JP2007107773A - 蓄熱装置、ヒートポンプシステムおよびソーラーシステム - Google Patents

蓄熱装置、ヒートポンプシステムおよびソーラーシステム Download PDF

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Abstract


【課題】 過冷却現象を生じる水和物スラリを用いて蓄熱、放熱を行う蓄熱装置において、熱交換器内部の伝熱面において水溶液の過冷却が解除されると、生成した水和物が熱交換器内部の伝熱面に付着しやすくなり、熱交換器の伝熱性能低下や、熱交換器の閉塞が発生する。
【解決手段】 蓄熱材貯蔵容器102と蓄熱サイクル11と放熱サイクル13を有する蓄熱装置において、放熱サイクル13の蓄熱材放熱部105に流入する蓄熱材を固液共存状態とすることにより、過冷却を防止する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、溶質とそれを可溶な溶媒とを有する蓄熱材を用いて高密度の蓄熱をする装置、これを用いたヒートポンプシステムおよびソーラーシステムに関するものである。
蓄熱材として水を用いた蓄熱装置は、実用に供されている。蓄熱密度を更に上昇させるために、水以外の蓄熱材、例えば、水和物を用いた蓄熱装置の利用が検討されている。
具体的な水和物の例としては、特許文献1に開示されているように、テトラn−ブチルアンモニウム塩、テトラiso−アミルアンモニウム塩、テトラn−ブチルフォスフォニウム塩、テトラiso−アミルサルフォニウム塩などをゲスト化合物とする水和物(液系包接水和物)がある。これらの水和物の融点は室温以下であり、潜熱蓄熱量は約200(kJ/L)程度である。
このような蓄熱材を利用する蓄熱装置としては、蓄熱材をタンクに貯留したまま他の流体を用いて熱を運び蓄熱する形式のものと、蓄熱材を他の流体とともに水和物スラリを形成し、これを流動させて熱交換する形式のものとがある。後者の場合には、蓄熱材を運搬して直接熱交換を行うために、高効率が期待されるが、蓄熱材が放熱する際には、液相から固相に状態変化するに伴い、粘度が急激に増大するという問題がある。特に熱交換器(放熱器)の内部に於いて、急速に液相から固相への状態変化が起こる(過冷却が解除される)と、生成した水和物(固相)が熱交換器の伝熱面に付着しやすくなり伝熱性能を低下させたり、流動抵抗が増大し、最悪の場合には熱交換器を閉塞させたりする等の問題があった。
このような課題に対応するために、例えば特許文献1には、次のような装置が開示されている。特許文献1の蓄熱装置は、図15に示されるように、蓄熱材の放熱または冷却手段として、第1の熱交換器2と第2の熱交換器3a、3bと2段階の冷却手段を設置している。蓄熱槽4から搬送された蓄熱材水溶液は、第1の熱交換器2における冷水との熱交換により過冷却水溶液へと冷却される。次に、第1の熱交換器から第2の熱交換器に搬送される間に、過冷却が解除され水和物スラリとなる。そして第2の熱交換器3aまたは3bにおける冷水との熱交換により水和物スラリは固液体共存状態にて冷却され、蓄熱槽4に貯蔵される。
すなわち、特許文献1の装置では、第1および第2の熱交換器を用いることにより、熱交換器内部で過冷却を解除することを避け、熱交換効率の低下を防いでいる。

特開2004−3718号公報
以上述べたように、蓄熱材を流動させて熱交換を行う蓄熱システムにおいては、熱交換器(放熱器)に於いて、過冷却が解除され、熱交換効率が低下するという課題があった。一方、これに対する上記特許文献1の方法は、このような問題に対処することはできる。しかし、特許文献1の方法は、第1及び第2の熱交換器の間(外部)で過冷却を解除する方法であるので、複数の熱交換器が必要であり、かつ、熱交換器の外部で流路が閉塞するのを防止する機構が必要であり、装置が複雑化、大型化するという課題がある。

本発明は、蓄熱材を流動させて熱交換を行う蓄熱システムに於いて、装置を大型化や複雑化することなく、熱交換器内における蓄熱材の過冷却解除を防止し、小型高効率の蓄熱装置を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明の蓄熱装置は、溶質と前記溶質を可溶な溶媒とを含む蓄熱材を貯蔵する蓄熱材貯蔵容器と、
前記蓄熱材貯蔵容器と蓄熱材加熱部とを配管を介して接続し、前記蓄熱材を循環させる蓄熱サイクルと、
前記蓄熱材貯蔵容器と、前記蓄熱材から放熱させて熱媒体を加熱する蓄熱材放熱部とを配管を介して接続し、前記蓄熱材を循環させる放熱サイクルとを有し、
前記蓄熱材は、前記蓄熱材放熱部入口において固液共存状態で存在するものである。
