JP2002060739A - 冷熱輸送方法、冷熱輸送システム及び冷熱輸送システムの運転方法 - Google Patents
冷熱輸送方法、冷熱輸送システム及び冷熱輸送システムの運転方法Info
- Publication number
- JP2002060739A JP2002060739A JP2000247667A JP2000247667A JP2002060739A JP 2002060739 A JP2002060739 A JP 2002060739A JP 2000247667 A JP2000247667 A JP 2000247667A JP 2000247667 A JP2000247667 A JP 2000247667A JP 2002060739 A JP2002060739 A JP 2002060739A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- hydrate
- hydration
- cold
- cold heat
- slurry
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Granted
Links
Classifications
-
- Y—GENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
- Y02—TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
- Y02E—REDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
- Y02E60/00—Enabling technologies; Technologies with a potential or indirect contribution to GHG emissions mitigation
- Y02E60/14—Thermal energy storage
-
- Y—GENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
- Y02—TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
- Y02P—CLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES IN THE PRODUCTION OR PROCESSING OF GOODS
- Y02P20/00—Technologies relating to chemical industry
- Y02P20/10—Process efficiency
Landscapes
- Other Air-Conditioning Systems (AREA)
Abstract
いた冷熱輸送方法及びそのシステムを提供する。 【解決手段】 水和度が異なる2種類又は3種類以上の
水和物が第1水和物よりも高い保有熱量又は蓄熱密度を
実現する点に着目し、このような水和物のスラリーを冷
熱輸送媒体として使用することにより、効率的な冷熱輸
送を実現する。
Description
の輸送システムに関する。
として、包接水和物生成物質を含有する水溶液(以下、
説明の便のため、単に水溶液という。)を冷却すること
で生成する(準)包接水和物(以下、説明の便のため、
単に水和物という。別称、液液クラスレートともい
う。)が知られている(特開平11−264681
号)。この冷熱輸送媒体としては、例えば、水分子で構
成された包接格子内にC4H9基、iso−C5H11基を
持つオニオニウム塩(例えば、テトラn−ブチルアンモ
ニウム塩、テトラiso−アルミニウム塩、テトラn−
ブチルフォスフォニウム塩及びトリiso−アルミサル
フォニウム塩の群から選択された一種又は二種以上のも
の)がゲスト化合物として包み込まれて結晶化する
(準)包接水和物(液液クラスレート)が挙げられる。
更に具体的に言うならば、ゲスト化合物としては、フッ
化テトラn−ブチルアンモニウム(n−C4H9)4N
F、塩化テトラn−ブチルアンモニウム(n−C4H9)
4NCl、臭化テトラn−ブチルアンモニウム(n−C4
H9)4NBrなどがある。これらのF、Cl、Brの代
わりに酢酸、重炭酸、クロム酸、タングステン酸、シュ
ウ酸、リン酸でも構わない。
(水分子)で包接されて水和物ができる場合、このnを
