JP4304848B2 - 冷熱輸送方法、冷熱輸送システム、冷熱輸送システムの運転方法、貯蔵装置及び水和物製造装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する分野】
本発明は、冷熱輸送方法、冷熱輸送システム、冷熱輸送システムの運転方法、貯蔵装置及び水和物製造装置に関する。
【0002】
【従来技術】
最近着目されつつある冷熱の輸送媒体として、包接水和物生成物質を含有する水溶液(以下、説明の便のため、単に水溶液という。)を冷却することで生成する(準)包接水和物(以下、説明の便のため、単に水和物という。別称、液液クラスレートともいう。)が知られている(特開平11−264681号)。この冷熱輸送媒体としては、例えば、水分子で構成された包接格子内にC4H9基、iso−C5H11基を持つオニオニウム塩(例えば、テトラn−ブチルアンモニウム塩、テトラiso−アミルアンモニウム塩、テトラn−ブチルフォスフォニウム塩及びトリiso−アミルサルフォニウム塩の群から選択された一種又は二種以上のもの)がゲスト化合物として包み込まれて結晶化する(準)包接水和物(液液クラスレート)が挙げられる。更に具体的に言うならば、ゲスト化合物としては、フッ化テトラn−ブチルアンモニウム(n−C4H9)4NF、塩化テトラn−ブチルアンモニウム(n−C4H9)4NCl、臭化テトラn−ブチルアンモニウム(n−C4H9)4NBrなどがある。これらのF、Cl、Brの代わりに酢酸、重炭酸、クロム酸、タングステン酸、シュウ酸、リン酸でも構わない。
【0003】
ゲスト化合物1分子がn個のホスト分子(水分子)で包接されて水和物ができる場合、このnを水和度という。ゲスト化合物の濃度を調整すると、これを含む水溶液の融点が変動する。ゲスト化合物の濃度を調整してある融点に設定した水溶液を冷却すると、調和融点においては、すべての水溶液が水和物になるまで温度は一定に保たれる。水和物がゲスト化合物とn個のホスト分子に分解(融解)する場合は逆のプロセスをたどるので、すべての水和物が分解し、冷熱を放出し終わるまで温度は一定に保たれる。このような性質を利用することで、包接水和物を冷熱輸送媒体として利用することができる。尚、実際に冷熱輸送媒体として使用する際は、水溶液が冷却されて生成する水和物は、残りの水溶液と混合してスラリー状態で搬送される。この状態の水和物を水和物スラリーということにする。
【0004】
例えばゲスト化合物が臭化テトラn−ブチルアンモニウム(TBAB)である場合、この濃度を4%以上、40%以下の範囲で変動させるTBABを含む水溶液の融点は、摂氏0〜12度という非常に取り扱い易い温度範囲(特に空調システムの使用温度)内で変動する。このTBABを含む水溶液の蓄熱密度は、条件設定の仕方如何で、1kg当たり28kcalにも及ぶ。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、水溶液を冷却して水和物を生成する場合には、2種類又はそれ以上の水和物が生成される場合があることが判明した。具体的には、例えば、TBABを含む水溶液においては、この水溶液を冷却して行くと、水和度が約26の水和物(以下、第1水和物という。)と、水和度が約36或いはそれ以上の水和物(以下、まとめて第2水和物という。)とが生成することが判明した。
【0006】
即ち、この2種類の水和物は、その潜熱量、密度その他の物性が相違している。図1は、これらの水和物における水溶液濃度と生成温度との関係を表わすグラフであり、図中、三角印(△)のデータ点を基礎に描かれる曲線は第1水和物スラリーの特性を、丸印(○)のデータ点を基礎として描かれる曲線は水和数が約36の第2水和物スラリーの特性を示している。例えば初期のTBAB濃度が25重量%である水溶液からは、摂氏10度付近では第1水和物が生成するが、更にこれを冷却すると、第1水和物の生成量の増加に伴い、水和物周辺の水溶液の濃度が低下してくる。やがて摂氏8度程度以下になると第2水和物が生成してくる。
【0007】
図2は、TBAB濃度20重量%のTBAB水溶液を冷却して第1水和物と第2水和物とをそれぞれ生成させた場合の水和物スラリーの温度に対する各水和物の保有熱量を示すグラフである。この図2から、例えば摂氏6度付近において、第1水和物スラリーの保有熱量が1kg当たり役14kcalであるのに対して、第2水和物スラリーの保有熱量は、1kg当たり約27kcalとの違いが読みとれる。
