JP2016125714A - 蓄熱式空気調和機 - Google Patents
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Abstract
【課題】蓄冷運転では効果的に蓄冷を行い、利用冷房運転では冷熱を有効に利用する蓄熱式空気調和器を提供する。
【解決手段】蓄熱式空気調和機は、蓄熱回路と、冷媒回路と、コントローラとを備える。コントローラは、蓄冷運転及び利用冷房運転を実行可能に制御する。蓄冷運転時、蓄熱タンク62の下部出入口62bは、蓄熱媒体の流入口となり、上部出入口62aは、蓄熱媒体の流出口となる。逆に、利用冷房運転時、蓄熱タンク62の上部出入口62aは、蓄熱媒体の流入口となり、下部出入口62bは、蓄熱媒体の流出口となる。
【選択図】図6
【解決手段】蓄熱式空気調和機は、蓄熱回路と、冷媒回路と、コントローラとを備える。コントローラは、蓄冷運転及び利用冷房運転を実行可能に制御する。蓄冷運転時、蓄熱タンク62の下部出入口62bは、蓄熱媒体の流入口となり、上部出入口62aは、蓄熱媒体の流出口となる。逆に、利用冷房運転時、蓄熱タンク62の上部出入口62aは、蓄熱媒体の流入口となり、下部出入口62bは、蓄熱媒体の流出口となる。
【選択図】図6
Description
本発明は、蓄熱媒体の蓄熱作用を利用して冷熱を蓄える蓄熱式空気調和機に関するものである。
特許文献1に示すように、蓄熱回路と冷媒回路とで構成され、蓄熱媒体を冷熱源として利用して室内の空調を行う蓄熱式空気調和機が知られている。蓄熱回路は、蓄熱媒体を貯留する蓄熱タンク、蓄熱媒体を冷媒と熱交換する蓄熱用熱交換器、及び循環ポンプ等によって構成される。冷媒回路は、冷媒を空気と熱交換する室外熱交換器及び室内熱交換器、蓄熱用熱交換器等によって構成される。特許文献1では、蓄熱タンク内に冷熱を蓄えるために、蓄熱用熱交換器で冷却された蓄熱媒体を蓄熱タンクに貯留する蓄冷運転が行われる。そして、室内熱交換器では、蓄熱用熱交換器にて蓄熱媒体から取り出された冷熱を用いて室内の空気が冷却されることで、利用冷房運転が行われる。
上記特許文献1では、冷却によって包接水和物が生成される蓄熱材(例えば臭化テトラnブチルアンモニウム水溶液)が蓄熱媒体として利用されている。
上述した蓄熱媒体は、蓄熱回路を循環し、蓄熱タンクに流入出する。包接水和物の密度は溶液よりも大きいため、包接水和物は、蓄熱タンクの底部に沈殿し蓄積される一方、溶液は、蓄熱タンクの上部に位置する。また、一般的には、蓄熱タンクにおける蓄熱媒体の流入口は、流出口よりも下部に設けられる。
この場合、蓄冷運転時には、蓄熱タンクの上部から取り出された溶液が蓄熱用熱交換器にて冷却され、これにより生成された包接水和物が蓄熱タンクの下部に戻る。それ故、蓄冷運転では、冷熱は、安定して蓄熱タンクに貯留される。
ところが、利用冷房運転では、蓄熱タンクからは冷熱源としての蓄熱媒体が取り出され、加熱された蓄熱媒体が再び蓄熱タンク内に流入することとなる。蓄熱タンクにて蓄熱媒体の流入口が流出口よりも下部であると、利用冷房運転時、蓄熱タンクの上部における溶液の蓄熱媒体を該タンクから取り出し、加熱された蓄熱媒体を蓄熱タンクの下部(包接水和物の蓄積部分)に流入させることになる。つまり、蓄熱タンク内の蓄熱媒体のうち、温度の比較的高いものが冷熱源として利用されることとなり、蓄熱タンク内の冷熱を有効に利用することができない。
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、その目的は、蓄冷運転では効果的に蓄冷を行い、利用冷房運転では冷熱を有効に利用することである。
第1の発明は、冷却によって包接水和物が生成される蓄熱媒体を貯留する蓄熱タンク(62)と、蓄熱媒体を冷媒と熱交換させる蓄熱用熱交換器(37)と、該蓄熱タンク(62)及び該蓄熱用熱交換器(37)の間で蓄熱媒体を循環させる循環ポンプ(63)と、を有する蓄熱回路(61)と、冷媒と熱媒体とを熱交換させる室外熱交換器(22)及び室内熱交換器(27)と、上記蓄熱用熱交換器(37)と、を有する冷媒回路(11)と、上記冷媒回路(11)では凝縮器となる上記室外熱交換器(22)から蒸発器となる上記蓄熱用熱交換器(37)へと冷媒が循環する際、上記蓄熱回路(61)では上記蓄熱用熱交換器(37)にて冷却された蓄熱媒体が上記蓄熱タンク(62)に貯留される蓄冷運転、を実行可能に制御する運転制御部(100)と、を備え、上記運転制御部(100)は、上記蓄熱回路(61)では上記蓄冷運転によって上記蓄熱タンク(62)に貯留された蓄熱媒体の冷熱が上記蓄熱用熱交換器(37)にて冷媒に付与され、上記冷媒回路(11)ではその冷媒を利用して上記室内熱交換器(27)が熱媒体を冷却する利用冷房運転、を実行可能に更に制御し、上記蓄冷運転時、上記蓄熱タンク(62)における蓄熱媒体の流入口は、該蓄熱媒体の流出口よりも下方に位置し、上記利用冷房運転時、上記蓄熱タンク(62)における蓄熱媒体の流入口は、該蓄熱媒体の流出口よりも上方に位置することを特徴とする蓄熱式空気調和機である。
これにより、蓄冷運転時、蓄熱タンク(62)の上部からは、溶液を主に含む蓄熱媒体が取り出され、蓄熱タンク(62)の下部へは、包接水和物を主に含む蓄熱媒体が流入されて蓄熱タンク(62)の底部に蓄積される。利用冷房運転時、蓄熱タンク(62)の下部からは、包接水和物を主に含む蓄熱媒体が取り出され、蓄熱タンク(62)の上部へは、加熱された蓄熱媒体が流入される。従って、蓄冷運転では効果的に蓄冷が行われ、利用冷房運転では冷熱が有効に利用される。
第2の発明は、第1の発明において、上記蓄熱用熱交換器(37)は、上記冷媒回路(11)に接続された冷媒側通路(37a)と、上記蓄熱回路(61)に接続された蓄熱側通路(37b)とを有し、上記蓄冷運転時における上記蓄熱側通路(37b)の蓄熱媒体の流れ方向は、上記利用冷房運転時における上記蓄熱側通路(37b)の蓄熱媒体の流れ方向と同一であることを特徴とする蓄熱式空気調和機である。
第3の発明は、第1の発明または第2の発明において、上記蓄熱回路(61)は、上記蓄冷運転時に上記蓄熱用熱交換器(37)にて熱交換する前の冷媒を蓄熱媒体と熱交換させる予熱用熱交換器(36)と、上記利用冷房運転時に上記予熱用熱交換器(36)をバイパス可能なバイパス流路(75)とを更に有することを特徴とする蓄熱式空気調和機である。
利用冷房運転時に予熱用熱交換器(36)をバイパスさせることにより、蓄熱回路(61)を循環する蓄熱媒体の流動抵抗は低減される。従って、蓄熱回路(61)を循環する蓄熱媒体の流量は増加し、蓄熱式空気調和機(10)の冷房能力は向上する。
本発明によれば、蓄冷運転では効果的に蓄冷が行われ、利用冷房運転では冷熱が有効に利用される。
特に、上記第3の発明によれば、蓄熱式空気調和機(10)の冷房能力は向上する。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、以下の実施形態は、本質的に好ましい例示であって、本発明、その適用物、あるいはその用途の範囲を制限することを意図するものではない。
≪実施形態1≫
<概要>
