JP2006342994A - 氷蓄熱空調装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】冷媒及び蓄熱用流体を流す管路がシンプルな回路構成となり、機能部品の数を低減できる氷蓄熱空調装置を提供すること。
【解決手段】蓄熱体となる水Wを貯蔵する蓄熱槽31と、蓄熱槽31内に配設され、室外ユニット10と室内ユニット20との間を連結する冷媒配管Prから分岐させた蓄熱冷媒循環経路Psを介して導入される冷媒と水Wとの間で熱交換させる蓄熱コイル32と、蓄熱槽31に連結された水Wの循環配管Pw及び冷媒配管Prに連結して設けられ、蓄熱槽31から導入した水Wと室内ユニット20に供給する冷媒との間で熱交換させる水熱交換器40と、蓄熱槽31内の水Wを循環配管Pw及び水熱交換器40を経由して循環させる水ポンプ41とを具備した蓄熱ユニット30を備え、蓄熱冷媒循環経路Psが蓄熱コイル32を分割した冷畜コイル33及び暖畜コイル34に連結されて各々独立する冷媒流路を形成している。
【選択図】図1

Description

本発明は、外融式の氷蓄熱空調装置に関するものである。
従来より、電力消費の少ない夜間電力を用いて水等の蓄熱用流体に蓄熱し、この蓄熱を昼間の空調運転に利用する氷蓄熱空調装置が実用化されている。
このような氷蓄熱空調装置は、氷(冷房時)または温水(暖房時)のような蓄熱体を生成する水、あるいは塩化カルシウムやパラフィンなどのブライン(以下の説明では、蓄熱用流体に「水」を採用する)を貯蔵する蓄熱槽と、圧縮機を備えている室外ユニットから供給される冷媒と蓄熱用流体の水とを熱交換させるための蓄熱コイル(蓄熱ユニット用熱交換器)と、蓄熱用流体の水を循環させるための水ポンプと、室内ユニットで熱交換して空調するための冷媒と水ポンプによって循環される水とを熱交換させるための水熱交換器と、を循環用水配管及び冷媒配管で接続して構成された蓄熱ユニットを有している。
上述した構成の蓄熱ユニットは、夜間電力で運転される冷媒圧縮用の圧縮機から送出される冷媒の供給を受け、蓄熱槽内の水と冷媒との熱交換により氷または温水を生成して蓄熱する。
氷を生成して冷房運転用の冷熱を蓄熱する場合には、圧縮機で圧縮されたガス冷媒を室外熱交換器に供給して外気と熱交換させ、放熱による凝縮で過冷却された冷媒を膨張弁で減圧してから蓄熱槽内の蓄熱コイルに供給する。こうして蓄熱コイル内を流れる冷媒は、水との熱交換により気化熱を奪って気化するので、蓄熱槽内の水は冷却されて順次氷となって蓄積される。
温水を生成して暖房運転用の温熱を蓄熱する場合には、圧縮機で圧縮されたガス冷媒を蓄熱槽内の蓄熱コイルに直接供給する。このガス冷媒は、水との熱交換により凝縮して放熱するので、蓄熱槽内の水は加熱されて温水となる。
また、蓄熱槽内の氷または温水を空調運転に使用する場合には、蓄熱槽内の水を水ポンプにより水熱交換器を経由して循環させる。このような水ポンプ及び水熱交換器を備えた氷蓄熱空調装置は外融式と呼ばれており、この場合の水熱交換器は、蓄熱槽内の水と室内ユニットに供給される空調用の冷媒との間で熱交換させる機能を有しているので、冷房運転時には蓄熱槽内の氷で冷却された低温の水が冷媒と熱交換し、冷媒に過冷却をつけて空調運転における昼間電力の消費を低減できるとされる。(たとえば、特許文献1参照)
特開2002−372325号公報
従来の氷蓄熱空調装置は、通常の空調装置に氷蓄熱ユニットを付加したような構成であるから、氷蓄熱ユニットに対する冷熱または温熱の蓄熱運転モードや蓄熱ユニットの蓄熱を利用して空調を行う空調運転モードなど、多種の運転モードを適宜選択切換して運転することが必要となる。従って、各種の運転モードに応じて異なる冷媒及び蓄熱用流体である水の流路を選択切換するためには、冷媒や水を流す管路中に多数の流路切換用の電磁弁や逆止弁等が必要となる。この結果、氷蓄熱空調装置の部品点数が多くなってコストアップを招いたり、あるいは、電磁弁や逆止弁等の故障(詰まりや漏れ等)により装置全体が異常停止するようなトラブルを発生しやすくなることが懸念される。
このため、運転モードの選択切換等に必要な機能部品(電磁弁や逆止弁等)の数が少なくてすみ、特に、蓄熱ユニット及びその周辺における冷媒や蓄熱用流体の回路構成に必要な機能部品を少なくしてシンプルな構成になる氷蓄熱空調装置の開発が望まれる。
本発明は、上記の事情に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、冷媒及び蓄熱用流体を流す管路がシンプルな回路構成となり、機能部品の数を低減できる氷蓄熱空調装置を提供することにある。
本発明は、上記の課題を解決するため、下記の手段を採用した。
本発明に係る氷蓄熱空調装置は、蓄熱体となる蓄熱用流体を貯蔵する蓄熱槽と、該蓄熱槽内に配設され、室外ユニットと室内ユニットとの間を連結する冷媒配管から分岐させた蓄熱冷媒循環経路を介して導入される冷媒と前記蓄熱用流体との間で熱交換させる蓄熱コイルと、前記蓄熱槽に連結された蓄熱用流体の循環配管及び前記冷媒配管に連結して設けられ、前記蓄熱槽から導入した蓄熱用流体と前記室内ユニットに供給する冷媒との間で熱交換させる蓄熱利用熱交換器と、前記蓄熱槽内の蓄熱用流体を前記循環配管及び前記蓄熱利用熱交換器を経由して循環させる蓄熱流体ポンプとを具備して構成される蓄熱ユニットを備え、前記蓄熱冷媒循環経路が、前記蓄熱コイルを分割した冷房蓄熱専用の冷畜コイル及び暖房蓄熱専用の暖畜コイルに連結されて各々独立する冷媒流路を形成していることを特徴とするものである。
