JP7283016B2 - 蒸気圧縮装置 - Google Patents

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Description

本発明は、蒸気圧縮装置に関し、ここで、中間に位置した熱バッテリーは電荷を放出(すなわち、放電)および/または充填し、それにより、蒸気圧縮サイクルにおける熱源の温度またはヒートシンクの温度を制御することが可能である。
より具体的には、本発明は、蒸気圧縮装置に関し、ここで、熱バッテリーは蒸発器と凝縮器との間に配置され、蒸気圧縮装置は、相変化物質(PCM)を備える。相変化物質(PCM)は、電荷エネルギーを放出(すなわち、放電)および/または充填し、それにより、蒸気圧縮サイクルにおける熱源の温度および/またはヒートシンクの温度を、車両、電車、飛行機での食品/物資の輸送などのような、家庭および工業の両方での使用における空調を含む、冷却および/または加熱システムの範囲内で制御することが可能である。また、本発明は、蒸気圧縮装置の相変化物質(PCM)および/または冷媒を選択する手法に関する。
当技術分野においては、車両、電車、飛行機での食品/物資の輸送などのような、家庭および工業の両方での使用における空調を含むシステムの範囲内で、精度が向上した温度制御を提供する必要が存在する。
以前の従来技術のシステムは、不十分かつ非効率的温度制御および複雑なシステムを経験しており、定期的な故障に対して信頼できないことが判明した。加えて、これらの複雑な設計を有する従来技術のシステムは極めて重いことが判明しており、これは輸送システムの中では望ましくない。また、設置をより難しくさせる。
本発明の少なくとも1つの態様の目的は、前述の問題のうち1または複数を解消または少なくとも緩和することである。
本発明の少なくとも1つの態様のさらなる目的は、改善された蒸気圧縮装置を提供することである。
本発明の第1態様によると、
冷媒をポンプで送るのに使用されるポンプデバイスと、
冷媒を凝縮させることが可能な凝縮器と、
冷媒を蒸発させることが可能な蒸発器と、
相変化物質(PCM)を有する熱バッテリーと、
熱バッテリーにおける相変化物質(PCM)の温度および/または圧力をモニタリングすることが可能な、少なくとも1つまたは一連の温度および/または圧力センサと
を備え、
熱バッテリーは、凝縮器および/または蒸発器に接続され、電荷エネルギーの放出(すなわち、放電)および/または充填を行うことが可能で、これにより、熱バッテリーは、蒸気圧縮サイクルにおける熱源の温度および/またはヒートシンクの温度を制御することが可能になる、
蒸気圧縮装置が提供される。
従って、本発明は、蒸気圧縮装置に関し、ここで、蒸発器と熱凝縮器との間の、中間に位置した熱バッテリーは電荷を放出(すなわち、放電)および/または充填し、それにより、蒸気圧縮サイクルにおける熱源の温度またはヒートシンクの温度を制御することが可能である。これは、エネルギー効率の高いシステムを提供し、任意の既知の従来技術のシステムを改善させる。
本発明は従って、温度および/または圧力が制限された蒸気圧縮装置に関し得る。
任意の好適な種類の冷媒が使用されてよい。冷媒の温度および/または圧力は、冷媒の流れの方向と共に測定および/またはモニタリングされてもよい。
本発明の装置は従って、装置の周囲の冷媒の流れが最大の効率を提供するように制御され得る、非常に有効な方法を提供し得る。
熱バッテリーの物理的状態および/または条件は、例えば、相変化物質(PCM)において行われるリアルタイムの温度および/または圧力の測定を介して、厳密にモニタリングされ得る。代替的に、温度および/または圧力の測定は、常におよび/または継続的に、断続的にまたは30秒ごとにまたは毎分など周期的に実行され得る。制御管理システムがこの役割を実行し得る。
ポンプデバイスは、好ましい実施形態において、圧縮器の任意の好適な種類であり得る。例えば、既知の冷却圧縮器が使用され得る。
従って、蒸気圧縮装置は、熱バッテリーにおける相変化物質(PCM)の温度および/または圧力のモニタリングおよび制御を行うことが可能な、少なくとも1つまたは一連の温度および/または圧力センサを有する。
温度および/または圧力センサは、熱バッテリーの任意の面(例えば、バッテリーの上面)にあるものように、熱バッテリーの任意の部分に配置してもよく、または必須部品であってもよい。
少なくとも1つまたは一連の温度および/または圧力センサは、温度および/または圧力の測定範囲を提供すべく、相変化物質(PCM)に浸漬され得る。これらの測定を使用して、相変化物質(PCM)の物理的状態および/または条件は、モニタリングおよび/または制御され得る。例えば、一連の温度および/または圧力の測定は、全体の蒸気圧縮装置の効率を最大化すべく行われ得る。
温度および/または圧力の測定を行うこと、ならびに、温度および/または圧力を検知することは、相変化物質(PCM)により保持されている電荷の正確なモニタリングを提供することが判明された。これは、本発明に係る装置における完全なリアルタイム制御を可能にする。
従って、本発明は、熱バッテリーにより保持される電荷を含む熱バッテリーの状態および物理的条件の正確なリアルタイム測定を提供し得る。
温度および/または圧力の測定は、当技術分野において既知である任意の好適な温度および圧力測定デバイスを使用して実行され得る。これは、熱バッテリー内に配置された相変化物質(PCM)に対してリアルタイムの温度および/または圧力の測定が行われることを可能にする。これは、熱バッテリーにおける圧力および/または温度をモニタリングおよび/または測定することが可能であるという特定の技術的利点を有する。これは、全体システムが非常に効率的な方式で制御されることと、システムが完全に制御可能になることとを可能にする。
冷媒の流れの切り替えが行われ、温度および/または圧力の測定により非常に正確に制御され、高効率のシステムを提供してもよい。
本発明の好ましい実施形態において、蒸発器は、凝縮器の鉛直下方または実質的に鉛直下方に配置されてよい。
熱バッテリーは、凝縮器と蒸発器との間の中間に配置されてよい。従って、本発明は、熱源および/またはヒートシンクと温度制御環境との間の中間段階を提供する。従って、相変化物質(PCM)を備える熱バッテリーは、装置における中間に位置した熱交換器として機能し得る。従って、熱バッテリーは、電荷を放出(すなわち、放電)および/または充填し、それにより、蒸気圧縮サイクル装置における熱源の温度またはヒートシンクの温度を制御することが可能であり得る。
従って、本発明の装置は、熱交換の第1段階と第2段階との間に、時間独立性を有する追加機能を有し得る。時間独立性は、エネルギーがいつでも放出され得るので、相変化物質(PCM)の使用から生じる。第1段階は、予冷または予熱と呼ばれ得、第2段階は、放電冷却または放電加熱と呼ばれ得る。
ポンプデバイス(例えば、圧縮器)、凝縮器、蒸発器、および装置における熱バッテリーなどのすべての異なるコンポーネントを接続する一連のパイプおよび/またはパイプのネットワークが存在し得、これらのパイプは、例えば、膨脹バルブ、遮断バルブなどのようなバルブを介して制御される。これは以下により詳細に説明される。
相変化物質(PCM)は、例えば、冷媒熱交換器(すなわち、蒸発器および/または凝縮器)への熱伝導媒体として機能し得る。
装置は、実質的に鉛直方向において配置され得、ここで、液体収容容器は、圧縮器の上方に優先的に配置され得る。通常、液体収容容器は、蒸発器と凝縮器との間に鉛直にまたは実質的に鉛直に配置され得る。
液体受容容器は、凝縮器の下流に配置され得、液体冷媒の緩衝液を含むサイズであり得る。従って、液体受容容器は、一部の液体冷媒の貯蔵槽として機能するための容器として作動し得る。
圧縮器は、装置の周囲のシステムおよび/またはパイプのネットワークの周囲の冷媒物質を圧縮するおよび/またはそれに圧力をかけるのに使用され得る。
装置が予冷または予熱を放出するのに使用されている状況において、冷媒の流れは、鉛直または実質的に鉛直に方向付けされた装置の上部から下部へ発生する。これは、本発明の冷却/加熱の第1段階としてみなされてよい。
装置が予冷または放電加熱するのに使用されている状況において、冷媒の流れは、鉛直または実質的に鉛直に方向付けされた装置の下部から上部へ発生する。装置における冷媒の流れは、いかなる機能性の損失もなく逆転され得る。
以下の任意の1つまたは組み合わせを含む相変化物質(PCM)の任意の好適な種類が使用され得る:
デカンなどのパラフィン材料(例えば、約25℃から35℃または約-30℃の相変化転移温度を有するPCMを形成し、核形成、結晶化速度および/またはサイクル性を改善するための任意選択的な添加剤を含む)と、
塩化ナトリウムおよび水などの塩-水共晶(例えば、約20℃から25℃または約-22℃の相変化転移温度を有するPCMを形成し、核形成、結晶化速度および/またはサイクル性を改善するための任意選択的な添加剤を含む)と、
硫酸マグネシウムおよび水などの塩-水共晶(例えば、約-10℃から0℃または約-5℃の相変化転移温度を有するPCMを形成し、核形成、結晶化速度および/またはサイクル性を改善するための任意選択的な添加剤を含む)と、
硫酸ナトリウムおよび水などの塩-水共晶(例えば、約-5℃から+5℃または約-1℃の相変化転移温度を有するPCMを形成し、核形成、結晶化速度および/またはサイクル性を改善するための任意選択的な添加剤を含む)と、
ラウリン酸メチルなどの有機エステル(例えば、約0℃から10℃または約5℃の相変化転移温度を有するPCMを形成し、核形成、結晶化速度および/またはサイクル性を改善するための任意選択的な添加剤を含む)と、
テトラヒドロフラン(THF)および水などの包接水和物(例えば、約0℃から10℃または約5℃の相変化転移温度を有するPCMを形成し、核形成、結晶化速度および/またはサイクル性を改善するための任意選択的な添加剤を含む)と、
こはく酸ジメチルなどのエステル(例えば、約15℃から25℃または約18℃の相変化転移温度を有するPCMを形成し、核形成、結晶化速度および/またはサイクル性を改善するための任意選択的な添加剤を含む)と、
ドデカノールなどの脂肪族アルコール(例えば、約15℃から25℃または約22℃の相変化転移温度を有するPCMを形成し、核形成、結晶化速度および/またはサイクル性を改善するための任意選択的な添加剤を含む)と、
硫酸ナトリウム十水和物などの塩水和物(例えば、約25℃から35℃または約32℃の相変化転移温度を有するPCMを形成し、核形成、結晶化速度および/またはサイクル性を改善するための任意選択的な添加剤を含む)と、
酢酸ナトリウム三水和物などの塩水和物(例えば、約0℃から10℃または約5℃の相変化転移温度を有するPCMを形成し、核形成、結晶化速度および/またはサイクル性を改善するための任意選択的な添加剤を含む)と、
トリメチロールエタンなどの、固体-固体相変化を伴うポリオール(例えば、約70℃から95℃または約81℃の相変化転移温度を有するPCMを形成し、核形成、結晶化速度および/またはサイクル性を改善するための任意選択的な添加剤を含む)と、
エリトリトールなどのポリオール(例えば、約100℃から150℃または約121℃の相変化転移温度を有するPCMを形成し、核形成、結晶化速度および/またはサイクル性を改善するための任意選択的な添加剤を含む)。
