JP2016125725A - 蓄熱式空気調和機 - Google Patents

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修二 藤本
Shuji Fujimoto
修二 藤本
安尾 晃一
Koichi Yasuo
晃一 安尾
柯壁 陳
Kebi Chen
柯壁 陳
拓哉 中尾
Takuya Nakao
拓哉 中尾
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Abstract

【課題】蓄熱回路のポンプ停止中において、蓄熱媒体の温度が低下することに起因して、蓄熱回路で包接水和物の結晶が成長することを未然に回避する。
【解決手段】ポンプ(67)の停止時に、温度検出部(S1)で検出した蓄熱媒体の温度が、蓄熱媒体の水和物生成温度以上の第1基準温度より低くなる第1条件が成立すると、上記ポンプ(67)を運転させるように構成される運転制御部(100)を備える。
【選択図】図12

Description

本発明は、蓄熱式空気調和機に関するものである。
従来より、室内の冷房や暖房を行う空気調和機が知られている。特許文献1には、蓄熱媒体を用いた蓄熱式空気調和機が開示されている。この蓄熱式空気調和機は、圧縮機、室外熱交換器、及び室内熱交換器が接続された冷媒回路と、冷媒回路の冷媒と蓄熱媒体とを熱交換させる蓄熱部とを有している。例えば同文献には、暖房運転時の冷媒の温熱を蓄熱媒体に付与する暖房蓄熱運転が記載されている。この暖房蓄熱運転では、圧縮機で圧縮された冷媒が、複数の室内熱交換器で凝縮するとともに、高圧冷媒が蓄熱部を流れる。蓄熱部では、冷媒の熱が蓄熱媒体に付与される。
また、同文献の蓄熱式空気調和機では、蓄熱媒体として例えば臭化テトラnブチルアンモニウムを含有する臭化テトラnブチルアンモニウム(TBAB:Tetra Butyl Ammonium Bromide)水溶液が用いられる。つまり、蓄熱媒体は、水溶液の温度が所定温度(水和物生成温度)未満に至ると、包接水和物が生成される。包接水和物は、比較的大きな潜熱を有する微細な水和物結晶を構成する。
特開2007−17089号公報
特許文献1に記載のような蓄熱式空気調和機では、蓄熱タンクが接続された蓄熱回路の蓄熱媒体がポンプにより循環する。これにより、冷媒回路の冷媒と蓄熱回路の蓄熱媒体とが熱交換し、蓄熱媒体に温熱等が付与される。
一方、蓄熱式空気調和機の停止時には、ポンプが停止し、蓄熱媒体は蓄熱回路を循環しない。この結果、蓄熱回路の周辺の温度が低い条件下では、蓄熱媒体の温度が徐々に低下していき、この温度が水和物生成温度未満になるおそれがある。蓄熱媒体の温度が水和物生成温度未満になると、蓄熱回路で微細な水和物の結晶が生成され、この結晶が徐々に成長していく。この結果、蓄熱回路の配管が閉塞したり、熱交換器に付着した結晶により伝熱効率が低下したりする問題が生じる。このような問題は、蓄熱回路のポンプを停止しつつ、蓄熱媒体を冷媒で加熱することなく冷媒回路で暖房サイクルを行う運転(単純暖房運転)の際にも起こることがある。
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、蓄熱回路のポンプ停止中において、蓄熱媒体の温度が低下することに起因して、蓄熱回路で包接水和物の結晶が成長することを未然に回避することである。
第1の発明は、蓄熱式空気調和機を対象とし、圧縮機(22)と、室外熱交換器(23)と、室内熱交換器(72)とが接続され、冷媒が循環して冷凍サイクルが行われる冷媒回路(11)と、冷却されることによって包接水和物が生成される蓄熱媒体と上記冷媒回路(11)の冷媒とを熱交換させる蓄熱用熱交換器(63)と、該蓄熱媒体を循環させるポンプ(67)と、該蓄熱媒体が貯留される蓄熱タンク(62)とが接続される蓄熱回路(61)と、該蓄熱回路(61)の蓄熱媒体の温度を検出する温度検出部(S1)と、上記ポンプ(67)の停止時に、上記温度検出部(S1)で検出した蓄熱媒体の温度が、該蓄熱媒体の水和物生成温度以上の第1基準温度より低くなる第1条件が成立すると、上記ポンプ(67)を運転させるように構成される運転制御部(100)とを備えていることを特徴とする。
第1の発明では、蓄熱回路(61)のポンプ(67)の停止中に温度検出部(S1)が蓄熱媒体の温度を検出する。蓄熱回路(61)の周囲の温度が低い条件下では、蓄熱媒体の温度が徐々に低下していく。そして、検出された蓄熱媒体の温度が水和物生成温度以上の第1基準温度より低くなる第1条件が成立すると、運転制御部(100)はポンプ(67)を運転させる。蓄熱回路(61)では、例えば蓄熱タンク(62)の内部(特に上部)において、比較的温度の高い蓄熱媒体が存在する。また、蓄熱回路(61)では、蓄熱回路(61)を構成するための配管の位置によっても、蓄熱媒体の温度にムラが生じる。このため、ポンプ(67)を運転させることで、蓄熱媒体の温度が全体に亘って均一化され、比較的低温であった蓄熱媒体を昇温させることができる。加えて、ポンプ(67)の入力により、蓄熱媒体を加熱させることも可能である。以上により、蓄熱媒体の温度が水和物生成温度未満に至るのを回避でき、蓄熱回路(61)における包接水和物の結晶化を未然に回避できる。
第2の発明は、第1の発明において、上記運転制御部(100)は、上記第1条件が成立し上記ポンプ(67)を所定時間運転した後、上記温度検出部(S1)で検出した温度が、上記第1基準温度より高い第2基準温度以上になる第2条件が成立すると、上記ポンプ(67)を停止させることを特徴とする。
第2の発明では、第1条件が成立してポンプ(67)が所定時間運転された後、検出された蓄熱媒体の温度が第1基準温度より高い第2基準温度より高くなる第2条件が成立すると、運転制御部(100)がポンプ(67)を停止させる。つまり、蓄熱回路(61)の蓄熱媒体を循環させることにより、蓄熱媒体の温度が平均化され、蓄熱媒体の温度が局所的に低くなるのを回避できる。これに伴い、検出温度が第2基準温度より高くなると、ポンプ(67)が停止する。これにより、ポンプ(67)の過剰な運転を回避できる。
第3の発明は、第1又は第2の発明において、上記運転制御部(100)は、上記第1条件が成立し上記ポンプ(67)を所定時間運転した後、上記温度検出部(S1)で検出した温度が、上記第1基準温度より高い第2基準温度未満である第3条件が成立すると、上記ポンプ(67)及び上記圧縮機(22)が運転状態となりながら、上記冷媒回路(11)の高圧冷媒の熱を上記蓄熱用熱交換器(63)を介して上記蓄熱媒体に付与することを特徴とする。
第3の発明では、第1条件が成立してポンプ(67)を所定時間運転したにも拘わらず、検出された蓄熱媒体の温度が第2基準温度未満である第3条件が成立すると、ポンプ(67)及び圧縮機(22)が運転状態となりながら、高圧冷媒の熱が蓄熱用熱交換器(63)を介して蓄熱媒体に付与される。この結果、蓄熱媒体の温度を確実に上げることができ、包接水和物の結晶化を確実に回避できる。
第4の発明は、第1の発明において、上記ポンプ(67)は、上記圧縮機(22)が作動し、上記室内熱交換器(72)で冷媒が凝縮し、上記室外熱交換器(23)で冷媒が蒸発する単純暖房運転中に停止するように構成され、上記運転制御部(100)は、上記単純暖房運転中に上記第1条件が成立すると、上記ポンプ(67)を運転させるとともに、上記室内熱交換器(72)で冷媒が凝縮し、且つ高圧冷媒が上記蓄熱用熱交換器(63)を介して蓄熱媒体を加熱する暖房蓄熱運転を行うように構成されることを特徴とする。
第4の発明では、ポンプ(67)が停止し、冷媒の熱が蓄熱媒体に付与されず室内を暖房する単純暖房運転が実行可能となる。単純暖房運転中に第1条件が成立すると、ポンプ(67)が運転され暖房蓄熱運転が実行される。これにより、室内熱交換器(72)が凝縮器になるとともに、高圧冷媒の熱が蓄熱用熱交換器(63)を介して蓄熱媒体に付与される。この結果、室内の暖房を継続しつつ、蓄熱媒体を確実に昇温できる。
第5の発明は、第4の発明において、上記運転制御部(100)は、上記単純暖房運転中に上記第1条件が成立し、且つ上記室内熱交換器(72)で凝縮した後の冷媒の温度が高いことを示す第4条件が成立すると、上記圧縮機(22)で圧縮された高圧ガス冷媒の全量を上記室内熱交換器(72)で凝縮させ、凝縮した冷媒の全量を上記蓄熱用熱交換器(63)に流す第1の上記暖房蓄熱運転を実行させることを特徴とする。
第5の発明では、単純暖房運転中に、第1条件が成立し、且つ室内熱交換器(72)で凝縮した後の冷媒の温度が高いことを示す第4条件が成立すると、第1暖房蓄熱運転が実行される。