このような氷蓄熱空調装置によれば、蓄熱利用熱交換器及び蓄熱流体ポンプを備えた外融式の氷蓄熱空調装置とし、蓄熱冷媒循環経路が、蓄熱コイルを分割した冷房蓄熱専用の冷畜コイル及び暖房蓄熱専用の暖畜コイルに連結されて各々独立する冷媒流路を形成するように構成されているので、各種の運転モードに応じて異なる冷媒及び蓄熱用流体の流路を選択切換するために冷媒回路が必要とする機能部品の数を低減し、シンプルな回路構成を実現することができる。
上記の氷蓄熱空調装置においては、前記暖畜コイルの少なくとも一部が前記蓄熱槽に設けられた蓄熱用流体の循環出口付近に配設されていることが好ましく、これにより、蓄熱槽から蓄熱用流体が流出する循環出口付近においては、たとえば氷のように冷熱を蓄熱する固体が形成されて出口を塞ぐことを防止できる。
上記の氷蓄熱空調装置においては、前記蓄熱冷媒循環経路が、前記室外ユニットと前記室内ユニットとの間を連結する冷媒回路から開閉弁を介して分岐されていることが好ましく、これにより、たとえば蓄熱ユニット側にトラブルが発生した場合など開閉弁を閉じることにより蓄熱ユニットを切り離し、室外ユニット及び室内ユニットによる空調運転が可能となる。
上記の氷蓄熱空調装置においては、前記暖畜コイルの出口配管に第1温度検出手段を設け、暖房蓄熱運転時に前記第1温度検出手段で検出される出口配管温度を一定にする制御を行うことが好ましく、これにより、暖房蓄熱運転モードの運転時には、暖蓄コイルを暖房運転の室内ユニットが1台増えたものとみなして制御することができる。
上記の氷蓄熱空調装置においては、前記蓄熱利用熱交換器の液冷媒出口に第2温度検出手段を設け、蓄熱利用冷房運転時に前記蓄熱用流体の循環量を調整して液冷媒出口配管温度を設定値以下とする制御を行うことが好ましく、これにより、冷媒配管にキャピラリや弁類が不要となる。
上記の氷蓄熱空調装置においては、前記蓄熱槽内に蓄熱用流体の温度を検出する第3温度検出手段を設け、前記第2温度検出手段で検出した液冷媒出口配管温度及び前記第3温度検出手段で検出した蓄熱用流体温度の両方が設定値以上となった場合に前記蓄熱利用冷房運転を終了する制御を行うことが好ましく、これにより、蓄熱槽内の蓄熱を有効に利用して蓄熱利用冷房運転を行うことができる。
本発明に係る氷蓄熱空調装置は、蓄熱体となる蓄熱用流体を貯蔵する蓄熱槽と、該蓄熱槽内に配設され、室外ユニットと室内ユニットとの間を連結する冷媒配管から分岐させた蓄熱冷媒循環経路を介して導入される冷媒と前記蓄熱用流体との間で熱交換させる蓄熱コイルと、前記蓄熱槽に連結された蓄熱用流体の循環配管及び前記冷媒配管に連結して設けられ、前記蓄熱槽から導入した蓄熱用流体と前記室内ユニットに供給する冷媒との間で熱交換させる蓄熱利用熱交換器と、前記蓄熱槽内の蓄熱用流体を前記循環配管及び前記蓄熱利用熱交換器を経由して循環させる蓄熱流体ポンプとを具備して構成される蓄熱ユニットを備え、前記蓄熱コイルに圧力検出手段を配設して冷媒の漏洩監視を行うことを特徴とするものである。
このような氷蓄熱空調装置によれば、前記蓄熱コイルに圧力検出手段を配設して冷媒の漏洩監視を行うので、圧力変化がほとんどない微量の漏洩では異常停止することなく運転を継続し、所定値以上の大きな圧力変化が生じるような漏洩が生じた場合にのみ装置を異常停止させるという運転制御が可能になる。
上述した本発明によれば、蓄熱利用熱交換器及び蓄熱流体ポンプを備えた外融式の氷蓄熱空調装置とし、かつ、蓄熱コイルを分割した冷房蓄熱専用の冷畜コイル及び暖房蓄熱専用の暖畜コイルに連結されて各々独立する冷媒流路を形成するように構成した蓄熱冷媒循環経路としたので、各種の運転モードに応じて異なる冷媒及び蓄熱用流体の流路を選択切換可能な冷媒回路とするのに必要な機能部品の数が低減してシンプルな回路構成を実現することができる。このため、部品点数の増加によるコストアップを防止し、さらに、機能部品で詰まりや漏れ等のトラブルが生じて装置全体の異常停止に至る可能性を低減することができるので、信頼性の高い氷蓄熱空調装置となる。
以下、本発明に係る氷蓄熱空調装置の一実施形態を図面に基づいて説明する。
図1は氷蓄熱空調装置の構成例を示す冷媒回路図であり、ガス冷媒を圧縮して送出する室外ユニット10と、空調対象内に設置されて冷媒と空調対象内の空気(室内気)との熱交換により空調する単数または複数の室内ユニット20と、貯蔵する蓄熱用流体に蓄熱を行う蓄熱ユニット30とを具備し、各ユニット間を冷媒配管Prにより連結した構成とされる。なお、図示の氷蓄熱空調装置は、1台の室外ユニット10に複数の室内ユニット20を連結して空調を行うことができるマルチ型である。
室外ユニット10は、冷媒を圧縮して送出するための圧縮機11と、冷媒の循環方向を選択切換する四方弁12と、冷媒と外気との間で熱交換させる室外熱交換器13と、液冷媒の減圧・膨張及び冷媒流量の調整を行う電子膨張弁(以下、室外膨張弁)14と、図示省略の室外ファン及びアキュムレータ等を具備して構成される。なお、冷媒を流す冷媒配管Prには、室外熱交換器13から蓄熱ユニット30へ向けた冷媒の流れを許容する逆止弁15が室外膨張弁14と並列に設けられている。