本実施形態1に係る蓄熱式空気調和機(10)は、後述する蓄熱タンク(62)に冷熱を蓄える蓄冷運転、及び、蓄えた冷熱を利用して室内を冷房する利用冷房運転を行うことができる装置である。特に、蓄冷運転では効果的に蓄冷を行い利用冷房運転では冷熱を有効に利用するべく、本実施形態1では、蓄冷運転と利用冷房運転とで、蓄熱タンク(62)における蓄熱媒体の流入口及び流出口の各位置が変更される。
<概要>
本実施形態1に係る蓄熱式空気調和機(10)は、後述する蓄熱タンク(62)に冷熱を蓄える蓄冷運転、及び、蓄えた冷熱を利用して室内を冷房する利用冷房運転を行うことができる装置である。特に、蓄冷運転では効果的に蓄冷を行い利用冷房運転では冷熱を有効に利用するべく、本実施形態1では、蓄冷運転と利用冷房運転とで、蓄熱タンク(62)における蓄熱媒体の流入口及び流出口の各位置が変更される。
図1に示すように、蓄熱式空気調和機(10)は、室外ユニット(20a)と、室内ユニット(20b)と、蓄熱ユニット(50)と、コントローラ(100)(運転制御部に相当)とで構成されており、冷媒回路(11)及び蓄熱回路(61)を有する。
コントローラ(100)は、蓄熱式空気調和機(10)の運転を制御するためのものである。コントローラ(100)は、冷媒回路(11)の圧縮機(21)や蓄熱回路(61)の循環ポンプ(63)の駆動制御、複数の開閉弁(25,39,40,41)の開閉制御等を行う。
<冷媒回路の構成>
冷媒回路(11)には冷媒が充填されており、冷媒が循環することによって冷凍サイクルが行われる。図1に示すように、冷媒回路(11)は、主として、圧縮機(21)、室外熱交換器(22)、室外膨張弁(23)、室外側過冷却熱交換器(24)、第1開閉弁(25)、蓄熱側過冷却熱交換器(29)、室内膨張弁(26)、室内熱交換器(27)及び四方切換弁(28)により構成されている。このうち、圧縮機(21)、室外熱交換器(22)、室外膨張弁(23)、室外側過冷却熱交換器(24)及び四方切換弁(28)は、室外ユニット(20a)に設けられ、室内膨張弁(26)及び室内熱交換器(27)は、室内ユニット(20b)に設けられている。第1開閉弁(25)及び蓄熱側過冷却熱交換器(29)は、蓄熱ユニット(50)に設けられている。
冷媒回路(11)には冷媒が充填されており、冷媒が循環することによって冷凍サイクルが行われる。図1に示すように、冷媒回路(11)は、主として、圧縮機(21)、室外熱交換器(22)、室外膨張弁(23)、室外側過冷却熱交換器(24)、第1開閉弁(25)、蓄熱側過冷却熱交換器(29)、室内膨張弁(26)、室内熱交換器(27)及び四方切換弁(28)により構成されている。このうち、圧縮機(21)、室外熱交換器(22)、室外膨張弁(23)、室外側過冷却熱交換器(24)及び四方切換弁(28)は、室外ユニット(20a)に設けられ、室内膨張弁(26)及び室内熱交換器(27)は、室内ユニット(20b)に設けられている。第1開閉弁(25)及び蓄熱側過冷却熱交換器(29)は、蓄熱ユニット(50)に設けられている。
圧縮機(21)は冷媒を圧縮して吐出する。圧縮機(21)は、例えば容量可変式であって、図示しないインバータ回路によって回転数(運転周波数)が変更される。
室外熱交換器(22)は、配管(12)を介して四方切換弁(28)と接続されている。室外熱交換器(22)は、例えばクロスフィンアンドチューブ式であって、室外ユニット(20a)に設けられた室外ファン(22a)によって室外空気(熱媒体に相当)が供給されると、当該室外空気と冷媒との熱交換を行う。
室外膨張弁(23)は、配管(13)を介して室外熱交換器(22)と接続され、配管(14a)を介して室外側過冷却熱交換器(24)と接続されている。室外膨張弁(23)は、例えば電子膨張弁で構成されており、開度を変更することで冷媒の流量を調整する。
室外側過冷却熱交換器(24)は、配管(14a)を介して室外膨張弁(23)と接続された高圧側通路(24a)と、高圧側通路(24a)の入口側及び圧縮機(21)の吸入側に接続された低圧側通路(24b)とを有する。室外側過冷却熱交換器(24)は、高圧側通路(24a)及び低圧側通路(24b)それぞれを流れる冷媒同士が熱交換を行うことで高圧側通路(24a)を流れる冷媒が過冷却されるように構成されている。低圧側通路(24b)に流れる冷媒の流量は、膨張弁(24c)によって調節される。
第1開閉弁(25)は、配管(14b)を介して室外側過冷却熱交換器(24)の高圧側通路(24a)に接続され、配管(14c)を介して蓄熱側過冷却熱交換器(29)と接続されている。第1開閉弁(25)は、例えば電磁弁で構成されており、配管(14b,14c)の間の冷媒の流れを許容または停止させるものである。第1開閉弁(25)に並列に、逆止弁(25a)が接続されている。逆止弁(25a)は、単純暖房運転時に、蓄熱側過冷却熱交換器(29)側から室外側過冷却熱交換器(24)側に向けて冷媒が流れるように設けられている。
蓄熱側過冷却熱交換器(29)は、高圧側通路(29a)と低圧側通路(29b)とを有する。高圧側通路(29a)の一端は配管(14c)に接続され、他端は配管(14d)を介して室内膨張弁(26)に接続されている。低圧側通路(29b)の一端は配管(17)を介して高圧側通路(29a)の入口側に接続され、他端は配管(16)(圧縮機(21)の吸入側)に接続されている。蓄熱側過冷却熱交換器(29)は、高圧側通路(29a)及び低圧側通路(29b)それぞれを流れる冷媒同士が熱交換を行うことで高圧側通路(29a)を流れる冷媒が過冷却されるように構成されている。低圧側通路(29b)に流れる冷媒の流量は、配管(17)上に設けられている膨張弁(29c)によって調節される。
室内膨張弁(26)は、配管(15)を介して室内熱交換器(27)と接続されている。室内膨張弁(26)は、例えば電子膨張弁で構成されており、開度を可変することで冷媒の循環量を調整する。
室内熱交換器(27)は、配管(16)を介して四方切換弁(28)と接続されている。室内熱交換器(27)は、例えばクロスフィンアンドチューブ式であって、室内ユニット(20b)に設けられた室内ファン(27a)によって室内空気(熱媒体に相当)が供給されると、当該空気と冷媒との熱交換を行う。室内熱交換器(27)によって熱交換された後の空気は、再び室内に供給される。
四方切換弁(28)は、4つのポートを有する。具体的に、四方切換弁(28)の第1ポートは、圧縮機(21)の吐出側に接続され、四方切換弁(28)の第2ポートは、図示しないアキュムレータを介して圧縮機(21)の吸入側に接続されている。四方切換弁(28)の第3ポートは、配管(12)を介して室外熱交換器(22)に接続され、四方切換弁(28)の第4ポートは、配管(16)を介して室内熱交換器(27)に接続されている。四方切換弁(28)は、蓄熱式空気調和機(10)の運転種類に応じて、各ポートの接続状態を第1状態(図1の実線で示す状態)または第2状態(図1の破線で示す状態)に切り換える。
<冷媒側バイパス流路の構成>