つまり、これらの条件が成立する場合、室内熱交換器(72)で凝縮した後の冷媒の温度と、蓄熱回路(61)の蓄熱媒体との温度差が比較的大きいとみなすことができる。そこで、これらの条件が成立すると、圧縮機(22)で圧縮された冷媒の全量が、室内熱交換器(72)、蓄熱用熱交換器(63)を直列に流通する。これにより、室内熱交換器(72)の暖房で余った冷媒の熱を蓄熱媒体に付与でき、省エネ性を向上できる。
第6の発明は、第4の発明において、上記運転制御部(100)は、上記単純暖房運転中に上記第1条件が成立し、且つ上記室内熱交換器(72)で凝縮した後の冷媒の温度が低いいことを示す第5条件が成立すると、上記圧縮機(22)で圧縮された高圧冷媒が上記室内熱交換器(72)と上記蓄熱用熱交換器(63)とに並行に流れて凝縮する第2の上記暖房蓄熱運転を実行させることを特徴とする。
第6の発明では、単純暖房運転中に、第1条件が成立し、且つ室内熱交換器(72)で凝縮した後の冷媒の温度が低いことを示す第5条件がすると、第2暖房蓄熱運転が実行される。
つまり、これらの条件が成立する場合、室内熱交換器(72)で凝縮した冷媒の温度と、蓄熱回路(61)の蓄熱媒体との温度差が比較的小さいとみなすことができる。そこで、これらの条件が成立すると、圧縮機で圧縮された冷媒が、室内熱交換器(72)と蓄熱用熱交換器(63)とに並行に分流し、蓄熱用熱交換器(63)に高温の高圧冷媒が供給される。これにより、蓄熱用熱交換器(63)では、冷媒によって蓄熱媒体を確実に昇温させることができ、包接水和物が結晶化してしまうことを確実に防止できる。
第7の発明は、第1乃至第6のいずれか1つの発明において、上記蓄熱タンク(62)には、該蓄熱タンク(62)の下部に蓄熱媒体を流入させる流入管(66)が接続され、上記温度検出部(S1)は、上記流入管(66)の蓄熱媒体の温度を検出するように構成されることを特徴とする。
第7の発明では、温度検出部(S1)は、蓄熱タンク(62)の下部に接続された流入管(66)の蓄熱媒体の温度を検出する。この流入管(66)は、蓄熱回路(61)において低い位置にあり、蓄熱タンク(62)の設置面にも近い。このため、流入管(66)の内部の蓄熱媒体は、蓄熱回路(61)全体の中でも温度が低い傾向にあり、飽和水和物が発生し易い。従って、流入管(66)は、結晶の蓄積に伴い閉塞が生じやすい。これに対し、本発明では、温度検出部(S1)がこの流入管(66)の蓄熱媒体の温度を検出し、運転制御部(100)は、蓄熱媒体の温度が低くならないように制御を行うため、流入管(66)の閉塞を確実に防止できる。
第1の発明によれば、ポンプ(67)の停止中に蓄熱媒体の温度が第1基準温度より低くなる第1条件が成立すると、ポンプ(67)を運転させるため、蓄熱回路(61)での蓄熱媒体の循環により、蓄熱媒体の温度を昇温できる。従って、例えば圧縮機(22)の熱エネルギーを用いることなく、蓄熱回路(61)での包接水和物の結晶化を防止できる。この結果、この結晶の成長に起因して蓄熱用熱交換器(63)の熱伝達率が低下したり、配管が完全に閉塞したりする問題を未然に回避できる。
第2の発明によれば、第1条件が成立してポンプ(67)を所定時間実行した後、蓄熱媒体の温度が第2基準温度より高くなると、ポンプ(67)を停止させるため、ポンプ(67)の運転時間を短くできる。この結果、ポンプ(67)の動力を削減でき、省エネ性の向上を図ることができる。
第3の発明によれば、第1条件が成立してポンプ(67)を所定時間運転したとしても、蓄熱媒体の温度が第2基準温度未満であると、圧縮機(22)及びポンプ(67)を運転しながら高圧冷媒の熱を蓄熱媒体に付与する。これにより、蓄熱媒体の温度を水和物生成温度まで確実に昇温させることができる。
第4の発明によれば、単純暖房運転中においても、蓄熱媒体の温度が第1基準温度より低くなると、暖房蓄熱運転を行うため、室内の暖房を継続しつつ、蓄熱回路(61)で包接水和物が結晶化してしまうのを未然に回避できる。
第5の発明によれば、単純暖房運転中において、第1条件が成立し、且つ室内熱交換器(72)で凝縮した後の冷媒の温度が高いことを示す第4条件が成立すると、室内熱交換器(72)の暖房で余った冷媒の熱を蓄熱媒体に付与する第1暖房蓄熱運転が行われる。これにより、暖房運転を継続しながら余剰の冷媒の熱を蓄熱媒体に回収でき、且つ蓄熱回路(61)で包接水和物が結晶化してしまうのを未然に回避できる。
第6の発明によれば、単純暖房運転中において、第1条件が成立し、且つ室内熱交換器(72)で凝縮した後の冷媒の温度が低いことを示す第5条件が成立すると、室内熱交換器(72)と蓄熱用熱交換器(63)との双方へ高圧冷媒を並列に流す第2暖房蓄熱運転が行われる。これにより、蓄熱回路(61)で包接水和物が結晶化してしまうのを確実に回避できる。
第7の発明によれば、蓄熱回路(61)のうち蓄熱媒体の温度が比較的低い箇所の検出温度に基づき、蓄熱媒体を昇温させる制御を行っているため、蓄熱回路(61)で包接水和物が結晶化してしまうことを一層確実に防止できる。
図1は、実施形態に係る蓄熱式空気調和機の全体構成を示す配管系統図である。 図2は、単純冷房運転の動作を説明するための図1相当図である。 図3は、蓄冷運転の動作を説明するための図1相当図である。 図4は、利用冷房運転の動作を説明するための図1相当図である。 図5は、冷房蓄冷運転の動作を説明するための図1相当図である。 図6は、単純暖房運転の動作を説明するための図1相当図である。 図7は、蓄熱運転の動作を説明するための図1相当図である。 図8は、利用暖房運転(1)を説明するための図1相当図である。 図9は、利用暖房運転(2)を説明するための図1相当図である。 図10は、暖房蓄熱運転(1)を説明するための図1相当図である。 図11は、暖房蓄熱運転(2)を説明するための図1相当図である。 図12は、蓄熱式空気調和機の停止中に蓄熱媒体の温度が低下した際の各制御動作を示すタイムチャートである。 図13は、蓄熱式空気調和機の停止中の第1動作を説明するための図1相当図である。 図14は、単純暖房運転時に蓄熱媒体の温度が低下し、暖房蓄熱運転(1)へ移行するまでの各制御動作を示すタイムチャートである。 図15は、単純暖房運転時に蓄熱媒体の温度が低下し、暖房蓄熱運転(2)へ移行するまでの各制御動作を示すタイムチャートである。 図16は、その他の実施形態において、単純暖房運転時の蓄熱媒体の温度が低下した際の第1動作を説明するための図1相当図である。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、以下の実施形態は、本質的に好ましい例示であって、本発明、その適用物、あるいはその用途の範囲を制限することを意図するものではない。
《発明の実施形態》
本発明の実施形態に係る蓄熱式空気調和機(10)は、室内の冷房と暖房とを切り換えて行う。蓄熱式空気調和機(10)は、冷媒の冷熱を蓄熱媒体に蓄え、この冷熱を冷房に利用する。蓄熱式空気調和機(10)は、冷媒の温熱を蓄熱媒体に蓄え、この温熱を暖房に利用する。
〈全体構成〉
図1に示すように、蓄熱式空気調和機(10)は、室外ユニット(20)と、蓄熱ユニット(40)と、複数の室内ユニット(70)とを備えている。室外ユニット(20)及び蓄熱ユニット(40)は、室外に設置される。複数の室内ユニット(70)は、室内に設置される。なお、図1では便宜上、1台の室内ユニット(70)のみを図示している。
室外ユニット(20)には室外回路(21)が、蓄熱ユニット(40)には中間回路(41)が、室内ユニット(70)には室内回路(71)がそれぞれ設けられる。蓄熱式空気調和機(10)では、室外回路(21)と中間回路(41)とが3本の連絡配管(12,13,14)を介して互いに接続され、中間回路(41)と複数の室内回路(71)とが2本の連絡配管(15,16)を介して互いに接続される。これにより、蓄熱式空気調和機(10)では、充填された冷媒が循環して冷凍サイクルが行われる冷媒回路(11)が構成される。蓄熱式空気調和機(10)は、後述する各機器を制御するコントローラ(100)(運転制御部)を有している。
〈室外ユニット〉
室外ユニット(20)には、冷媒回路(11)の一部を成す室外回路(21)が設けられる。室外回路(21)には、圧縮機(22)、室外熱交換器(23)、室外膨張弁(24)、及び四方切換弁(25)が接続される。室外回路(21)には、第1過冷却回路(30)と、中間吸入管(35)とが接続されている。
〔圧縮機〕
