとの間隔を調整することができる。また、固定電極12aと可動電極12bとの距離は、例えばこれらの電極12a、12b間の抵抗を測定することで検出することができる。
図1に戻り、蓄冷材貯蔵部15は、内部に蓄冷材が貯蔵されている。蓄冷材貯蔵部15は、蓄冷材配管14を介して過冷却解除物質生成部10と連通しており、過冷却解除物質生成部10と蓄冷材貯蔵部15との間で蓄冷材が流通可能となっている。また、蓄冷材貯蔵部15は、過冷却解除物質生成部10から隔離されて配置されており、互いに与える熱の影響をできるだけ抑えるようになっている。
蓄冷材貯蔵部15では、蓄冷材を冷却して水和物を生成することで蓄冷するように構成されている。蓄冷材貯蔵部15にて、蓄冷材に蓄えられた冷熱は、例えば空調装置の冷房に利用することができる。
蓄冷材貯蔵部15は、複数(本実施形態では3つ)の貯蔵部15a、15b、15cから構成されている。各貯蔵部15a、15b、15cは、蓄冷材配管14を介してそれぞれ過冷却解除物質生成部10と接続されている。
各貯蔵部15a、15b、15cには、内部の蓄冷材の温度を検出するための温度センサ16、17、18がそれぞれ設けられている。また、各貯蔵部15a、15b、15cには、内部の蓄冷材での過冷却状態の発生を検出するための過冷却検出部19、20、21がそれぞれ設けられている。
過冷却検出部19、20、21としては、例えば発光素子および受光素子を備え、発光素子から受光素子に到達する光の透過率を検出する構成や、受光素子にて散乱光を検出する構成とすることができる。蓄冷材が冷却され水和物の割合が増加すると、光の透過率が低下するので、水和物生成温度より低い温度において、光の透過率が基準値を上回っていれば過冷却状態であると判断でき、光の透過率が基準値を下回っていれば過冷却状態でないと判断できる。また、蓄冷材が冷却され水和物の割合が増加すると、発光素子からの光が散乱するので、水和物生成温度より低い温度において、散乱光を検出できなければ過冷却状態であると判断でき、散乱光を検出できれば過冷却状態でないと判断できる。
あるいは、蓄冷材が冷却され水和物の割合が増加すると蓄冷材の粘度が高くなるので、過冷却検出部19、20、21によって蓄冷材の粘度を検出するようにしてもよい。この場合には、水和物生成温度より低い温度において、蓄冷材の粘度が基準値を下回っていれば過冷却状態であると判断でき、蓄冷材の粘度が基準値を上回っていれば過冷却状態でないと判断できる。
あるいは、蓄冷材が冷却され水和物が生成すると相変化による熱量変化が生じるので、過冷却検出部19、20、21として例えば熱電対を用い、示差熱を検出するようにしてもよい。この場合には、過冷却検出部19、20、21で検出した示差熱が基準値を下回っていれば過冷却状態であると判断でき、過冷却検出部19、20、21で検出した示差熱が基準値を上回っていれば過冷却状態でないと判断できる。
冷熱供給部22は、冷媒配管23を介して第1熱交換器24に低温冷媒を供給し、蓄冷材貯蔵部15を冷却するように構成されている。冷熱供給部22は、例えば圧縮機、凝縮器、膨張弁等を備える周知の冷凍サイクルとして構成し、第1熱交換器24は冷凍サイクルの蒸発器とすることができる。第1熱交換器24は、蓄冷材貯蔵部15に熱的に接触しており、冷熱供給部22から供給される低温冷媒と蓄冷材貯蔵部15との間で熱交換することで、蓄冷材貯蔵部15に貯蔵された蓄冷材を冷却することができる。つまり、冷熱供給部22、第1熱交換器24、冷媒配管23が「冷却手段」を構成している。
図1に示すように、第1熱交換器24は、蓄冷材貯蔵部15の上部に配置されている。蓄冷材貯蔵部15内で凝固していない蓄熱材は、蓄冷材貯蔵部15の内部における上方に集まると考えられるので、蓄冷材貯蔵部15の上部から冷却することで、蓄熱材を効率よく凝結させることができる。
なお、冷熱供給部22から第1熱交換器24に冷熱を供給する手段は、上記に述べた冷媒配管23を用いて行っても良いし、あるいは冷熱供給部22から冷熱を有する風などの流体を第1熱交換器24に直接導入しても良い。
蓄冷材貯蔵部15の蓄冷材に蓄えられた冷熱は、熱媒体を介して冷熱利用部25に供給される。冷熱利用部25は例えば空調装置とすることができ、熱媒体としては例えば水を用いることができる。蓄冷材貯蔵部15の下方に、第2熱交換器26が熱的に接触するように設けられており、第2熱交換器26は蓄冷材貯蔵部15と熱媒体との間で熱交換する。冷熱を受け取った熱媒体が熱媒体配管27を介して冷熱利用部25に流れることで、蓄冷材貯蔵部15の蓄冷材に蓄えられた冷熱を冷熱利用部25に供給することができる。なお、冷熱利用部25、第2熱交換器26、熱媒体配管27が「冷熱利用手段」に対応している。
また、蓄熱材の水和物結晶は水よりも比重が大きいため、蓄冷材貯蔵部15の内部における下方に集まると考えられる。このため、第2熱交換器26を蓄冷材貯蔵部15の下方に設けることで、蓄冷材貯蔵部15の蓄冷材に蓄えられた冷熱を効率よく利用することができる。