図1に示すように、冷媒回路(11)は、冷媒側バイパス流路(31)を含む。冷媒側バイパス流路(31)は、室内熱交換器(27)に並列に接続されており、内部を冷媒が通過する。具体的に、冷媒側バイパス流路(31)の一端は、室外側過冷却熱交換器(24)と第1開閉弁(25)との間の配管(14b)に接続されている。冷媒側バイパス流路(31)の他端は、室内熱交換器(27)及び四方切換弁(28)の第4ポートとの間の配管(16)に接続されている。冷媒側バイパス流路(31)は、主として、予熱用熱交換器(36)、蓄熱用熱交換器(37)、蓄熱用膨張弁(38)、及び第2〜第3開閉弁(39,40)を有する。
図1に示すように、冷媒回路(11)は、冷媒側バイパス流路(31)を含む。冷媒側バイパス流路(31)は、室内熱交換器(27)に並列に接続されており、内部を冷媒が通過する。具体的に、冷媒側バイパス流路(31)の一端は、室外側過冷却熱交換器(24)と第1開閉弁(25)との間の配管(14b)に接続されている。冷媒側バイパス流路(31)の他端は、室内熱交換器(27)及び四方切換弁(28)の第4ポートとの間の配管(16)に接続されている。冷媒側バイパス流路(31)は、主として、予熱用熱交換器(36)、蓄熱用熱交換器(37)、蓄熱用膨張弁(38)、及び第2〜第3開閉弁(39,40)を有する。
予熱用熱交換器(36)は、冷媒側通路(36a)と蓄熱側通路(36b)とを有する。冷媒側通路(36a)は、配管(32)上、つまりは冷媒側バイパス流路(31)の一端と蓄熱用膨張弁(38)との間に位置し、内部には冷媒が流れる。蓄熱側通路(36b)は、蓄熱回路(61)に直列に接続され、内部には蓄熱媒体(後述)が流れる。予熱用熱交換器(36)は、冷媒と蓄熱媒体との熱交換を行う。より具体的には、予熱用熱交換器(36)は、蓄冷運転時、蓄熱用熱交換器(37)にて熱交換する前の冷媒を、蓄熱媒体と熱交換させる。
蓄熱用熱交換器(37)は、冷媒側通路(37a)と蓄熱側通路(37b)とを有する。冷媒側通路(37a)は、配管(33)上において蓄熱用膨張弁(38)と第3開閉弁(40)との間に位置し、内部には冷媒が流れる。蓄熱側通路(37b)は、蓄熱回路(61)に直列に接続され、内部には蓄熱媒体が流れる。蓄熱用熱交換器(37)は、冷媒と蓄熱媒体との熱交換を行うことで、蓄熱媒体を冷却等することができる。より具体的には、蓄熱用熱交換器(37)は、蓄冷運転時、予熱用熱交換器(36)にて熱交換した後の冷媒を、蓄熱媒体と熱交換させる。
蓄熱用膨張弁(38)は、予熱用熱交換器(36)の冷媒側通路(36a)と蓄熱用熱交換器(37)の冷媒側通路(37a)との間に接続されている。蓄熱用膨張弁(38)は、例えば電子膨張弁で構成されており、開度を変更することで冷媒の圧力及び循環量を調整する。
第2開閉弁(39)は、逆止弁(39a)と直列に接続されている。互いに直列接続された第2開閉弁(39)及び逆止弁(39a)は、蓄熱用膨張弁(38)に対し並列に接続されている。逆止弁(39a)は、予熱用熱交換器(36)側から蓄熱用熱交換器(37)側への冷媒の流れのみを許容する。第3開閉弁(40)は、配管(34)上に設けられている。なお、配管(34)の一端は、配管(33)に接続され、配管(34)の他端は、配管(16)に接続されている。
なお、蓄熱用膨張弁(38)に並列に、圧力逃がし弁(44)が設けられている。圧力逃がし弁(44)は、例えば蓄熱式空気調和機(10)の運転停止時、蓄熱用熱交換器(37)側の圧力が許容値を超えた場合に、当該圧力を放出させるための弁である。
<第1分岐流路>
図1に示すように、冷媒回路(11)は、第1分岐流路(35)を更に含む。第1分岐流路(35)の一端は、冷媒側バイパス流路(31)における配管(33,34)の接続ポイントに接続され、第1分岐流路(35)の他端は、配管(14c)に接続されている。第1分岐流路(35)は、主として、第4開閉弁(41)及び逆止弁(41a)を有する。第4開閉弁(41)及び逆止弁(41a)は、互いに直列に接続されている。逆止弁(41a)は、配管(33)側から配管(14c)側への冷媒の流れのみを許容する。
図1に示すように、冷媒回路(11)は、第1分岐流路(35)を更に含む。第1分岐流路(35)の一端は、冷媒側バイパス流路(31)における配管(33,34)の接続ポイントに接続され、第1分岐流路(35)の他端は、配管(14c)に接続されている。第1分岐流路(35)は、主として、第4開閉弁(41)及び逆止弁(41a)を有する。第4開閉弁(41)及び逆止弁(41a)は、互いに直列に接続されている。逆止弁(41a)は、配管(33)側から配管(14c)側への冷媒の流れのみを許容する。
<第2分岐流路>
図1に示すように、冷媒回路(11)は、第2分岐流路(42)を更に含む。第2分岐流路(42)の一端は、冷媒側バイパス流路(31)における配管(33,34)の接続ポイント、つまりは冷媒側バイパス流路(31)と第1分岐流路(35)との接続ポイントに接続されている。第2分岐流路(42)の他端は、配管(16)に接続されている。第2分岐流路(42)は、主として、蒸発圧力調整弁(43)を有する。蒸発圧力調整弁(43)は、蓄熱用熱交換器(37)における冷媒の蒸発圧力を調整するための弁であって、例えば膨張弁で構成されている。
図1に示すように、冷媒回路(11)は、第2分岐流路(42)を更に含む。第2分岐流路(42)の一端は、冷媒側バイパス流路(31)における配管(33,34)の接続ポイント、つまりは冷媒側バイパス流路(31)と第1分岐流路(35)との接続ポイントに接続されている。第2分岐流路(42)の他端は、配管(16)に接続されている。第2分岐流路(42)は、主として、蒸発圧力調整弁(43)を有する。蒸発圧力調整弁(43)は、蓄熱用熱交換器(37)における冷媒の蒸発圧力を調整するための弁であって、例えば膨張弁で構成されている。
なお、蒸発圧力調整弁(43)は、基本的には全閉状態を保っている。
<蓄熱回路の構成>
蓄熱回路(61)には蓄熱媒体が充填されており、蓄熱媒体を循環させて冷熱を蓄熱する蓄冷サイクル等が行われる。蓄熱回路(61)は、主として、蓄熱タンク(62)及び循環ポンプ(63)の他に、上述した予熱用熱交換器(36)及び蓄熱用熱交換器(37)によって構成されている。
蓄熱回路(61)には蓄熱媒体が充填されており、蓄熱媒体を循環させて冷熱を蓄熱する蓄冷サイクル等が行われる。蓄熱回路(61)は、主として、蓄熱タンク(62)及び循環ポンプ(63)の他に、上述した予熱用熱交換器(36)及び蓄熱用熱交換器(37)によって構成されている。
ここで、蓄熱媒体について説明する。蓄熱媒体には、冷却によって包接水和物が生成される蓄熱材、即ち流動性を有する蓄熱材が採用される。蓄熱媒体の具体例としては、臭化テトラnブチルアンモニウムを含有する臭化テトラnブチルアンモニウム(TBAB:Tetra Butyl Ammonium Bromide)水溶液、トリメチロールエタン(TME:Trimethylolethane)水溶液、パラフィン系スラリーなどが挙げられる。例えば、臭化テトラnブチルアンモニウム水溶液は、安定的に冷却されて当該水溶液の温度が水和物生成温度よりも低くなった過冷却状態でもその水溶液の状態を維持するが、この過冷却状態にて何らかのきっかけが与えられると、過冷却の溶液が包接水和物を含んだ溶液(即ちスラリー)へと遷移する。即ち、臭化テトラnブチルアンモニウム水溶液は、過冷却状態を解消して、臭化テトラnブチルアンモニウムと水分子とからなる包接水和物(水和物結晶)が生成されて粘性の比較的高いスラリー状となる。ここで、過冷却状態とは、蓄熱媒体が水和物生成温度以下の温度となっても包接水和物が生成されずに溶液の状態を保っている状態を言う。逆に、スラリー状となっている臭化テトラnブチルアンモニウム水溶液は、加熱により当該水溶液の温度が水和物生成温度よりも高くなると、包接水和物が融解して流動性の比較的高い液状態(溶液)となる。