実施形態の圧縮機(22)は、単段式の1台の圧縮機であり、冷媒を圧縮して吐出する圧縮部を構成している。圧縮機(22)では、ケーシング(22a)の内部にモータ及び圧縮機構(図示省略)が収容されている。実施形態の圧縮機構は、スクロール式の圧縮機構で構成されている。しかし、圧縮機構は、揺動ピストン式、ローリングピストン式、スクリュー式、ターボ式等の種々の方式を採用できる。圧縮機構では、渦巻き状の固定スクロールと可動スクロールの間に圧縮室が形成され、この圧縮室の容積が徐々に小さくなることで冷媒が圧縮される。圧縮機(22)のモータは、インバータ部によって運転周波数が可変に構成されている。つまり、圧縮機(22)は、回転数(容量)が可変なインバータ式の圧縮機である。
〔室外熱交換器〕
室外熱交換器(23)は、例えばクロスフィン・アンド・チューブ式の熱交換器で構成されている。室外熱交換器(23)の近傍には、室外ファン(26)が設けられている。室外熱交換器(23)では、室外ファン(26)が搬送する空気と、室外熱交換器(23)を流れる冷媒とが熱交換する。
〔室外膨張弁〕
室外膨張弁(24)は、室外熱交換器(23)の液側端部と連絡配管(12)の接続端の間に配置されている。室外膨張弁(24)は、例えば電子膨張弁で構成され、その開度を変更することで冷媒の流量を調節する。
〔四方切換弁〕
四方切換弁(25)は、第1から第4までのポートを有している。四方切換弁(25)の第1ポートは、圧縮機(22)の吐出管(27)に接続され、四方切換弁(25)の第2ポートは、圧縮機(22)の吸入管(28)(低圧吸入部)に接続されている。四方切換弁(25)の第3ポートは、室外熱交換器(23)のガス側端部に繋がり、四方切換弁(25)の第4ポートは、連絡配管(14)の接続端に繋がっている。
四方切換弁(25)は、第1ポートと第3ポートが連通し且つ第2ポートと第4ポートが連通する状態(図1の実線で示す第1の状態)と、第1ポートと第4ポートが連通し且つ第2ポートと第3ポートが連通する状態(図1の破線で示す第2の状態)とに切換可能に構成されている。
〔第1過冷却回路〕
第1過冷却回路(30)は、第1導入管(31)と第1過冷却熱交換器(32)とを有している。第1導入管(31)の一端は、室外膨張弁(24)と連絡配管(12)の接続端との間に接続される。第1導入管(31)の他端は、圧縮機(22)の吸入管(28)に接続される。つまり、第1導入管(31)は、液ライン(L1)と圧縮機(22)の低圧側の吸入管(28)とを繋ぐ低圧導入管を構成している。ここで、液ライン(L1)は、室外熱交換器(23)の液側端部と室内熱交換器(72)の液側端部に亘るまでの流路である。第1導入管(31)には、その一端から他端に向かって順に、第1減圧弁(EV1)、第1伝熱流路(33)が接続されている。第1減圧弁(EV1)は、例えば電子膨張弁で構成され、その開度を変更することで第2伝熱流路(34)の出口の冷媒の過冷却度を調節する。第1過冷却熱交換器(32)は、第2伝熱流路(34)を流れる冷媒と、第1伝熱流路(33)を流れる冷媒とを熱交換させる第1熱交換器を構成する。第2伝熱流路(34)は、冷媒回路(11)の液ライン(L1)のうち、室外膨張弁(24)と連絡配管(12)の接続端との間に設けられる。
〔中間吸入管〕
中間吸入管(35)は、中間圧の冷媒を圧縮機(22)の圧縮室の圧縮途中に導入する中間吸入部を構成している。中間吸入管(35)の始端は、連絡配管(13)の接続端に接続され、中間吸入管(35)の終端は、圧縮機(22)の圧縮機構の圧縮室に接続されている。中間吸入管(35)は、圧縮機(22)のケーシング(22a)の内部に位置する内側配管部(36)を有している。中間吸入管(35)の内圧は、基本的に、冷媒回路(11)の高圧と低圧の間の中間圧力に相当する。中間吸入管(35)には、上流側から下流側に向かって順に、第1電磁弁(SV1)、逆止弁(CV1)が接続される。第1電磁弁(SV1)は、流路を開閉する開閉弁である。逆止弁(CV1)は、主蓄熱用流路(44)(詳細は後述する)から圧縮機(22)へ向かう方向(図1の矢印方向)の冷媒の流れを許容し、圧縮機(22)から主蓄熱用流路(44)へ向かう方向の冷媒の流れを禁止する。
〈蓄熱ユニット〉
蓄熱ユニット(40)は、室外ユニット(20)と室内ユニット(70)に介在する中継ユニットを構成している。蓄熱ユニット(40)には、冷媒回路(11)の一部を成す中間回路(41)が設けられる。中間回路(41)には、主液管(42)、主ガス管(43)、及び主蓄熱用流路(44)が接続されている。中間回路(41)には、第2過冷却回路(50)が接続されている。蓄熱ユニット(40)には、蓄熱装置(60)が設けられる。
〔主液管〕
主液管(42)は、液ライン(L1)の一部を構成している。主液管(42)は、連絡配管(12)の接続端と連絡配管(15)の接続端とを接続している。主液管(42)には、第2電磁弁(SV2)が接続される。第2電磁弁(SV2)は、流路を開閉する開閉弁である。主液管(42)は、暖房蓄熱運転(1)において、室内熱交換器(72)で凝縮した冷媒が蓄熱用熱交換器(63)をバイパスして室外熱交換器(23)へ送る第2バイパス流路を構成している。
〔主ガス管〕
主ガス管(43)は、ガスライン(L2)の一部を構成している。ここで、ガスライン(L2)は、四方切換弁(25)の第4ポートから室内熱交換器(72)のガス側端部に亘るまでの流路である。主ガス管(43)は、連絡配管(14)の接続端と連絡配管(16)の接続端とを連結している。
〔主蓄熱用流路〕
主蓄熱用流路(44)は、主液管(42)と主ガス管(43)との間に接続されている。主蓄熱用流路(44)の一端は、連絡配管(12)の接続端と第2電磁弁(SV2)の間に接続されている。主蓄熱用流路(44)には、主液管(42)側から主ガス管(43)側に向かって順に、第3電磁弁(SV3)、予熱側冷媒流路(64b)、蓄熱用膨張弁(45)、蓄熱側冷媒流路(63b)、第4電磁弁(SV4)が接続されている。第3電磁弁(SV3)及び第4電磁弁(SV4)は、流路を開閉する開閉弁である。蓄熱用膨張弁(45)は、例えば電子膨張弁で構成され、その開度を変更することで冷媒の圧力を調節する。
主蓄熱用流路(44)には、蓄熱用膨張弁(45)をバイパスする第1バイパス管(44a)が接続されている。第1バイパス管(44a)には、蓄熱用膨張弁(45)と並列に第5電磁弁(SV5)が接続されている。第5電磁弁(SV5)は、流路を開閉する開閉弁である。また、主蓄熱用流路(44)には、蓄熱用膨張弁(45)と並列に圧力逃がし弁(RV)が接続されている。
主蓄熱用流路(44)は、暖房蓄熱運転(1)において、高圧冷媒が上記室内熱交換器(72)をバイパスして蓄熱用熱交換器(63)へ流れる第1バイパス流路を構成している。
〔第2過冷却回路〕
第2過冷却回路(50)は、第2導入管(51)と第2過冷却熱交換器(52)とを有している。第2導入管(51)の一端は、第2電磁弁(SV2)と連絡配管(15)の接続端との間に接続される。第2導入管(51)の他端は、主ガス管(43)に接続される。主ガス管(43)において、第2導入管(51)の接続部は、主蓄熱用流路(44)の接続部と連絡配管(16)の接続端の間に位置している。第2導入管(51)には、その一端から他端に向かって順に、第2減圧弁(EV2)、第3伝熱流路(53)が接続されている。第2減圧弁(EV2)は、例えば電子膨張弁で構成され、その開度を変更することで第4伝熱流路(54)の出口の冷媒の過冷却度を調節する。第2過冷却熱交換器(52)は、第4伝熱流路(54)を流れる冷媒と、第3伝熱流路(53)を流れる冷媒とを熱交換させる。第4伝熱流路(54)は、主液管(42)のうち第2電磁弁(SV2)と連絡配管(15)の接続端の間に設けられる。第2過冷却回路(50)は、詳細は後述する利用冷房運転や利用蓄冷運転において、連絡配管(15)を流れる冷媒が気化してフラッシュするのを防止するための過冷却器を構成する。
〔その他の配管〕
中間回路(41)には、中間中継管(46)と、第1分岐管(47)と、第2分岐管(48)と、第3分岐管(49)とが接続される。中間中継管(46)の一端は、主蓄熱用流路(44)における第3電磁弁(SV3)と予熱側冷媒流路(64b)との間に接続される。中間中継管(46)の他端は、連絡配管(13)を介して中間吸入管(35)と接続している。第1分岐管(47)の一端は、主蓄熱用流路(44)における蓄熱側冷媒流路(63b)と第4電磁弁(SV4)との間に接続される。
第1分岐管(47)の他端は、主ガス管(43)における主蓄熱用流路(44)の接続部と第2導入管(51)の接続部との間に接続される。第1分岐管(47)には、第3減圧弁(EV3)が接続される。第3減圧弁(EV3)は、例えば電子膨張弁で構成され、その開度を変更することで冷媒の圧力を調節する。第3減圧弁(EV3)は、室内熱交換器(72)が蒸発器となる運転時において、連絡配管(16)の圧力損失や室内ユニット(70)と室外ユニット(20)の設置条件によるヘッド差に起因して、室内熱交換器(72)の蒸発圧力とガス管(41)の圧力差により、蓄熱用熱交換器(63)の圧力が過剰に低くならないように、その開度が調節される。
