JP3360637B2 - 冷凍空調装置 - Google Patents

冷凍空調装置

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JP3360637B2
JP3360637B2 JP01012499A JP1012499A JP3360637B2 JP 3360637 B2 JP3360637 B2 JP 3360637B2 JP 01012499 A JP01012499 A JP 01012499A JP 1012499 A JP1012499 A JP 1012499A JP 3360637 B2 JP3360637 B2 JP 3360637B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、冷熱または温熱を
蓄熱する蓄熱槽を備えた冷凍空調装置に係わり、特に熱
伝達媒体として非共沸混合冷媒を用いた場合の、蓄熱槽
内に設けられた蓄熱熱交換器の改良に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】従来より、冷房負荷のピーク時における
電力需要の軽減およびオフピーク時における電力需要の
拡大を図る手段として、冷房負荷のオフピーク時に蓄熱
槽に冷熱を蓄え、ピーク時にはその冷熱を冷房運転に活
用する蓄熱式の冷凍空調装置の開発が進んでいる。
【0003】図30は、例えば特公平8−250824
0号公報に示された従来の冷凍空調装置を示す冷媒回路
図である。図において、1は圧縮機、2は冷房時と暖房
時の冷媒の流れを切換える四方弁、3は室外熱交換器、
4は第1膨張弁、5は室内熱交換器であり、これらは配
管で接続されて冷凍サイクルを構成している。11は蓄
熱槽10内に設置された蓄熱熱交換器であり、その入口
側配管は第2膨張弁20を介して、室外熱交換器3と第
1膨張弁4の間の配管に接続されている。また、蓄熱熱
交換器11の出口側配管は、第1電磁弁21によって室
内熱交換器5と四方弁2の間の配管に接続されるととも
に、第2電磁弁22によって第1膨張弁4と室外熱交換
器3の間の配管に接続されている。そして、第1電磁弁
21と第2電磁弁22によって、蓄熱運転と蓄熱利用冷
房運転の冷媒回路が切換え可能に構成されている。ま
た、室外熱交換器3と第1膨張弁4の間の配管には第3
電磁弁23が設けられている。さらにこの冷凍空調装置
内には、冷媒として単一冷媒であるフロンR22が封入
されている。
【0004】図31は、図30に示した蓄熱式の冷凍空
調装置に係わる蓄熱槽10の構成を詳しく示す図であ
り、図31(a)は上面図、図31(b)は縦断面図で
ある。蓄熱熱交換器11は、図31に示すように垂直方
向に蛇行した伝熱管で構成されており、蓄熱運転時の圧
力損失を低減するために、複数、例えば4本の伝熱管を
並列に接続し、さらに伝熱管として平滑管が用いられて
いる。また伝熱管の蛇行のピッチはほぼ等間隔である。
さらに蓄熱熱交換器11の入口部には複数の伝熱管に冷
媒を分配するディストリビュータ12が設けられてお
り、また出口部には複数の伝熱管からの冷媒を合流させ
るヘッダー13が設けられている。蓄熱槽10の内部は
水で満たされており、蓄熱運転時には、蓄熱熱交換器1
1で水を冷却氷化し、伝熱管の表面に氷を付着生成させ
て蓄熱槽10内に冷熱を蓄えるように構成されている。
【0005】次に、上記のように構成された従来の冷凍
空調装置の蓄熱運転時および蓄熱利用冷房運転時の動作
について説明する。蓄熱運転時は、第1電磁弁21を
開、第2電磁弁22を閉、第3電磁弁23を閉とする。
また、第2膨張弁20は適当な開度になるように制御さ
れている。この蓄熱運転時の冷媒の流れは、図30中の
実線矢印で示すように、圧縮機1で吐出された高温高圧
の冷媒蒸気は四方弁2を経て室外熱交換器3で凝縮液化
し、第2膨張弁20で低圧に減圧されて蓄熱熱交換器1
1に流入する。蓄熱熱交換器11に流入した冷媒は、蓄
熱槽10内の水から熱を奪って蒸発する。この際、蓄熱
熱交換器11は複数の平滑管を並列に接続した伝熱管で
構成されているため、蒸発時の圧力損失は非常に小さ
く、蒸発温度もほぼ一定となる。このため蓄熱熱交換器
11の伝熱管表面には均一な厚さで氷が付着生成する。
蓄熱熱交換器11で蒸発した冷媒は、第1電磁弁21お
よび四方弁2を通って圧縮機1に戻る。
【0006】蓄熱利用冷房運転時は、第1電磁弁21を
閉、第2電磁弁22を開、第3電磁弁23を閉とする。
この時の冷媒の流れは、図30中の破線矢印で示すよう
に、圧縮機1で吐出された高温高圧の冷媒蒸気は四方弁
2を経て室外熱交換器3で凝縮液化し、第2膨張弁20
を通って蓄熱熱交換器11に流入する。なお、この運転
時は第2膨張弁20の開度を全開としている。蓄熱熱交
換器11に流入した高圧の液冷媒は、蓄熱槽10内の氷
でさらに冷却され、過冷却度が増大して流出する。この
過冷却度が増大した液冷媒は第2電磁弁22を通って第
1膨張弁4で低圧に減圧され、室内熱交換器5に流入し
て蒸発し、四方弁2を通って圧縮機1に戻る。
【0007】暖房運転時は、四方弁2を切換え、第1電
磁弁21,第2電磁弁22を閉、第3電磁弁23を開に
する。そして蓄熱槽10を介さないで冷凍サイクルを構
成する。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】上記のような従来の冷
凍空調装置では、冷媒として蒸発時に温度変化の生じな
いフロンR22のような単一冷媒を用いているため、蓄
熱熱交換器11を複数の平滑管を並列に接続した伝熱管
で構成して圧力損失を低減することにより、蓄熱運転時
にほぼ一定の蒸発温度を得ることができ、この結果、蓄
熱熱交換器11の伝熱管表面には均一な厚さで氷が付着
生成し、効率の良い蓄熱運転が可能となる。
【0009】ところが、近年地球環境保護の意識が高ま
っており、フロンR22はオゾン層破壊係数が高く、オ
ゾン層破壊係数の低い冷媒を用いることが熱望されてい
る。そこで例えばフロンR407Cはオゾン層破壊係数
がゼロであるが、その性質はフロンR22のような単一
冷媒とは多少異なり、フロンR32/R125/R13
4aが23/25/52重量%で構成されている非共沸
混合冷媒である。蒸発時に温度変化の生じる非共沸混合
冷媒を用いると、蓄熱運転時の蓄熱熱交換器内の蒸発温
度は一定にはならず、蒸発温度が低い蓄熱熱交換器入口
部では氷は厚くなり、蒸発温度が高い蓄熱熱交換器出口
部では氷が生成されなくなる。この結果、蓄熱熱交換器
の伝熱管表面に生成される氷厚が不均一となり、蓄熱運
転時の効率が低下したり、蓄熱槽全体としては充分な製
氷量が得られなかったりするという問題があった。ま
た、蒸発温度が最も低い蓄熱熱交換器入口部の氷厚は最
も厚くなるため、この部分の氷が融合して伝熱管や蓄熱
槽の変形や破損を引き起こすという問題もあった。
【0010】本発明は、上記のような問題を解決するた
めになされたもので、冷媒として蒸発過程で温度変化の
生じる非共沸混合冷媒を用い、効率よく蓄熱槽に蓄熱で
き、しかも信頼性の高い冷凍空調装置を得ることを目的
とする。さらに、熱伝達媒体として1つの非共沸混合冷
媒を用いるのみではなく、他の非共沸混合冷媒や蒸発過
程で温度変化の生じない共沸冷媒や単一冷媒を用いて
も、装置構成を変更せずに、効率よく蓄熱槽に蓄熱でき
る冷凍空調装置を得ることを目的としている。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明に係わる冷凍空調
装置は、非共沸混合冷媒を熱伝達媒体として用いて冷熱
または温熱を生成する熱源装置と、蓄熱熱交換器および
蓄熱材を有し前記熱源装置で生成した冷熱または温熱を
前記蓄熱熱交換器を介して前記蓄熱材に蓄熱する蓄熱槽
と、前記蓄熱槽に蓄熱された冷熱または温熱が供給され
る負荷装置とを備える冷凍空調装置において、前記蓄熱
熱交換器を流れる非共沸混合冷媒の温度を検知する温度
検知器を設け、前記温度検知器の出力に応じて前記蓄熱
熱交換器内での前記非共沸混合冷媒の流れ方向を切換え
るように構成したものである。
【0012】また、本発明に係わる冷凍空調装置は、非
共沸混合冷媒を熱伝達媒体として用いて冷熱または温熱
を生成する熱源装置と、蓄熱熱交換器および蓄熱材を有
し前記熱源装置で生成した冷熱または温熱を前記蓄熱熱
交換器を介して前記蓄熱材に蓄熱する蓄熱槽と、前記蓄
熱槽に蓄熱された冷熱または温熱が供給される負荷装置
とを備える冷凍空調装置において、前記蓄熱熱交換器を
流れる非共沸混合冷媒の圧力を検知する圧力検知器を設
け、前記圧力検知器の出力に応じて前記蓄熱熱交換器内
での前記非共沸混合冷媒の流れ方向を切換えるように構
成したものである。
【0013】
【0014】
【0015】
【0016】
【0017】
【0018】
【0019】
【0020】また、本発明に係わる冷凍空調装置は、非
共沸混合冷媒を熱伝達媒体として用いて冷熱または温熱
を生成する熱源装置と、蓄熱熱交換器および蓄熱材を有
し前記熱源装置で生成した冷熱または温熱を前記蓄熱熱
交換器を介して前記蓄熱材に蓄熱する蓄熱槽と、前記蓄
熱槽に蓄熱された冷熱または温熱が供給される負荷装置
とを備える冷凍空調装置において、前記蓄熱槽内で互い
に隣り合って配設され、前記蓄熱熱交換器の入口と出口
の間に並列に接続された伝熱管の隣り合う冷媒の流れが
逆方向であると共に、前記伝熱管を所定の間隔を開けて
配置したものである。
【0021】
【0022】また、本発明に係わる冷凍空調装置は、非
共沸混合冷媒を熱伝達媒体として用いて冷熱または温熱
を生成する熱源装置と、蓄熱熱交換器および蓄熱材を有
し前記熱源装置で生成した冷熱または温熱を前記蓄熱熱
交換器を介して前記蓄熱材に蓄熱する蓄熱槽と、前記蓄
熱槽に蓄熱された冷熱または温熱が供給される負荷装置
とを備える冷凍空調装置において、前記蓄熱熱交換器は
伝熱管を鉛直方向または水平方向に蛇行させて配設する
ものとし、前記蓄熱熱交換器の入口部の蛇行のピッチを
出口部よりも大きくしたものである。