本発明の蓄熱装置の蓄熱材放熱部(熱交換器)入口においては、蓄熱材は固液共存状態で存在する。固液共存状態の蓄熱材中においては、固体状態の蓄熱材が過冷却防止剤として働く為、前記蓄熱材が過冷却状態になることが防止される。言い換えると、液中の固体状態の蓄熱材が種結晶として働き、結晶の成長が促進され、過冷却状態になりにくくなる。これにより、前記熱交換器内部の伝熱面において蓄熱材の過冷却が解除されることが抑制され、析出した固体状態の蓄熱材が熱交換器内部の伝熱面に付着しにくくなる為、前記熱交換器の伝熱性能の低下や前記熱交換器が閉塞することを防止することができる。
以下、図面を用いて本発明の蓄熱装置について説明する。
(実施の形態1)
本実施形態の蓄熱装置は、図1に示すように、蓄熱材を貯蔵する蓄熱材貯蔵容器102と、蓄熱材を加熱する蓄熱サイクル11と、蓄熱材を放熱する放熱サイクル13とを有する。本実施形態の蓄熱材は、溶質とその溶質を可溶な溶媒とを含む。溶質の固相と液相との状態変化に伴う潜熱、および、溶質と溶媒の固層または液相における顕熱を利用して蓄熱または放熱が行われる。
蓄熱材貯蔵容器102には蓄熱材が充填されている。容器102内では、容器下部から上部にかけて温度が次第に高くなる温度分布を持たせた状態で蓄熱材が充填されている。すなわち、容器102内では、安定な温度成層が形成されている。
次に、蓄熱サイクル11を用いた蓄熱材に蓄熱するステップについて説明する。
蓄熱サイクル11は、蓄熱材貯蔵容器102と蓄熱材加熱部101とが配管103によって接続され、蓄熱材が循環するように構成されている。蓄熱材を循環させるための搬送手段としては、蓄熱サイクル用ポンプ104が設けられている。また、蓄熱材加熱部101の出口付近の配管103には、蓄熱材の温度を測る温度計111が設けられ、この温度計で計測した温度によって、コントローラ112は、加熱用ポンプ(蓄熱サイクル用ポンプ)を制御して、蓄熱材の流量、流速などを制御する。
ここで、蓄熱材貯蔵容器102と配管103との接続については、蓄熱材貯蔵容器102の下部に、配管が接続され、容器内部で比較的低温の蓄熱材が加熱用(蓄熱用)に取り出されるように構成されている。逆に、蓄熱材加熱部102を経由して加熱された蓄熱材は容器102内部で最も高温の上部に戻るように容器102と配管103は接続されている。
蓄熱用加熱部101において蓄熱材は加熱され、蓄熱材中の溶質が固相から液相へ相変化する際の潜熱、および蓄熱材の固相、液相における顕熱を利用して蓄熱が行われる。
蓄熱サイクル11の制御は次のように行われる。蓄熱材温度計111により、蓄熱材加熱部101の出口における蓄熱材温度が検知され、前記コントローラ112に温度データが送られる。
そして、前記蓄熱材加熱部101の出口における蓄熱材温度が、予め入力してある蓄熱材の完全溶解温度以下となるように、コントローラ112によって、蓄熱サイクル用ポンプ104の出力が制御されることにより、蓄熱材流量が制御される。すなわち、蓄熱材温度計111で計測される温度が蓄熱材の完全溶解温度を越えている場合には、蓄熱用ポンプの出力が増加し、蓄熱材流量が増加する。この制御により、蓄熱材加熱部101の出口において、蓄熱材は固液共存状態に保持される。
加熱(蓄熱)された前記蓄熱材は、前記蓄熱サイクル用ポンプ104により、前記蓄熱用加熱部101から前記蓄熱材貯蔵容器102上部に向かって配管103を搬送され、蓄熱材容器上部に搬送される。こうして、蓄熱材貯蔵容器102内において、容器下部から上部にかけて蓄熱材温度の高くなる安定な温度成層が形成される。
次に、放熱サイクル13を用いた蓄熱材放熱ステップについて説明する。
放熱サイクル13は、蓄熱材貯蔵容器102と蓄熱材放熱部105とが、配管106で接続され、蓄熱材を搬送することができるように構成されている。蓄熱材搬送手段としては、放熱サイクル用ポンプ107が配管106に接続され、蓄熱材を搬送する。また、蓄熱材放熱部105においては、蓄熱材の熱が熱媒体に与えられる。
蓄熱材貯蔵容器102と配管106は、容器102の上部に接続され、容器内部の比較的高温の蓄熱材が放熱サイクル13に放出されるように構成されている。
蓄熱材放熱部105の蓄熱材入口において、蓄熱材は固液共存状態に制御されている。
これを実現するため、本実施形態においては、加熱ステップにおいて説明したように、蓄熱材加熱部101出口において、蓄熱材を完全溶解温度以下に制御する。これによって、加熱部101の出口において、蓄熱材は固液共存状態になっている為、前記蓄熱材貯蔵容器102の温度成層上部においても、固液共存状態となっている。言い換えると完全溶解状態とはなっていない。したがって、本実施形態においては、蓄熱材放熱部105において、蓄熱材は固液共存状態に保持されている。