【0008】
水和物は、蓄熱密度(潜熱量)が高いほど、冷熱輸送媒体として好ましいので、第1水和物よりも第2水和物の方が冷熱輸送媒体として好適である。従って、第2水和物のみを製造して、これを冷熱輸送媒体に使用することが望ましい。
【0009】
しかし、特定の水和度の水和物のみを高い収率で製造することは、実験室レベルでは不可能ではないかも知れないが、実際問題として或いは量産レベルで考えると、それほど簡単・単純な話ではない。即ち、水溶液を冷却して水和物を製造してみると、本来ならば第2水和物が生成されるはずの低温域においても、第1水和物が生成し続けてしまう。これは、水溶液の冷却過程で第1水和物の過冷却現象が起こるためである。又、水溶液の冷却により最初に生成されるのは水和度の低い第1水和物であるが、この水和度の低い水和物上に水和度が高い水和物が生成されて行く。その理由は、水和度の低い水和物の表面が、周囲の水と包晶反応をしてより水和度の高い水和物に変化する過程が繰り返され、やがてある一定の水準以上の高い水和度の水和物のみが生成されるようになるからと推察される。これらの結果、水和度の低い第1水和物が水和度の大きな第2水和物とが混在した水和物スラリーになってしまう。
尤も、純粋な第2水和物を得られなくとも、第1水和物と第2水和物とが混合している水和物は、保有熱量又は蓄熱密度の観点から、第1水和物よりも冷熱輸送媒体として望ましい性質を有することは間違いない。
【0010】
他方、過冷却により生じた第1水和物は、第2水和物が生成する条件又は環境の下において、ある程度時間が経過するとその過冷却状態が解除されて第2水和物に変わって行く。それ故、第1水和物と第2水和物とが混合している水和物は、このような条件又は環境下にあれば、時間の経過とともに第2水和物の存在割合が増加してきて、保有熱量又は蓄熱密度の観点からより好ましい冷熱輸送媒体へと変化して行く(より詳しくは後述する)。
【0011】
要すれば、包接水和物生成物質を含む水溶液の冷却の初期段階から水和度が第2水和物並に高い水和物を生成することは難しい面があるものの、第1水和物と第2水和物とが混合する水和物は、第1水和物に比して冷熱輸送媒体として好ましく、時間の経過とともに、第2水和物の存在割合を増して行くので、冷熱輸送媒体として更に好適な水和物へと変化して行く。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記のような、包接水和物生成物質を含む水溶液とそれを冷却することで生成する包接水和物(又は水溶液と包接水和物が混合したスラリー)との間の特徴的な関係に鑑みて成されたものであり、蓄熱密度の観点で好ましい冷熱輸送媒体を用いた冷熱輸送方法、冷熱輸送システム、冷熱輸送システムの運転方法、貯蔵装置及び水和物製造装置を提供することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決するための本発明に係る冷熱輸送方法は、臭化テトラn−ブチルアンモニウムを含む水溶液を冷熱源との熱交換により冷却し、水和物を生成せしめ、この水和物のスラリーとの熱交換により冷却対象物を冷却する冷熱輸送方法であって、その水和物は、水和度が異なる2種類又は3種類以上の水和物から成るものである。
【0014】
又、本発明に係る冷熱輸送システムは、臭化テトラn−ブチルアンモニウムを含む水溶液を冷熱源との熱交換により冷却し、水和物を生成せしめ、この水和物のスラリーとの熱交換により冷却対象物を冷却する冷熱輸送システムであって、その水和物は、水和度が異なる2種類又は3種類以上の水和物から成るものである。
本発明に係る他の冷熱輸送システムは、臭化テトラn−ブチルアンモニウムを含む水溶液を冷熱源との熱交換により冷却し、水和物を生成せしめ、この水和物のスラリーとの熱交換により冷却対象物を冷却する冷熱輸送システムであって、前記水和物は、冷却開始当初より時間が経過した後の方が水和度の相対的に高い水和物の存在割合が多いことを特徴とする。
【0015】
又、本発明に係る貯蔵装置は、臭化テトラn−ブチルアンモニウムを含む水溶液の冷却により生成した水和物のスラリーを、水和度の相対的に低い水和物が水和度の相対的に高い水和物に変化する条件下で貯蔵するものである。