本実施形態では、上記蓄熱媒体として、臭化テトラnブチルアンモニウムを含有する臭化テトラnブチルアンモニウム水溶液を採用している。特に、上記蓄熱媒体は、調和濃度の近傍の濃度を有する媒体であることが好ましい。本実施形態では、調和濃度を約40%とする。この場合の臭化テトラnブチルアンモニウム水溶液の水和物生成温度は、約12℃である。
なお、蓄熱媒体の濃度に応じて、臭化テトラnブチルアンモニウム水溶液の水和物生成温度は変化する。例えば、蓄熱媒体の濃度が約20%である場合、水和物生成温度は約8.5℃となる。調和濃度とは、包接水和物が生成される前後において、水溶液の濃度が変化しない濃度を意味する。
蓄熱タンク(62)は、中空の容器であって、蓄熱媒体を貯留する。例えば、蓄熱タンク(62)は、両端が閉塞された円筒状に形成され、その軸方向が上下方向となるように配置されている。蓄熱タンク(62)には、図6に示すように、上部出入口(62a)及び下部出入口(62b)が設けられている。上部出入口(62a)及び下部出入口(62b)は、蓄熱媒体が、蓄熱タンク(62)内から蓄熱回路(61)へと流出したり、逆に蓄熱回路(61)から蓄熱タンク(62)内へと流入したりするための開口である。上部出入口(62a)は、下部出入口(62b)よりも上方に位置している。
循環ポンプ(63)は、蓄熱回路(61)において、蓄熱タンク(62)、予熱用熱交換器(36)及び蓄熱用熱交換器(37)の間で蓄熱媒体を循環させる。蓄熱媒体の循環方向は、蓄熱タンク(62)から流出した蓄熱媒体が予熱用熱交換器(36)の蓄熱側通路(36b)を通過し、その後蓄熱用熱交換器(37)の蓄熱側通路(37b)を通過して蓄熱タンク(62)に流入する方向、または、蓄熱タンク(62)から流出した蓄熱媒体が蓄熱用熱交換器(37)の蓄熱側通路(37b)を通過し、その後予熱用熱交換器(36)の蓄熱側通路(36b)を通過して蓄熱タンク(62)に流入する方向となっている。循環ポンプ(63)の運転のオン及びオフや蓄熱媒体の搬送量は、コントローラ(100)によって制御される。
以上の構成により、蓄熱回路(61)は、閉回路となっている。
特に、本実施形態1に係る蓄熱回路(61)は、上述のように、運転の種類に応じて冷媒の循環方向を可変させることが可能に構成されている。それ故、図6に示すように、蓄熱回路(61)は、更に6つの三方弁(64,65,66,67,68,69)を備える。
第1三方弁(64)は、蓄熱タンク(62)の上部出入口(62a)と接続され、上部出入口(62a)を第2三方弁(65)または第3三方弁(66)と繋ぐ。第2三方弁(65)は、第1三方弁(64)または第5三方弁(68)を、予熱用熱交換器(36)の蓄熱側通路(36b)の一端側と繋ぐ。第3三方弁(66)は、第1三方弁(64)または第4三方弁(67)を、予熱用熱交換器(36)の蓄熱側通路(36b)の他端側と繋ぐ。第4三方弁(67)は、循環ポンプ(63)の流入口を、第3三方弁(66)または第6三方弁(69)と繋ぐ。第5三方弁(68)は、蓄熱用熱交換器(37)の蓄熱側通路(37b)の一端側を、第2三方弁(65)または第6三方弁(69)と繋ぐ。第6三方弁(69)は、蓄熱タンク(62)の下部出入口(62b)と接続され、下部出入口(62b)を第4三方弁(67)または第5三方弁(68)と繋ぐ。
このような構成の蓄熱回路(61)では、蓄冷運転の場合、蓄熱タンク(62)の上部出入口(62a)から流出した蓄熱媒体は、第1三方弁(64)、第2三方弁(65)、予熱用熱交換器(36)、第3三方弁(66)、第4三方弁(67)、循環ポンプ(63)、蓄熱用熱交換器(37)、第5三方弁(68)及び第6三方弁(69)をこの順で流れた後、蓄熱タンク(62)の下部出入口(62b)から該タンク(62)内へと流入する。利用冷房運転の場合、蓄熱タンク(62)の下部出入口(62b)から流出した蓄熱媒体は、第6三方弁(69)、第4三方弁(67)、循環ポンプ(63)、蓄熱用熱交換器(37)、第5三方弁(68)、第2三方弁(65)、予熱用熱交換器(36)、第3三方弁(66)及び第1三方弁(64)をこの順で流れた後、蓄熱タンク(62)の上部出入口(62a)から該タンク(62)内へと流入する。蓄熱用熱交換器(37)の蓄熱側通路(37b)における蓄熱媒体の流れ方向は、蓄冷運転と利用冷房運転とで同一となっている。更に、予熱用熱交換器(36)の蓄熱側通路(36b)における蓄熱媒体の流れ方向も、蓄冷運転と利用冷房運転とで同一となっている。
<蓄熱式空気調和機の運転動作>
蓄熱式空気調和機(10)の運転種類としては、単純冷房運転、蓄冷運転、利用冷房運転、冷房蓄冷運転及び単純暖房運転(冷媒回路(11)の暖房サイクルによって得られる温熱のみを用いて室内の暖房を行う運転)が挙げられる。コントローラ(100)は、これらの各運転が行われるように、冷媒回路(11)及び蓄熱回路(61)における構成機器を制御する。以下では、単純暖房運転以外の運転動作について説明する。
蓄熱式空気調和機(10)の運転種類としては、単純冷房運転、蓄冷運転、利用冷房運転、冷房蓄冷運転及び単純暖房運転(冷媒回路(11)の暖房サイクルによって得られる温熱のみを用いて室内の暖房を行う運転)が挙げられる。コントローラ(100)は、これらの各運転が行われるように、冷媒回路(11)及び蓄熱回路(61)における構成機器を制御する。以下では、単純暖房運転以外の運転動作について説明する。
単純冷房運転とは、冷媒回路(11)の冷房サイクルによって得られる冷熱のみを用いて室内の冷房を行う運転である。蓄冷運転とは、蓄熱回路(61)の蓄冷サイクルによって得られる冷熱を有する蓄熱媒体を、蓄熱タンク(62)に蓄える運転である。利用冷房運転とは、蓄熱タンク(62)内の蓄熱媒体を冷熱源として用いて室内の冷房を行う運転である。冷房蓄冷運転は、蓄熱回路(61)においては蓄冷サイクルで得られる冷熱を蓄熱タンク(62)に貯留しながら、冷媒回路(11)においては冷房サイクルで得られる冷熱のみを用いて室内の冷房を行う運転である。即ち、冷房蓄冷運転では、蓄冷運転と冷房運転とが同時に行われる。
−単純冷房運転−
図2に示されるように、単純冷房運転では、冷媒回路(11)は、室外熱交換器(22)が凝縮器となり室内熱交換器(27)が蒸発器となる冷凍サイクルを行う。冷媒側バイパス流路(31)及び第1分岐流路(35)には冷媒は流れず、蓄熱回路(61)は蓄熱媒体を循環させない。具体的に、冷媒側バイパス流路(31)では、蓄熱用膨張弁(38)の開度は全閉状態に設定され、冷媒側バイパス流路(31)及び第1分岐流路(35)の開閉弁(39,41)は閉状態に設定される。但し、冷媒側バイパス流路(31)の開閉弁(40)は、蓄熱用熱交換器(37)の冷媒側通路(37a)に冷媒が溜まることを防ぐため、開状態に設定される。蓄熱回路(61)では、循環ポンプ(63)は停止する。従って、単純冷房運転では、冷媒回路(11)は冷房サイクルを行うが、蓄熱回路(61)は蓄熱用熱交換器(37)にて蓄熱媒体の冷却(及び加熱)を行わない。
