JP4905172B2 - 蓄熱方法及び装置 - Google Patents

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Description

本発明は、包接水和物を潜熱蓄熱物質としたときの蓄熱方法及び装置に関し、より詳しくは、水和数が異なる2つの形態を有し得る包接水和物のゲスト化合物の水溶液を冷却することで潜熱として熱エネルギーを蓄積する際の、その蓄熱方法及び装置に関する。
蓄熱式空気調和システムにおいては、一般に冷凍サイクルの冷媒蒸発温度が高いほど冷凍サイクルの効率(COP)は高く省エネルギーとなる。このような蓄熱式空気調和システムでは、凝固点が0℃より高く20℃より低い温度の蓄熱剤が好適であるとされている。
例えば、テトラnブチルアンモニウム塩、トリnブチルnペンチルアンモニウム塩、テトラisoアミルアンモニウム塩、テトラnブチルフォスフォニウム塩、トリisoアミルサルフォニウム塩などの水溶液を冷却して生成される包接水和物はその代表例である。
<水和数の異なる包接水和物生成の説明>
包接水和物生成物質を含む水溶液を冷却して包接水和物を生成する際に、2種類または複数種類の包接水和物が生成される場合がある。例えば、包接水和物生成物質としてテトラnブチルアンモニウム塩のひとつである臭化テトラnブチルアンモニウム(以下「TBAB」という)の水溶液を冷却していくと、このTBAB1分子を包接する水分子の数、すなわち水和数が26の包接水和物(以下第1包接水和物という)と、水和数が36の包接水和物(以下第2包接水和物という)が生成される。この第2包接水和物は第1包接水和物に比べて潜熱量が大きく、また密度が小さい。
第1包接水和物と第2包接水和物の生成は独立して起こるのではなく、関連している。TBABの水溶液を冷却してゆくと、まず水和数の小さい第1包接水和物が生成され、この第1包接水和物が周囲の水と包晶反応を生じて水和数の大きい第2包接水和物に変化する。この第2包接水和物は第1包接水和物より密度が小さいので、第1包接水和物が第2包接水和物に変化する場合には、体積が膨張する。また、第1包接水和物のまま存在するものもある。このようにTBABの水溶液を冷却する過程において第1包接水和物と第2包接水和物とが混在することがある。
<蓄熱運転の終了判定>
ところで、氷や包接水和物の潜熱蓄熱物質を用いる蓄熱技術において、蓄熱状況を把握して過剰に蓄熱せず、適正に蓄熱運転の終了時期を判定することが重要である。例えば、(1)水と、該水の中に配置する熱交換器とを収容する蓄熱槽内に熱エネルギーを蓄積する氷蓄熱技術の場合、装置の破損を防止するため、蓄熱槽の水位を監視し、当該水位が基準水位を超えた場合には製氷運転を停止することにより製氷量を適正に保持するようにしている(特許文献1)。
また、(2)熱交換器が蓄熱槽の外部に設置され、両者が水循環路により接続されることにより、熱交換器で製造された氷を蓄熱槽に貯蔵する氷蓄熱技術の場合、熱交換器を冷却する冷媒の温度、熱交換器の出口水温、水循環路の流量等を監視し、その変化を所定値と比較し、その結果に基づき配管を通じて熱交換器に流入する冷媒の温度を監視し、製氷運転を制御又は停止している(特許文献2、特許文献3参照)。
なお、(3)水と、該水の中に配置する熱交換器とを収容する蓄熱槽内に熱エネルギーを蓄積する氷蓄熱技術の場合において、蓄熱装置の効率的運転や過剰着氷による構造体の破損を回避する例として、着氷により変化する浮力や水位とともに水温を計測して蓄熱量を求め、その結果に基づき、蓄熱装置の運転制御するものなども知られている(特許文献4、特許文献5参照)。
特開平2−272238号公報 特開平4−227447号公報 特開2002−106891号公報 特開昭62−162838号公報 特開昭62−162839号公報
以上のように、氷蓄熱における蓄熱運転に関しては、蓄熱運転の終了時期の判定方法について種々の提案がなされている。
しかし、包接水和物を潜熱蓄熱物質とする蓄熱技術においては蓄熱状況を把握して蓄熱運転の終了時期を判定する手法については知られていないし、これまで具体的に提案されてこなかった。
特に、前述したような、冷却することで水和数が異なる2つの形態の水和物を生成して潜熱として熱エネルギーを蓄積する場合において、蓄熱運転の運転状況を把握して終了時期を適正に判定する手法については全く知られていない。
この点、氷蓄熱における蓄熱運転の終了時期判定手法を、2つの形態の水和物を生成する包接水和物を用いる蓄熱運転に適用することも考えられるが、そのようにしても問題が生じる。以下その理由を説明する。