なお、第2熱交換器26から冷熱利用部25に冷熱を供給する手段は、上記に述べた熱媒体配管27を用いて行っても良いし、あるいは第2熱交換器26から冷熱を有する風などの流体を冷熱利用部25に直接導入しても良い。
制御部28は、CPU、ROMおよびRAM等を含む周知のマイクロコンピュータとその周辺回路から構成され、ROM内に記憶された空調制御プログラムに基づいて各種演算、処理を行う。制御部28には、温度センサ13、16、17、18、過冷却検出部19、20、21からのセンサ信号が入力し、温度調整部11、電圧印加部12、冷熱供給部22に制御信号を出力するように構成されている。
ここで、本実施形態で蓄冷材として用いられるTBAB水溶液について説明する。図3に示すように、代表的なTBABの水和物として、水和度が約26の第1水和物と、水和度が約38の第2水和物の2種類が報告されている。水和物生成温度は、水和物の種類やTBAB水溶液の濃度によって異なっている。20wt%に調整したTBAB水溶液では、第1水和物と第2水和物のどちらもできる可能性があり、水和物生成温度はいずれの場合でも約8℃である。40wt%に調整したTBAB水溶液では第1水和物ができ、水和物生成温度は約12℃である。
上記従来技術の欄で述べたように、TBAB水溶液は、水和物生成温度より低い温度に冷却してもTBAB水和物が生成しない過冷却状態となりやすいという性質を有している。このため、本実施形態の蓄冷装置1では、過冷却解除物質を発生させ、さらに過冷却解除物質を所望する部位に均一に供給することで、TBAB水溶液が過冷却状態になることを抑制している。
本実施形態では、過冷却解除物質生成部10にて生成された過冷却解除物質は、蓄冷材配管14を介して、複数の貯蔵部15a、15b、15cのそれぞれに枝分かれして供給されるように構成されている。これにより、過冷却解除物質生成部10にて生成された過冷却解除物質は、蓄冷材貯蔵部15の特定箇所に偏ることなく、各貯蔵部15a、15b、15cに均一に拡散して供給することができる。
次に、上記構成の蓄冷装置1による過冷却解除制御処理を図4のフローチャートに基づいて説明する。
図4に示すように、まず、電圧印加部12によって過冷却解除物質生成部10の蓄冷材に電圧を印加する(S10)。これにより、過冷却解除物質生成部10の内部で過冷却解除物質が生成される。そして、蓄冷材配管14を介して蓄冷材貯蔵部15の蓄冷材に過冷却解除物質が供給される。
次に、冷熱供給部22から第1熱交換器24に低温冷媒を供給することで、蓄冷材貯蔵部15を冷却する(S11)。そして、温度センサ16〜18からのセンサ信号に基づいて蓄冷材貯蔵部15の蓄冷材温度が水和物生成温度以下になったか否かを判定する(S12)。
この結果、蓄冷材温度が水和物生成温度以下になっていないと判定された場合には(S12:NO)、S11の処理に戻る。一方、蓄冷材温度が水和物生成温度以下になったと判定された場合には(S12:YES)、過冷却検出部19、20、21からのセンサ信号に基づいて蓄冷材貯蔵部15の蓄冷材が過冷却状態になっているか否かを判定する(S13)。
この結果、蓄冷材が過冷却状態になっていると判定された場合には(S13:YES)、電圧印加部12によって過冷却解除物質生成部10の蓄冷材に電圧を印加する(S14)。これにより、過冷却解除物質生成部10の内部で過冷却解除物質が生成される。そして、蓄冷材配管14を介して蓄冷材貯蔵部15の蓄冷材に過冷却解除物質が供給される。
また、S13の判定処理の結果、蓄冷材が過冷却状態になっていないと判定された場合には(S13:NO)、過冷却解除制御処理を終了する。
ここで、本実施形態の過冷却解除物質生成部10で生成される過冷却解除物質について説明する。本実施形態では、電圧印加部12による電圧印加によって過冷却解除物質生成部10で生成した過冷却解除物質を含むTBAB水溶液から、以下の工程で過冷却解除物質を抽出した。
まず、電圧印加によって生成した過冷却解除物質を含むTBAB水溶液を過冷却解除物質生成部10から取り出し、オムニポアメンブレンフィルター(メルクミリポア社製、孔径:0.45μm)を用いて吸引濾過し、水に不溶な物質を得た。この物質を、真空乾燥器を用いて乾燥処理を25℃で12時間行った。ここで、乾燥器にはAS ONE社製 AVO−200NBを用い、真空ポンプにはULVAC社製 GLD−051を用いた。
次に、乾燥処理後の物質をクロロホルムと混合・撹拌した後、再度オムニポアメンブレンフィルタ(メルクミリポア社製、孔径:0.45μm)を用いて吸引濾過し、クロロホルムに不溶な物質を得た。この物質を、真空乾燥器を用いて乾燥処理を25℃で12時間行い、目的の過冷却解除物質を得た。
以上の抽出工程で得た過冷却解除物質の化学構造を、マトリックス支援レーザー脱離イオン化法を用いた質量分析によって以下のように特定した。