第2分岐管(48)と第3分岐管(49)とは、主液管(42)と主蓄熱用流路(44)との間に並列に接続されている。第2分岐管(48)及び第3分岐管(49)の一端は、主蓄熱用流路(44)における蓄熱側冷媒流路(63b)と第4電磁弁(SV4)との間に接続される。第2分岐管(48)及び第3分岐管(49)の他端は、主液管(42)における第2電磁弁(SV2)と第2導入管(51)の接続部との間に接続される。第2分岐管(48)には、第4減圧弁(EV4)が接続される。第4減圧弁(EV4)は、例えば電子膨張弁で構成され、その開度を変更することで冷媒の圧力を調節する。第3分岐管(49)には、第6電磁弁(SV6)が接続されている。第6電磁弁(SV6)は、流路を開閉する開閉弁である。
第3分岐管(49)は、暖房蓄熱運転(1)において、室内熱交換器(72)と蓄熱用熱交換器(63)とを繋ぐ直列流路を構成している。
[蓄熱装置]
蓄熱装置(60)は、冷媒回路(11)の冷媒と蓄熱媒体とを熱交換させる蓄熱部を構成している。蓄熱装置(60)は、蓄熱回路(61)と、該蓄熱回路(61)に接続される蓄熱タンク(62)とを有している。蓄熱装置(60)は、蓄熱用熱交換器(63)及び予熱用熱交換器(64)を有している。
蓄熱回路(61)は、充填された蓄熱媒体が循環する閉回路である。蓄熱タンク(62)は、中空筒状の容器である。蓄熱タンク(62)は開放容器であってもよい。蓄熱タンク(62)には、蓄熱媒体が貯留される。蓄熱タンク(62)の上部には、蓄熱タンク(62)内の蓄熱媒体を流出させる流出管(65)(流出部)が接続される。蓄熱タンク(62)の下部には、蓄熱タンク(62)の外部の蓄熱媒体を蓄熱タンク(62)内に流入させる流入管(66)(流入部)が接続される。つまり、蓄熱タンク(62)では、流出管(65)の接続部が流入管(66)の接続部よりも高い位置にある。蓄熱回路(61)には、流出管(65)から流入管(66)に向かって順に、予熱側蓄熱流路(64a)、ポンプ(67)、蓄熱側蓄熱流路(63a)が接続されている。
予熱用熱交換器(64)は、予熱側蓄熱流路(64a)を流れる蓄熱媒体と、予熱側冷媒流路(64b)を流れる冷媒とを熱交換させる。蓄熱用熱交換器(63)は、蓄熱側蓄熱流路(63a)を流れる蓄熱媒体と、蓄熱側冷媒流路(63b)を流れる冷媒とを熱交換させる。ポンプ(67)は、蓄熱回路(61)の蓄熱媒体を循環させる。
蓄熱回路(61)では、蓄熱用熱交換器(63)と蓄熱タンク(62)との間の流路に蓄熱媒体温度センサ(S1)(温度検出部)が設けられる。具体的に、蓄熱媒体温度センサ(S1)は蓄熱タンク(62)に接続された流入管(65)内の蓄熱媒体の温度を検出する位置に設けられる。蓄熱媒体温度センサ(S1)の位置は、これに限らず蓄熱回路(61)の他の位置に設けてもよい。なお、蓄熱媒体温度センサ(S1)は、便宜上、図1のみに図示し、他の図2〜図11、図13、図15での図示は省略している。
[蓄熱媒体]
蓄熱回路(61)に充填される蓄熱媒体について詳細に説明する。蓄熱媒体には、冷却によって包接水和物が生成される蓄熱材、即ち流動性を有する蓄熱材が採用される。蓄熱媒体の具体例としては、臭化テトラnブチルアンモニウムを含有する臭化テトラnブチルアンモニウム(TBAB:Tetra Butyl Ammonium Bromide)水溶液、トリメチロールエタン(TME:Trimethylolethane)水溶液、パラフィン系スラリーなどが挙げられる。例えば、臭化テトラnブチルアンモニウム水溶液は、安定的に冷却されて当該水溶液の温度が水和物生成温度よりも低くなった過冷却状態でもその水溶液の状態を維持するが、この過冷却状態にて何らかのきっかけが与えられると、過冷却の溶液が包接水和物を含んだ溶液(即ちスラリー)へと遷移する。即ち、臭化テトラnブチルアンモニウム水溶液は、過冷却状態を解消して、臭化テトラnブチルアンモニウムと水分子とからなる包接水和物(水和物結晶)が生成されて粘性の比較的高いスラリー状となる。ここで、過冷却状態とは、蓄熱媒体が水和物生成温度以下の温度となっても包接水和物が生成されずに溶液の状態を保っている状態を言う。逆に、スラリー状となっている臭化テトラnブチルアンモニウム水溶液は、加熱により当該水溶液の温度が水和物生成温度よりも高くなると、包接水和物が融解して流動性の比較的高い液状態(溶液)となる。
本実施形態では、上記蓄熱媒体として、臭化テトラnブチルアンモニウムを含有する臭化テトラnブチルアンモニウム水溶液を採用している。特に、上記蓄熱媒体は、調和濃度の近傍の濃度を有する媒体であることが好ましい。本実施形態では、調和濃度を約40%とする。この場合の臭化テトラnブチルアンモニウム水溶液の水和物生成温度は、約12℃である。
〈室内ユニット〉
複数の室内ユニット(70)には、冷媒回路(11)の一部を成す室内回路(71)がそれぞれ設けられる。複数の室内回路(71)は、連絡配管(15)(液管)と連絡配管(16)(ガス管)との間に並列に接続されている。複数の室内回路(71)と上述した主蓄熱用流路(44)とは、液ライン(L1)とガスライン(L2)の間に並列に接続されている。各室内回路(71)には、ガス側端部から液側端部に向かって順に、室内熱交換器(72)と室内膨張弁(73)とがそれぞれ接続されている。
〔室内熱交換器〕
室内熱交換器(72)は、例えばクロスフィン・アンド・チューブ式の熱交換器で構成されている。室内熱交換器(72)の近傍には、室内ファン(74)が設けられている。室内熱交換器(72)では、室内ファン(74)が搬送する空気と、室外熱交換器(23)を流れる冷媒とが熱交換する。
室内回路(71)には、室内熱交換器(72)の液側端部に冷媒温度センサ(S2)が設けられる。冷媒温度センサ(S2)は、詳細は後述する単純暖房運転において、室内熱交換器(72)で凝縮した冷媒の温度が高いことを示す条件、ないし該冷媒の温度が低いことを示す条件が成立するか否かの判定に用いられる。この判定に用いるセンサとして、室内熱交換器(72)で冷媒と熱交換した吹出空気の温度を検出する空気温度検出センサを用いてもよい。なお、冷媒温度センサ(S2)は、便宜上、図1のみに図示し、他の図2〜図11,図13、図15の図示は省略している。
〔室内膨張弁〕
室内膨張弁(73)は、室内熱交換器(72)の液側端部と連絡配管(15)の接続端の間に配置されている。室内膨張弁(73)は、例えば電子膨張弁で構成され、その開度を変更することで冷媒の流量を調節する。
〈コントローラ〉
コントローラ(100)は、各機器を制御する運転制御部を構成している。具体的に、コントローラ(100)は、圧縮機(22)のON/OFFの切換、四方切換弁(25)の状態の切換、各電磁弁(SV1-6)の開閉の切換、各膨張弁(24,45,73)や減圧弁(EV1-4)の開度の調節、各ファン(26,74)のON/OFFの切換、ポンプ(67)のON/OFFの切換等を行う。また、蓄熱式空気調和機(10)には、図示を省略した各種のセンサが設けられている。コントローラ(100)は、これらの検出値に基づいて、上述した各機器を制御する。
コントローラ(100)には、各種の設定値が入力される。具体的に、コントローラ(100)には、第1基準温度T1、第2基準温度T2、冷媒基準温度Tr、循環時間CTが設定されている。第1基準温度は、水和物生成温度(例えば12℃)以上の所定温度(本例では、例えば15℃)に設定される。第2基準温度T2は、第1基準温度より高い所定温度(本例では、例えば17℃)に設定される。冷媒基準温度Trは、詳細は後述する単純暖房運転において、室内熱交換器(72)で凝縮した冷媒の温度が高いか低いかを判定するための指標である。循環時間CTは、詳細は後述する第1動作でポンプ(67)を運転させる実行時間であり、蓄熱回路(61)で蓄熱媒体が1周以上循環する時間(本例では、1分間)に設定されている。
〈蓄熱式空気調和機の運転動作〉
実施形態に係る蓄熱式空気調和機(10)の運転動作について説明する。蓄熱式空気調和機(10)は、単純冷房運転、蓄冷運転、利用冷房運転、冷房蓄冷運転、単純暖房運転、蓄熱運転、利用暖房運転、及び暖房蓄熱運転を切り換えて行う。コントローラ(100)は、これらの各運転を切り換えるように、各機器を制御する。
〔単純冷房運転〕