水和度という。ゲスト化合物の濃度を調整すると、これ
を含む水溶液の融点が変動する。ゲスト化合物の濃度を
調整してある融点に設定した水溶液を冷却すると、調和
融点においては、すべての水溶液が水和物になるまで温
度は一定に保たれる。水和物がゲスト化合物とn個のホ
スト分子に分解(融解)する場合は逆のプロセスをたど
るので、すべての水和物が分解し、冷熱を放出し終わる
まで温度は一定に保たれる。このような性質を利用する
ことで、包接水和物を冷熱輸送媒体として利用すること
ができる。尚、実際に冷熱輸送媒体として使用する際
は、水溶液が冷却されて生成する水和物は、残りの水溶
液と混合してスラリー状態で搬送される。この状態の水
和物を水和物スラリーということにする。
ルアンモニウム(TBAB)である場合、この濃度を4
%以上、40%以下の範囲で変動させるTBABを含む
水溶液の融点は、摂氏0〜12度という非常に取り扱い
易い温度範囲(特に空調システムの使用温度)内で変動
する。このTBABを含む水溶液の蓄熱密度は、条件設
定の仕方如何で、1kg当たり28kcalにも及ぶ。
却して水和物を生成する場合には、2種類又はそれ以上
の水和物が生成される場合があることが判明した。具体
的には、例えば、TBABを含む水溶液においては、こ
の水溶液を冷却して行くと、水和度が約26の水和物
(以下、第1水和物という。)と、水和度が約36或い
はそれ以上の水和物(以下、まとめて第2水和物とい
う。)とが生成することが判明した。
量、密度その他の物性が相違している。図1は、これら
の水和物における水溶液濃度と生成温度との関係を表わ
すグラフであり、図中、三角印(△)のデータ点を基礎
に描かれる曲線は第1水和物スラリーの特性を、丸印
(○)のデータ点を基礎として描かれる曲線は水和数が
約36の第2水和物スラリーの特性を示している。例え
ば初期のTBAB濃度が25重量%である水溶液から
は、摂氏10度付近では第1水和物が生成するが、更に
これを冷却すると、第1水和物の生成量の増加に伴い、
水和物周辺の水溶液の濃度が低下してくる。やがて摂氏
8度程度以下になると第2水和物のいずれかの水和物が
生成してくる。
B水溶液を冷却して第1水和物と第2水和物とをそれぞ
れ生成させた場合の水和物スラリーの温度に対する各水
和物の保有熱量を示すグラフである。この図2から、例
えば摂氏6度付近において、第1水和物スラリーの保有
熱量が1kg当たり役14kcalであるのに対して、
第2水和物スラリーの保有熱量は、1kg当たり約27
kcalとの違いが読みとれる。
ど、冷熱輸送媒体として好ましいので、第1水和物より
も第2水和物の方が冷熱輸送媒体として好適である。従
って、第2水和物のみを製造して、これを冷熱輸送媒体
に使用することが望ましい。しかし、水溶液を冷却して
水和物を製造してみると、本来ならば第2水和物が生成
されるはずの低温域においても、第1水和物が生成し続
けてしまう。これは、水溶液の冷却過程で第1水和物の
過冷却現象が起こるためであり、水和度の低い第1水和
物が水和度の大きな第2水和物とが同時に生成し、両者
が混在した水和物になってしまう。特定の水和度の水和
物のみを高い収率で製造することは、実験室レベルでは
不可能ではないかも知れないが、実際問題として或いは
量産レベルで考えると、それほど簡単・単純な話ではな
い。
も、第1水和物と第2水和物とが混合している水和物
は、保有熱量又は蓄熱密度の観点から、第1水和物より
も冷熱輸送媒体として望ましい性質を有することは間違
いない。
のは水和度の低い第1水和物であるが、この水和度の低
い水和物上に実際に生成されて行く水和物の水和度は高
い。その理由は、水和度の低い水和物の表面が、周囲の
水と包晶反応をしてより水和度の高い水和物に変化する
過程が繰り返され、やがてある一定の水準以上の高い水
和度の水和物のみが生成されるようになるからであると
推察される。
第2水和物が生成する条件又は環境の下において、ある
程度時間が経過するとその過冷却状態が解除されて第2
水和物に変わって行く。それ故、第1水和物と第2水和
物とが混合している水和物は、このような条件又は環境
下にあれば、時間の経過とともに第2水和物の割合が増
加してきて、保有熱量又は蓄熱密度の観点からより好ま
しい冷熱輸送媒体へと変化して行く。
物並に高い水和物を生成することは難しい面があるもの
の、第1水和物と第2水和物とが混合する水和物は、第
1水和物に比して冷熱輸送媒体として好ましく、時間の