【0023】
【0024】
【0025】
【0026】
【0027】また、本発明に係わる冷凍空調装置は、非
共沸混合冷媒を熱伝達媒体として用いて冷熱または温熱
を生成する熱源装置と、蓄熱熱交換器および蓄熱材を有
し前記熱源装置で生成した冷熱または温熱を前記蓄熱熱
交換器を介して前記蓄熱材に蓄熱する蓄熱槽と、前記蓄
熱槽に蓄熱された冷熱または温熱が供給される負荷装置
とを備える冷凍空調装置において、前記蓄熱熱交換器入
口部での前記非共沸混合冷媒の温度と前記蓄熱材の温度
との温度差を入口部温度差とし、前記蓄熱熱交換器出口
部での前記非共沸混合冷媒の温度と前記蓄熱材の温度と
の温度差を出口部温度差として、前記入口部温度差と前
記出口部温度差の割合が所定範囲となるような冷媒圧力
損失を有するように前記蓄熱熱交換器を構成したもので
ある。
【0028】また、本発明による冷凍空調装置は、熱伝
達媒体を用いて冷熱または温熱を生成する熱源装置と、
蓄熱熱交換器および蓄熱材を有し前記熱源装置で生成し
た冷熱または温熱を前記蓄熱熱交換器を介して前記蓄熱
材に蓄熱する蓄熱槽と、前記蓄熱槽に蓄熱された冷熱ま
たは温熱が供給される負荷装置とを備える冷凍空調装置
において、前記熱伝達媒体として非共沸混合冷媒を用い
たときと、単一冷媒または共沸冷媒または前記非共沸混
合冷媒とは異なる非共沸混合冷媒を用いたときのいずれ
においても、前記蓄熱熱交換器入口部での前記熱伝達媒
体の温度と前記蓄熱材の温度との温度差を入口部温度差
とし、前記蓄熱熱交換器出口部での前記熱伝達媒体の温
度と前記蓄熱材の温度との温度差を出口部温度差とし、
前記入口部温度差と前記出口部温度差の割合が所定範囲
となるような冷媒圧力損失を有するように前記蓄熱熱交
換器を構成したものである。
【0029】また、本発明による冷凍空調装置は、蓄熱
熱交換器入口部での熱伝達媒体の温度と蓄熱材の温度と
の温度差である入口部温度差と、前記蓄熱熱交換器出口
部での前記熱伝達媒体の温度と前記蓄熱材の温度との温
度差である出口部温度差のうち、大きい方の値をΔTma
x 、小さい方の値をΔTmin としたとき、温度差の割合
ΔTmin /ΔTmax が、 ΔTmin /ΔTmax > 0.5 を満足するような冷媒圧力損失を有するように前記蓄熱
熱交換器を構成したものである。
【0030】また、本発明による冷凍空調装置は、蓄熱
材の融解潜熱を利用して冷熱を蓄熱するものとし、蓄熱
熱交換器入口部での蓄熱材の温度と前記蓄熱熱交換器出
口部での前記蓄熱材の温度として、前記蓄熱材の凝固温
度を用いることを特徴とするものである。
【0031】
【0032】
【発明の実施の形態】実施の形態1.図1は本発明の実
施の形態1による冷凍空調装置を示す冷媒回路図であ
る。この冷凍空調装置は、例えば冷房機能と暖房機能と
蓄熱機能を有する構成である。図において、1は圧縮
機、2は冷房時と暖房時の冷媒の流れを切換える第1四
方弁、3は室外熱交換器、4は第1膨張弁、5は室内熱
交換器であり、これらは配管で接続されて冷凍サイクル
を構成している。11は蓄熱槽10内に設置された蓄熱
熱交換器であり、この蓄熱熱交換器11の両端の配管に
は、第2四方弁24を接続しており、この第2四方弁2
4を切換えることによって、蓄熱熱交換器11内の冷媒
の流れ方向を正逆に切換え可能としている。また蓄熱熱
交換器11の入口側配管は第2膨張弁20を介して、室
外熱交換器3と第1膨張弁4の間の配管に接続してい
る。また蓄熱熱交換器11の出口側配管は第1電磁弁2
1によって室内熱交換器5と第1四方弁2の間の配管に
接続するとともに、第2電磁弁22によって第1膨張弁
4と室外熱交換器3の間の配管に接続している。この第
1電磁弁21と第2電磁弁22を切換えることにより、
蓄熱利用冷房運転と蓄熱運転とで、蓄熱熱交換器11の
出口側配管を第1膨張弁4への流れと第1四方弁2への
流れとに切換え可能としている。また、室外熱交換器3
と第1膨張弁4の間の配管には第3電磁弁23を設けて
いる。この冷凍空調装置内には、熱伝達媒体(以下、冷
媒と記す)として非共沸混合冷媒であるフロンR407
Cが封入されている。25は第2膨張弁20と第2四方
弁24の間の配管に設けられた温度検知器であり、蓄熱
熱交換器11の入口部の冷媒温度を検知することができ
る。
【0033】図2は、図1に示した蓄熱式の冷凍空調装
置に係わる蓄熱槽10の構成を詳しく示す図であり、図
2(a)は上面図、図2(b)は縦断面図である。蓄熱
熱交換器11は、図2に示すように垂直方向に蛇行した
伝熱管で構成されており、蓄熱運転時の圧力損失を低減
するために、複数、例えば4本の伝熱管を並列に接続
し、さらに伝熱管には平滑管を用いる。また伝熱管の蛇
行のピッチを等しく構成している。さらに蓄熱熱交換器
11の入口部および出口部にはそれぞれ複数の伝熱管に
冷媒を分配するディストリビュータ12が設けられてい
る。蓄熱槽10内は蓄熱材として例えば水で満たされて
おり、蓄熱運転時には、蓄熱熱交換器11で水を冷却氷
化し、伝熱管の表面に氷を付着生成させて蓄熱槽10内
に冷熱を蓄えるように構成している。
【0034】次に上記のように構成された冷凍空調装置
の蓄熱運転時および蓄熱利用冷房運転時の動作について
説明する。ここで蓄熱運転とは、圧縮機1,凝縮器とし
て動作する室外熱交換器3,および第2膨張弁20で構
成される熱源装置によって生成される冷熱を、蒸発器と
して動作する蓄熱熱交換器11を介して蓄熱槽10に蓄
熱する運転のことである。また、蓄熱利用冷房運転と
は、蓄熱熱交換器11を凝縮器として動作させ、蓄熱槽
10に蓄熱した冷熱を負荷装置である室内熱交換器5に
供給する運転のことである。なお、蓄熱運転時の蓄熱熱
交換器11内の冷媒の流れが図1中の11aから11b
となる場合を蓄熱運転A、またこの逆に11bから11
aとなる場合を蓄熱運転Bと定義する。蓄熱運転時およ
び蓄熱利用冷房運転時には、第1四方弁2を実線で示す
ように接続する。
【0035】蓄熱運転時において、第1電磁弁21を
開、第2電磁弁22を閉、第3電磁弁23を閉とする。
まず蓄熱運転開始時は、例えば蓄熱熱交換器11内の冷
媒の流れが11aから11bとなる蓄熱運転Aとなるよ
うに第2四方弁24を実線のように接続する。この蓄熱
運転A時の冷媒の流れは、図1中実線矢印で示すよう
に、圧縮機1で吐出された高温高圧の冷媒蒸気は第1四
方弁2を経て室外熱交換器3で凝縮液化する。そして、
第2膨張弁20で低圧に減圧されて第2四方弁24を通
って蓄熱熱交換器11に11aから流入する。蓄熱熱交
換器11に流入した冷媒は、蓄熱槽10内の水から熱を
奪って蒸発した後、蓄熱熱交換器11の11bから流出
し、第2四方弁24,第1電磁弁21,第1四方弁2を
通って圧縮機1に戻る。この時蓄熱熱交換器11内の水
は冷却され、伝熱管の表面に氷を付着生成させて蓄熱槽
10内に冷熱を蓄える。
【0036】この蓄熱運転A時の動作を圧力−エンタル
ピー線図上に示したものを図3に示す。図において、横
軸はエンタルピー、縦軸は圧力である。また図中a点は
圧縮機1出口、b点は室外熱交換器3出口、c点は蓄熱
熱交換器11の入口、dは蓄熱熱交換器11の出口を示
す。蓄熱熱交換器11は図2に示したように複数の平滑
管を並列に接続した伝熱管で構成されているため、蒸発
時に圧力損失は非常に小さく、単一冷媒を用いた場合に
は蒸発圧力もほぼ一定となる。ところが、本実施の形態
の冷凍空調装置では、冷媒として非共沸混合冷媒を用い
ているため、蒸発温度は蓄熱熱交換器11の入口部が最
も低く、蓄熱熱交換器11の出口部が最も高くなる。例
えば冷媒としてフロンR407Cを用いた場合は、図3
に示したようにc点の蓄熱熱交換器11の入口部が−6
℃となり、d点の蓄熱熱交換器11の出口部が−1℃と
なる。
【0037】この結果、蓄熱運転A時には、蓄熱熱交換
器11の伝熱管表面には均一な厚さで氷が付着生成せ
ず、蒸発温度の低い蓄熱熱交換器11の入口部の氷厚が
厚くなり、逆に蒸発温度の高い蓄熱熱交換器11の出口
部の氷厚が薄くなる。この状態で蓄熱運転Aが進行する
と、蓄熱熱交換器11の入口部に過大の氷が生成され、
蓄熱熱交換器11全体としては効率が低下し、蒸発温度
または蒸発圧力の低下が生じる。
【0038】そこで、本実施の形態では、蓄熱運転の途
中で蓄熱熱交換器11の冷媒の流れ方向を逆にし、氷厚
の均一化を図っている。即ち、蓄熱熱交換器11の入口
部に設けた温度検知器25によって、蓄熱熱交換器11
の不均一着氷による効率低下を検知し、蓄熱運転Bに移
行する。この温度検知器25で検知される冷媒温度が所
定の値以下、例えば−7℃以下となった場合には、蓄熱
熱交換器11の入口側では十分に製氷された状態になっ
たと判断することができる。このため、第2四方弁24
を切換えて、蓄熱運転Bを実行する。この蓄熱運転B
は、第1電磁弁21、第2電磁弁22および第3電磁弁
23の開閉状態は、蓄熱運転Aと同様であり、第2四方
弁24を図1の点線に示すように切換えて行う。
【0039】蓄熱運転B時の冷媒の流れは、図1中一点
鎖線矢印で示すように、圧縮機1で吐出された高温高圧
の冷媒蒸気は第1四方弁2を経て室外熱交換器3で凝縮
液化し、第2膨張弁20で低圧に減圧されて第2四方弁
24を通って蓄熱熱交換器11の11bに流入する。蓄
熱熱交換器11を11bから11aに流れる冷媒は、蓄
熱槽10内の水から熱を奪って蒸発した後、第2四方弁
24,第1電磁弁21,第1四方弁2を通って圧縮機1
に戻る。
【0040】この蓄熱運転B時の蓄熱熱交換器11内の
冷媒の流れ方向は、図2の一点鎖線矢印で示すように、
実線矢印で示した蓄熱運転A時の流れと反対になる。図
4は蓄熱運転Aと蓄熱運転Bの蓄熱熱交換器11内の温
度分布を示すグラフで、横軸に蓄熱熱交換器の位置、縦
軸に温度(℃)を示す。図4の一点鎖線で示すように、
蓄熱運転B時における蓄熱熱交換器11内の温度変化は
蓄熱運転A時とは逆になる。この蓄熱運転B時には、蓄
熱運転A時に製氷量の少なかった部分の蒸発温度が低く
なって製氷量が増加し、逆に蓄熱運転A時に製氷量の多