単純冷房運転では、蓄熱装置(60)が停止し、室内ユニット(70)で室内の冷房が行われる。図2に示す単純冷房運転では、四方切換弁(25)が第1状態に、第1電磁弁(SV1)から第6電磁弁(SV6)のうち第2電磁弁(SV2)、第4電磁弁(SV4)、及び第5電磁弁(SV5)が開状態になり、残りは閉状態になる。第2減圧弁(EV2)及び第4減圧弁(EV4)が全閉状態に、室外膨張弁(24)が全開状態に、第1減圧弁(EV1)及び室内膨張弁(73)の開度が適宜調節される。低圧側の圧縮機(22)、室外ファン(26)、及び室内ファン(74)は作動する。蓄熱装置(60)は、ポンプ(67)が停止状態となり作動しない。単純冷房運転の冷媒回路(11)では、室外熱交換器(23)が凝縮器となり、第1過冷却熱交換器(32)が過冷却器となり、室内熱交換器(72)が蒸発器となる冷凍サイクルが行われる。単純冷房運転では、低圧側のガスライン(L2)と主蓄熱用流路(44)とが連通する。これにより、主蓄熱用流路(44)の内部での液溜まりを回避できる。
圧縮機(22)から吐出された冷媒は、室外熱交換器(23)で凝縮する。凝縮した冷媒の多くは、第2伝熱流路(34)を流れ、残りは第1減圧弁(EV1)で減圧された後、第1伝熱流路(33)を流れる。第1過冷却熱交換器(32)では、第2伝熱流路(34)の冷媒が第1伝熱流路(33)の冷媒によって冷却される。液ライン(L1)に流入した冷媒は、室内膨張弁(73)で減圧された後、室内熱交換器(72)で蒸発する。ガスライン(L2)を流れる冷媒は、第1導入管(31)を流入した冷媒と合流し、圧縮機(22)に吸入される。
〔蓄冷運転〕
蓄冷運転では、蓄熱装置(60)が作動し、蓄熱タンク(62)の蓄熱媒体に冷熱が蓄えられる。図3に示す蓄冷運転では、四方切換弁(25)が第1状態に、第1電磁弁(SV1)から第6電磁弁(SV6)のうち第2電磁弁(SV2)、第3電磁弁(SV3)、及び第4電磁弁(SV4)が開状態になり、残りは閉状態になる。第1減圧弁(EV1)、第2減圧弁(EV2)、第3減圧弁(EV3)、第4減圧弁(EV4)、及び室内膨張弁(73)が全閉状態に、室外膨張弁(24)が全開状態に、蓄熱用膨張弁(45)の開度が適宜調節される。圧縮機(22)、室外ファン(26)は作動し、室内ファン(74)は停止する。蓄熱装置(60)は、ポンプ(67)が運転状態となり作動する。蓄冷運転の冷媒回路(11)では、室外熱交換器(23)が凝縮器となり、予熱用熱交換器(64)が放熱器(冷媒冷却器)となり、蓄熱用熱交換器(63)が蒸発器となる冷凍サイクルが行われる。蓄冷運転では、高圧の液ライン(L1)から室内ユニット(70)までに亘る流路に余剰の冷媒を保持することができる。
圧縮機(22)から吐出された冷媒は、室外熱交換器(23)で凝縮する。凝縮した冷媒は、主蓄熱用流路(44)の予熱側冷媒流路(64b)を流れる。予熱用熱交換器(64)では、蓄熱媒体が冷媒によって加熱される。これにより、蓄熱タンク(62)から流出した包接水和物の核(微小な結晶)が融解する。予熱側冷媒流路(64b)で冷却された冷媒は、予熱用熱交換器(64)で減圧された後、蓄熱側冷媒流路(63b)を流れる。蓄熱用熱交換器(63)では、蓄熱媒体が冷媒によって冷却され、蒸発する。主蓄熱用流路(44)からガスライン(L2)に流入した冷媒は、圧縮機(22)に吸入される。蓄熱タンク(62)には、蓄熱用熱交換器(63)で冷却された蓄熱媒体が貯留される。
〔利用冷房運転〕
利用冷房運転では、蓄熱装置(60)が作動し、蓄熱タンク(62)に蓄えられた蓄熱媒体の冷熱が、室内の冷房に利用される。図4に示す利用冷房運転では、四方切換弁(25)が第1状態に第1電磁弁(SV1)から第6電磁弁(SV6)のうち第3電磁弁(SV3)、第5電磁弁(SV5)、及び第6電磁弁(SV6)が開状態になり、残りは閉状態となる。第1減圧弁(EV1)及び第4減圧弁(EV4)が全閉状態に、室外膨張弁(24)が全開状態に、第2減圧弁(EV2)及び室内膨張弁(73)の開度が適宜調節される。圧縮機(22)、室外ファン(26)、及び室内ファン(74)は作動する。蓄熱装置(60)は、ポンプ(67)が運転状態となり作動する。利用冷房運転の冷媒回路(11)では、室外熱交換器(23)が凝縮器となり、予熱用熱交換器(64)、蓄熱用熱交換器(63)、及び第2過冷却熱交換器(52)が放熱器(冷媒冷却器)となり、室内熱交換器(72)が蒸発器となる冷凍サイクルが行われる。
圧縮機(22)から吐出された冷媒は、室外熱交換器(23)で凝縮する。凝縮した冷媒は、主蓄熱用流路(44)の予熱用熱交換器(64)で冷却され、第1バイパス管(44a)を通過した後、蓄熱用熱交換器(63)で更に冷却される。主蓄熱用流路(44)、第3分岐管(49)を流れて液ライン(L1)に流入した冷媒の多くは、第4伝熱流路(54)を流れ、残りは第2減圧弁(EV2)で減圧された後、第3伝熱流路(53)を流れる。第2過冷却熱交換器(52)では、第4伝熱流路(54)を流れる冷媒が第3伝熱流路(53)の冷媒によって冷却される。第2過冷却熱交換器(52)で冷却された冷媒は、室内膨張弁(73)で減圧された後、室内熱交換器(72)で蒸発する。ガスライン(L2)を流れる冷媒は、第2導入管(51)を流出した冷媒と合流し、圧縮機(22)に吸入される。
〔冷房蓄冷運転〕
冷房蓄冷運転では、蓄熱装置(60)が作動し、蓄熱媒体に冷熱が蓄えられるとともに、室内ユニット(70)で室内の冷房が行われる。図5に示す冷房蓄冷運転では、四方切換弁(25)が第1状態に、第1電磁弁(SV1)から第6電磁弁(SV6)のうち第2電磁弁(SV2)、第3電磁弁(SV3)、及び第4電磁弁(SV4)が開状態になり、残りは閉状態となる。第1減圧弁(EV1)、第3減圧弁(EV3)、及び第4減圧弁(EV4)が全閉状態に、室外膨張弁(24)が全開状態に、第2減圧弁(EV2)、蓄熱用膨張弁(45)、及び室内膨張弁(73)の開度が適宜調節される。圧縮機(22)、室外ファン(26)及び室内ファン(74)は作動する。蓄熱装置(60)は、ポンプ(67)が運転状態となり作動する。冷房蓄冷運転の冷媒回路(11)では、室外熱交換器(23)が凝縮器となり、予熱用熱交換器(64)及び第2過冷却熱交換器(52)が放熱器(冷媒冷却器)となり、蓄熱用熱交換器(63)及び室内熱交換器(72)が蒸発器となる。
圧縮機(22)から吐出された冷媒は、室外熱交換器(23)で凝縮する。凝縮した冷媒は、第2伝熱流路(34)を流れ、主蓄熱用流路(44)と主液管(42)とに分流する。主蓄熱用流路(44)の冷媒は、予熱用熱交換器(64)の蓄熱媒体によって冷却され、蓄熱用膨張弁(45)で減圧される。主液管(42)の冷媒の多くは、第4伝熱流路(54)を流れ、残りは第2減圧弁(EV2)で減圧された後、第3伝熱流路(53)を流れる。第2過冷却熱交換器(52)では、第4伝熱流路(54)を流れる冷媒が第3伝熱流路(53)の冷媒によって冷却される。第2過冷却熱交換器(52)で冷却された冷媒は、室内膨張弁(73)で減圧された後、室内熱交換器(72)で蒸発する。ガスライン(L2)を流れる冷媒は、第2導入管(51)を流出した冷媒と合流し、圧縮機(22)に吸入される。
〔単純暖房運転〕
単純暖房運転では、蓄熱装置(60)が停止し、室内ユニット(70)で室内の暖房が行われる。図6に示す単純暖房運転では、四方切換弁(25)が第2状態に、第1電磁弁(SV1)から第6電磁弁(SV6)のうち第2電磁弁(SV2)が開状態となり、残りは全て閉状態なる。第1減圧弁(EV1)、第2減圧弁(EV2)、第3減圧弁(EV3)、第4減圧弁(EV4)、及び蓄熱用膨張弁(45)が全閉状態に、室内膨張弁(73)及び室外膨張弁(24)の開度が適宜調節される。圧縮機(22)、室外ファン(26)、及び室内ファン(74)は作動する。蓄熱装置(60)は、ポンプ(67)が停止状態となり作動しない。単純暖房運転の冷媒回路(11)では、室内熱交換器(72)が凝縮器となり、室外熱交換器(23)が蒸発器となる冷凍サイクルが行われる。室内膨張弁(73)は、室内熱交換器(72)の出口冷媒の過冷却度を制御する。
圧縮機(22)から吐出された冷媒は、ガスライン(L2)を流れ、室内熱交換器(72)で凝縮する。液ライン(L1)に流出した冷媒は、室外膨張弁(24)で減圧された後、室外熱交換器(23)で蒸発し、圧縮機(22)に吸入される。
〔蓄熱運転〕
蓄熱運転では、蓄熱タンク(62)に温熱を蓄えた蓄熱媒体が貯留される。図7に示す蓄熱運転では、四方切換弁(25)が第2状態に、第1電磁弁(SV1)から第6電磁弁(SV6)のうち第3電磁弁(SV3)、第4電磁弁(SV4)、及び第5電磁弁(SV5)が開状態になり、残りは閉状態となる。第1減圧弁(EV1)、第2減圧弁(EV2)、第3減圧弁(EV3)、第4減圧弁(EV4)、及び室内膨張弁(73)が全閉状態に、室外膨張弁(24)の開度が適宜調節される。圧縮機(22)、室外ファン(26)は作動し、室内ファン(74)は停止する。蓄熱装置(60)は、ポンプ(67)が運転状態となり作動する。蓄熱運転の冷媒回路(11)では、蓄熱用熱交換器(63)及び予熱用熱交換器(64)が凝縮器となり、室外熱交換器(23)が蒸発器となる冷凍サイクルが行われる。
圧縮機(22)から吐出された冷媒は、ガスライン(L2)を流れ、蓄熱用熱交換器(63)で放熱し、第2バイパス管(44a)を通過した後、予熱用熱交換器(64)で更に放熱する。主蓄熱用流路(44)を流出した冷媒は、室外膨張弁(24)で減圧された後、室外熱交換器(23)で蒸発し、圧縮機(22)に吸入される。蓄熱タンク(62)には、蓄熱用熱交換器(63)及び予熱用熱交換器(64)で加熱された蓄熱媒体が貯留される。
〔利用暖房運転〕
利用暖房運転では、蓄熱装置(60)が作動し、蓄熱タンク(62)に蓄えられた蓄熱媒体の温熱が、室内の暖房に利用される。利用暖房運転は、第1利用暖房運転(以下、利用暖房運転(1)という)と、第2利用暖房運転(以下、利用暖房運転(2)という)とに大別される。
[利用暖房運転(1)]
利用暖房運転(1)は、蓄熱用熱交換器(63)で蒸発する冷媒の圧力(MP)と、室外熱交換器(23)で蒸発する冷媒の圧力(LP)との差(MP−LP)が比較的小さくなるような条件下で実行される。例えば冬季において、外気温度が比較的高い一方、蓄熱装置(60)の蓄熱回路(61)の蓄熱媒体の温度が比較的低いような場合が、この条件に相当する。
図8に示す利用暖房運転(1)では、四方切換弁(25)が第2状態に、第1電磁弁(SV1)から第6電磁弁(SV6)のうち第3電磁弁(SV3)及び第5電磁弁(SV5)が開状態になり、残りが閉状態となる。第1減圧弁(EV1)及び室外膨張弁(24)が全開状態に、第2減圧弁(EV2)、第3減圧弁(EV3)が全閉状態に、第4減圧弁(EV4)及び室内膨張弁(73)の開度が適宜調節される。圧縮機(22)及び室内ファン(74)は作動し、室外ファン(26)は停止する。蓄熱装置(60)は、ポンプ(67)が運転状態となり作動する。利用暖房運転(1)の冷媒回路(11)では、室内熱交換器(72)が凝縮器となり、蓄熱用熱交換器(63)が蒸発器となる冷凍サイクルが行われる。
圧縮機(22)から吐出された冷媒は、ガスライン(L2)を流れ、室内熱交換器(72)で凝縮する。液ライン(L1)に流出した冷媒は、その全量が第2分岐管(48)に流入する。第2分岐管(48)では、第4減圧弁(EV4)によって冷媒が低圧まで減圧される。減圧された冷媒は、蓄熱用熱交換器(63)の蓄熱側冷媒流路(63b)を流れ、蓄熱媒体から吸熱して蒸発する。蓄熱用熱交換器(63)で蒸発した冷媒は、第1バイパス管(44a)と通過し、予熱用熱交換器(64)の予熱側冷媒流路(64b)を流れ、蓄熱媒体から吸熱して更に蒸発する。この冷媒は、主蓄熱用流路(44)を流れ、第1導入管(31)と室外熱交換器(23)とに分流する。これらの冷媒は、吸入管(28)で合流し、圧縮機(22)に吸入される。
また、主蓄熱用流路(44)を通過した冷媒は、第1導入管(31)と室外熱交換器(23)とに分流し、圧縮機(22)に吸入される。このため、冷媒の圧力損失を低減でき、圧縮機(22)の動力を軽減できる。この際、第1導入管(31)を流れる冷媒は、第1過冷却熱交換器(32)を流れるが、第1過冷却熱交換器(32)は空気熱交換器でないため、熱ロスも少ない。また、室外ファン(26)は停止状態であるため、冷媒が室外熱交換器(23)を流れても、熱ロスが少ない。このように、利用暖房運転(1)では、低圧ガス冷媒の圧力損失や熱ロスの低減を図ることができる。また、第1導入管(31)は、冷媒を過冷却するための低圧インジェクション管を兼用するので、配管の本数を削減できる。
なお、利用暖房運転(1)において、第1減圧弁(EV1)と室外膨張弁(24)のうち室外膨張弁(24)だけを全閉状態とし、低圧ガス冷媒を第1導入管(31)だけに流してもよい。また、第1減圧弁(EV1)と室外膨張弁(24)のうち第1減圧弁(EV1)だけを全閉状態とし、低圧ガス冷媒を室外熱交換器(23)だけに流してもよい。
[利用暖房運転(2)]
利用暖房運転(2)は、蓄熱用熱交換器(63)で蒸発する冷媒の圧力(MP)と、室外熱交換器(23)で蒸発する冷媒の圧力(LP)との差(MP−LP)が比較的大きくなるような条件下で実行される。例えば冬季において、外気温度が比較的低い一方、蓄熱装置(60)の蓄熱回路(61)の蓄熱媒体の温度が比較的高いような場合が、この条件に相当する。
図9に示す利用暖房運転(2)では、四方切換弁(25)が第2状態に、第1電磁弁(SV1)から第6電磁弁(SV6)のうち第1電磁弁(SV1)、第2電磁弁(SV2)、及び第5電磁弁(SV5)が開状態になり、残りは閉状態となる。第1減圧弁(EV1)、第2減圧弁(EV2)、及び第3減圧弁(EV3)が全閉状態に、第4減圧弁(EV4)、室内膨張弁(73)、及び室外膨張弁(24)の開度が適宜調節される。圧縮機(22)、室外ファン(26)、及び室内ファン(74)は作動する。蓄熱装置(60)は、ポンプ(67)が運転状態となり作動する。利用暖房運転の冷媒回路(11)では、室内熱交換器(72)が凝縮器となり、蓄熱用熱交換器(63)及び室外熱交換器(23)が蒸発器となる冷凍サイクルが行われる。
圧縮機(22)から吐出された冷媒は、ガスライン(L2)を流れ、室内熱交換器(72)で凝縮する。液ライン(L1)に流出した冷媒は、第2分岐管(48)と主液管(42)とに分流する。第2分岐管(48)の冷媒は、第4減圧弁(EV4)で中間圧(冷媒回路(11)の高圧圧力と低圧圧力との間の中間圧力)にまで減圧され、主蓄熱用流路(44)に流出する。主蓄熱用流路(44)の冷媒は、蓄熱用熱交換器(63)及び予熱用熱交換器(64)で加熱され、蒸発する。蒸発した冷媒は、中間中継管(46)、連絡配管(13)、及び中間吸入管(35)を順に流れ、圧縮機(22)の圧縮途中の圧縮室に吸入される。
主液管(42)の冷媒は、室外膨張弁(24)で減圧された後、室外熱交換器(23)で蒸発し、圧縮機(22)の吸入管(28)に吸入される。圧縮機(22)の圧縮室では、吸入管(28)から吸入された低圧冷媒が中間圧まで圧縮された後、中間吸入管(35)から吸入された中間圧冷媒と混合し、高圧圧力まで圧縮される。
利用暖房運転(2)では、外気温度が低く、蓄熱装置(60)の蓄熱回路(61)の蓄熱媒体の温度が比較的高い条件下で実行されるため、蓄熱用熱交換器(63)の冷媒の蒸発圧力MPと、室外熱交換器(23)の冷媒の蒸発圧力LPとの圧力差(MP−LP)とが比較的大きくなる。このため、圧縮機(22)の圧縮室の圧縮途中では、圧縮室の内圧が中間吸入管(35)より導入される冷媒の圧力より大きくなることを抑制でき、中間吸入管(35)の冷媒を圧縮室に確実に導入できる。
しかも、中間吸入管(35)には、圧縮機(22)から主蓄熱用流路(44)へ向かう逆流を禁止する逆止弁(CV1)が設けられている。このため、仮に中間吸入管(35)を流出する冷媒の圧力MPが、圧縮途中の圧縮室の内圧より低くなったとしても、圧縮室の冷媒が中間吸入管(35)を逆流してしまうことがない。なお、逆止弁(CV1)は、中間吸入管(35)のうち圧縮機(22)のケーシング(22a)内に位置する内側配管部(36)に設けてもよい。これにより、圧縮機構の圧縮途中の圧縮室から逆止弁(CV1)までの流路長さを最小限に抑えることができ、ひいては冷媒の圧縮に寄与しない死容積を最小限に抑えることができる。この結果、圧縮機(22)の圧縮効率の低下を防止できる。
また、MP−LPが比較的大きい条件下で冷媒が圧縮されると、圧縮機(22)で冷媒を高圧まで圧縮させるために要する総仕事量が軽減される。この結果、利用暖房運転(2)では、蓄熱媒体の温熱を冷媒に回収させつつ、省エネ性の高い暖房を行うことができる。
〔暖房蓄熱運転〕
暖房蓄熱運転では、蓄熱装置(60)が作動し、蓄熱タンク(62)に温熱が蓄えられるとともに、室内ユニット(70)で室内の暖房が行われる。暖房蓄熱運転は、第1暖房蓄熱運転(以下、暖房蓄熱運転(1)という)と、第2暖房蓄熱運転(以下、暖房蓄熱運転(2)という)とに大別される。
[暖房蓄熱運転(1)]
図10に示す暖房蓄熱運転(1)では、四方切換弁(25)が第2状態に、第1電磁弁(SV1)から第6電磁弁(SV6)のうち第3電磁弁(SV3)、第5電磁弁(SV5)、及び第6電磁弁(SV6)が開状態となり、残りが閉状態となる。第1減圧弁(EV1)、第2減圧弁(EV2)、第3減圧弁(EV3)、第4減圧弁(EV4)、及び蓄熱用膨張弁(45)が全閉状態に、室内膨張弁(73)及び室外膨張弁(24)の開度が適宜調節される。圧縮機(22)、室外ファン(26)、及び室内ファン(74)は作動する。蓄熱装置(60)は、ポンプ(67)が運転状態となり作動する。蓄熱運転の冷媒回路(11)では、室内熱交換器(72)が凝縮器となり、蓄熱用熱交換器(63)及び予熱用熱交換器(64)が放熱器となり、室外熱交換器(23)が蒸発器となる冷凍サイクルが行われる。
圧縮機(22)から吐出された冷媒は、ガスライン(L2)を流れ、その全量が室内熱交換器(72)を流れる。室内熱交換器(72)では、冷媒が室内空気へ放熱して凝縮する。室内熱交換器(72)で凝縮した冷媒は、その全量が第3分岐管(49)を流れ、蓄熱用熱交換器(63)を流れる。蓄熱用熱交換器(63)では、冷媒が蓄熱媒体へ放熱し、蓄熱媒体が加熱される。蓄熱用熱交換器(63)を流れた冷媒は、予熱用熱交換器(64)で更に蓄熱媒体へ放熱し、液ライン(L1)を流れる。この冷媒は、室外熱交換器(23)で蒸発し、圧縮機(22)に吸入される。
以上のように、暖房蓄熱運転(1)では、室内熱交換器(72)で凝縮した冷媒の全量が、蓄熱用熱交換器(63)を流れる。この結果、暖房に利用されなかった余剰の冷媒の熱を蓄熱媒体の温蓄熱に利用できる。
[暖房蓄熱運転(2)]
図11に示す暖房蓄熱運転(2)では、四方切換弁(25)が第2状態に、第1電磁弁(SV1)から第6電磁弁(SV6)のうち第2電磁弁(SV2)、第3電磁弁(SV3)、第4電磁弁(SV4)、第5電磁弁(SV5)が開状態となり、残りが閉状態となる。第1減圧弁(EV1)、第2減圧弁(EV2)、第3減圧弁(EV3)、及び第4減圧弁(EV4)が全閉状態に、室内膨張弁(73)及び室外膨張弁(24)の開度が適宜調節される。圧縮機(22)、室外ファン(26)、及び室内ファン(74)は作動する。蓄熱装置(60)は、ポンプ(67)が運転状態となり作動する。蓄熱運転の冷媒回路(11)では、室内熱交換器(72)及び蓄熱用熱交換器(63)が凝縮器となり、予熱用熱交換器(64)が放熱器となり、室外熱交換器(23)が蒸発器となる冷凍サイクルが行われる。
圧縮機(22)から吐出された冷媒は、ガスライン(L2)を流れ、一部が室内熱交換器(72)を流れ、残りが主蓄熱用流路(44)を流れる。室内熱交換器(72)では、冷媒が室内空気へ放熱して凝縮する。室内熱交換器(72)で凝縮した冷媒は、主液管(42)を流れる。
主蓄熱用流路(44)の冷媒は、蓄熱用熱交換器(63)で蓄熱媒体へ放熱して凝縮する。この冷媒は、高温高圧のガス冷媒であるため、冷媒と蓄熱媒体との温度差が大きくなり、蓄熱媒体に確実に温熱を付与することができる。蓄熱用熱交換器(63)で凝縮した冷媒は、主液管(42)を流れる冷媒と合流し、室外膨張弁(24)で減圧される。減圧後の冷媒は、室外熱交換器(23)で蒸発し、圧縮機(22)に吸入される。
以上のように、暖房蓄熱運転(2)では、圧縮機(22)から吐出された高温高圧のガス冷媒が、室内熱交換器(72)と蓄熱用熱交換器(63)との双方へ並列に流れ、各々で凝縮する。この結果、室内の暖房を継続しつつ、蓄熱媒体に温熱を確実に付与させることができる。
〈蓄熱式空気調和機の停止中の制御〉
蓄熱式空気調和機(10)の運転の停止時には、圧縮機(22)及びポンプ(67)が停止する。このため、冷媒回路(11)では冷凍サイクルが行われず、蓄熱回路(61)では蓄熱媒体が循環しない。例えば冬季では、蓄熱ユニット(40)の周囲温度が低くなるため、蓄熱タンク(62)や蓄熱回路(61)を構成する配管の温度も低くなる。特に、蓄熱ユニット(40)は室外に設置されるため、このような温度の低下は顕著となる。
このような条件下において、蓄熱式空気調和機(10)の停止状態が続くと、蓄熱回路(61)の蓄熱媒体の温度が徐々に低下していく。この蓄熱媒体の温度が上述した水和物生成温度未満になると、溶液中で包接水和物が発生し、この包接水和物の結晶が徐々に成長していく。蓄熱用熱交換器(63)やその他の配管において、この結晶が蓄積すると、蓄熱用熱交換器(63)の伝熱効率が低下したり、配管が閉塞したりする問題が生じる。そこで、本実施形態では、蓄熱式空気調和機(10)の停止中において、以下の制御を行う。
図12に示すように、蓄熱式空気調和機(10)の停止時には、ポンプ(67)及び圧縮機(22)が停止状態となり、蓄熱媒体の温度が徐々に低下していく。これに伴い、蓄熱媒体温度センサ(S1)で検出される蓄熱媒体の温度Taも徐々に低下していく。例えば時点t1において、この蓄熱媒体の検出温度Taが第1基準温度T1より低くなる第1条件が成立すると、コントローラ(100)は、停止状態のポンプ(67)を運転させる第1動作を実行させる(図13を参照)。第1動作は、コントローラ(100)に設定された循環時間RT(例えば1分間)継続して行われる。第1動作では、圧縮機(22)は停止したままである。
蓄熱回路(61)では、特に蓄熱タンク(62)の断熱性が他の配管よりも高く、蓄熱タンク(62)の蓄熱媒体の温度が高い傾向にある。また、蓄熱回路(61)では、蓄熱ユニット(40)の設置面から近い(即ち、絶対的な高さが小さい)箇所の蓄熱媒体の温度が低くなり易い。逆に、蓄熱回路(61)では、蓄熱ユニット(40)の設置面から遠い(即ち、絶対的な高さが大きい)箇所の蓄熱媒体の温度が高くなり易い。このため、第1動作により、蓄熱回路(61)の蓄熱媒体が循環すると、比較的温度が低い傾向となる検出温度Taが上昇する。つまり、蓄熱回路(61)では、蓄熱媒体の温度が均一化され、蓄熱媒体の温度が局所的に低くなってしまうことを回避できる。この結果、蓄熱回路(61)の蓄熱媒体が、水和物生成温度未満となることを回避でき、更には包接水和物の結晶化を回避できる。また、ポンプ(67)の熱により、蓄熱媒体を昇温することも期待できる。
第1動作が所定時間(1分)継続された後には、コントローラ(100)の判定部(図示省略)により、検出温度Taが第2基準温度T2以上である第2条件が成立するか否かの判定が行われる。図12に示すように、例えば時点t2において、検出温度Taが第2基準温度T2以上であると、コントローラ(100)は、ポンプ(67)を停止させる第2動作を実行させる。これにより、過剰にポンプ(67)の運転時間が長くなることを抑制でき、ポンプ動力の削減を図ることができる。
第2動作によりポンプ(67)が停止状態となると、検出温度Taが再び低下していく。そして、例えば時点t3において、検出温度Taが再び第1基準温度T1より低くなる第1条件が成立すると、第1動作が再び実行される。
蓄熱回路(61)の蓄熱媒体の温度が均一化されていくと、第1動作を行ったとしても、蓄熱媒体の温度は上昇し難くなる。このため、図12に示すように、第1動作を行っても、蓄熱媒体が第2基準温度未満となり、その後、検出温度Taが再び低下してしまうことがある。そこで、第1動作を実行しても、検出温度Taが第2基準温度未満である第3条件が成立する場合、コントローラ(100)は、第3動作を実行させる。
具体的に、例えば本例の第3動作は、上述した蓄熱運転(図7を参照)に相当する。つまり、第3動作では、圧縮機(22)及びポンプ(67)が運転され、蓄熱用熱交換器(63)が凝縮器となり、室外熱交換器(23)が蒸発器となる。この結果、第3動作では、高圧冷媒の熱が蓄熱媒体に付与されるため、蓄熱媒体を確実に昇温させることができる。この結果、蓄熱媒体の温度が水和物生成温度より低くなることを確実に防止でき、包接水和物の結晶化を未然に回避できる。
〈単純暖房運転中の制御〉
上述した単純暖房運転(図6を参照)では、蓄熱装置(60)が作動せず、ポンプ(67)が停止状態となる。このため、例えば冬季においては、蓄熱媒体の温度が徐々に低下し、水和物生成温度より低くなってしまうおそれがある。そこで、本実施形態の単純暖房運転では、以下の制御を行う。
図14に示すように、単純暖房運転時には、ポンプ(67)は停止状態となり、圧縮機(22)は運転状態となる。このため、蓄熱媒体の検出温度Taは徐々に低下していく。例えば時点t1において、この蓄熱媒体の温度Taが第1基準温度T1より低くなる第1条件が成立すると、コントローラ(100)の判定部は、室内熱交換器(72)で凝縮した冷媒の温度が高いことを示す第4条件ないし室内熱交換器(72)で凝縮した冷媒の温度が低いことを示す第5条件が成立するか否かの判定を行う。具体的に、コントローラ(100)の判定部は、単純暖房運転時に室内熱交換器(72)で凝縮した冷媒の温度Tbと、予め設定された冷媒基準温度Tsとを比較する。ここで、冷媒の温度Tbが冷媒基準温度Tsより高いと、上記第4条件が成立したと判定する。この場合、図14に示すように、コントローラ(100)は、第1暖房蓄熱運転(暖房蓄熱運転(1))を実行させる。
即ち、コントローラ(100)は、単純暖房運転において、ポンプ(67)を運転させ、第6電磁弁(SV6)を開放状態とする。この結果、図10に示すように、圧縮機(22)で圧縮された冷媒の全量が室内熱交換器(72)、蓄熱用熱交換器(63)を順に流れる暖房蓄熱運転(1)が実行される。この条件下の暖房蓄熱運転(1)では、室内熱交換器(72)を流れた冷媒の温度が十分に高いため、この冷媒により蓄熱媒体を十分に加熱することができ、且つ室内の暖房を継続して行うことができる。
一方、図15に示すように、単純暖房運転時において、蓄熱媒体の検出温度Taが第1基準温度T1より低くなり、且つ冷媒の温度Tbが冷媒基準温度Ts以下であったとする。この場合、コントローラ(100)の判定部は、室内熱交換器(72)で凝縮した冷媒の温度が低いことを示す第5条件が成立したと判定する。すると、図15に示すように、コントローラ(100)は、第2暖房蓄熱運転(暖房蓄熱運転(2))を実行させる。
即ち、コントローラ(100)は、単純暖房運転において、ポンプ(67)を運転させ、第4電磁弁(SV4)を開放状態とする。この結果、図11に示すように、圧縮機(22)で圧縮された冷媒が室内熱交換器(72)と蓄熱用熱交換器(63)の双方に分流し、各々で蒸発する。この結果、室内の暖房を継続しつつ、蓄熱媒体を確実に昇温させることができる。
−実施形態の効果−
上記実施形態によれば、蓄熱式空気調和機(10)の停止中に蓄熱媒体の温度が第1基準温度より低くなると、ポンプ(67)を運転させるため、蓄熱回路(61)での蓄熱媒体の循環により、蓄熱媒体の温度を昇温できる。従って、例えば圧縮機(22)の熱エネルギーを用いることなく、蓄熱回路(61)での包接水和物の結晶化を防止できる。この結果、この結晶の成長に起因して蓄熱用熱交換器(63)の熱伝達率が低下したり、配管が完全に閉塞したりする問題を未然に回避できる。
図12に示す第1動作を所定時間実行した後、蓄熱媒体の温度が第2基準温度より高くなると、ポンプ(67)を停止させるため、ポンプ(67)の運転時間を短くできる。この結果、ポンプ(67)の動力を削減でき、省エネ性の向上を図ることができる。
図12に示す第1動作で所定時間だけポンプ(67)を運転したとしても、蓄熱媒体の温度が第2基準温度未満であると、圧縮機(22)及びポンプ(67)を運転しながら高圧冷媒の熱を蓄熱媒体に付与する第3動作(図7に示す蓄熱運転)が行われる。これにより、蓄熱媒体の温度を水和物生成温度まで確実に昇温させることができる。
図6に示す単純暖房運転中では、蓄熱媒体の温度が第1基準温度より低くなる第1条件が成立すると、暖房蓄熱運転を行うため、室内の暖房を継続しつつ、蓄熱回路(61)で包接水和物が結晶化してしまうのを未然に回避できる。特に、単純暖房運転中において、第1条件が成立し、且つ室内熱交換器(72)で凝縮した後の冷媒の温度が高いことを示す第4条件が成立すると、図10に示す暖房蓄熱運転(1)が行われる。これにより、暖房運転を継続しながら余剰の冷媒の熱を蓄熱媒体に回収でき、且つ蓄熱回路(61)で包接水和物が結晶化してしまうのを未然に回避できる。
単純暖房運転中において、第1条件が成立し、且つ室内熱交換器(72)で凝縮した後の冷媒の温度が低いことを示す第5条件が成立すると、図11に示す暖房蓄熱運転(2)が行われる。これにより、蓄熱回路(61)で包接水和物が結晶化してしまうのを確実に回避できる。
上記実施形態では、図1に示すように、蓄熱回路(61)のうち蓄熱媒体の温度が比較的低い箇所(流入管(66)の蓄熱媒体の検出温度Ta)に基づき、蓄熱媒体を昇温させる制御を行っているため、蓄熱回路(61)で包接水和物が結晶化してしまうことを一層確実に防止できる。
《その他の実施形態》
単純暖房運転において、図12と同様にして、第1動作、第2動作、及び第3動作を行ってもよい。つまり、単純暖房運転において、蓄熱媒体の検出温度Taが第1基準温度より低くなる第1条件が成立すると、図15に示すポンプ(67)を運転させる第1動作を行ってもよい。そして、その後、検出温度Taが第2基準温度より高くなる第2条件が成立すると、第2動作(ポンプを停止させる動作)を行い、検出温度Taが第2基準温度未満である第3条件が成立すると、第3動作(蓄熱運転、第1暖房蓄熱運転、第2暖房蓄熱運転)を行うようにしてもよい。
上記実施形態では、単段圧縮式の冷凍サイクルを行う蓄熱式空気調和機である。しかしながら、冷媒を2段階に圧縮する二段圧縮式の冷凍サイクルを行う蓄熱式空気調和機に本発明に係る暖房蓄熱運転を適用してもよい。ここで、圧縮機(22)は、低段側圧縮機構と高段側圧縮機構を1つのケーシングに収納し、同一の回転軸で回転させる一軸型二段圧縮機であってもよいし、低段側圧縮機構と高段側圧縮機構を個別のケーシングに収納する二段圧縮機構であってもよい。
以上説明したように、本発明は、蓄熱式空気調和機について有用である。
10 蓄熱式空気調和機
11 冷媒回路
22 圧縮機
23 室外熱交換器
61 蓄熱回路
62 蓄熱タンク
63 蓄熱用熱交換器
66 流入管
67 ポンプ
72 室内熱交換器
100 運転制御部(コントローラ)
S1 蓄熱媒体温度センサ(温度検出部)

Claims (7)

  1. 蓄熱式空気調和機であって、
    圧縮機(22)と、室外熱交換器(23)と、室内熱交換器(72)とが接続され、冷媒が循環して冷凍サイクルが行われる冷媒回路(11)と、
    冷却されることによって包接水和物が生成される蓄熱媒体と上記冷媒回路(11)の冷媒とを熱交換させる蓄熱用熱交換器(63)と、該蓄熱媒体を循環させるポンプ(67)と、該蓄熱媒体が貯留される蓄熱タンク(62)とが接続される蓄熱回路(61)と、
    上記蓄熱回路(61)の蓄熱媒体の温度を検出する温度検出部(S1)と、
    上記ポンプ(67)の停止時に、上記温度検出部(S1)で検出した蓄熱媒体の温度が、該蓄熱媒体の水和物生成温度以上の第1基準温度より低くなる第1条件が成立すると、上記ポンプ(67)を運転させるように構成される運転制御部(100)とを備えている
    ことを特徴とする蓄熱式空気調和機。
  2. 請求項1において、
    上記運転制御部(100)は、上記第1条件が成立し上記ポンプ(67)を所定時間運転した後、上記温度検出部(S1)で検出した温度が、上記第1基準温度より高い第2基準温度以上になる第2条件が成立すると、上記ポンプ(67)を停止させる
    ことを特徴とする蓄熱式空気調和機。
  3. 請求項1又は2において、
    上記運転制御部(100)は、上記第1条件が成立し上記ポンプ(67)を所定時間運転した後、上記温度検出部(S1)で検出した温度が、上記第1基準温度より高い第2基準温度未満である第3条件が成立すると、上記ポンプ(67)及び上記圧縮機(22)が運転状態となりながら、上記冷媒回路(11)の高圧冷媒の熱を上記蓄熱用熱交換器(63)を介して上記蓄熱媒体に付与する
    ことを特徴とする蓄熱式空気調和機。
  4. 請求項1において、
    上記ポンプ(67)は、上記圧縮機(22)が作動し、上記室内熱交換器(72)で冷媒が凝縮し、上記室外熱交換器(23)で冷媒が蒸発する単純暖房運転中に停止するように構成され、
    上記運転制御部(100)は、上記単純暖房運転中に上記第1条件が成立すると、上記ポンプ(67)を運転させるとともに、上記室内熱交換器(72)で冷媒が凝縮し、且つ高圧冷媒が上記蓄熱用熱交換器(63)を介して蓄熱媒体を加熱する暖房蓄熱運転を行うように構成される
    ことを特徴とする蓄熱式空気調和機。
  5. 請求項4において、
    上記運転制御部(100)は、上記単純暖房運転中に上記第1条件が成立し、且つ上記室内熱交換器(72)で凝縮した後の冷媒の温度が高いことを示す第4条件が成立すると、上記圧縮機(22)で圧縮された高圧ガス冷媒の全量を上記室内熱交換器(72)で凝縮させ、凝縮した冷媒の全量を上記蓄熱用熱交換器(63)に流す第1の上記暖房蓄熱運転を実行させる
    ことを特徴とする蓄熱式空気調和機。
  6. 請求項4において、
    上記運転制御部(100)は、上記単純暖房運転中に上記第1条件が成立し、且つ上記室内熱交換器(72)で凝縮した後の冷媒の温度が低いいことを示す第5条件が成立すると、上記圧縮機(22)で圧縮された高圧冷媒が上記室内熱交換器(72)と上記蓄熱用熱交換器(63)とに並行に流れて凝縮する第2の上記暖房蓄熱運転を実行させる
    ことを特徴とする蓄熱式空気調和機。
  7. 請求項1乃至6のいずれか1つにおいて、
    上記蓄熱タンク(62)には、該蓄熱タンク(62)の下部に蓄熱媒体を流入させる流入管(66)が接続され、
    上記温度検出部(S1)は、上記流入管(66)の蓄熱媒体の温度を検出するように構成される
    ことを特徴とする蓄熱式空気調和機。
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