蓄熱材放熱器105において、蓄熱材は前記熱媒体に熱を奪われ、蓄熱材中の溶質が液相から固相へ相変化する際の潜熱、および溶媒を含む蓄熱材の固相、液相における顕熱を利用して熱媒体を加熱する。本実施形態の蓄熱装置は、配管108と蓄熱材放熱部105と、配管108とを接続した熱媒体加熱流路14を有している。熱媒体加熱流路14を流れる熱媒体は、蓄熱材放熱部105で加熱される。加熱された熱媒体は、空調や給湯等に用いられる。
本発明の特徴は、蓄熱材放熱部入口において、蓄熱材が固液共存状態であるため、放熱しても、過冷却状態となりにくいことである。したがって、熱交換機105内部および配管106内部において過冷却が解除され、固化した水和物が熱交換機内部の配管や配管106に付着すると言う問題が発生しにくい。
また、放熱した蓄熱材は、前記蓄熱材放熱部105から前記蓄熱材貯蔵容器102下部に向かって搬送され、前記蓄熱材貯蔵容器102内において、容器下部から上部にかけて蓄熱材温度の高くなる安定な温度成層を形成する。
(実施例1)
次に本実施形態のより具体的な構成例である実施例1について説明する。
本実施例では、蓄熱材を構成する溶質として酢酸ナトリウムを、溶媒として水を用いている。酢酸ナトリウムは、水と水和物を形成し、酢酸ナトリウム三水和物となる。さらに、添加剤(増粘剤)としてスメクタイト系の粘土を添加している。その重量組成比は、酢酸ナトリウム三水和物100重量部に対して、水50重量部、粘土1.5重量部である。酢酸ナトリウム三水和物は常温で無色の単斜晶系柱状結晶であり、単体で約260kJ/kgという大きな潜熱を有している。さらに、酢酸ナトリウム三水和物の固体密度および液体密度はそれぞれ約1.5kg/L、約1.3kg/Lである為、単位体積当りの蓄熱密度が約340kJ/Lと大きい。これは氷の蓄熱密度約330kJ/Lと同程度以上の潜熱量であり、蓄熱材として優れた性能を有している。
図3に酢酸ナトリウムー水系の二元状態図を示す(以下の文献を参照:「潜熱蓄熱材料」和田隆博、松永浩二、木村文子、山本涼市、楠田隆男、伊勢悠紀彦 National Technical Report Vol. 29 No. 1 Feb. 1983)酢酸ナトリウム三水和物は、酢酸ナトリウムと水との化合物である。図3では、横軸は酢酸ナトリウム−水系二元状態における酢酸ナトリウムの重量濃度を、縦軸は温度を示している。横軸の酢酸ナトリウムの重量濃度が60.28%の時が、酢酸ナトリウム三水和物の組成となる。図3によれば、酢酸ナトリウム三水和物単体、すなわち図3において横軸約60%から縦軸方向に垂直に立ち上がっている線上では、固液共存状態となる温度が融点あるいは凝固点に限られてしまい、凝固点より低い温度では全てが固体となってしまうため、流動性を持たない。これに対して、図3のAの領域、すなわち、30%以上60%以下の領域においては、ある温度範囲で、酢酸ナトリウム三水和物と酢酸ナトリウム水溶液との固液共存状態(スラリ状態)とすることができ、流動性を持たせることができる。そこで、本実施例においては、酢酸ナトリウム三水和物に水を加えることにより、Aの領域の組成範囲としている。Aの領域と高温側の領域との境界線が、完全溶解温度を示している。特に今回の実験では、酢酸ナトリウムの重量濃度が約40%になる組成に調整した。
しかし、上記のように、酢酸ナトリウム三水和物の固体密度は液体密度より大きく、かつ、水の密度よりも大きい為、酢酸ナトリウム三水和物と水を混合しただけの蓄熱材では、固体粒子がすぐに沈降してしまい、固液共存状態において、液相と固相が分離してしまう。そこで、本実施例においては、増粘剤として、スメクタイト系の粘土を添加することにより、蓄熱材の粘度を増加させ、ある程度の降伏応力を持たせることによって、固体粒子の沈降を防止している。
次に、本実施例の蓄熱装置について、図2を用いて説明する。図2の基本的な構成は、図1と同じであり、同じ構成要素には同じ符号を付けて説明を省略する。
本実施例の蓄熱装置は、実施形態1の蓄熱装置と同様に、蓄熱材貯蔵容器102と、蓄熱サイクル11と、放熱サイクル13と、熱媒体サイクル15とを有する。
蓄熱材貯蔵容器102として、ステンレス製円筒容器を用いた。このステンレス製円筒容器内に蓄熱材が貯蔵されている。
蓄熱サイクル11は、蓄熱材貯蔵容器102と蓄熱材加熱部101を配管103で接続して構成されている。本実施例では、蓄熱材加熱部101として、水温を40℃に保持し
た恒温水槽中に設置したチューブ式熱交換器を用いた。このチューブ式熱交換器管内を蓄熱材が流動し、約35℃まで加熱される。
また、配管103として、シリコンブレードホースを用いた。配管については、蓄熱サイクル11だけでなく、放熱サイクル13、熱媒体加熱サイクル15についても同様のものを用いている。
また、蓄熱サイクル用ポンプ104として、蓄熱材中の固体粒子を駆動部が噛み込むことのない遠心式ポンプである、マグネットポンプを用いた。これは、放熱サイクル用ポンプ107についても同様である。