図2に示されるように、単純冷房運転では、冷媒回路(11)は、室外熱交換器(22)が凝縮器となり室内熱交換器(27)が蒸発器となる冷凍サイクルを行う。冷媒側バイパス流路(31)及び第1分岐流路(35)には冷媒は流れず、蓄熱回路(61)は蓄熱媒体を循環させない。具体的に、冷媒側バイパス流路(31)では、蓄熱用膨張弁(38)の開度は全閉状態に設定され、冷媒側バイパス流路(31)及び第1分岐流路(35)の開閉弁(39,41)は閉状態に設定される。但し、冷媒側バイパス流路(31)の開閉弁(40)は、蓄熱用熱交換器(37)の冷媒側通路(37a)に冷媒が溜まることを防ぐため、開状態に設定される。蓄熱回路(61)では、循環ポンプ(63)は停止する。従って、単純冷房運転では、冷媒回路(11)は冷房サイクルを行うが、蓄熱回路(61)は蓄熱用熱交換器(37)にて蓄熱媒体の冷却(及び加熱)を行わない。
冷媒回路(11)では、四方切換弁(28)が第1状態に設定され、第1開閉弁(25)は開状態に設定される。室外膨張弁(23)の開度は全開状態に設定され、蓄熱側過冷却熱交換器(29)の膨張弁(29c)は全閉状態、室内膨張弁(26)の開度は所定の開度(室内熱交換器(27)の出口における冷媒の過熱度が目標過熱度となる開度)に設定される。圧縮機(21)、室外ファン(22a)及び室内ファン(27a)は作動する。
圧縮機(21)から吐出された冷媒は、配管(12)を介して室外熱交換器(22)に流入し、室外熱交換器(22)を通過する間に室外空気に放熱して凝縮する。室外熱交換器(22)にて凝縮された冷媒は、配管(13)及び室外膨張弁(23)を介して室外側過冷却熱交換器(24)に流入し、更に冷却される。更に冷却された冷媒は、配管(14b,14c,14d)、第1開閉弁(25)及び蓄熱側過冷却熱交換器(29)の高圧側通路(29a)を介して室内膨張弁(26)に流入し、室内膨張弁(26)にて減圧される。室内膨張弁(26)にて減圧された冷媒は、配管(15)を介して室内熱交換器(27)に流入し、室内熱交換器(27)を通過する間に室内空気から吸熱して蒸発する。これにより、室内空気が冷却される。室内熱交換器(27)にて蒸発した冷媒は、配管(16)を介して圧縮機(21)に吸入されて再び圧縮される。
−蓄冷運転−
図3に示すように、蓄冷運転では、室外熱交換器(22)及び予熱用熱交換器(36)の冷媒側通路(36a)にて凝縮及び冷却された冷媒が、蓄熱用熱交換器(37)の冷媒側通路(37a)にて蒸発することで、蓄熱側通路(37b)内の蓄熱媒体が冷却されて蓄熱タンク(62)に貯留される。即ち、蓄冷運転では、室外熱交換器(22)は冷媒の凝縮器として機能し、蓄熱用熱交換器(37)は冷媒の蒸発器として機能する。冷媒回路(11)では、冷媒が冷媒側バイパス流路(31)に流れるが、第1分岐流路(35)には流れない。蓄熱回路(61)は、蓄熱用熱交換器(37)にて冷却された蓄熱媒体が蓄熱タンク(62)に貯留するように蓄熱媒体を循環させる蓄冷サイクルを行う。
図3に示すように、蓄冷運転では、室外熱交換器(22)及び予熱用熱交換器(36)の冷媒側通路(36a)にて凝縮及び冷却された冷媒が、蓄熱用熱交換器(37)の冷媒側通路(37a)にて蒸発することで、蓄熱側通路(37b)内の蓄熱媒体が冷却されて蓄熱タンク(62)に貯留される。即ち、蓄冷運転では、室外熱交換器(22)は冷媒の凝縮器として機能し、蓄熱用熱交換器(37)は冷媒の蒸発器として機能する。冷媒回路(11)では、冷媒が冷媒側バイパス流路(31)に流れるが、第1分岐流路(35)には流れない。蓄熱回路(61)は、蓄熱用熱交換器(37)にて冷却された蓄熱媒体が蓄熱タンク(62)に貯留するように蓄熱媒体を循環させる蓄冷サイクルを行う。
具体的に、四方切換弁(28)は第1状態、第3開閉弁(40)は開状態に設定され、第2開閉弁(39)及び第4開閉弁(41)は閉状態に設定される。なお、第1開閉弁(25)は、開状態に設定される。第1開閉弁(25)が開状態となることにより、冷媒側バイパス流路(31)への分岐点から室内膨張弁(26)までの配管(液管)に液冷媒が溜まり込み、この配管内の冷媒が単純冷房運転時と同じ状態になり、余剰冷媒の発生が防止されるためである。また、室外膨張弁(23)の開度は全開状態、各過冷却熱交換器(24,29)の膨張弁(24c,29c)は全閉状態、室内膨張弁(26)の開度は全閉状態、蓄熱用膨張弁(38)の開度は所定の開度(蓄熱用熱交換器(37)の冷媒側通路(37a)の出口における冷媒の蒸発温度が目標蒸発温度となる開度)にそれぞれ設定される。圧縮機(21)は概ね一定の回転数で作動する。室外ファン(22a)は作動し、室内ファン(27a)は停止する。
圧縮機(21)から吐出された冷媒は、配管(12)を介して室外熱交換器(22)に流入し、室外熱交換器(22)にて室外空気に放熱して凝縮する。凝縮された冷媒は、配管(13,14a)、室外膨張弁(23)及び室外側過冷却熱交換器(24)の高圧側通路(24a)を介して配管(14b)に流れる。第1開閉弁(25)が閉状態であるため、当該冷媒は、配管(14b)における冷媒側バイパス流路(31)側への分岐点から室内膨張弁(26)に至るまでの配管に溜まり込むとともに、冷媒側バイパス流路(31)側へと流入し、予熱用熱交換器(36)の冷媒側通路(36a)にて更に冷却される。予熱用熱交換器(36)から流出された冷媒は、蓄熱用膨張弁(38)にて減圧(圧力調整)され、その後蓄熱用熱交換器(37)の冷媒側通路(37a)にて蓄熱媒体から吸熱して蒸発する。蒸発した冷媒は、第3開閉弁(40)及び配管(34)を介して冷媒側バイパス流路(31)から流出し、配管(16)に流入する。その後、冷媒は、四方切換弁(28)を介して圧縮機(21)に吸入され、再び圧縮される。
蓄熱回路(61)では、循環ポンプ(63)が作動する。蓄熱タンク(62)内の蓄熱媒体は、該タンク(62)から流出して予熱用熱交換器(36)の蓄熱側通路(36b)に流入する。蓄熱側通路(36b)を通過する間に、蓄熱媒体は、冷媒側通路(36a)を流れる冷媒によって加熱される。加熱された蓄熱媒体は、循環ポンプ(63)を介して蓄熱用熱交換器(37)の蓄熱側通路(37b)に流入する。蓄熱側通路(37b)を通過する間に、蓄熱媒体は、冷媒側通路(37a)を流れる冷媒によって冷却される。冷却された蓄熱媒体は、蓄熱タンク(62)内に流入する。このようにして、蓄熱タンク(62)には冷熱が蓄えられる。
特に、蓄熱回路(61)では、図6の“蓄冷運転”にて示されるように、蓄熱タンク(62)の下部出入口(62b)が蓄熱媒体の流入口となり、蓄熱タンク(62)の上部出入口(62a)が蓄熱媒体の流出口となる。即ち、蓄冷運転時、蓄熱タンク(62)における蓄熱媒体の流入口は、蓄熱媒体の流出口よりも下方に位置する。これは、包接水和物は溶液よりも密度が大きいため、包接水和物は蓄熱タンク(62)の底部から蓄積され、一方で溶液は蓄熱タンク(62)の上部に位置する。そのため、蓄熱式空気調和機(10)は、溶液状態の蓄熱媒体を蓄熱タンク(62)の上部から取り出し、包接水和物を比較的多く含む蓄熱媒体を蓄熱タンク(62)の下部へと戻すことで、安定した蓄冷運転を実行している。
