JP4727523B2 - 冷凍装置 - Google Patents
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Description
その1つは、ホットガス冷媒を直接エバポレータに導入し、エバポレータで放熱させて凝縮させることにより、庫内を加温するホットガス凝縮加温方式である。
他の1つは、ホットガス冷媒を減圧弁等により庫内温度飽和圧力以下に減圧した後、エバポレータに導入し、エバポレータで放熱させることにより、庫内を加温するホットガス非凝縮加温方式である(例えば、特許文献1参照)。
また、加温サイクルは、上記のようにガス冷媒単相のサイクルとなるため、サイクルの高圧および低圧は、減圧弁等の開度とサイクル中の冷媒量により決定されることとなる。
また、吐出圧力調整手段を構成する吐出圧力調整弁または電磁開閉弁は、冷媒回路の中でも比較的太い吐出ガス配管に設けられることとなるため、口径の大きい大型の弁が必要となる。また、電磁開閉弁については、コンデンサの入口側に設けられる故、万一の閉故障時の瞬時高圧上昇を避けるため、無通電開型電磁開閉弁が採用される。これらの構成が冷凍装置のコスト高の要因となっている。
以上のように、従来のホットガス非凝縮加温方式による加温機能を備えた冷凍装置においては、加温サイクル時の圧力調整手段に関して、性能面あるいはコスト面で改善すべき課題が残されている。
すなわち、本発明にかかる冷凍装置は、圧縮機と、コンデンサと、レシーバと、膨張弁と、冷却庫内を冷却するエバポレータとが順次冷媒配管により接続されて構成される冷媒回路と、バイパス回路電磁弁を介して前記コンデンサ、前記レシーバ、および前記膨張弁に対し並列に接続され、前記圧縮機から吐出された高温高圧の冷媒ガスを減圧手段により前記冷却庫の庫内温度飽和圧力以下に減圧して前記エバポレータに導入する非凝縮ホットガスバイパス回路と、を備えた冷凍装置において、前記コンデンサと前記レシーバとの間に、前記非凝縮ホットガスバイパス回路を用いた加温運転時に前記圧縮機の吐出圧力が第1設定圧力以上のとき、前記レシーバ側への冷媒流れを許容する無通電閉型電磁弁が設けられることを特徴とする。
なお、本発明における第4設定圧力は、上述の発明における第3設定圧力と同じ設定値とされる。
以下、本発明の一実施形態について、図1ないし図5を用いて説明する。
図1には、本実施形態にかかる冷凍装置1の冷媒回路図が示されている。冷凍装置1の冷媒回路2は、冷媒ガスを圧縮する圧縮機3と、圧縮機3から吐出された高温高圧の冷媒ガスを外気との熱交換により放熱させて凝縮させるコンデンサ4と、コンデンサ4で凝縮された液冷媒を貯留するレシーバ5と、冷媒回路2中の水分を除去する乾燥剤が充填されたドライヤ6と、冷媒回路2中を循環する冷媒の状態を監視するサイトグラス7と、液冷媒とエバポレータ10で蒸発されたガス冷媒とを熱交換させる気液熱交換器8と、液冷媒を断熱膨張させる膨張弁9と、冷却庫内に配設され、断熱膨張された冷媒と庫内空気とを熱交換させて冷媒を蒸発させるエバポレータ10と、蒸発されたガス冷媒中の液分を分離してガス冷媒のみを圧縮機3に吸入させるアキュームレータ11とをこの順に冷媒配管12で接続することによって構成される。
また、冷媒回路2には、圧縮機3に接続された吐出配管12Aから分岐し、他端がエバポレータ10の入口側に接続され、圧縮機3から吐出された高温高圧の冷媒ガスをエバポレータ10に導入して加温サイクルを構成する非凝縮ホットガスバイパス回路15が設けられる。この非凝縮ホットガスバイパス回路15には、バイパス回路電磁弁16と、エバポレータ10の下方部に設けられる図示省略のドレンパンを加熱するドレンパンヒータ17と、減圧弁、オリフィス等により構成される減圧手段18とが設けられる。
さらに、レシーバ5の下流側であるレシーバ5と膨張弁9との間の液冷媒配管12Bには、通常の冷却運転時には開とされ、加温運転時には圧縮機3の吐出圧力を検出して連続または断続的に開閉制御される液ライン電磁弁20が設けられる。この液ライン電磁弁20は、圧縮機3の吐出圧力を圧力センサ21により検出し、この検出圧力に基づいて後述するようにコントローラ22により連続または断続的に開閉制御される。
