JP2004085008A - 水和物スラリ製造システムおよびその運転方法 - Google Patents

水和物スラリ製造システムおよびその運転方法 Download PDF

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Abstract

【課題】熱交換器を増やすことなく、氷蓄熱システムと水和物スラリの冷熱輸送システムとを併用したコンパクトで省エネルギーを達成できる水和物スラリ製造システムを提供する。
【解決手段】蓄冷媒体が収容される蓄熱槽と、前記蓄熱槽内に設置され、冷却により水和物スラリを生成するゲスト化合物水溶液を流通させる内管およびブラインを流通させる外管を有する二重管熱交換器と、ブラインを冷却する冷凍機と、前記冷凍機と前記二重管熱交換器の外管との間でブラインを循環させるブライン配管と、前記二重管熱交換器の内管と負荷側機器との間で水和物スラリまたはゲスト化合物水溶液を循環させる冷熱輸送配管とを有する。
【選択図】  図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は水和物スラリ製造システムおよびその運転方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、空調施設や産業用冷熱利用施設においては、冷熱媒体として冷水を利用するのが最も一般的である。最近では、電力需要が低い夜間に水を冷却して氷(氷スラリ)を製造しておき、電力需要が高い昼間には氷の融解潜熱を利用して製造された冷水を空調負荷などに輸送するようにし、省エネルギーを達成する氷蓄熱システムが用いられるようになってきている。
【0003】
一方、本発明者らは、冷熱媒体としてゲスト化合物(テトラn−ブチルアンモニウム塩、テトラiso−アミルアンモニウム塩、テトラiso−ブチルホスホニウム塩、トリiso−アミルスルホニウム塩などの各種塩類)の水和物スラリを用いることを提案している。ゲスト化合物を含む水溶液を冷却すると、ホスト分子である水分子によって構成された籠状の包接格子内にゲスト化合物が包み込まれて結晶化し、水和物(液系包接水和物)が生成する。この水和物は、大気圧下において0℃以上の温度で生成でき、しかも5〜12℃程度の冷熱利用温度域で潜熱が比較的大きく、冷水に比較して数倍の熱量の冷熱を利用することができる。また、この水和物は微細な結晶粒子であり水溶液中に浮遊するため、比較的流動性の高い水和物スラリ(固液二相流体)の形態で存在する。この水和物スラリは、従来の冷熱輸送媒体である冷水と比較して、所定の輸送冷熱量に対して輸送動力を低減でき、大幅に省エネルギーを達成できるので、空調システムなどで利用される冷熱輸送媒体として好ましい特性を有している。
【0004】
ただし、氷蓄熱システムでは氷の蓄熱量が大きいため蓄熱槽スペースを小さくできるというメリットがある。そこで、氷蓄熱システムと水和物スラリの冷熱輸送システムとを併用することが考えられる。
【0005】
しかし、上記の2つのシステムを単純に併用する場合、冷凍機によって水を冷却して氷を製造するための熱交換器のほかに、氷蓄熱システムで生成する冷水によってゲスト化合物水溶液を冷却して水和物スラリを製造するための熱交換器が必要になる。このことは、特に冷熱利用システムの設置スペースが限られている場合には大きな問題になる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、熱交換器を増やすことなく、氷蓄熱システムと水和物スラリの冷熱輸送システムとを併用したコンパクトで省エネルギーを達成できる水和物スラリ製造システムを提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明の一態様に係る水和物スラリ製造システムは、蓄冷媒体が収容される蓄熱槽と、前記蓄熱槽内に設置され、冷却により水和物スラリを生成するゲスト化合物水溶液を流通させる内管およびブラインを流通させる外管を有する二重管熱交換器と、ブラインを冷却する冷凍機と、前記冷凍機と前記二重管熱交換器の外管との間でブラインを循環させるブライン配管と、前記二重管熱交換器の内管と負荷側機器との間で水和物スラリまたはゲスト化合物水溶液を循環させる冷熱輸送配管とを有する。