室内ユニット20は、1台のユニットが冷媒と室内気との間で熱交換させる室内熱交換器(不図示)、送風用の室内ファン(不図示)及び室内膨張弁(不図示)となる電子膨張弁を具備して構成される。この室内ユニット20は、室内熱交換器に室外熱交換器13を経た液冷媒の供給を受けた場合に冷房運転となり、圧縮機11からの高温高圧のガス冷媒の供給を受けた場合に暖房運転となる。
蓄熱ユニット30は、上述した室外ユニット10と室内ユニット20との間を連結する冷媒配管Prの途中に配設され、冷熱や温熱を蓄熱する蓄熱体となる蓄熱用流体を貯蔵するための蓄熱槽31を備えている。蓄熱用流体は、冷媒との熱交換により蓄熱体を生成する流体であり、たとえば水の他、塩化カルシウムやパラフィン等のブラインを使用することができる。なお、以下の説明では、蓄熱用流体として水Wが蓄熱槽31内に貯蔵されているものとし、蓄熱体として氷を生成することにより冷熱が蓄熱され、蓄熱体として温水を生成することにより温熱が蓄熱される。
蓄熱槽31内には、室外ユニット10と室外ユニット20とを連結してなる冷媒回路から冷媒の供給を受ける蓄熱コイル32が配設されている。この蓄熱コイル32は、室外ユニット10と室内ユニット20との間を連結する冷媒配管Prから分岐させた蓄熱冷媒循環経路Psを介して冷媒回路に連結されている。なお、蓄熱冷媒循環経路Psは、室外ユニット10と後述する蓄熱ユニット30内の水熱交換器40との間で冷媒配管Prから分岐され、換言すれば、水熱交換器40より上流(室内ユニット10側)で冷媒配管Prから分岐されている。
蓄熱コイル32は、蓄熱冷媒循環経路Psが冷媒配管Prから分岐した後、冷房蓄熱専用の冷畜コイル33と暖房蓄熱専用の暖畜コイル34とに二分割され、各々が独立した冷媒流路を形成している。
一方の冷畜コイル33は、一端が電子膨張弁(以下、冷畜用膨張弁)35を介して冷媒配管Prの液管側に接続され、他端が逆止弁36を介して冷媒配管Prのガス管側に接続される。他方の暖蓄コイル34は、一端が電子膨張弁(以下、暖畜用膨張弁)37を介して冷媒配管Prの液管側に接続され、他端がそのまま冷媒配管Prのガス管側に接続される。また、二分割された冷畜コイル33及び暖畜コイル34の両端は互いに合流して一本の蓄熱冷媒循環経路Psとなるが、この蓄熱冷媒循環経路Psが冷媒配管Prの液管側及びガス管側から分岐した位置には、たとえばボール弁等の開閉弁38,39が設けられている。
なお、ここでの液管側及びガス管側は、室外ユニット10と室内ユニット20とを連結する冷媒配管Prのうち、液状態の冷媒が流れる部分を液管側と呼び、ガス状態の冷媒が流れる部分をガス管側と呼んでいる。
図2は、蓄熱槽31の構成例を示す平面図である。この蓄熱槽31は有底円筒形状とされ、その内部中央には冷畜コイル33を形成する多数(図示の例では18サーキット)の冷畜コイルユニット33aが所定のピッチで平行に配列されている。冷畜コイルユニット33aは、銅管を折曲して略同一平面上で上下に往復させたものであり、蓄熱槽31内で適当な支持部材33bに固定支持されるとともに、図示しないヘッダーを介して一体に連結されている。
また、暖蓄コイル34は、冷畜コイル33と同様に、銅管を折曲して略同一平面上で上下に往復させた暖畜コイルユニット34aを蓄熱槽31内の適所に支持部材34bを介して固定設置したものである。この場合の暖蓄コイル34は、蓄熱槽31内で冷畜コイル33の両端部に二分割して配設されており、二分割した一方の暖蓄コイル34については、蓄熱槽31に設けられている水Wの循環出口31a付近に配設した構成とされる。すなわち、暖蓄コイル34は、少なくとも一部を蓄熱槽31内の循環出口31a付近に配設することにより、循環出口31a付近に冷蓄コイル33で氷が生成されて出口を塞ぐことを防止している。
蓄熱槽31の循環出口31aには、水熱交換器40及び水ポンプ41を備えた循環配管Pwが連結されている。水熱交換器40は、蓄熱槽31内から水ポンプ41の運転により導入した水Wと、室外ユニット10から室内ユニット20へ送出される冷媒との間で熱交換させる熱交換器である。すなわち、水熱交換器40は、蓄熱槽31に連結された水Wの循環配管Pw及び冷媒配管Prに連結して設けられ、蓄熱槽31から導入した水Wと室内ユニット20に供給する冷媒との間で熱交換させる蓄熱利用熱交換器となる。
また、循環出口31aに連結された循環配管Pwは、他端が蓄熱槽31に戻されているので、蓄熱槽31内の水は、水ポンプ41の運転により、蓄熱槽31から循環配管Pwを流路として循環する。すなわち、水ポンプ41は、水Wを循環配管Pw及び水熱交換器40を経由して循環させる蓄熱流体ポンプとなる。
このように、蓄熱ユニット30は、氷や温水のような蓄熱体を生成する素となる蓄熱用流体の水Wを貯蔵する蓄熱槽31と、蓄熱槽31内に配設され、室外ユニット10と室内ユニット20との間を連結する冷媒配管Prから分岐させた蓄熱冷媒循環経路Psを介して導入される冷媒と水Wとの間で熱交換させる蓄熱コイル32と、蓄熱槽31に連結された水wの循環配管pW及び冷媒配管Pwに連結して設けられ、蓄熱槽31から導入した水Wと室内ユニット20に供給する冷媒との間で熱交換させる水熱交換器40と、蓄熱槽31内の水Wを循環配管Pw及び水熱交換器40を経由して循環させる水ポンプ41とを具備して構成される。そして、蓄熱冷媒循環経路Psは、蓄熱コイル32を分割した冷房蓄熱専用の冷畜コイル33及び暖房蓄熱専用の暖畜コイル34に連結されて各々独立する冷媒流路を形成している。