かった部分の蒸発温度が高くなって製氷量が減少するた
め、蓄熱熱交換器11全体の製氷量が均一化する。
【0041】蓄熱利用冷房運転時は、第1電磁弁21を
閉、第2電磁弁22を開、第3電磁弁23を閉とする。
またこの時の第2四方弁24は、蓄熱熱交換器11内の
冷媒の流れが11aから11bとなるように設定されて
いる。この蓄熱運転時の冷媒の流れは、図1中破線矢印
で示すように、圧縮機1で吐出された高温高圧の冷媒蒸
気は第1四方弁2を経て室外熱交換器3で凝縮液化し、
第2膨張弁20を通って蓄熱熱交換器11に流入する。
なお、この運転時は第2膨張弁20の開度は全開として
いる。蓄熱熱交換器11を11aから11bに流れる高
圧の液冷媒は、蓄熱槽10内の氷によって、例えば40
℃から0℃程度に冷却され、過冷却度が増大して流出す
る。この過冷却度が増大した液冷媒は第2電磁弁22を
通って第1膨張弁4で低圧に減圧され、室内熱交換器5
に流入して蒸発し、第1四方弁2を通って圧縮機1に戻
る。
【0042】このように、本実施の形態では、第2四方
弁24を切換え、蓄熱熱交換器11内の冷媒の流れ方向
を逆にすることにより、冷媒として非共沸混合冷媒を用
いても、蓄熱熱交換器11内での非共沸混合冷媒の蒸発
温度の高温部分と低温部分とを逆転して、蓄熱熱交換器
11に均一な厚さの氷を生成でき、効率のよい蓄熱運転
が可能となる。また蓄熱熱交換器11の一部に過大な氷
が生成され、この部分の氷が融合して伝熱管や蓄熱槽1
0の変形や破損を引き起こすのを防止でき、信頼性の高
い冷凍空調装置が得られる。
【0043】また本実施の形態では、安価な温度検知器
25によって蓄熱熱交換器11に流入する冷媒温度を検
知して、この冷媒温度が所定の温度以下となった場合
に、第2四方弁24を切換えるので、確実に蓄熱熱交換
器11内の冷媒の流れ方向を逆に切換えることができ
る。また、冷媒温度の検知場所は蓄熱熱交換器11の入
口部に限るものではなく、第2四方弁24から、第1電
磁弁21と第2電磁弁22との分岐部までの配管に設け
て、蓄熱熱交換器11の出口部の温度を検知して切換え
るようにしてもよい。さらには、蓄熱槽10内の蓄熱熱
交換器11に温度検知器を設けて、蓄熱槽10内の冷媒
温度から蓄熱状態を検知し、この結果に応じて冷媒の流
れを切換えるように構成してもよい。
【0044】また蓄熱熱交換器11に流入する冷媒温度
を検知する代わりに、蓄熱熱交換器11の入口部に圧力
検知器を設け、この圧力検知器によって蓄熱熱交換器1
1を流れる冷媒の圧力を検知し、蓄熱熱交換器入口部の
冷媒温度を推算して冷媒の流れを切換えるように構成し
ても、確実に蓄熱熱交換器11内の冷媒の流れ方向を逆
に切換えることができる。圧力検知器の設置場所も蓄熱
熱交換器11の入口部に限らず、蓄熱熱交換器11の出
口部や、蓄熱槽10内の蓄熱熱交換器11に設けても、
上記と同様の効果を奏する。
【0045】また温度検知器や圧力検知器の代わりに、
蓄熱槽10内の氷の状態として例えば氷の厚さを検知す
る氷厚検知器を蓄熱槽10に設け、氷厚が所定の厚さに
なったことを検知したときに、第2四方弁24を切換え
るように制御してもよい。蓄熱槽10内の氷の状態を検
知することで、確実に蓄熱熱交換器11内の冷媒の流れ
方向を逆に切換えることができ、さらに氷が融合して伝
熱管や蓄熱槽10の変形や破損を引き起こすこともな
く、信頼性の高い冷凍空調装置が得られる。即ち、検知
器の検知結果から蓄熱槽10内の蓄熱状態を把握するこ
とができるなら、検知器の設置場所はどこでもよく、検
知対象とする状態量はなんでもよい。また本実施の形態
では蓄熱材として水を用い、蓄熱槽10に満たした水を
氷にして冷熱を蓄熱しているが、例えばエチレングリコ
ールやヘキサデカンなどの潜熱蓄熱材を蓄熱槽10に格
納しこれによって冷熱や温熱を蓄熱してもよい。
【0046】ただし、上記実施の形態で述べたように、
蓄熱材として水を用いるのが値段や取り扱いやすさの点
から望ましく、蓄熱状態検知手段として温度検知器25
を用い、温度検知器25を蓄熱熱交換器11の入口部に
設けると、蓄熱運転Aでも蓄熱運転Bでも蓄熱熱交換器
11の流入する冷媒の温度を検知することができ、また
配管に取りつけるだけでよいので、容易に実施できる。
【0047】また上記では蓄熱運転時にのみ蓄熱熱交換
器11内の冷媒の流れ方向を切換えているが、蓄熱利用
冷房運転時にも蓄熱熱交換器11内の冷媒の流れ方向を
切換えてもよい。蓄熱利用冷房運転時に冷媒の流れ方向
を切換えると、蓄熱槽10内で均一に氷が解け、安定し
て冷熱を供給できる。
【0048】また上記では蓄熱槽10に冷熱を蓄熱する
構成について述べたが、熱源装置で生成した温熱を蓄熱
槽10に蓄熱する空調装置において、蓄熱熱交換器11
の冷媒の流れ方向を切換えるようにしても、上記と同
様、蓄熱槽10内に均一に温熱を蓄熱することができ
る。
【0049】また本実施の形態では、1台の室外熱交換
器に1台の室内熱交換器を接続した例で説明したが、こ
れに限ることはなく、1台の室外熱交換器に複数台の室
内熱交換器が接続された冷凍空調装置でも同様の効果を
発揮する。
【0050】また本実施の形態では、冷凍空調装置の冷
媒としてオゾン層破壊係数がゼロのフロンR407Cを
用いた場合について説明したが、これに限るものではな
く、フロンR404Aや他の非共沸混合冷媒でもよい。
また地球温暖化防止の観点から、プロパンやブタン、ア
ンモニアなどの自然冷媒を用いた非共沸混合冷媒でも同
様の効果を発揮する。
【0051】実施の形態2.図5は本発明の実施の形態
2による冷凍空調装置を示す冷媒回路図である。図にお
いて、34は第4電磁弁、35は第5電磁弁、36は第
6電磁弁、37は第7電磁弁である。蓄熱熱交換器11
の入口側配管には第4電磁弁34と第5電磁弁35を設
け、蓄熱熱交換器11の出口側配管には第6電磁弁36
と第7電磁弁37を設けており、この電磁弁の開閉の組
合せによって、蓄熱運転時の冷媒の流れ方向を正逆に切
換え可能としている。なお、図1に示したものと同一の
構成部品には同一符号を付して、その重複する説明を省
略する。
【0052】本実施の形態では、蓄熱運転初期の蓄熱運
転A時に第4電磁弁34を開、第5電磁弁35を閉、第
6電磁弁36を開、第7電磁弁37を閉として、蓄熱熱
交換器11内の冷媒の流れ方向を11aから11bの方
向とする。その後、所定の時間経過後に第4電磁弁34
を閉、第5電磁弁35を開、第6電磁弁36を閉、第7
電磁弁37を開として蓄熱運転Bに移行し、蓄熱熱交換
器11の冷媒の流れ方向を11bから11aの方向とす
る。このように、蓄熱熱交換器11内での非共沸混合冷
媒の流れ方向を正逆に切換可能としたことにより、蓄熱
熱交換器11内での非共沸混合冷媒の蒸発温度の高温部
分と低温部分とを逆転でき、蓄熱熱交換器11に氷を均
一に生成できる。
【0053】本実施の形態では、蓄熱熱交換器11内の
冷媒の流れ方向の切換を、安価なタイマーにより制御し
ている。即ち例えば蓄熱運転時間が8時間の場合、蓄熱
運転Aを4時間、蓄熱運転Bを4時間と設定することに
より、温度検知器や圧力検知器を用いずに、安価にしか
も確実に、均一製氷を実現することができる。
【0054】なお、蓄熱運転Aと蓄熱運転Bの運転時間
は同一である必要はなく、例えば蓄熱運転時間が8時間
の場合、蓄熱運転Aを5時間、蓄熱運転Bを3時間とし
たり、あるいは蓄熱運転Aを3時間、蓄熱運転Bを5時
間としてもよい。
【0055】また蓄熱運転Aと蓄熱運転Bとの切換は、
一回に限るものではなく、蓄熱運転時間が8時間の場
合、蓄熱運転Aおよび蓄熱運転Bを2時間毎に切換える
ように制御すれば、より確実に均一製氷が実現できる。
【0056】実施の形態3.図6は本発明の実施の形態
3による冷凍空調装置を示す冷媒回路図である。図にお
いて、1は圧縮機、2は冷房時と暖房時の冷媒の流れを
切換える四方弁、3は室外熱交換器、4は第1膨張弁、
5は室内熱交換器であり、これらは配管で接続されて冷
凍サイクルを構成している。11は蓄熱槽10内に設置
された蓄熱熱交換器であり、その入口側配管は第2膨張
弁20を介して、室外熱交換器3と第1膨張弁4の間の
配管に接続している。また蓄熱熱交換器11の出口側配
管は、第1電磁弁21を介して室内熱交換器5と四方弁
2の間の配管に接続するとともに、第2電磁弁22を介
して第1膨張弁4と室外熱交換器3の間の配管に接続し
ている。この第1電磁弁21と第2電磁弁22を開閉す
ることにより、蓄熱利用冷房運転と蓄熱運転とで冷媒回
路を切換え可能に構成している。また室外熱交換器3と
第1膨張弁4の間の配管には第3電磁弁23を設けてい
る。さらにこの冷凍空調装置内には、冷媒として非共沸
混合冷媒であるフロンR407Cを封入している。
【0057】蓄熱熱交換器11は、図31と同様に垂直
方向に蛇行した伝熱管で構成しており、蓄熱運転時の圧
力損失を低減するために、複数、例えば4本の伝熱管を
並列に接続し、また伝熱管には平滑管を用いる。さらに
蓄熱熱交換器11の中央部から上流側は外径6.35m
mの伝熱管11cを用い、中央部から下流側は外径4m
mの伝熱管11dを用いる。蓄熱槽10内は、蓄熱材と
して例えば水で満たされており、蓄熱運転時には、蓄熱
熱交換器11で水を冷却氷化し、伝熱管の表面に氷を付
着生成させて蓄熱槽10内に冷熱を蓄えるように構成し
ている。
【0058】次に上記のように構成された冷凍空調装置
の蓄熱運転時および蓄熱利用冷房運転時の動作について
説明する。蓄熱運転時は、第1電磁弁21を開、第2電
磁弁22を閉、第3電磁弁23を閉とする。この蓄熱運
転時の冷媒の流れは、図6中実線矢印で示すように、圧
縮機1で吐出された高温高圧の冷媒蒸気は四方弁2を経
て室外熱交換器3で凝縮液化し、第2膨張弁20で低圧
に減圧されて蓄熱熱交換器11に流入する。蓄熱熱交換
器11に流入した冷媒は、蓄熱槽10内の水から熱を奪
って蒸発し、伝熱管表面には氷が付着生成する。この蓄
熱熱交換器11で蒸発した冷媒は、第1電磁弁21およ
び四方弁2を通って圧縮機1に戻る。