本発明に係る他の貯蔵装置は、臭化テトラn−ブチルアンモニウムを含む水溶液の冷却により生成した水和物のスラリーを貯蔵し、水和度の相対的に高い水和物の存在割合が経時的に増加するものである。
本発明に係る更に別の貯蔵装置は、冷熱源との熱交換により過冷却状態になった臭化テトラn−ブチルアンモニウムを含む水溶液を貯蔵し、その過冷却状態の解除により、生成した水和物における水和度の相対的に高い水和物の存在割合が増加するものである。
【0016】
本発明に係る水和物製造装置は、上記の何れかの貯蔵装置を備えるものである。
【0017】
本発明に係る更に別の冷熱輸送システムは、臭化テトラn−ブチルアンモニウムを含む水溶液を冷熱源との熱交換により冷却し、水和物を生成せしめ、この水和物のスラリーとの熱交換により冷却対象物を冷却する冷熱輸送システムであって、上記の何れかの貯蔵装置又は上記の水和物製造装置を備えるものである。
【0018】
本発明に係る冷熱輸送システムの運転方法は、臭化テトラn−ブチルアンモニウムを含む水溶液を冷熱源との熱交換により冷却し、水和物を生成せしめ、この水和物のスラリーとの熱交換により冷却対象物を冷却する冷熱輸送システムの運転方法であって、冷却開始当初より時間が経過した後の方が水和度の相対的に高い水和物の存在割合が多くなるように運転することを特徴とする。
【0019】
【発明の実施の形態】
図3は、臭化テトラn−ブチルアンモニウムを含む水溶液の冷却により生ずる過冷却現象とその水溶液から生成する水和物の時間的変化を示す。具体的には、濃度17重量%のTBAB水溶液を冷却したときのTBAB水和物(従って、TBAB水溶液とTBAB水和物とが混合した水和物スラリー)の生成過程を示している。この図から分かるように、TBAB水溶液をおよそ摂氏12度から冷却し始めると、約25分後にTBAB水溶液の過冷却が解除されて第1水和物が生成し、この第1水和物が更に概ね摂氏3度まで冷却される約100分後に第1水和物の過冷却が解除されて第2水和物が生成する。従って、この図は、過冷却の程度を調整すれば水和度の異なる水和物を作ることが可能であることを示しているとともに、過冷却を通じて生成した水和度の相対的に低い水和物を水和度のより高い水和物に変化する条件(特に冷却条件)の下におくと、その過冷却の解除により水和度の相対的に高い水和物へと変化させることができることを示している。
しからば、より高い保有熱量又は蓄熱密度(より高い温度においてより高い保有熱量)を実現するために水和度の高い水和物のスラリーを生成しようとする場合、冷却条件を適切に選択して水和度の高い水和物を生成しても過冷却を十分に防止できないときや過冷却現象は避けがたいとして受忍するときには、時間を経過させることにより、相対的に水和度の高い水和物へと変化させれば良い。
【0020】
図4は、TBAB濃度が約20重量%のTBAB水溶液を約6kcal/時/kgの冷却速度で冷却した場合における、生成した水和物スラリーの保有熱量(熱密度)及び温度と時間の経過との関係(上段の図)、並びにその生成した水和物スラリー中の第1水和物と第2水和物の存在割合と時間の経過との関係(下段の図)を示す。この図から、第1水和物と第2水和物とが混在する水和物スラリーにおいて、両者の存在割合が時間の経過に伴い変化し、冷却開始当初は第1水和物が主であったが、冷却開始後80分では第1水和物と第2水和物の存在割合はそれぞれ概ね50%になり、冷却後140分を経過すると概ね一定になり、冷却後300分では第2水和物の存在割合が99%にも及ぶことが分かる。換言すれば、水和物のスラリーの熱密度は、冷却開始当初に主たる存在割合を示す水和度の相対的に低い水和物のスラリーよりも水和度の相対的に高い異種の水和物が混在してできるものの方が高く、異種水和物の存在割合の変化に伴い増加して行き、やがて高い熱密度の水準に到達し、以後その水準以上となる。
【0021】