上述した蓄熱ユニット30には、図示しない各種の制御用センサに加えて、下記のようなセンサが設けられている。
暖蓄コイル34の出口配管には、第1温度検出手段として、たとえばサーミスタのような第1温度センサ51が設けられている。この第1温度センサ51は、後述する暖房蓄熱運転時の冷媒流れ方向において暖蓄コイル34の下流側となる出口付近に配設され、さらに、暖蓄用膨脹弁37より上流側の位置で暖蓄コイル34の出口配管温度(すなわち、暖蓄コイル34の出口冷媒温度)を検出する。ここで検出される出口配管温度は、暖房蓄熱運転時に検出温度を一定にするフィードバック制御に使用される。
水熱交換器40の液冷媒出口には、すなわち、水熱交換器40を出て室内ユニット20に液冷媒を供給する冷媒配管Prには、第2温度検出手段として、たとえばサーミスタのような第2温度センサ52が設けられている。この第2温度センサ52は、後述する蓄熱利用冷房運転時に水wの循環量を調整し、液冷媒が流れる水熱交換器40の下流出口側で液冷媒出口配管温度(すなわち、水熱交換器40の出口冷媒温度)を設定値以下とする制御に利用される。
蓄熱槽31内には、水Wの温度を検出する第3温度検出手段として、たとえばサーミスタのような第3温度センサ53が設けられている。この第3温度センサ53は、蓄熱槽31内に貯蔵されている水Wの温度を検出するもので、後述する蓄熱利用冷房運転の終了を判断するために使用される。すなわち、蓄熱利用冷房運転は、第2温度センサ52で検出した液冷媒出口配管温度と、第3温度センサ53で検出した水Wの温度との両方が設定値以上となった場合に終了するように制御される。
また、上述した蓄熱コイル32の適所には、冷媒の漏洩監視を行う目的で、内部の冷媒圧力を検出する圧力検出手段として圧力センサ54が設けられている。図示の例では、二分割された蓄熱コイル32のうち冷蓄コイル33の冷媒入口側に圧力センサ54が設けられ、しかも、この圧力センサ54は、冷房蓄熱運転時の冷媒流れ方向において冷蓄用膨脹弁35の下流側に配設されている。
なお、上述した第1温度センサ51、第2温度センサ52、第3温度センサ53及び圧力センサ54は、いずれも図示を省略した氷蓄熱空調装置の制御部に接続されている。
以下、上述した構成の氷蓄熱空調装置について、各運転モードの冷媒及び水Wの流れとともに作用を説明する。なお、各運転モードの冷媒回路図において、実際に流れが生じる配管部分を太線で表示し、かつ、冷媒や水Wの流れ方向を矢印で示している。
図1に示す冷房蓄熱運転モードは、好ましくは安価な夜間電力を使用して室外ユニット10を運転し、蓄熱ユニット30の蓄熱槽31内に冷熱を蓄熱するものである。この運転モードでは、室内ユニット20の空調運転は行わず、圧縮機11から送出される高温高圧のガス冷媒が四方弁12に導かれて室外熱交換器13へ流れ込む。室外熱交換器12を通過する高温高圧のガス冷媒は、外気と熱交換することにより凝縮して高圧液冷媒となり、逆止弁15を通って蓄熱ユニット30に送られる。このとき、逆止弁15と並列に配設された室外膨張弁14は、その開度は全開とされる。
蓄熱ユニット30に送られた高圧液冷媒は、開閉弁38,39が全開とされ、室内ユニット20の室内膨張弁(不図示)が全閉とされるため、室内膨張弁冷媒配管Prの液管側から分岐して全量が蓄熱冷媒循環経路Psに入る。このとき、暖蓄用膨脹弁37が全閉(黒塗り表示)とされるため、高圧液冷媒の全量が冷蓄用膨張弁35に導かれ、この蓄冷用膨張弁35を通過することにより減圧されて気液二相を含む低圧液冷媒となる。
この低圧液冷媒は、蓄熱槽31内に設置された蓄熱コイル32のうち、二分割された一方の冷畜コイル33にのみ供給される。そして、この冷蓄コイル33を通過する過程において、低温液冷媒は蓄熱槽31内に所定量貯蔵されている水Wと熱交換して冷却する。すなわち、低温低圧の液冷媒が水Wから吸熱して気化することにより、図2に想像線で示すように、蓄熱槽31内の水Wが冷却されて生成される氷Wiは冷畜コイル33の周囲に付着して成長するので、蓄熱槽31内には氷の形で冷熱が蓄熱される。
このような熱交換により気化した低圧のガス冷媒は、逆止弁36を通って蓄熱冷媒循環路Psに戻る。この後、ガス冷媒は冷媒配管Prのガス管側に合流し、四方弁12に導かれて圧縮機11に吸入されるので、低圧のガス冷媒は圧縮機11で再度圧縮され、高温高圧のガス冷媒となって送出される。この結果、高温高圧のガス冷媒は上述した経路を循環して状態変化を繰り返すこととなり、冷媒を循環させて冷熱を蓄熱する冷媒回路が形成される。
なお、このような冷房蓄熱運転モードでは、水ポンプ41が停止しているので、循環配管Pwを水Wが循環して流れることはない。
続いて、蓄熱非利用冷房運転モードを図3に示して説明する。この蓄熱非利用冷房運転モードは、蓄冷ユニット30の蓄熱を利用することなく室内ユニット20が冷房運転を行うものであり、蓄熱ユニット30を保有しない通常の空調装置における冷房運転と実質的に同じになる。
この運転モードにおいて、室外ユニット10内における冷媒の流れは、上述した冷房蓄熱運転モードと同じになるので、ここではその詳細な説明は省略する。なお、圧縮機11の運転は、昼間等空調運転を必要とする時の電力を利用することとなる。