分析装置として、MALDI−TOF MASS(BRUKER DALTONICS,autoflex)を用いた。測定条件は、レーザー光源としてN2レーザー(波長:337nm)を用い、測定質量範囲を20−3000(m/z)とし、積算回数を1000回とした。
分析の結果、図5の上段に示す陽イオンの質量スペクトルと、図5の下段に示す陰イオンの質量スペクトルが得られた。
図5上段の質量スペクトルから、過冷却解除物質には、陽イオンとして一般式(1)で示されるテトラブチルアンモニウムイオン(TBA+)が含まれていることがわかる。このテトラブチルアンモニウムイオンは、蓄冷材であるTBAB(臭化テトラブチルアンモニウム)に由来している。
過冷却解除物質に含まれる陽イオンは、少なくとも炭素数が1〜7の炭化水素基を4個備えるアルキルアンモニウムイオンであればよい。4個の炭化水素基は同一でも、それぞれ異なっていても良い。炭化水素基としては、メチル(n=1)、エチル(n=2)、n−プロピル(n=3)、iso−プロピル(n=3)、n−ブチル(n=4)、iso−ブチル(n=4)、n−ペンチル(n=5)、iso−ペンチル(n=5)、n−ヘキシル(n=6)、iso−ヘキシル(n=6)、n−ヘプチル(n=7)、iso−ヘプチル(n=7)を挙げることができる。
また、図5下段の質量スペクトルから、過冷却解除物質には、陰イオンとして少なくとも一般式(2)で示される銅臭化物イオンが含まれていることがわかる。
なお、過冷却解除物質に含まれる陰イオンは、[Br-,Cu+]、[Br-,Cu2+]または[Br-,Cu+,Cu2+]の少なくとも何れかの組み合わせを含んだ銅臭化物イオンを含んでいればよい。これら銅臭化物イオンに含まれるCuは、Cu電極に由来しており、銅臭化物イオンに含まれるBrは、蓄冷材であるTBAB(臭化テトラブチルアンモニウム)に由来している。以降、これら金属イオンとハロゲン化物イオンの組み合わせからなる陰イオンを総称して金属ハロゲン化物イオンと呼ぶ。ただし、それらを構成するイオンの価数や数、および陰イオン全体としての価数は問わない。
以上のことから、過冷却解除物質には、一般式(3)で示される物質が含有されていることが特定できる。
以上説明した本実施形態では、過冷却解除物質生成部10の蓄冷材に電圧印加部12によって電圧を印加している。これにより、過冷却解除物質生成部10にて過冷却解除物質を必要に応じて生成することができ、過冷却解除物質生成部10と連通している蓄冷材貯蔵部15で蓄冷材を水和物生成温度以下に冷却した際に、蓄冷材の過冷却を効果的に抑制することができる。
また、本実施形態では、TBAB水溶液に電圧を印加することで生成する過冷却解除物質において、その複数の構成成分の一つである物質の化学構造を特定することができた。これにより、どのような物質によってTBAB水溶液の過冷却を解除できるのかを明らかにすることができた。
また、本実施形態では、蓄冷材貯蔵部15の蓄熱材を冷却するための第1熱交換器24を蓄冷材貯蔵部15の上部に配置している。これにより、蓄冷材貯蔵部15内で凝固することなく上方に集まっている蓄熱材を、蓄冷材貯蔵部15の上部から冷却して、効率よく凝結させることができる。
また、本実施形態では、蓄冷材貯蔵部15の蓄熱材の冷熱を受け取るための第2熱交換器26を蓄冷材貯蔵部15の下部に配置している。これにより、蓄冷材貯蔵部15内で凝固して下方に集まっている蓄熱材の冷熱を、蓄冷材貯蔵部15の下部から効率よく受け取ることができる。
(第2実施形態)
次に、本発明の第2実施形態について説明する。本第2実施形態では、上記第1実施形態と同様の部分については説明を省略し、異なる部分についてのみ説明する。
本第2実施形態では、電圧印加部12の電極材料として複数種類の材料を用い、各電極材料でTBAB水溶液の過冷却解除処理を繰り返し行った。過冷却解除処理は、上記第1実施形態で図4のフローチャートを用いて説明した手順で行った。そして、電極材料毎に過冷却解除処理によってTBAB水溶液が凝固した回数を測定し、電極材料毎の過冷却解除率を算出した。本第2実施形態では、電圧印加部12の電極材料として、Cu、Zn、Ag、Cを用いた。また、蓄冷材の冷却温度は5℃である。
図6に示すように、Cu電極を用いた場合の過冷却解除率は97%であり、Zn電極を用いた場合の過冷却解除率は100%であり、Ag電極を用いた場合の過冷却解除率は100%であった。つまり、Cu、ZnまたはAgの何れかの金属電極を用いた場合には、高い過冷却解除効果が得られた。一方、非金属電極であるC電極を用いた場合の過冷却解除率は20%であり、過冷却解除効果は低かった。
Cu電極による電圧印加によってTBAB水溶液中で生成した物質の分析結果は、図5を用いて上記第1実施形態で説明したので、本第2実施形態ではZn電極、Ag電極による電圧印加でTBAB水溶液中で生成した物質の分析結果について説明する。質量分析は、上記第1実施形態と同様の手順で行っている。