【0059】蓄熱熱交換器11内では蒸発時に温度変化
の生じるフロンR407Cが蒸発するため、蓄熱熱交換
器11の伝熱管温度は入口部が最も低くなり、冷媒の流
れ方向に徐々に上昇して、蓄熱熱交換器11の出口部が
最も高くなる。ところが本実施の形態では、蒸発温度の
高い蓄熱熱交換器11の出口側の伝熱管11dの管径
を、蒸発温度の低い入口側の伝熱管11cの管径よりも
小さくしているので、出口部の伝熱管内の冷媒流速が入
口部よりも増加し、冷媒熱伝達率も出口部の方が入口部
よりも増大する。このため蓄熱熱交換器11の出口部
は、フロンR407Cの蒸発温度変化により伝熱管温度
は上昇し、蓄熱槽10内の水温との温度差が小さくなる
ものの、伝熱特性が入口部よりも高いため、小さな温度
差でも氷が生成され、結果として、蓄熱熱交換器11全
体の氷厚は均一化する。
【0060】蓄熱利用冷房運転時は、第1電磁弁21を
閉、第2電磁弁22を開、第3電磁弁23を閉としてい
る。この蓄熱運転時の冷媒の流れは、図6中破線矢印で
示すように、圧縮機1で吐出された高温高圧の冷媒蒸気
は四方弁2を経て室外熱交換器3で凝縮液化し、第2膨
張弁20を通って蓄熱熱交換器11に流入する。なお、
この運転時は第2膨張弁20は全開としている。蓄熱熱
交換器11に流入した高圧の液冷媒は、蓄熱槽10内の
氷で例えば40℃程度から0℃程度に冷却され、過冷却
度が増大して流出する。この過冷却度が増大した液冷媒
は第2電磁弁22を通って第1膨張弁4で低圧に減圧さ
れ、室内熱交換器5に流入して蒸発し、四方弁2を通っ
て圧縮機1に戻る。この蓄熱利用冷房運転で蓄熱槽10
に生成されている氷を解氷して得た冷熱を負荷装置であ
る室外熱交換器5へ供給する際にも、蓄熱熱交換器11
の出口側の伝熱特性を入口側よりも高くしているので、
均一に解氷でき、冷熱を安定して供給できる。
【0061】このように本実施の形態では、蓄熱熱交換
器11の中央部から下流側の伝熱管の管径を、中央部か
ら上流側の伝熱管11cの管径よりも小さなものを用
い、蒸発温度の高い中央部から下流側の伝熱管11dの
伝熱特性を向上させているので、蒸発温度変化の生じる
非共沸混合冷媒を用いても、蒸発温度が高い出口部の製
氷量を増加して蒸発温度が低い入口部の製氷量と同程度
にすることができ、蓄熱熱交換器11にほぼ均一に氷を
生成できる。また冷熱の利用時にも、安定して冷熱を供
給できる。
【0062】なお上記実施の形態では、蓄熱熱交換器1
1の中央部から下流側の伝熱管の管径を、中央部から上
流側の伝熱管の管径よりも小さなものを用い、蒸発温度
の高い中央部から下流側の伝熱管の伝熱特性を向上させ
る例について説明したが、これに限るものではなく、蓄
熱熱交換器11の中央部から下流側の伝熱管に、中央部
から上流側の伝熱管よりも伝熱特性の高いものを用いて
もよい。例えば、蓄熱熱交換器11の伝熱管の管径は全
て同一のものを用い、中央部から上流側の伝熱管を平滑
管とし、中央部から下流側の伝熱管を内面溝付管とすれ
ば、簡単な構成で製氷量を均一化させることができる。
また、蓄熱熱交換器の材質を変えて、入口側はステンレ
スなどの伝熱特性の低いものを用い、出口側は銅などの
伝熱特性の高いものを用いて伝熱管を構成してもよい。
また、必ずしも中央部で分けて上流側と下流側の伝熱管
の伝熱特性を変えなくてもよく、3種類以上の伝熱特性
の異なる伝熱管を用い、下流側の伝熱特性が上流側の伝
熱特性よりも高くなるように構成すればよい。
【0063】実施の形態4.図7は本発明の実施の形態
4に係わる蓄熱槽を示す構成図である。蓄熱熱交換器1
1の入口部で非共沸混合冷媒を複数、例えば2つの流路
に分岐している。そして、蓄熱熱交換器11の中央部か
ら上流側の伝熱管11cは、2つの流路を並列に接続し
て構成され、この2つの流路は中央部で合流し、この中
央部から下流側の伝熱管11dは1つの流路で構成され
ている。なお、ここでは蓄熱槽10のみを示し、冷凍空
調装置を構成する他の各部分は、図6に示したものと同
様であり、その重複する説明を省略する。
【0064】蓄熱運転時に蓄熱熱交換器11に流入した
冷媒は、まず2つに分岐され、2つの流路を並列に接続
した伝熱管11c内を流れ、蒸発する。この冷媒は、蓄
熱熱交換器11の概略中央部で合流し、伝熱管11dに
流入して蒸発する。従って、蒸発温度の高い蓄熱熱交換
器11の出口側の伝熱管11d内の冷媒流速は、蒸発温
度の低い入口側の伝熱管11cよりも大きくなり、冷媒
熱伝達率も出口部の方が入口部よりも増大する。このた
め蓄熱熱交換器11の出口部は、フロンR407Cの蒸
発温度変化により伝熱管温度は上昇し、蓄熱槽10内の
水温との温度差が小さくなるものの、伝熱特性が入口部
よりも高いため、小さな温度差でも氷が生成され、結果
として、蓄熱熱交換器11全体の氷厚は均一化する。
【0065】このように本実施の形態では、蓄熱熱交換
器11の出口側の流路数を入口側の流路数より少なくし
て、蓄熱熱交換器11の出口部の流路の断面積の合計
が、入口部の流路の断面積の合計よりも小さくなるよう
に構成したので、蒸発温度の高い出口側の伝熱特性を蒸
発温度の低い入口側よりも向上でき、簡単な構成によっ
て、非共沸混合冷媒の蒸発温度が高い出口部の製氷量を
増加して蒸発温度が低い入口部の製氷量と同程度とし、
蓄熱槽10内での均一製氷を実現することができる。
【0066】なお、本実施の形態では上流側の伝熱管1
1cを2本とし、下流側の伝熱管11dを1本とした
が、これに限るものではない。蓄熱熱交換器11の出口
部の伝熱特性を入口部の伝熱特性よりも高くするには、
出口部の流路の断面積の合計が、入口部の流路の断面積
の合計よりも小さくなるように構成すればよい。例え
ば、上流側の伝熱管11cを3本以上とし、下流側の伝
熱管11dを上流側よりも少なくしてもよい。また、蓄
熱熱交換器11の中央部で2つに分けて伝熱管で形成さ
れる流路の数を変えなくても、例えば上流側から下流側
へ徐々に伝熱管の本数を減らすように構成してもよい。
このとき上流側と下流側で伝熱管の管径を変えてもよい
が、蓄熱熱交換器11の出口部の流路の断面積の合計
が、入口部の流路の断面積の合計よりも小さくなるよう
に構成する。
【0067】実施の形態5.図8は本発明の実施の形態
5に係わる蓄熱熱交換器11を示す斜視図である。蓄熱
熱交換器11は2つの流路を並列に接続して構成され、
またこの2つの流路はそれぞれその概略中央部11eで
折り返し、さらに中央部から上流側の伝熱管11cと中
央部から下流側の伝熱管11dは熱的に接触するよう
に、例えばはんだ付けされている。図でははんだ付けし
た部分を斜線で示している。なお、ここでは蓄熱熱交換
器11のみを示し、冷凍空調装置を構成する他の各部分
は、図6に示したものと同様であり、その重複する説明
を省略する。なお、ここで2本の伝熱管が熱的に接触し
ているとは、2本の伝熱管の少なくとも一部が、直接、
または熱伝導率の高いものを介在させて接触することに
より、伝熱管同士が熱伝導しうる構成のことをいう。
【0068】蓄熱運転時に蓄熱熱交換器11に流入した
冷媒は、まず上流側の伝熱管11c内を流れ、蒸発す
る。この冷媒は、蓄熱熱交換器11の概略中央部11e
で折り返され、下流側の伝熱管11dに流入し、蒸発す
る。この構成では蒸発温度の低い上流側伝熱管11cと
蒸発温度の高い下流側伝熱管11dがはんだ付けされて
おり、熱的に接触しているため、蓄熱熱交換器11の伝
熱管の壁面温度は均一化する。この結果、蒸発時に温度
変化の生じる非共沸混合冷媒を用いても、蓄熱熱交換器
11全体に付着生成される氷厚は均一化する。
【0069】なお本実施の形態では、蒸発温度の低い上
流側伝熱管11cと蒸発温度の高い下流側伝熱管11d
の熱的な接触手段として伝熱管をはんだ付けする方法に
ついて説明したがこれに限ることはなく、伝熱管を単純
に接触させるだけでも伝熱管の管壁を伝導して熱が伝わ
るため、同様の効果を発揮する。また、必ずしも中央部
で折り返してその伝熱管の上流側と下流側とを熱的に接
触させる必要はなく、例えば複数の伝熱管に分岐して蓄
熱熱交換器11に流入する構成のものにおいて、異なる
伝熱管の上流側と下流側とを熱的に接触するように構成
してもよい。この時熱的に接触させる上流側と下流側の
伝熱管を流れる冷媒の流れ方向は、同一方向でも逆方向
でもよいが、逆方向のほうが伝熱管の壁面温度の均一化
を一層図ることができる。また図9に示すように、上流
側伝熱管11cと下流側伝熱管11dをアルミニウム製
または銅製の薄板40で部分的に熱的に接触させてもよ
い。さらに図10に示すように2組のアルミニウム製あ
るいは銅製の板材41a、41bを接合し、この間に2
つの冷媒流路を形成して、それぞれを上流側伝熱管11
cと下流側伝熱管11dとしてもよい。
【0070】このように本実施の形態では、蓄熱熱交換
器の入口部の伝熱管と出口部の伝熱管を熱的に接触させ
たものであるので、蒸発時に温度変化の生じる非共沸混
合冷媒を用いても、非共沸混合冷媒の蒸発温度の低温部
分と高温部分とを熱伝導させて伝熱管表面温度を均一化
するため、蓄熱熱交換器内での均一製氷が実現できる。
【0071】実施の形態6.図11は本発明の実施の形
態6による冷凍空調装置を示す冷媒回路図である。蓄熱
熱交換器11は複数、例えば4つの伝熱管を並列に接続
して構成され、さらに冷媒の流れ方向が逆である伝熱管
11f(冷媒は図に向かって右方向に流れる)と伝熱管
11g(冷媒は図に向かって左方向に流れる)を交互に
蓄熱槽10内に配置している。そして隣合う伝熱管との
間にはある程度の間隔、例えば伝熱管の直径の2倍以上
の間隔を開けて配置している。なお、図6に示したもの
と同一の構成部品には同一符号を付して、その重複する
説明を省略する。
【0072】蓄熱熱交換器11内では蒸発時に温度変化
の生じるフロンR407Cが蒸発するため、蓄熱熱交換
器11の伝熱管温度は入口部から出口部に向かうにした
がって徐々に上昇し、蓄熱熱交換器11の入口部分の氷
厚が厚く、出口部分の氷厚が薄くなる。ところが本実施
の形態では、冷媒の流れ方向が異なる伝熱管11fと伝