図4に示す現象に本発明が限定されるものではないが、水和物スラリー中の異なる水和物のそれぞれの存在割合は、時間の経過に従って変化し、冷却開始当初は水和度が相対的に低い水和物が主であるが、その後、水和度の相対的に高い水和物の存在割合が高くなり、水和物スラリー全体として水和度が高くなって行く。そして、ある程度時間が経過すると、水和物スラリー中に存在する水和度が相対的に高い水和物が主になり、水和物スラリー全体として水和度が高い水準に到達し、以後それ以上の水準となる。水和物スラリーの熱密度も、時間の経過に従って水和度の相対的に高い水和物の存在割合の増加に伴って増加し、高い水準に到達し、その後はそれ以上の水準となる。
【0022】
本発明の各形態は、これらの現象に着目し、これを冷熱輸送の分野に適用したものである。即ち、本発明に係るある形態は、水和度が異なる2種類又は3種類以上の水和物が第1水和物よりも高い保有熱量又は蓄熱密度(より高い温度においてより高い保有熱量)を実現する点に着目し、このような水和物のスラリーを冷熱輸送媒体として使用することにより効率的な冷熱輸送を実現するものである。
【0023】
本発明に係る他の形態は、水和度の低い水和物が水和度の相対的に高い水和物へ経時的に変化して行く点や水和度の低い水和物が水と反応する過程で又はそれが生成核として機能する結果、水和度の相対的に高い水和物が生成し易い状況に変化して行く点に着目し、時間の経過とともにより高い保有熱量又は蓄熱密度を有する状態へと変化して行く水和物のスラリーを冷熱輸送媒体として使用することにより効率が向上する冷熱輸送を実現するものである。
【0024】
また、本発明に係る更に別の形態は、水和物のスラリーを冷熱輸送媒体として使用する際に、その水和物の水和度を時間の経過に従って増加させ、その後は水和度が相対的に高い状態で運転を続けるか、冷熱輸送システムの運転開始当初よりも水和度が相対的に高い水和物のスラリーを冷熱輸送媒体とすることにより、より効率的な冷熱輸送の運転を実現するものである。
【0025】
【実施例】
以下、本発明をより詳しく説明する。図5は、水和物のスラリーを冷熱輸送媒体として使用する冷熱輸送システムの基本構成の説明図であるが、このシステムの基本的なアーキテクチャーは、冷熱輸送媒体が異なる点を除き、従来のシステムのそれと同じである。勿論、この図5に示すシステムは、飽くまでも概要に過ぎず、水和物を冷熱輸送媒体として使用するための種々の工夫が現実には当然必要であるが、そのような細部は本発明の意図するものではなく、従って図5にも描かれていない。ただ、冷熱輸送媒体が水和物であることとは無関係な従来技術は、本発明に係る冷熱輸送システムや冷熱輸送方法にそのまま適用できる。
【0026】
図5において、臭化テトラn−ブチルアンモニウムを含む水溶液4を冷凍機や放熱装置のような冷熱源1と熱交換させることで、この水溶液を冷却して冷熱輸送媒体としての水和物(実際には水溶液と水和物とが混合してできた流動性の高い水和物スラリー)3を生成させる。従って、冷熱源1、熱交換器9、並びに水溶液や生成した水和物スラリーを輸送するための配管及びその周辺装置(図示せず)が水和物製造装置7と言える。次に、かくして生成した水和物スラリーは、建築物、空間、物品その他の冷却対象物(別の冷熱輸送媒体やこれを内蔵する配管を含む。)2と熱交換することにより再び臭化テトラn−ブチルアンモニウムを含む水溶液に分解する。従って、冷却対象物2、熱交換器8、並びに水和物スラリーや臭化テトラn−ブチルアンモニウムを含む水溶液を輸送するための配管及びその周辺装置(図示せず)が水和物分解装置(図示せず)と言える。
【0027】
尚、水溶液4及び水和物3のうち少なくとも1個の貯蔵装置5を設置して冷熱輸送システムの円滑な運転に支障を与えないよう工夫する場合もあり、更にこの少なくとも1個の貯蔵装置5は、冷熱源1又は冷却対象物2との熱交換を行うための熱交換器8、9と物理的に一体(ユニット状)を成していても構わない。
【0028】
本発明に係るある形態においては、冷熱源1との熱交換により生成する水和物4を貯蔵するための装置が必要である。この貯蔵装置6は、過冷却により生じた水和度の相対的に低い水和物を、水和度が相対的に高い水和物が生成する条件下に保持する機能を備えている。この機能とは、例えば、TBABを含む水溶液から第1水和物が生成する場合、この第1水和物を、第2水和物が生成する摂氏8度程度以下の温度に保持する機能である。この貯蔵装置6は、いわば第2水和物又は水和度が相対的に高い水和物のスラリーの製造装置とも言え、その場合には先述の水和物製造装置7の一部と考えることができる。
【0029】