まず、Zn電極による電圧印加でTBAB水溶液中で生成した物質を質量分析によって分析した結果を図7に基づいて説明する。
図7上段の質量スペクトルから、過冷却解除物質には、陽イオンとして上述の一般式(1)で示されるテトラブチルアンモニウムイオン(TBA+)が含まれていることがわかる。また、図7下段の質量スペクトルから、過冷却解除物質には、陰イオンとして[Zn2+,Br-,Br-,Br-]で示される亜鉛臭化物イオンが含まれていることがわかる。これらの組み合わせから、過冷却解除物質中にはZn錯体が含まれていることがわかる。
次に、Ag電極による電圧印加でTBAB水溶液中で生成した物質を質量分析によって分析した結果を図8に基づいて説明する。
図8上段の質量スペクトルから、過冷却解除物質には、陽イオンとして上述の一般式(1)で示されるテトラブチルアンモニウムイオン(TBA+)と、Ag+(または[Ag+,Br-,・・・,Ag+])が含まれていることがわかる。また、図8下段の質量スペクトルから、過冷却解除物質には、陰イオンとしてBr-(または[Br-,Ag+,・・・,Br-])が含まれていることがわかる。陽イオンがテトラブチルアンモニウムイオン(TBA+)、陰イオンが[Br-,Ag+,・・・,Br-]で示される銀臭化物イオンの組み合わせから、過冷却解除物質中にはAg錯体が含まれていることがわかる。
以上説明した本第2実施形態によれば、電圧印加部12の電極材料として、Cu、Zn、Agの何れかの金属を用いた場合に、高い過冷却解除効果を得ることができた。
また、本第2実施形態では、電圧印加部12の電極材料を異ならせることで、生成する過冷却解除物質の構成が変化することが示された。例えば、Cu電極を用いた場合には、陽イオンとしてテトラブチルアンモニウムイオン(TBA+)が含まれ、陰イオンとして銅臭化物イオンが含まれる過冷却解除物質が生成した。また、Zn電極を用いた場合には、陽イオンとしてTBA+が含まれ、陰イオンとして亜鉛臭化物イオンが含まれる過冷却解除物質が生成した。また、Ag電極を用いた場合には、陽イオンとしてTBA+が含まれ、陰イオンとして銀臭化物イオンが含まれる過冷却解除物質が生成した。
つまり、上記第1実施形態では、陽イオンとしてTBA+が含まれ、陰イオンとして銅臭化物イオンが含まれる過冷却解除物質について説明したが、本第2実施形態によれば、陰イオンとして銀臭化物イオンや亜鉛臭化物イオンのような銅臭化物イオン以外の金属臭化物イオンが含まれている場合であっても、TBAB水溶液の過冷却解除効果が得られる場合があることが示された。
また、上述のように、電圧印加部12の電極材料としてCu、Zn、Agの何れかの金属を用いた場合に、TBAB水溶液中で生成した物質を質量分析によって分析した結果、陰イオンとして金属臭化物に由来する質量ピークが確認できた。また、陽イオンからは、TBAB水溶液中に含まれるアンモニウムイオンであるTBA+が検出された。この結果から、電圧印加部12での電圧印加によって生じた金属臭化物イオンと、アルキルアンモニウムイオンからなる化合物に、TBAB水溶液に対する過冷却解除効果があることが考えられる。
一般に、錯体中の金属元素のd軌道の状態は構造選択エネルギーと呼ばれ、錯体の配位構造と密接な関係があることが知られている。したがって、d軌道の状態が似通った物質は、その物理的性質や化学的性質が似通っていることが多い。
本第2実施形態において、過冷却解除効果のある錯体を作ることが確認できた金属元素には、イオンになった際に、d軌道が10個の電子で満たされた閉殻状態になる場合があるという特徴がある。そのような元素には、Cu、Ag、Znの他に、Cd、Auが挙げられる。
また、d軌道に電子が5つ入った状態は半閉殻と呼ばれ、閉殻状態とよく似た特性があることが知られている。そのような元素には、Fe、Cr、Mn、Co、Ni、Mo、Tc、Ru、Rh、Re、Os、Ir、Ptが挙げられる。したがって、今回確認できた錯体以外にも、これら金属元素の臭化物イオンとテトラブチルアンモニウムイオンからなる錯体は、TBAB水溶液に対して過冷却解除効果を有している可能性が高い。
以上のことから、過冷却解除物質を構成する金属元素として、イオンになった際にd軌道が閉殻状態になり得る金属、またはイオンになった際にd軌道が半閉殻状態になり得る金属を用いることができる。具体的には、過冷却解除物質を構成する金属元素として、Cu、Ag、Zn、Cd、Au、Cr、Mn、Fe、Co、Ni、Mo、Tc、Ru、Rh、Re、Os、Ir、Ptの少なくともいずれかの金属元素を用いることができる。
また、本第2実施形態では、電圧印加部12によってTBAB水溶液に電圧印加を行い、外部から電気的なエネルギーを投入することで、過冷却解除物質を生成する化学反応を促進した。つまり、TBAB水溶液に電圧を印加しなくても、過冷却解除物質を構成する金属の単体をあらかじめ蓄冷材に添加しておくことで、目的とする物質が得られると考えられる。