−利用冷房運転−
図4に示すように、利用冷房運転では、蓄冷運転によって蓄熱タンク(62)に貯留された蓄熱媒体の冷熱が蓄熱用熱交換器(37)にて冷媒に付与され、冷媒回路(11)ではその冷媒を利用して室内熱交換器(27)が空気を冷却する。つまり、室外熱交換器(22)にて凝縮及び冷却された冷媒が、更に予熱用熱交換器(36)及び蓄熱用熱交換器(37)にて蓄熱媒体から冷熱を得た後に室内熱交換器(27)にて蒸発することで、室内空気が冷却される。蓄熱回路(61)は、蓄冷運転時とは逆のサイクルにて蓄熱媒体を循環させる。
図4に示すように、利用冷房運転では、蓄冷運転によって蓄熱タンク(62)に貯留された蓄熱媒体の冷熱が蓄熱用熱交換器(37)にて冷媒に付与され、冷媒回路(11)ではその冷媒を利用して室内熱交換器(27)が空気を冷却する。つまり、室外熱交換器(22)にて凝縮及び冷却された冷媒が、更に予熱用熱交換器(36)及び蓄熱用熱交換器(37)にて蓄熱媒体から冷熱を得た後に室内熱交換器(27)にて蒸発することで、室内空気が冷却される。蓄熱回路(61)は、蓄冷運転時とは逆のサイクルにて蓄熱媒体を循環させる。
この場合、冷媒回路(11)側においては、室外熱交換器(22)が凝縮器、室内熱交換器(27)が蒸発器となる。冷媒側バイパス流路(31)においては、予熱用熱交換器(36)及び蓄熱用熱交換器(37)が共に過冷却器(即ち放熱器)となり、冷媒は、冷媒側バイパス流路(31)の途中で第1分岐流路(35)へと流れる。
具体的には、四方切換弁(28)は第1状態、第1開閉弁(25)及び第3開閉弁(40)は閉状態、第2開閉弁(39)及び第4開閉弁(41)は開状態にそれぞれ設定される。室外膨張弁(23)及び蓄熱用膨張弁(38)の開度は全開状態、室外側過冷却熱交換器(24)の膨張弁(24c)は全閉状態、室内膨張弁(26)の開度は所定の開度(室内熱交換器(27)の出口における冷媒の過熱度が目標過熱度となる開度)にそれぞれ設定される。圧縮機(21)、室外ファン(22a)及び室内ファン(27a)は作動する。
圧縮機(21)から吐出された冷媒は、配管(12)を介して室外熱交換器(22)に流入し、室外熱交換器(22)にて室外空気に放熱して凝縮する。凝縮された冷媒は、全開である室外膨張弁(23)を介して室外側過冷却熱交換器(24)の高圧側通路(24a)を介して配管(14b)に流れる。第1開閉弁(25)が閉状態であるため、当該冷媒は、配管(14b)の途中で冷媒側バイパス流路(31)内へと流入する。冷媒側バイパス流路(31)に流入した冷媒は、予熱用熱交換器(36)の冷媒側通路(36a)を通過する間に蓄熱側通路(36b)を流れる蓄熱媒体によって更に冷却され、その後は全開である蓄熱用膨張弁(38)または第2開閉弁(39)を介して蓄熱用熱交換器(37)に流入する。蓄熱用熱交換器(37)に流入した冷媒は、冷媒側通路(37a)を通過する間に、蓄熱側通路(37b)を流れる蓄熱媒体によって更に冷却される。この冷媒は、第1分岐流路(35)を介して配管(14c)に流入する。その後、冷媒は、蓄熱側過冷却熱交換器(29)に流入し、更に冷却される。更に冷却された冷媒は、配管(14d)を介して室内膨張弁(26)に流入し、室内膨張弁(26)にて減圧された後、室内熱交換器(27)にて室内空気から吸熱して蒸発する。これにより、室内空気が冷却される。蒸発した冷媒は、配管(16)及び四方切換弁(28)を介して圧縮機(21)に吸入されて再び圧縮される。
蓄熱回路(61)では、循環ポンプ(63)が作動する。蓄熱タンク(62)内の蓄熱媒体は、該タンク(62)から流出すると、循環ポンプ(63)を介して蓄熱用熱交換器(37)の蓄熱側通路(37b)に流入する。蓄熱側通路(37b)を通過する間に、蓄熱媒体は、冷媒側通路(37a)を流れる冷媒から吸熱する。吸熱した蓄熱媒体は、予熱用熱交換器(36)の蓄熱側通路(36b)に流入し、蓄熱側通路(36b)を通過する間に、冷媒側通路(36a)を流れる冷媒から更に吸熱する。更に吸熱した蓄熱媒体は、蓄熱タンク(62)内に流入される。このようにして、蓄熱媒体から冷媒へ冷熱が付与される。
特に、蓄熱回路(61)では、図6の“利用冷房運転”にて示されるように、蓄熱タンク(62)の上部出入口(62a)が蓄熱媒体の流入口となり、蓄熱タンク(62)の下部出入口(62b)が蓄熱媒体の流出口となる。即ち、利用冷房運転時、蓄熱タンク(62)における蓄熱媒体の流入口は、蓄熱媒体の流出口よりも上方に位置する。これは、蓄熱タンク(62)の底部に沈殿している包接水和物を確実に該タンク(62)の下部から取り出し、その包接水和物の冷熱を蓄熱用熱交換器(37)等にて冷媒に付与することで、該タンク(62)内の蓄熱媒体を冷熱源として効率的に用いることができるためである。そして、冷媒に冷熱を付与した後の蓄熱媒体を蓄熱タンク(62)に戻す際には、該タンク(62)の上部へと戻している。これにより、蓄熱タンク(62)の底部の包接水和物が、該タンク(62)に戻ってきた溶液を含む蓄熱媒体によって溶かされることを抑制できている。
−冷房蓄冷運転−
図5に示すように、冷房蓄冷運転では、蓄熱回路(61)においては冷却された蓄熱媒体が蓄熱タンク(62)に貯留されながら、冷媒回路(11)においては室外熱交換器(22)で凝縮された冷媒が室内熱交換器(27)で蒸発することで室内空気が冷却される。特に、冷媒回路(11)では、冷媒の一部が冷媒側バイパス流路(31)へも流れる。つまり、蓄冷が行われつつも、蓄冷における冷熱を利用せずに室内に対して冷房が行われる。
図5に示すように、冷房蓄冷運転では、蓄熱回路(61)においては冷却された蓄熱媒体が蓄熱タンク(62)に貯留されながら、冷媒回路(11)においては室外熱交換器(22)で凝縮された冷媒が室内熱交換器(27)で蒸発することで室内空気が冷却される。特に、冷媒回路(11)では、冷媒の一部が冷媒側バイパス流路(31)へも流れる。つまり、蓄冷が行われつつも、蓄冷における冷熱を利用せずに室内に対して冷房が行われる。
この場合、冷媒回路(11)側においては、室外熱交換器(22)が凝縮器、室内熱交換器(27)が蒸発器となる。特に、冷媒側バイパス流路(31)においては、予熱用熱交換器(36)は過冷却器(即ち放熱器)、蓄熱用熱交換器(37)は蒸発器となる。なお、冷媒は、第1分岐流路(35)には流れない。
具体的には、四方切換弁(28)は第1状態、第1開閉弁(25)及び第3開閉弁(40)は開状態、第2開閉弁(39)及び第4開閉弁(41)は閉状態にそれぞれ設定される。室外膨張弁(23)の開度は全開状態、室外側過冷却熱交換器(24)の膨張弁(24c)は全閉状態、蓄熱用膨張弁(38)及び室内膨張弁(26)の開度は、コントローラ(100)によって冷媒流量調節のための開度制御が行われる。圧縮機(21)、室外ファン(22a)及び室内ファン(27a)は作動する。