次に、放熱サイクル13は、蓄熱材貯蔵容器102と、蓄熱材放熱部105とを配管106で接続したものである。
蓄熱材放熱部105としては、二重管式熱交換器を用いている。この二重管式熱交換器においては、蓄熱材が内管内を、熱媒体が外管内を流動する構成となっており、蓄熱材と熱媒体との間で熱交換が行われる。蓄熱材と熱媒体は、図2に示すように、互いに逆方向に流体が流れるように構成されている。すなわち、流動形式は、対向流である。
熱媒体加熱サイクル15は、蓄熱材放熱部105と、熱媒体放熱部(冷却水循環装置)501を、配管108を介して接続し熱媒体を循環させるように構成したものである。
次に、図2の構成の本実施例の蓄熱装置を用いて、蓄熱および放熱運転した例について説明する。
既に説明したように、蓄熱材としては、酢酸ナトリウムの重量濃度が約40%の水溶液に、添加剤としてスメクタイト系の粘土を添加したものを用いた。蓄熱材とし、蓄熱材貯蔵容器102に充填した。当初の蓄熱材の温度は、室温(約20℃)である。図3より明らかなように、酢酸ナトリウムの組成が40%の時には、完全溶解温度(液相と固液共存領域の境界の温度)は約40℃であるので、この時の蓄熱材温度は蓄熱材完全溶解温度よりも低い温度であるため、蓄熱材は固液共存状態で存在していた。
次に、蓄熱サイクル用ポンプ104を稼働させて、前記蓄熱材貯蔵容器102下部から前記蓄熱材加熱部101に向かって蓄熱材を搬送し、蓄熱材加熱部101において、蓄熱材を加熱した。このとき、蓄熱サイクル11における蓄熱材の質量流量は、0.3〜0.5kg/minとした。また、蓄熱材加熱部101の出口における蓄熱材温度は、40℃以下となるようにした。したがって、蓄熱材加熱部101の出口における蓄熱材は固液共存状態となっていた。
次に、放熱用ポンプ107を稼働させて、蓄熱材貯蔵容器102上部から蓄熱材放熱部105に向かって蓄熱材を搬送し、蓄熱材放熱部105において、前記冷却水循環装置501より供給される熱媒体(水)との熱交換を行った。このとき、蓄熱材放熱部105における蓄熱材の質量流量は、0.3〜0.5(kg/min)に、水の質量流量は1.1〜1.3(kg/min)に制御した。これによって、蓄熱材の流速は0.1〜0.15(m/sec)に、水の流速は0.25〜0.3(m/sec)となる。
本実施例では、約43分間、連続して蓄熱および放熱による熱交換を行った。その間に蓄熱材流路が閉塞することは無く、定常的に熱交換を行うことができた。
一方、本実施例の実験データより、本実施例の蓄熱装置の性能について検討する。本実
施例において検討した蓄熱装置における、放熱運転時の蓄熱材の見かけ比熱の時間推移を示したグラフを図4に示す。蓄熱材の見かけ比熱Cphは、以下の熱量収支式(1)より算出した。
Cph(Thin−Thout)Fh=Cpw(Twout−Twin)Fw・・・(1)
ここで、式(1)中において、各記号の示す意味は以下の通りである。なお、熱媒体としては、水を用いている。
蓄熱材放熱部105蓄熱材入口温度(℃):Thin
蓄熱材放熱部105蓄熱材出口温度(℃):Thout
蓄熱材放熱部105内蓄熱材質量流量(kg/min):Fh
蓄熱材放熱部105水入口温度(℃):Twin
蓄熱材放熱部105水出口温度(℃):Twout
蓄熱材放熱部105水質量流量(kg/min):Fw
水比熱(kJ/kg/K):Cpw
今回の実験の結果によれば、式(1)によって計算される蓄熱材の見かけ比熱は、図4に示すように、4.5〜5kJ/kg/Kとなっている。この値は、液体状態の蓄熱材の比熱約4kJ/kg/Kと比較して、最大1kJ/kg/Kも大きな値である。また、水の比熱4.2kJ/kg/Kと比較しても大きな値である。
なお、本実施例においては、蓄熱材の溶質として酢酸ナトリウムを、水和物として酢酸ナトリウム三水和物を用いているが、本発明の実施においてはこれに限られたものである必要はなく、同様の効果を生じる蓄熱材であれば、例えば、硫酸ナトリウム十水和物やチオ硫酸ナトリウム五水和物等の他の水和物を用いても良い。
なお、本実施例においては、増粘剤(添加剤)としてスメクタイト系の粘土を用いているが、本発明の実施においてはこれに限られたものである必要はなく、同様の効果を生じる増粘剤(添加剤)であれば、用いることができる。例えば、キサンタンガムなどの親水性多糖類であってもよい。
なお、本実施例においては、蓄熱材の重量組成比を、酢酸ナトリウム三水和物100重量部に対して、水50重量部と、粘土1.5重量部としているが、本発明の実施においてはこれに限られたものである必要はなく、流動性の付与と固体粒子の沈降防止を両立できる他の組成比であってもよい。