また、本第2実施形態では、テトラブチルアンモニウムイオン(TBA+)を含む蓄冷材に対して電圧を印加した結果、テトラブチルアンモニウムイオンを含む化合物が得られた。テトラブチルアンモニウムイオンと異なるアンモニウムイオンを含む蓄冷材に対して同様の操作をした場合には、当該アンモニウムイオンを含む化合物が生じ、その物質に過冷却解除効果があると考えられる。
(第3実施形態)
次に、本発明の第3実施形態について説明する。本第3実施形態では、上記各実施形態と同様の部分については説明を省略し、異なる部分についてのみ説明する。
上記第1実施形態の蓄冷装置1では、過冷却解除物質生成部10でTBAB水溶液に電圧を印加することで、過冷却解除物質生成部10の内部で過冷却解除物質を生成するように構成した。これに対し、本第3実施形態では、蓄冷装置1の外部で過冷却解除物質を予め生成している。
図9に示すように、本第3実施形態の蓄冷装置1は、蓄冷材貯蔵部15、冷熱供給部22、制御部28等を備えている。本第3実施形態の蓄冷装置1には、過冷却解除物質生成部10が設けられていない。本第3実施形態の蓄冷材貯蔵部15は1つの容器として構成されており、内部に蓄冷材としてTBAB水溶液が充填されている。蓄冷材には、蓄冷装置1の外部で生成された過冷却解除物質が添加されている。
過冷却解除物質は、図示しない外部の電圧印加装置で生成される。外部の電圧印加装置は、上記第1、第2実施形態の蓄冷装置1に設けられた過冷却解除物質生成部10と同様の構成である。電圧印加装置には、蓄冷材に電圧を印加するための電極が設けられている。電圧印加装置で蓄冷材に電圧印加を行うことで、過冷却解除物質を生成する。
本第3実施形態では、外部で生成した過冷却解除物質を蓄冷材に添加した場合における過冷却解除効果の評価を行った。蓄冷材として、40wt%に調整したTBAB水溶液を使用した。40wt%に調整したTBAB水溶液の水和物生成温度は約12℃である。蓄冷材への添加物として、外部の電圧印加装置でCu、Ag、Znを電極材料として用いた場合の各生成物を用いた。電圧印加による生成物は、上記第1、第2実施形態に記載の手順で抽出した。図10では、Cu電極による電圧印加での生成物を「Cu生成物」とし、Ag電極による電圧印加での生成物を「Ag生成物」とし、Zn電極による電圧印加での生成物を「Zn生成物」としている。
蓄冷材に対して上記添加剤を0.01wt%添加した溶液を、5℃に設定した恒温槽内に静置して、過冷却解除効果の評価を行った。図10では、冷却開始後、24時間以内に水和物の結晶が目視出来た場合を「○」で示し、目視出来なかった場合を「×」で示した。
図10に示すように、蓄冷材にCu生成物、Ag生成物、Zn生成物を添加した場合には、それぞれ蓄冷材が凝固し、いずれの生成物も添加していない場合では蓄冷材が凝固しなかった。このため、TBAB水溶液への電圧印加によって生成した物質に過冷却解除効果があることが確認できた。
本第3実施形態の構成によれば、蓄冷材への電圧印加によって予め生成しておいた過冷却解除物質を蓄冷材に添加することで、蓄冷材が過冷却状態になった場合に結晶核の生成を助け、短時間に臨界結晶核径以上の核を生成することが期待できる。この結果、蓄冷材の過冷却状態を確実に解除することができる。
また、本第3実施形態では、蓄冷装置1の外部で電圧印加によって生成した過冷却解除物質を予め蓄冷材に添加している。このため、本第3実施形態の蓄冷装置1では、上記第1実施形態のような電圧印加部12を設ける必要がなく、簡易な構成で蓄冷材の過冷却状態を確実に解除することができる。
(第4実施形態)
次に、本発明の第4実施形態について説明する。本第4実施形態では、上記各実施形態と同様の部分については説明を省略し、異なる部分についてのみ説明する。
本第4実施形態では、上記第3実施形態と比較して、過冷却解除物質を有機合成などによって生成する点が異なっている。本第4実施形態の蓄冷装置1は、図9で示した上記第3実施形態の蓄冷装置1と同一の構成となっている。
本第4実施形態では、有機合成などによって予め生成された過冷却解除物質が蓄冷材貯蔵部15の蓄冷材に添加されている。本第4実施形態の過冷却解除物質は、上記第1実施形態の一般式(3)で示した化学構造を備える物質(すなわち、銅臭化物イオンとテトラブチルアンモニウムイオンからなる化合物)であり、「Acta Chemica Scandinavica B37(1983), p.57-62」にて報告されている。
本第4実施形態では、上記化学構造を備える過冷却解除物質を、「Acta Chemica Scandinavica B36(1982), p.125-126」に記載された方法で有機合成した。質量分析により、目的の物質が得られていることを確認した。