圧縮機(21)から吐出された冷媒は、配管(12)を介して室外熱交換器(22)に流入し、室外熱交換器(22)にて室外空気に放熱して凝縮する。凝縮された冷媒は、全開である室外膨張弁(23)及び室外側過冷却熱交換器(24)の高圧側通路(24a)を通過する。第1開閉弁(25)は開状態であって、且つ蓄熱用膨張弁(38)は全閉状態ではないため、室外側過冷却熱交換器(24)から流出した冷媒は、配管(14b)の途中にて、第1開閉弁(25)側と冷媒側バイパス流路(31)側とに分岐して流れる。
第1開閉弁(25)側に流れた冷媒は、配管(14c)を介して蓄熱側過冷却熱交換器(29)の高圧側通路(29a)に流入し、更に冷却される。更に冷却された冷媒は、配管(14d)を介して室内膨張弁(26)に流入し、室内膨張弁(26)にて減圧される。室内膨張弁(26)にて減圧された冷媒は、室内熱交換器(27)にて室内空気から吸熱して蒸発する。これにより、室内空気が冷却される。
一方、冷媒側バイパス流路(31)側に流れた冷媒は、配管(32)を介して予熱用熱交換器(36)の冷媒側通路(36a)に流入し、当該冷媒側通路(36a)を通過する間に蓄熱側通路(36b)を流れる蓄熱媒体を加熱する。これにより、蓄熱タンク(62)から流出する蓄熱媒体に含まれる包接水和物は融解する。従って、予熱用熱交換器(36)を通過後の蓄熱媒体が通過する配管(蓄熱用熱交換器(37)の蓄熱側通路(37b)を含む)にて、蓄熱媒体の包接水和物が大量に生成されて蓄熱回路(61)が閉塞することを防ぐことができる。
特に、冷房蓄冷運転では、室外側過冷却熱交換器(24)での冷媒の冷却が行われていない。仮に室外側過冷却熱交換器(24)で冷媒が冷却されると、予熱用熱交換器(36)にて冷媒が蓄熱媒体を加熱する効果が薄れてしまい、包接水和物による蓄熱回路(61)の閉塞が生じ易くなるためである。
そして、予熱用熱交換器(36)にて蓄熱媒体を加熱した冷媒は、冷やされた状態で予熱用熱交換器(36)から流出し、蓄熱用膨張弁(38)にて減圧される。その後、冷媒は、蓄熱用熱交換器(37)において、冷媒側通路(37a)を通過する間に、蓄熱側通路(37b)を流れる蓄熱媒体から吸熱して蒸発する。蒸発した冷媒は、第3開閉弁(40)及び配管(34)を流れ、室内熱交換器(27)を通過した冷媒と配管(16)にて合流する。合流した冷媒は、四方切換弁(28)を介して圧縮機(21)に吸入されて再び圧縮される。
蓄熱回路(61)では、循環ポンプ(63)が作動し、蓄冷運転と同様のサイクルが行われる。蓄熱媒体は、蓄熱タンク(62)から流出して予熱用熱交換器(36)の蓄熱側通路(36b)に流入すると、冷媒側通路(36a)を流れる冷媒から吸熱して加熱される。これにより、蓄熱媒体に含まれる包接水和物は融かされる。吸熱した蓄熱媒体は、蓄熱用熱交換器(37)の蓄熱側通路(37b)に流入すると、冷媒側通路(37a)を流れる冷媒によって冷却され、蓄熱タンク(62)内に流入する。このようにして、蓄熱タンク(62)には冷熱が蓄えられる。
なお、蓄熱回路(61)では、蓄冷運転と同様、図6に示すように、蓄熱タンク(62)の下部出入口(62b)が蓄熱媒体の流入口となり、蓄熱タンク(62)の上部出入口(62a)が蓄熱媒体の流出口となる。
なお、以上の説明では、冷房蓄冷運転において、蒸発圧力調整弁(43)の開度が全閉状態に設定され、第3開閉弁(40)が開状態に設定される場合を例に挙げているが、冷房蓄冷運転において、第3開閉弁(40)を閉状態に設定し、蒸発圧力調整弁(43)の開度を所定の開度に調節してよい。この場合、蓄熱用熱交換器(37)から流出した冷媒は、蒸発圧力調整弁(43)において減圧され、配管(16)と四方切換弁(28)とを順に通過して圧縮機(21)に吸入されることになる。このように制御することにより、蓄熱用熱交換器(37)における冷媒の蒸発圧力を圧縮機(21)の吸入圧力よりも高くすることができ、蓄熱用熱交換器(37)における冷媒の蒸発温度が低くなり過ぎることを防止することができる。これにより、蓄熱用熱交換器(37)において蓄熱媒体が冷却され過ぎて、包接水和物が大量に生成されて蓄熱媒体の循環効率が低下することを防止することができる。
<効果>
図6に示すように、蓄冷運転時、蓄熱タンク(62)の上部出入口(62a)は蓄熱媒体の流出口となり、下部出入口(62b)は蓄熱媒体の流入口となる。逆に、利用冷房運転時、下部出入口(62b)は蓄熱媒体の流出口となり、上部出入口(62a)は蓄熱媒体の流入口となる。これにより、蓄冷運転時、蓄熱タンク(62)の上部出入口(62a)からは、溶液を主に含む蓄熱媒体が取り出され、蓄熱タンク(62)の下部出入口(62b)へは、包接水和物を主に含む蓄熱媒体が流入されて蓄熱タンク(62)の底部に蓄積される。利用冷房運転時、蓄熱タンク(62)の下部出入口(62b)からは、包接水和物を主に含む蓄熱媒体が取り出され、蓄熱タンク(62)の上部出入口(62a)へは、加熱された蓄熱媒体が流入される。従って、蓄冷運転では効果的に蓄冷が行われ、利用冷房運転では冷熱が有効に利用される。
図6に示すように、蓄冷運転時、蓄熱タンク(62)の上部出入口(62a)は蓄熱媒体の流出口となり、下部出入口(62b)は蓄熱媒体の流入口となる。逆に、利用冷房運転時、下部出入口(62b)は蓄熱媒体の流出口となり、上部出入口(62a)は蓄熱媒体の流入口となる。これにより、蓄冷運転時、蓄熱タンク(62)の上部出入口(62a)からは、溶液を主に含む蓄熱媒体が取り出され、蓄熱タンク(62)の下部出入口(62b)へは、包接水和物を主に含む蓄熱媒体が流入されて蓄熱タンク(62)の底部に蓄積される。利用冷房運転時、蓄熱タンク(62)の下部出入口(62b)からは、包接水和物を主に含む蓄熱媒体が取り出され、蓄熱タンク(62)の上部出入口(62a)へは、加熱された蓄熱媒体が流入される。従って、蓄冷運転では効果的に蓄冷が行われ、利用冷房運転では冷熱が有効に利用される。
また、蓄冷運転時における蓄熱用熱交換器(37)の蓄熱側通路(37b)の蓄熱媒体の流れ方向は、利用冷房運転時における蓄熱側通路(37b)の蓄熱媒体の流れ方向と同一となっている。
≪実施形態2≫
上記実施形態1では、図6に示すように、蓄冷運転、冷房蓄冷運転及び利用冷房運転のいずれの場合も、蓄熱媒体は、蓄熱用熱交換器(37)のみならず予熱用熱交換器(36)も通過していた。しかし、図7に示すように、蓄熱媒体は、蓄冷運転及び冷房蓄冷運転では蓄熱用熱交換器(37)及び予熱用熱交換器(36)を通過するが、利用冷房運転では予熱用熱交換器(36)を通過せず蓄熱用熱交換器(37)のみを通過する構成が採用されていてもよい。
上記実施形態1では、図6に示すように、蓄冷運転、冷房蓄冷運転及び利用冷房運転のいずれの場合も、蓄熱媒体は、蓄熱用熱交換器(37)のみならず予熱用熱交換器(36)も通過していた。しかし、図7に示すように、蓄熱媒体は、蓄冷運転及び冷房蓄冷運転では蓄熱用熱交換器(37)及び予熱用熱交換器(36)を通過するが、利用冷房運転では予熱用熱交換器(36)を通過せず蓄熱用熱交換器(37)のみを通過する構成が採用されていてもよい。