経過とともに、第2水和物の割合を増して行くので、冷
熱輸送媒体冷熱輸送媒体として更に好適な水和物へと変
化して行く。
な、包接水和物生成物質を含む水溶液とそれを冷却する
ことで生成する包接水和物(又は水溶液と包接水和物が
混合したスラリー)との間の特徴的な関係に鑑みて成さ
れたものであり、蓄熱密度の観点で好ましい冷熱輸送媒
体を用いた冷熱輸送方法及びそのシステムを提供するこ
とを課題とする。
めの本発明に係る冷熱輸送方法は、包接水和物生成物質
を含む水溶液を冷却対象物との熱交換により冷却し、冷
熱輸送媒体として機能する水和物を生成せしめ、この水
和物との熱交換により冷却対象物を冷却する冷熱輸送方
法であって、その水和物が、水和度が異なる2種類又は
3種類以上の水和物から成るものである。
接水和生成物を含む水溶液を冷却対象物との熱交換によ
り冷却し、冷熱輸送媒体として機能する水和物を生成せ
しめ、この水和物との熱交換により冷却対象物を冷却す
る冷熱輸送システムであって、その水和物が、水和度が
異なる2種類又は3種類以上の水和物から成るものであ
る。この場合、その水和物が、その中にある高い水和度
の水和物の割合が、時間の経過に伴い増加するものであ
ることが好ましく、又、生成した水和物を、水和度が相
対的に低い水和物が水和度が相対的に高い水和物に変化
する条件下で貯蔵する貯蔵装置を備えるものであること
が好ましい。
転方法は、包接水和生成物質を含む水溶液を冷却対象物
との熱交換により冷却し、冷熱輸送媒体として機能する
水和物スラリーを生成せしめ、この水和物のスラリーと
の熱交換により冷却対象物を冷却する冷熱輸送システム
の運転方法であって、その水和物は、システム運転開始
当初よりも水和度が相対的に高い水和物から成るもので
ある。
又は3種類以上の水和物が第1水和物よりも高い保有熱
量又は蓄熱密度(より高い温度においてより高い保有熱
量)を実現する点に着目し、このような水和物のスラリ
ーを冷熱輸送媒体として使用することにより、効率的な
冷熱輸送を実現することを特徴とする。
い水和物も過冷却状態の経時的解消により、水和度の相
対的に高い水和物へと変化して行く点や水和度の低い水
和物が水と反応する過程で又はそれが生成核として機能
する結果、水和度の相対的に高い水和物が生成し易い状
況に変化して行く点に着目し、時間の経過とともにより
高い保有熱量又は蓄熱密度を有する状態へと変化して行
く水和物のスラリーを冷熱輸送媒体として使用すること
により、効率が向上する冷熱輸送を実現することを特徴
とする。
ラリーを冷熱輸送媒体として使用する際に、その水和物
の水和度を時間の経過に従って増加させ、その後は水和
度が相対的に高い状態で運転を続けるか、冷熱輸送シス
テムの運転開始当初よりも水和度が相対的に高い水和物
のスラリーを冷熱輸送媒体とすることにより、より効率
的な冷熱輸送の運転を実現することを特徴とする。
現象と生成する水和物の時間的変化を示す。具体的に
は、濃度17重量%のTBAB水溶液を冷却したときの
TBAB水和物(従って、TBAB水溶液とTBAB水
和物とが混合した水和物スラリー)の生成過程を示して
いる。この図から分かるように。TBAB水溶液をおよ
そ摂氏12度から冷却し始めると、約25分後にTBA
B水溶液の過冷却が解除されて第1水和物スラリーが生
成し、この第1水和物スラリーが更に概ね摂氏3度まで
冷却される約100分後に第1水和物の過冷却が解除さ
れて第2水和物が生成する。従って、この図は、過冷却
の程度を調整すれば水和度の異なる水和物を作ることが
可能であることを示しているとともに、過冷却を通じて
生成した水和度の相対的に低い水和物を水和度のより高
い水和物に変化する条件(特に冷却条件)の下におく
と、その過冷却の解除により水和度の相対的に高い水和
物へと変化させることができることを示している。
の高い水和物を生成しても十分な過冷却が防止できない
ような場合や過冷却現象は避けがたいとして受忍する場
合には、時間を経過させることにより、相対的に水和度
の高い水和物へと変化させれば良い。この意味から、本
発明に係るある形態は、生成した水和物を、水和度が相
対的に低い水和物が水和度が相対的に高い水和物へと変
化する冷却条件その他の条件の下で貯蔵する装置を使用
し、水和度が相対的に高まった段階で冷熱輸送媒体とし
て使用することを特徴としている。
AB水溶液を約6kcal/時/kgの冷却速度で冷却
した場合における、生成水和物スラリーの保有熱量(熱
密度)及び温度と時間の経過との関係(上段の図)、並