また、蓄冷材として、20wt%に調整したTBAB水溶液を使用した。20wt%に調整したTBAB水溶液の水和物生成温度は約8℃である。蓄冷材に対して合成で得た過冷却解除物質を0.01wt%添加した溶液を、1℃に設定した恒温槽内に静置して、過冷却解除効果の評価を行った。冷却開始後、24時間以内に水和物の結晶が目視出来た。一方、化合物を添加しない場合では、水和物結晶は確認できなかった。これにより、合成した化合物には過冷却解除効果があることを確認した。
本第4実施形態の構成によれば、一般式(3)で示した化学構造を備える過冷却解除物質を予め蓄冷材に添加しておくことで、蓄冷材が過冷却状態になった場合に過冷却解除物質によって結晶核の生成を助け、短時間に臨界結晶核径以上の核を生成することが期待できる。この結果、蓄冷材の過冷却状態を確実に解除することができる。
また、本第4実施形態では、有機合成などによって生成した過冷却解除物質を予め蓄冷材に添加している。このため、本第4実施形態の蓄冷装置1では、上記第1実施形態のような電圧印加部12を設ける必要がなく、簡易な構成で蓄冷材の過冷却状態を確実に解除することができる。
(第5実施形態)
次に、本発明の第5実施形態について説明する。本第5実施形態では、上記各実施形態と同様の部分については説明を省略し、異なる部分についてのみ説明する。
本第5実施形態では、上記第4実施形態と比較して、合成する過冷却解除物質の種類が異なっている。本第5実施形態では、下記の手順で銀臭化物イオンとテトラブチルアンモニウムイオンからなる化合物を合成した。
まず、90mLのDMF(ジメチルホルムアミド)に0.36g(つまり、3mmol)のKBrを入れ撹拌した。これに暗室で0.56g(つまり、3mmol)のAgBrを加え、30分間撹拌した。不溶物を0.5μmのメンブレンフィルタでろ過し、ろ液を得た。100mLのEtOHに1.93g(つまり、6mmol)のTBABを溶解した溶液を別途調整した。これらのろ液と溶液を混合した。
析出した単黄色粉末を0.5μmのメンブレンフィルタでろ取し、EtOH洗浄し、245mgの単黄色粉末を得た(収率:9.8%)。質量分析により、目的の物質が得られていることを確認した。
蓄冷材として、40wt%に調整したTBAB水溶液を使用した。40wt%に調整したTBAB水溶液の水和物生成温度は約12℃である。蓄冷材に対して合成した物質を0.01wt%添加した溶液を、9℃に設定した恒温槽内に静置して、過冷却解除効果の評価を行った。冷却開始後、24時間以内に水和物の結晶が目視出来た。一方、化合物を添加しない場合では、水和物結晶は確認できなかった。これにより、合成した化合物には過冷却解除効果があることを確認した。
以上説明した本第5実施形態においても、上記第4実施形態と同様の効果を得ることができる。
(第6実施形態)
次に、本発明の第6実施形態について説明する。本第6実施形態では、上記各実施形態と同様の部分については説明を省略し、異なる部分についてのみ説明する。
本第6実施形態の蓄冷装置1は、図9で示した第3実施形態の蓄冷装置と同一の構成となっている。また、本第6実施形態では、Zn、Fe、CuまたはAgの何れかの単体金属からなる過冷却解除物質を蓄冷材貯蔵部15の蓄冷材に添加する。
本第6実施形態では、これらの単体金属と、比較例としてSiO2、ゼオライトを蓄冷材に添加して、過冷却解除効果の評価を行った。蓄冷材として、20wt%に調整したTBAB水溶液を使用した。20wt%に調整したTBAB水溶液の水和物生成温度は約8℃である。蓄冷材への添加物として、粒径75μm未満および75〜150μmのZn、粒径45μmのFe、粒径350nmのCu、粒径150nmのAg、粒径5〜15nmのSiO2、粒径75μmのゼオライト)を用いた。
蓄冷材に対して上記添加剤を0.01wt%添加した溶液を、1℃に設定した恒温槽内に静置した結果を図11に示している。図11では、冷却開始後、24時間以内に水和物の結晶が目視出来た場合を「○」で示し、目視出来なかった場合を「×」で示した。
図11に示すように、Zn、Fe、Cu、Agでは、蓄冷材に対して単体金属を添加した場合でも、過冷却解除効果が確認された。なお、これらの金属と同程度の粒径を有するSiO2、ゼオライトでは過冷却解除効果が見られなかったことから、単純な微粒子を添加したことによる効果ではないことは明らかである。
上記第1、第2実施形態において、電圧印加部12で電圧を印加した場合から類推し、これらの単体金属を添加した場合では、溶液中で過冷却解除物質を生じる反応が進み、その結果過冷却解除効果が得られたと考えられる。つまり、単体金属は、蓄冷材であるTBAB水溶液に含まれるBrとともに金属臭化物イオンとなり、この金属臭化物イオンが蓄冷材であるTBAB水溶液に含まれるTBA+とともに過冷却解除物質として機能すると考えられる。