熱管11gを交互に蓄熱槽10内に配置し、伝熱管11
fの蒸発温度の高い入口部の隣に伝熱管11gの蒸発温
度の低い出口部を配置するように構成する。従って、図
12に示すように伝熱管11fに付着する氷の厚さが厚
い部分と、伝熱管11gに付着する氷の厚さが薄い部分
とが隣合い、また伝熱管11fに付着する氷の厚さが薄
い部分と、伝熱管11gに付着する氷の厚さが厚い部分
とが隣合うことになる。即ち、伝熱管11fと伝熱管1
1gの間の空間にはほぼ均一に氷が生成されていく。こ
のため、従来装置で生じるような伝熱管の入口部分で過
大に氷が生成され、この部分の氷が融合して伝熱管や蓄
熱槽の変形や破損を引き起こすことのを防止できる。
【0073】このように本実施の形態では、複数の伝熱
管を冷媒の流れ方向が互いに異なるように配置したの
で、冷媒としてフロンR407Cなどの非共沸混合冷媒
を用いたときに、一つの伝熱管の蒸発温度の低い入口部
とこれに並設される他の伝熱管の蒸発温度の高い出口部
が隣合うことになる。このため、氷厚の厚い伝熱管の隣
に氷厚の薄い伝熱管が配置されて、それぞれの伝熱管表
面に付着生成する氷が不均一であっても、伝熱管11f
と伝熱管11gの間の空間には均一に氷が付着生成する
ことになる。従って隣合う伝熱管に付着生成する氷同士
が融合して伝熱管や蓄熱槽の変形や破損を引き起こすの
を防止でき、信頼性の高い冷凍空調装置が得られる。
【0074】実施の形態7.図13は本発明の実施の形
態7による冷凍空調装置を示す冷媒回路図である。蓄熱
熱交換器11は複数、例えば2本の伝熱管11f,11
gを並列に接続して構成し、また伝熱管11fと11g
を冷媒の流れ方向が逆になるように配置し、さらにこの
2本の伝熱管11fと11gを熱的に接触するようには
んだ付けしている。図でははんだ付けした部分を斜線で
示している。ここで2本の伝熱管が熱的に接触している
とは、2本の伝熱管の少なくとも一部が、直接、または
銅やアルミニウムなどの熱伝導率の高いものを介在させ
て接触することにより、伝熱管同士が熱伝導しうる構成
のことをいう。なお、図6に示したものと同一の構成部
品には同一符号を付して、その重複する説明を省略す
る。
【0075】蓄熱運転時に蓄熱熱交換器11に流入した
フロンR407Cなどの非共沸混合冷媒は、伝熱管11
f,11g内を流れ、蒸発温度が上昇しながら蒸発す
る。本実施の形態では、冷媒の流れ方向の逆である2本
の伝熱管をはんだ付けし、特にその流れの入口部と出口
部が熱的に接触するようにはんだ付けしている。即ち、
伝熱管11fの蒸発温度の低い部分は、伝熱管11gの
蒸発温度の高い部分と熱的に接触し、また伝熱管11f
の蒸発温度の高い部分は、伝熱管11gの蒸発温度の低
い部分と熱的に接触している。このため蒸発時に入口部
と出口部で温度変化の生じる非共沸混合冷媒を用いて
も、蓄熱熱交換器11の伝熱管の壁面温度は均一化し、
その表面に付着生成する氷の厚さも均一になる。
【0076】なお上記の実施の形態では、冷媒の流れ方
向の逆である伝熱管11fと11gの熱的な接触手段と
して伝熱管をはんだ付けする方法について説明したがこ
れに限ることはなく、伝熱管を単純に接触させるだけで
も同様の効果を発揮する。また図9と同様の構成とし、
伝熱管11fと伝熱管11gを部分的にアルミニウム製
または銅製の薄板で接続することにより熱的に接触させ
てもよい。さらに図10と同様の構成とし、2組のアル
ミニウム製または銅製の板材を接合し、この間に2つの
冷媒流路を形成して、一方を伝熱管11fとし、他方を
伝熱管11fと逆方向に流れる伝熱管11gとしてもよ
い。
【0077】また、上記の実施の形態では、2本の伝熱
管11f,11gを並列に接続して蓄熱熱交換器11を
構成したものについて説明したが、これに限るものでは
ない。例えば熱的に接触させた1対の伝熱管11f,1
1gを間隔を開けて並列に複数配置して蓄熱熱交換器を
構成してもよい。また、3本以上でかつ偶数の伝熱管を
はんだ付けなどによって熱的に接触させるように構成し
てもよい。伝熱管を熱的に接触させることにより、伝熱
管の壁面温度の均一化を図っているので、一方向に流れ
る伝熱管と逆方向に流れる伝熱管の数は、同じであるの
が好ましい。
【0078】このように本実施の形態では、蓄熱熱交換
器11を複数本の伝熱管で構成し、冷媒の流れ方向が逆
である伝熱管を交互に配置し、この冷媒の流れ方向が逆
である少なくとも2本の伝熱管を熱的に接触させたもの
であるので、蒸発時に温度変化の生じる非共沸混合冷媒
を用いても、非共沸混合冷媒の蒸発温度の低温部分と高
温部分とを熱伝導させて伝熱管表面温度を均一化し、蓄
熱熱交換器内での均一製氷が実現できる。
【0079】実施の形態8.図14は本発明の実施の形
態8による冷凍空調装置を示す冷媒回路図である。蓄熱
熱交換器11は、伝熱管を例えば垂直方向に蛇行させて
配設したもので構成している。またこの伝熱管の蛇行の
ピッチは、蒸発温度の低い入口部で大きくし、蒸発温度
の高い出口部で小さくしている。なお、図6に示したも
のと同一の構成部品には同一符号を付して、その重複す
る説明を省略する。
【0080】蓄熱運転において、蓄熱熱交換器11内で
は蒸発時に温度変化の生じるフロンR407Cが蒸発す
るので、蓄熱熱交換器11の伝熱管温度は入口部から出
口部に向かうにしたがって徐々に上昇する。このため、
蓄熱熱交換器11の入口部に生成される氷厚が厚く、出
口部の氷厚が薄くなる。ところが本実施の形態では、蒸
発温度の低い入口部の伝熱管の蛇行のピッチを大きく
し、蒸発温度の高い出口部の伝熱管の蛇行のピッチを小
さくしている。即ち、伝熱管入口部分で過大に氷が生成
されても、この部分の製氷可能な空間は広いので、蛇行
によって隣合う伝熱管に生成される氷同士が融合して伝
熱管や蓄熱槽の変形や破損を引き起こすことを防止で
き、装置の信頼性が向上する。また、蓄熱熱交換器11
は、垂直方向に限らず水平方向に蛇行した伝熱管で構成
されていても同様であり、蒸発温度の低い入口部の氷の
生成する空間が、出口部の空間よりも大きくなるように
構成すればよい。
【0081】図15は本実施の形態の他の例による蓄熱
槽を示す上面図である。この蓄熱槽10は円筒形を成
し、垂直方向に蛇行した伝熱管を8本備えて蓄熱熱交換
器11を構成している。伝熱管それぞれの入口部は円筒
形の外周側に位置し、伝熱管それぞれの出口部は円筒形
の中心部分で合流するような構成である。図に示すよう
に、伝熱管の蛇行のピッチは外周側である入口部で大き
く構成し、中心部分である出口部に向かって徐々に小さ
くなるように構成している。このため、蒸発温度の低い
入口部の伝熱管において、蛇行によって隣合う伝熱管1
1h,11iの間隔が広くなり、蒸発温度の高い出口部
の伝熱管では狭くなっている。特にこの構成では、蓄熱
槽10を円筒形とし、伝熱管11h,11iのように1
つの伝熱管において蛇行している隣の伝熱管との間隔
を、入口部から出口部へと狭くしていると共に、伝熱管
11h,11jのように隣合う他の伝熱管との間隔も入
口部から出口部へと狭くなっている。即ち、入口部の伝
熱管の周囲の空間を、出口部の伝熱管の周囲の空間より
も大きくしたので、蒸発温度の低い入口部に生成される
氷厚が厚くなっても、この部分の氷が融合して伝熱管や
蓄熱槽の変形や破損を引き起こすことを防止でき、簡単
な構成で信頼性の高い冷凍空調装置が得られる。また、
本実施の形態では、蛇行のピッチを蓄熱熱交換器11の
入口部から出口部に向かって徐々に小さくしたものを示
したが、これに限るものではなく、段階的にピッチを変
えてもよい。例えば一本の伝熱管の中央部の1個所でピ
ッチを変えてもよいし、数個所でピッチを変えてもよ
い。
【0082】このように本実施の形態では、蓄熱熱交換
器11は、伝熱管を間隔を隔てて鉛直方向または水平方
向に蛇行するように形成するとともに、蓄熱時の入口部
の伝熱管の蛇行のピッチを出口部のピッチよりも大きく
したので、非共沸混合冷媒の蒸発温度の低温部分で製氷
空間を広くし蒸発温度の高温部分で製氷空間を狭くし
て、蒸発温度の低い入口部に生成される氷厚が厚くなっ
ても、この部分の氷が融合して伝熱管や蓄熱槽の変形や
破損を引き起こすことを防止でき、簡単な構成で信頼性
の高い冷凍空調装置が得られる。
【0083】実施の形態9.図16は本発明の実施の形
態9による冷凍空調装置を示す冷媒回路図である。本実
施の形態では、蓄熱熱交換器11の冷媒圧力損失を、非
共沸混合冷媒の蓄熱熱交換器11内での温度上昇を打ち
消す程度に大きくしている。具体的には例えば、蓄熱熱
交換器11を構成する伝熱管の管径を小さくしたり、並
列に接続する伝熱管数を削減したり、伝熱管の長さを長
くしたり、伝熱管を平滑管ではなく内面溝付管にした
り、また伝熱管の途中で絞りをつけたりすることで、冷
媒圧力損失を増大することができる。なお、図6に示し
たものと同一の構成部品には同一符号を付して、その重
複する説明を省略する。
【0084】蓄熱運転時の動作を圧力−エンタルピー線
図上に示したものを図17に示す。図中a点が圧縮機1
の出口、b点が室外熱交換器3の出口、c点が蓄熱熱交
換器11の入口、dが蓄熱熱交換器11の出口を示す。
蓄熱熱交換器11は、図中一点鎖線で示すフロンR40
7Cの等温線と一致するように冷媒圧力損失を増大させ
ている。このため蓄熱熱交換器11内でのフロンR40
7Cの蒸発温度は概略一定となり、その表面に付着生成
する氷の厚みも均一化される。なお圧力一定のもとでの
フロンR407Cの蒸発温度変化は約5℃であり、蓄熱
熱交換器11の冷媒圧力損失を0.8kg/cm2 程度
とすることにより、蒸発温度は概略一定となる。ただ
し、この冷媒圧力損失の数値は、非共沸混合冷媒の種類
に応じて設定される数値である。
【0085】冷媒圧力損失を0.8kg/cm2 程度に
設定するには、例えば、製氷運転時の冷凍能力6400
kcal/hである冷凍空調装置において、従来の蓄熱
熱交換器を構成する伝熱管では、外径6.35mm、肉
厚0.47mm、総延長216mとし、1本あたり4.