室外ユニット10から送出された高圧液冷媒は、蓄冷ユニット30を通過して室内ユニット20へ供給される。このとき、蓄冷ユニット30の冷蓄用膨脹弁35及び暖蓄用膨脹弁37は全閉(黒塗り表示)とされ、水ポンプ41の運転も停止される。この結果、高圧液冷媒は冷媒配管Prの液管側を流れ、水熱交換器40では熱交換することなく通過して室内熱交換器20へ導かれる。
室内ユニット20では、高圧液冷媒が図示省略の室内膨張弁を通過して減圧・膨張し、低圧液冷媒が図示省略の室内熱交換器に供給される。この室内熱交換器では、低圧液冷媒が空調対象の室内気と熱交換することにより気化し、室内気から吸熱する。この結果、低圧液冷媒は低圧のガス冷媒となり、冷媒配管Prのガス管側を通って室外ユニット10に戻る。そして、室外ユニット10内において、ガス冷媒が四方弁12に導かれて圧縮機11に吸入されるので、低圧のガス冷媒は圧縮機11で再度圧縮され、高温高圧のガス冷媒となって送出される。従って、高温高圧のガス冷媒は上述した経路を循環して状態変化を繰り返すこととなり、冷媒を循環させて室内ユニット20で冷房運転を行う冷媒回路が形成される。
このような冷房運転時には、複数ある室内ユニット20の内、運転指示を受けたユニットの室内膨張弁が開度調整され、運転指示のないユニットの室内膨張弁は全閉とされるので、空調運転を行うユニットのみに冷媒が供給される。
また、冷蓄コイル36が冷媒配管Prのガス管側と連結される出口側には逆止弁36が設けられているので、ガス冷媒が逆流して容量(内部容積)の大きい冷蓄コイル36内に溜まり込むことはない。なお、暖蓄コイル37の出口側については、暖蓄コイル自体の容量が冷蓄コイル36に比べてかなり小さい(たとえば、約15%程度)ため、実質的には溜まり込みによる冷媒不足の心配はない。
続いて、蓄熱利用冷房運転(「ピークシフト運転」とも言う)モードを図4に示して説明する。
この運転モードでは、冷媒側が上述した蓄熱非利用運転モードと同様の状態で冷媒配管Prを循環して室内ユニット20で冷房するが、さらに水ポンプ41の運転が追加して行われる。この結果、水熱交換器40では、蓄熱槽31内から導入した低温の水Wと、室外ユニット10から導入した高圧液冷媒との間で熱交換が行われ、室外ユニット10から供給される冷媒を冷却して過冷却を付加することができる。ここで使用する低温の水Wは、上述した冷房蓄熱運転モードにおいて、冷蓄コイル33の周囲に形成された氷Wiが解けることにより温度低下したものである。
ここで、水ポンプ41の運転による水Wの循環を説明する。
蓄熱利用冷房運転モードが選択されると水ポンプ41の運転が開始され、蓄熱槽31内に貯蔵されている低温の水Wは循環出口31aから循環配管Pwに吸引される。この水Wは、水ポンプ41及び水熱交換器40を通って蓄熱槽31に戻るため、水熱交換器40で温度上昇した水Wは、冷蓄コイル33の周囲に付着した氷を溶解させることにより温度低下する。従って、氷が残っている間は低温に維持された水Wを水熱交換器40に供給し、高圧液冷媒に過冷却を付与することができるので、圧縮機11の運転を最小限に抑えて電力消費を低減することができる。
続いて、暖房蓄熱運転モードを図5に示して説明する。
この暖房蓄熱モードは、好ましくは安価な夜間電力を使用して室外ユニット10を運転し、蓄熱ユニット30の蓄熱槽31内に温熱を蓄熱するものである。
この運転モードでは、図1に示す冷房蓄熱運転モードと同様に室内ユニット20の運転は行わず、室外ユニット10から供給される高温高圧のガス冷媒を蓄熱ユニット30の暖蓄コイル34に導入する。すなわち、圧縮機11から送出される高温高圧のガス冷媒は、四方弁12の流路切換操作により冷房運転時とは逆向きに循環するので、冷媒配管Prのガス管側を通って蓄熱ユニット30に導かれる。この後、高温高圧のガス冷媒は、冷媒配管Prから分岐する蓄熱冷媒循環経路Psに導入され、さらに、逆止弁36で流れが阻止される冷蓄コイル33から分岐して暖蓄コイル34に流入する。
暖蓄コイル34内を流れる高温高圧のガス冷媒は、蓄熱槽31内の水Wと熱交換して放熱するので、蓄熱槽31内の水Wが加熱を受けて温度上昇する温水を生成して温熱の蓄熱が可能となる。この熱交換により、高温高圧のガス冷媒は凝縮して液冷媒となる。
暖蓄コイル34を出た液冷媒は、全開の暖蓄用膨脹弁37を通過して蓄熱冷媒循環経路Psに合流する。この後、液冷媒は冷媒配管Prの液管側に合流して室外ユニット10に導かれ、室外膨張弁14で減圧されてから室外熱交換器13に流入する。室内熱交換器13では、液冷媒が外気から吸熱して気化する。この結果、低圧のガス冷媒が四方弁12を経由して圧縮機11に吸入されるので、低圧のガス冷媒は圧縮機11で再度圧縮され、高温高圧のガス冷媒となって送出される。従って、高温高圧のガス冷媒は上述した経路を循環して状態変化を繰り返すこととなり、冷媒を循環させて温熱を蓄熱する冷媒回路が形成される。
このような暖房蓄熱運転モードでは、室内ユニット20の室内膨張弁(不図示)が全閉とされ、従って、冷媒が室内ユニット20側を循環して流れることはない。また、水ポンプ41が停止しているので、循環配管Pwを水Wが循環して流れることもない。