氷蓄熱の場合(特許文献1)、氷が生成すると氷の密度が水より小さいので蓄熱槽内の氷が混ざった水の水位が上昇する。そこで、製氷量と水位の関係から製氷運転を停止すべき基準水位を予め求めておき、水位を監視して当該水位が基準水位を超えた場合には製氷運転を停止することにより製氷量を適正に保持するようにしている。
このような水位監視により蓄熱運転の終了を判定する方法を、複数形態の水和物を生成して蓄熱する包接水和物を用いる蓄熱方法に適用すると、以下のような問題が生じる。
例えばTBABの水溶液を冷却してゆくと、まず水和数の小さい第1水和物が生成される。第1水和物の密度は水溶液より大きいので、第1水和物が混ざった水溶液の水位は下降する。その後、水和数の大きい第2水和物が生成されると第2水和物の密度は水溶液より小さいので、第1水和物と第2水和物が混在する水溶液の水位の変動は単純ではない。そのため、氷蓄熱の場合のように製氷量と水位との関係が単純な場合のように、単に水溶液の水位が基準水位に達したら蓄熱運転を終了するような方法では、対応できない。
このように、2つの形態の水和物を生成する包接水和物生成物質を含む水溶液を冷媒との熱交換により冷却して水和物を生成し、その潜熱により蓄熱を行なう場合においても、蓄熱状況を把握して適正に蓄熱運転の終了時期を判定する必要性があるものの、従来の方法では対応できない。
蓄熱状況を把握して適正に蓄熱運転の終了時期を判定できないと、所望の蓄熱量より過剰に蓄熱することになり冷媒温度を過剰に低くすることになり、冷媒を供給する冷凍機の成績係数を低下させ効率の低い運転を行なうことになったり、放熱時に未融解のまま残った塊状の水和物が次の蓄熱運転時に伝熱管に過大な力を与え伝熱管を変形、破損させることになったりするなどの問題が生じる。
本発明は、以上の点に鑑みてなされたものであり、2つの形態の水和物を生成する包接水和物生成物質を含む水溶液を冷媒との熱交換により冷却して水和物を生成してその潜熱により蓄熱を行なう場合に、蓄熱状況を把握して過剰に蓄熱せず、適正に蓄熱運転の終了時期を判定する技術を提供することを目的とする。
発明者は上記の課題を解決するため、包接水和物生成物質としてテトラnブチルアンモニウム塩のひとつである臭化テトラnブチルアンモニウム(以下「TBAB」という)の水溶液を冷却して複数形態の包接水和物を生成する際の挙動について調査したので、まずこれについて説明する。
なお、TBAB以外の複数形態の包接水和物を生成する包接水和物生成物質(特に第4級アンモニウム塩)であっても定性的には同じ挙動となる。
蓄熱槽内のTBABの水溶液を冷却して2形態の包接水和物を生成するときの2つの形態の包接水和物が混在した水溶液の温度と液面高さの時間変化を図3に示す。図3においては、横軸が蓄熱を開始してから第2包接水和物の生成開始平衡温度に達し温度が平衡するまでの時間を基準とした時間比を示し、縦軸(左側)が蓄熱槽内のTBABの水溶液温度(蓄熱材温度と表示)を示し、さらに縦軸(右側)が蓄熱槽内の蓄熱開始時のTBABの水溶液面高さを基準とした水溶液面高さ比を示している。
TBABの水溶液を冷却してゆくと、第1包接水和物の生成開始平衡温度より低い温度まで過冷却された後、過冷却解除され第1包接水和物が生成される。このとき、蓄熱材温度は、一旦、第1包接水和物の生成開始平衡温度より低い温度まで低下し、過冷却解除によって第1包接水和物の生成開始平衡温度まで上昇した後、再び下降する。一方、液面高さは、第1包接水和物が生成されると低下を開始し、第1包接水和物の生成が続くとともに液面高さは徐々に低くなる。
さらに、冷却を続けると第2包接水和物の生成開始平衡温度より低温まで過冷却された後、過冷却解除され第2包接水和物が生成さる。このとき、蓄熱材温度は、第2包接水和物の生成から一定の期間は一定となり、その後第2包接水和物の生成開始平衡温度まで上昇した後下降する。一方、液面高さは、第2包接水和物が生成されてから一定期間は一定となり、その後、第2包接水和物の生成が続くとともに液面高さが上昇する。
このように蓄熱槽内の包接水和物生成物質の水溶液を冷却して第1包接水和物と第2包接水和物とが生成する際の、2つの形態の包接水和物が混在した水溶液の蓄熱材温度及び液面高さは一定の挙動を示すことが分かった。
そこで、蓄熱材温度又は液面高さの時間変化を検知することにより、包接水和物の生成状況を把握することができ、蓄熱状況を把握することができる。また、第2包接水和物の生成が開始したことを、2つの包接水和物が混在した水溶液の温度又は液面高さの時間変化を検知することにより、判定することができる。
すなわち、蓄熱槽内の包接水和物生成物質の水溶液の温度を計測し、水溶液の温度変化が所定時間なくその後温度上昇が現れたとき、水和数の多い包接水和物が生成し始めたと判定できる。
また、蓄熱槽内の包接水和物生成物質の水溶液の液面高さを計測し、液面高さが減少した後、液面高さの変化がなく一定となったとき、水和数の多い包接水和物が生成し始めたと判定できる。
以上のように、2つの形態の包接水和物を生成する包接水和物生成物質を含む水溶液を、冷媒との熱交換により冷却して包接水和物を生成してその潜熱により蓄熱を行なう場合に、水和数の多い包接水和物の生成開始を検知して蓄熱状況を把握して適正に蓄熱運転の終了時期を判定することができることを見出した。
なお、包接水和物を生成して蓄熱する具体的な蓄熱運転方法として、(1)第1包接水和物だけを生成して蓄熱する第1包接水和物蓄熱運転と、(2)第1包接水和物と第2包接水和物を生成して蓄熱する複合包接水和物蓄熱運転とが考えられる。
第1包接水和物蓄熱運転では、包接水和物生成による蓄熱と包接水和物融解による冷熱放熱とが単純に第1包接水和物の生成と融解によるものであるため、冷却温度は比較的高くてよく、また運転制御が簡単であり、蓄熱や放熱を簡単な制御機構で行なえる特徴がある。
他方、複合包接水和物蓄熱運転では、第1包接水和物だけでなく蓄熱密度の高い第2包接水和物も用いて蓄熱することができるので、より多量の蓄熱を行なえる特徴がある。
このように、第1包接水和物蓄熱運転及び複合包接水和物蓄熱運転のいずれにもそれぞれ有用性があるので、それぞれの運転において、運転状況の把握と蓄熱終了時期の具体的な方法を見出すことは有意義である。
そこで、発明者はそれぞれの運転において、(1)(2)それぞれの蓄熱運転に対応して過剰に蓄熱することなく、適正な蓄熱を行う蓄熱方法及び装置を見出した。
(1) 本発明の第1の形態に係る蓄熱方法は、水和数の小さい第1包接水和物と水和数のより大きい第2包接水和物という水和数が異なる2つの形態を有し得る包接水和物のゲスト化合物の水溶液を冷却して包接水和物を生成して蓄熱する方法であって、
前記第1包接水和物による最大蓄熱量である第1包接水和物最大蓄熱量が予定蓄熱量以上の場合において、
前記冷却を開始後において前記第2包接水和物の生成開始を検出する工程を有し、該工程によって第2包接水和物の生成開始が検出されたときに蓄熱を終了することを特徴とするものである。
(2)本発明の第2の形態に係る蓄熱方法は、水和数の小さい第1包接水和物と水和数の大きい第2包接水和物という水和数が異なる2つの形態を有し得る包接水和物のゲスト化合物の水溶液を冷却して包接水和物を生成して蓄熱する方法であって、
前記第1包接水和物による最大蓄熱量である第1包接水和物最大蓄熱量が予定蓄熱量以上かどうかを判定する工程を有し、
該判定において第1包接水和物最大蓄熱量が予定蓄熱量以上であると判定された場合には、前記冷却を開始後において前記第2包接水和物の生成開始を検出する工程を有し、該工程によって前記第2包接水和物の生成開始が検出されたときに蓄熱を終了して前記第1包接水和物だけを生成して蓄熱する第1包接水和物蓄熱を行い、
前記判定において第1包接水和物最大蓄熱量が予定蓄熱量未満であると判定された場合には、前記第1包接水和物と前記第2包接水和物を生成して蓄熱する複合包接水和物蓄熱を行うことを特徴とする蓄熱方法。

(3)本発明の第3の形態に係る蓄熱方法は、上記(1)又は(2)に記載のものにおいて、
前記第2包接水和物の生成開始を検出する方法は、前記水溶液の温度を計測し水溶液の温度変化が所定時間なくその後温度上昇が現れたとき、第2包接水和物が生成し始めたと判定するもの、又は、前記水溶液を収容した蓄熱槽内の水溶液面高さを計測し液面高さが減少した後液面高さの変化がなく一定となったとき、第2包接水和物が生成し始めたと判定するものであることを特徴とするものである。
(4)本発明の第4の形態に係る蓄熱装置は、水和数の小さい第1包接水和物と水和数の大きい第2包接水和物という水和数の異なる2つの形態を有し得る包接水和物のゲスト化合物の水溶液を冷却して蓄熱する蓄熱装置であって、
予定蓄熱量を演算する予定蓄熱量演算手段と、第1包接水和物による最大蓄熱量を演算する第1包接水和物最大蓄熱量演算手段と、第1包接水和物最大蓄熱量と予定蓄熱量とを比較して、第1包接水和物最大蓄熱量が予定蓄熱量以上であるかどうかを判定する判定・演算手段と、前記第2包接水和物の生成開始を検出する検出手段と、前記判定・演算手段によって第1包接水和物最大蓄熱量が予定蓄熱量以上であると判定された場合において、前記第2包接水和物生成検出手段によって前記第2包接水和物の生成開始が検出されたときに蓄熱運転を停止する運転制御手段とを備えたことを特徴とするものである。
(5)本発明の第5の形態に係る蓄熱装置は、上記(4)に記載のものにおいて、第1包接水和物による現状の蓄熱量を演算する第1包接水和物現状蓄熱量演算手段を備え、運転制御手段は、該第1包接水和物現状蓄熱量演算手段によって演算された現状の蓄熱量が予定蓄熱量以上になったときに運転を停止する機能を備えていることを特徴とするものである。
(6)本発明の第6の形態に係る蓄熱装置は、水和数の小さい第1包接水和物と水和数の大きい第2包接水和物という水和数の異なる2つの形態を有し得る包接水和物のゲスト化合物の水溶液を冷却して蓄熱する蓄熱装置であって、
予定蓄熱量を演算する予定蓄熱量演算手段と、前記第1包接水和物による最大蓄熱量を演算する第1包接水和物最大蓄熱量演算手段と、該第1包接水和物最大蓄熱量と予定蓄熱量とを比較して、前記第1包接水和物最大蓄熱量が予定蓄熱量以上であるかどうかを判定する判定・演算手段と、前記第2包接水和物の生成開始を検出する検出手段と、前記判定・演算手段によって第1包接水和物最大蓄熱量が予定蓄熱量以上であると判定された場合において、前記第2包接水和物生成検出手段によって前記第2包接水和物の生成開始が検出されたときに蓄熱運転を停止し、前記判定・演算手段によって第1包接水和物最大蓄熱量が予定蓄熱量未満であると判定された場合において、前記第1包接水和物と前記第2包接水和物を生成して蓄熱する複合包接水和物蓄熱を行う運転制御手段とを備えたことを特徴とするものである。
(7)本発明の第7の形態に係る蓄熱装置は、上記(4)〜(6)のいずれかに記載のものにおいて、前記第2包接水和物の生成開始を検出する検出手段は、前記水溶液の温度を計測し水溶液の温度変化が所定時間なくその後温度上昇が現れたとき、第2包接水和物が生成し始めたと判定するもの、又は、前記水溶液を収容した蓄熱槽内の水溶液面高さを計測し液面高さが減少した後液面高さの変化がなく一定となったとき、第2包接水和物が生成し始めたと判定するものであることを特徴とするものである。
本発明によれば、2つの形態の包接水和物を生成する包接水和物生成物質を含む水溶液を冷却して包接水和物を生成して蓄熱を行なう場合に、水和数の大きい包接水和物の生成が開始されたことを検知するようにしたので、蓄熱状況を把握して過剰に蓄熱せず、適正に蓄熱運転の終了時期を判定することができる。
[実施の形態1]
図1は本発明の一実施の形態に係る蓄熱装置を含む蓄熱式冷凍サイクルの構成機器およびその制御装置の説明図である。
本実施の形態に係る冷凍サイクルの構成機器は、圧縮機1、外気と冷凍サイクルの冷媒との熱交換を行う室外側熱交換器2、室内側熱交換器に流入する冷媒を減圧する減圧装置3a、3b、室内に設置されて室内空気と冷凍サイクルの冷媒との熱交換を行う室内側熱交換器4a、4bと、蓄熱材5を収容する蓄熱槽6、該蓄熱槽6に収納されて蓄熱材5と冷凍サイクルの冷媒とを熱交換させる蓄熱用熱交換器7、蓄熱用熱交換器7に流入する冷媒を減圧する第2の減圧装置8、を備えている。
そして、これらの構成機器を冷媒配管と冷媒の流路を切替える開閉制御弁9、10で連結して冷凍サイクル回路を構成している。
蓄熱槽6は蓄熱量センサ13、蓄熱材液位センサ11、蓄熱材温度センサ12を備えている。蓄熱量センサ13は、蓄熱量を算定するためのデータとして、蓄熱材温度、固相率等を計測する。
本実施の形態の蓄熱材5は、融点が0℃より高く20℃より低い蓄熱材が用いられる。例えば、臭化テトラn−ブチルアンモニウム(TBAB)の水溶液である。
運転制御装置15は、データベースを記憶する記憶手段33、蓄熱槽6の蓄熱量センサ13、蓄熱材液位センサ11、蓄熱材温度センサ12からの計測データを入力する計測データ入力手段35、計測データ入力手段35から入力された計測データに基づいて第2包接水和物生成開始を判定する第2包接水和物生成開始判定手段37と、記憶手段33に記憶されたデータおよび計測データ入力手段35から入力された計測データに基づいて蓄熱量を演算する蓄熱量演算手段39とを備えた判定・演算手段41と、該判定・演算手段41の判定結果または演算結果に基づいて前述の機器を制御する運転制御手段43を備えて構成される。
以下、運転制御装置15を構成する各手段を詳細に説明する。
1.記憶手段
記憶手段33には、各種のデータベースが記憶されている。記憶されているデータベースは、蓄熱材の比熱、潜熱量、初期濃度、重量、固相率を求める特性値の関係および冷熱需要データ等がある。
2.計測データ入力手段
計測データ入力手段35は、蓄熱槽6に備えられた蓄熱量センサ13、蓄熱材液位センサ11、蓄熱材温度センサ12から出力されたデータを判定・演算手段41に入力するためのハードウェアおよびソフトウェアをいう。
3.判定・演算手段
判定・演算手段41は、CPU等によってプログラムが実行されることで実現されるものである。
判定・演算手段41は、少なくとも第2包接水和物生成開始判定手段37と、蓄熱量演算手段39とを備えている。第2包接水和物生成開始判定手段37は、計測データ入力手段35によって入力された蓄熱材液位または蓄熱材温度の時間変化に基づき第2包接水和物生成開始を判定する。また、蓄熱量演算手段39は、計測データ入力手段35によって入力された蓄熱量演算のためのデータと、記憶手段33によって記憶されている蓄熱材の比熱、潜熱量、初期濃度、重量、固相率とから現状の蓄熱量を演算し、また冷熱需要データ等に基づき、翌日に必要な蓄熱需要を予測して予定蓄熱量を演算する。
また、判定・演算手段41は、上記の2つの手段の他に種々の演算、判定を行う機能を備えている。
なお、蓄熱量の演算は例えば液相顕熱、固相潜熱および固相顕熱を下式にしたがって求めこれらの総和を蓄熱量として求める。
液相顕熱:液相温度×液相比熱×液相重量(蓄熱材全体重量×液相比率)
固相潜熱:潜熱×固相重量(蓄熱材全体重量×固相比率)
固相顕熱:固相温度×固相比熱×固相重量(蓄熱材全体重量×固相比率)
固相は第1包接水和物として演算する。
固相率は蓄熱槽内の蓄熱材の電気抵抗等を計測して換算する。
4.運転制御手段
運転制御手段43は、判定・演算手段41から出力される第2包接水和物生成開始の判定及び蓄熱量に基づいて冷凍サイクルを運転制御する。
具体的には、運転制御手段43は、圧縮機1の運転制御および開閉制御弁9、10の開閉制御を行う。
上記のように構成された本実施の形態の動作を説明する。
(1)一般冷房運転
一般冷房運転時には、開閉制御弁10が「開」となり、開閉制御弁9は「閉」となる。
上記のような開閉制御弁9、10の状態において、圧縮機1から吐出された冷媒は室外側熱交換器2で凝縮する。液化した冷媒は開弁した開閉制御弁10を経由して減圧装置3a、3bで減圧される。室内側熱交換器4a、4bで冷媒は蒸発して室内を冷房し、再び圧縮機1に戻る。
(2)蓄熱運転
蓄熱運転時には、開閉制御弁9が「開」となり、開閉制御弁10が「閉」となり、蓄熱槽6内の蓄熱用熱交換器7に冷媒が流通される。
上記のような開閉制御弁9、10の状態において、圧縮機1から吐出された冷媒は室外側熱交換器2で凝縮する。液化した冷媒は第2の減圧装置8で減圧され、減圧された冷媒は蓄熱用熱交換器7内で蒸発して蓄熱材を冷却し包接水和物を生成して蓄熱する。
蓄熱槽6に収められている蓄熱材5は、TBABの水溶液であり、冷却されることにより第1包接水和物と第2包接水和物を生成する。蓄熱運転においては、蓄熱槽6に収められている蓄熱用熱交換器7の熱交換面が冷却面となり、蓄熱材であるTBAB水溶液が冷却され、伝熱管の周囲に包接水和物が塊状あるいはスラリー状に生成する。
実際の蓄熱運転制御については、第1包接水和物の蓄熱だけで蓄熱量が足りる場合の第1包接水和物蓄熱運転と、第1包接水和物と第2包接水和物を生成して蓄熱する複合包接水和物蓄熱運転の場合がある。
図2は、このような運転制御のフローチャートを示している。以下、図2に基づいて蓄熱運転制御方法を説明する。
蓄熱運転が開始されると、まず蓄熱量演算手段39によって予定蓄熱量が演算され、予定蓄熱量として設定されて記憶手段33に記憶される(S1)。予定蓄熱量の設定は、季節や曜日などの情報、記憶手段に記憶された過去の冷熱需要データ等に基づき、翌日に必要な蓄熱量を予測するプログラムなどから設定される蓄熱需要を予測して行われる。
蓄熱量センサ13により計測された蓄熱量データと記憶手段33に記憶された蓄熱材5のデータに基づき第1包接水和物によって蓄熱可能な第1包接水和物最大蓄熱量(E1)を演算する(S3)。
判定・演算手段41は、第1包接水和物最大蓄熱量(E1)と予定蓄熱量とを比較して、第1包接水和物最大蓄熱量(E1)が予定蓄熱量以上であるかどうかを判定する(S5)。第1包接水和物蓄熱量が予定蓄熱量以上であると判断されると、第1包接水和物だけを生成して蓄熱する第1包接水和物蓄熱運転モード(図中左側のフロー:A)が選択され、第1包接水和物蓄熱運転を実施する。他方、第1包接水和物最大蓄熱量(E1)が予定蓄熱量未満であると判断されると、第1包接水和物と第2包接水和物を生成して蓄熱する複合包接水和物蓄熱運転モード(図中右側のフロー:B)が選択され、複合包接水和物蓄熱運転を実施する。
以下においては、第1包接水和物蓄熱運転と、複合包接水和物蓄熱運転について各別に説明する。
(A)第1包接水和物蓄熱運転
第1包接水和物蓄熱運転モードが選択されると、第1包接水和物蓄熱運転を開始する(S7A)。第1包接水和物蓄熱運転を開始した後、所定の時間が経過すると、蓄熱量センサ13の計測値に基づいて、蓄熱量演算手段39が現状の第1包接水和物による蓄熱量を演算する(S9A)。判定・演算手段41は、演算された現状の蓄熱量と予定蓄熱量を比較して、現状蓄熱量が予定蓄熱量以上になったかどうかを判定する(S11A)。現状蓄熱量が予定蓄熱量以上になったと判定されたときには、その情報を運転制御手段43に出力し、これを入力した運転制御手段43は圧縮機1を停止して蓄熱運転を終了する。
S11Aの判断において、現状蓄熱量が予定蓄熱量未満であると判断された場合には、第2包接水和物生成開始判定手段37は、蓄熱材温度センサ12によって蓄熱材の温度計測値を入力し(S13A)、この計測値に基づき、第2包接水和物の生成が開始されたかどうか判定する(S15A)。第2包接水和物の生成が開始されたかどうかの判定は、蓄熱槽6内の水溶液の温度変化が予め定めた所定時間なく、その後温度上昇が現れたとき、第2包接水和物の生成が開始されたと判定する。
第2包接水和物の生成が開始したと判定されると、その情報を運転制御手段43に出力し、この情報を入力した運転制御手段43は圧縮機1を停止して蓄熱運転を終了する。
他方、S15Aの判定において、第2包接水和物生成が開始されていないと判定されたときには、第1包接水和物蓄熱運転を継続し(S7A)、同様の運転制御を繰り返す。
このように、第1包接水和物蓄熱運転において、現状蓄熱量が予定蓄熱量未満であると判定された場合であっても、第2包接水和物の生成が開始された場合には、蓄熱運転を停止するようにしたので、複雑な蓄熱槽の状況において、現状蓄熱量の把握に誤差が生じた場合であっても、過剰に蓄熱することなく第1包接水和物だけを生成して蓄熱する第1包接水和物蓄熱運転を行なうことができる。
また、S15Aの判定において、第2包接水和物の生成が開始したと判定されるときに、第一水和物のみの蓄熱量では不足する状況になった場合には、複合水和物蓄熱運転モードに移るようにしてもよい。
(B)複合包接水和物蓄熱運転
複合包接水和物蓄熱運転モードが選択されると、複合包接水和物蓄熱運転を開始する(S7B)。複合包接水和物蓄熱運転を開始した後、所定の時間が経過すると、第2包接水和物生成開始判定手段37は、蓄熱材温度センサ12によって蓄熱材の温度を計測し(S9B)、この計測値に基づき、第2包接水和物の生成が開始されたかどうか判定する(S11B)。第2包接水和物の生成が開始されたかどうかの判定は、第1包接水和物蓄熱運転の場合と同様に、蓄熱槽内の水溶液の温度変化が予め定めた所定時間なく、その後温度上昇が現れたとき、第2包接水和物の生成が開始されたと判定する。
第2包接水和物の生成が開始されたと判定されない場合には、複合包接水和物蓄熱運転を継続する(S7B)。
一方、S11Bの判断において、第2包接水和物の生成が開始されたと判定された場合には、蓄熱量演算手段39は、蓄熱量センサ13の計測値を入力し、現状蓄熱量の演算を行う(S13B)。
現状蓄熱量の演算は、第1包接水和物の蓄熱量に第2包接水和物の蓄熱量を加えることによって行う。ここで、第1包接水和物の蓄熱量は、S3で演算した第1包接水和物最大蓄熱量とする。また、第2包接水和物蓄熱量は、蓄熱量センサ13の計測値に基づいて、現状の第2包接水和物による蓄熱量を演算する。
判定・演算手段41は、S13Bによって演算された現状蓄熱量が予定蓄熱量以上であるかどうかを判定する(S15B)。現状蓄熱量が予定蓄熱量以上であると判定されると、その情報を運転制御手段43に出力し、この情報を入力した運転制御手段43が圧縮機1を停止して蓄熱運転を終了する。
他方、S15Bの判定において、現状蓄熱量が予定蓄熱量未満であると判定されると、そのまま複合包接水和物蓄熱運転を継続し、所定時間の経過後に再び、現在蓄熱量の計測を行い(S13B)、同様の処理を行う。そして、S15Bの判定において、現状蓄熱量が予定蓄熱量以上であると判定されたときに、複合包接水和物蓄熱運転を終了する。
このように、第1包接水和物と第2包接水和物を生成して蓄熱する複合包接水和物蓄熱運転では、第2包接水和物の生成が開始したことを正確に検知し、第1包接水和物による蓄熱量と第2包接水和物による蓄熱量とをそれぞれ把握して、その合計が予定蓄熱量に到達したとき、蓄熱運転を終了するようにしているので、蓄熱状況が正確に把握でき、無駄な運転をすることなく、必要な量の蓄熱ができる。
なお、上記の説明では、第1包接水和物蓄熱運転及び複合包接水和物蓄熱運転のいずれの場合においても、蓄熱材温度センサ12の計測値に基づき、第2包接水和物の生成が開始されたかどうかの判定を行う場合を示したが、蓄熱材液位センサ11の計測値に基づき第2包接水和物の生成が開始されたかどうかの判定を行うようにしてもよい。この場合には、液面高さが減少した後液面高さの変化がなく一定となったときに、第2包接水和物の生成が開始したと判定する。
(3)蓄熱利用過冷却冷房運転
蓄熱利用過冷却冷房運転時には、開閉制御弁9、10が「閉」となる。また、第2の減圧装置8は全開にしておく。
上記のような開閉制御弁の状態において、圧縮機1から吐出された冷媒は室外側熱交換器2で凝縮する。液化した冷媒は開弁した第2の減圧装置8を経由して蓄熱槽6内の蓄熱用熱交換器7で蓄熱材5と熱交換して過冷却状態になる。
蓄熱用熱交換器7を経由して過冷却状態になった冷媒は、第1の減圧装置3a、3bで減圧されて室内側熱交換器4a、4bで蒸発して室内を冷房し、再び圧縮機1に戻る。
以上のように、本実施の形態により第2包接水和物の生成開始を検知することができるので、第2包接水和物が生成しているにもかかわらず第1包接水和物のみによる蓄熱を行なっていると判定して過剰に蓄熱して支障が生じることを防ぐことができる。
第1包接水和物だけを生成して蓄熱する第1包接水和物蓄熱運転では、蓄熱材としてTBABの水溶液を用いる場合、第2包接水和物が生成し始める条件(水溶液濃度20wt%、水溶液温度8℃)より水溶液濃度が大きく、温度が高い範囲で包接水和物が生成されるように、TBABの水溶液の初期濃度を設定し水溶液を冷却する温度を制御する。
蓄熱運転終了時に、蓄熱槽内の包接水和物と水溶液の混合物中の包接水和物の割合(固相率)を蓄熱・放熱時の熱交換効率等の点で好適な70wt%とするように、かつ第1包接水和物のみが生成するように水溶液濃度が20wt%以上であるようにするには、TBAB水溶液の初期濃度は34wt%以上で調和融点濃度の40wt%未満とする必要がある。
ところが、実際に蓄熱槽で蓄熱材を冷却して蓄熱運転を行なうと、図3に示すように過冷却状態の後に第2包接水和物が生成し始めるのは、第2包接水和物の生成開始温度である8℃よりも低い温度である。この時包接水和物と水溶液は、第2包接水和物が生成する理論上の条件(水溶液濃度20wt%、水溶液温度8℃)より水溶液濃度が小さく、温度が低い状態になっている。例えば、蓄熱運転終了時の水溶液濃度が10wt%まで第2包接水和物が生成せず第1包接水和物であり続けるとすると、蓄熱運転終了時に、固相率を70wt%とするように、かつ水溶液濃度が10wt%以上であるようにするには、TBAB水溶液の初期濃度は31wt%とすることになる。
上記のように第1包接水和物のみを生成するためのTBAB水溶液の初期濃度や運転条件を適切に設定すれば、水溶液の初期濃度を小さくすることができるため、包接水和物を生成するゲスト化合物の使用量を削減できる。
本発明の一実施の形態に係る蓄熱装置を含む蓄熱式冷凍サイクルの構成機器およびその制御装置の説明図である。 図1に示した装置の制御動作のフローチャートである。 TBABの水溶液を冷却して2形態の包接水和物を生成するときの2つの形態の包接水和物が混在した水溶液の温度と液面高さの時間変化を示す図である。
符号の説明
1 圧縮機
2 室外側熱交換器
3a、3b 減圧装置
4a、4b 室内側熱交換器
5 蓄熱材
6 蓄熱槽
7 蓄熱用熱交換器
8 第2の減圧装置
9、10 開閉制御弁
11 蓄熱材液位センサ
12 蓄熱材温度センサ
13 蓄熱量センサ
15 運転制御装置
33 記憶手段
35 計測データ入力手段
37 第2水和物生成開始判定手段
39 蓄熱量演算手段
41 判定・演算手段
43 運転制御手段

Claims (7)

  1. 水和数の小さい第1包接水和物と水和数のより大きい第2包接水和物という水和数が異なる2つの形態を有し得る包接水和物のゲスト化合物の水溶液を冷却して包接水和物を生成して蓄熱する方法であって、
    前記第1包接水和物による最大蓄熱量である第1包接水和物最大蓄熱量が予定蓄熱量以上の場合において、
    前記冷却を開始後において前記第2包接水和物の生成開始を検出する工程を有し、該工程によって第2包接水和物の生成開始が検出されたときに蓄熱を終了することを特徴とする蓄熱方法。
  2. 水和数の小さい第1包接水和物と水和数の大きい第2包接水和物という水和数が異なる2つの形態を有し得る包接水和物のゲスト化合物の水溶液を冷却して包接水和物を生成して蓄熱する方法であって、
    前記第1包接水和物による最大蓄熱量である第1包接水和物最大蓄熱量が予定蓄熱量以上かどうかを判定する工程を有し、
    該判定において第1包接水和物最大蓄熱量が予定蓄熱量以上であると判定された場合には、前記冷却を開始後において前記第2包接水和物の生成開始を検出する工程を有し、該工程によって前記第2包接水和物の生成開始が検出されたときに蓄熱を終了して前記第1包接水和物だけを生成して蓄熱する第1包接水和物蓄熱を行い、
    前記判定において第1包接水和物最大蓄熱量が予定蓄熱量未満であると判定された場合には、前記第1包接水和物と前記第2包接水和物を生成して蓄熱する複合包接水和物蓄熱を行うことを特徴とする蓄熱方法。
  3. 前記第2包接水和物の生成開始を検出する方法は、前記水溶液の温度を計測し水溶液の温度変化が所定時間なくその後温度上昇が現れたとき、第2包接水和物が生成し始めたと判定するもの、又は、前記水溶液を収容した蓄熱槽内の水溶液面高さを計測し液面高さが減少した後液面高さの変化がなく一定となったとき、第2包接水和物が生成し始めたと判定するものであることを特徴とする請求項1または2に記載の蓄熱方法。
  4. 水和数の小さい第1包接水和物と水和数の大きい第2包接水和物という水和数の異なる2つの形態を有し得る包接水和物のゲスト化合物の水溶液を冷却して蓄熱する蓄熱装置であって、
    予定蓄熱量を演算する予定蓄熱量演算手段と、第1包接水和物による最大蓄熱量を演算する第1包接水和物最大蓄熱量演算手段と、第1包接水和物最大蓄熱量と予定蓄熱量とを比較して、第1包接水和物最大蓄熱量が予定蓄熱量以上であるかどうかを判定する判定・演算手段と、前記第2包接水和物の生成開始を検出する検出手段と、前記判定・演算手段によって第1包接水和物最大蓄熱量が予定蓄熱量以上であると判定された場合において、前記第2包接水和物生成検出手段によって前記第2包接水和物の生成開始が検出されたときに蓄熱運転を停止する運転制御手段とを備えたことを特徴とする蓄熱装置。
  5. 第1包接水和物による現状の蓄熱量を演算する第1包接水和物現状蓄熱量演算手段を備え、運転制御手段は、該第1包接水和物現状蓄熱量演算手段によって演算された現状の蓄熱量が予定蓄熱量以上になったときに運転を停止する機能を備えていることを特徴とする請求項4に記載の蓄熱装置。
  6. 水和数の小さい第1包接水和物と水和数の大きい第2包接水和物という水和数の異なる2つの形態を有し得る包接水和物のゲスト化合物の水溶液を冷却して蓄熱する蓄熱装置であって、
    予定蓄熱量を演算する予定蓄熱量演算手段と、前記第1包接水和物による最大蓄熱量を演算する第1包接水和物最大蓄熱量演算手段と、該第1包接水和物最大蓄熱量と予定蓄熱量とを比較して、前記第1包接水和物最大蓄熱量が予定蓄熱量以上であるかどうかを判定する判定・演算手段と、前記第2包接水和物の生成開始を検出する検出手段と、前記判定・演算手段によって第1包接水和物最大蓄熱量が予定蓄熱量以上であると判定された場合において、前記第2包接水和物生成検出手段によって前記第2包接水和物の生成開始が検出されたときに蓄熱運転を停止し、前記判定・演算手段によって第1包接水和物最大蓄熱量が予定蓄熱量未満であると判定された場合において、前記第1包接水和物と前記第2包接水和物を生成して蓄熱する複合包接水和物蓄熱を行う運転制御手段とを備えたことを特徴とする蓄熱装置。
  7. 前記第2包接水和物の生成開始を検出する検出手段は、前記水溶液の温度を計測し水溶液の温度変化が所定時間なくその後温度上昇が現れたとき、第2包接水和物が生成し始めたと判定するもの、又は、前記水溶液を収容した蓄熱槽内の水溶液面高さを計測し液面高さが減少した後液面高さの変化がなく一定となったとき、第2包接水和物が生成し始めたと判定するものであることを特徴とする請求項4〜6のいずれかに記載の蓄熱装置。
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