びにその生成水和物スラリー中の第1水和物と第2水和
物の存在割合と時間の経過との関係(下段の図)を示
す。この図に示すように、第1水和物と第2水和物とが
混在する水和物スラリーにおいて、両者の存在割合が時
間の経過に伴い変化し、冷却開始当初は第1水和物が主
であったが、冷却開始後80分では第1水和物と第2水
和物の存在割合はそれぞれ概ね50%になり、冷却後1
40分を経過すると概ね一定になり、冷却後300分で
は第2水和物の存在割合が99%にも及ぶ。このような
異種水和物の存在割合の変化に伴い、水和物スラリー全
体の熱密度が増加して行き、やがて高い熱密度の水準に
到達し、以後その水準以上となる。
ではないが、この図に示すように、水和物スラリー中の
異なる水和物のそれぞれの存在割合は、時間の経過に従
って変化し、冷却開始当初は水和度が相対的に低い水和
物が主であるが、その後、水和度の相対的に高い水和物
の存在割合が高くなり、水和物スラリー全体として水和
度が高くなって行く。そして、ある程度時間が経過する
と、水和物スラリー中に存在する水和度が相対的に高い
水和物が主になり、水和物スラリー全体として水和度が
高い水準に到達し、以後それ以上の水準となる。水和物
スラリーの熱密度も、時間の経過従って水和度の相対的
に高い水和物の存在割合の増加に伴って増加し、高い水
準に到達し、その後はそれ以上の水準となる。異種の水
和物が混在してできる水和物のスラリーの熱密度は、冷
却開始当初に主たる存在割合を示す水和度の相対的に低
い水和物のスラリーのそれよりも高い。本発明の各形態
は、これらの現象に着目し、これを冷熱輸送の分野に適
用したものと言える。
として使用する冷熱輸送システムの基本構成の説明図で
あるが、このシステムの基本的なアーキテクチャーは、
冷熱輸送媒体が異なる点を除き、従来のシステムのそれ
と同じであるの。勿論、この図5に示すシステムは、飽
くまでも概要に過ぎず、水和物を冷熱輸送媒体として使
用するための種々の工夫が現実には当然必要であるが、
そのような細部は本発明の意図するものではなく、従っ
て図5にも描かれていない。ただ、冷熱輸送媒体が水和
物であることとは無関係な従来技術は、本発明に係る冷
熱輸送システムや冷熱輸送方法にそのまま適用できる。
水溶液4を冷凍機や放熱装置のような冷熱源1と熱交換
させることで、この水溶液を冷却して冷熱輸送媒体とし
ての水和物(実際には水溶液と水和物とが混合してでき
た流動性の高い水和物スラリー)3を生成させる。従っ
て、冷熱源1、熱交換器9、並びに水溶液や生成した水
和物スラリーを輸送するための配管及びその周辺装置
(図示せず)が水和物製造装置7と言える。次に、かく
して生成した水和物スラリーは、建築物、空間、物品そ
の他の冷却対象物(別の冷熱輸送媒体やこれを内蔵する
配管を含む。)2と熱交換することにより再び包接水和
物生成物質を含む水溶液に分解する。従って、冷却対象
物2、熱交換器8、並びに水和物スラリーや包接水和物
生成物質を含む水溶液を輸送するための配管及びその周
辺装置(図示せず)が水和物分解装置(図示せず)と言
える。
も1個の貯蔵装置5を設置して冷熱輸送システムの円滑
な運転に支障を与えないよう工夫する場合もあり、更に
この少なくとも1個の貯蔵装置5は、冷熱源1又は冷却
対象物2との熱交換を行うための熱交換器8、9と物理
的に一体(ユニット状)を成していても構わない。
の熱交換により生成する水和物4を貯蔵するための装置
が必要である。この貯蔵装置6は、過冷却により生じた
水和度の相対的に低い水和物を、水和度が相対的に高い
水和物が生成する条件下に保持する機能を備えている。
この機能とは、例えば、TBABを含む水溶液から第1
水和物が生成する場合、この第1水和物を、第2水和物
が生成する摂氏8度程度以下の温度に保持する機能であ
る。この貯蔵装置6は、いわば第2水和物又は水和度が
相対的に高い水和物のスラリーの製造装置とも言え、そ
の場合には先述の水和物製造装置7の一部と考えること
ができる。
水和物の水和度が当初よりも高まった段階で、そのよう
な水和物のスラリーを輸送配管に送り込み(正確には送
り戻し)、水和度の相対的に高い、従って蓄熱密度又は
潜熱量の点で冷熱輸送に適した媒体を用いて冷熱輸送を
効率的に行うことも可能である。この場合、輸送配管を
通流する水和物スラリーの一部又は全部が貯蔵装置6に
流れ込み貯蔵されるようにして、水和度が相対的に高め
られた段階で常時又は必要なときに輸送配管へ送り戻さ