続いて、蓄熱非利用暖房運転モードを図6に示して説明する。この蓄熱非利用暖房運転モードは、蓄冷ユニット30の蓄熱を利用することなく室内ユニット20が暖房運転を行うものであり、蓄熱ユニット30を保有しない通常の空調装置における暖房運転と実質的に同じになる。
この運転モードにおいて、室外ユニット10内における冷媒の流れは、上述した暖房蓄熱運転モードと同じになる。なお、圧縮機11の運転は、昼間等空調運転を必要とする時の電力を利用することとなる。
室外ユニット10から送出された高温高圧のガス冷媒は、蓄熱ユニット30を通過して室内ユニット20へ供給される。このとき、蓄熱ユニット30の冷蓄用膨脹弁35及び暖蓄用膨脹弁37は全閉(黒塗り表示)とされ、かつ、水ポンプ41の運転も停止される。この結果、高温高圧のガス冷媒は冷媒配管Prのガス管側を流れ、室内熱交換器20へ導かれる。
室内ユニット20では、高温高圧のガス冷媒が図示省略の室内熱交換器に供給され、室内気と熱交換して放熱する。この結果、室内気は加熱されて温風となり、ガス冷媒は凝縮して液化する。
室内熱交換器で凝縮した高圧の液冷媒は、全開の室内膨張弁を通過する。この高圧液冷媒は、冷媒配管Prの液管側を通って室外ユニット10に戻る。このとき、水ポンプ41の運転が停止されているので、水熱交換器40を通過するものの水Wとの熱交換はない。
そして、室外ユニット10に戻った高圧液冷媒は、室外膨張弁14を通過して減圧され室外熱交換器13に流入する。室外熱交換器13では、液冷媒が外気から吸熱して気化する。この結果、低圧のガス冷媒が四方弁12を経由して圧縮機11に吸入されるので、低圧のガス冷媒は圧縮機11で再度圧縮され、高温高圧のガス冷媒となって送出される。従って、高温高圧のガス冷媒は上述した経路を循環して状態変化を繰り返すこととなり、冷媒を循環させて室内ユニット20で暖房運転を行う冷媒回路が形成される。
続いて、蓄熱利用暖房デフロスト運転モードを図7に示して説明する。
この運転モードは、上述した暖房蓄熱運転モードで蓄熱槽31に蓄熱した温水が所定値以上の高温(たとえば5℃以上)である場合、圧縮機11から送出される高温高圧のガス冷媒で室外熱交換器13に付着した霜を解かして除去するものである。すなわち、暖房運転時に蒸発器として機能する室外熱交換器13に付着した霜を溶かして除去し、熱交換器の性能を回復させるデフロスト運転を行う際、蓄熱槽31に蓄熱した温水の温熱を利用する運転モードである。
この場合、四方弁12を操作して冷媒の循環方向が切り換えられるため、上述した蓄熱非利用暖房運転モードの冷媒循環方向とは逆向きに循環して上述した冷房蓄熱運転モードの冷媒回路と同じになる。
この結果、圧縮機11から送出された高温高圧のガス冷媒は、室外熱交換器13に導かれて加熱するので、熱交換器外周に付着した霜を解かして霜取りを行うことができる。この加熱により、高温高圧のガス冷媒が凝縮して高圧の液冷媒となり、冷媒配管Prの液管側を通って蓄熱ユニット30に導かれる。
蓄熱ユニット30内に導かれた高圧の液冷媒は、冷蓄用膨脹弁35を通過して減圧された後、冷蓄コイル33を通過する際に蓄熱槽31内の温水と熱交換し、温水から吸熱して気化する。こうして生成された低圧のガス冷媒は、冷媒配管Prのガス管側を通って室外ユニット10に戻り、四方弁12を経由して圧縮機11に吸入されるので、低圧のガス冷媒は圧縮機11で再度圧縮され、高温高圧のガス冷媒となって送出される。この結果、高温高圧のガス冷媒は上述した経路を循環して状態変化を繰り返すこととなり、冷媒を循環させて室外熱交換器13の霜取りを行う冷媒回路が形成される。これによって着霜した室外熱交換器13の霜を溶かし熱交換器の性能を回復させることができ、上述した暖房運転モードを再開できる。
最後に、蓄熱槽分離運転を図8に示して説明する。
この運転では、冷媒回路Prの液管側及びガス管側から分岐した蓄熱冷媒循環経路Psに各々設けられている開閉弁38,39を全閉(黒塗り表示)とし、蓄熱槽31、蓄熱コイル32、冷蓄用膨脹弁35及び暖蓄用膨脹弁36等を冷媒回路から分離する。この結果、蓄熱ユニット30内の蓄熱槽31及びその周辺機器等をメンテナンスする場合など、開閉弁38,39を閉じることで室外ユニット10及び室内ユニット20による一般的な空調運転を、すなわち、蓄熱ユニット30のない空調装置と同様の構成にして冷房及び暖房等の空調運転を継続することが可能になる。
また、図8は冷房運転時の冷媒回路を示しているが、この冷媒回路は、図3に示した蓄熱非利用冷房運転と実質的に同じである。なお、図示を省略した蓄熱槽分離による暖房運転は、開閉弁38,39を全閉としたこと以外は図6に示した蓄熱非利用暖房運転と実質的に同じ冷媒回路となる。
ところで上述した氷蓄熱空調装置には、暖蓄コイル34の出口配管に第1温度センサ51が設けられている。この第1温度センサ51は、暖蓄コイル34の出口配管温度を検出することにより暖蓄コイル34の出口冷媒温度を得て、過熱度制御に使用される。ここで検出される出口配管温度は、暖房蓄熱運転モード時において、第1温度センサ51の検出温度を一定にする過熱度のフィードバック制御に使用される。