以上説明した本第6実施形態の構成によれば、Cu、Ag、ZnまたはFeの何れかの単体金属からなる過冷却解除物質を予め蓄冷材に添加しておくことで、蓄冷材が過冷却状態になった場合に過冷却解除物質によって結晶核の生成を助け、短時間に臨界結晶核径以上の核を生成することが期待できる。この結果、入手容易な単体金属からなる過冷却解除物質を用いて、蓄冷材の過冷却状態を確実に解除することができる。
(第7実施形態)
次に、本発明の第7実施形態について説明する。本第7実施形態では、上記各実施形態と同様の部分については説明を省略し、異なる部分についてのみ説明する。
上記各実施形態では、蓄熱材としてTBAB(臭化テトラブチルアンモニウム)からなるハロゲン化アルキルアンモニウムの水溶液を単独で用いたが、本第7実施形態では、複数種類のハロゲン化アルキルアンモニウム水溶液を混合して蓄熱材(以下、混合蓄冷材ともいう)として用いている。
このように複数種類のハロゲン化アルキルアンモニウム水溶液を混合して混合蓄熱材として用いる場合には、混合蓄熱材に含まれる一部のハロゲン化アルキルアンモニウム水和物が先行して結晶化することにより、他のハロゲン化アルキルアンモニウムの結晶化が誘発され、混合蓄冷材全体が凝固すると考えられる。
ところが、混合蓄冷材のうち先行して結晶化することが期待されるハロゲン化アルキルアンモニウム水和物が過冷却状態になると過冷却解除効果を発揮せず、混合蓄冷材全体が過冷却状態になる可能性がある。この場合、蓄冷材の性能が全く発揮できない状況が起こりうる。そこで、本第7実施形態では、混合蓄冷材に過冷却解除物質を添加し、混合蓄冷材の過冷却状態を解除する。
混合蓄冷材に対して用いられる過冷却解除物質は、混合蓄冷材に含まれる少なくとも一種類のハロゲン化アルキルアンモニウム水溶液に対して過冷却解除効果があればよい。混合蓄冷材に含まれる一部のハロゲン化アルキルアンモニウム水溶液の過冷却状態を解除して凝固させることができれば、凝固したハロゲン化アルキルアンモニウム水和物が他のハロゲン化アルキルアンモニウム水溶液の凝固を誘起し、混合蓄冷材全体を凝固させることができると考えられる。
本第7実施形態の蓄冷装置1は、図9で示した第3実施形態の蓄冷装置と同一の構成となっている。本第7実施形態では、蓄冷材として、34wt%に調整した臭化トリ−n−ブチル−n−ペンチルアンモニウム(TBPAB)水溶液、および40wt%に調整した臭化テトラブチルアンモニウム(TBAB)水溶液を用意した。
34wt%に調整したTBPAB水溶液の水和物生成温度は約6℃であり、40wt%に調整したTBAB水溶液の水和物生成温度は約12℃である。したがって、これら2種類の水溶液を混合することで、蓄冷材の水和物生成温度を調整することができる。
本第7実施形態では、前述のTBPAB水溶液とTBAB水溶液を、重量比9:1で混合した水溶液を混合蓄冷材として用いた。また、添加物として、上記第3実施形態の記載のAg生成物を用いた。Ag生成物は、Ag電極を用いた電圧印加による生成物である。
混合蓄冷材に対して上記添加物を0.01wt%添加した溶液を、5℃に設定した恒温槽内に静置して、評価を行った。Ag生成物を混合蓄冷材に添加した場合は、冷却開始後、24時間以内に試料全体が凝固した。一方、Ag生成物を混合蓄冷材に添加しなかった場合は、冷却開始後から24時間が経過しても水和物結晶は確認できなかった。Ag生成物はTBAB水溶液に対し過冷却解除効果があることから、TBAB水和物が結晶化したことで、TBPAB水和物の結晶化を誘発し、この結果、混合蓄冷材全体が凝固したと考えられる。
(他の実施形態)
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、各請求項に記載した範囲を逸脱しない限り、各請求項の記載文言に限定されず、当業者がそれらから容易に置き換えられる範囲にも及び、かつ、当業者が通常有する知識に基づく改良を適宜付加することができる。
例えば、上記第1〜第6実施形態では、蓄熱材としてTBAB水溶液を用い、本第7実施形態では、蓄熱材としてTBAB水溶液とTBPAB水溶液を混合して用いたが、TBAB水溶液とTBPAB水溶液以外のハロゲン化アルキルアンモニウム水溶液を蓄熱材として用いることができる。これらのハロゲン化アルキルアンモニウム水溶液は、それぞれ単独で蓄熱材として用いてもよく、あるいは複数種類のハロゲン化アルキルアンモニウム水溶液を混合して蓄熱材として用いてもよい。
また、上記第1実施形態では、蓄熱材貯蔵部15と離隔して設けられた過冷却解除物質生成部10に電圧印加部12を配置したが、これに限らず、過冷却解除物質生成部10を設けずに、蓄熱材貯蔵部15に電圧印加部12を配置してもよい。
また、上記第3〜第7実施形態では、過冷却解除物質を蓄冷材貯蔵部15の蓄冷材に添加しておくようにしたが、これに限らず、例えば蓄冷材貯蔵部15の内壁面に過冷却解除物質を設けておき、その後に蓄冷材貯蔵部15に蓄冷材を入れるようにしてもよい。
また、上記第2実施形態では、電圧印加部12の電極材料として、Cu、ZnまたはAgの何れかの金属を用いた例について説明したが、これら以外の金属を電圧印加部12の電極材料として用いてもよい。