なお、本実施例においては、蓄熱材加熱部101として恒温水槽中に設置したチューブ式熱交換器を用いているが、本発明の実施においてはこれに限られたものである必要はなく、同様の効果を生じる構成であれば、例えば、ヒートポンプの放熱部や太陽熱集熱部や工場や施設から排出される廃熱などと組み合わせた、二重管式、フィンアンドチューブ、コイルアンドフィンなどの形式の熱交換器からなる構成であっても良い。
なお、蓄熱材加熱部101として二重管式熱交換器を用いる場合、蓄熱材が外管内を流動し、蓄熱材を加熱する媒体が内管内を流動する構成が望ましいが、同様の効果を生じる構成であれば、蓄熱材が内管内を流動し、蓄熱材を加熱する媒体が外管内を流動する構成でもよい。
なお、蓄熱材加熱部101として二重管式熱交換器を用いる場合、蓄熱材と前記加熱媒体が対向流で流動する構成であることが望ましいが、同様の効果を生じる構成であれば、蓄熱材と前記加熱媒体が並流で流動する構成であってもよい。
なお、本実施例においては、蓄熱用ポンプ104としてマグネットポンプを用いているが、本発明の実施においてはこれに限られたものである必要はなく、同様の効果を生じる構成であれば、例えば、スクリューポンプなどの他の遠心式ポンプであっても良い。
なお、蓄熱サイクル用ポンプ104は蓄熱材流れ方向に対して、前記蓄熱材加熱部101の上流側に設置することが望ましいが、必ずしも上記の形態だけに留まるものではなく、同様の効果を生じる構成であれば、例えば、蓄熱サイクル用ポンプ104は蓄熱材流れ方向に対して、前記蓄熱材加熱部101の下流側に設置してもよい。
なお、本実施例においては、熱媒体として水を用いているが、本発明の実施においてはこれに限られたものである必要はなく、同様の効果を生じる構成であれば、例えば、ブラインなどの他の熱媒体であっても良い
なお、本実施例においては、蓄熱材放熱部105として二重管式熱交換器を用いているが、本発明の実施においてはこれに限られたものである必要はなく、同様の効果を生じる構成であれば、例えば、フィンアンドチューブ、コイルアンドフィンなどの形式の熱交換器であっても良い。
なお、本実施例においては、蓄熱材放熱部105の内管内を蓄熱材が流動し、外管内を水が流動する構成となっているが、本発明の実施においてはこれに限られたものである必要はなく、同様の効果を生じる構成であれば、例えば、蓄熱材が外管内を流動し、水が内管内を流動する構成でもよい。
なお、本実施例においては、蓄熱材放熱部105で蓄熱材と水が対向流で流動する構成となっているが、本発明の実施においてはこれに限られたものである必要はなく、同様の効果を生じる構成であれば、例えば、蓄熱材と水が並流で流動する構成であってもよい。
なお、本実施例においては、放熱用ポンプ107としてマグネットポンプを用いているが、本発明の実施においてはこれに限られたものである必要はなく、同様の効果を生じる構成であれば、例えば、スクリューポンプなどの他の遠心式ポンプであっても良い。
なお、放熱サイクル用ポンプ107は蓄熱材流れ方向に対して、蓄熱材放熱部105の上流側に設置することが望ましいが、必ずしも上記の形態だけに留まるものではなく、同様の効果を生じる構成であれば、例えば、放熱サイクル用ポンプ107は蓄熱材流れ方向に対して、前記蓄熱材放熱部105の下流側に設置してもよい。
(比較例1)
次に、比較例1として、蓄熱材放熱部入口において、蓄熱材が液体状態となるように制御された場合について説明する。比較例1で用いた蓄熱材の組成は、実施例1と類似している。比較例1の蓄熱材の組成は、酢酸ナトリウム三水和物100重量部+水50重量部に、さらに、過冷却防止剤としてリン酸三ナトリウム十二水和物10重量部を添加した。比較例1の実験装置の構成は、図2に示した実施例1の場合と同様である。
比較例1においては、蓄熱ステップにおいて、蓄熱材加熱部101出口の蓄熱材の温度を、80℃に設定する。この温度は、図3に示すように、この比較例1で用いる組成が40%の酢酸ナトリウムの完全溶解温度である約40℃よりも高いので、蓄熱材は完全溶解状態となる。蓄熱サイクル11においては、蓄熱材貯蔵容器の下部から流出した蓄熱材は、蓄熱材加熱部で加熱され、全て液相となって、蓄熱材貯蔵容器102の上部に運ばれる。次に、放熱サイクル13に蓄熱材を流通させ、実施例1と同様にして、蓄熱材放熱部105において、蓄熱材と冷却水循環装置501から供給される冷水との間で、連続熱交換を試みた。蓄熱材放熱部105内における蓄熱材の質量流量は約0.3(kg/min)に、水の質量流量は0.3(kg/min)となるように、蓄熱材の流速は約0.1(m
/sec)に、水の流速は約0.05(m/sec)となるように制御しようとした。
しかし、熱交換開始後すぐに蓄熱材放熱部105内管の入口側圧力の上昇、および蓄熱材流量の急激な減少を検知し、蓄熱材放熱部105内管は閉塞してしまった。