約1℃から20℃または好ましくは冷却に要求される温度(例えば、最も低い温度)より約10℃から15℃高い相変化温度、および/または、要求される蒸発圧力の圧力より1から10BarGまたは好ましくは約1から5BarG高い圧力で冷媒を凝縮させる相変化温度を有する相変化物質(PCM)が選択され得る。さらに、ヒートポンプがその熱エネルギーを供給している周囲条件の温度(例えば、最小温度)より約1℃から20℃または好ましくは約10℃から15℃高い相変化温度、および/または、例えば、設計条件である最小周囲温度を考慮すると、冷媒が蒸発する圧力より約1から10BarGまたは好ましくは約1から5BarG高い圧力で冷媒を蒸発させる相変化温度を有する相変化物質(PCM)が選択され得る。
冷媒は、ヒドロフルオロカーボンおよび炭化水素の任意の1または複数から選択され得る。
一般的な冷媒炭化水素は、イソブタンおよびプロパンの任意の1または複数を含む。他の好適な冷媒は、二酸化炭素およびアンモニアを含む。
本発明の好適な冷媒は以下に示され、単体または任意の組み合わせで使用され得る。
Figure 0007283016000001
より低い毒性を有する、かつ不燃性である冷媒が望ましい。
Figure 0007283016000002
上に列挙された冷媒は、異なる温度範囲で選択され得る。
熱バッテリー内には、一連のチューブが配置され得る。チューブは、フィン、絶縁体、および外側ケースを備え得る。チューブの任意の好適な種類および向きは、相変化物質(PCM)から/相変化物質(PCM)へエネルギーを分配に役立つために使用され得る。
熱バッテリーの外側(例えば、上面)には、例えば、温度および/または圧力の測定を提供する温度および/または圧力センサが任意選択的に配置され得る。温度および/または圧力センサは、熱バッテリーにおける相変化物質(PCM)に浸漬され得る。
相変化物質(PCM)における冷媒の圧力および/または温度は、熱バッテリーの状態および物理的条件を指示し得るということが本発明において判明されたことを留意すべきである。また、相変化物質(PCM)により保持された電荷は、温度および/または圧力の測定を使用して測定および/またはモニタリングされ得る。
蒸発器は、ファンコイル蒸発器であり得る。蒸発器は、凝縮器の下方または実質的に下方に配置され得る。冷却に使用されるべき状況における蒸発器は、冷却用で指定されている空間を冷却するのに使用され得る。代替的に、蒸発器は、加熱を指定されている空間を加熱するのに使用され得る。
蒸発器の上方には、凝縮器(例えば、ファンコイルコンデンサであり得る)が配置され得る。凝縮器は、熱が排出される周囲条件において使用され得る。代替的に、凝縮器は、加熱を指定されている空間を加熱するのに使用され得る。これは、装置の上部から下部までの冷媒の流れを提供する。しかしながら、流れの方向は、逆転され得る。
従って、蒸発器および凝縮器の機能性は、異なるサイクル中に互いに逆転および交換され得る。
さらに、蒸発器および凝縮器は、当技術分野において既知の他の熱交換器(例えば、プレート熱交換器)により交換され得る。従って、本発明の装置は、異なる状況において高い適合性を有する。
装置は、冷媒の流れを逆転させる逆転バルブを備え得る。特定の実施形態において、4ポート逆転バルブが使用され得る。
充填および/または放出との間の切り替え、ならびに熱交換器の高温ガス除霜を行うための逆転バルブおよびソレノイドバルブは、装置に組み込まれてもよい。
切り替えは、手動でまたは電子的に発生し、測定される温度および/または圧力、ならびに、いつ切り替えが要求されるかに依存し得る。例えば、加熱が要求される場合、冷媒は熱バッテリーから流れ得、冷却が要求される場合、冷媒は熱バッテリーに流れ得る。必要に応じて、流れの切り替えは、装置の効率を最大化すべく行われ得る。
また、装置は膨脹バルブを備え得、これは、作動中の蒸発器として機能している場合、蒸発器に接続され得る。膨脹バルブは、電子または恒温バルブであり得る。
遮断バルブとしても使用され得るさらなるバルブが存在し得る。遮断バルブは、電子または手動遮断バルブであり得る。遮断バルブは、逆転バルブおよび熱バッテリーに接続され得る。
凝縮器には、さらなるバルブ(例えば、逆止バルブとして機能する)が接続され得る。また、逆止バルブは、液体収容容器に接続され得る。
好ましい実施形態において、液体収容容器は、圧縮器の上方かつ凝縮器の下方に配置されてよい。
装置は、任意選択的に、好ましくは液体収容容器の鉛直下方に配置されたフィルタ乾燥機などの乾燥機を備えてもよい。装置は、サイトグラスなどの見るための窓を任意選択的に備えてもよい。
装置は、予冷に使用され得る膨脹デバイス(例えば、膨脹バルブ)を備えてもよい。膨脹バルブが電子バルブである場合において、追加ソレノイドは要求されない。
通常、装置は、熱バッテリーと逆転バルブとの間に配置された少なくとも1つのソレノイドバルブを備えてもよい。ソレノイドバルブは、要求される場合、熱バッテリーを分離するのに使用されてよい。ソレノイドバルブは、任意の制御可能なゾーンバルブと共に互換的に使用され得る。
また、装置は、冷媒を膨脹させることと、ガスが圧縮器にのみ戻ることを確実にすることとに使用され得る、吸引ラインアキュムレータを備え得る。
装置は、クランクケース圧力調整器を備えてもよい。クランクケース圧力調整器は、好ましくは、例えば、R449Aなどの冷媒を使用して約2Barで動作し得る。しかしながら、任意の他の好適な種類の冷媒が使用されてよい。
熱バッテリーおよび液体収容容器に接続されたさらなるソレノイドバルブが存在してもよい。加えて、高温ガス除霜に使用され得るソレノイドバルブが存在してよい。代替的な実施形態において、装置は、統合された毛細管を備えてもよい。
さらなる実施形態において、装置は、統合された液体受容器と毛細管とを備えてもよい。
装置は、冷媒の凝縮および熱バッテリーの充電に使用される統合されたマイクロチャネル熱交換器を備えてもよい。冷媒過熱ガスは、流入口においてマイクロチャネル熱交換器に入って、チャネルに沿って凝縮し、流出口において液体として排出されてよい。
本発明の特定の態様および利点は、サイクルが逆転可能である状態での加熱および冷却の両方に、同じ装置が使用されてよいということである。これは、装置が提供され得、当該装置は、充電および冷却の両方に同じ圧縮器および冷却器を使用し、それによりエンドユーザに対してそのようなシステムのコストを削減し得るということを意味する。
放出サイクルにおいて、装置は、中間熱交換器(すなわち、熱バッテリー)と温度制御環境との間で熱エネルギーを伝達することを要求される。
装置は、ポンプデバイス(例えば、圧縮器)にわたる圧力差により動かされる冷媒の流れを介して動作する。この圧力差は、装置にわたって熱を伝達する。この圧力差は、温度に依存する。冷媒は、蒸発器の蒸発器コイルにおいて蒸発させられ、温度は、凝縮器の凝縮コイルにおいて凝縮させられる。
本発明の第2態様によると、
冷媒をポンプで送るのに使用されるポンプデバイスと、
冷媒を凝縮させることが可能な凝縮器と、
冷媒を蒸発させることが可能な蒸発器と、
相変化物質(PCM)を有する熱バッテリーと
を備え、
熱バッテリーは、凝縮器および/または蒸発器に接続され、電荷エネルギーの放出(すなわち、放電)および/または充填を行うことが可能で、これにより、熱バッテリーは、蒸気圧縮サイクルにおける熱源の温度および/またはヒートシンクの温度を制御することが可能になる、
蒸気圧縮装置が提供される。
第2態様に係る装置は、第1態様および任意の組み合わせについて定義される任意の機能を備え得る。
本発明の第3態様によると、第1および第2態様のいずれかに係る装置を使用して蒸気圧縮サイクルにおいて熱源の温度および/またはヒートシンクの温度を制御する方法が提供される。
方法は、
冷媒をポンプで送るのに使用されるポンプデバイスと、
冷媒を凝縮させることが可能な凝縮器と、
冷媒を蒸発させることが可能な蒸発器と、
相変化物質(PCM)を有する熱バッテリーと、
熱バッテリーにおける相変化物質(PCM)の温度および/または圧力をモニタリングすることが可能な、少なくとも1つまたは一連の温度および/または圧力センサと
を提供することを備え得、
熱バッテリーは、凝縮器および/または蒸発器に接続され、電荷エネルギーの放出(すなわち、放電)および/または充填を行うことが可能で、これにより、熱バッテリーは、蒸気圧縮サイクルにおける熱源の温度および/またはヒートシンクの温度を制御することが可能になる。
本発明の第4態様によると、相変化物質(PCM)および/または蒸気圧縮装置の冷媒を選択する手法が提供され、手法は、以下のようなことを備える。
・最も低い地球温暖化係数(GWP)および法的に許可された冷媒を選択し、候補冷媒を選択する。
・選択された候補冷媒の冷媒圧力範囲を確認する。
・区画目標温度(CTT)および最小周囲温度(Min_Ambient)に対して候補冷媒が蒸発および凝縮する場所を確認する。
・CTTからMin_Ambientの範囲の転移温度(TT)を有する相変化物質(PCM)のリストに対して、転移温度で発生する各冷媒圧力を評価する。
・リストをクリップし、PCM TTからMin_Ambient冷却サイクルおよび/またはCTTからPCM冷却サイクルにおいて蒸発と凝縮との間の冷媒の流れを動かすには不十分な圧力差を有するすべての候補を削除する。
・冷媒飽和特性表を使用して、PCM TTからMin_Ambient冷却サイクルおよび/またはCTTからPCM冷却サイクルにおいて蒸発および凝縮するための冷却サイクルにおける複数の点(例えば、2個から10個、または好ましくは4個の点)で冷媒の熱力学状態:
-圧縮器入口の冷媒状態
-圧縮器出口の冷媒状態
-凝縮器出口の冷媒状態
-蒸発器入口の冷媒状態
を計算する。
・各冷却サイクルについて、蒸発器および/または凝縮器にわたる熱負荷(kW)と圧縮器作業(kW)とを計算する。
・この情報を使用して、加熱および/または冷却の性能係数(COP)は、冷媒およびPCMの各ペアに対して決定され得る。
上記の手法を使用して、任意の好適な相変化物質(PCM)および/または冷媒が、前述の態様のいずれかにおいて本願で既に説明されたように使用され得る。
さらに、冷媒の熱力学状態の計算中に、任意の好適な数の点が解析され得る。
ここから本発明は、以下の図面を参照し、単なる例として説明される。
放電冷却段階における、本発明の一実施形態に係る蒸気圧縮装置を表した図である。
予冷段階における、本発明の一実施形態に係る図1に示された装置を表した図である。
冗長な従来のシステム段階における、本発明の一実施形態に係る図1および2に示された装置を表したものである。
高温ガス除霜段階における、本発明の一実施形態に係る図1、2および3に示された装置を表したものである。
放電冷却サイクル段階における、本発明の一実施形態に係る図1から図4に示された装置を表したものである。
本発明の一実施形態に係る図5に示された熱バッテリーの拡大図を表したものである。
本発明の一実施形態に係る、統合された毛細管を有する熱バッテリーが存在し、装置は逆転不可能なシステムにおいて蒸発器としてのみ使用される、代替的な実施形態を表したものである。
装置は、統合された液体受容器および毛細管を備えるように示されており、ここで装置は逆転可能なシステム段階を使用する、本発明の一実施形態に係るさらなる実施形態を表したものである。