また、上記各実施形態では、電圧印加部12の一対の電極12a、12bを同種の金属電極によって構成した例について説明したが、これに限らず、少なくとも可動電極12bに金属電極を用いればよい。以下、この点について説明する。
電圧印加部12によってTBAB水溶液に電圧を印加すると、電極12a、12bで酸化還元反応が起きる。これらの電極12a、12bのうち、直流電源のプラス側に接続された可動電極12bでは酸化反応が起きる。可動電極12bの電極材料として金属を用いると、この金属がイオンになって水溶液中に溶け出す。この金属イオンが過冷却解除物質の構成要素となることから、電圧印加により過冷却解除物質を生成するためには、少なくとも可動電極12bには金属を用いることが必要である。一方、直流電源のマイナス側に接続された固定電極12aでは、電極を構成する金属のイオン化は起きないため、金属電極である必要はない。
1 蓄冷装置
10 過冷却解除物質生成部
12 電圧印加部
14 蓄冷材配管
15 蓄冷材貯蔵部
28 制御部

Claims (10)

  1. 水和物生成温度以下に冷却することで水和物を生成する1種類以上のハロゲン化アルキルアンモニウム水溶液を含んだ蓄冷材の過冷却状態を解除する過冷却解除物質であって、
    前記蓄冷材に含まれるアルキルアンモニウムイオンと、前記蓄冷材に含まれるハロゲン元素を構成要素とする金属ハロゲン化物イオンと、を含んでおり、
    前記金属ハロゲン化物イオンに含まれる金属元素は、Cu、Ag、Zn、Cd、Au、Cr、Mn、Fe、Co、Ni、Mo、Tc、Ru、Rh、Re、Os、Ir、Ptの少なくともいずれかであることを特徴とする過冷却解除物質。
  2. 前記アルキルアンモニウムイオンは、一般式[N(Cn2n+14+(n=1〜7)で表されることを特徴とする請求項に記載の過冷却解除物質。
  3. 前記金属ハロゲン化物イオンを構成するハロゲン元素はBrであることを特徴とする請求項1または2に記載の過冷却解除物質。
  4. 前記ハロゲン化アルキルアンモニウムには、臭化テトラブチルアンモニウムが含まれていることを特徴とする請求項1ないしのいずれか1つに記載の過冷却解除物質。
  5. 水和物生成温度以下に冷却することで水和物を生成する1種類以上のハロゲン化アルキルアンモニウム水溶液を含んだ蓄冷材料の過冷却状態を解除する過冷却解除物質の製造方法であって、
    前記過冷却解除物質は、前記蓄冷材に含まれるアルキルアンモニウムイオンと、前記蓄冷材に含まれるハロゲン元素を構成要素とする金属ハロゲン化物イオンと、を含んでおり、
    前記ハロゲン化アルキルアンモニウム水溶液に電圧を印加する電圧印加工程を備えており、
    前記金属ハロゲン化物イオンに含まれる金属元素は、Cu、Ag、Zn、Cd、Au、Cr、Mn、Fe、Co、Ni、Mo、Tc、Ru、Rh、Re、Os、Ir、Ptの少なくともいずれかであることを特徴とする過冷却解除物質の製造方法。
  6. 前記電圧印加工程は、一対の電極によって前記ハロゲン化アルキルアンモニウム水溶液に電圧を印加するようになっており、
    前記電極材料は、Cu、Ag、Zn、Cd、Au、Cr、Mn、Fe、Co、Ni、Mo、Tc、Ru、Rh、Re、Os、Ir、Ptのいずれかであることを特徴とする請求項に記載の過冷却解除物質の製造方法。
  7. 水和物生成温度以下に冷却することで水和物を生成する1種類以上のハロゲン化アルキルアンモニウム水溶液を含んだ蓄冷材料の過冷却状態を解除する過冷却解除物質の製造方法であって、
    前記過冷却解除物質は、前記蓄冷材に含まれるアルキルアンモニウムイオンと、前記蓄冷材に含まれるハロゲン元素を構成要素とする金属ハロゲン化物イオンと、を含んでおり、
    少なくともAg、Cu、FeまたはZnのいずれかの単体金属を前記蓄冷材に添加する工程を備えており、
    前記金属ハロゲン化物イオンに含まれる金属元素は、Cu、Ag、Zn、Cd、Au、Cr、Mn、Fe、Co、Ni、Mo、Tc、Ru、Rh、Re、Os、Ir、Ptの少なくともいずれかであることを特徴とする過冷却解除物質の製造方法。
  8. 前記アルキルアンモニウムイオンは、一般式[N(Cn2n+14+(n=1〜7)で表されることを特徴とする請求項5ないし7のいずれか1つに記載の過冷却解除物質の製造方法。
  9. 前記金属ハロゲン化物イオンを構成するハロゲン元素はBrであることを特徴とする請
    求項5ないし8のいずれか1つに記載の過冷却解除物質の製造方法。
  10. 前記ハロゲン化アルキルアンモニウムには、臭化テトラブチルアンモニウムが含まれていることを特徴とする請求項5ないし9のいずれか1つに記載の過冷却解除物質の製造方法。
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