このような暖房蓄熱運転モード時の過熱度制御は、暖蓄コイル34を暖房運転の室内ユニット20と同等に取り扱うことを可能にする。このため、制御用のプログラム作成においては、暖蓄コイル34を暖房運転の室内ユニット20が1台増えたものとみなして制御することができるので、制御プログラムを簡素化することができる。また、暖蓄コイル34を暖房運転の室内ユニット20とみなして取り扱うことにより、蓄熱ユニット30による暖房蓄熱運転と室内ユニット20による暖房運転とを同時に行うことも可能になる。
また、上述した氷蓄熱空調装置には、水熱交換器40の液冷媒出口に、すなわち、水熱交換器40から室内熱交換器20に至る冷媒配管Prの液管側出口に、液冷媒出口配管温度を検出する第2温度センサ52が設けられている。この第2温度センサ52で検出した液冷媒出口配管温度は、蓄熱利用冷房運転モード時に水Wの循環量を調整し、液冷媒出口配管温度を設定値以下とする制御に使用される。すなわち、圧縮機11側の運転を抑制して消費電力を最小限に留め、冷媒側の制御に代えて水ポンプ41を運転制御し、温度が低い水Wの循環量を調整して冷媒に対する過冷却の付加を制御するようにしたので、冷媒配管Prにキャピラリ、ストレーナ及び弁類等の機器類が不要となる。従って、冷媒回路の配管を簡略化でき、特に、細くて詰まりやすいキャピラリが不要となるので、キャピラリの詰まりを防止するストレーナも不要となってメンテナンスを容易にする。
また、上述した氷蓄熱空調装置では、水Wの温度を検出する第3温度センサ53が蓄熱槽31内に設けられている。この第3温度センサ53で検出した温度は、蓄熱利用冷房運転を終了する制御に利用される。蓄熱利用冷房運転を終了する制御は、第3温度センサ53で検出した蓄熱槽31内の水温及び第2温度センサ51で検出した液冷媒出口配管温度の両方が設定値以上になると、蓄熱利用冷房運転を終了するものである。
このような制御を行うと、蓄熱槽31内の水温と液冷媒出口配管温度(水熱交換器40で付加された過冷却)から運転終了時期を判断するので、蓄熱槽31内の蓄熱を有効に利用して蓄熱利用冷房運転を行うことができる。すなわち、熱交換を終えて水熱交換器40から戻ってきた温度の高い水温を検知することにより、水熱交換器40で所望の過冷却を付加することができる冷熱が蓄熱されているにもかかわらず、この冷熱を十分に利用する前に蓄熱利用冷房運転が終了されることを防止できる。
また、上述した氷蓄熱空調装置は、蓄熱コイル32の冷蓄コイル33に圧力センサ54を配設し、冷蓄コイル内の冷媒圧力を検出して冷媒の漏洩監視を実施する。具体的には、圧力センサ54の検出値を監視し、圧力変化がある所定値以下となる場合には冷畜コイル33自体からの漏洩があると判断でき、また、圧力変化がある所定値以上となる場合には逆止弁36や冷畜用膨張弁35の漏洩量が多いと判断できる。
このような判定制御を行うことにより、たとえば電子膨張弁(冷蓄用膨脹弁35や暖蓄用膨脹弁37等)や逆止弁36等から微量の冷媒漏れが生じているような場合は空調運転に支障がないため、適当な手段で管理者に告知するなどして空調運転を継続することができる。しかし、冷蓄コイル33に冷媒漏れが生じたような場合には、冷媒の漏れ量が多く冷媒不足により空調運転の継続に支障があり、たとえば圧縮機11の破損など重大なトラブルを誘発する恐れがあるため異常停止としてすぐに空調運転を停止し、適当な手段で管理者に告知する。
このような運転制御を行うことにより、軽微な冷媒漏れでは空調運転を継続して快適な室内環境を提供し、重大な冷媒漏れが生じた場合は異常停止し、二次的なトラブルの発生を防止して氷蓄熱空調装置を保護することができる。
なお、上述した実施例では蓄熱コイル32を二分割した一方の冷蓄コイル33に圧力センサ54を設置したが、このような制御は冷蓄コイル33及び暖蓄コイル34に分割されない一体構造の冷蓄コイルに適用することも可能である。
上述したように、本発明の氷蓄熱空調装置は、水熱交換器40及び水ポンプ41を備えた外融式の氷蓄熱空調装置とし、かつ、蓄熱コイル32を分割した冷房蓄熱専用の冷畜コイル33及び暖房蓄熱専用の暖畜コイル34に連結されて各々独立する冷媒流路を形成するように構成した蓄熱冷媒循環経路Psとしたので、各種の運転モードに応じて異なる冷媒及び水Wの流路を選択切換可能な冷媒回路とするのに必要な機能部品の数が低減してシンプルな回路構成を実現することができる。このため、部品点数の増加によるコストアップを防止し、さらに、機能部品で詰まりや漏れ等のトラブルが生じて装置全体の異常停止に至る可能性を低減することができるので、信頼性の高い氷蓄熱空調装置となる。
ちなみに、本発明の冷媒回路において、蓄熱ユニット30内で二分割した蓄熱コイル32の選択切換は、2個の電子膨張弁35,37と1個の逆止弁36だけで実施可能となっている。
また、蓄熱槽31の冷熱を有効利用して液冷媒に過冷却を付加することができるので、圧縮機11の運転に消費する電力を低減できるようになり、蓄熱ユニット30のない標準的な電動空調装置と比較して、約30%程度のピークシフトを実現できる。
なお、本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において適宜変更することができる。