【0008】
本発明の水和物スラリ製造システムにおいては、前記冷熱輸送配管に、前記二重管熱交換器の内管から抜き取った水和物を貯蔵するバッファタンクが接続されていることが好ましい。
【0009】
本発明の水和物スラリ製造システムにおいては、前記蓄熱槽内に複数の二重管熱交換器が設置されていてもよい。
【0010】
本発明の水和物スラリ製造システムにおいては、前記冷熱輸送配管に、前記二重管熱交換器の内管が閉塞過程に入ったことを検知する手段が接続されていることが好ましい。
【0011】
本発明の水和物スラリ製造システムにおいては、前記二重管熱交換器の外管に加熱ブラインを供給する供給配管が設けられていてもよい。
【0012】
本発明の水和物スラリ製造システムにおいては、前記冷熱輸送配管および前記ブライン配管に、負荷側機器から戻るゲスト化合物水溶液とブラインとの熱交換を行う熱交換器が接続されていてもよい。
【0013】
本発明の他の態様に係る上記水和物スラリ製造システムの運転方法は、蓄熱運転時に二重管熱交換器の外管に0℃以下のブラインを流通させて蓄熱槽内の蓄冷媒体を冷却し、水和物スラリ製造運転時に二重管熱交換器の内管にゲスト化合物水溶液を流通させ二重管熱交換器の外管に1℃以上のブラインを流通させて二重管熱交換器の内管内で水和物スラリを製造することを特徴とする。
【0014】
本発明の方法においては、蓄熱運転時に二重管熱交換器の内管からゲスト化合物水溶液を抜き取ってバッファタンクに貯蔵することが好ましい。
【0015】
本発明の方法においては、蓄熱槽内に複数の二重管熱交換器を切り替え可能に並列に設置し、水和物スラリ製造運転に使用している二重管熱交換器の内管が閉塞過程に入ったことを検知したときに、他の二重管熱交換器に切り換えて水和物スラリ製造運転を継続するようにしてもよい。
【0016】
本発明の方法においては、水和物スラリ製造運転に使用している二重管熱交換器の内管が閉塞過程に入ったことを検知したときに、二重管熱交換器の外管に加熱ブラインを供給するようにしてもよい。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、本発明をより詳細に説明する。
蓄冷媒体が収容される蓄熱槽としては、例えば水を冷却することにより生成する氷(氷スラリ)が収容される氷蓄熱槽が用いられる。また、冷却により水和物スラリを生成するゲスト化合物としては、テトラn−ブチルアンモニウム塩、テトラiso−アミルアンモニウム塩、テトラiso−ブチルホスホニウム塩、トリiso−アミルスルホニウム塩などの各種塩類が挙げられる。ゲスト化合物水溶液は、所望の冷熱利用温度が得られるように所定の濃度に調整する。
【0018】
本発明においては、蓄熱槽内に二重管熱交換器を設置する。二重管熱交換器の構造は管式のものでもプレート式のものでもよく、特に限定されない。複数の二重管熱交換器を蓄熱槽内に設置し、直列または並列に接続してもよい。また、直列接続された複数の二重管熱交換器で1つのユニットを構成し、複数のユニットを並列に接続してもよい。二重管熱交換器の内管にゲスト化合物水溶液を流通させ、二重管熱交換器の外管にブラインを流通させる。ブラインは、冷凍機により冷却され、ブライン配管を通して二重管熱交換器の外管へ送られ、外管から冷凍機へ戻るように循環する。二重管熱交換器の内管で製造された水和物スラリは、冷熱輸送配管を通して負荷側機器へ送られ、負荷側機器で冷熱が利用された後にゲスト化合物水溶液として二重管熱交換器の内管に戻るように循環する。
【0019】
このような水和物スラリ製造システムは以下のようにして運転される。すなわち、蓄熱運転時(例えば夜間)には、二重管熱交換器の外管に0℃以下のブラインを流通させて蓄熱槽内の蓄冷媒体を冷却する。こうして、蓄熱槽内に例えば氷(氷スラリ)を貯蔵する。なお、蓄熱運転時には、二重管熱交換器の内管からゲスト化合物水溶液を抜き取ってバッファタンクに貯蔵しておくことが好ましい。一方、水和物スラリ製造運転時(例えば昼間)には、二重管熱交換器の内管にゲスト化合物水溶液を流通させ、蓄熱槽に貯蔵されている氷の融解潜熱を利用してゲスト化合物水溶液を冷却することにより水和物スラリを製造し、氷がなくなったら二重管熱交換器の外管に1℃以上のブラインを流通させてゲスト化合物水溶液を冷却することにより水和物スラリを製造する。製造された水和物スラリは負荷側機器へ送られてその冷熱が利用される。
【0020】
上記のような本発明の水和物スラリ製造システムでは、蓄熱槽内に設置された二重管熱交換によって蓄冷媒体(例えば氷スラリ)の製造と水和物スラリの製造が可能になるので、別途に水和物スラリ製造用の熱交換器を用意する必要がなくなる。このため、本発明の水和物スラリ製造システムは、コンパクトで、しかも水和物スラリの輸送熱密度が高いので、輸送動力を低減できるという特性を活かして省エネルギーを達成できる。
【0021】
本発明の水和物スラリ製造システムでは、二重管熱交換器の内管内で水和物スラリによる閉塞が生じると安定な運転ができなくなるため、二重管熱交換器の内管が水和物スラリの付着によって閉塞される過程に入ったことを検知できるようにすることが好ましい。水和物スラリによる内管の閉塞の兆候は、内管出口の水和物スラリの温度や流量、内管入口−内管出口間の圧力損失、その他の物性の変動によって検知できるので、検知手段として温度計、流量計、差圧計などの機器を適宜設置する。これらの機器を複数設置してもよい。
【0022】
本発明の水和物スラリ製造システムでは、水和物スラリ製造運転に使用している二重管熱交換器の内管が閉塞過程に入ったことを検知したときに、二重管熱交換器の外管に、水溶液の濃度に応じて定まる水和物スラリ生成温度より高い温度に加熱されたブラインを一時的に供給して、内管内部に付着した水和物の融解運転を行い、閉塞を防止することが好ましい。
【0023】
また、内管から水溶液を抜いた状態での蓄熱運転から水和物スラリ製造運転への切り換え時に内管に水溶液を供給した時点で、内管内の壁面での水和物の付着を防ぎ、水溶液の流動性を確保して水和物スラリ製造運転の起動を安定化する目的でも、二重管熱交換器の外管に加熱ブラインを供給することが好ましい場合がある。
【0024】
具体的には、ヒーターなどにより加熱可能なブラインの容器を別途用意し、ブライン循環配管に弁を介して加熱ブラインの供給管を接続し、検知手段により閉塞の兆候が検知されたときに弁を開いて二重管熱交換器の外管に加熱ブラインを供給するようにしてもよい。
【0025】
また、冷熱輸送配管およびブライン配管に弁を介して負荷側機器から戻るゲスト化合物水溶液とブラインとの熱交換を行う熱交換器を接続し、検知手段により閉塞の兆候が検知されたときに弁を開いて二重管熱交換器の外管に加熱ブラインを供給するようにしてもよい。この場合、ブラインを加熱するために負荷側機器から戻る水溶液を熱源としているので、融解運転のためのシステムの熱損失を低減することができる。
【0026】
さらに、蓄熱槽内に複数の二重管熱交換器(または二重管熱交換器ユニット)を切り替え可能に並列に設置し、水和物スラリ製造運転に使用している二重管熱交換器の内管が閉塞過程に入ったことを検知したときに、他の二重管熱交換器(または二重管熱交換器ユニット)に切り換えて水和物スラリ製造運転を継続するようにしてもよい。このような方法により、閉塞を確実に予防できるとともに、システム全体で連続的に水和物スラリを製造できる。
【0027】
【実施例】
以下、図面を参照しながら、本発明の実施例を説明する。
図1は本実施例における水和物スラリ製造システムを示す構成図である。図1に示すように、蓄熱槽1内に4つの二重管熱交換器2が直列に設置されている。蓄熱槽1は水を冷却することにより生成する蓄冷媒体としての氷(氷スラリ)3を収容する。
【0028】
本実施例における二重管熱交換器2は、図2に示すように、内管2aと外管2bを有するプレート式のものである。二重管熱交換器2では、内管2a内にはゲスト化合物水溶液20が流通され、外管2b内(外管2b−内管2a間の流路)にはブライン10が流通される。ゲスト化合物水溶液20とブライン10は互いに向流となるように流通される。
【0029】
ブライン10は冷凍機11内(蒸発器)で冷却され、ポンプ12によりブライン配管13を通して二重管熱交換器2の外管2b内に流通され、冷凍機11に戻るように循環される。なお、冷却塔14で冷却された冷却水がポンプ15によって冷凍機11の凝縮器に供給される。
【0030】
ゲスト化合物水溶液20は二重管熱交換器2の内管2a内で冷却されて水和物スラリとなり、水和物スラリはポンプ21により冷熱輸送配管22を通して空調機などの負荷側機器23へ輸送され、二重管熱交換器2の内管2aに戻るように循環される。なお、冷熱輸送配管22の途中にはバッファタンク24が設けられている。
【0031】
図3(a)および(b)を参照して、図1の水和物スラリ製造システムの運転方法を説明する。
【0032】
蓄熱運転時(夜間)には、図3(a)に示すように、二重管熱交換器2の内管2aからゲスト化合物水溶液を抜き出してバッファタンク24に貯蔵する。この状態で、冷凍機11で0℃以下たとえば−5℃に冷却したブラインを二重管熱交換器2の外管2bに流通させ、蓄熱槽1内の水を冷却して氷(氷スラリ)3を生成させる。
【0033】
水和物スラリ製造運転時(昼間)には、図3(b)に示すように、二重管熱交換器2の内管2aにゲスト化合物水溶液20を流通させ、蓄熱槽1に貯蔵されている氷の融解潜熱を利用してゲスト化合物水溶液20を冷却することにより水和物スラリを製造する。負荷が高くなり、氷がなくなったら二重管熱交換器2の外管2bに1℃以上たとえば2〜4℃のブライン10を流通させてゲスト化合物水溶液20を冷却することにより水和物スラリを製造する。製造された水和物スラリは負荷側機器23へ送られてその冷熱が利用される。
【0034】
次に、図4を参照して、本発明の水和物スラリ製造システムにおける二重管熱交換器内管の閉塞過程の検知手段および閉塞防止手段について説明する。図4に示すように、二重管熱交換器2の内管2aからの出口側の冷熱輸送配管22には流量計25および温度計26が取り付けられている。また、二重管熱交換器2の内管2aへの入口側の冷熱輸送配管22と二重管熱交換器2の内管2aからの出口側の冷熱輸送配管22との間には差圧計27が接続されている。これらの機器は制御器28に接続され、水和物スラリの温度もしくは流量、または水和物スラリ−水溶液間の差圧が設定値から変動したことを検知することにより、二重管熱交換器2の内管2aが水和物スラリによる閉塞過程に入ったことを検知できるようになっている。一方、蓄熱槽1の外側にブライン40を収容したブラインタンク41が設けられており、ブラインタンク41内のブライン40はヒーター42によりゲスト化合物水溶液の水和物生成温度よりも高い温度に加熱できるようになっている。ブラインタンク41は加熱ブライン供給配管44によってブライン配管13に接続されており、ブラインタンク41内の加熱されたブライン40はポンプ43によりブライン供給配管44および電磁弁45を通してブライン配管13に供給され、さらに二重管熱交換器2の外管2bに流通できるようになっている。また、加熱ブライン供給配管44の接続位置より上流のブライン配管13にも電磁弁16が設けられている。電磁弁16および電磁弁45は、制御器28により開閉を制御される。
【0035】
図4において、流量計25、温度計26または差圧計27からの信号に基づいて、制御器28によって二重管熱交換器2の内管2aが閉塞過程に入ったことが検知されると、制御器28から融解運転開始の信号が電磁弁16および電磁弁45に入力され、二重管熱交換器2の内管2a内に付着した水和物を融解する融解運転に入る。すなわち、この信号により一時的に電磁弁16が閉じ電磁弁45が開いて、ブラインタンク41内の加熱されたブライン40がポンプ43によりブライン供給配管44、電磁弁45、ブライン配管13を経由して二重管熱交換器2の外管2bに供給される。この結果、二重管熱交換器2の内管2a内に付着した水和物が融解されるので、内管の閉塞を防止できる。融解運転が終了すると、電磁弁45を閉じ電磁弁16を開いて水和物スラリ製造運転に戻る。
【0036】
図5を参照して、本発明の水和物スラリ製造システムにおける閉塞防止手段の他の例について説明する。なお、図5でも図4と同様に流量計25、温度計26、差圧計27および制御器28が接続されているが、図5ではこれらの機器を省略している。図5においては、融解運転用の熱交換器51を設け、融解運転時には二重管熱交換器へ供給されるブラインと負荷側機器での冷熱利用により加熱されたゲスト化合物水溶液との間で熱交換を行うことによりブラインを加熱し、加熱ブラインを二重管熱交換器2の外管2bに供給する。具体的には、二重管熱交換器2の外管2bへのブライン入口側のブライン配管13には電磁弁16が設けられるとともに、ブライン配管13と熱交換器51との間に電磁弁16をバイパスするバイパス配管および電磁弁17が設けられている。また、二重管熱交換器2の外管2bからのブライン出口側の冷凍機11へ向かうブライン配管13には電磁弁18が設けられるとともに、電磁弁18および冷凍機11をバイパスするバイパス配管および電磁弁19が設けられている。一方、負荷側機器から戻るゲスト化合物水溶液の二重管熱交換器2の内管2aへの入口側の冷熱輸送配管22には電磁弁28が設けられるとともに、冷熱輸送配管22と熱交換器51との間に電磁弁28をバイパスするバイパス配管および電磁弁29が設けられている。
【0037】
図5において、二重管熱交換器2の内管2aが閉塞過程に入ったことが検知されると、融解運転開始の信号が各電磁弁に入力され、二重管熱交換器2の内管2a内に付着した水和物を融解する融解運転に入る。すなわち、この信号により一時的に電磁弁16、18、28が閉じ電磁弁17、19、29が開く。そして、ブラインは熱交換器51において負荷側機器からの加熱されたゲスト化合物水溶液との熱交換により加熱されて二重管熱交換器2の外管2bに供給され、冷凍機11を経由せずに循環する。この結果、二重管熱交換器2の内管2a内に付着した水和物が融解されるので、内管の閉塞を防止できる。融解運転が終了すると、電磁弁17、19、29を閉じ電磁弁16、18、28を開いて水和物スラリ製造運転に戻る。図5では、ブラインを加熱するために負荷側機器から戻る水溶液を熱源としているので、図4の構成と比較して、融解運転のためのシステムの熱損失を低減することができる。
【0038】
なお、以上の説明では、蓄熱槽1内に直列に接続された4つの二重管熱交換器2からなる1つの二重管熱交換器ユニットを設けた構成を示したが、本発明においては複数の二重管熱交換器ユニットの複数を切り替え可能に並列に設置してもよい。この場合、水和物スラリ製造運転に使用している1つの二重管熱交換器ユニットで内管が閉塞過程に入ったことを検知したときに、他の二重管熱交換器ユニットに切り換えて水和物スラリ製造運転を継続する。このような方法により、閉塞を確実に予防できるとともに、システム全体で連続的に水和物スラリを製造できる。また、蓄冷媒体として氷(氷スラリ)以外に低温で相変化する物質や不凍液を用いてもよい。
【0039】
【発明の効果】
以上詳述したように本発明によれば、熱交換器を増やすことなく、氷蓄熱システムと水和物スラリの冷熱輸送システムとを併用したコンパクトで省エネルギーを達成できる水和物スラリ製造システムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例に係る水和物スラリ製造システムの構成図。
【図2】本発明の一実施例に係る水和物スラリ製造システムにおいて用いられる二重管熱交換器の断面図。
【図3】本発明の一実施例に係る水和物スラリ製造システムの運転方法を説明する図。
【図4】本発明の他の実施例に係る水和物スラリ製造システムにおける閉塞検知手段および閉塞防止手段を示す図。
【図5】本発明のさらに他の実施例に係る水和物スラリ製造システムにおける閉塞防止手段を示す図。
【符号の説明】
1…蓄熱槽
2…二重管熱交換器
2a…内管
2b…外管
3…氷(氷スラリ)
10…ブライン
11…冷凍機
12…ポンプ
13…ブライン配管
14…冷却塔
15…ポンプ
16、17、18、19…電磁弁
20…ゲスト化合物水溶液
21…ポンプ
22…冷熱輸送配管
23…負荷側機器
24…バッファタンク
25…流量計
26…温度計
27…差圧計
28、29…電磁弁
40…ブライン
41…ブラインタンク
42…ヒーター
43…ポンプ
44…ブライン供給配管
45…電磁弁
51…融解運転用の熱交換器

Claims (10)

  1. 蓄冷媒体が収容される蓄熱槽と、前記蓄熱槽内に設置され、冷却により水和物スラリを生成するゲスト化合物水溶液を流通させる内管およびブラインを流通させる外管を有する二重管熱交換器と、ブラインを冷却する冷凍機と、前記冷凍機と前記二重管熱交換器の外管との間でブラインを循環させるブライン配管と、前記二重管熱交換器の内管と負荷側機器との間で水和物スラリまたはゲスト化合物水溶液を循環させる冷熱輸送配管とを有することを特徴とする水和物スラリ製造システム。
  2. 前記冷熱輸送配管に、前記二重管熱交換器の内管から抜き取った水和物を貯蔵するバッファタンクが接続されていることを特徴とする請求項1記載の水和物スラリ製造システム。
  3. 前記蓄熱槽内に複数の二重管熱交換器を設置したことを特徴とする請求項1または2記載の水和物スラリ製造システム。
  4. 前記冷熱輸送配管に、前記二重管熱交換器の内管が閉塞過程に入ったことを検知する手段が接続されていることを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の水和物スラリ製造システム。
  5. 前記二重管熱交換器の外管に加熱ブラインを供給する供給配管が設けられていることを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載の水和物スラリ製造システム。
  6. 前記冷熱輸送配管および前記ブライン配管に、負荷側機器から戻るゲスト化合物水溶液とブラインとの熱交換を行う熱交換器が接続されていることを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載の水和物スラリ製造システム。
  7. 請求項1記載の水和物スラリ製造システムを運転するにあたり、蓄熱運転時に二重管熱交換器の外管に0℃以下のブラインを流通させて蓄熱槽内の蓄冷媒体を冷却し、水和物スラリ製造運転時に二重管熱交換器の内管にゲスト化合物水溶液を流通させ二重管熱交換器の外管に1℃以上のブラインを流通させて二重管熱交換器の内管内で水和物スラリを製造することを特徴とする水和物スラリ製造システムの運転方法。
  8. 蓄熱運転時に二重管熱交換器の内管からゲスト化合物水溶液を抜き取ってバッファタンクに貯蔵することを特徴とする請求項7記載の水和物スラリ製造システムの運転方法。
  9. 蓄熱槽内に複数の二重管熱交換器を切り替え可能に並列に設置し、水和物スラリ製造運転に使用している二重管熱交換器の内管が閉塞過程に入ったことを検知したときに、他の二重管熱交換器に切り換えて水和物スラリ製造運転を継続することを特徴とする請求項7記載の水和物スラリ製造システムの運転方法。
  10. 水和物スラリ製造運転に使用している二重管熱交換器の内管が閉塞過程に入ったことを検知したときに、二重管熱交換器の外管に加熱ブラインを供給することを特徴とする請求項7記載の水和物スラリ製造システムの運転方法。
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