具体的に、本実施形態2に係る蓄熱回路(61)は、図7に示すように、蓄熱タンク(62)、循環ポンプ(63)、予熱用熱交換器(36)及び蓄熱用熱交換器(37)の他、4つの三方弁(71,72,73,74)を含む。更に、蓄熱回路(61)は、第1三方弁(71)及び第2三方弁(72)及び配管によって構成された蓄熱側バイパス流路(75)(バイパス流路に相当)を含む。なお、蓄熱タンク(62)、循環ポンプ(63)、予熱用熱交換器(36)及び蓄熱用熱交換器(37)は、上記実施形態1と同様である。
第1三方弁(71)は、蓄熱タンク(62)の上部出入口(62a)と接続され、上部出入口(62a)を第3三方弁(73)または予熱用熱交換器(36)の蓄熱側通路(36b)の一端と繋ぐ。第2三方弁(72)は、循環ポンプ(63)の流入口を、予熱用熱交換器(36)の蓄熱側通路(36b)の他端または第4三方弁(74)と繋ぐ。第3三方弁(73)は、蓄熱用熱交換器(37)の蓄熱側通路(37b)の一端側を、第1三方弁(71)または第4三方弁(74)と繋ぐ。第4三方弁(74)は、蓄熱タンク(62)の下部出入口(62b)と接続され、下部出入口(62b)を第2三方弁(72)または第3三方弁(73)と繋ぐ。
蓄熱側バイパス流路(75)は、第1及び第2三方弁(71,72)と、これらの弁(71,72)を予熱用熱交換器(36)の蓄熱側通路(36b)の両端に繋ぐ配管とで構成されている。蓄熱側バイパス流路(75)は、利用冷房運転時、予熱用熱交換器(36)をバイパスする。
蓄冷運転及び冷房蓄冷運転では、蓄熱媒体は、蓄熱タンク(62)の上部出入口(62a)から流出し、第1三方弁(71)、予熱用熱交換器(36)の蓄熱側通路(36b)、第2三方弁(72)、循環ポンプ(63)、蓄熱用熱交換器(37)の蓄熱側通路(37b)、第3三方弁(73)及び第4三方弁(74)をこの順で流れ、下部出入口(62b)から蓄熱タンク(62)内へと戻る。利用冷房運転時、蓄熱媒体は、蓄熱タンク(62)の下部出入口(62b)から流出し、第4三方弁(74)、第2三方弁(72)、循環ポンプ(63)、蓄熱用熱交換器(37)の蓄熱側通路(37b)、第3三方弁(73)及び第1三方弁(71)をこの順で流れ、上部出入口(62a)から蓄熱タンク(62)内へと戻る。
このように、利用冷房運転時に予熱用熱交換器(36)をバイパスさせると、蓄熱回路(61)を循環する蓄熱媒体の流動抵抗は低減される。従って、蓄熱回路(61)を循環する蓄熱媒体の流量は増加し、蓄熱式空気調和機(10)の冷房能力は向上する。
≪その他の実施形態≫
上記実施形態については、以下のような構成としてもよい。
上記実施形態については、以下のような構成としてもよい。
上記実施形態1に係る蓄熱回路(61)は、図6のように複数の三方弁を用いた構成ではなく、図8に示すように複数の開閉弁を用いた構成であってもよい。
上記実施形態2に係る蓄熱回路(61)は、図7のように複数の三方弁を用いた構成ではなく、図9に示すように複数の開閉弁を用いた構成であってもよい。
上記実施形態1,2に係る冷媒回路(11)は、室外側過冷却熱交換器(24)及び蓄熱側過冷却熱交換器(29)の少なくとも1つを有さずとも良い。
上記実施形態1,2に係る蓄熱式空気調和機(10)は、蓄冷運転と利用冷房運転とで、蓄熱用熱交換器(37)の蓄熱側通路(37b)の蓄熱媒体の流れ方向が異なっていても良い。
上記実施形態1,2では、蓄冷運転と利用冷房運転とで蓄熱回路(61)の蓄熱媒体のサイクルが逆である場合を示した。しかし、蓄冷運転と利用冷房運転とで、少なくとも蓄熱タンク(62)における流入口及び流出口の位置が異なれば良く、蓄熱媒体の流れ方向は同一であってもよい。
室内熱交換器(27)が冷媒と熱交換を行う熱媒体は、空気ではなく、水であっても良い。
以上説明したように、本発明は、蓄冷運転及び利用冷房運転を行う蓄熱式空気調和機について有用である。
11 冷媒回路
22 室外熱交換器
27 室内熱交換器
36 予熱用熱交換器
37 蓄熱用熱交換器
37a 冷媒側通路
37b 蓄熱側通路
61 蓄熱回路
62 蓄熱タンク
63 循環ポンプ
75 蓄熱側バイパス流路(バイパス流路)
100 コントローラ(運転制御部)
22 室外熱交換器
27 室内熱交換器
36 予熱用熱交換器
37 蓄熱用熱交換器
37a 冷媒側通路
37b 蓄熱側通路
61 蓄熱回路
62 蓄熱タンク
63 循環ポンプ
75 蓄熱側バイパス流路(バイパス流路)
100 コントローラ(運転制御部)
Claims (3)
- 冷却によって包接水和物が生成される蓄熱媒体を貯留する蓄熱タンク(62)と、蓄熱媒体を冷媒と熱交換させる蓄熱用熱交換器(37)と、該蓄熱タンク(62)及び該蓄熱用熱交換器(37)の間で蓄熱媒体を循環させる循環ポンプ(63)と、を有する蓄熱回路(61)と、
冷媒と熱媒体とを熱交換させる室外熱交換器(22)及び室内熱交換器(27)と、上記蓄熱用熱交換器(37)と、を有する冷媒回路(11)と、
上記冷媒回路(11)では凝縮器となる上記室外熱交換器(22)から蒸発器となる上記蓄熱用熱交換器(37)へと冷媒が循環する際、上記蓄熱回路(61)では上記蓄熱用熱交換器(37)にて冷却された蓄熱媒体が上記蓄熱タンク(62)に貯留される蓄冷運転、を実行可能に制御する運転制御部(100)と、
を備え、
上記運転制御部(100)は、上記蓄熱回路(61)では上記蓄冷運転によって上記蓄熱タンク(62)に貯留された蓄熱媒体の冷熱が上記蓄熱用熱交換器(37)にて冷媒に付与され、上記冷媒回路(11)ではその冷媒を利用して上記室内熱交換器(27)が熱媒体を冷却する利用冷房運転、を実行可能に更に制御し、
上記蓄冷運転時、上記蓄熱タンク(62)における蓄熱媒体の流入口は、該蓄熱媒体の流出口よりも下方に位置し、
上記利用冷房運転時、上記蓄熱タンク(62)における蓄熱媒体の流入口は、該蓄熱媒体の流出口よりも上方に位置する
ことを特徴とする蓄熱式空気調和機。 - 請求項1において、
上記蓄熱用熱交換器(37)は、上記冷媒回路(11)に接続された冷媒側通路(37a)と、上記蓄熱回路(61)に接続された蓄熱側通路(37b)とを有し、
上記蓄冷運転時における上記蓄熱側通路(37b)の蓄熱媒体の流れ方向は、上記利用冷房運転時における上記蓄熱側通路(37b)の蓄熱媒体の流れ方向と同一である
ことを特徴とする蓄熱式空気調和機。 - 請求項1または請求項2において、
上記蓄熱回路(61)は、上記蓄冷運転時に上記蓄熱用熱交換器(37)にて熱交換する前の冷媒を蓄熱媒体と熱交換させる予熱用熱交換器(36)と、上記利用冷房運転時に上記予熱用熱交換器(36)をバイパス可能なバイパス流路(75)とを更に有する
ことを特徴とする蓄熱式空気調和機。
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Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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-
2014
- 2014-12-26 JP JP2014265379A patent/JP2016125714A/ja active Pending
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