れるようにしてもよし、輸送配管から水和物スラリーが
流れ込む構成ではなく、予め水和物スラリーを貯蔵し、
必要なときにだけ輸送配管と接続してそこに水和度の相
対的に高い水和物を注入するようにしてもよい。
に、冷熱輸送システムの円滑な運転に支障を与えないよ
うにするための水和物又は水溶液の一時格納機能を併有
していても構わないし、冷熱源と水溶液との熱交換を行
う熱交換器9と一体(ユニット状)に構成されていても
構わない。
和物製造装置7内に配管などの適当な手段(図示せず)
により導入された水溶液4が冷熱源1と熱交換すると、
水溶液の冷却により、第1水和物に代表される水和度が
相対的に低い水和物が水和度が相対的に高い水和物とと
もに生成する。この場合、水和度が相対的に高い水和物
が生成する温度域であっても、過冷却により、水和度が
相対的に高い水和物に先立って水和度が相対的に低い水
和物が生成する。しかし、水和度が相対的に高い水和物
が生成する温度域であれば、水和度が相対的に低い水和
物の生成に引き続き又はその水和物が生成核となって、
水和度が相対的に高い水和物が生成してくるし、或い
は、時間の経過に伴い、水和度が相対的に低い水和物
が、その過冷却状態が解除されることにより、水和度が
相対的に高い水和物へと変化してくる。
和物は、全体としてみれば、当初生成する水和度が相対
的に低い水和物よりも水和度が高く、蓄熱密度又は潜熱
量の点で冷熱輸送媒体に適している。従って、この水和
度が異なる水和物を使用する冷熱輸送方法や冷熱輸送シ
ステムによれば、より効率的な冷熱輸送を実現すること
ができる。
和度は、時間の経過とともに高くなり、冷熱輸送媒体と
して最終的に使用される水和物における相対的に高い水
和物の割合(存在比)が増加し、蓄熱密度又は潜熱量が
増加してくる。従って、このような水和物を使用する冷
熱輸送方法や冷熱輸送システムによれば、時間の経過と
ともに、効率が高くなる冷熱輸送を実現することができ
る。
る際に、時間の経過に伴いその水和度が増加して、やが
てはある高い水準に達し、それ以後はその高い水準で冷
熱輸送システムが運転されることになる。従って、この
ような運転方法により、蓄熱密度又は潜熱量の点で好ま
しい、高効率の冷熱輸送を実現することができる。
ラリー中に存在する水和度が相対的に低い水和物は、そ
れが元々過冷却を通じて生成したものであり、且つ、冷
熱源から冷却対象物への搬送時間が長ければ、搬送途中
で徐々に水和度の相対的に高い水和物に変化するので、
時間の経過とともに、効率が高まる冷熱輸送を実現する
ことができる。しかし、搬送時間が十分長くない場合に
は、このような平衡論的な水和度の変化が及ぼす冷熱輸
送の効率化への寄与はかなり小さい(但し、本発明は、
このように冷熱輸送の効率化への寄与が小さいものを排
除するものではない)。ところが、水和物製造装置で生
成した水和物を、水和度が相対的に低い水和物が水和度
が相対的に高い水和物に変化する条件下で貯蔵する貯蔵
装置を設ければ、過冷却が原因で生じた水和度が相対的
に低い当初の水和物を、水和度の相対的に高い水和物に
時間をかけて変化させることができる。この結果、冷熱
輸送媒体として最終的に使用される水和物における相対
的に高い水和物の割合(存在比)、ひいては蓄熱密度又
は潜熱量を増加させることができ、このような水和物を
使用する冷熱輸送方法や冷熱輸送システムによれば、時
間の経過とともに、効率が高まる冷熱輸送を実現するこ
とができる。このような貯蔵装置の設置は、水和度が相
対的に高い水和物が生成する温度域その他の条件下にお
いて水和度が相対的に低い水和物の生成に引き続き又は
その水和物が生成核となって、水和度が相対的に高い水
和物が生成してくる現象を利用して冷熱輸送媒体の蓄熱
密度又は潜熱量を増加させる際に併用すると、冷熱輸送
を更に効率化することができる。
接水和物生成物質を含む水溶液を冷熱源との熱交換によ
り冷却し、冷熱輸送媒体として機能する水和物を生成せ
しめ、この水和物との熱交換により冷却対象物を冷却す
る冷熱輸送の効率化を実現することができる。
て、第1水和物スラリーと第2水和物スラリーの生成状
況を示すグラフ。
却して第1水和物と第2水和物とを生成させた場合の水
和物スラリーの温度に対する各水和物の保有熱量を示す
グラフ。
却したときのTBAB水和物スラリーの生成過程を示す
グラフ。
から生成した水和物スラリーの熱密度及び温度と時間経
過との関係、並びにその生成水和物スラリー中の第1水
和物と第2水和物の存在割合と時間経過との関係を示す