この貯蔵装置6によれば、貯蔵されている水和物の水和度が当初よりも高まった段階で、そのような水和物のスラリーを輸送配管に送り込み(正確には送り戻し)、水和度の相対的に高い、従って蓄熱密度又は潜熱量の点で冷熱輸送に適した媒体を用いて冷熱輸送を効率的に行うことも可能である。この場合、輸送配管を通流する水和物スラリーの一部又は全部が貯蔵装置6に流れ込み貯蔵されるようにして、水和度が相対的に高められた段階で常時又は必要なときに輸送配管へ送り戻されるようにしてもよし、輸送配管から水和物スラリーが流れ込む構成ではなく、予め水和物スラリーを貯蔵し、必要なときにだけ輸送配管と接続してそこに水和度の相対的に高い水和物を注入するようにしてもよい。
【0030】
又、この貯蔵装置6は、貯蔵装置5と同様に、冷熱輸送システムの円滑な運転に支障を与えないようにするための水和物又は水溶液の一時格納機能を併有していても構わないし、冷熱源と水溶液との熱交換を行う熱交換器9と一体(ユニット状)に構成されていても構わない。
【0031】
図5に示す冷熱輸送システムにおいて、水和物製造装置7内に配管などの適当な手段(図示せず)により導入された水溶液4が冷熱源1と熱交換すると、水溶液の冷却により、第1水和物に代表される水和度の相対的に低い水和物が水和度の相対的に高い水和物とともに生成する。この場合、水和度が相対的に高い水和物が生成する温度域であっても、過冷却により、水和度が相対的に高い水和物に先立って水和度が相対的に低い水和物が生成する。しかし、水和度が相対的に高い水和物が生成する温度域であれば、水和度が相対的に低い水和物の生成に引き続き又はその水和物が生成核となって、水和度が相対的に高い水和物が生成してくるし、或いは、時間の経過に伴い、水和度が相対的に低い水和物が、その過冷却状態が解除されることにより、水和度が相対的に高い水和物へと変化してくる。
【0032】
このようにして生成する水和度が異なる水和物は、全体としてみれば、当初生成する水和度が相対的に低い水和物よりも水和度が高く、蓄熱密度又は潜熱量の点で冷熱輸送媒体に適している。従って、この水和度が異なる水和物を使用する冷熱輸送方法や冷熱輸送システムによれば、より効率的な冷熱輸送を実現することができる。
【0033】
水和物製造装置内で製造される水和物の水和度は、時間の経過とともに高くなり、冷熱輸送媒体として最終的に使用される水和物における相対的に高い水和物の割合(存在比)が増加し、蓄熱密度又は潜熱量が増加してくる。従って、このような水和物を使用する冷熱輸送方法や冷熱輸送システムによれば、時間の経過とともに、効率が高くなる冷熱輸送を実現することができる。
【0034】
水和物のスラリーが冷熱輸送に供されている際に、時間の経過に伴いその水和度が増加して、やがてはある高い水準に達し、それ以後はその高い水準で冷熱輸送システムが運転されることになる。従って、このような運転方法により、蓄熱密度又は潜熱量の点で好ましい、高効率の冷熱輸送を実現することができる。
【0035】
尚、例えば、配管中を搬送される水和物スラリー中に存在する水和度が相対的に低い水和物は、それが元々過冷却を通じて生成したものであり、且つ、冷熱源から冷却対象物への搬送時間が長ければ、搬送途中で徐々に水和度の相対的に高い水和物に変化するので、時間の経過とともに、効率が高まる冷熱輸送を実現することができる。しかし、搬送時間が十分長くない場合には、このような平衡論的な水和度の変化が及ぼす冷熱輸送の効率化への寄与はかなり小さい(但し、本発明は、このように冷熱輸送の効率化への寄与が小さいものを排除するものではない)。ところが、水和物製造装置で生成した水和物を、水和度の相対的に低い水和物が水和度の相対的に高い水和物に変化する条件下で貯蔵する貯蔵装置を設ければ、過冷却が原因で生じた水和度が相対的に低い当初の水和物を、水和度の相対的に高い水和物に時間をかけて変化させることができる。この結果、冷熱輸送媒体として最終的に使用される水和物における相対的に高い水和物の割合(存在比)、ひいては蓄熱密度又は潜熱量を増加させることができ、このような水和物を使用する冷熱輸送方法や冷熱輸送システムによれば、時間の経過とともに、効率が高まる冷熱輸送を実現することができる。このような貯蔵装置の設置は、水和度が相対的に高い水和物が生成する温度域その他の条件下において水和度が相対的に低い水和物の生成に引き続き又はその水和物が生成核となって、水和度が相対的に高い水和物が生成してくる現象を利用して冷熱輸送媒体の蓄熱密度又は潜熱量を増加させる際に併用すると、冷熱輸送を更に効率化することができる。