この原因は、比較例1においては、熱交換部入口において、蓄熱材は液相状態となっており、熱交換部において過冷却状態となり、熱交換部105内管内伝熱面において前記蓄熱材水溶液の過冷却が解除され、生成した水和物から急激な結晶成長が起こり、熱交換器内部の伝熱面に付着した為と考えられる。
なお、熱交換が定常状態になる前に、管内閉塞に至ってしまうため、実施例1のように、蓄熱材の見かけ比熱等を算出することは不可能であった。
(実施の形態2)
実施の形態2の蓄熱装置について、図5を用いて説明する。図5では、図1と同じ構成については同一の符号を用いて、説明を省略する。
本実施形態の蓄熱装置は、蓄熱材放熱部105の蓄熱材流路を加熱するヒーター301を有する以外の構成は、実施形態1の蓄熱装置と同様の構成である。本発明の蓄熱装置に於いては、蓄熱材放熱部105において固化(結晶化)した蓄熱材が伝熱管内部に付着することは抑制されているが、それでも、長時間運転時や非定常時等に、蓄熱材の付着は発生しうる。熱交換器の伝熱管内部に付着した蓄熱材を溶解して除去するために、ヒーター301は設けられている。ヒーターに通電することにより、発熱し、蓄熱材流路を加熱することができる。これによって、流路に付着した蓄熱材が溶解すれば、流路の抵抗は低下し、スムーズな蓄熱材の放熱が可能になる。
本実施形態の放熱サイクル13に於いては、蓄熱材放熱部105の入口の配管106に圧力検知器211が備えられている。圧力検知器211は、配管内の圧力を検知する。蓄熱材の流路への固着により、流路抵抗が増加したときは、配管の圧力の上昇を検出することができる。
次に、本実施の形態における蓄熱装置の動作について、説明する。
定常時の蓄熱装置の運転については、実施形態1と全く同様である。すなわち、放熱サイクルに備えられた圧力検知器211によって検知される圧力値が予め設定された所定値以下である場合には、熱媒体加熱流路14に熱媒体が流され、放熱サイクル13を流れる蓄熱材と、熱媒体加熱流路14を流れる熱媒体の間で熱交換が行われ、熱媒体が加熱される。
圧力検知器211によって検知される圧力値が予め設定された値よりも大きい場合には、蓄熱材が蓄熱材放熱部105内壁に付着するなどして、流路抵抗が大きく、圧力値も大きくなっていると考えられる。そこで、固着した蓄熱材を溶解して取り除くため、ヒーターに通電して、加熱する。これによって、蓄熱材放熱部105内部に固着していた蓄熱材は融解し、放熱サイクル13の流路抵抗(圧力)は低下する。
ヒーター301による加熱によって、圧力検出器211により検出される圧力値が、所定値以下になれば、通電を中止する。これによって、通常時の蓄熱材と熱媒体との熱交換が行われる。
以上は、蓄熱材を加熱するヒーター301を蓄熱材放熱部105に設置する場合について説明した。この位置にヒーターを設置するのが最も直接的かつ効率的である。しかしな
がら、ヒーターの設置場所としては、放熱サイクル13のいずれの蓄熱材流路に設置されていても、蓄熱材を加熱する効果があり、蓄熱材放熱部内部で固着した蓄熱材を融解させる効果がある。また、間接的ではあるが、蓄熱材貯蔵容器102内部や、蓄熱サイクル11において蓄熱材を加熱するようにヒーターを設置しても効果を発揮しうる。
なお、このようなヒーターは、単に、流路抵抗の増加対策としてのみならず、補助加熱手段として熱媒体を加熱する能力を上昇させるのにも寄与する。
以上では、上記ヒーター301として電気ヒーターを例として説明しているが、本実施形態はこれに限定されない。例えば、熱媒体を熱源として利用することもできる。そのような方法の一例について、次に詳細に説明する。
実施形態2の変形例1の蓄熱装置を、図6に示す。図6では、図5と同じ構成については同一の符号を用いて、説明を省略する。
本変形例の蓄熱装置は、ヒーター301の代わりに、放熱器加熱サイクル17を有する。
放熱器加熱サイクル17は、熱媒体加熱部201、切替弁205、蓄熱材放熱部105、切替弁204を配管202を介して順次接続して、熱媒体を循環させるように構成されている。この熱媒体は、熱媒体加熱流路14で用いられる熱媒体と共通である。また、熱媒体を循環させる手段として、放熱器加熱サイクル用ポンプ203が備えられている。
次に、本変形例における蓄熱装置の動作について、図6〜8を用いて説明する。
定常時の蓄熱装置の運転については、実施形態1と全く同様である。すなわち、放熱サイクルに備えられた圧力検知器211によって検知される圧力値が予め設定された値以下である場合には、図6に示すように、熱媒体加熱流路14に熱媒体が流され、放熱サイクル13を流れる蓄熱材と、熱媒体加熱流路14を流れる熱媒体の間で熱交換が行われ、熱媒体が加熱される。切替弁204および205は、熱媒体加熱流路14に熱媒体が流れるように制御される。