グラフ。
明図。
Claims (5)
- 【請求項1】 包接水和物生成物質を含む水溶液を冷熱
源との熱交換により冷却し、冷熱輸送媒体として機能す
る水和物を生成せしめ、この水和物のスラリーとの熱交
換により冷却対象物を冷却する冷熱輸送方法であって、
前記水和物は、水和度が異なる2種類又は3種類以上の
水和物から成ることを特徴とする冷熱輸送方法。 - 【請求項2】 包接水和生成物質を含む水溶液を冷熱源
との熱交換により冷却し、冷熱輸送媒体として機能する
水和物スラリーを生成せしめ、この水和物のスラリーと
の熱交換により冷却対象物を冷却する冷熱輸送システム
であって、前記水和物は、水和度が異なる2種類又は3
種類以上の水和物から成ることを特徴とする冷熱輸送シ
ステム。 - 【請求項3】 時間の経過に伴い、水和度の相対的に高
い水和物の割合が増加することを特徴とする請求項1記
載の冷熱輸送システム。 - 【請求項4】 生成した冷熱輸送媒体として機能する水
和物を、水和度が相対的に低い水和物が水和度が相対的
に高い水和物に変化する条件下で貯蔵する貯蔵装置を備
えることを特徴とする請求項2又は3に記載の冷熱輸送
システム。 - 【請求項5】 包接水和生成物質を含む水溶液を冷熱源
との熱交換により冷却し、冷熱輸送媒体として機能する
水和物スラリーを生成せしめ、この水和物のスラリーと
の熱交換により冷却対象物を冷却する冷熱輸送システム
の運転方法であって、前記水和物は、システム運転開始
当初よりも水和度が相対的に高いことを特徴とする冷熱
輸送システムの運転方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000247667A JP4304848B2 (ja) | 2000-08-17 | 2000-08-17 | 冷熱輸送方法、冷熱輸送システム、冷熱輸送システムの運転方法、貯蔵装置及び水和物製造装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000247667A JP4304848B2 (ja) | 2000-08-17 | 2000-08-17 | 冷熱輸送方法、冷熱輸送システム、冷熱輸送システムの運転方法、貯蔵装置及び水和物製造装置 |
Related Child Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2009054798A Division JP2009121811A (ja) | 2009-03-09 | 2009-03-09 | 冷熱輸送方法、冷熱輸送システム、冷熱輸送システムの運転方法、貯蔵装置及び水和物製造装置 |
Publications (3)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2002060739A true JP2002060739A (ja) | 2002-02-26 |
JP2002060739A5 JP2002060739A5 (ja) | 2006-07-06 |
JP4304848B2 JP4304848B2 (ja) | 2009-07-29 |
Family
ID=18737712
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2000247667A Expired - Fee Related JP4304848B2 (ja) | 2000-08-17 | 2000-08-17 | 冷熱輸送方法、冷熱輸送システム、冷熱輸送システムの運転方法、貯蔵装置及び水和物製造装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP4304848B2 (ja) |
Cited By (7)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2008195848A (ja) * | 2007-02-14 | 2008-08-28 | Jfe Engineering Kk | 蓄熱方法及び装置 |
WO2008108308A1 (ja) * | 2007-03-02 | 2008-09-12 | Jfe Engineering Corporation | 潜熱蓄熱性物質、包接水和物及びそのスラリー、包接水和物又はそのスラリーの製造方法、潜熱蓄熱剤 |