装置は、冷媒の凝縮および熱バッテリーの充電に使用される統合されたマイクロチャネル熱交換器を有する熱バッテリーを備える、本発明の一実施形態に係るまたさらなる実施形態を表したものである。
本発明の一実施形態に係る、相変化物質(PCM)転移温度を有する相変化物質(PCM)の冷却電荷を表したものである。
約-5℃の相変化物質(PCM)転移温度(TT)を有する物質を使用した熱バッテリーの放電を表したものである。
相変化物質(PCM)および/または冷媒が、図1から図9に示された装置などの特定の使用のために選択されることを可能にする、本発明の一実施形態に係る手法を表したものである。 相変化物質(PCM)および/または冷媒が、図1から図9に示された装置などの特定の使用のために選択されることを可能にする、本発明の一実施形態に係る手法を表したものである。
本発明は、蒸気圧縮装置に関し、ここで、中間に位置した熱バッテリーは電荷を放出(すなわち、放電)および/または充填し、それにより、蒸気圧縮サイクルにおける熱源の温度またはヒートシンクの温度を制御することが可能である。少なくとも1つまたは一連の温度および/または圧力センサは、熱バッテリーにおける相変化物質(PCM)の温度および/または圧力をリアルタイム方式でモニタリングし、熱バッテリーが制御され蒸気圧縮装置に高効率のシステムを提供することを可能にし得る。
本発明において、相変化物質(PCM)は、凝縮器と蒸発器との間に配置された中間に位置した熱バッテリーにおいて使用される。相変化物質(PCM)は、例えば、冷媒熱交換器(すなわち、蒸発器および/または凝縮器)への熱伝導媒体として作動する。相変化物質(PCM)は、エネルギーストレージの形態の代替的な熱交換媒体である。相変化物質(PCM)は、以下に説明されるように、熱バッテリーを形成するのに使用され得る。
本発明の装置における中間に位置した熱バッテリーの目的は、熱源および/またはヒートシンクと温度制御環境との間の中間段階を提供することである。実質的には、本発明の装置は、熱交換の第1段階と第2段階との間で時間独立性を有する追加機能を有する。時間独立性は、エネルギーがいつでも放出され得るので、相変化物質(PCM)の使用から生じる。第1段階は、予冷または予熱と呼ばれ得、第2段階は、放電冷却または放電加熱と呼ばれ得る。
図1は、本発明に係る蒸気圧縮装置を表したものである。図1において、装置は、放電冷却段階において使用され、ここで、冷媒物質は、熱バッテリー4から液体収容容器13まで通過し、蒸発器7に至ることが見られ得る。
図1において、蒸気圧縮装置は、鉛直または実質的に鉛直方向において示され、ここで液体収容容器13は圧縮器1の上方に優先的に配置される。さらに、蒸発器7が凝縮器8の下方に配置される。
液体受容容器13は、凝縮器8の下流に配置され、液体冷媒の緩衝液を含むサイズである。従って、液体受容容器13は、一部の液体冷媒の貯蔵槽として機能するための容器として作動する。液体受容容器13から膨脹バルブの入口までは液体ラインと呼ばれ、液体冷媒の適切な供給を促進するように設計され、結果として、制御可能な冷媒の質量流量が促進する。
装置は、液体または気体状態の冷媒の密度の差が、気体冷媒をより浮揚性のあるものにするという結果をもたらしがちな熱サイフォン効果を最大限に利用できるような方法で配向されている。この効果は、図1に示されるように、コンポーネント間および/またはコンポーネントにおける流路に最も有効な鉛直または実質的に鉛直の流路を作ることで最適化される。
圧縮器放出ラインは、凝縮器8または過熱冷媒ガスを保持している熱バッテリー4より僅かに上まで上昇する。次に、液体ラインは、サブクール式で凝縮された液体冷媒を保持している液体受容容器13に向かって下方向または実質的に下方向に流れる。
液体受容容器13から膨脹バルブ16または17への経路は、下でまたは実質的に下で、サブクール式で凝縮された液体冷媒を保持することが好ましい。冷媒は、膨脹バルブオリフィスにわたって圧力降下を受け、一般的な流路は、蒸発器7の出口に対して鉛直上方向または実質的に上方向である。
蒸発器7から圧縮器8までの流路は、その特定の用途のための設計選択である。考慮すべき点が2つ存在する。
1)冷媒は油滴を保持するには密度が低いので、流路を僅かに下方向に配向し、圧縮器オイル循環が圧縮器8に戻ることを容易にする。
2)流路を僅かに上方向に配向し、密度が低くなるにつれて上昇する冷媒の自然的傾向を利用する。
従って、装置は、システムの周囲の圧縮器オイル循環を最も容易にするような方法で方向付けされる。上記のポイント(1)を参照する。従って、図1に示されるように、装置が鉛直または実質的に鉛直方向を有するのが最も良いと判明された。
装置の管路のサイズおよび流路は、装置の周囲の圧縮器オイル循環を容易にするような方式で選択された。パイプの直径は、冷媒の流れの速度を最適化し、冷媒の流れによる圧力降下の経験を最小化するように選択された。例えば、冷媒は約1m/sから5m/sまたは好ましくは約2.5m/sのガス速度で流れるべきである。
液体受容容器13から膨脹バルブ16,17の入口までは液体ラインと呼ばれ、入口への液体冷媒の適切な供給を促進するように設計され、結果として、制御可能な冷媒の質量流量が促進する。
以下では、蒸気圧縮装置を詳しく説明する。図1における異なるコンポーネント間の実線は活性流路を表すことも留意すべきである。加えて、破線は非活性流路を表す。冷媒(すなわち、エネルギー)の流れの方向は、矢印により表される。
蒸気圧縮装置は圧縮器1を備える。圧縮器1は、任意の好適な種類の圧縮器または代替的に任意の種類のポンプ装置であり得る。しかしながら、上記のように、好ましい実施形態においては、液体収容容器13は圧縮器1の上方に配置される。液体収容容器13を圧縮器1の上方に位置することにより、活性流路の効率をより大きくするという利点を提供する。
装置が予冷または予熱を放出するのに使用されている状況において、冷媒の流れは、図1に示される装置において矢印2により示されるように、上部から下部へ発生する。これは、本発明の冷却/加熱の第1段階としてみなされてよい。
装置が予冷または放電加熱するのに使用されている状況において、冷媒の流れは、図1に示される装置において、下部から上部へ発生する。これは装置における矢印3により示される。
矢印2、3により示される流は、装置の機能性を損失することなく逆転され得る。しかしながら、図1に示すような望ましい方向が矢印2、3により示される。
相変化物質(PCM)5を含むのに使用される熱バッテリー4が存在する。以下のような任意の好適な種類の相変化物質(PCM)5が選択され得る。
デカンなどのパラフィン材料(例えば、約-25℃から-35℃または約-30℃の相変化転移温度を有するPCMを形成し、核形成、結晶化速度および/またはサイクル性を改善するための任意選択的な添加剤を含む)と、
塩化ナトリウムおよび水などの塩-水共晶(例えば、約-20℃から-25℃または約-22℃の相変化転移温度を有するPCMを形成し、核形成、結晶化速度および/またはサイクル性を改善するための任意選択的な添加剤を含む)と、
硫酸マグネシウムおよび水などの塩-水共晶(例えば、約-10℃から0℃または約-5℃の相変化転移温度を有するPCMを形成し、核形成、結晶化速度および/またはサイクル性を改善するための任意選択的な添加剤を含む)と、
硫酸ナトリウムおよび水などの塩-水共晶(例えば、約-5℃から+5℃または約-1℃の相変化転移温度を有するPCMを形成し、核形成、結晶化速度および/またはサイクル性を改善するための任意選択的な添加剤を含む)と、
ラウリン酸メチルなどの有機エステル(例えば、約0℃から10℃または約5℃の相変化転移温度を有するPCMを形成し、核形成、結晶化速度および/またはサイクル性を改善するための任意選択的な添加剤を含む)と、
テトラヒドロフラン(THF)および水などの包接水和物(例えば、約0℃から10℃または約5℃の相変化転移温度を有するPCMを形成し、核形成、結晶化速度および/またはサイクル性を改善するための任意選択的な添加剤を含む)と、
こはく酸ジメチルなどのエステル(例えば、約15℃から25℃または約18℃の相変化転移温度を有するPCMを形成し、核形成、結晶化速度および/またはサイクル性を改善するための任意選択的な添加剤を含む)と、
ドデカノールなどの脂肪族アルコール(例えば、約15℃から25℃または約22℃の相変化転移温度を有するPCMを形成し、核形成、結晶化速度および/またはサイクル性を改善するための任意選択的な添加剤を含む)と、
硫酸ナトリウム十水和物などの塩水和物(例えば、約25℃から35℃または約32℃の相変化転移温度を有するPCMを形成し、核形成、結晶化速度および/またはサイクル性を改善するための任意選択的な添加剤を含む)と、
酢酸ナトリウム三水和物などの塩水和物(例えば、約0℃から10℃または約5℃の相変化転移温度を有するPCMを形成し、核形成、結晶化速度および/またはサイクル性を改善するための任意選択的な添加剤を含む)と、
トリメチロールエタンなどの、固体-固体相変化を伴うポリオール(例えば、約70℃から95℃または約81℃の相変化転移温度を有するPCMを形成し、核形成、結晶化速度および/またはサイクル性を改善するための任意選択的な添加剤を含む)と、
エリトリトールなどのポリオール(例えば、約100℃から150℃または約121℃の相変化転移温度を有するPCMを形成し、核形成、結晶化速度および/またはサイクル性を改善するための任意選択的な添加剤を含む)。
約1℃から20℃または好ましくは冷却に要求される温度(例えば、最も低い温度)より約10℃から15℃高い相変化温度、および/または、要求される蒸発圧力の圧力より1から10BarGまたは好ましくは約1から5BarG高い圧力で冷媒を凝縮させる相変化温度を有する相変化物質(PCM)が選択される。さらに、ヒートポンプがその熱エネルギーを供給している周囲条件の温度(例えば、最小温度)より約1℃から20℃または好ましくは約10℃から15℃高い相変化温度、および/または、設計条件である最小周囲温度を考慮すると、冷媒が蒸発する圧力より約1から10BarGまたは好ましくは約1から5BarG高い圧力で冷媒を蒸発させる相変化温度を有する相変化物質(PCM)が選択される。
従って、異なる使用および用途のために、特定の相変化物質(PCM)が、既知の相変化物質(PCM)のライブラリから選択され得る。従って、本発明において提案されるシステムおよび装置は、広い範囲の気候、温度およい湿度に遭遇し得る様々な条件および環境に対して高い適合性を有する。これは、相変化物質(PCM)を現地の環境に合わせるように適合および変更するだけで、同じ装置が世界中に販売され得るという利点を提供する。従って、本発明において提案される装置は、蒸気圧縮装置の生産コストを減らすための非常に商業的かつ魅力的なアプローチである。
熱バッテリー4内には、一連のチューブ6が配置される。チューブは、フィン、絶縁体、および外側ケースを備え得る(図示せず)。チューブ6の任意の好適な種類および向きは、相変化物質(PCM)のエネルギーを分配に役立つために使用され得る。
図1に示すように、熱バッテリー4の上面には、例えば、温度および/または圧力センサ23が任意選択的に配置され、温度測定T1、T2およびT3、ならびに圧力の測定を提供し得る。温度および/または圧力センサは、熱バッテリー4における相変化物質(PCM)5に浸漬され得る。
相変化物質(PCM)における冷媒の圧力および/または温度は、相変化物質(PCM)5により保持される電荷を含む熱バッテリー4の状態および物理的条件を指示し得るということが本発明において判明されたことを留意すべきである。例えば、冷たい状態で圧力が低いと判明された場合、例えば温度が-10℃である場合、当技術分野において既知の物質であるR449Aを使用すると、これは3.6Barの圧力を提供し、温度が+60℃である場合、当技術分野において既知の物質であるR449Aを使用すると、これは27.06Barの圧力を提供するということが判明された。
従って、相変化物質(PCM)5を備える熱バッテリー4は、装置における中間に位置した熱交換器として機能し得る。従って、熱バッテリー4は、電荷を放出(すなわち、放電)および/または充填し、それにより、蒸気圧縮サイクル装置における熱源の温度またはヒートシンクの温度を制御することが可能である。そのような制御デバイスは、先行技術に存在しない。
また、図1は、蒸発器7(例えば、ファンコイル蒸発器)が存在することを示す。蒸発器7は、凝縮器8の下方に配置される。冷却に使用されるべき状況における蒸発器7は、冷却用で指定されている空間を冷却するのに使用され得る。代替的に、蒸発器7は、加熱を指定されている空間を加熱するのに使用され得る。
蒸発器7の上方には、凝縮器8(例えば、ファンコイルコンデンサ)が配置される。凝縮器8は、熱が排出される周囲条件において使用され得る。代替的に、凝縮器8は、加熱を指定されている空間を加熱するのに使用され得る。これは、図1に示される装置の上部から下部までの冷媒の流れを提供する。しかしながら、以下に説明されるように、流れの方向は逆転され得る。
従って、蒸発器7および凝縮器8の機能性は、異なるサイクル中に互いに逆転および交換され得る。
さらに、蒸発器7および凝縮器8は、当技術分野において既知の他の熱交換器(例えば、プレート熱交換器)により交換され得る。従って、本発明の装置は、異なる状況において高い適合性を有する。
また、図1に示される実施形態に、逆転バルブであるバルブ9が示される。図1に示される逆転バルブ9は、例えば、4ポート逆転バルブである。逆転バルブ9は、放出および/または高温ガス除霜の間を切り替えるのに要求される場合、流れを逆転させるのに使用される。代替例はもちろん本発明の範囲内で想定されており、これは逆転バルブを使用して充填/放出の変更を可能にするように、再構成(すなわち、再配管)され得る。切り替えは、手動でまたは電子的に発生し、測定される温度および/または圧力に依存し得る。従って、冷媒の流れの切り替えは、要求および/またはトリガされる場合に行われ得る。例えば、加熱が要求される場合、冷媒は熱バッテリー4から流れ得、冷却が要求される場合、冷媒の流れは熱バッテリー4に切り替えられ得る。
装置は、凝縮器8に接続された遮断バルブ10をも備える。遮断バルブ10は、電子または手動遮断バルブであり得る。
遮断バルブとしても使用され得るさらなるバルブ11が存在する。遮断バルブ11は、電子または手動遮断バルブであり得る。遮断バルブ11は、逆転バルブ9および熱バッテリー4に接続される。
凝縮器8には、さらなるバルブ12(例えば、逆止バルブとして機能する)が接続される。また、逆止バルブ12は、液体収容容器13に接続される。
図1に示されるように、液体収容容器13は、圧縮器1の上方かつ凝縮器8の下方に配置される。図1に示される装置は、鉛直または実質的に鉛直に方向付けされているとみなされるべきである。
また、図1は、液体収容容器13の下方に配置されるのが好ましいフィルタ乾燥機などの乾燥機14が存在することを示す。装置は、サイトグラス15などの見るための窓を任意選択的に備えてもよい。
装置はまた、予冷に使用され得る膨脹デバイス16(例えば、膨脹バルブ)を備える。膨脹バルブが電子バルブである場合において、図1に示される追加ソレノイド16Aは要求されない。
バルブ17は、膨脹デバイスでもあり、膨脹バルブ16と同様である。しかしながら、膨脹バルブ17は放電冷却に使用される。膨脹バルブ17が電子バルブである場合において、追加ソレノイド17Aは要求されない。
また、図1において、熱バッテリー4と逆転バルブ9との間に配置されたソレノイドバルブ18が示される。ソレノイドバルブ18は、要求される場合、熱バッテリー4を分離するのに使用されてよい。上記ソレノイドバルブは、任意の制御可能なゾーンバルブと共に互換的に使用され得る。
また、冷媒を膨脹させることと、ガスが圧縮器にのみ戻ることを確実にすることとに使用され得る、吸入容器アキュムレータ19が存在する。
クランクケース圧力調整器20も存在する。クランクケース圧力調整器20は、好ましくは、例えば、R449Aなどの冷媒を使用して約2Barで動作し得る。
熱バッテリー4および液体収容容器13に接続されたさらなるソレノイドバルブ21が存在する。加えて、高温ガス除霜に使用され得るソレノイドバルブ22が存在する。
参照番号24および25により識別される位置点において、温度および/または圧力の測定は、一連の温度および/または圧力センサにより行われてよい。温度および/または圧力の測定は、当技術分野において既知である任意の好適な温度および圧力測定デバイス(例えば、温度および/または圧力測定プローブ)を使用して実行され得る。これは、熱バッテリー4内に配置された相変化物質(PCM)5に対して温度および/または圧力の測定が行われることを可能にする。これは、熱バッテリー4における圧力および/または温度をモニタリングおよび測定することが可能であるという特定の技術的利点を有する。これは、冷媒質量流量を調整している膨脹バルブにフィードバックし、全体システムが非常に効率的な方式で制御されるようにし、システムが完全に制御可能になることを可能にする。従って、冷媒の流れを切り替えることは、正確なタイミングで行われ、エネルギー効率を最大にし得る。
本発明の特定の態様および利点は、サイクルが逆転可能である状態での加熱および冷却の両方に、図1において定義されるような同じ装置が使用されてよいということである。これは、装置が提供され得、当該装置は、充填および冷却の両方に同じ圧縮器および冷却器を使用し、それによりエンドユーザに対してそのようなシステムのコストを削減し得るということを意味する。これは、より小型の圧縮器を使用してより低い電力を使用して、装置が使用されてよく、既知のデバイスよりも小さく構成されてよいことをも意味する。これは、陸電で行われる、装置の作業の一部によるものである。これは、本発明の具体的な利点である。
放出サイクルにおいて、装置は、中間熱交換器(すなわち、熱バッテリー4)と温度制御環境との間の熱エネルギーを伝達することを要求される。
図1に示される装置は、圧縮器1にわたる圧力差により動かされる冷媒の流れを介して動作する。この圧力差は、装置にわたって熱を伝達する。この圧力差は、温度に依存する。冷媒は、蒸発器7の蒸発器コイルにおいて蒸発させられ、温度は、凝縮器8の凝縮コイルにおいて凝縮させられる。
図1に示される装置の動作の例は、表1で以下に示され、冷却および充填段階中のデバイスの動作を示す。
Figure 0007283016000003
[表1]
上記の表1は、最上行において注釈を付けられているように、本発明における冷媒の流れを制御するバルブの電気的および/または機械的制御を構成するのに使用され得る。最上行において、数字は図1から図5に示されるコンポーネントを指す。注釈を付けられた各コンポーネントについて、下の行は、システム動作モードに要求されるバルブ位置を2進数で指示する。この場合、「1」はオープンを意味し、「0」はクローズを意味する。
図2は、予冷段階における図1に示される装置を表したものである。従って、図2で使用される参照番号は、同じコンポーネントを有する図1で使用されたものと同じである。
図2において、システム流路は、熱バッテリー4が冷媒の蒸発により冷却されることと、その吸収された熱が凝縮器8で周囲空気に排出されることとを可能にするように調整された。これは、活性流路およびそれぞれの矢印により示される。この動作モードはシステムが温度制限区画の能動冷却を行うことを要求される前に、相変化物質(PCM)を好適な充填温度に冷却するので、予冷と呼ばれる。
図3は、冗長な従来のシステム段階と呼ばれる動作モードにおける、図1および2に示される装置を表したものである。従って、図3で使用される参照番号は、同じコンポーネントを有する図1および2で使用されたものと同じである。
図3において、システム流路は、蒸発器7が温度制限区画を冷却することと、その吸収された熱が凝縮器8で周囲空気に排出されることとを可能にするように調整された。この動作モードは、熱バッテリー4が枯渇すると、そのような場合に動作のフェイルセーフモードとして作動するので、冗長な従来のシステムと呼ばれる。
図4は、高温ガス除霜と呼ばれる動作モードにおける、図1から図3に示される装置を表したものである。従って、図4で使用される参照番号は、同じコンポーネントを有する図1から図3で使用されたものと同じである。
図4において、システム流路は、圧縮器1により放出された高温ガスにより蒸発器7が加熱されることを可能にするように調整された。この動作モードは、蒸発器7の外部フィンまたはケーシング本体に蓄積されたあらゆる氷を融解させる意図で活性化されるので、高温ガス除霜と呼ばれる。
図5は、放電冷却サイクルにおける、図1から図4に示される装置を表したものである。従って、図5で使用される参照番号は、同じコンポーネントを有する図1から図4で使用されたものと同じである。加えて、図5は、熱バッテリー4内に配置された、統合された液体受容区画26が存在することを示す。液体受容区画26は、熱バッテリー4に配置されるか、またはその下部に向かって配置される。
図5は、逆転不可能なシステムにおいて凝縮器としてのみ使用される装置およびコンポーネントを示す。以下の表2は、凝縮器としてのみ使用される場合の、図5における装置の動作を示す。
バルブ作動(最上行は図5におけるコンポーネントを指定する)
Figure 0007283016000004
[表2]
上記と同様に、システムにおける異なるコンポーネントを参照する場合に、「1」はオープンを意味し、「0」はクローズを意味する。
図6は、図5に示される熱バッテリー4の拡大図であり、ここで装置は逆転不可能なシステムにおいて凝縮器としてのみ使用される。バッテリー内に配置された相変化物質(PCM)5、一連のチューブ6、および温度および/または圧力センサ23が示される。また、熱バッテリー4は、鉛直または実質的に鉛直の位置に位置される。
図7は、統合された毛細管27を有する熱バッテリー4が存在する代替的な実施形態を表したものである。図7における装置は、コンポーネントが逆転不可能なシステムにおいて蒸発器としてのみ使用されている場合のものである。
図8は、装置が統合された液体受容器26および毛細管27を備えるように示される実施形態を表したものである。装置およびコンポーネントは、逆転可能なシステム用に示される。バルブ28、29、30、31が示され、これらは必要な冷媒の流れを実現するのに使用され得る。
図9は、冷媒を凝縮し熱バッテリー4を充電するのに使用される統合されたマイクロチャネル熱交換器32を有する熱バッテリー4を表したものである。冷媒過熱ガスは、ポート33においてマイクロチャネル熱交換器に入って、チャネルに沿って凝縮し、ポート34において液体として排出される。
本発明の装置における設計の最適化は、要求される制御温度と選択された相変化物質(PCM)との間の温度差を考慮することである。好適な相変化物質(PCM)を選択することにより、圧縮器にわたる圧力差は、以下の両方に該当する。
1)装置の回路全体にわたって冷媒の流れを促進するのに十分大きいこと。パイプの長さ、直径、方向およびラインコンポーネントの形状からもたらされる圧力降下に完全に依存すること。
2)圧縮器が、冷媒をその要求される凝縮圧力まで圧縮するために必要とする作業を最小化するのに十分小さいこと。
本発明を示す例として、2つの蒸気圧縮サイクルを参照する。
1.冷却システム
2.家庭用ヒートポンプ
冷却システムの場合、本発明の装置は、予冷された後に、放出において冷却を提供する熱バッテリーを使用する。予冷の場合、これは、例えば、機械的または熱電的な冷却手段と廃棄冷温の天然源とにより、実現され得る。放出において、冷却効果は、区画冷却および工業プロセスのような用途で使用され得る。
冷却サイクルを使用して予冷される場合、熱交換器は、相変化物質(PCM)に浸漬され、予冷段階中に蒸発器として作動する。
相変化物質(PCM)は、その凝固点を越えて、約10℃の顕熱領域に冷却されてよい。例えば、約-5℃で冷凍される相変化物質(PCM)は、特定の動作条件に応じて、好適な予冷設定点として約-15℃の温度に冷却され得る。
装置が放電冷却段階において動作している場合(例えば、食品を保存する場合)、熱交換器の冷媒コイルは次に凝縮器として作動する。凝縮器として作動する熱交換器は、冷媒から相変化物質(PCM)に熱を排出する。
本発明の熱バッテリーの貯蔵容量は、使用される相変化物質(PCM)の質量に依存するので、ヒートシンクは、その質量の温度が上昇するまで、冷却サイクルから熱を吸収し続ける。
熱バッテリーは、相変化物質(PCM)が融解し、周囲温度近くまで温度が上昇した場合に枯渇される。しかしながら、設計者は、標準的な温度プローブを使用して予冷および放電冷却の温度境界を限定し、冷却システムが開始および停止することをトリガするように、特定の冷却制御を構成し得る。
ヒートシンクとして周囲空気を使用する冷却サイクルに関連する制限要因は、凝縮圧力が気候に依存することである。熱帯気候の最大夏季気温が約30℃から40℃の範囲である場合、これは、システムが冷媒を約35℃から45℃の凝縮温度で熱を排出するのに十分高い圧力で圧縮させられるので、冷却システムの性能に大きな影響を与える。
熱帯気候における周囲条件は、以下のような理由で、圧縮器のコンポーネント選択の観点で設計者を制限する。
1.圧縮器放出温度は、高温で損傷し、一般的な圧縮器は約120℃~130℃の最大許容温度を有する。
2.圧縮器が行う作業は、その入口と出口との間の圧力差に比例する。圧縮器のサイズは、一般に冷蔵区画の熱損失を補う能力に基づいて選択される。従って、最小要件として、選択される圧縮器は、その内でシステムが動作することを予想される周囲空気条件の範囲において冷却の維持が可能である必要である。
図1から5において設定されるように、この種類の熱帯気候において中間ストレージとして熱バッテリーを使用する利点の一部は、熱バッテリーの予冷が、周囲温度が最も低い夜間に実行され得ることである。次に、冷却の需要が存在する昼間には、放電冷却が動作され得る。
熱バッテリーをサイクリングするためのこの夜間/昼間のアプローチは、様々な用途において有益である。例えば、電気冷蔵食品トラックを使用する場合、予冷サイクルは、トラックが倉庫に駐車されている夜間に実行され得る。これは、予冷サイクルを実行すべく陸電を使用し、車両のトラクションバッテリーは、放電冷却に電力を供給し得る。この例において、車両のトラクションバッテリーのドレインを減らし、結果として車両の駆動に利用可能なエネルギーをより多く残すことにより得られる利点が存在する。
相変化物質(PCM)の選択は、好適な設計動作条件を達成するのに重要である。その物質の選択において、設計者は、冷却区画の目標温度、利用可能な相変化物質(PCM)の選択、および使用中の冷媒にかかわる圧力を含む相対的な飽和度表を考慮するべきである。
最も近い先行技術は、空気側の熱交換器を水槽に置換えることである。実質的に、水槽は予冷され、冷却サイクルを使用して放電冷却を提供し得る。
図10は、約-5℃の相変化物質転移温度PCM TTを有する相変化物質(PCM)の冷却電荷を表したものである。相転移は、物質の潜熱領域により特徴付けられ、PCM TTより約3℃から15℃下または約5℃下の相変化物質(PCM)の過冷却により開始され、温度プローブの周囲で物質が凝固する前に、約2℃から6℃または約3℃から4℃の温度増加が観察される温度ピークにより終了される。
これらの温度現象は、熱バッテリーの充電状況を指示するのに非常に信頼できる方法を可能にする。
図10において、熱バッテリーの充電状況の開始は、貯蔵エネルギー0kJにおける文字Aにより注釈を付けられている。実質的に、PCMの総値の貯蔵エネルギーを5200kJで観察することにより、パーセンテージの観点における過冷却温度指示は、以下のように点BからFに対して決定され得る。
B-PCMを約900kJで過冷却するので、約17.3%が充填される。
C-下部プローブの温度ピークが約2400kJであるので、約46%が充填される。
D-下部プローブの温度ピークが約3500kJであるので、約67%が充填される。
E-下部プローブの温度ピークが約4,400kJであるので、約85%が充填される。
F-PCM設定点温度が、約100%の充填に到達した。
熱バッテリーの充電状況をモニタリングする別の方法は、蒸発において熱バッテリーから出る冷媒の圧力を測定することによる。図10において、セルを充電する場合の最終圧力は、例えば、約1.5BarGに到達される。この圧力は、熱バッテリー4の出口に圧力トランスデューサを設置することにより測定され得る。標準的な放射圧力トランスデューサ0-5Vdc、0-34.5BarAが使用され得る。
図11は、約-5℃の相変化物質転移温度PCM TTを有する物質を使用する熱バッテリーの放電を表す。
冷媒凝縮圧力は、設計により予想されるように、対応する冷媒凝縮温度が約0℃である間、R449aに対して約5BarGであるとことが見られる。
このテスト中に、測定T_PCM_cold_cell_topは、2,500秒の間、T_PCM_cold_cell_midに手動で切り替えられる。
放出に対する指示の圧力は、以下の2つの条件をユーザに警告するのに役立ち得る。
・熱バッテリーが凝縮潜熱領域(例えば、約5BarG)において動作する場合
・熱バッテリーが完全に放電された場合(例えば、約10BarG)
例1-冷却固有の場合:区画の冷却
図1に示される装置を使用して、蒸気圧縮サイクルは、相変化物質(例えば、硫酸マグネシウム)を-5℃の相変化温度を超えて予冷するように開発され、約-20℃の選択された予冷終了温度を有する。次に、システムは逆転され、約-20℃の温度制限区画に放電冷却を提供する。この研究において、熱バッテリーは、凝縮温度が周囲温度に到達した場合に枯渇された。
アルゴリズムを使用した相変化物質(PCM)および/または冷媒の選択
ここで、図12および図13を参照する。図12は、相変化物質(PCM)および/または冷媒が特定の使用のために選択されることを可能にする手法(すなわち、アルゴリズム)を表したものである。手法は、図12と図13との2つのページに分けられ、合わせて読まれるべきである。
図12は、図1から図9に示されるものなどの蒸気圧縮装置において使用される最適な相変化物質(PCM)および/または冷媒を選択するためにユーザが経由する選択肢を示す。
図12に示されるように、第1段階は、法的に利用可能な冷媒を列挙し、最も低い地球温暖化係数(GWP)により優先順位を付けることである。冷媒の安全面も考慮されるべきである。
次に、ユーザは、冷媒飽和度表を使用して、区画目標温度(CTT)および最小周囲温度(Min_Ambient)に対して各冷媒の蒸発温度および凝縮温度を列挙する。
次にユーザは、転移温度(TT)を有する相変化物質(PCM)と区画目標温度(CTT)から最小周囲温度(Min-Ambient)までの範囲とを列挙する。また、このプロセス中に、ユーザは相変化物質(PCM)が適切な転移温度のアプリケーションに好適であることを確実にする。安全面が考慮される。例えば、ユーザは、可能な限り凝縮温度および蒸発温度、融解点またはその直下において動作する転移温度(TT)を有する相変化物質(PCM)を選択することをも考慮する。例として、温水を提供するために、約50℃直下の転移温度(TT)を有する相変化物質(PCM)を選択し得る。
図1から図9に示される装置を使用して、ユーザは、蒸発および/または凝縮について、熱バッテリー4における相変化物質(PCM)および関連付けられた転移温度(TT)で発生する冷媒圧力を評価する。これは、冷却飽和度表を使用して実行され得る。例えば、熱バッテリーにおける冷媒圧力は、既に説明されたように、圧力センサを使用して測定され得る。冷媒圧力は、必要に応じて、蒸気圧縮装置の任意の他の部分において測定されてもよい。
プロセスの次の段階は、熱バッテリー4における相変化物質(PCM)の転移温度(TT)から凝縮器8の最小周囲温度(Min_Ambient)まで、および/または、蒸発器7の区画目標温度(CTT)から熱バッテリー4における相変化物質(PCM)の転移温度までの、蒸発および/または凝縮の間の冷媒の流れを動かすのに十分な圧力差を、冷媒が有するかどうかを決定することを含む。回答が「いいえ」の場合において、冷媒は、適切な選択としてリストから削除される。回答が「はい」の場合において、図12に示されるプロセスは継続される。
その後、プロセスの次の段階は、冷媒飽和特性表を使用することと、冷却サイクル中に相変化物質(PCM)の転移温度(TT)から最小周囲温度(Min-Ambient)まで、および/または、区画目標温度(CTT)から相変化物質(PCM)冷却サイクルまでの蒸発および凝縮のための冷却サイクル上の点における、以下のような冷媒の熱力学状態:
-圧縮器入口の冷媒状態
-圧縮器出口の冷媒状態
-凝縮器出口の冷媒状態
-蒸発器入口の冷媒状態
を計算することとを含む。
従って、例えば、図12および図13に示されるプロセスは、加熱アプリケーション用の相変化物質(PCM)と冷媒とを選択することを含む。ここで、加熱回路はX温度とY温度(例えば、気象補償により選択される約30℃から60℃)との間を流れるべきであり、ルーピングプロセスを使用してXからYの範囲またはXの下にあるPCMを選択することによりPCMおよび冷媒の各々に対して開始選択が行われ、その後、一方または他方を変更することにより、反復段階を実行する。遺伝学的アルゴリズムも使用され得る。
従って、図12および図13に示されるルーピングプロセスは、冷却アプリケーション用の相変化物質(PCM)および冷媒を選択するのに使用され得る。冷却アプリケーションは、X温度(例えば、約-10℃から-30℃または約-20℃)の冷却区画を有する冷却回路と、熱が排出されるべき高温環境であり、A温度とB温度との間で変化する(例えば、約10℃から45℃)、高温環境とを備える。
冷媒は、冷媒供給連鎖、および、圧縮器、膨脹バルブなどのような関連機器を有する利用可能な冷媒である必要がある。
また、冷媒は、F-ガス規制の対象となるマーケットにおいて、冷媒の地球温暖化係数(GWP)を下げるための法的要件に影響され、これらの将来の利用可能性により優先順位が付けられる。
冷媒は、蒸発器7において区画目標温度(CTT)より約2℃から10℃下または通常は約5℃下で放電冷却中に蒸発するように選択され、選択された相変化物質(PCM')の転移温度(TT)(固体/液体PCMの場合、これは融解/冷凍点であり、固体/固体PCMの場合、これは、固体結晶相転移が発生する温度である)より2℃から10℃高いまたは通常は約5℃高い温度で熱バッテリー4において凝縮される。蒸発は、約3BarAまたは約1.5BarAより大きく、約10BarAより低いまたは約5BarAより低い圧力において行われる必要があり、これは冷媒の選択を制約する。この選択は、冷媒の圧縮器の電力枯渇または液体冷媒を圧縮器に入らせることを回避する。
予冷中に、冷媒は、選択された物質(PCM)の転移温度(TT)より約2℃から10℃下または通常約5℃下の熱バッテリー4において通常は蒸発し、当時の周囲温度周囲より約2℃から10℃高いまたは通常は約5℃高い温度で熱交換器(例えば、ファンコイル)において通常は凝縮する。
CTTからの範囲は、約2℃から10℃より低いまたは通常は約5℃より低く、Max_Ambient温度は約2℃から10℃より高いまたは約5℃より高い。これは、単一圧縮器+熱バッテリー+逆転バルブの構成の場合に、単一冷媒の実現可能な範囲内である必要がある。例えば、この場合は約-25℃から+50℃である。実現可能性は、システムの最大作業圧力と、圧力からもたらされる熱交換器、圧縮器、コスト、製造可能性および安全性の選択とにより制約される。従って、最大作業圧力は通常、低コストシステムの場合は約30BarAを越えず、工業的に実現可能なシステムの場合は約200BarAを超えない。これは、選択され得る冷媒の数を厳密に制約する。
さらなる要因は、相変化物質(PCM)の転移温度(TT)が通常、利用可能な相変化物質(PCM)に基づいて選択され、十分高い潜熱を有しており、CTTとMin_Ambientとの間にある必要があることである。
追加の制約は、冷媒の最小の流れが存在することを確実にする必要性に基づいて適用され、これは、例えば、約2―10Barまたは約5Barまたは当業者が指定するそのような他の値の圧力差が存在する必要があることを意味する。
再び図13を参照すると、プロセスの次の段階は、その冷却サイクルの相対的な圧縮器の作業(W)と共に、熱バッテリー4ならびに凝縮器8における、および/または、蒸発器7ならびに熱バッテリー4における、図1から図5に示されるものなどの蒸発器7および/または凝縮器にわたる熱負荷(Q)を計算することである。以下の式が使用され得る。
Figure 0007283016000005
熱負荷(Q)を計算するプロセスを示すために、以下を参照する。
蒸発器7における相対的な区画目標温度(CTT)と熱バッテリー4における相変化物質(PCM)転移温度(TT)とにおいて蒸発および凝縮を行う場合、冷却負荷
Figure 0007283016000006
および/または加熱負荷
Figure 0007283016000007
が以下のように計算される。
・まず、冷却システム用に指定された設計条件から、区画の全体の熱損失が考慮されるべきである。蒸発器
Figure 0007283016000008
における冷却負荷は、この熱損失を最小限に抑えるべきである。例えば、温度制限区画の断熱効果により、熱損失は、例えば、約1kWであり得る。蒸発器の冷却負荷は、例えば、最小約1kWであり得る。設計者により選択される実際の冷却負荷は、追加の要因(例えば、区画の所望の冷却レート、動作中に予想されるドア開口部の量)を含めて決定され得る。
・冷媒飽和特性表を使用して、次に、CTTからPCM TT冷却サイクルにおいて蒸発および凝縮するための冷却サイクル上の点における冷媒の熱力学状態:
-圧縮器入口の冷媒状態
-圧縮器出口の冷媒状態
-凝縮器出口の冷媒状態
-蒸発器入口の冷媒状態
を計算する。
・これらの冷媒状態:
-圧縮器入口の冷媒状態(h
-圧縮器出口の冷媒状態(h
-凝縮器出口の冷媒状態(h
-蒸発器入口の冷媒状態(h
については、飽和度表の検索により、以下のような相対的なエンタルピー値を確認する。
・コンポーネントにわたる冷却/加熱負荷を計算する式は以下の通りである:
Figure 0007283016000009
従って、蒸発器7の冷却負荷が既に決定されているので、蒸発器7を通る冷媒の質量流量は、以下のように計算され得る:
Figure 0007283016000010
・冷却サイクルの質量流量を知ることは、熱バッテリー4におけるその後の加熱負荷
Figure 0007283016000011
と圧縮器1における作業(W)とを計算することが可能になる。
熱バッテリー4における相対的な相変化転移温度PCM TTと、凝縮器8におけるMin_Ambient温度とで蒸発および凝縮する場合、冷却負荷
Figure 0007283016000012
および/または加熱負荷
Figure 0007283016000013
は、以下のように計算される。
・まず、熱バッテリー4における冷却負荷
Figure 0007283016000014
が、熱バッテリーの所望の冷却レートに基づいて設計者により選択される。
・冷媒飽和特性表を使用して、次に、PCM TTからMin_Ambient冷却サイクルにおける蒸発および凝縮のための冷却サイクル上の点における冷媒の熱力学状態:
-圧縮器入口の冷媒状態
-圧縮器出口の冷媒状態
-凝縮器出口の冷媒状態
-蒸発器入口の冷媒状態
を計算する。
・これらの冷媒状態:
-圧縮器入口の冷媒状態(h
-圧縮器出口の冷媒状態(h
-凝縮器出口の冷媒状態(h
-蒸発器入口の冷媒状態(h
については、飽和度表の検索により、以下のような相対的なエンタルピー値を確認する。
・コンポーネントにわたる冷却/加熱負荷を計算する式は以下の通りである:
Figure 0007283016000015
従って、熱バッテリー4の冷却負荷が既に決定されているので、熱バッテリー4を通る冷媒の質量流量は、以下のように計算され得る:
Figure 0007283016000016
・冷却サイクルの質量流量を知ることは、凝縮器8におけるその後の加熱負荷
Figure 0007283016000017
と圧縮器1における作業(W)とを計算することが可能になる。
再び図13を参照すると、ユーザは、相対的な凝縮器および/または蒸発器の熱負荷を圧縮器作業により分割することで、加熱および/または冷却のための性能係数(COP)を計算する。冷媒および相変化物質(PCM)データはその後、最終確認文書に追加される。
最後に、列挙された好適な相変化物質(PCM)冷媒の組み合わせにおいて、冷媒の最も低い地球温暖化係数(GWP)により優先順位が付けられた実験が実行され得る。非常に具体的な例は、以下の通りである。
1.最も低いGWPと、法的に許可された冷媒を選択し、候補を選択する
2.候補の圧力範囲を見る
3.CTTとMin_Ambientとに相対的な蒸発および凝縮の場所はどこであるか
4.CTTからMin_Ambientの範囲の転移温度を有するPCMのリストに対して、転移温度で発生する各冷媒圧力を評価する
5.リストをクリップし、PCM TTからMin_Ambient冷却サイクルおよび/またはCTTからPCM冷却サイクルにおいて蒸発と凝縮との間の冷媒の流れを動かすには不十分な圧力差を有するすべての候補を削除する
6.冷媒飽和特性表を使用して、PCM TTからMin_Ambient冷却サイクルおよび/またはCTTからPCM冷却サイクルにおいて蒸発および凝縮するための冷却サイクルにおける4個の点で冷媒の熱力学状態:
-圧縮器入口の冷媒状態
-圧縮器出口の冷媒状態
-凝縮器出口の冷媒状態
-蒸発器入口の冷媒状態
を計算する。
7.上記の点6において定義される各冷却サイクルについて、蒸発器および/または凝縮器にわたる熱負荷(kW)と圧縮器作業(kW)とを計算する。この情報を使用して、加熱および/または冷却のための性能係数(COP)は、冷媒およびPCMの各ペアに対して決定され得る。
アルゴリズムを使用して、まず、空間および/または温水および/または熱バッテリーの加熱を提供する凝縮器の所要熱量を考慮することにより、加熱固有の場合のPCMおよび冷媒の組み合わせを選択する。所要熱量は、システムの設計仕様または設計者の選択により設定されるべきである。例えば約58℃のPCM温度で、例えば約2kWのレートで熱バッテリーの充電を提供することは、約63℃の冷媒凝縮温度をもたらす。この情報から、アルゴリズムのその後の段階は、冷媒加熱サイクルおよびそのサイクルの質量流量の熱力学状態を確認するのに使用され得る。次に、低温熱バッテリーのPCMの選択は、利用可能な物質および冷媒を通じて反復することにより決定され得る。
本発明の特定の実施形態が上記で説明されたが、説明された実施形態から逸脱するものも依然として本発明の範囲に含まれ得ることが理解されよう。例えば、相変化物質を備える任意の好適な種類の圧縮器、凝縮器、蒸発器、および熱バッテリーが使用され得る。さらに、本発明の目的を達成すべく、配管の任意の好適な種類およびネットワークを使用してデバイスを接続し得る。さらに、任意の好適な種類の相変化物質(PCM)が使用され得る。
(項目1)
冷媒をポンプで送るのに使用されるポンプデバイスと、
上記冷媒を凝縮させることが可能な凝縮器と、
上記冷媒を蒸発させることが可能な蒸発器と、
相変化物質(PCM)を有する熱バッテリーと、
上記熱バッテリーにおける上記相変化物質(PCM)の温度および/または圧力をモニタリングすることが可能な、少なくとも1つまたは一連の温度および/または圧力センサと
を備え、
上記熱バッテリーは、上記凝縮器および/または蒸発器に接続され、電荷エネルギーの放出(すなわち、放電)および/または充填を行うことが可能で、これにより、上記熱バッテリーは、蒸気圧縮サイクルにおける熱源の温度および/またはヒートシンクの温度を制御することが可能になる、
蒸気圧縮装置。
(項目2)
上記相変化物質(PCM)に浸漬された一連の温度および/または圧力センサが存在し、上記熱バッテリーの物理的状態および物理的条件をリアルタイムで指示し、上記冷媒の流れが切り替えられるべき場合に指示を提供する、項目1に記載の蒸気圧縮装置。
(項目3)
上記温度および/または圧力の測定は、常におよび/または継続的に、または30秒ごとにまたは毎分など周期的に実行される、項目1または2のいずれかに記載の蒸気圧縮装置。
(項目4)
上記少なくとも1つまたは一連の上記温度および/または圧力センサは、リアルタイムの温度および/または圧力の測定を提供し、上記相変化物質(PCM)の上記物理的状態が、上記相変化物質(PCM)の電荷レベルの測定と共にモニタリングされることを可能にする、先行する項目のいずれかに記載の蒸気圧縮装置。
(項目5)
相変化物質(PCM)を備える上記熱バッテリーは、上記凝縮器と蒸発器との間の中間に位置される、先行する項目のいずれかに記載の蒸気圧縮装置。
(項目6)
上記熱バッテリーは、熱源および/またはヒートシンクのいずれかとして機能する上記凝縮器と蒸発器との間の中間段階を提供する、先行する項目のいずれかに記載の蒸気圧縮装置。
(項目7)
第1段階中に、上記熱バッテリーは予冷または予熱を行い、第2段階中に、上記熱バッテリーは冷却を放出または熱を放出する、先行する項目のいずれかに記載の蒸気圧縮装置。
(項目8)
上記熱バッテリーは、中間に位置した熱交換器として機能する、先行する項目のいずれかに記載の蒸気圧縮装置。
(項目9)
上記装置は鉛直または実質的に鉛直方向にあり、冷媒を収容する液体収容容器は、上記圧縮器の上方または実質的に上方に配置され、上記液体収容容器は、上記蒸発器と上記凝縮器との間に鉛直または実質的に鉛直に配置される、先行する項目のいずれかに記載の蒸気圧縮装置。
(項目10)
上記ポンプデバイスは、上記装置の周囲のパイプシステムの周囲の上記冷媒を圧縮するおよび/またはそれに圧力をかけるのに使用される圧縮器である、先行する項目のいずれかに記載の蒸気圧縮装置。
(項目11)
上記装置が放電予冷または予熱の放出に使用されている場合、上記冷媒の流れは、実質的に鉛直に方向付けされた装置の上部から下部へ発生する、先行する項目のいずれかに記載の蒸気圧縮装置。
(項目12)
上記装置が予冷または放電加熱するのに使用されている場合、上記冷媒の流れは、鉛直または実質的に鉛直に方向付けされた装置の下部から上部へ発生する、先行する項目のいずれかに記載の蒸気圧縮装置。
(項目13)
上記装置における上記冷媒の流れは、いかなる機能性の損失もなく逆転可能である、先行する項目のいずれかに記載の蒸気圧縮装置。
(項目14)
使用された上記相変化物質(PCM)は、
デカンなどのパラフィン材料(例えば、約25℃から35℃または約-30℃の相変化転移温度を有するPCMを形成し、核形成、結晶化速度および/またはサイクル性を改善するための任意選択的な添加剤を含む)と、
塩化ナトリウムおよび水などの塩-水共晶(例えば、約20℃から25℃または約-22℃の相変化転移温度を有するPCMを形成し、核形成、結晶化速度および/またはサイクル性を改善するための任意選択的な添加剤を含む)と、
硫酸マグネシウムおよび水などの塩-水共晶(例えば、約-10℃から0℃または約-5℃の相変化転移温度を有するPCMを形成し、核形成、結晶化速度および/またはサイクル性を改善するための任意選択的な添加剤を含む)と、
硫酸ナトリウムおよび水などの塩-水共晶(例えば、約-5℃から+5℃または約-1℃の相変化転移温度を有するPCMを形成し、核形成、結晶化速度および/またはサイクル性を改善するための任意選択的な添加剤を含む)と、
ラウリン酸メチルなどの有機エステル(例えば、約0℃から10℃または約5℃の相変化転移温度を有するPCMを形成し、核形成、結晶化速度および/またはサイクル性を改善するための任意選択的な添加剤を含む)と、
テトラヒドロフラン(THF)および水などの包接水和物(例えば、約0℃から10℃または約5℃の相変化転移温度を有するPCMを形成し、核形成、結晶化速度および/またはサイクル性を改善するための任意選択的な添加剤を含む)と、
こはく酸ジメチルなどのエステル(例えば、約15℃から25℃または約18℃の相変化転移温度を有するPCMを形成し、核形成、結晶化速度および/またはサイクル性を改善するための任意選択的な添加剤を含む)と、
ドデカノールなどの脂肪族アルコール(例えば、約15℃から25℃または約22℃の相変化転移温度を有するPCMを形成し、核形成、結晶化速度および/またはサイクル性を改善するための任意選択的な添加剤を含む)と、
硫酸ナトリウム十水和物などの塩水和物(例えば、約25℃から35℃または約32℃の相変化転移温度を有するPCMを形成し、核形成、結晶化速度および/またはサイクル性を改善するための任意選択的な添加剤を含む)と、
酢酸ナトリウム三水和物などの塩水和物(例えば、約0℃から10℃または約5℃の相変化転移温度を有するPCMを形成し、核形成、結晶化速度および/またはサイクル性を改善するための任意選択的な添加剤を含む)と、
トリメチロールエタンなどの、固体-固体相変化を伴うポリオール(例えば、約70℃から95℃または約81℃の相変化転移温度を有するPCMを形成し、核形成、結晶化速度および/またはサイクル性を改善するための任意選択的な添加剤を含む)と、
エリトリトールなどのポリオール(例えば、約100℃から150℃または約121℃の相変化転移温度を有するPCMを形成し、核形成、結晶化速度および/またはサイクル性を改善するための任意選択的な添加剤を含む)と
のいずれか1つまたは組み合わせを含む、先行する項目のいずれかに記載の蒸気圧縮装置。
(項目15)
上記相変化物質(PCM)は、ユーザが冷却したいほど低くない温度範囲またはユーザが熱を排出したいほど高くない温度範囲から選択される、先行する項目のいずれかに記載の蒸気圧縮装置。
(項目16)
約1℃から20℃または冷却に要求される上記温度(例えば、最も低い温度)より約10℃から15℃高い上記相変化温度、および/または、上記要求される蒸発圧力の上記圧力より1から10BarGまたは好ましくは約1から5BarG高い圧力で冷媒を凝縮させる相変化温度を有する上記相変化物質(PCM)が選択される、先行する項目のいずれかに記載の蒸気圧縮装置。
(項目17)
相変化物質(PCM)は、上記ヒートポンプがその熱エネルギーを供給している周囲条件の上記温度(例えば、最小温度)より約1℃から20℃または好ましくは約10℃から15℃高い相変化温度、および/または、設計条件である最小周囲温度を考慮すると、冷媒が蒸発する圧力より約1から10BarGまたは約1から5BarG高い圧力で冷媒を蒸発させる上記相変化温度を有するように選択される、先行する項目のいずれかに記載の蒸気圧縮装置。
(項目18)
上記熱バッテリー内には一連のチューブが配置される、先行する項目のいずれかに記載の蒸気圧縮装置。
(項目19)
上記蒸発器はファンコイル蒸発器である、先行する項目のいずれかに記載の蒸気圧縮装置。
(項目20)
上記蒸発器は上記凝縮器の下方に配置される、先行する項目のいずれかに記載の蒸気圧縮装置。
(項目21)
上記蒸発器の上方には、ファンコイルコンデンサである上記凝縮器が配置される、先行する項目のいずれかに記載の蒸気圧縮装置。
(項目22)
上記凝縮器は、熱が排出される周囲条件において使用される、先行する項目のいずれかに記載の蒸気圧縮装置。
(項目23)
上記凝縮器は、加熱を指定されている空間を加熱するのに使用され、上記装置の上部から下部へ冷媒の流れを提供する、先行する項目のいずれかに記載の蒸気圧縮装置。
(項目24)
上記蒸発器および凝縮器の上記機能性は、異なるサイクル中に逆転可能である、先行する項目のいずれかに記載の蒸気圧縮装置。
(項目25)
上記蒸発器および凝縮器は、他の熱交換器(例えば、プレート熱交換器)により交換可能である、先行する項目のいずれかに記載の蒸気圧縮装置。
(項目26)
上記装置は、要求される場合、上記冷媒の流れを逆転させ、充填および/または放出の間の切り替えを行う逆転バルブを備える、先行する項目のいずれかに記載の蒸気圧縮装置。
(項目27)
上記切り替えは、手動でまたは電子的に行われ、測定される上記温度および/または圧力、ならびに、いつ切り替えが要求されるかに依存する、項目26に記載の蒸気圧縮装置。
(項目28)
加熱が要求される場合、冷媒は上記熱バッテリーから流れ、冷却が要求される場合、冷媒は上記熱バッテリーに流れる、項目27に記載の蒸気圧縮装置。
(項目29)
上記装置は、上記凝縮器に接続された少なくとも1つの遮断バルブを備える、先行する項目のいずれかに記載の蒸気圧縮装置。
(項目30)
上記装置は、上記逆転バルブおよび上記熱バッテリーに接続された少なくとも1つの遮断バルブを備える、項目26から29のいずれかに記載の蒸気圧縮装置。
(項目31)
上記凝縮器および液体収容容器には、逆止バルブとして機能するさらなるバルブが接続されている、先行する項目のいずれかに記載の蒸気圧縮装置。
(項目32)
上記装置は、鉛直または実質的に鉛直に方向付けされており、液体収容容器は、上記ポンプデバイス(例えば、圧縮器)の上方かつ上記凝縮器の下方に配置される、先行する項目のいずれかに記載の蒸気圧縮装置。
(項目33)
上記装置はまた、上記液体収容容器の鉛直下方に任意選択的に配置される、フィルタ乾燥機のような乾燥機を備える、先行する項目のいずれかに記載の蒸気圧縮装置。
(項目34)
上記装置はまた、見るための窓(例えば、サイトグラス)を備える、先行する項目のいずれかに記載の蒸気圧縮装置。
(項目35)
上記装置はまた、予冷に使用される膨脹デバイス(例えば、膨脹バルブ)を備える、先行する項目のいずれかに記載の蒸気圧縮装置。
(項目36)
上記装置はまた、要求される場合、上記熱バッテリーを分離するのに使用される、上記熱バッテリーと上記逆転バルブとの間に配置される少なくとも1つのソレノイドバルブを備える、先行する項目のいずれかに記載の蒸気圧縮装置。
(項目37)
上記装置は、上記冷媒の流れを指示するのに使用される吸入容器アキュムレータを備える、先行する項目のいずれかに記載の蒸気圧縮装置。
(項目38)
上記装置はクランクケース圧力調整器を備える、先行する項目のいずれかに記載の蒸気圧縮装置。
(項目39)
上記熱バッテリーに接続されたソレノイドバルブと、液体収容容器とが存在する、先行する項目のいずれかに記載の蒸気圧縮装置。
(項目40)
高温ガス除霜に使用されるソレノイドバルブが存在する、先行する項目のいずれかに記載の蒸気圧縮装置。
(項目41)
上記温度および/または圧力が制限された蒸気圧縮装置は、上記サイクルが逆転可能である状態での加熱および冷却の両方に使用される、先行する項目のいずれかに記載の蒸気圧縮装置。
(項目42)
放出サイクルにおいて、上記装置は、上記熱バッテリー(すなわち、中間熱交換器)と温度制御環境との間で熱エネルギーを伝達することを要求される、先行する項目のいずれかに記載の蒸気圧縮装置。
(項目43)
上記装置は、上記圧縮器にわたる圧力差により動かされる冷媒の流れを介して動作する、先行する項目のいずれかに記載の蒸気圧縮装置。
(項目44)
上記装置はまた、統合された毛細管を備える、先行する項目のいずれかに記載の蒸気圧縮装置。
(項目45)
上記装置はまた、統合された液体受容器と毛細管とを備える、先行する項目のいずれかに記載の蒸気圧縮装置。
(項目46)
上記装置はまた、冷媒の凝縮および熱バッテリーの充電に使用される統合されたマイクロチャネル熱交換器を備え、これにより、冷媒過熱ガスは、流入口において上記マイクロチャネル熱交換器に入って、冷却チャネルに沿って凝縮し、流出口において液体として排出される、先行する項目のいずれかに記載の蒸気圧縮装置。
(項目47)
第1および第2態様のいずれかに記載の装置を使用して、蒸気圧縮サイクルにおける上記熱源の温度および/またはヒートシンクの温度を制御する方法であって、
冷媒をポンプで送るのに使用されるポンプデバイスと、
上記冷媒を凝縮させることが可能な凝縮器と、
上記冷媒を蒸発させることが可能な蒸発器と、
相変化物質(PCM)を有する熱バッテリーと、
上記熱バッテリーにおける上記相変化物質(PCM)の上記温度および/または圧力をモニタリングすることが可能な、少なくとも1つまたは一連の温度および/または圧力センサと
を提供し、
上記熱バッテリーは、上記凝縮器および/または蒸発器に接続され、電荷エネルギーの放出(すなわち、放電)および/または充填を行うことが可能で、これにより、上記熱バッテリーは、蒸気圧縮サイクルにおける上記熱源の温度および/またはヒートシンクの温度を制御することが可能になる、
方法。
(項目48)
・最も低い地球温暖化係数(GWP)および法的に許可された冷媒を選択し、候補冷媒を選択することと、
・選択された上記候補冷媒の冷媒圧力範囲を確認することと、
・区画目標温度(CTT)および最小周囲温度(Min_Ambient)に対して上記候補冷媒が蒸発および凝縮する場所を確認することと、
・CTTからMin_Ambientの範囲の転移温度(TT)を有する相変化物質(PCM)のリストに対して、上記転移温度で発生する各上記冷媒圧力を評価することと、
・上記リストをクリップし、PCM TTからMin_Ambient冷却サイクルおよび/または上記CTTからPCM冷却サイクルにおいて蒸発と凝縮との間の冷媒の流れを動かすには不十分な圧力差を有するすべての候補を削除することと、
・冷媒飽和特性表を使用して、上記PCM TTからMin_Ambient冷却サイクルおよび/または上記CTTからPCM冷却サイクルにおいて蒸発および凝縮するための上記冷却サイクルにおける複数の点(例えば、2個から10個、または好ましくは4個の点)で冷媒の熱力学状態:
-圧縮器入口の冷媒状態
-圧縮器出口の冷媒状態
-凝縮器出口の冷媒状態
-蒸発器入口の冷媒状態
を計算することと、
・各冷却サイクルについて、上記蒸発器および/または凝縮器にわたる熱負荷(kW)と圧縮器作業(kW)とを計算することと、
・この情報を使用して、加熱および/または冷却の性能係数(COP)は、冷媒およびPCMの各ペアに対して決定され得ることと
を備える、蒸気圧縮装置の相変化物質(PCM)および/または冷媒を選択する手法。
(項目49)
上記冷媒の熱力学状態:
-圧縮器入口の冷媒状態
-圧縮器出口の冷媒状態
-凝縮器出口の冷媒状態
-蒸発器入口の冷媒状態
は、冷媒飽和特性表を使用して、上記PCM TTからMin_Ambient冷却サイクルおよび/または上記CTTからPCM冷却サイクルにおいて蒸発および凝縮するための上記冷却サイクル上の2個から10個、または4個の点において計算される、項目48に記載の蒸気圧縮装置の相変化物質(PCM)および/または冷媒を選択する手法。

Claims (16)

  1. 冷媒をポンプで送るのに使用されるポンプデバイスと、
    前記冷媒を凝縮させることが可能な凝縮器と、
    前記冷媒を蒸発させることが可能な蒸発器と、
    相変化物質(PCM)を有する熱バッテリーと、
    前記熱バッテリーにおける前記相変化物質(PCM)の温度およ圧力をモニタリングすることが可能な、少なくとも1つまたは一連の温度およ圧力センサと
    を備え、
    前記熱バッテリーは、前記凝縮器および/または蒸発器に接続され、貯蔵エネルギーの放出(すなわち、放)および/または蓄熱を行うことが可能で、これにより、前記熱バッテリーは、蒸気圧縮サイクルにおける熱源の温度および/またはヒートシンクの温度を制御することが可能になり、
    前記相変化物質(PCM)に浸漬された一連の温度およ圧力センサが存在し、前記熱バッテリーの前記温度および圧力をリアルタイムで指示し、前記冷媒の流れが切り替えられるべき場合に指示を提供する、
    蒸気圧縮装置。
  2. 前記温度および/または圧力の測定は、常におよび/または継続的に、または30秒ごとにまたは毎分など周期的に実行される、請求項1に記載の蒸気圧縮装置。
  3. 前記少なくとも1つまたは一連の温度およ圧力センサは、リアルタイムの温度およ圧力の測定を提供し、前記相変化物質(PCM)の前記温度および圧力が、前記相変化物質(PCM)のレベルの測定と共にモニタリングされることを可能にする、請求項1または2に記載の蒸気圧縮装置。
  4. 相変化物質(PCM)を備える前記熱バッテリーは、前記凝縮器と蒸発器との間の中間に位置る、請求項1から3のいずれか一項に記載の蒸気圧縮装置。
  5. 第1段階中に、前記熱バッテリーは予冷または熱を行い、第2段階中に、前記熱バッテリーは冷却を放出または熱を放出し、
    前記熱バッテリーは、前記凝縮器と前記蒸発器との間に位置する熱交換器として機能する、請求項1から4のいずれか一項に記載の蒸気圧縮装置。
  6. 前記蒸気圧縮装置は鉛直または実質的に鉛直方向にあり、冷媒を収容する液体収容容器は、圧縮器の上方または実質的に上方に配置され、前記液体収容容器は、前記蒸発器と前記凝縮器との間に鉛直または実質的に鉛直に配置され、
    前記ポンプデバイスは、前記蒸気圧縮装置の周囲のパイプシステムの周囲の前記冷媒を圧縮するおよび/またはそれに圧力をかけるのに使用される圧縮器である、請求項1から5のいずれか一項に記載の蒸気圧縮装置。
  7. 使用された前記相変化物質(PCM)は、
    デカンなどのパラフィン材料(例えば、約25℃から35℃または約-30℃の相変化転移温度を有するPCMを形成し、核形成、結晶化速度および/またはサイクル性を改善するための任意選択的な添加剤を含む)と、
    塩化ナトリウムおよび水などの塩-水共晶(例えば、約20℃から25℃または約-22℃の相変化転移温度を有するPCMを形成し、核形成、結晶化速度および/またはサイクル性を改善するための任意選択的な添加剤を含む)と、
    硫酸マグネシウムおよび水などの塩-水共晶(例えば、約-10℃から0℃または約-5℃の相変化転移温度を有するPCMを形成し、核形成、結晶化速度および/またはサイクル性を改善するための任意選択的な添加剤を含む)と、
    硫酸ナトリウムおよび水などの塩-水共晶(例えば、約-5℃から+5℃または約-1℃の相変化転移温度を有するPCMを形成し、核形成、結晶化速度および/またはサイクル性を改善するための任意選択的な添加剤を含む)と、
    ラウリン酸メチルなどの有機エステル(例えば、約0℃から10℃または約5℃の相変化転移温度を有するPCMを形成し、核形成、結晶化速度および/またはサイクル性を改善するための任意選択的な添加剤を含む)と、
    テトラヒドロフラン(THF)および水などの包接水和物(例えば、約0℃から10℃または約5℃の相変化転移温度を有するPCMを形成し、核形成、結晶化速度および/またはサイクル性を改善するための任意選択的な添加剤を含む)と、
    こはく酸ジメチルなどのエステル(例えば、約15℃から25℃または約18℃の相変化転移温度を有するPCMを形成し、核形成、結晶化速度および/またはサイクル性を改善するための任意選択的な添加剤を含む)と、
    ドデカノールなどの脂肪族アルコール(例えば、約15℃から25℃または約22℃の相変化転移温度を有するPCMを形成し、核形成、結晶化速度および/またはサイクル性を改善するための任意選択的な添加剤を含む)と、
    硫酸ナトリウム十水和物などの塩水和物(例えば、約25℃から35℃または約32℃の相変化転移温度を有するPCMを形成し、核形成、結晶化速度および/またはサイクル性を改善するための任意選択的な添加剤を含む)と、
    酢酸ナトリウム三水和物などの塩水和物(例えば、約0℃から10℃または約5℃の相変化転移温度を有するPCMを形成し、核形成、結晶化速度および/またはサイクル性を改善するための任意選択的な添加剤を含む)と、
    トリメチロールエタンなどの、固体-固体相変化を伴うポリオール(例えば、約70℃から95℃または約81℃の相変化転移温度を有するPCMを形成し、核形成、結晶化速度および/またはサイクル性を改善するための任意選択的な添加剤を含む)と、
    エリトリトールなどのポリオール(例えば、約100℃から150℃または約121℃の相変化転移温度を有するPCMを形成し、核形成、結晶化速度および/またはサイクル性を改善するための任意選択的な添加剤を含む)と
    のいずれか1つまたは組み合わせを含む、請求項1から6のいずれか一項に記載の蒸気圧縮装置。
  8. 前記相変化物質(PCM)は、ユーザが冷却したいほど低くない温度範囲またはユーザが熱を排出したいほど高くない温度範囲から選択される、請求項1から7のいずれか一項に記載の蒸気圧縮装置。
  9. 約1℃から20℃または冷却に要求される前記温度(例えば、最も低い温度)より約10℃から15℃高い相変化温度、および/または、前記要求される蒸発圧力の前記圧力より1から10BarGまたは好ましくは約1から5BarG高い圧力で冷媒を凝縮させる相変化温度を有する前記相変化物質(PCM)が選択される、請求項1から8のいずれか一項に記載の蒸気圧縮装置。
  10. 相変化物質(PCM)は、ヒートポンプがその熱エネルギーを供給している周囲条件の前記温度(例えば、最小温度)より約1℃から20℃または好ましくは約10℃から15℃高い相変化温度、および/または、設計条件である最小周囲温度を考慮すると、冷媒が蒸発する圧力より約1から10BarGまたは約1から5BarG高い圧力で冷媒を蒸発させる前記相変化温度を有するように選択される、請求項1から9のいずれか一項に記載の蒸気圧縮装置。
  11. 前記熱バッテリー内には一連のチューブが配置されており、
    前記蒸発器は、ファンコイル蒸発器である、請求項1から10のいずれか一項に記載の蒸気圧縮装置。
  12. 前記蒸発器および凝縮器の機能性は、異なるサイクル中に逆転可能である、請求項1から11のいずれか一項に記載の蒸気圧縮装置。
  13. 前記蒸気圧縮装置は、要求される場合、前記冷媒の流れを逆転させ、充填および/または放出の間の切り替えを行う逆転バルブを備え、
    前記切り替えは、手動でまたは電子的に発生し、測定される前記温度および/または圧力、ならびに、いつ切り替えが要求されるかに依存し、
    加熱が要求される場合、冷媒は前記熱バッテリーから流れ、冷却が要求される場合、冷媒は前記熱バッテリーに流れ、
    前記凝縮器および液体収容容器には、逆止バルブとして機能するさらなるバルブが接続されている、請求項1から12のいずれか一項に記載の蒸気圧縮装置。
  14. 前記蒸気圧縮装置はまた、液体収容容器の鉛直下方に任意選択的に配置される、フィルタ乾燥機のような乾燥機と、
    見るための窓および予冷に使用される膨脹デバイス(例えば、膨脹バルブ)と、
    要求される場合、前記熱バッテリーを分離するのに使用される、前記熱バッテリーと逆転バルブとの間に配置される少なくとも1つのソレノイドバルブと、
    前記冷媒の流れを指示するのに使用される吸入容器アキュムレータと
    を備える、請求項1から13のいずれか一項に記載の蒸気圧縮装置。
  15. 前記熱バッテリーに接続されたソレノイドバルブと、高温ガス除霜に使用される液体収容容器とが存在する、請求項1から14のいずれか一項に記載の蒸気圧縮装置。
  16. 請求項1から14のいずれか一項に記載の蒸気圧縮装置を使用して、蒸気圧縮サイクルにおける前記熱源の温度および/またはヒートシンクの温度を制御する方法であって、
    冷媒をポンプで送るのに使用されるポンプデバイスと、
    前記冷媒を凝縮させることが可能な凝縮器と、
    前記冷媒を蒸発させることが可能な蒸発器と、
    相変化物質(PCM)を有する熱バッテリーと、
    前記熱バッテリーにおける前記相変化物質(PCM)の前記温度およ圧力をモニタリングすることが可能な、少なくとも1つまたは一連の温度およ圧力センサと
    を提供し、
    前記熱バッテリーは、前記凝縮器および/または蒸発器に接続され、貯蔵エネルギーの放出(すなわち、放)および/または蓄熱を行うことが可能で、これにより、前記熱バッテリーは、蒸気圧縮サイクルにおける前記熱源の温度および/またはヒートシンクの温度を制御することが可能になる、
    方法。
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