本発明に係る氷蓄熱空調装置の一実施形態を示す冷媒回路図であり、冷房蓄熱運転モードにおける冷媒及び蓄熱用流体(水)の流れが示されている。 図1に示した蓄熱槽の構成例を示す平面図である。 本発明に係る氷蓄熱空調装置の一実施形態を示す冷媒回路図であり、蓄熱非利用冷房運転モードにおける冷媒及び蓄熱用流体(水)の流れが示されている。 本発明に係る氷蓄熱空調装置の一実施形態を示す冷媒回路図であり、蓄熱利用冷房(ピークシフト)運転モードにおける冷媒及び蓄熱用流体(水)の流れが示されている。 本発明に係る氷蓄熱空調装置の一実施形態を示す冷媒回路図であり、暖房蓄熱運転モードにおける冷媒及び蓄熱用流体(水)の流れが示されている。 本発明に係る氷蓄熱空調装置の一実施形態を示す冷媒回路図であり、蓄熱非利用暖房運転モードにおける冷媒及び蓄熱用流体(水)の流れが示されている。 本発明に係る氷蓄熱空調装置の一実施形態を示す冷媒回路図であり、蓄熱利用暖房デフロスト運転モードにおける冷媒及び蓄熱用流体(水)の流れが示されている。 本発明に係る氷蓄熱空調装置の一実施形態を示す冷媒回路図であり、冷房時の蓄熱槽分離運転における冷媒及び蓄熱用流体(水)の流れが示されている。
符号の説明
10 室外ユニット
11 圧縮機
12 四方弁
13 室外熱交換器
14 電子膨張弁(室外膨張弁)
15 逆止弁
20 室内ユニット
30 蓄熱ユニット
31 蓄熱槽
31a 循環出口
32 蓄熱コイル
33 冷畜コイル
33a 蓄熱コイルユニット
34 暖蓄コイル
34a 暖蓄コイルユニット
35 電子膨張弁(冷畜用膨張弁)
36 逆止弁
37 電子膨張弁(暖畜用膨張弁)
38,39 開閉弁
40 水熱交換器(蓄熱利用熱交換器)
41 水ポンプ(蓄熱流体ポンプ)
51 第1温度センサ(第1温度検出手段)
52 第2温度センサ(第2温度検出手段)
53 第3温度センサ(第3温度検出手段)
54 圧力センサ(圧力検出手段)
W 水(蓄熱用流体)
Pr 冷媒配管
Ps 蓄熱冷媒循環経路
Pw 循環配管

Claims (7)

  1. 蓄熱体となる蓄熱用流体を貯蔵する蓄熱槽と、
    該蓄熱槽内に配設され、室外ユニットと室内ユニットとの間を連結する冷媒配管から分岐させた蓄熱冷媒循環経路を介して導入される冷媒と前記蓄熱用流体との間で熱交換させる蓄熱コイルと、
    前記蓄熱槽に連結された蓄熱用流体の循環配管及び前記冷媒配管に連結して設けられ、前記蓄熱槽から導入した蓄熱用流体と前記室内ユニットに供給する冷媒との間で熱交換させる蓄熱利用熱交換器と、
    前記蓄熱槽内の蓄熱用流体を前記循環配管及び前記蓄熱利用熱交換器を経由して循環させる蓄熱流体ポンプとを具備して構成される蓄熱ユニットを備え、
    前記蓄熱冷媒循環経路が、前記蓄熱コイルを分割した冷房蓄熱専用の冷畜コイル及び暖房蓄熱専用の暖畜コイルに連結されて各々独立する冷媒流路を形成していることを特徴とする氷蓄熱空調装置。
  2. 前記暖畜コイルの少なくとも一部が、前記蓄熱槽に設けられた蓄熱用流体の循環出口付近に配設されていることを特徴とする請求項1に記載の氷蓄熱空調装置。
  3. 前記蓄熱冷媒循環経路が、前記室外ユニットと前記室内ユニットとの間を連結する冷媒回路から開閉弁を介して分岐されていることを特徴とする請求項1または2に記載の氷蓄熱空調装置。
  4. 前記暖畜コイルの出口配管に第1温度検出手段を設け、暖房蓄熱運転時に前記第1温度検出手段で検出される出口配管温度を一定にする制御がなされることを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の氷蓄熱空調装置。
  5. 前記蓄熱利用熱交換器の液冷媒出口に第2温度検出手段を設け、蓄熱利用冷房運転時に前記蓄熱用流体の循環量を調整して液冷媒出口配管温度を設定値以下とする制御がなされることを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の氷蓄熱空調装置。
  6. 前記蓄熱槽内に蓄熱用流体の温度を検出する第3温度検出手段を設け、前記第2温度検出手段で検出した液冷媒出口配管温度及び前記第3温度検出手段で検出した蓄熱用流体温度の両方が設定値以上となった場合に前記蓄熱利用冷房運転を終了する制御がなされることを特徴とする請求項5に記載の氷蓄熱空調装置。
  7. 蓄熱体となる蓄熱用流体を貯蔵する蓄熱槽と、
    該蓄熱槽内に配設され、室外ユニットと室内ユニットとの間を連結する冷媒配管から分岐させた蓄熱冷媒循環経路を介して導入される冷媒と前記蓄熱用流体との間で熱交換させる蓄熱コイルと、
    前記蓄熱槽に連結された蓄熱用流体の循環配管及び前記冷媒配管に連結して設けられ、前記蓄熱槽から導入した蓄熱用流体と前記室内ユニットに供給する冷媒との間で熱交換させる蓄熱利用熱交換器と、
    前記蓄熱槽内の蓄熱用流体を前記循環配管及び前記蓄熱利用熱交換器を経由して循環させる蓄熱流体ポンプとを具備して構成される蓄熱ユニットを備え、
    前記蓄熱コイルに圧力検出手段を配設して冷媒の漏洩監視を行うことを特徴とする氷蓄熱空調装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN102121726B (zh) * 2010-01-11 2012-10-17 珠海格力电器股份有限公司 防止制冷剂泄漏的方法及空调器
CN114636222A (zh) * 2020-12-16 2022-06-17 芜湖小天鹅制冷设备有限公司 空调器、空调器的控制方法、控制器和存储介质

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