5mの管長さの平滑管を48本程度並設することで、冷
媒圧力損失を0.1kg/cm2 程度に設定していたと
ころを、外径6.35mm、肉厚0.47mm、総延長
216mとし、1本あたり36mの管長さの平滑管を6
本程度並設することで冷媒圧力損失を0.8kg/cm
2 程度に設定できる。
【0086】このように本実施の形態では、非共沸混合
冷媒の蓄熱熱交換器11内での温度上昇を打ち消すよう
な冷媒圧力損失を有するように蓄熱熱交換器11を構成
して、蓄熱熱交換器11内の冷媒の温度を概略一定とし
たので、蒸発時に温度変化の生じる非共沸混合冷媒を用
いても、蓄熱熱交換器11の構成によって伝熱管の壁面
温度は均一化するため、蓄熱槽10内での均一製氷を実
現できる。
【0087】実施の形態10.実施の形態9では、蓄熱
熱交換器11内の非共沸混合冷媒の温度を概略一定とす
ることにより均一製氷を実現し、効率の良い製氷運転を
実現したが、本実施の形態では蓄熱熱交換器11の冷媒
圧力損失を、蓄熱熱交換器11内での非共沸混合冷媒の
温度の変化幅が所定温度以下となるように設定する。特
に実施の形態9では、蓄熱効率に着目して蓄熱熱交換器
内での冷媒の温度変化を0になるように冷媒圧力損失を
設定したが、この設定では冷凍サイクルの運転効率が低
下する可能性がある。そこで、本実施の形態では、蓄熱
効率と共に冷凍サイクルの運転効率にも着目し、蓄熱熱
交換器内での冷媒の温度変化が0と同等の蓄熱効率が得
られ、かつ冷凍サイクルの運転効率の低下を防止できる
範囲になるように冷媒圧力損失を設定した。ここでは、
蓄熱材として水を用い、氷の状態で冷熱を蓄熱してお
り、非共沸混合冷媒の温度は氷を作るための温度、例え
ば−5℃付近になるように運転している。そして、この
非共沸混合冷媒の温度変化幅を、所定温度として例えば
3.5℃以下となるように、蓄熱熱交換器11の冷媒圧
力損失を設定している。
【0088】図18は、蓄熱材として水を用い、氷の状
態で冷熱を蓄熱しており、非共沸混合冷媒の温度は氷を
作るための温度、例えば−5℃付近になるように運転し
た時の、蓄熱熱交換器11での温度変化幅[℃]と蓄熱
熱交換器11での製氷運転中の平均熱通過率[kcal
/m2 h℃]の関係を解析し求めた結果を示すグラフで
ある。なお、平均熱通過率は、下式で求められる値であ
り、平均熱通過率が大きいということは同じ温度差、同
じ伝熱面積で多量の伝熱量を得ることができ、伝熱効率
の良いことを示す。
【0089】
【数1】
【0090】蓄熱熱交換器11での温度変化幅は、蓄熱
熱交換器11の入口部と出口部との配管に温度検知器を
設け、この温度検知器によって蓄熱熱交換器11の入口
部および出口部での非共沸混合冷媒の温度を検知し、そ
の温度差を計算したものである。また、温度検知器で温
度を計測する代わりに圧力検知器を設けて圧力を検出
し、その圧力から算出した飽和温度を用いてもよい。図
18で示されるように、平均熱通過率は蓄熱熱交換器1
1での温度変化幅が3.5℃より大きくなると急激に低
下する。ところが、蓄熱熱交換器11での温度変化幅が
3.5℃以下の場合の平均熱通過率はほとんど変化せ
ず、温度変化幅が0℃、すなわち蓄熱熱交換器11内の
冷媒の温度変化がなく均一な製氷を実現できるときの平
均熱通過率とほぼ同一となっている。
【0091】蓄熱熱交換器11の入口部と出口部とで非
共沸混合冷媒の温度に変化があると、蓄熱材である水の
凝固温度と冷媒の温度との温度差が大きい箇所での氷の
成長が早くなる一方で、水の凝固温度と冷媒の温度との
温度差が小さい箇所での氷の成長が遅くなる。蓄熱熱交
換器11での温度変化幅が3.5℃よりも大きい場合、
例えば蓄熱熱交換器11の入口部での冷媒温度を−10
℃、出口部での冷媒温度を−5℃とし、温度変化幅が5
℃の場合、入口部での水の凝固温度と冷媒の温度との温
度差は10℃、出口部では5℃となる。冷媒の温度が直
線的に変化するとし、入口部での温度差の10℃に対す
る温度変化と、出口部での温度差5℃に対する温度変化
では、出口部の方が入口部よりも水の凝固温度と冷媒の
温度との温度差の変化割合が大きくなる。このことか
ら、氷の成長の早い部分と遅い部分での氷厚の差が激し
くなり、不均一の度合いの大きい製氷状態となる。従っ
て氷の成長が早く氷厚の大きい部分では伝熱管の間に生
成された氷が早期に融合するというブリッジングを生じ
る。このブリッジングによる伝熱効率の低下の影響が大
きくなって蓄熱熱交換器11での伝熱効率が低下し、製
氷運転の蓄熱効率が低下する。
【0092】一方、蓄熱熱交換器11での温度変化幅が
3.5℃以下の場合には、蓄熱熱交換器11の伝熱管表
面に生成される氷厚のばらつきの程度は小さく、ほぼ均
一に製氷されるため、各伝熱管周りの氷のブリッジング
は各伝熱管周りでほぼ同時に起こり、3.5℃よりも大
きい温度変化幅がある場合と比較すると、製氷運転のな
かでブリッジングの生じる時間が遅くなる。このためブ
リッジングによる伝熱効率の低下の影響が小さくなって
蓄熱熱交換器11での伝熱効率がよくなり、蓄熱効率の
よい製氷運転が実現できる。
【0093】なお、冷媒の温度が、蓄熱熱交換器11の
入口部11aで低く、蓄熱熱交換器11の出口部11b
で高くなる場合と、蓄熱熱交換器11の入口部11aで
高く、蓄熱熱交換器11の出口部11bで低くなる場合
の、いずれにおいても温度変化幅が同一であれば同様の
特性となり、上記と同様のことが言える。すなわち蓄熱
熱交換器11での冷媒の温度変化幅が3.5℃以下の場
合には、蓄熱効率のよい製氷運転を実現できる。図18
は蓄熱材として水を用い、非共沸混合冷媒の温度が−5
℃付近の特性であり、蓄熱熱交換器11の非共沸冷媒の
温度変化幅を3.5℃以下にするのが蓄熱効率の点から
望ましい。ところが、エチレングリコールなどの他の蓄
熱材を用いる場合には、冷媒の温度を蓄熱に適した温度
にする必要があり、その時の蓄熱熱交換器11での温度
変化幅と蓄熱熱交換器11の平均熱通過率の関係は図1
8とは少し異なる可能性がある。ただしその場合でも、
所定温度よりも大きくなると平均熱通過率が大きく低下
する傾向があるので、平均熱通過率が大きく低下する最
少の温度変化幅の値を所定温度とし、この所定温度以下
になるように蓄熱熱交換器11の冷媒圧力損失を設定す
ればよい。
【0094】図19は、横軸に蓄熱熱交換器11での冷
媒圧力損失[kg/cm2 ]、縦軸にその冷媒圧力損失
がある場合、冷媒としてフロンR22とフロンR407
Cを用いた場合の蓄熱熱交換器11での温度変化(出口
温度−入口温度)[℃]を表すグラフである。ここで、
この特性は、冷媒の温度が、蓄熱材を水として氷の状態
で蓄熱する時の冷媒の温度である−5℃付近のものであ
る。図19から、冷媒にフロンR407Cを用いた場合
には、蓄熱熱交換器11での冷媒圧力損失を0.25k
g/cm2 以上に設定すると、蓄熱熱交換器11での温
度変化幅を3.5℃以下に設定できる。また、蓄熱熱交
換器11での冷媒圧力損失を0.6kg/cm2 より大
きくしても、蓄熱熱交換器11での冷媒の温度変化幅が
3.5℃以下となり、蓄熱効率のよい製氷運転を実現で
きるが、冷媒圧力損失を余りに大きくすると、製氷運転
中の冷凍サイクルの効率が低下してしまい、好ましくな
い。
【0095】ここで、蓄熱槽10への蓄熱効率の向上と
共に冷凍サイクルの運転効率も向上できる冷凍空調装置
について説明する。この時、冷媒としては、例えば非共
沸混合冷媒であるR407Cを使用するものとする。図
20は、横軸に蓄熱熱交換器11での冷媒圧力損失[k
g/cm2 ]、縦軸にその圧力損失がある場合の冷凍サ
イクルの運転効率を示す特性図である。なお、図20で
は蓄熱熱交換器11での平均熱通過率は一定値とし、前
述の圧力損失による平均熱通過率の変化は考慮していな
い。一般に冷凍空調装置の運転効率は、熱源装置である
圧縮機の運転効率がよいほどよくなるが、蒸発器である
蓄熱熱交換器11での圧力損失が大きくなると、圧縮機
の吸入圧力は低下し、圧縮機での圧縮比が大きくなる。
圧縮比が大きくなると、圧縮機の運転効率は低下し、冷
凍空調装置を構成する冷凍サイクルの運転効率も低下す
る。従って、冷凍サイクルを運転する場合に、圧縮機の
運転効率を考えると、蓄熱熱交換器11での冷媒圧力損
失はできるだけ小さい方が望ましい。図20に示される
ように、蓄熱熱交換器11での冷媒圧力損失が0のとき
の冷凍サイクルの運転効率と比較すると、冷媒圧力損失
が0.6kg/cm2 程度では運転効率が5%程度低下
している。すなわち冷凍サイクルの運転効率の低下を所
定値例えば5%に押さえるためには、0.6kg/cm
2 以下の冷媒圧力損失を有するように蓄熱熱交換器11
を構成するのが望ましい。ただし、この運転効率低下の
許容の程度を表わす所定値は、冷凍空調装置の利用状況
に応じて設定すればよい。冷凍サイクルの運転効率をも