【0036】
【発明の効果】
以上述べたように、本発明によれば、臭化テトラn−ブチルアンモニウムを含む水溶液を冷熱源との熱交換により冷却し、冷熱輸送媒体として機能する水和物を生成せしめ、この水和物との熱交換により冷却対象物を冷却する冷熱輸送の効率化を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】TBAB水溶液の濃度と温度との関係において、第1水和物スラリーと第2水和物スラリーの生成状況を示すグラフ。
【図2】TBAB濃度20重量%のTBAB水溶液を冷却して第1水和物と第2水和物とを生成させた場合の水和物スラリーの温度に対する各水和物の保有熱量を示すグラフ。
【図3】TBAB濃度17重量%のTBAB水溶液を冷却したときのTBAB水和物スラリーの生成過程を示すグラフ。
【図4】TBAB濃度が約20重量%のTBAB水溶液から生成した水和物スラリーの熱密度及び温度と時間経過との関係、並びにその生成水和物スラリー中の第1水和物と第2水和物の存在割合と時間経過との関係を示すグラフ。
【図5】本発明に係る冷熱輸送システムの基本構成の説明図。
【符号の説明】
1・・・冷熱源
2・・・冷却対象物
3・・・冷熱輸送媒体である包接水和物スラリー
4・・・臭化テトラn−ブチルアンモニウムを含む水溶液
5・・・貯蔵装置
6・・・包接水和物スラリーの貯蔵装置
7 ・・・水和物製造装置
8、9・・・熱交換器
Claims (9)
- 臭化テトラn−ブチルアンモニウムを含む水溶液を冷熱源との熱交換により冷却し、水和物を生成せしめ、この水和物のスラリーとの熱交換により冷却対象物を冷却する冷熱輸送方法であって、前記水和物は、水和度が異なる2種類又は3種類以上の水和物から成ることを特徴とする冷熱輸送方法。
- 臭化テトラn−ブチルアンモニウムを含む水溶液を冷熱源との熱交換により冷却し、水和物を生成せしめ、この水和物のスラリーとの熱交換により冷却対象物を冷却する冷熱輸送システムであって、前記水和物は、水和度が異なる2種類又は3種類以上の水和物から成ることを特徴とする冷熱輸送システム。
- 臭化テトラn−ブチルアンモニウムを含む水溶液を冷熱源との熱交換により冷却し、水和物を生成せしめ、この水和物のスラリーとの熱交換により冷却対象物を冷却する冷熱輸送システムであって、前記水和物は、冷却開始当初より時間が経過した後の方が水和度の相対的に高い水和物の存在割合が多いことを特徴とする冷熱輸送システム。
- 臭化テトラn−ブチルアンモニウムを含む水溶液の冷却により生成した水和物のスラリーを、水和度の相対的に低い水和物が水和度の相対的に高い水和物に変化する条件下で貯蔵することを特徴とする貯蔵装置。
- 臭化テトラn−ブチルアンモニウムを含む水溶液の冷却により生成した水和物のスラリーを貯蔵し、水和度の相対的に高い水和物の存在割合が経時的に増加することを特徴とする貯蔵装置。
- 冷熱源との熱交換により過冷却状態になった臭化テトラn−ブチルアンモニウムを含む水溶液を貯蔵し、その過冷却状態の解除により、生成した水和物における水和度の相対的に高い水和物の存在割合が増加することを特徴とする貯蔵装置。
- 請求項4乃至6の何れかに記載の貯蔵装置を備える水和物製造装置。
- 臭化テトラn−ブチルアンモニウムを含む水溶液を冷熱源との熱交換により冷却し、水和物を生成せしめ、この水和物のスラリーとの熱交換により冷却対象物を冷却する冷熱輸送システムであって、請求項4乃至6の何れかに記載の貯蔵装置又は請求項7に記載の水和物製造装置を備えることを特徴とする冷熱輸送システム。
- 臭化テトラn−ブチルアンモニウムを含む水溶液を冷熱源との熱交換により冷却し、水和物を生成せしめ、この水和物のスラリーとの熱交換により冷却対象物を冷却する冷熱輸送システムの運転方法であって、冷却開始当初より時間が経過した後の方が水和度の相対的に高い水和物の存在割合が多くなるように運転することを特徴とする冷熱輸送システムの運転方法。
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