図2に、マルチフロータイプコンデンサ4の一例が示されている。マルチフロータイプコンデンサ4は、公知の如く、所定間隔で配置された一対のヘッダ30A,30Bと、この一対のヘッダ30A,30B間に互いに平行に接続配設された多数の扁平熱交換チューブ31と、扁平熱交換チューブ31間に設けられたコルゲート形状のフィン32と、ヘッダ30Aに設けられた冷媒入口33と、ヘッダ30Bに設けられた冷媒出口34とから構成される。
このマルチフロータイプコンデンサ4は、構造的に他タイプのコンデンサに比べて内容積が小さくでき、コンデンサ4における冷媒のマイグレーション量を少なくできる特長を有している。
まず、冷却運転について説明する。冷却運転時、圧縮機3で圧縮された冷媒は、吐出配管12Aを経てコンデンサ4に流入され、コンデンサ4においてコンデンサ用ファン13により送風される外気と熱交換されて凝縮液化される。この液冷媒は、液冷媒配管12Bを経て冷却運転時は開とされている無通電閉型電磁弁19を通過してレシーバ5に貯留される。レシーバ5で一時貯留された後、冷媒はドライヤ6、サイトグラス7、冷却運転時は開とされている液ライン電磁弁20を通過し、気液熱交換器8でエバポレータ10からの低圧ガス冷媒と熱交換されて膨張弁9に至り、膨張弁9で断熱膨張されて低温低圧の気液二相冷媒となりエバポレータ10に流入される。
上記のように、冷媒回路2内を冷媒が循環されることにより、冷却庫内を冷却する冷却運転が行われることとなる。
加温運転指令がコントローラ22に入力されると、非凝縮ホットガスバイパス回路15に設けられているバイパス回路電磁弁16が開とされるとともに、無通電閉型電磁弁19および液ライン電磁弁20は共に閉とされる。
これによって、圧縮機3から吐出された高温高圧の冷媒ガス(ホットガス)は、非凝縮ホットガスバイパス回路15側に流れ、ドレンパンヒータ17を経て減圧手段18により冷却庫内温度飽和圧力以下に減圧された後、エバポレータ10に流入される。この冷媒はエバポレータに導入される前に減圧させているため、エバポレータにおいて放熱されても凝縮されることはなく、ガス冷媒のままエバポレータ10を通過する。エバポレータ10を通過したガス冷媒は、低圧ガス配管12C内を流通し、気液熱交換器8、アキュームレータ11を通過して圧縮機3に吸入される。
上記のように加温サイクルは、ガス冷媒単相のサイクルとなる。
図4および図5に、その制御フローチャートが示されている。
加温サイクル中の冷媒量が過剰であると、高圧が上昇する。この場合、図4に示すように、圧力センサ21により検出された吐出圧力HPと設定圧力HP1とが比較され、吐出圧力HPが高いと(S1)、高圧上昇抑制制御が実行され、コントローラ22は無通電閉型電磁弁19に通電し、この無通電閉型電磁弁19を開とする(S2)。これによって、コンデンサ4からレシーバ5への冷媒流れが許容され、加温サイクルを循環されている冷媒の一部はコンデンサ4を経てレシーバ5へとチャージされる。このため、加温サイクル中の冷媒量は減少され、高圧の上昇は抑制される。この制御により、高圧は低下され、吐出圧力HPが設定圧力HP2になったことが検出されると(S3)、コントローラ22は無通電閉型電磁弁19への通電を停止し、無通電閉型電磁弁19は閉とされる(S4)。このようにして、加温サイクル中の高圧は、設定圧力HP2以下に制御される。
上記の制御により、加温サイクル中の余剰冷媒は、吐出冷媒ガスの状態(b)から液冷媒の状態(f)とされてレシーバ5に貯留されることとなる(図3参照)。
なお、上記した設定圧力HP0,HP1,HP2の関係は、HP0>HP1>HP2に設定されている。
なお、設定圧力HP3,HP4の関係は、HP3<HP4に設定される。また、上記の設定圧力HP2は、設定圧力HP3より高く、例えば、設定圧力HP2が2Mpaであるのに対して設定圧力HP3は1.8Mpaである。
以上により、加温運転の間、加温サイクルの高圧は、設定圧力HP2と設定圧力HP3との間に制御され、加温サイクル中の冷媒量は過不足のない適正量に調整される。これによって、加温性能は最大限発揮されることとなる。