JP2008214482A (ja) * | 2007-03-02 | 2008-09-18 | Jfe Engineering Kk | 包接水和物を生成する性質を有する水溶液、包接水和物及びそのスラリー、包接水和物スラリーの製造方法並びに潜熱蓄熱剤 |
JP2008214483A (ja) * | 2007-03-02 | 2008-09-18 | Jfe Engineering Kk | 潜熱蓄熱性物質、水溶液、包接水和物及びそのスラリー、包接水和物の融点調整方法、包接水和物のスラリーの潜熱蓄熱量を増加させる方法並びに、包接水和物又はそのスラリーの製造方法 |
US7875749B2 (en) | 2007-03-06 | 2011-01-25 | Jfe Engineering Corporation | Clathrate hydrate containing quaternary ammonium salt as guest compound |
WO2016075941A1 (ja) * | 2014-11-14 | 2016-05-19 | 株式会社デンソー | 過冷却解除物質およびその製造方法 |
JP2016204622A (ja) * | 2014-11-14 | 2016-12-08 | 株式会社デンソー | 過冷却解除物質およびその製造方法 |
-
2000
- 2000-08-17 JP JP2000247667A patent/JP4304848B2/ja not_active Expired - Fee Related
Cited By (7)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2008195848A (ja) * | 2007-02-14 | 2008-08-28 | Jfe Engineering Kk | 蓄熱方法及び装置 |
WO2008108308A1 (ja) * | 2007-03-02 | 2008-09-12 | Jfe Engineering Corporation | 潜熱蓄熱性物質、包接水和物及びそのスラリー、包接水和物又はそのスラリーの製造方法、潜熱蓄熱剤 |
JP2008214482A (ja) * | 2007-03-02 | 2008-09-18 | Jfe Engineering Kk | 包接水和物を生成する性質を有する水溶液、包接水和物及びそのスラリー、包接水和物スラリーの製造方法並びに潜熱蓄熱剤 |
JP2008214483A (ja) * | 2007-03-02 | 2008-09-18 | Jfe Engineering Kk | 潜熱蓄熱性物質、水溶液、包接水和物及びそのスラリー、包接水和物の融点調整方法、包接水和物のスラリーの潜熱蓄熱量を増加させる方法並びに、包接水和物又はそのスラリーの製造方法 |
US7875749B2 (en) | 2007-03-06 | 2011-01-25 | Jfe Engineering Corporation | Clathrate hydrate containing quaternary ammonium salt as guest compound |
WO2016075941A1 (ja) * | 2014-11-14 | 2016-05-19 | 株式会社デンソー | 過冷却解除物質およびその製造方法 |
JP2016204622A (ja) * | 2014-11-14 | 2016-12-08 | 株式会社デンソー | 過冷却解除物質およびその製造方法 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP4304848B2 (ja) | 2009-07-29 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP3641362B2 (ja) | 包接水和物を用いた蓄冷方法、蓄冷システム、および蓄冷剤 | |
CN101171318B (zh) | 蓄热性物质、蓄热剂、蓄热材料、传热介质、保冷剂、保冷材料、蓄热剂用熔点调节剂、蓄热剂用过冷却防止剂、以及蓄热剂、传热介质和保冷剂中任意一种的主剂的制造方法 | |
JP2007107773A (ja) | 蓄熱装置、ヒートポンプシステムおよびソーラーシステム | |
JP4134982B2 (ja) | 蓄冷方法、蓄冷システム、蓄冷剤、および冷熱の取り出し方法 | |
JP2002060739A (ja) | 冷熱輸送方法、冷熱輸送システム及び冷熱輸送システムの運転方法 | |