次に、圧力検知器211によって検知される圧力値が所定値よりも大きい場合には、蓄熱材が蓄熱材放熱部105内壁に付着するなどして、流路抵抗が大きくなっていると考えられる。そこで、固着した蓄熱材を溶解して取り除くため、次の操作を行う。
放熱サイクル用ポンプ107は停止して、蓄熱材の流れは停止させる。熱媒体の流れについては、第1ステップとして、切替弁204および205を切り替えて、図7のように熱媒体が流れるようにする。これによって、放熱器加熱サイクルが熱媒体で満たされる。第2ステップとして、再び切替弁204および205を切り替えて、図8に示すような熱媒体流路を構成する。すなわち、放熱器加熱サイクル17内に熱媒体を循環させる。熱媒体は、熱媒体加熱部201に於いて加熱され、蓄熱材放熱部105内を通過している間に内部を加熱する。これによって、蓄熱材放熱部105内部に固着していた蓄熱材は融解し、放熱サイクル13の流路抵抗は低下する。
熱媒体の流れは、図6に示す定常時の流れに復帰させ、ポンプ107を起動し、放熱サイクル13に蓄熱材を流すことにより、蓄熱材放熱部105において、蓄熱材と熱媒体との熱交換が行われる。
なお、以上では、一旦図7に示すように熱媒体の流路を切り替えて、放熱器加熱流路に
熱媒体を流す場合について説明した。しかし、予め、放熱器加熱流路に熱媒体が挿入されている場合には、図6の経路から、図7の経路を経由せずに図8の経路に移行しても良い。
(実施例2)
次に、実施形態2の変形例1をより具体的にした実施例2について、実験装置の構成図、図9を用いて説明する。本実施例で用いる蓄熱材の組成は、実施例1で用いたものと同じである。本実施例の蓄熱装置の構成は、実施例1の構成に、放熱器加熱サイクル17を付加したものである。放熱器加熱サイクル17は、実施形態2の変形例1で説明したように、熱媒体加熱部201、切替弁205、蓄熱材放熱部105、切替弁204を配管202を介して順次接続して、熱媒体を循環させるように構成したものである。本実施例に於いては、熱媒体加熱部201として、水温を70℃に保持した温水循環装置を用いた。
また、放熱器加熱サイクル用ポンプ203としてはマグネットポンプを、配管202として、シリコンブレードホースを、熱媒体流路切替弁204および205として真鍮製のT型三方弁を用いた。
次に本実施例における実験方法について、説明する。
実施例1と全く同様の方法で、蓄熱サイクル11に蓄熱材を流して蓄熱材を加熱し、放熱サイクル13に蓄熱材を流し、熱媒体サイクル15において冷却水循環装置501より供給される水(熱媒体)を加熱する運転を連続して行った。
約1時間に渡る連続熱交換を行ったところ、圧力検出器211によって、蓄熱材放熱部105内管の入口側圧力の上昇を検知し、また蓄熱材流量の急激な減少が見られた。そこで、放熱用ポンプ107を停止し、図10に示すように、切替弁204および205を切り替えて、水が放熱器加熱サイクル17を循環するようにした。そして、前記放熱器加熱サイクル用ポンプ203を運転して、温水循環装置201から供給される温水を放熱器加熱サイクル17中に1から2分間程度、循環させた。
その後、再び、前記熱媒体流路切替弁204および205が、水の流れ方向が図9に示す方向になるように開き、放熱用ポンプ107を運転させたところ、蓄熱材放熱部105において、再び前記蓄熱材と前記冷却水循環装置501から供給される水との間で、定常的に熱交換を行うことが可能であった。
なお、本実施例においては、熱媒体加熱部201として水温を70℃に保持した温水循環装置を用いているが、本発明の実施においてはこれに限られたものである必要はなく、同様の効果を生じる構成であれば、例えば、熱源として、ヒートポンプの放熱部や太陽熱集熱部や工場や施設から排出される廃熱などと組み合わせた、二重管式、フィンアンドチューブ、コイルアンドフィンなどの形式の熱交換器からなる構成であっても良い。
(その他の実施形態)
実施形態1の蓄熱装置における蓄熱材加熱部101としては、種種の形態が考えられる。
その一つとしては、ヒートポンプの放熱器を用いることができる。図11は、ヒートポンプサイクル19を用いた構成例である。ヒートポンプサイクル19は、冷媒を圧縮する圧縮機122と、蓄熱材加熱部101を兼ねる冷媒放熱器121と、冷媒の膨張機構124と、冷媒を蒸発させる蒸発器123とを順次接続する冷媒配管125から構成される。ヒートポンプは加熱時のエネルギー効率が非常に優れている為、蓄熱材加熱部101としてヒートポンプの放熱器を用いることにより、前記蓄熱材に蓄熱を行う際に必要となる入力エネルギーを少なくすることができる。これによって、本蓄熱装置の動作に必要な消費
電力を少なくすることができる。