っと良くしたい場合には、運転効率低下を3%程度に設
定して、蓄熱熱交換器11の冷媒圧力損失を0.6kg
/cm2 よりも小さい0.4kg/cm2 としてもよ
い。また、冷凍サイクルの運転効率をあまり重視してい
ない場合には、運転効率低下を8%程度に設定して、蓄
熱熱交換器11の冷媒圧力損失を0.6kg/cm2
りも大きい0.7kg/cm2 としてもよい。
【0096】また、図21は横軸に蓄熱熱交換器11で
の冷媒圧力損失[kg/cm2 ]、縦軸にその冷媒圧力
損失がある場合の蓄熱熱交換器11の熱通過率を示す特
性図である。前に述べたように、蓄熱熱交換器11での
温度変化幅が3.5℃以下の方が蓄熱熱交換器11での
伝熱効率の良い運転を実現できる。このため、蓄熱熱交
換器11での伝熱効率を考えると、蓄熱熱交換器11で
の冷媒圧力損失は0.25kg/cm2 以上にするのが
好ましい。
【0097】図22は、横軸に蓄熱熱交換器11での冷
媒圧力損失[kg/cm2 ]、縦軸に冷凍サイクルの運
転効率を示す特性図である。この時の冷凍サイクルの運
転効率は、図20と図21に基づいて、蓄熱熱交換器1
1における平均熱通過率の変化を考慮したものである。
冷凍サイクルの運転効率低下を5%とすると、図22に
示した特性曲線から、蓄熱熱交換器11の冷媒圧力損失
は、0.25kg/cm2 以上でかつ0.6kg/cm
2 以下に設定することが好ましい。
【0098】以下、冷媒圧力損失を0.25kg/cm
2 以上でかつ0.6kg/cm2 以下に設定する構成を
具体的に示す。冷媒圧力損失を大きくするには、例えば
蓄熱熱交換器11を構成する伝熱管の管径を小さくした
り、並列に接続する伝熱管数を削減したり、伝熱管の長
さを長くしたり、伝熱管を平滑管ではなく内面溝付管に
したり、また伝熱管の途中で絞りをつけたりすればよ
い。例えば、製氷運転時の冷凍能力が6400kcal
/hである冷凍空調装置において、蓄熱熱交換器11の
伝熱管を外径6.35mm、肉厚0.47mm、総延長
216mの平滑管で構成する際、1本あたり11.4m
の管長さの平滑管を19本程度並設することで冷媒圧力
損失を0.25kg/cm2 程度に設定でき、1本あた
り36mの管長さの平滑管を6本程度並設することで冷
媒圧力損失を0.6kg/cm2 程度に設定できる。ま
た、その間の冷媒圧力損失にしようとすれば、1本あた
りの長さを11.4mから36mの間の長さの平滑管を
用い、総延長が216mとなるような本数を並設するよ
うに構成すればよい。
【0099】また、伝熱管として平滑管ではなく内面溝
付管を用いて、冷媒圧力損失を0.25kg/cm2
ら0.6kg/cm2 程度に設定する構成を具体的に示
す。例えば、製氷運転時の冷凍能力が6400kcal
/hである冷凍空調装置において、蓄熱熱交換器11の
伝熱管を外径6.35mm、肉厚0.47mm、総延長
172mの溝付管で構成する際、1本あたり9.1mの
管長さの溝付管を19本程度並設することで冷媒圧力損
失を0.25kg/cm2 程度に設定でき、1本あたり
24.6mの管長さの溝付管を7本程度並設することで
冷媒圧力損失を0.6kg/cm2 程度に設定できる。
また、その間の冷媒圧力損失にしようとすれば、1本あ
たりの長さを9.1mから24.6mの間の長さの内面
溝付管を用い、総延長が172mとなるような本数を並
設して構成すればよい。
【0100】また、蓄熱熱交換器11を構成する伝熱管
の並列に接続する伝熱管数を削減したり、伝熱管の長さ
を長くしたり、伝熱管を平滑管ではなく内面溝付管にし
たりして、冷媒圧力損失を設定するのに限るものではな
く、他の構成によって冷媒圧力損失を設定してもよい。
例えば、伝熱管の管径を小さくしたり、伝熱管の途中で
絞りをつけたりすることで、冷媒圧力損失を大きく設定
することもできる。
【0101】このように本実施の形態では、非共沸混合
冷媒の蓄熱熱交換器11内での温度変化幅が所定温度以
下となるような冷媒圧力損失を有するように蓄熱熱交換
器11を構成したので、蒸発時に温度変化の生じる非共
沸混合冷媒を用いても、蓄熱熱交換器11の構成によっ
て伝熱管表面に生成される氷厚のばらつきの程度の小さ
い、ほぼ均一な製氷を実現でき、蓄熱効率のよい製氷運
転を実現できる。
【0102】実施の形態11.実施の形態10では、熱
伝達媒体として1つの非共沸混合冷媒を用い、蓄熱熱交
換器11内の非共沸混合冷媒の温度の変化幅を所定温度
以下とすることで、蓄熱効率の良い製氷運転を実現し、
またさらに蓄熱熱交換器11の冷媒圧力損失を0.6k
g/cm2 以下にすることにより冷凍サイクルの運転効
率の低下を防止した。本実施の形態では、少なくとも1
つの非共沸混合冷媒に対すると共に、単一冷媒や共沸冷
媒や前記の非共沸混合冷媒とは異なる非共沸混合冷媒の
いずれか1つまたは複数に対して蓄熱熱交換器11内の
熱伝達媒体の温度の変化幅が所定温度以下になるように
蓄熱熱交換器11を構成した。
【0103】現在、蓄熱機能を有する冷凍空調装置の多
くには単一冷媒であるフロンR22が用いられている。
しかしフロンR22はオゾン層破壊係数が高くオゾン層
保護のため2020年にフロンR22は全廃されること
が、1992年に締結されたモントリオール議定書によ
り定められている。従って現在フロンR22を用いてい
る蓄熱機能を有する冷凍空調装置は遅くとも2020年
には使用する熱伝達媒体を変更することが求められる。
その際、熱力学的性質が類似しており、オゾン層を破壊
しない非共沸混合冷媒であるフロンR407Cへの熱伝
達媒体の変更が多く実施されると考えられる。この変更
の際、熱伝達媒体の変更に対応して冷凍空調装置も新た
なものとするよりは、冷凍空調装置はそのままで、熱伝
達媒体の変更のみを行うレトロフィットの方がコスト面
で望ましい。レトロフィットを行う場合には、2つの熱
伝達媒体、例えばフロンR22とフロンR407Cのど
ちらも用いた運転が冷凍空調装置の構成を変更せずに行
われることになるので、蓄熱熱交換器11としてはどち
らの熱伝達媒体を用いても効率よく運転できることが求
められる。さらには、あらかじめ使用が考えられる熱伝
達媒体の全てに対して、効率よく運転できる冷凍空調装
置を構成しておくことは、非常に有効である。
【0104】また今日では、図23に示すように、現在
冷媒として単一冷媒のフロンR22を用い、室外ユニッ
ト30と室内ユニット31から構成される蓄熱機能を有
しない冷凍空調装置に、新たに蓄熱ユニット32を付加
して蓄熱機能を有する冷凍空調装置に変更することが多
く行われている。このような場合には現在は例えばフロ
ンR22を用いて冷凍空調装置の運転が行われ、製氷運
転などの蓄熱運転もフロンR22を用いて行われる。と
ころが、前記の2020年までには冷媒が非共沸混合冷
媒であるフロンR407Cに変更され、レトロフィット
を実施した後、製氷運転などの蓄熱運転を含む冷凍空調
装置の運転はフロンR407Cを用いて行われることに
なる。従って、新たに付加される蓄熱ユニット32内の
蓄熱熱交換器11では、冷媒として単一冷媒であるフロ
ンR22と非共沸混合冷媒であるフロンR407Cのど
ちらを用いても効率よく蓄熱運転できることが求められ
る。
【0105】本実施の形態では、単一冷媒であるフロン
R22と非共沸混合冷媒であるフロンR407Cのどち
らにおいても、蓄熱熱交換器11での温度変化幅が所定
温度例えば3.5℃以下となるように蓄熱熱交換器11
での冷媒圧力損失を設定する。図19に示した蓄熱熱交
換器11での冷媒圧力損失[kg/cm2 ]と蓄熱熱交
換器11での温度変化[℃](出口温度−入口温度)の
関係を示すグラフには、単一冷媒であるフロンR22と
非共沸混合冷媒であるフロンR407Cの場合の関係を
示している。実施の形態10で述べたように、フロンR
407Cを用いた場合の蓄熱熱交換器11での冷媒圧力
損失が、0.25kg/cm2 以上でかつ0.6kg/
cm2 以下となるように設定すると、フロンR407C
を用いた時の蓄熱熱交換器11での温度変化幅が3.5
℃以下となり、蓄熱効率の良い製氷運転を行うことが可
能となる。一方、フロンR22を用いた場合の蓄熱熱交
換器11での冷媒圧力損失が、0.5kg/cm2 以下
となるように設定すると、フロンR22を用いた時の蓄
熱熱交換器11での温度変化幅が3.5℃以下となり、
蓄熱効率の良い製氷運転を行うことが可能となる。すな
わち、フロンR22とフロンR407Cいずれにおいて
も蓄熱熱交換器11での温度変化幅が3.5℃以下とす
るには、蓄熱熱交換器11での冷媒圧力損失が0.25
kg/cm2以上でかつ0.5kg/cm2 以下に設定
するとよい。このように蓄熱熱交換器11の冷媒圧力損
失を設定すると、フロンR22とフロンR407Cのい
ずれにおいても蓄熱熱交換器11での温度変化幅が3.