WO1991017392A1 (en) | Methods and apparatuses for providing cool thermal storage and/or water purification | |
JP2001280875A (ja) | 包接水和物と氷の混合スラリを用いた蓄冷方法および蓄冷システム | |
JP2002060739A5 (ja) | 冷熱輸送方法、冷熱輸送システム、冷熱輸送システムの運転方法、貯蔵装置及び水和物製造装置 | |
JP2000205775A (ja) | 包接水和物スラリ―の製造方法 | |
JP2981890B1 (ja) | 蓄熱装置およびその装置における熱管理方法 | |
JP3475901B2 (ja) | 水和数の異なる水和物スラリの生成装置 | |
JP2008215655A (ja) | 蓄熱装置及びその運転方法 | |
JP4507458B2 (ja) | 水和物スラリの製造方法 | |
JP2009121811A (ja) | 冷熱輸送方法、冷熱輸送システム、冷熱輸送システムの運転方法、貯蔵装置及び水和物製造装置 | |
JP2002263470A (ja) | 水和物スラリ製造装置 | |
JP2009051905A (ja) | 包接水和物を生成する性質を有する水溶液、第四級アンモニウム塩をゲスト化合物とする包接水和物及び当該包接水和物のスラリ並びに、包接水和物の生成方法、包接水和物が生成又は成長する速度を増加させる方法及び包接水和物が生成又は成長する際に起こる過冷却現象を防止又は抑制する方法 | |
JP2006336018A5 (ja) | 冷熱輸送方法、水和物スラリーの輸送装置及び地域冷暖房システム | |
JPH05215369A (ja) | 潜熱利用の冷却または加熱方法 | |
JP2007046855A (ja) | 水和物スラリ蓄熱装置および蓄熱方法 | |
JP2004085008A (ja) | 水和物スラリ製造システムおよびその運転方法 | |
JP4529305B2 (ja) | 水和物スラリの輸送方法および装置 | |
JP4449248B2 (ja) | 水和物スラリの製造方法 | |
JP2004053171A (ja) | 空調システムおよびその運転方法 | |
JPH11325769A (ja) | 蓄熱式熱交換器 | |
JP2003336868A (ja) | 既設空調システムの改造方法および改造システム |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20060420 |
|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20060420 |
|
RD02 | Notification of acceptance of power of attorney |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7422 Effective date: 20060518 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20081017 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20090106 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20090306 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20090407 |
|
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20090420 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120515 Year of fee payment: 3 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130515 Year of fee payment: 4 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140515 Year of fee payment: 5 |
|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |