本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、以下で説明する実施形態および変形例は、本質的に好ましい例示であって、本発明、その適用物、あるいはその用途の範囲を制限することを意図するものではない。
《発明の実施形態1》
本発明の実施形態1について、図1を参照しながら説明する。本実施形態の給湯空調システム(10)は、冷媒回路(15)と、給湯装置(70)と、蓄熱装置(90)とを備えている。また、給湯空調システム(10)は、室外ファン(11)と、室内ファン(12)とを備えている。
〈冷媒回路〉
冷媒回路(15)は、冷媒が充填された閉回路である。この冷媒回路(15)は、圧縮機(16)と、四方切換弁(17)と、熱源側通路を形成する熱源側配管(20)と、給湯側通路を形成する給湯側配管(25)と、蓄熱側通路を形成する蓄熱側配管(30)と、利用側通路を形成する利用側配管(35)と、接続用配管(18)とを備えている。また、冷媒回路(15)は、六つのバイパス用配管(51〜56)と、八つの三方弁(61〜68)とを備えている。
熱源側配管(20)には、その一端から他端へ向かって順に、熱源側熱交換器(21)と熱源側膨張弁(22)とが配置されている。つまり、熱源側配管(20)では、熱源側熱交換器(21)の液側に熱源側膨張弁(22)が配置されている。給湯側配管(25)には、その一端から他端へ向かって順に、給湯側熱交換器(26)と給湯側膨張弁(29)とが配置されている。つまり、給湯側配管(25)では、給湯側熱交換器(26)の液側に給湯側膨張弁(29)が配置されている。蓄熱側配管(30)には、蓄熱側熱交換器(31)が配置されている。利用側配管(35)には、その一端から他端へ向かって順に、利用側熱交換器(36)と利用側膨張弁(37)とが配置されている。つまり、利用側配管(35)では、利用側熱交換器(36)の液側に利用側膨張弁(37)が配置されている。
圧縮機(16)は、吐出側が四方切換弁(17)の第1のポートに接続され、吸入側が四方切換弁(17)の第2のポートに接続されている。冷媒回路(15)では、四方切換弁(17)の第3のポートから第4のポートへ向かって順に、熱源側配管(20)と、給湯側配管(25)と、接続用配管(18)と、蓄熱側配管(30)と、利用側配管(35)とが配置されている。また、冷媒回路(15)では、熱源側配管(20)の一端と四方切換弁(17)の間に第1三方弁(61)が、熱源側配管(20)の他端と給湯側配管(25)の一端の間に第4三方弁(64)が、給湯側配管(25)の他端と接続用配管(18)の一端の間に第3三方弁(63)が、接続用配管(18)の他端と蓄熱側配管(30)の一端の間に第7三方弁(67)が、蓄熱側配管(30)の他端と利用側配管(35)の一端の間に第8三方弁(68)が、利用側配管(35)の他端と四方切換弁(17)の間に第5三方弁(65)が、それぞれ配置されている。
第1バイパス用配管(51)は、一端が第1三方弁(61)に接続され、他端が第2三方弁(62)に接続されている。第2バイパス用配管(52)は、一端が第2三方弁(62)に接続され、他端が第3三方弁(63)に接続されている。第3バイパス用配管(53)は、一端が第2三方弁(62)に接続され、他端が第4三方弁(64)に接続されている。これらのバイパス用配管(51,52,53)及び三方弁(61,62,63,64)は、第1バイパス通路(41)を構成している。
第1バイパス通路(41)は、第1状態と第2状態と第3状態とに切り換わる。第1バイパス通路(41)が第1状態となっている場合、冷媒回路(15)を循環する冷媒は、給湯側配管(25)を流れ、熱源側配管(20)をバイパスする。第1バイパス通路(41)が第2状態となっている場合、冷媒回路(15)を循環する冷媒は、給湯側配管(25)をバイパスし、熱源側配管(20)を流れる。第1バイパス通路(41)が第3状態となっている場合、冷媒回路(15)を循環する冷媒は、給湯側配管(25)と熱源側配管(20)の両方をバイパスする。これら三つの状態の切り換えは、三方弁(61,62,63,64)を操作することによって行われる。各状態における三方弁(61,62,63,64)の状態は後述する。
第4バイパス用配管(54)は、一端が第5三方弁(65)に接続され、他端が第6三方弁(66)に接続されている。第5バイパス用配管(55)は、一端が第6三方弁(66)に接続され、他端が第7三方弁(67)に接続されている。第6バイパス用配管(56)は、一端が第6三方弁(66)に接続され、他端が第8三方弁(68)に接続されている。これらのバイパス用配管(54,55,56)及び三方弁(65,66,67,68)は、第2バイパス通路(42)を構成している。
第2バイパス通路(42)は、第1状態と第2状態と第3状態とに切り換わる。第2バイパス通路(42)が第1状態となっている場合、冷媒回路(15)を循環する冷媒は、蓄熱側配管(30)を流れ、利用側配管(35)をバイパスする。第2バイパス通路(42)が第2状態となっている場合、冷媒回路(15)を循環する冷媒は、蓄熱側配管(30)をバイパスし、利用側配管(35)を流れる。第2バイパス通路(42)が第3状態となっている場合、冷媒回路(15)を循環する冷媒は、第2バイパス通路(42)を構成するバイパス用配管(54,55,56)には流入せず、蓄熱側配管(30)と利用側配管(35)の両方を流れる。これら三つの状態の切り換えは、三方弁(65,66,67,68)を操作することによって行われる。各状態における三方弁(65,66,67,68)の状態は後述する。
圧縮機(16)は、圧縮機構と電動機が一つのケーシングに収容された全密閉型圧縮機である。この圧縮機(16)の圧縮機構は、ローリングピストン型または揺動ピストン型のロータリ式流体機械である。なお、圧縮機(16)の圧縮機構は、スクロール型のロータリ式流体機械であってもよい。
四方切換弁(17)は、第1のポートが第3のポートと連通し且つ第2のポートが第4のポートと連通する第1状態(図1に実線で示す状態)と、第1のポートが第4のポートと連通し且つ第2のポートが第3のポートと連通する第2状態(図1に破線で示す状態)とに切り換わる。
熱源側熱交換器(21)は、いわゆるクロスフィン型の熱交換器である。この熱源側熱交換器(21)は、冷媒を室外ファン(11)によって供給された室外空気と熱交換させる。
給湯側熱交換器(26)は、一次側流路(27)と二次側流路(28)とが複数ずつ形成されたプレート式熱交換器であり、一次側流路(27)を流れる流体と二次側流路(28)を流れる流体とを熱交換させる。給湯側熱交換器(26)の一次側流路(27)には、冷媒回路(15)の給湯側配管(25)が接続されている。給湯側熱交換器(26)の二次側流路(28)には、後述する給湯装置(70)の給湯用冷媒回路(80)が接続されている。
蓄熱側熱交換器(31)は、一次側流路(32)と二次側流路(33)とが複数ずつ形成されたプレート式熱交換器であり、一次側流路(32)を流れる流体と二次側流路(33)を流れる流体とを熱交換させる。蓄熱側熱交換器(31)の一次側流路(27)には、冷媒回路(15)の蓄熱側配管(30)が接続されている。蓄熱側熱交換器(31)の二次側流路(28)には、後述する蓄熱装置(90)の蓄熱媒体回路(92)が接続されている。
利用側熱交換器(36)は、いわゆるクロスフィン型の熱交換器である。この利用側熱交換器(36)は、冷媒を室内ファン(12)によって供給された室内空気と熱交換させる。
熱源側膨張弁(22)、給湯側膨張弁(29)、及び利用側膨張弁(37)のそれぞれは、開度可変の電動膨張弁である。
〈給湯装置〉
給湯装置(70)は、貯湯槽(71)と、水回路(74)と、給湯用冷媒回路(80)とを備えている。
貯湯槽(71)は、円筒形のタンクであって、起立した状態で設置されている。貯湯槽(71)は、その底部に給水管(72)が接続され、その頂部に給湯管(73)が接続されている。この貯湯槽(71)は、給湯用の温水を蓄える。貯湯槽(71)内の温水は、給湯管(73)を通って給湯栓や浴槽などへ供給される。貯湯槽(71)には、給湯管(73)から流出した温水と同量の水が、給水管(72)から補充される。
水回路(74)は、その入口端が貯湯槽(71)の底部に接続され、その出口端が貯湯槽(71)の頂部に接続されている。水回路(74)には、ポンプ(75)が設けられている。また、水回路(74)におけるポンプ(75)の吐出側には、後述する加熱用熱交換器(83)が配置されている。
給湯用冷媒回路(80)は、冷媒が充填された閉回路である。この給湯用冷媒回路(80)は、給湯用圧縮機(81)と、加熱用熱交換器(83)と、給湯用膨張弁(82)とを備え、給湯側熱交換器(26)の二次側流路(28)に接続している。給湯用冷媒回路(80)では、給湯用圧縮機(81)の吐出側から吸入側へ向かって順に、加熱用熱交換器(83)と、給湯用膨張弁(82)と、給湯側熱交換器(26)とが配置されている。
給湯用圧縮機(81)は、圧縮機構と電動機が一つのケーシングに収容された全密閉型圧縮機である。この給湯用圧縮機(81)の圧縮機構は、ローリングピストン型または揺動ピストン型のロータリ式流体機械である。
加熱用熱交換器(83)は、一次側流路(84)と二次側流路(85)とが複数ずつ形成されたプレート式熱交換器であり、一次側流路(84)を流れる流体と二次側流路(85)を流れる流体とを熱交換させる。加熱用熱交換器(83)の一次側流路(84)には、給湯用冷媒回路(80)が接続されている。加熱用熱交換器(83)の二次側流路(85)には、水回路(74)が接続されている。
〈蓄熱装置〉
蓄熱装置(90)は、蓄熱槽(91)と、蓄熱媒体回路(92)とを備えている。
蓄熱槽(91)は、直方体状のタンクである。この蓄熱槽(91)は、冷熱や温熱を潜熱として蓄える蓄熱媒体(いわゆる潜熱蓄熱媒体)を貯留している。潜熱蓄熱媒体の一例としては、TBAB(臭化テトラnブチルアンモニウム)の水溶液、TME(トリメチロールエタン)の水溶液、パラフィン系スラリーが挙げられる。
蓄熱媒体回路(92)は、その入口端が蓄熱槽(91)の底部に接続され、その出口端が貯湯槽(71)の頂部に接続されている。蓄熱媒体回路(92)には、ポンプ(93)と調節弁(94)とが設けられている。蓄熱媒体回路(92)では、ポンプ(93)の吐出側に、調節弁(94)と蓄熱側熱交換器(31)の二次側流路(33)とが配置されている。
−運転動作−
給湯空調システム(10)の運転動作を説明する。給湯空調システム(10)は、第1蓄冷運転と、第2蓄冷運転と、第1利用冷房運転と、第2利用冷房運転と、単純冷房運転と、蓄熱暖房運転と、湯沸かし運転と、利用暖房運転と、単純暖房運転とを行う。
〈第1蓄冷運転〉
第1蓄冷運転について、図2を参照しながら説明する。第1蓄冷運転では、給湯空調システム(10)が第1動作を行う。つまり、給湯空調システム(10)では、給湯装置(70)が貯湯槽(71)内の水を加熱する運転を行い、この給湯装置(70)の運転によって得られた冷熱を蓄熱装置(90)が蓄熱槽(91)に蓄える。また、この第1蓄冷運転では、室外ファン(11)及び室内ファン(12)が停止する。
冷媒回路(15)は、給湯側熱交換器(26)が凝縮器(即ち、放熱器)となり、蓄熱側熱交換器(31)が蒸発器となる冷凍サイクルを行う。具体的に、冷媒回路(15)では、圧縮機(16)が作動し、四方切換弁(17)が第1状態に設定される。また、給湯側膨張弁(29)は、蓄熱側熱交換器(31)の一次側流路(32)の出口における冷媒の過熱度が所定の目標値となるように、その開度が調節される。
冷媒回路(15)では、第1バイパス通路(41)が第1状態に設定される。第1状態に設定された第1バイパス通路(41)では、各三方弁(61,62,63,64)が次のような状態になる。第1三方弁(61)は、四方切換弁(17)の第3のポートを第1バイパス用配管(51)と連通させて熱源側配管(20)から遮断する。第2三方弁(62)は、第1バイパス用配管(51)を第3バイパス用配管(53)と連通させて第2バイパス用配管(52)から遮断する。第3三方弁(63)は、給湯側配管(25)を接続用配管(18)と連通させて第2バイパス用配管(52)から遮断する。第4三方弁(64)は、第3バイパス用配管(53)を給湯側配管(25)と連通させて熱源側配管(20)から遮断する。
冷媒回路(15)では、第2バイパス通路(42)が第1状態に設定される。第1状態に設定された第2バイパス通路(42)では、各三方弁(65,66,67,68)が次のような状態になる。第5三方弁(65)は、第4バイパス用配管(54)を四方切換弁(17)の第4のポートと連通させて利用側配管(35)から遮断する。第6三方弁(66)は、第6バイパス用配管(56)を第4バイパス用配管(54)と連通させて第5バイパス用配管(55)から遮断する。第7三方弁(67)は、接続用配管(18)を蓄熱側配管(30)と連通させて第5バイパス用配管(55)から遮断する。第8三方弁(68)は、蓄熱側配管(30)を第6バイパス用配管(56)と連通させて利用側配管(35)から遮断する。
冷媒回路(15)における冷媒の流れを説明する。圧縮機(16)から吐出された冷媒は、四方切換弁(17)と、第1バイパス用配管(51)と、第3バイパス用配管(53)とを順に通過し、給湯側配管(25)へ流入する。給湯側配管(25)へ流入した冷媒は、給湯側熱交換器(26)の一次側流路(27)を通過する間に放熱して凝縮し、続いて給湯側膨張弁(29)を通過する際に減圧され、その後に接続用配管(18)と通って蓄熱側配管(30)へ流入する。蓄熱側配管(30)へ流入した冷媒は、蓄熱側熱交換器(31)の一次側流路(32)を通過する間に吸熱して蒸発する。その後、冷媒は、第6バイパス用配管(56)と、第4バイパス用配管(54)と、四方切換弁(17)とを順に通過して圧縮機(16)へ吸入される。圧縮機(16)は、吸入した冷媒を圧縮してから吐出する。
第1蓄冷運転では、給湯装置(70)の給湯用圧縮機(81)が作動し、給湯用冷媒回路(80)が冷凍サイクルを行う。その際、給湯用膨張弁(82)は、給湯側熱交換器(26)の二次側流路(28)の出口における冷媒の過熱度が所定の目標値となるように、その開度が調節される。また、第1蓄冷運転では、水回路(74)のポンプ(75)が作動し、貯湯槽(71)と加熱用熱交換器(83)の間を水が循環する。
給湯用冷媒回路(80)における冷媒の流れを説明する。給湯用圧縮機(81)から吐出された冷媒は、加熱用熱交換器(83)の一次側流路(84)を通過する際に放熱して凝縮する。加熱用熱交換器(83)から流出した冷媒は、給湯用膨張弁(82)を通過する際に減圧され、その後に給湯側熱交換器(26)の二次側流路(28)へ流入する。給湯側熱交換器(26)の二次側流路(28)を流れる冷媒は、その二次側流路(28)を流れる冷媒から吸熱して蒸発する。その後、冷媒は、給湯用圧縮機(81)へ吸入される。給湯用圧縮機(81)は、吸入した冷媒を圧縮してから吐出する。
水回路(74)における水の流れを説明する。蓄熱槽(91)の底部に存在する低温の水は、ポンプ(75)によって加熱用熱交換器(83)の二次側流路(85)へ送られ、その一次側流路(84)を流れる冷媒によって加熱される。そして、加熱されて高温となった水は、貯湯槽(71)の頂部へ送り返される。
第1蓄冷運転では、蓄熱媒体回路(92)のポンプ(93)が作動し、蓄熱槽(91)と蓄熱側熱交換器(31)の間を蓄熱媒体が循環する。蓄熱槽(91)内の蓄熱媒体は、ポンプ(93)によって蓄熱側熱交換器(31)の二次側流路(33)へ送られ、その一次側流路(32)を流れる冷媒によって冷却される。蓄熱側熱交換器(31)において冷却された蓄熱媒体は、蓄熱槽(91)へ送り返される。その結果、蓄熱側熱交換器(31)において蓄熱媒体に付与された冷熱が、蓄熱槽(91)内に蓄えられる。
〈第2蓄冷運転〉
第2蓄冷運転について、図3を参照しながら説明する。第2蓄冷運転では、給湯空調システム(10)が第2動作を行う。つまり、給湯空調システム(10)では、給湯装置(70)が停止し、蓄熱装置(90)が冷熱を蓄熱槽(91)に蓄える。また、この第2蓄冷運転では、室外ファン(11)が作動し、室内ファン(12)が停止する。
冷媒回路(15)は、熱源側熱交換器(21)が凝縮器(即ち、放熱器)となり、蓄熱側熱交換器(31)が蒸発器となる冷凍サイクルを行う。具体的に、冷媒回路(15)では、圧縮機(16)が作動し、四方切換弁(17)が第1状態に設定される。また、熱源側膨張弁(22)は、蓄熱側熱交換器(31)の一次側流路(32)の出口における冷媒の過熱度が所定の目標値となるように、その開度が調節される。
冷媒回路(15)では、第1バイパス通路(41)が第2状態に設定される。第2状態に設定された第1バイパス通路(41)では、各三方弁(61,62,63,64)が次のような状態になる。第1三方弁(61)は、四方切換弁(17)の第3のポートを熱源側配管(20)と連通させて第1バイパス用配管(51)から遮断する。第2三方弁(62)は、第3バイパス用配管(53)を第2バイパス用配管(52)と連通させて第1バイパス用配管(51)から遮断する。第3三方弁(63)は、第2バイパス用配管(52)を接続用配管(18)と連通させて給湯側配管(25)から遮断する。第4三方弁(64)は、熱源側配管(20)を第3バイパス用配と連通させて給湯側配管(25)から遮断する。
冷媒回路(15)では、第2バイパス通路(42)が第1状態に設定される。第1状態に設定された第2バイパス通路(42)では、各三方弁(65,66,67,68)が第1蓄冷運転の説明で述べた状態になる。
冷媒回路(15)における冷媒の流れを説明する。圧縮機(16)から吐出された冷媒は、四方切換弁(17)を通過後に熱源側配管(20)へ流入する。熱源側配管(20)へ流入した冷媒は、熱源側熱交換器(21)を通過する間に室外空気へ放熱して凝縮し、続いて熱源側膨張弁(22)を通過する際に減圧される。その後、冷媒は、第3バイパス用配管(53)と、第2バイパス用配管(52)と、接続用配管(18)とを順に通過し、蓄熱側配管(30)へ流入する。蓄熱側配管(30)へ流入した冷媒は、蓄熱側熱交換器(31)の一次側流路(32)を通過する間に吸熱して蒸発する。その後、冷媒は、第6バイパス用配管(56)と、第4バイパス用配管(54)と、四方切換弁(17)とを順に通過して圧縮機(16)へ吸入される。圧縮機(16)は、吸入した冷媒を圧縮してから吐出する。
第1蓄冷運転では、蓄熱媒体回路(92)のポンプ(93)が作動し、蓄熱槽(91)と蓄熱側熱交換器(31)の間を蓄熱媒体が循環する。そして、冷媒回路(15)が冷凍サイクルを行うことによって得られた冷熱が、蓄熱装置(90)の蓄熱槽(91)に蓄えられる。
〈第1利用冷房運転〉
第1利用冷房運転について、図4を参照しながら説明する。第1利用冷房運転では、蓄熱槽(91)に蓄えられた冷熱だけを用いて室内の冷房が行われる。第1利用冷房運転では、蓄熱媒体回路(92)のポンプ(93)が作動し、蓄熱槽(91)と蓄熱側熱交換器(31)の間を蓄熱媒体が循環する。また、第1利用冷房運転では、給湯装置(70)が停止する。また、第1利用冷房運転では、室外ファン(11)が停止し、室内ファン(12)が作動する。
冷媒回路(15)では、圧縮機(16)が作動し、四方切換弁(17)が第1状態に設定される。また、利用側膨張弁(37)は、全開状態に保持される。第1利用冷房運転中の冷媒回路(15)では、圧縮機(16)がガスポンプとして動作し、蓄熱側熱交換器(31)と利用側熱交換器(36)の間を冷媒が循環する。
冷媒回路(15)では、第1バイパス通路(41)が第3状態に設定される。第3状態に設定された第1バイパス通路(41)では、各三方弁(61,62,63,64)が次のような状態になる。第1三方弁(61)は、四方切換弁(17)の第3のポートを第1バイパス用配管(51)と連通させて熱源側配管(20)から遮断する。第2三方弁(62)は、第1バイパス用配管(51)を第2バイパス用配管(52)と連通させて第3バイパス用配管(53)から遮断する。第3三方弁(63)は、第2バイパス用配管(52)を接続用配管(18)と連通させて給湯側配管(25)から遮断する。第4三方弁(64)は、どの様な状態になっていてもよい。
冷媒回路(15)では、第2バイパス通路(42)が第3状態に設定される。第3状態に設定された第2バイパス通路(42)では、各三方弁(65,66,67,68)が次のような状態になる。第5三方弁(65)は、利用側配管(35)を四方切換弁(17)の第4のポートと連通させて第4バイパス用配管(54)から遮断する。第6三方弁(66)は、どの様な状態になっていてもよい。第7三方弁(67)は、接続用配管(18)を蓄熱側配管(30)と連通させて第5バイパス用配管(55)から遮断する。第8三方弁(68)は、蓄熱側配管(30)を利用側配管(35)と連通させて第6バイパス用配管(56)から遮断する。
冷媒回路(15)における冷媒の流れを説明する。圧縮機(16)から吐出された冷媒は、四方切換弁(17)と、第1バイパス用配管(51)と、第2バイパス用配管(52)と、接続用配管(18)とを順に通過し、蓄熱側配管(30)へ流入する。その後、冷媒は、蓄熱側熱交換器(31)の一次側流路(32)へ流入し、その二次側流路(33)を流れる蓄熱媒体へ放熱して凝縮する。蓄熱側熱交換器(31)から流出した冷媒は、利用側配管(35)へ流入し、利用側膨張弁(37)を通過後に利用側熱交換器(36)へ流入する。利用側熱交換器(36)において、冷媒は、室内空気から吸熱して蒸発する。利用側熱交換器(36)において冷却された室内空気は、室内へ供給される。利用側熱交換器(36)を通過した冷媒は、四方切換弁(17)を通過後に圧縮機(16)へ吸入される。ガスポンプとして動作する圧縮機(16)は、吸入した冷媒を昇圧させてから吐出する。
上述したように、第1利用冷房運転では、蓄熱媒体回路(92)のポンプ(93)が作動し、蓄熱槽(91)と蓄熱側熱交換器(31)の間を蓄熱媒体が循環する。蓄熱槽(91)内の蓄熱媒体は、ポンプ(93)によって蓄熱側熱交換器(31)の二次側流路(33)へ送られ、その一次側流路(32)を流れる冷媒から吸熱する。つまり、蓄熱側熱交換器(31)では、二次側流路(33)の蓄熱媒体から一次側流路(32)の冷媒へ冷熱が付与される。蓄熱側熱交換器(31)の二次側流路(33)を通過した蓄熱媒体は、蓄熱槽(91)へ送り返される。
〈第2利用冷房運転〉
第2利用冷房運転について、図5を参照しながら説明する。第2利用冷房運転では、蓄熱槽(91)に蓄えられた冷熱と、冷媒回路(15)が行う冷凍サイクルによって得られた冷熱とを用いて室内の冷房が行われる。第2利用冷房運転では、蓄熱媒体回路(92)のポンプ(93)が作動し、蓄熱槽(91)と蓄熱側熱交換器(31)の間を蓄熱媒体が循環する。また、第2利用冷房運転では、給湯装置(70)が停止する。また、第2利用冷房運転では、室外ファン(11)及び室内ファン(12)が作動する。
冷媒回路(15)は、熱源側熱交換器(21)が凝縮器(即ち、放熱器)となり、蓄熱側熱交換器(31)が過冷却器(即ち、放熱器)となり、利用側熱交換器(36)が蒸発器となる冷凍サイクルを行う。具体的に、冷媒回路(15)では、圧縮機(16)が作動し、四方切換弁(17)が第1状態に設定される。熱源側膨張弁(22)は、全開状態に保持される。また、利用側膨張弁(37)は、利用側熱交換器(36)の出口における冷媒の過熱度が所定の目標値となるように、その開度が調節される。
冷媒回路(15)では、第1バイパス通路(41)が第2状態に設定される。第2状態に設定された第1バイパス通路(41)では、各三方弁(61,62,63,64)が第2蓄冷運転の説明で述べた状態になる。
冷媒回路(15)では、第2バイパス通路(42)が第3状態に設定される。第3状態に設定された第2バイパス通路(42)では、各三方弁(65,66,67,68)が第1利用冷房運転の説明で述べた状態になる。
冷媒回路(15)における冷媒の流れを説明する。圧縮機(16)から吐出された冷媒は、四方切換弁(17)を通過後に熱源側配管(20)へ流入する。熱源側配管(20)へ流入した冷媒は、熱源側熱交換器(21)を通過する間に室外空気へ放熱して凝縮する。その後、冷媒は、熱源側膨張弁(22)と、第3バイパス用配管(53)と、第2バイパス用配管(52)と、接続用配管(18)とを順に通過し、蓄熱側配管(30)へ流入する。続いて、冷媒は、蓄熱側熱交換器(31)の一次側流路(32)へ流入する。蓄熱側熱交換器(31)において、一次側流路(32)を流れる冷媒は、二次側流路(33)を流れる蓄熱媒体によって冷却される。蓄熱側熱交換器(31)を通過した冷媒は、利用側膨張弁(37)を通過する際に減圧され、その後に利用側熱交換器(36)へ流入し、室内空気から吸熱して蒸発する。利用側熱交換器(36)において冷却された室内空気は、室内へ供給される。利用側熱交換器(36)を通過した冷媒は、四方切換弁(17)を通過後に圧縮機(16)へ吸入される。圧縮機(16)は、吸入した冷媒を圧縮してから吐出する。
〈単純冷房運転〉
単純冷房運転について、図6を参照しながら説明する。単純冷房運転では、冷媒回路(15)が行う冷凍サイクルによって得られた冷熱だけを用いて室内の冷房が行われる。単純冷房運転では、給湯装置(70)及び蓄熱装置(90)が停止する。また、単純冷房運転では、室外ファン(11)及び室内ファン(12)が作動する。
冷媒回路(15)は、熱源側熱交換器(21)が凝縮器(即ち、放熱器)となり、利用側熱交換器(36)が蒸発器となる冷凍サイクルを行う。具体的に、冷媒回路(15)では、圧縮機(16)が作動し、四方切換弁(17)が第1状態に設定される。熱源側膨張弁(22)は、全開状態に保持される。また、利用側膨張弁(37)は、利用側熱交換器(36)の出口における冷媒の過熱度が所定の目標値となるように、その開度が調節される。
冷媒回路(15)では、第1バイパス通路(41)が第2状態に設定される。第2状態に設定された第1バイパス通路(41)では、各三方弁(61,62,63,64)が第2蓄冷運転の説明で述べた状態になる。
冷媒回路(15)では、第2バイパス通路(42)が第2状態に設定される。第2状態に設定された第2バイパス通路(42)では、各三方弁(65,66,67,68)が次のような状態になる。第5三方弁(65)は、利用側配管(35)を四方切換弁(17)の第4のポートと連通させて第4バイパス用配管(54)から遮断する。第6三方弁(66)は、第5バイパス用配管(55)を第6バイパス用配管(56)と連通させて第4バイパス用配管(54)から遮断する。第7三方弁(67)は、接続用配管(18)を第5バイパス用配管(55)と連通させて蓄熱側配管(30)から遮断する。第8三方弁(68)は、第6バイパス用配管(56)を利用側配管(35)と連通させて蓄熱側配管(30)から遮断する。
冷媒回路(15)における冷媒の流れを説明する。圧縮機(16)から吐出された冷媒は、四方切換弁(17)を通過後に熱源側配管(20)へ流入する。熱源側配管(20)へ流入した冷媒は、熱源側熱交換器(21)を通過する間に室外空気へ放熱して凝縮する。その後、冷媒は、熱源側膨張弁(22)と、第3バイパス用配管(53)と、第2バイパス用配管(52)と、接続用配管(18)と、第5バイパス用配管(55)と、第6バイパス用配管(56)とを順に通過し、利用側配管(35)へ流入する。利用側配管(35)へ流入した冷媒は、利用側膨張弁(37)を通過する際に減圧され、その後に利用側熱交換器(36)へ流入し、室内空気から吸熱して蒸発する。利用側熱交換器(36)において冷却された室内空気は、室内へ供給される。利用側熱交換器(36)を通過した冷媒は、四方切換弁(17)を通過後に圧縮機(16)へ吸入される。圧縮機(16)は、吸入した冷媒を圧縮してから吐出する。
〈蓄熱暖房運転〉
蓄熱暖房運転について、図7を参照しながら説明する。蓄熱暖房運転では、冷媒回路(15)が行う冷凍サイクルによって温熱が得られ、得られた温熱の一部が室内の暖房に利用され、残りが蓄熱槽(91)に蓄えられる。蓄熱暖房運転では、蓄熱媒体回路(92)のポンプ(93)が作動し、蓄熱槽(91)と蓄熱側熱交換器(31)の間を蓄熱媒体が循環する。また、蓄熱暖房房運転では、給湯装置(70)が停止する。また、蓄熱暖房運転では、室外ファン(11)及び室内ファン(12)が作動する。
冷媒回路(15)は、利用側熱交換器(36)が凝縮器(即ち、放熱器)となり、蓄熱側熱交換器(31)が過冷却器(即ち、放熱器)となり、熱源側熱交換器(21)が蒸発器となる冷凍サイクルを行う。具体的に、冷媒回路(15)では、圧縮機(16)が作動し、四方切換弁(17)が第2状態に設定される。利用側膨張弁(37)は、全開状態に保持される。また、熱源側膨張弁(22)は、熱源側熱交換器(21)の出口における冷媒の過熱度が所定の目標値となるように、その開度が調節される。
冷媒回路(15)では、第1バイパス通路(41)が第2状態に設定される。第2状態に設定された第1バイパス通路(41)では、各三方弁(61,62,63,64)が第2蓄冷運転の説明で述べた状態になる。
冷媒回路(15)では、第2バイパス通路(42)が第3状態に設定される。第3状態に設定された第2バイパス通路(42)では、各三方弁(65,66,67,68)が第1利用冷房運転の説明で述べた状態になる。
冷媒回路(15)における冷媒の流れを説明する。圧縮機(16)から吐出された冷媒は、四方切換弁(17)を通過後に利用側配管(35)へ流入する。利用側配管(35)へ流入した冷媒は、利用側熱交換器(36)を通過する間に室内空気へ放熱して凝縮する。利用側熱交換器(36)において加熱された室内空気は、室内へ供給される。利用側熱交換器(36)を通過した冷媒は、利用側膨張弁(37)を通過後に蓄熱側配管(30)へ流入する。その後、冷媒は、蓄熱側熱交換器(31)の一次側流路(32)へ流入する。蓄熱側熱交換器(31)において、一次側流路(32)を流れる冷媒は、二次側流路(33)を流れる蓄熱媒体へ放熱する。蓄熱側熱交換器(31)から流出した冷媒は、接続用配管(18)と、第2バイパス用配管(52)と、第3バイパス用配管(53)とを順に通過し、その後に熱源側配管(20)へ流入する。熱源側配管(20)へ流入した冷媒は、熱源側膨張弁(22)を通過する際に減圧され、その後に熱源側熱交換器(21)へ流入し、室外空気から吸熱して蒸発する。熱源側熱交換器(21)を通過した冷媒は、四方切換弁(17)を通過後に圧縮機(16)へ吸入される。圧縮機(16)は、吸入した冷媒を圧縮してから吐出する。
蓄熱暖房運転では、蓄熱媒体回路(92)のポンプ(93)が作動し、蓄熱槽(91)と蓄熱側熱交換器(31)の間を蓄熱媒体が循環する。蓄熱槽(91)内の蓄熱媒体は、ポンプ(93)によって蓄熱側熱交換器(31)の二次側流路(33)へ送られ、その一次側流路(32)を流れる冷媒によって加熱される。蓄熱側熱交換器(31)において加熱された蓄熱媒体は、蓄熱槽(91)へ送り返される。従って、蓄熱槽(91)には、利用側熱交換器(36)から流出した冷媒に残存する温熱が蓄えられる。
〈湯沸かし運転〉
湯沸かし運転について説明する。湯沸かし運転において、給湯空調システム(10)は、図2に示す第1蓄冷運転と同じ運転を行う。そして、湯沸かし運転中の給湯空調システム(10)では、蓄熱槽(91)に蓄えられた温熱を利用して、給湯装置(70)が貯湯槽(71)内の水を加熱する。
具体的に、蓄熱槽(91)内の蓄熱媒体が保有する温熱は、蓄熱側熱交換器(31)において冷媒回路(15)の冷媒に付与される。冷媒回路(15)の冷媒は、蓄熱側熱交換器(31)において付与された温熱を給湯側熱交換器(26)へ搬送し、給湯用冷媒回路(80)の冷媒へ付与する。そして、給湯装置(70)では、給湯用冷媒回路(80)が冷凍サイクルを行い、貯湯槽(71)内の水が加熱用熱交換器(83)において加熱される。
〈利用暖房運転〉
利用暖房運転について、図8を参照しながら説明する。利用暖房運転では、蓄熱槽(91)に蓄えられた温熱だけを用いて室内の暖房が行われる。利用暖房運転では、蓄熱媒体回路(92)のポンプ(93)が作動し、蓄熱槽(91)と蓄熱側熱交換器(31)の間を蓄熱媒体が循環する。また、利用暖房運転では、給湯装置(70)が停止する。また、利用暖房運転では、室外ファン(11)が停止し、室内ファン(12)が作動する。
冷媒回路(15)は、利用側熱交換器(36)が凝縮器(即ち、放熱器)となり、蓄熱側熱交換器(31)が蒸発器となる冷凍サイクルを行う。具体的に、冷媒回路(15)では、圧縮機(16)が作動し、四方切換弁(17)が第2状態に設定される。利用側膨張弁(37)は、蓄熱側熱交換器(31)の出口における冷媒の過熱度が所定の目標値となるように、その開度が調節される。
冷媒回路(15)では、第1バイパス通路(41)が第3状態に設定される。第3状態に設定された第1バイパス通路(41)では、各三方弁(61,62,63,64)が第1利用冷房運転の説明で述べた状態になる。
冷媒回路(15)では、第2バイパス通路(42)が第3状態に設定される。第3状態に設定された第2バイパス通路(42)では、各三方弁(65,66,67,68)が第1利用冷房運転の説明で述べた状態になる。
冷媒回路(15)における冷媒の流れを説明する。圧縮機(16)から吐出された冷媒は、四方切換弁(17)を通過後に利用側配管(35)へ流入する。その後、冷媒は、利用側熱交換器(36)へ流入し、室内空気へ放熱して凝縮する。利用側熱交換器(36)において加熱された室内空気は、室内へ供給される。利用側熱交換器(36)から流出した冷媒は、利用側膨張弁(37)を通過後に蓄熱側配管(30)へ流入する。その後、冷媒は、蓄熱側熱交換器(31)の一次側流路(32)へ流入し、その二次側流路(33)を流れる蓄熱媒体から吸熱して蒸発する。蓄熱側熱交換器(31)から流出した冷媒は、接続用配管(18)と、第2バイパス用配管(52)と、第1バイパス用配管(51)と、四方切換弁(17)とを順に通過し、その後に圧縮機(16)へ吸入される。圧縮機(16)は、吸入した冷媒を圧縮してから吐出する。
上述したように、利用暖房運転では、蓄熱媒体回路(92)のポンプ(93)が作動し、蓄熱槽(91)と蓄熱側熱交換器(31)の間を蓄熱媒体が循環する。蓄熱槽(91)内の蓄熱媒体は、ポンプ(93)によって蓄熱側熱交換器(31)の二次側流路(33)へ送られ、その一次側流路(32)を流れる冷媒へ放熱する。蓄熱側熱交換器(31)の二次側流路(33)を通過した蓄熱媒体は、蓄熱槽(91)へ送り返される。
〈単純暖房運転〉
単純暖房運転について、図9を参照しながら説明する。単純暖房運転では、冷媒回路(15)が行う冷凍サイクルによって得られた温熱だけを用いて室内の暖房が行われる。単純暖房運転では、給湯装置(70)及び蓄熱装置(90)が停止する。また、単純暖房運転では、室外ファン(11)及び室内ファン(12)が作動する。
冷媒回路(15)は、利用側熱交換器(36)が凝縮器(即ち、放熱器)となり、熱源側熱交換器(21)が蒸発器となる冷凍サイクルを行う。具体的に、冷媒回路(15)では、圧縮機(16)が作動し、四方切換弁(17)が第2状態に設定される。利用側膨張弁(37)は、全開状態に保持される。また、熱源側膨張弁(22)は、熱源側熱交換器(21)の出口における冷媒の過熱度が所定の目標値となるように、その開度が調節される。
冷媒回路(15)では、第1バイパス通路(41)が第2状態に設定される。第2状態に設定された第1バイパス通路(41)では、各三方弁(61,62,63,64)が第2蓄冷運転の説明で述べた状態になる。
冷媒回路(15)では、第2バイパス通路(42)が第2状態に設定される。第2状態に設定された第2バイパス通路(42)では、各三方弁(65,66,67,68)が単純冷房運転の説明で述べた状態になる。
冷媒回路(15)における冷媒の流れを説明する。圧縮機(16)から吐出された冷媒は、四方切換弁(17)を通過後に利用側配管(35)へ流入する。利用側配管(35)へ流入した冷媒は、利用側熱交換器(36)を通過する間に室内空気へ放熱して凝縮する。利用側熱交換器(36)において加熱された室内空気は、室内へ供給される。利用側熱交換器(36)を通過した冷媒は、利用側膨張弁(37)と、第6バイパス用配管(56)と、第5バイパス用配管(55)と、接続用配管(18)と、第2バイパス用配管(52)と、第3バイパス用配管(53)とを順に通過し、熱源側配管(20)へ流入する。熱源側配管(20)へ流入した冷媒は、熱源側膨張弁(22)を通過する際に減圧され、その後に熱源側熱交換器(21)へ流入し、室外空気から吸熱して蒸発する。熱源側熱交換器(21)を通過した冷媒は、四方切換弁(17)を通過後に圧縮機(16)へ吸入される。圧縮機(16)は、吸入した冷媒を圧縮してから吐出する。
〈冷房シーズンにおける運転動作〉
夏季等の冷房シーズンにおいて、給湯空調システム(10)は、第1蓄冷運転と、第2蓄冷運転と、第1利用冷房運転と、第2利用冷房運転と、単純冷房運転とを行う。
第1蓄冷運転および第2蓄冷運転は、電力料金が安い深夜に行われる。一方、第1利用冷房運転、第2利用冷房運転、および単純冷房運転は、主に日中から夕方にかけて行われる。
冷房シーズンの深夜において、給湯空調システム(10)は、第1蓄冷運転を必ず行う。上述したように、第1蓄冷運転中の給湯空調システム(10)では、冷媒回路(15)が冷凍サイクルを行い、給湯装置(70)が貯湯槽(71)内の水を加熱し、冷媒回路(15)が行う冷凍サイクルによって得られた冷熱が蓄熱装置(90)の蓄熱槽(91)に蓄えられる。
貯湯槽(71)内の水のほぼ全てが80〜90℃程度の高温水になるか、貯湯槽(71)内の高温水の量が翌日の給湯需要を賄える量に達すると、第1蓄冷運転は停止する。このため、給湯需要が比較的少なくて冷房負荷の高い夏季には、第1蓄冷運転によって蓄熱槽(91)に蓄えられた冷熱だけでは、日中の冷房負荷を処理しきれない場合が多い。そこで、この場合、給湯空調システム(10)は、第1蓄冷運転の終了後に第2蓄冷運転を行う。
上述したように、第2蓄冷運転中の給湯空調システム(10)では、冷媒回路(15)の冷媒が蓄熱媒体から吸収した熱を室外空気へ放出しているため、貯湯槽(71)内の高温水の量とは無関係に蓄熱槽(91)に冷熱を蓄えることができる。そこで、本実施形態の給湯空調システム(10)は、深夜に第1蓄冷運転と第2蓄冷運転を行うことによって、蓄熱槽(91)に蓄えられた冷熱量を充分に確保している。
第1利用冷房運転と第2利用冷房運転は、第1蓄冷運転や第2蓄冷運転によって蓄熱槽(91)に蓄えられた冷熱を利用して、室内を冷房する運転である。第1利用冷房運転や第2利用冷房運転における給湯空調システム(10)の消費電力は、冷媒回路(15)が行う冷凍サイクルによって得られた冷熱だけを利用して冷房を行う単純冷房運転中の給湯空調システム(10)の消費電力に比べて少なくなる。このため、電力料金の高い日中から夕方にかけての給湯空調システム(10)の消費電力が減少し、給湯空調システム(10)のランニングコストが低減される。
なお、蓄熱槽(91)に蓄えられた冷熱を使い切った後においても、室内の冷房が必要な場合がある。その様な場合、給湯空調システム(10)は、単純冷房運転を行う。
〈暖房シーズンにおける運転動作〉
冬季等の暖房シーズンにおいて、給湯空調システム(10)は、蓄熱暖房運転と、湯沸かし運転と、利用暖房運転と、単純暖房運転とを行う。
上述したように、蓄熱暖房運転中の給湯空調システム(10)では、蓄熱装置(90)の蓄熱槽(91)に温熱が蓄えられる。湯沸かし運転中や利用暖房運転中の給湯空調システム(10)は、蓄熱暖房運転中に蓄熱槽(91)に蓄えられた温熱を利用して、上述した運転を行う。
なお、蓄熱槽(91)に蓄えられた温熱を使い切った後においても、室内の暖房が必要な場合がある。その様な場合、給湯空調システム(10)は、単純暖房運転を行う。
−実施形態1の効果−
本実施形態の給湯空調システム(10)は、第1蓄冷運転と第2蓄冷運転を選択的に行う。第1蓄冷運転中には、冷媒回路(15)において冷凍サイクルが行われ、給湯側熱交換器(26)において冷媒から放出された熱を利用して給湯装置(70)が貯湯槽(71)内の水を加熱し、蓄熱側熱交換器(31)において得られた冷熱が蓄熱装置(90)の蓄熱槽(91)に蓄えられる。一方、第2蓄冷運転中には、冷媒回路(15)において冷凍サイクルが行われ、熱源側熱交換器(21)において冷媒が室外空気へ放熱し、蓄熱側熱交換器(31)において得られた冷熱が蓄熱装置(90)の蓄熱槽(91)に蓄えられる。
上述したように、貯湯槽(71)内の高温水の量が必要量に達すると、第1蓄冷運転を停止させなければならない。しかし、本実施形態の給湯空調システム(10)は、第1蓄冷運転の停止後においても、第2蓄冷運転を行うことによって、蓄熱装置(90)の蓄熱槽(91)に更に冷熱を蓄えることができる。このため、本実施形態によれば、貯湯槽(71)内の水を加熱する際に得られる冷熱だけでなく、冷媒回路(15)の冷媒が室外空気へ放熱することによって得られる冷熱も、蓄熱装置(90)の蓄熱槽(91)に蓄えることができる。
従って、本実施形態によれば、電力料金の安い深夜に第1蓄冷運転および第2蓄冷運転を行うことによって、日中の利用冷房運転に必要な充分な量の冷熱を蓄熱槽(91)に蓄えることができる。その結果、日中に室内を冷房するために消費される電力量を充分に削減でき、給湯空調システム(10)のランニングコストを充分に削減することができる。
《発明の実施形態2》
本発明の実施形態2について説明する。本実施形態の給湯空調システム(10)は、実施形態1の給湯空調システム(10)において、蓄熱側熱交換器(31)の構成および配置を変更したものである。ここでは、本実施形態の給湯空調システム(10)について、実施形態1の給湯空調システム(10)と異なる点を説明する。
図10に示すように、本実施形態の蓄熱側熱交換器(31)は、上下に蛇行する伝熱管によって構成されている。また、この蓄熱側熱交換器(31)は、蓄熱装置(90)の蓄熱槽(91)内に配置され、蓄熱媒体に浸かった状態となっている。また、本実施形態の蓄熱槽(91)には、水が蓄熱媒体として貯留されている。
本実施形態の蓄熱装置(90)は、蓄熱槽(91)に蓄熱媒体として貯留された水を凍結させることによって、冷熱を蓄える。つまり、蓄熱側熱交換器(31)が蒸発器となる第1蓄冷運転や第2蓄冷運転では、蓄熱槽(91)内の水が蓄熱側熱交換器(31)を流れる冷媒によって冷却され、蓄熱側熱交換器(31)の周囲の水が凍って氷となる。また、第1利用冷房運転や第2利用冷房運転では、蓄熱側熱交換器(31)を流れる冷媒が蓄熱槽(91)内の氷によって冷却され、その結果、氷が融解する。
《発明の実施形態3》
本発明の実施形態3について説明する。本実施形態の給湯空調システム(10)は、実施形態1の給湯空調システム(10)において、給湯装置(70)の構成を変更したものである。ここでは、本実施形態の給湯空調システム(10)について、実施形態1の給湯空調システム(10)と異なる点を説明する。
図11に示すように、本実施形態の給湯装置(70)では、給湯用冷媒回路(80)が省略され、水回路(74)が給湯側熱交換器(26)の二次側流路(28)に接続されている。このため、貯湯槽(71)から水回路(74)へ流入した水は、給湯側熱交換器(26)の二次側流路(28)へ流入し、その一次側流路(27)を流れる冷媒回路(15)の冷媒によって加熱される。給湯側熱交換器(26)の二次側流路(28)から流出した水は、貯湯槽(71)の頂部へ送り返される。
《発明の実施形態4》
本発明の実施形態4について説明する。本実施形態の給湯空調システム(10)は、実施形態1の給湯空調システム(10)において、冷媒回路(15)の構成と、蓄熱側熱交換器(31)の構成および配置とを変更したものである。ここでは、本実施形態の給湯空調システム(10)について、実施形態1の給湯空調システム(10)と異なる点を説明する。
図12に示すように、本実施形態の冷媒回路(15)は、バイパス用配管(51〜56)及び三方弁(61〜68)に代えて、三つの接続用配管(46〜48)と八つの電磁弁(101〜108)とを備えている。また、本実施形態の冷媒回路(15)には、利用側配管(35a〜35c)が三つ設けられている。三つの利用側配管(35a〜35c)は、互いに並列に接続されている。また、本実施形態の冷媒回路(15)には、蓄熱側膨張弁(34)が設けられている。
本実施形態の冷媒回路(15)において、圧縮機(16)は、吐出側が四方切換弁(17)の第1のポートに接続され、吸入側が四方切換弁(17)の第2のポートに接続されている。この点は、実施形態1と同じである。この冷媒回路(15)では、四方切換弁(17)の第3のポートから第4のポートへ向かって順に、第1電磁弁(101)と、熱源側熱交換器(21)と、熱源側膨張弁(22)と、第2電磁弁(102)と、利用側配管(35a〜35c)と、第3電磁弁(103)とが配置されている。
各利用側配管(35a〜35c)には、その一端から他端へ向かって順に、利用側熱交換器(36a〜36c)と利用側膨張弁(37a〜37c)とが配置されている。つまり、各利用側配管(35a〜35c)では、利用側熱交換器(36a〜36c)の液側に利用側膨張弁(37a〜37c)が配置されている。各利用側配管(35a〜35c)は、利用側熱交換器(36a〜36c)側の一端が第3電磁弁(103)に接続され、利用側膨張弁(37a〜37c)側の他端が第2電磁弁(102)に接続されている。なお、図12では図示を省略するが、本実施形態の給湯空調システム(10)では、各利用側熱交換器(36a〜36c)に対応して室内ファンが一つずつ設けられている。各室内ファンは、対応する利用側熱交換器(36a〜36c)へ室内空気を供給する。
給湯側配管(25)には、その一端から他端へ向かって順に、第4電磁弁(104)と、給湯側熱交換器(26)と給湯側膨張弁(29)とが配置されている。この給湯側配管(25)は、第4電磁弁(104)側の一端が圧縮機(16)と四方切換弁(17)の第1のポートを繋ぐ配管に接続され、給湯側膨張弁(29)側の他端が熱源側膨張弁(22)と第2電磁弁(102)を繋ぐ配管(19)に接続されている。
なお、本実施形態の冷媒回路(15)では、四方切換弁(17)の第3のポートから配管(19)に対する給湯側配管(25)の接続位置までの部分が、熱源側配管(20)を構成している。
蓄熱側配管(30)には、その一端から他端へ向かって順に、第5電磁弁(105)と、蓄熱側熱交換器(31)と、蓄熱側膨張弁(34)とが配置されている。この蓄熱側配管(30)は、第5電磁弁(105)側の一端が第3電磁弁(103)と四方切換弁(17)の第4のポートを繋ぐ配管に接続され、蓄熱側膨張弁(34)側の他端が第2電磁弁(102)と利用側配管(35a〜35c)を繋ぐ配管に接続されている。蓄熱側膨張弁(34)側、開度可変の電動膨張弁である。
本実施形態の蓄熱側熱交換器(31)は、上下に蛇行する伝熱管によって構成されている。また、この蓄熱側熱交換器(31)は、蓄熱装置(90)の蓄熱槽(91)内に配置され、蓄熱媒体に浸かった状態となっている。また、本実施形態の蓄熱槽(91)には、水が蓄熱媒体として貯留されている。
第1接続用配管(46)は、その一端が給湯側配管(25)の一端と第4電磁弁(104)の間に接続され、その他端が熱源側膨張弁(22)と第2電磁弁(102)を繋ぐ配管(19)に接続されている。この配管(19)に対する第1接続用配管(46)の接続位置は、この配管(19)に対する蓄熱側配管(30)の接続位置よりも第2電磁弁(102)寄りである。また、第1接続用配管(46)には、第6電磁弁(106)が設けられている。
第2接続用配管(47)は、その一端が蓄熱側配管(30)における第5電磁弁(105)と蓄熱側熱交換器(31)の間に接続され、その他端が圧縮機(16)と四方切換弁(17)の第2のポートを繋ぐ配管に接続されている。また、第2接続用配管(47)には、第7電磁弁(107)が設けられている。
第3接続用配管(48)は、その一端が蓄熱側配管(30)における第5電磁弁(105)と蓄熱側熱交換器(31)の間に接続され、その他端が熱源側膨張弁(22)と第2電磁弁(102)を繋ぐ配管(19)に接続されている。この配管(19)に対する第3接続用配管(48)の接続位置は、この配管(19)に対する第1接続用配管(46)の接続位置よりも第2電磁弁(102)寄りである。また、第3接続用配管(48)には、第8電磁弁(108)が設けられている。
−運転動作−
給湯空調システム(10)の運転動作を説明する。本実施形態の給湯空調システム(10)は、後述する様々な運転を行う。
〈第1蓄冷運転〉
第1蓄冷運転について、図13を参照しながら説明する。実施形態1と同様に、第1蓄冷運転では、給湯空調システム(10)が第1動作を行う。つまり、給湯装置(70)は、貯湯槽(71)内の水を加熱する運転を行い、蓄熱装置(90)は、給湯装置(70)の運転によって得られた冷熱を蓄熱槽(91)に蓄える運転を行う。また、この第1蓄冷運転では、室外ファン(11)及び各室内ファンが停止する。
冷媒回路(15)は、給湯側熱交換器(26)が凝縮器(即ち、放熱器)となり、蓄熱側熱交換器(31)が蒸発器となる冷凍サイクルを行う。冷媒回路(15)では、圧縮機(16)が作動し、四方切換弁(17)が第1状態に設定される。給湯側膨張弁(29)は全開状態に保持され、熱源側膨張弁(22)及び各利用側膨張弁(37a〜37c)は全閉状態に保持される。蓄熱側膨張弁(34)は、蓄熱側熱交換器(31)の出口における冷媒の過熱度が所定の目標値となるように、その開度が調節される。第2電磁弁(102)、第3電磁弁(103)、第4電磁弁(104)、及び第5電磁弁(105)は開状態となり、第1電磁弁(101)、第6電磁弁(106)、第7電磁弁(107)、及び第8電磁弁(108)は閉状態となる。
冷媒回路(15)における冷媒の流れを説明する。圧縮機(16)から吐出された冷媒は、給湯側配管(25)へ流入する。給湯側配管(25)へ流入した冷媒は、給湯側熱交換器(26)の一次側流路(27)を通過する間に放熱して凝縮し、その後に蓄熱側配管(30)へ流入する。蓄熱側配管(30)へ流入した冷媒は、蓄熱側膨張弁(34)を通過する際に減圧され、その後に蓄熱側熱交換器(31)へ流入する。蓄熱側熱交換器(31)を流れる冷媒は、蓄熱槽(91)内の水から吸熱して蒸発する。蓄熱側熱交換器(31)から流出した冷媒は、四方切換弁(17)を通過後に圧縮機(16)へ吸入される。圧縮機(16)は、吸入した冷媒を圧縮してから吐出する。
第1蓄冷運転では、給湯装置(70)の給湯用圧縮機(81)が作動し、給湯用冷媒回路(80)が冷凍サイクルを行う。その際、給湯用膨張弁(82)は、給湯側熱交換器(26)の二次側流路(28)の出口における冷媒の過熱度が所定の目標値となるように、その開度が調節される。また、第1蓄冷運転では、水回路(74)のポンプ(75)が作動し、貯湯槽(71)と加熱用熱交換器(83)の間を水が循環する。
給湯用冷媒回路(80)における冷媒の流れを説明する。給湯用圧縮機(81)から吐出された冷媒は、加熱用熱交換器(83)の一次側流路(84)を通過する際に放熱して凝縮する。加熱用熱交換器(83)から流出した冷媒は、給湯用膨張弁(82)を通過する際に減圧され、その後に給湯側熱交換器(26)の二次側流路(28)へ流入する。給湯側熱交換器(26)の二次側流路(28)を流れる冷媒は、その二次側流路(28)を流れる冷媒から吸熱して蒸発する。その後、冷媒は、給湯用圧縮機(81)へ吸入される。給湯用圧縮機(81)は、吸入した冷媒を圧縮してから吐出する。
水回路(74)における水の流れを説明する。蓄熱槽(91)の底部に存在する低温の水は、ポンプ(75)によって加熱用熱交換器(83)の二次側流路(85)へ送られ、その一次側流路(84)を流れる冷媒によって加熱される。そして、加熱されて高温となった水は、貯湯槽(71)の頂部へ送り返される。
第1蓄冷運転中には、蓄熱槽(91)内の水が蓄熱側熱交換器(31)を流れる冷媒によって冷却され、蓄熱側熱交換器(31)の周囲の水が凍って氷となる。その結果、蓄熱槽(91)に冷熱が蓄えられてゆく。
〈第2蓄冷運転〉
第2蓄冷運転について、図14を参照しながら説明する。実施形態1と同様に、第2蓄冷運転では、給湯空調システム(10)が第2動作を行う。つまり、給湯空調システム(10)では、給湯装置(70)が停止し、蓄熱装置(90)が冷熱を蓄熱槽(91)に蓄える運転を行う。また、この第2蓄冷運転では、室外ファン(11)が作動し、各室内ファンが停止する。
冷媒回路(15)は、熱源側熱交換器(21)が凝縮器(即ち、放熱器)となり、蓄熱側熱交換器(31)が蒸発器となる冷凍サイクルを行う。冷媒回路(15)では、圧縮機(16)が作動し、四方切換弁(17)が第1状態に設定される。熱源側膨張弁(22)は全開状態に保持され、給湯側膨張弁(29)及び各利用側膨張弁(37a〜37c)は全閉状態に保持される。蓄熱側膨張弁(34)は、蓄熱側熱交換器(31)の出口における冷媒の過熱度が所定の目標値となるように、その開度が調節される。第1電磁弁(101)、第2電磁弁(102)、第3電磁弁(103)、及び第5電磁弁(105)は開状態となり、第4電磁弁(104)、第6電磁弁(106)、第7電磁弁(107)、及び第8電磁弁(108)は閉状態となる。
冷媒回路(15)における冷媒の流れを説明する。圧縮機(16)から吐出された冷媒は、四方切換弁(17)を通過後に熱源側配管(20)へ流入する。熱源側配管(20)へ流入した冷媒は、熱源側熱交換器(21)を通過する間に室外空気へ放熱して凝縮し、その後に蓄熱側配管(30)へ流入する。蓄熱側配管(30)へ流入した冷媒は、蓄熱側膨張弁(34)を通過する際に減圧され、その後に蓄熱側熱交換器(31)へ流入する。蓄熱側熱交換器(31)を流れる冷媒は、蓄熱槽(91)内の水から吸熱して蒸発する。蓄熱側熱交換器(31)から流出した冷媒は、四方切換弁(17)を通過後に圧縮機(16)へ吸入される。圧縮機(16)は、吸入した冷媒を圧縮してから吐出する。
第2蓄冷運転において、蓄熱装置(90)は、冷熱を蓄熱槽(91)に蓄える運転を行う。この運転は、第1蓄冷運転中に蓄熱装置(90)が行う運転と同じである。
〈第3蓄冷運転〉
第3蓄冷運転について、図15を参照しながら説明する。給湯空調システム(10)では、給湯装置(70)が貯湯槽(71)内の水を加熱する運転を行い、この給湯装置(70)の運転によって得られた冷熱を蓄熱装置(90)が蓄熱槽(91)に蓄える。また、この第3蓄冷運転では、室外ファン(11)が作動し、各室内ファンが停止する。
冷媒回路(15)は、熱源側熱交換器(21)と給湯側熱交換器(26)の両方が凝縮器(即ち、放熱器)となり、蓄熱側熱交換器(31)が蒸発器となる冷凍サイクルを行う。冷媒回路(15)では、圧縮機(16)が作動し、四方切換弁(17)が第1状態に設定される。熱源側膨張弁(22)及び給湯側膨張弁(29)は全開状態に保持され、各利用側膨張弁(37a〜37c)は全閉状態に保持される。蓄熱側膨張弁(34)は、蓄熱側熱交換器(31)の出口における冷媒の過熱度が所定の目標値となるように、その開度が調節される。第1電磁弁(101)、第2電磁弁(102)、第3電磁弁(103)、第4電磁弁(104)、及び第5電磁弁(105)は開状態となり、第6電磁弁(106)、第7電磁弁(107)、及び第8電磁弁(108)は閉状態となる。
冷媒回路(15)における冷媒の流れを説明する。圧縮機(16)から吐出された冷媒は、その一部が給湯側配管(25)へ流入し、残りが四方切換弁(17)を通過後に熱源側配管(20)へ流入する。給湯側配管(25)へ流入した冷媒は、給湯側熱交換器(26)の一次側流路(27)を通過する間に放熱して凝縮する。一方、熱源側配管(20)へ流入した冷媒は、熱源側熱交換器(21)を通過する間に室外空気へ放熱して凝縮する。給湯側配管(25)を通過した冷媒と、熱源側配管(20)を通過した冷媒とは、合流後に蓄熱側配管(30)へ流入する。蓄熱側配管(30)へ流入した冷媒は、蓄熱側膨張弁(34)を通過する際に減圧され、その後に蓄熱側熱交換器(31)へ流入する。蓄熱側熱交換器(31)を流れる冷媒は、蓄熱槽(91)内の水から吸熱して蒸発する。蓄熱側熱交換器(31)から流出した冷媒は、四方切換弁(17)を通過後に圧縮機(16)へ吸入される。圧縮機(16)は、吸入した冷媒を圧縮してから吐出する。
第3蓄冷運転中において、給湯装置(70)は、貯湯槽(71)内の水を加熱する運転を行う。第3蓄冷運転中に給湯装置(70)が行う運転は、第1蓄冷運転中に給湯装置(70)が行う運転と同じである。
第3蓄冷運転において、蓄熱装置(90)は、冷熱を蓄熱槽(91)に蓄える運転を行う。この運転は、第1蓄冷運転中に蓄熱装置(90)が行う運転と同じである。
〈第1利用冷房運転〉
第1利用冷房運転について、図16を参照しながら説明する。実施形態1と同様に、第1利用冷房運転では、蓄熱槽(91)に蓄えられた冷熱だけを用いて室内の冷房が行われる。第1利用冷房運転では、給湯装置(70)が停止する。また、第1利用冷房運転では、室外ファン(11)が停止し、各室内ファンが作動する。
第1利用冷房運転中の冷媒回路(15)では、圧縮機(16)がガスポンプとして動作し、蓄熱側熱交換器(31)と各利用側熱交換器(36a〜36c)の間を冷媒が循環する。冷媒回路(15)では、圧縮機(16)が作動し、四方切換弁(17)が第1状態に設定される。蓄熱側膨張弁(34)は全開状態に保持され、熱源側膨張弁(22)及び給湯側膨張弁(29)は全閉状態に保持される。各利用側膨張弁(37a〜37c)は、対応する利用側熱交換器(36a〜36c)の出口における冷媒の過熱度が所定の目標値となるように、その開度が調節される。第3電磁弁(103)、第6電磁弁(106)、及び第8電磁弁(108)は開状態となり、第1電磁弁(101)、第2電磁弁(102)、第4電磁弁(104)、第5電磁弁(105)、及び第7電磁弁(107)は閉状態となる。
冷媒回路(15)における冷媒の流れを説明する。圧縮機(16)から吐出された冷媒は、第1接続用配管(46)と第3接続用配管(48)とを順に通過し、蓄熱側配管(30)へ流入する。その後、冷媒は、蓄熱側熱交換器(31)へ流入し、蓄熱槽(91)内の水へ放熱して凝縮する。蓄熱側熱交換器(31)から流出した冷媒は、三つの利用側配管(35a〜35c)へ分かれて流入する。各利用側配管(35a〜35c)において、冷媒は、利用側膨張弁(37a〜37c)を通過する際に減圧され、その後に利用側熱交換器(36a〜36c)へ流入し、室内空気から吸熱して蒸発する。各利用側熱交換器(36a〜36c)において冷却された室内空気は、室内へ供給される。各利用側配管(35a〜35c)から流出した冷媒は、合流後に四方切換弁(17)を通過して圧縮機(16)へ吸入される。ガスポンプとして動作する圧縮機(16)は、吸入した冷媒を昇圧させてから吐出する。
第1利用冷房運転において、蓄熱装置(90)は、蓄熱槽(91)に蓄えた冷熱を冷媒回路(15)の冷媒に付与する運転を行う。具体的に、第1利用冷房運転中には、蓄熱側熱交換器(31)を流れる冷媒が、蓄熱槽(91)内の水によって冷却される。蓄熱槽(91)では、蓄熱側熱交換器(31)の周囲の氷が、冷媒によって加熱されて融解する。つまり、蓄熱槽(91)に水の潜熱として蓄えられていた冷熱が、蓄熱側熱交換器(31)を流れる冷媒に付与される。
〈第2利用冷房運転〉
第2利用冷房運転について、図17を参照しながら説明する。実施形態1と同様に、第2利用冷房運転では、蓄熱槽(91)に蓄えられた冷熱と、冷媒回路(15)が行う冷凍サイクルによって得られた冷熱とを用いて室内の冷房が行われる。
冷媒回路(15)は、熱源側熱交換器(21)が凝縮器(即ち、放熱器)となり、蓄熱側熱交換器(31)が過冷却器(即ち、放熱器)となり、各利用側熱交換器(36a〜36c)が蒸発器となる冷凍サイクルを行う。冷媒回路(15)では、圧縮機(16)が作動し、四方切換弁(17)が第1状態に設定される。熱源側膨張弁(22)及び蓄熱側膨張弁(34)は全開状態に保持され、給湯側膨張弁(29)は全閉状態に保持される。各利用側膨張弁(37a〜37c)は、対応する利用側熱交換器(36a〜36c)の出口における冷媒の過熱度が所定の目標値となるように、その開度が調節される。第1電磁弁(101)、第3電磁弁(103)、及び第8電磁弁(108)は開状態となり、第2電磁弁(102)、第4電磁弁(104)、第5電磁弁(105)、第6電磁弁(106)、及び第7電磁弁(107)は閉状態となる。
冷媒回路(15)における冷媒の流れを説明する。圧縮機(16)から吐出された冷媒は、四方切換弁(17)を通過後に熱源側配管(20)へ流入する。熱源側配管(20)へ流入した冷媒は、熱源側熱交換器(21)を通過する間に室外空気へ放熱して凝縮し、その後に第3接続用配管(48)を通って蓄熱側配管(30)へ流入する。その後、冷媒は、蓄熱側熱交換器(31)へ流入し、蓄熱槽(91)内の水へ放熱して過冷却状態となる。蓄熱側熱交換器(31)から流出した冷媒は、三つの利用側配管(35a〜35c)へ分かれて流入する。各利用側配管(35a〜35c)において、冷媒は、利用側膨張弁(37a〜37c)を通過する際に減圧され、その後に利用側熱交換器(36a〜36c)へ流入し、室内空気から吸熱して蒸発する。各利用側熱交換器(36a〜36c)において冷却された室内空気は、室内へ供給される。各利用側配管(35a〜35c)を通過した冷媒は、合流後に四方切換弁(17)を通過し、その後に圧縮機(16)へ吸入される。圧縮機(16)は、吸入した冷媒を圧縮してから吐出する。
第2利用冷房運転において、蓄熱装置(90)は、蓄熱槽(91)に蓄えた冷熱を冷媒回路(15)の冷媒に付与する運転を行う。この運転は、第1利用冷房運転中に蓄熱装置(90)が行う運転と同じである。
〈湯沸かし利用冷房運転〉
湯沸かし利用冷房運転について、図18を参照しながら説明する。湯沸かし利用冷房運転では、蓄熱槽(91)に蓄えられた冷熱と、冷媒回路(15)が行う冷凍サイクルによって得られた冷熱とを用いて室内の冷房が行われる。また、給湯装置(70)は、貯湯槽(71)内の水を加熱する運転を行う。
冷媒回路(15)は、給湯側熱交換器(26)が凝縮器(即ち、放熱器)となり、蓄熱側熱交換器(31)が過冷却器(即ち、放熱器)となり、各利用側熱交換器(36a〜36c)が蒸発器となる冷凍サイクルを行う。冷媒回路(15)では、圧縮機(16)が作動し、四方切換弁(17)が第1状態に設定される。給湯側膨張弁(29)及び蓄熱側膨張弁(34)は全開状態に保持され、熱源側膨張弁(22)は全閉状態に保持される。各利用側膨張弁(37a〜37c)は、対応する利用側熱交換器(36a〜36c)の出口における冷媒の過熱度が所定の目標値となるように、その開度が調節される。第3電磁弁(103)、第4電磁弁(104)、及び第8電磁弁(108)は開状態となり、第1電磁弁(101)、第2電磁弁(102)、第5電磁弁(105)、第6電磁弁(106)、及び第7電磁弁(107)は閉状態となる。
冷媒回路(15)における冷媒の流れを説明する。圧縮機(16)から吐出された冷媒は、給湯側配管(25)へ流入する。給湯側配管(25)へ流入した冷媒は、給湯側熱交換器(26)の一次側流路(27)を通過する間に放熱して凝縮し、その後に第3接続用配管(48)を通って蓄熱側配管(30)へ流入する。その後、冷媒は、蓄熱側熱交換器(31)へ流入し、蓄熱槽(91)内の水へ放熱して凝縮する。蓄熱側熱交換器(31)から流出した冷媒は、三つの利用側配管(35a〜35c)へ分かれて流入する。各利用側配管(35a〜35c)において、冷媒は、利用側膨張弁(37a〜37c)を通過する際に減圧され、その後に利用側熱交換器(36a〜36c)へ流入し、室内空気から吸熱して蒸発する。各利用側熱交換器(36a〜36c)において冷却された室内空気は、室内へ供給される。各利用側配管(35a〜35c)を通過した冷媒は、合流後に四方切換弁(17)を通過し、その後に圧縮機(16)へ吸入される。圧縮機(16)は、吸入した冷媒を圧縮してから吐出する。
湯沸かし利用冷房運転中において、給湯装置(70)は、貯湯槽(71)内の水を加熱する運転を行う。湯沸かし利用冷房運転中に給湯装置(70)が行う運転は、第1蓄冷運転中に給湯装置(70)が行う運転と同じである。
湯沸かし利用冷房運転において、蓄熱装置(90)は、蓄熱槽(91)に蓄えた冷熱を冷媒回路(15)の冷媒に付与する運転を行う。この運転は、第1利用冷房運転中に蓄熱装置(90)が行う運転と同じである。
〈単純冷房運転〉
単純冷房運転について、図19を参照しながら説明する。実施形態1と同様に、単純冷房運転では、冷媒回路(15)が行う冷凍サイクルによって得られた冷熱だけを用いて室内の冷房が行われる。単純冷房運転では、給湯装置(70)及び蓄熱装置(90)が停止する。また、単純冷房運転では、室外ファン(11)及び室内ファン(12)が作動する。
冷媒回路(15)は、熱源側熱交換器(21)が凝縮器(即ち、放熱器)となり、各利用側熱交換器(36a〜36c)が蒸発器となる冷凍サイクルを行う。冷媒回路(15)では、圧縮機(16)が作動し、四方切換弁(17)が第1状態に設定される。熱源側膨張弁(22)は全開状態に保持され、給湯側膨張弁(29)及び蓄熱側膨張弁(34)は全閉状態に保持される。各利用側膨張弁(37a〜37c)は、対応する利用側熱交換器(36a〜36c)の出口における冷媒の過熱度が所定の目標値となるように、その開度が調節される。第1電磁弁(101)、第2電磁弁(102)、第3電磁弁(103)、及び第7電磁弁(107)は開状態となり、第4電磁弁(104)、第5電磁弁(105)、第6電磁弁(106)、及び第8電磁弁(108)は閉状態となる。
冷媒回路(15)における冷媒の流れを説明する。圧縮機(16)から吐出された冷媒は、四方切換弁(17)を通過後に熱源側配管(20)へ流入する。熱源側配管(20)へ流入した冷媒は、熱源側熱交換器(21)を通過する間に室外空気へ放熱して凝縮し、その後に三つの利用側配管(35a〜35c)へ分かれて流入する。各利用側配管(35a〜35c)において、冷媒は、利用側膨張弁(37a〜37c)を通過する際に減圧され、その後に利用側熱交換器(36a〜36c)へ流入し、室内空気から吸熱して蒸発する。各利用側熱交換器(36a〜36c)において冷却された室内空気は、室内へ供給される。各利用側配管(35a〜35c)を通過した冷媒は、合流後に四方切換弁(17)を通過し、その後に圧縮機(16)へ吸入される。圧縮機(16)は、吸入した冷媒を圧縮してから吐出する。
〈湯沸かし冷房運転〉
湯沸かし冷房運転について、図20を参照しながら説明する。給湯空調システム(10)では、給湯装置(70)が貯湯槽(71)内の水を加熱する運転を行い、この給湯装置(70)の運転によって得られた冷熱を用いて室内の冷房が行われる。湯沸かし冷房運転中には、蓄熱装置(90)が停止する。また、湯沸かし冷房運転中には、室外ファン(11)が停止し、各室内ファンが作動する。
冷媒回路(15)は、給湯側熱交換器(26)が凝縮器(即ち、放熱器)となり、各利用側熱交換器(36a〜36c)が蒸発器となる冷凍サイクルを行う。冷媒回路(15)では、圧縮機(16)が作動し、四方切換弁(17)が第1状態に設定される。給湯側膨張弁(29)は全開状態に保持され、熱源側膨張弁(22)及び蓄熱側膨張弁(34)は全閉状態に保持される。各利用側膨張弁(37a〜37c)は、対応する利用側熱交換器(36a〜36c)の出口における冷媒の過熱度が所定の目標値となるように、その開度が調節される。第2電磁弁(102)、第3電磁弁(103)、第4電磁弁(104)、及び第7電磁弁(107)は開状態となり、第1電磁弁(101)、第5電磁弁(105)、第6電磁弁(106)、及び第8電磁弁(108)は閉状態となる。
冷媒回路(15)における冷媒の流れを説明する。圧縮機(16)から吐出された冷媒は、給湯側配管(25)へ流入する。給湯側配管(25)へ流入した冷媒は、給湯側熱交換器(26)の一次側流路(27)を通過する間に放熱して凝縮し、その後に三つの利用側配管(35a〜35c)へ分かれて流入する。各利用側配管(35a〜35c)において、冷媒は、利用側膨張弁(37a〜37c)を通過する際に減圧され、その後に利用側熱交換器(36a〜36c)へ流入し、室内空気から吸熱して蒸発する。各利用側熱交換器(36a〜36c)において冷却された室内空気は、室内へ供給される。各利用側配管(35a〜35c)を通過した冷媒は、合流後に四方切換弁(17)を通過し、その後に圧縮機(16)へ吸入される。圧縮機(16)は、吸入した冷媒を圧縮してから吐出する。
湯沸かし冷房運転中において、給湯装置(70)は、貯湯槽(71)内の水を加熱する運転を行う。湯沸かし冷房運転中に給湯装置(70)が行う運転は、第1蓄冷運転中に給湯装置(70)が行う運転と同じである。
〈単純湯沸かし運転〉
単純湯沸かし運転について、図21を参照しながら説明する。給湯空調システム(10)では、給湯装置(70)が貯湯槽(71)内の水を加熱する運転を行い、蓄熱装置(90)が停止する。また、給湯空調システム(10)では、室外ファン(11)が作動し、各室内ファンが停止する。
冷媒回路(15)は、給湯側熱交換器(26)が凝縮器(即ち、放熱器)となり、熱源側熱交換器(21)が蒸発器となる冷凍サイクルを行う。冷媒回路(15)では、圧縮機(16)が作動し、四方切換弁(17)が第2状態に設定される。給湯側膨張弁(29)は全開状態に保持される。蓄熱側膨張弁(34)及び各利用側膨張弁(37a〜37c)は、閉じていてもよいし、開いていてもよい。熱源側膨張弁(22)は、熱源側熱交換器(21)の出口における冷媒の過熱度が所定の目標値となるように、その開度が調節される。第1電磁弁(101)、第4電磁弁(104)、及び第7電磁弁(107)は開状態となり、第2電磁弁(102)、第3電磁弁(103)、第5電磁弁(105)、第6電磁弁(106)、及び第8電磁弁(108)は閉状態となる。
冷媒回路(15)における冷媒の流れを説明する。圧縮機(16)から吐出された冷媒は、給湯側配管(25)へ流入する。給湯側配管(25)へ流入した冷媒は、給湯側熱交換器(26)の一次側流路(27)を通過する間に放熱して凝縮する。給湯側配管(25)から流出した冷媒は、熱源側膨張弁(22)を通過する際に減圧され、その後に熱源側熱交換器(21)へ流入し、室外空気から吸熱して蒸発する。熱源側熱交換器(21)から流出した冷媒は、四方切換弁(17)を通過し、その後に圧縮機(16)へ吸入される。圧縮機(16)は、吸入した冷媒を圧縮してから吐出する。
単純湯沸かし運転中において、給湯装置(70)は、貯湯槽(71)内の水を加熱する運転を行う。単純湯沸かし運転中に給湯装置(70)が行う運転は、第1蓄冷運転中に給湯装置(70)が行う運転と同じである。
〈湯沸かし蓄熱運転〉
湯沸かし蓄熱運転について、図22を参照しながら説明する。給湯空調システム(10)では、給湯装置(70)が貯湯槽(71)内の水を加熱する運転を行い、蓄熱装置(90)が温熱を蓄える運転を行う。また、給湯空調システム(10)では、室外ファン(11)が作動し、各室内ファンが停止する。
冷媒回路(15)は、給湯側熱交換器(26)と蓄熱側熱交換器(31)の両方が凝縮器(即ち、放熱器)となり、熱源側熱交換器(21)が蒸発器となる冷凍サイクルを行う。冷媒回路(15)では、圧縮機(16)が作動し、四方切換弁(17)が第2状態に設定される。給湯側膨張弁(29)及び蓄熱側膨張弁(34)は全開状態に保持され、利用側膨張弁(37a〜37c)は全閉状態に保持される。熱源側膨張弁(22)は、熱源側熱交換器(21)の出口における冷媒の過熱度が所定の目標値となるように、その開度が調節される。第1電磁弁(101)、第2電磁弁(102)、第4電磁弁(104)、及び第5電磁弁(105)は開状態となり、第3電磁弁(103)、第6電磁弁(106)、第7電磁弁(107)、及び第8電磁弁(108)は閉状態となる。
冷媒回路(15)における冷媒の流れを説明する。圧縮機(16)から吐出された冷媒は、その一部が給湯側配管(25)へ流入し、残りが四方切換弁(17)を通過して蓄熱側配管(30)へ流入する。給湯側配管(25)へ流入した冷媒は、給湯側熱交換器(26)の一次側流路(27)を通過する間に放熱して凝縮する。一方、蓄熱側配管(30)へ流入した冷媒は、蓄熱側熱交換器(31)へ流入し、蓄熱槽(91)内の水へ放熱して凝縮する。給湯側配管(25)から流出した冷媒と、蓄熱側配管(30)から流出した冷媒とは、合流後に熱源側膨張弁(22)を通過し、その際に減圧される。その後、冷媒は、熱源側熱交換器(21)へ流入し、室外空気から吸熱して蒸発する。熱源側熱交換器(21)から流出した冷媒は、四方切換弁(17)を通過し、その後に圧縮機(16)へ吸入される。圧縮機(16)は、吸入した冷媒を圧縮してから吐出する。
湯沸かし蓄熱運転中において、給湯装置(70)は、貯湯槽(71)内の水を加熱する運転を行う。湯沸かし蓄熱運転中に給湯装置(70)が行う運転は、第1蓄冷運転中に給湯装置(70)が行う運転と同じである。
湯沸かし蓄熱運転中には、蓄熱槽(91)内の水が蓄熱側熱交換器(31)を流れる冷媒によって加熱される。その結果、蓄熱槽(91)に温熱が蓄えられてゆく。
〈単純蓄熱運転〉
単純蓄熱運転について、図23を参照しながら説明する。給湯空調システム(10)では、蓄熱装置(90)が温熱を蓄える運転を行い、給湯装置(70)が停止する。また、給湯空調システム(10)では、室外ファン(11)が作動し、各室内ファンが停止する。
冷媒回路(15)は、蓄熱側熱交換器(31)が凝縮器(即ち、放熱器)となり、熱源側熱交換器(21)が蒸発器となる冷凍サイクルを行う。冷媒回路(15)では、圧縮機(16)が作動し、四方切換弁(17)が第2状態に設定される。蓄熱側膨張弁(34)は全開状態に保持され、給湯側膨張弁(29)及び各利用側膨張弁(37a〜37c)は全閉状態に保持される。熱源側膨張弁(22)は、熱源側熱交換器(21)の出口における冷媒の過熱度が所定の目標値となるように、その開度が調節される。第1電磁弁(101)、第2電磁弁(102)、及び第5電磁弁(105)は開状態となり、第3電磁弁(103)、第4電磁弁(104)、第6電磁弁(106)、第7電磁弁(107)、及び第8電磁弁(108)は閉状態となる。
冷媒回路(15)における冷媒の流れを説明する。圧縮機(16)から吐出された冷媒は、四方切換弁(17)を通過して蓄熱側配管(30)へ流入する。蓄熱側配管(30)へ流入した冷媒は、蓄熱側熱交換器(31)へ流入し、蓄熱槽(91)内の水へ放熱して凝縮する。蓄熱側配管(30)から流出した冷媒は、熱源側膨張弁(22)を通過する際に減圧され、その後に熱源側熱交換器(21)へ流入し、室外空気から吸熱して蒸発する。熱源側熱交換器(21)から流出した冷媒は、四方切換弁(17)を通過し、その後に圧縮機(16)へ吸入される。圧縮機(16)は、吸入した冷媒を圧縮してから吐出する。
単純蓄熱運転中には、蓄熱槽(91)内の水が蓄熱側熱交換器(31)を流れる冷媒によって加熱される。その結果、蓄熱槽(91)に温熱が蓄えられてゆく。
〈利用暖房運転〉
利用暖房運転について、図24を参照しながら説明する。利用暖房運転では、蓄熱槽(91)に蓄えられた温熱だけを用いて室内の暖房が行われる。給湯空調システム(10)では、給湯装置(70)が停止する。また、給湯空調システム(10)では、室外ファン(11)が停止し、各室内ファンが作動する。
冷媒回路(15)は、各利用側熱交換器(36a〜36c)が凝縮器(即ち、放熱器)となり、蓄熱側熱交換器(31)が蒸発器となる冷凍サイクルを行う。冷媒回路(15)では、圧縮機(16)が作動し、四方切換弁(17)が第2状態に設定される。熱源側膨張弁(22)及び給湯側膨張弁(29)は、全開状態に保持される。各利用側膨張弁(37a〜37c)は、対応する利用側熱交換器(36a〜36c)の出口における冷媒の過冷却度が所定の目標値となるように、その開度が調節される。蓄熱側膨張弁(34)は、蓄熱側熱交換器(31)の出口における冷媒の過熱度が所定の目標値となるように、その開度が調節される。第1電磁弁(101)、第3電磁弁(103)、及び第7電磁弁(107)は開状態となり、第2電磁弁(102)、第4電磁弁(104)、第5電磁弁(105)、第6電磁弁(106)、及び第8電磁弁(108)は閉状態となる。
冷媒回路(15)における冷媒の流れを説明する。圧縮機(16)から吐出された冷媒は、四方切換弁(17)を通過した後に、三つの利用側配管(35a〜35c)へ分かれて流入する。各利用側配管(35a〜35c)において、冷媒は、利用側熱交換器(36a〜36c)へ流入し、室内空気へ放熱して凝縮する。各利用側熱交換器(36a〜36c)において加熱された室内空気は、室内へ供給される。各利用側配管(35a〜35c)から流出した冷媒は、合流後に蓄熱側膨張弁(34)を通過し、その際に減圧される。減圧された冷媒は、蓄熱側熱交換器(31)へ流入し、蓄熱槽(91)内の水から吸熱して蒸発する。蓄熱側熱交換器(31)から流出した冷媒は、第2接続用配管(47)を通って圧縮機(16)へ吸入される。圧縮機(16)は、吸入した冷媒を圧縮してから吐出する。
利用暖房運転中には、蓄熱側熱交換器(31)を流れる冷媒が蓄熱槽(91)内の水から吸熱する。つまり、蓄熱槽(91)に蓄えられた温熱が、蓄熱側熱交換器(31)を流れる冷媒に付与される。
〈単純暖房運転〉
単純暖房運転について、図25を参照しながら説明する。実施形態1と同様に、単純暖房運転では、冷媒回路(15)が行う冷凍サイクルによって得られた温熱だけを用いて室内の暖房が行われる。給湯空調システム(10)では、給湯装置(70)及び蓄熱装置(90)が停止する。また、給湯空調システム(10)では、室外ファン(11)及び各室内ファンが作動する。
冷媒回路(15)は、各利用側熱交換器(36a〜36c)が凝縮器(即ち、放熱器)となり、熱源側熱交換器(21)が蒸発器となる冷凍サイクルを行う。冷媒回路(15)では、圧縮機(16)が作動し、四方切換弁(17)が第2状態に設定される。給湯側膨張弁(29)及び蓄熱側膨張弁(34)は、全閉状態に保持される。各利用側膨張弁(37a〜37c)は、対応する利用側熱交換器(36a〜36c)の出口における冷媒の過冷却度が所定の目標値となるように、その開度が調節される。熱源側膨張弁(22)は、熱源側熱交換器(21)の出口における冷媒の過熱度が所定の目標値となるように、その開度が調節される。第1電磁弁(101)、第2電磁弁(102)、第3電磁弁(103)、及び第7電磁弁(107)は開状態となり、第4電磁弁(104)、第5電磁弁(105)、第6電磁弁(106)、及び第8電磁弁(108)は閉状態となる。
冷媒回路(15)における冷媒の流れを説明する。圧縮機(16)から吐出された冷媒は、四方切換弁(17)を通過した後に、三つの利用側配管(35a〜35c)へ分かれて流入する。各利用側配管(35a〜35c)において、冷媒は、利用側熱交換器(36a〜36c)へ流入し、室内空気へ放熱して凝縮する。各利用側熱交換器(36a〜36c)において加熱された室内空気は、室内へ供給される。各利用側配管(35a〜35c)から流出した冷媒は、合流後に熱源側膨張弁(22)を通過し、その際に減圧される。その後、冷媒は、熱源側熱交換器(21)へ流入し、室外空気から吸熱して蒸発する。熱源側熱交換器(21)から流出した冷媒は、四方切換弁(17)を通過し、その後に圧縮機(16)へ吸入される。圧縮機(16)は、吸入した冷媒を圧縮してから吐出する。
〈湯沸かし暖房運転〉
湯沸かし暖房運転について、図26を参照しながら説明する。湯沸かし暖房運転では、冷媒回路(15)が行う冷凍サイクルによって得られた温熱だけを用いて室内の暖房が行われる。給湯空調システム(10)では、給湯装置(70)が貯湯槽(71)内の水を加熱する運転を行い、蓄熱装置(90)が停止する。また、給湯空調システム(10)では、室外ファン(11)及び各室内ファンが作動する。
冷媒回路(15)は、給湯側熱交換器(26)及び各利用側熱交換器(36a〜36c)が凝縮器(即ち、放熱器)となり、熱源側熱交換器(21)が蒸発器となる冷凍サイクルを行う。冷媒回路(15)では、圧縮機(16)が作動し、四方切換弁(17)が第2状態に設定される。蓄熱側膨張弁(34)は、全閉状態に保持される。各利用側膨張弁(37a〜37c)は、対応する利用側熱交換器(36a〜36c)の出口における冷媒の過冷却度が所定の目標値となるように、その開度が調節される。給湯側膨張弁(29)は、給湯側熱交換器(26)の一次側流路(27)の出口における冷媒の過冷却度が所定の目標値となるように、その開度が調節される。熱源側膨張弁(22)は、熱源側熱交換器(21)の出口における冷媒の過熱度が所定の目標値となるように、その開度が調節される。第1電磁弁(101)、第2電磁弁(102)、第3電磁弁(103)、第4電磁弁(104)、及び第7電磁弁(107)は開状態となり、第5電磁弁(105)、第6電磁弁(106)、及び第8電磁弁(108)は閉状態となる。
冷媒回路(15)における冷媒の流れを説明する。圧縮機(16)から吐出された冷媒は、その一部が給湯側配管(25)へ流入し、残りが四方切換弁(17)を通過後に三つの利用側配管(35a〜35c)へ分かれて流入する。給湯側配管(25)へ流入した冷媒は、給湯側熱交換器(26)の一次側流路(27)を通過する間に放熱して凝縮する。一方、各利用側配管(35a〜35c)へ流入した冷媒は、利用側熱交換器(36a〜36c)へ流入し、室内空気へ放熱して凝縮する。各利用側熱交換器(36a〜36c)において加熱された室内空気は、室内へ供給される。給湯側配管(25)から流出した冷媒と、各利用側配管(35a〜35c)から流出した冷媒とは、合流後に熱源側膨張弁(22)を通過し、その際に減圧される。減圧された冷媒は、熱源側熱交換器(21)へ流入し、室外空気から吸熱して蒸発する。熱源側熱交換器(21)から流出した冷媒は、四方切換弁(17)を通過し、その後に圧縮機(16)へ吸入される。圧縮機(16)は、吸入した冷媒を圧縮してから吐出する。
湯沸かし暖房運転中において、給湯装置(70)は、貯湯槽(71)内の水を加熱する運転を行う。湯沸かし暖房運転中に給湯装置(70)が行う運転は、第1蓄冷運転中に給湯装置(70)が行う運転と同じである。
〈利用除霜運転〉
利用除霜運転について説明する。利用除霜運転において、給湯空調システム(10)は、図14に示す第2蓄冷運転と同じ運転を行う。ただし、第2蓄冷運転中とは異なり、利用除霜運転中には、室外ファン(11)が停止する。この利用除霜運転は、単純湯沸かし運転、単純暖房運転、及び湯沸かし暖房運転の実行中に熱源側熱交換器(21)に付着した霜を、蓄熱槽(91)に蓄えられた温熱を利用して融かすための運転である。
冷媒回路(15)において、圧縮機(16)から吐出された冷媒は、熱源側熱交換器(21)へ流入して放熱する。その結果、熱源側熱交換器(21)に付着している霜が融解する。熱源側熱交換器(21)において凝縮した冷媒は、蓄熱側膨張弁(34)を通過する際に減圧された後に蓄熱側熱交換器(31)へ流入し、蓄熱槽(91)内の水から吸熱して蒸発する。蓄熱側熱交換器(31)から流出した冷媒は、圧縮機(16)へ吸入されて圧縮される。
〈冷房シーズンにおける運転動作〉
夏季等の冷房シーズンにおいて、本実施形態の給湯空調システム(10)は、第1蓄冷運転と、第2蓄冷運転と、第3蓄冷運転と、第1利用冷房運転と、第2利用冷房運転と、湯沸かし利用冷房運転と、単純冷房運転と、湯沸かし冷房運転とを行う。
第1蓄冷運転、第2蓄冷運転、及び第3蓄冷運転は、電力料金が安い深夜に行われる。一方、第1利用冷房運転、第2利用冷房運転、湯沸かし利用冷房運転、単純冷房運転、及び湯沸かし冷房運転は、主に日中から夕方にかけて行われる。
冷房シーズンの深夜において、給湯空調システム(10)は、第1蓄冷運転と第3蓄冷運転の少なくとも一方を必ず行う。上述したように、第1蓄冷運転中と第3蓄冷運転中の給湯空調システム(10)では、冷媒回路(15)が冷凍サイクルを行い、給湯装置(70)が貯湯槽(71)内の水を加熱し、冷媒回路(15)が行う冷凍サイクルによって得られた冷熱が蓄熱装置(90)の蓄熱槽(91)に蓄えられる。第1蓄冷運転は、例えば翌日の給湯需要が比較的多いと見込まれる場合に行われる。一方、第3蓄冷運転は、例えば翌日の給湯需要が比較的少ないと見込まれる場合に行われる。
貯湯槽(71)内の水のほぼ全てが80〜90℃程度の高温水になるか、貯湯槽(71)内の高温水の量が翌日の給湯需要を賄える量に達すると、第1蓄冷運転や第3蓄冷運転は停止する。このため、給湯需要が比較的少なくて冷房負荷の高い夏季には、第1蓄冷運転や第3蓄冷運転によって蓄熱槽(91)に蓄えられた冷熱だけでは、日中の冷房負荷を処理しきれない場合が多い。そこで、この場合、給湯空調システム(10)は、第1蓄冷運転の終了後に第2蓄冷運転を行う。
上述したように、第2蓄冷運転中の給湯空調システム(10)では、冷媒回路(15)の冷媒が蓄熱媒体から吸収した熱を室外空気へ放出しているため、貯湯槽(71)内の高温水の量とは無関係に蓄熱槽(91)に冷熱を蓄えることができる。そこで、本実施形態の給湯空調システム(10)は、深夜にこれらの蓄冷運転を行うことによって、蓄熱槽(91)に蓄えられた冷熱量を充分に確保している。
第1利用冷房運転と第2利用冷房運転は、第1〜第3蓄冷運転転によって蓄熱槽(91)に蓄えられた冷熱を利用して、室内を冷房する運転である。第1利用冷房運転や第2利用冷房運転における給湯空調システム(10)の消費電力は、冷媒回路(15)が行う冷凍サイクルによって得られた冷熱だけを利用して冷房を行う単純冷房運転中の給湯空調システム(10)の消費電力に比べて少なくなる。このため、電力料金の高い日中から夕方にかけての給湯空調システム(10)の消費電力が減少し、給湯空調システム(10)のランニングコストが低減される。
ここで、蓄熱槽(91)に蓄えられた冷熱を使い切った後においても、室内の冷房が必要な場合がある。その場合、給湯空調システム(10)は、単純冷房運転を行う。
また、第1〜第2利用冷房運転中や単純冷房運転中に、給湯需要が予想よりも多くて貯湯槽(71)内の高温水の量が足りなくなることもあり得る。この場合、給湯空調システム(10)は、湯沸かし利用冷房運転や湯沸かし冷房運転を行う。
〈暖房シーズンにおける運転動作〉
冬季等の暖房シーズンにおいて、給湯空調システム(10)は、単純湯沸かし運転と、湯沸かし蓄熱運転と、単純蓄熱運転と、利用暖房運転と、単純暖房運転と、湯沸かし暖房運転と、利用除霜運転とを行う。
単純湯沸かし運転、湯沸かし蓄熱運転、及び単純蓄熱運転は、電力料金が安い深夜に行われる。一方、利用暖房運転、単純暖房運転、及び湯沸かし暖房運転は、主に日中から夕方にかけて行われる。
暖房シーズンの深夜において、給湯空調システム(10)は、単純湯沸かし運転と湯沸かし蓄熱運転の少なくとも一方を必ず行う。また、給湯空調システム(10)は、必要に応じて単純蓄熱運転を行う。つまり、深夜において給湯空調システム(10)は、貯湯槽(71)内の水を加熱する運転と、蓄熱槽(91)に温熱を蓄えるための運転とを行う。
利用暖房運転は、湯沸かし蓄熱運転や単純蓄熱運転によって蓄熱槽(91)に蓄えられた温熱を利用して、室内を暖房する運転である。利用暖房運転における給湯空調システム(10)の消費電力は、冷媒回路(15)が行う冷凍サイクルによって得られた冷熱だけを利用して暖房を行う単純暖房運転中の給湯空調システム(10)の消費電力に比べて少なくなる。このため、電力料金の高い日中から夕方にかけての給湯空調システム(10)の消費電力が減少し、給湯空調システム(10)のランニングコストが低減される。
ここで、蓄熱槽(91)に蓄えられた温熱を使い切った後においても、室内の暖房が必要な場合がある。その場合、給湯空調システム(10)は、単純暖房運転を行う。
また、単純暖房運転中に、給湯需要が予想よりも多くて貯湯槽(71)内の高温水の量が足りなくなることもあり得る。この場合、給湯空調システム(10)は、湯沸かし暖房運転を行う。
また、単純湯沸かし運転、単純暖房運転、及び湯沸かし暖房運転の実行中には、蒸発器として機能する熱源側熱交換器(21)に霜が付着する場合がある。また、そのときに、蓄熱槽(91)に温熱が残存していることがある。そのような場合、給湯空調システム(10)は、利用除霜運転を行う。