加温サイクル中の高圧を調整する無通電閉型電磁弁19をコンデンサ4の下流側に設けることによって、電磁弁閉故障時における保護装置の応答性を十分に確保することができる。また、高圧調整時における無通電閉型電磁弁19の開閉に伴う圧力変動、すなわち圧縮機3の負荷変動をコンデンサ4により吸収して小さくすることができるため、圧縮機3およびその駆動系、すなわち駆動源や動力を伝えるクラッチ、ベルト等に対する衝撃を緩和し、それらの寿命を延長することができる。
また、コンデンサ4の下流側に高圧調整用の無通電閉型電磁弁19を設けているが、コンデンサ4に内容積の小さいマルチフロータイプコンデンサを用いているため、低外気温時の加温運転中におけるコンデンサ4に対する冷媒のマイグレーションを許容することができる。このことによって、レシーバ5に冷媒をマイグレーションさせない構成は維持することができる。
さらに、無通電閉型電磁弁19による高圧上昇抑制制御と、液ライン電磁弁20による高圧低下回復制御とによって、加温サイクル中の冷媒量を常に過不足のない適正量に調整することができる。従って、非凝縮ホットガスバイパス回路による加温性能を最大限発揮させることができる。
また、上記の実施形態において、冷凍装置1による冷却対象が冷却庫である例について説明したが、この冷却庫は、保冷庫、冷凍庫、冷蔵庫、保冷室、冷凍室、冷蔵室、各種コンテナ等を総称する意味で使用されているものとする。従って、冷凍装置1の用途については上記実施形態で説明した冷却庫用に限定されるものではない。
2 冷媒回路
3 圧縮機
4 コンデンサ(マルチフロータイプコンデンサ)
5 レシーバ
9 膨張弁
10 エバポレータ
12 冷媒配管
13 コンデンサ用ファン
15 非凝縮ホットガスバイパス回路
16 バイパス回路電磁弁
18 減圧手段
19 無通電閉型電磁弁
20 液ライン電磁弁
21 圧力センサ
22 コントローラ
Claims (6)
- 圧縮機と、コンデンサと、レシーバと、膨張弁と、冷却庫内を冷却するエバポレータとが順次冷媒配管により接続されて構成される冷媒回路と、
バイパス回路電磁弁を介して前記コンデンサ、前記レシーバ、および前記膨張弁に対し並列に接続され、前記圧縮機から吐出された高温高圧の冷媒ガスを減圧手段により前記冷却庫の庫内温度飽和圧力以下に減圧して前記エバポレータに導入する非凝縮ホットガスバイパス回路と、を備えた冷凍装置において、
前記コンデンサと前記レシーバとの間に、前記非凝縮ホットガスバイパス回路を用いた加温運転時に前記圧縮機の吐出圧力が第1設定圧力以上のとき、前記レシーバ側への冷媒流れを許容する無通電閉型電磁弁が設けられることを特徴とする冷凍装置。 - 前記コンデンサは、マルチフロータイプコンデンサにより構成されることを特徴とする請求項1に記載の冷凍装置。
- 前記圧縮機の吐出圧力が前記第1設定圧力よりも高い第2設定圧力以上のとき、前記無通電閉型電磁弁が開とされるとともに、コンデンサ用送風機が駆動されることを特徴とする請求項1または2に記載の冷凍装置。
- 前記レシーバと前記膨張弁との間に、前記非凝縮ホットガスバイパス回路による加温運転時に前記圧縮機の吐出圧力が第3設定圧力以下のとき、連続または断続的に開閉される液ライン電磁弁が設けられることを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の冷凍装置。
- 前記第3設定圧力が前記第1設定圧力以下に設定されることを特徴とする請求項4に記載の冷凍装置。
- 圧縮機と、コンデンサと、レシーバと、膨張弁と、冷却庫内を冷却するエバポレータとが順次冷媒配管により接続されて構成される冷媒回路と、
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前記レシーバと前記膨張弁との間に、前記非凝縮ホットガスバイパス回路による加温運転時に前記圧縮機の吐出圧力が第4設定圧力以下のとき、連続または断続的に開閉される液ライン電磁弁が設けられることを特徴とする冷凍装置。
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