なお、蓄熱用加熱部101としてヒートポンプサイクルの冷媒は特に限られたものではなく、例えば、二酸化炭素やHFC等の冷媒を用いた構成でよい。
蓄熱材加熱部101の別の形態としては、図12に示すように、太陽熱集熱器131を用いることもできる。すなわち、図12の蓄熱装置は、ソーラーシステムとして利用できる。太陽熱集熱器131を前記蓄熱用蓄熱材加熱部に用いることにより、前記蓄熱材に蓄熱するために必要な消費エネルギーを太陽エネルギーで賄うことができるため、本蓄熱装置の動作に必要な消費電力を少なくすることができる。
次に、実施形態1の蓄熱サイクル11および放熱サイクル13に用いるポンプは供用して、両サイクルを結合したパスを構成することも可能である。この場合、図13に示すように、実施形態1のポンプ104,107の代わりに、蓄放熱兼用ポンプ401を用いる。また、蓄熱サイクルと放熱サイクルを切り替えるための切替弁411,412,413および414を用いる。
本変形例に於いて、蓄熱材に蓄熱を行う際には、蓄熱材ポンプ流路切替弁411および412は開に、切替弁413および414は閉に制御される。蓄放熱兼用ポンプ401を運転することにより、図13に示すように、蓄熱サイクル11に蓄熱材が搬送される。
次に、蓄熱材を用いて熱媒体を加熱する際には、蓄熱材ポンプ流路切替弁411および412は閉に、切替弁413および414は開に制御され、蓄放熱兼用ポンプ401を稼働させることにより、図14に示すように、放熱サイクル13に、蓄熱材が搬送される。本構成とすることにより、蓄熱材を搬送するポンプが一つで済む為、イニシャルコスト、スペースの点でメリットが得られる。
本発明の蓄熱装置は、蓄熱密度が高く、
蓄熱式給湯器や蓄熱式冷暖房機といった、蓄熱を利用するシステムに用いることができる。
本発明の実施の形態1における蓄熱装置の構成図 本発明の実施例1における蓄熱装置の構成図 酢酸ナトリウム―水系の二元状態図 実施例1における蓄熱材見かけ比熱の時間変化を示す図 本発明の実施の形態2における蓄熱装置の構成図 本発明の実施の形態2の変形例1における蓄熱装置の構成と定常時の熱媒体の流れを示す図 本発明の実施の形態2の変形例1において、蓄熱材放熱部加熱時の第1ステップにおける熱媒体の流れを示す図 本発明の実施の形態2の変形例1において、蓄熱材放熱部加熱時の第2ステップにおける熱媒体の流れを示す図 本発明の実施例2の蓄熱装置の構成と定常時の熱媒体の流れを示す図 本発明の実施例2において、蓄熱材放熱部加熱時の熱媒体の流れを示す図 本発明の一実施形態の蓄熱装置の構成図 本発明の一実施形態の蓄熱装置の構成図 本発明の一実施形態の蓄熱装置の構成と蓄熱時の蓄熱材の流れを示す図 本発明の一実施形態の蓄熱装置において、放熱時の蓄熱材の流れを示す図 特許文献1に記載された蓄熱装置の構成図
符号の説明
11 蓄熱サイクル
13 放熱サイクル
14 熱媒体加熱流路
15 熱媒体加熱サイクル
17 放熱器加熱サイクル
19 ヒートポンプサイクル
101 蓄熱材加熱部
102 蓄熱材貯蔵容器
103 配管
104 蓄熱サイクル用ポンプ
105 蓄熱材放熱部
106 配管
107 放熱サイクル用ポンプ
108 配管
111 温度計
112 コントローラ

Claims (8)

  1. 溶質と前記溶質を可溶な溶媒とを含む蓄熱材を貯蔵する蓄熱材貯蔵容器と、
    前記蓄熱材貯蔵容器と蓄熱材加熱部とを配管を介して接続し、前記蓄熱材を循環させる蓄熱サイクルと、
    前記蓄熱材貯蔵容器と、前記蓄熱材から放熱させて熱媒体を加熱する蓄熱材放熱部とを配管を介して接続し、前記蓄熱材を循環させる放熱サイクルとを有し、
    前記蓄熱材は、前記蓄熱材放熱部入口において固液共存状態で存在するものである蓄熱装置。
  2. 前記蓄熱材加熱部出口における蓄熱材温度が、前記蓄熱材の完全溶解温度よりも低い請求項1に記載の蓄熱装置。
  3. 前記溶質として酢酸ナトリウム、前記溶媒として水を用いる請求項1に記載の蓄熱装置。
  4. 前記蓄熱材中における酢酸ナトリウムの濃度は、30wt%以上60wt%以下である請求項3に記載の蓄熱装置。
  5. 前記蓄熱材放熱部に蓄熱材流路加熱手段をさらに有する請求項1に記載の蓄熱装置。
  6. 前記放熱サイクルに、蓄熱材の圧力を測定する圧力計をさらに有し、前記圧力計で測定した圧力値が所定値以上の時に前記蓄熱材流路加熱手段で加熱する請求項5に記載の蓄熱装置。
  7. 請求項1に記載の蓄熱装置に加えて、さらに、ヒートポンプサイクルを備え、前記蓄熱材加熱部が前記ヒートポンプサイクルの放熱部であるヒートポンプシステム。
  8. 請求項1に記載の蓄熱装置に於いて、前記蓄熱材加熱部が太陽熱集熱部であるソーラーシステム。
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