5℃以下となり、フロンR22とフロンR407Cのい
ずれを用いても蓄熱効率よく製氷運転を行うことが可能
となる。また、蓄熱熱交換器11の冷媒圧力損失をこの
範囲内に設定すると、図20に示すように冷凍サイクル
の運転効率もよい状態で維持できる。
【0106】蓄熱熱交換器11の冷媒圧力損失を0.2
5kg/cm2 以上でかつ0.5kg/cm2 以下に設
定する構成を具体的に示す。例えば、製氷運転時の冷凍
能力が6400kcal/hである冷凍空調装置におい
て、外径6.35mm、肉厚0.47mm、総延長21
6mの平滑管で構成する際、1本あたり11.4mの管
長さの平滑管を19本程度並設することで、冷媒圧力損
失を0.25kg/cm2 程度に設定でき、1本あたり
21.6mの管長さの平滑管を10本程度並設すること
で、冷媒圧力損失を0.5kg/cm2 程度に設定でき
る。また、その間の冷媒圧力損失にしようとすれば、1
本あたりの長さを11.4mから21.6mの間の長さ
の平滑管を用い、総延長が216mとなるような本数を
並設するように構成すればよい。また、内面溝付管で構
成したり、伝熱管の管径を小さくしたり、伝熱管の途中
に絞りをつけたりして、冷媒圧力損失を大きくして設定
してもよい。
【0107】なお、上記では、非共沸混合冷媒としてフ
ロンR407Cとし、単一冷媒としてフロンR22を用
い、フロンR22からフロンR407Cに冷媒を変更す
る場合について説明したが、これに限るものではない。
少なくとも2つの冷媒で、少なくともその一方の冷媒を
非共沸混合冷媒とし、他方の冷媒を単一冷媒または共沸
冷媒または一方の冷媒とは異なる非共沸混合冷媒とし、
それらの冷媒に対して、蓄熱熱交換器11での入口部と
出口部との冷媒の温度変化幅が所定値以下になるよう
に、蓄熱熱交換器11の冷媒圧力損失を有する構成とす
ればよい。例えば、2つの冷媒の一方の非共沸混合冷媒
として、フロンR404Aや他の非共沸混合冷媒を用い
てもよい。また地球温暖化防止の観点から、非共沸混合
冷媒としてプロパンやブタン、アンモニア、炭酸ガスな
どの自然冷媒を用いた非共沸混合冷媒を用いてもよい。
また、2つの冷媒の他方の冷媒、すなわち単一冷媒また
は共沸冷媒または前記一方の非共沸混合冷媒と異なる非
共沸混合冷媒として、例えばフロンR123、プロパン
やブタン、アンモニア、炭酸ガスなどの自然冷媒(単一
冷媒)、自然冷媒を用いた非共沸混合冷媒、フロンR4
10A(共沸冷媒)、フロンR404A(非共沸混合冷
媒)などを用いてもよい。また上記では、単一冷媒であ
るフロンR22から非共沸混合冷媒であるフロンR40
7Cに冷媒を変更する場合について説明したが、非共沸
混合冷媒から、単一冷媒または共沸冷媒または前記非共
沸混合冷媒とは異なる非共沸混合冷媒に冷媒を変更した
り、その逆の変更を行う場合にも、変更前の冷媒と変更
後の冷媒の両方に対して、蓄熱熱交換器11での入口部
と出口部との冷媒の温度変化幅が所定値以下になるよう
な冷媒圧力損失を有するように蓄熱熱交換器11を構成
すればよい。特に、地球温暖化防止の観点から、地球温
暖化作用の強いフロンR407C(非共沸混合冷媒)か
ら、単一冷媒であり、地球温暖化作用の低いプロパンや
ブタン、アンモニア、炭酸ガスなどの自然冷媒に変更す
る場合において、本実施の形態は有効である。
【0108】また、2つの冷媒に対するのみではなく、
将来使用されるであろう複数の冷媒に対して、蓄熱熱交
換器11での入口部と出口部との冷媒の温度変化幅が所
定値以下になるような冷媒圧力損失を有するように蓄熱
熱交換器11を構成すれば、冷媒の変更に速やかに対応
でき、常に蓄熱効率がよく、冷媒の選択性もでき、さら
に汎用性の高い冷凍空調装置が得られる。
【0109】次に、例えば、2つの冷媒、単一冷媒や共
沸冷媒と非共沸混合冷媒との間で途中で冷媒を変更する
レトロフィットを実施する場合に対応するための蓄熱熱
交換器について、冷媒圧力損失の設定範囲の中で、最適
な冷媒圧力損失を設定する方法を説明する。例えば非共
沸混合冷媒としてフロンR407C、単一冷媒としてR
22を用いるとすると、両方の冷媒を用いた時に蓄熱効
率のよい製氷運転を実現するためには、蓄熱運転中の蓄
熱熱交換器11での冷媒圧力損失が0.4kg/cm2
程度となるように設定すればよい。以下、蓄熱熱交換器
11での冷媒圧力損失を0.4kg/cm2 とした場合
の作用について説明する。図24、図25、図26は蓄
熱熱交換器11での冷媒圧力損失が0kg/cm2
0.8kg/cm2 、0.4kg/cm2 となるように
設定したときに、冷凍空調装置の冷媒としてフロンR2
2、フロンR407Cを用いた場合の蓄熱熱交換器11
内の温度分布を示すグラフであり、それぞれのグラフに
おいて横軸は蓄熱熱交換器内での位置を示し11aが入
口部、11bが出口部である。縦軸は温度を示してい
る。
【0110】蓄熱熱交換器11での冷媒圧力損失が0k
g/cm2 であるときには、図24にあるように冷媒に
フロンR22を用いたときには蓄熱熱交換器11での温
度変化がなく、伝熱管表面に生成される氷厚が均一とな
り効率のよい製氷運転が行える。逆に冷媒にフロンR4
07Cを用いたときには蓄熱熱交換器11での温度変化
幅が5℃と大きく、温度が低い部分で氷が厚く、温度が
高い部分で氷が薄くなることから伝熱管表面に生成され
る氷厚が不均一となり、早期にブリッジングを生じる。
従ってブリッジングによる伝熱効率の低下の影響が大き
くなり、蓄熱熱交換器11での伝熱効率が低下し、製氷
運転の効率が低下する。
【0111】蓄熱熱交換器11での冷媒圧力損失が0.
8kg/cm2 であるときには、図25にあるように冷
媒にフロンR407Cを用いたときには蓄熱熱交換器1
1での温度変化がほとんどなく、伝熱管表面に生成され
る氷厚が均一となり効率のよい製氷運転が行える。逆に
冷媒にフロンR22を用いたときには蓄熱熱交換器11
での温度変化幅が5.5℃程度で大きくなり、温度が低
い部分で氷が厚く、温度が高い部分で氷が薄くなること
から伝熱管表面に生成される氷厚が不均一となり、早期
にブリッジングを生じる。従ってブリッジングによる伝
熱効率の低下の影響が大きくなり、蓄熱熱交換器11で
の伝熱効率が低下し、製氷運転の効率が低下する。
【0112】蓄熱熱交換器11での冷媒圧力損失が0.
4kg/cm2 であるときには、図26にあるように冷
媒にフロンR22、フロンR407Cいずれを用いても
温度変化幅は2.5℃程度となる。この場合、フロンR
407C、フロンR22いずれにおいても蓄熱熱交換器
11での温度変化幅は3.5℃よりも小さく、冷媒とし
てフロンR22、フロンR407Cいずれを用いても、
伝熱管表面に生成される氷厚はほぼ均一となり、効率の
よい製氷運転を行える。上記のように、2つの冷媒を用
いる場合、蓄熱熱交換器11の入口部11aと出口部1
1bとの温度差が、2つの冷媒でほぼ同じになるような
冷媒圧力損失を有するようにすると、両方の冷媒を用い
た時の蓄熱効率をほぼ同一にでき、最適な冷凍空調装置
を構成することができる。
【0113】以上のように、本実施の形態では、蓄熱熱
交換器11内での非共沸混合冷媒の温度の変化幅が所定
温度以下となると共に、単一冷媒または共沸冷媒または
前記非共沸混合冷媒とは異なる非共沸混合冷媒のいずれ
かを用いたときも、蓄熱熱交換器11内での冷媒の温度
の変化幅が所定温度以下となるような冷媒圧力損失を有
するように蓄熱熱交換器11を構成した。この構成によ
って、冷媒のレトロフィットとして、単一冷媒または共
沸冷媒または非共沸混合冷媒のいずれかから前記非共沸
混合冷媒とは異なる非共沸混合冷媒に冷媒を切り替えた
場合、あるいは非共沸混合冷媒から単一冷媒または共沸
冷媒または前記非共沸混合冷媒とは異なる非共沸混合冷
媒のいずれかに冷媒を切り替えた場合、どちらの場合に
おいても非共沸混合冷媒を用いた運転と、単一冷媒また
は共沸冷媒または前記非共沸混合冷媒とは異なる非共沸
混合冷媒のいずれかを用いた運転との、それぞれの運転
において、伝熱管表面に生成される氷厚のばらつきの程
度の小さい、ほぼ均一な製氷を実現でき、蓄熱効率のよ
い製氷運転を実現できる。
【0114】実施の形態12.実施の形態10では蓄熱
熱交換器11の冷媒圧力損失を、蓄熱熱交換器11内で
の非共沸混合冷媒の温度の変化幅が所定温度以下となる
ようにすることで、蓄熱効率のよい製氷運転を実現し
た。本実施の形態では、蓄熱熱交換器の入口部と出口部
とにおいて、蓄熱材の温度と非共沸混合冷媒の温度との
温度差を計算し、入口部温度差と出口部温度差の割合が
所定範囲になるように蓄熱熱交換器の冷媒圧力損失を設
定する。ここでは、蓄熱材として水を用い、水の融解潜
熱を利用して氷の状態で冷熱を蓄熱するものとする。そ
して、蓄熱熱交換器の入口部と出口部での蓄熱材の温度
は、凝固温度(0℃)で計算を行なうものとする。ま
た、非共沸混合冷媒としてフロンR407Cを用いる。
【0115】図27は、熱伝達媒体として非共沸混合冷
媒を用いた時の蓄熱熱交換器11内の位置に対する温度
変化を説明するグラフで、横軸に蓄熱熱交換器11内の
位置、縦軸に温度を示し、水の凝固温度(0℃)も共に
示している。このグラフに示すように、蓄熱熱交換器1
1内での非共沸混合冷媒の温度変化は蓄熱熱交換器11
で生じる冷媒圧力損失によって、圧力損失が小さい場合
には単調増加、または圧力損失が大きい場合には単調減
少となる。従って、水の凝固温度(0℃)と蓄熱熱交換
器11の入口部11aおよび出口部11bでの非共沸混
合冷媒の温度との温度差をとると、入口部温度差と出口
部温度差のどちらか一方が水の凝固温度(0℃)と非共
沸混合冷媒の温度差の最大値、どちらか他方が水の凝固
温度(0℃)と非共沸混合冷媒の温度差の最小値とな
る。水の凝固温度(0℃)と非共沸混合冷媒の温度差の
最大値をΔTmax 、水の凝固温度(0℃)と非共沸混合
冷媒の温度差の最小値をΔTmin とすると、本実施の形
態では、 ΔTmin /ΔTmax > 0.5 となるように蓄熱熱交換器11の冷媒圧力損失を設定す
る。
【0116】図28は、蓄熱材として水を用い、氷の状
態で冷熱を蓄熱しており、非共沸混合冷媒の温度は氷を
作るための温度、例えば−7℃付近になるように運転し
た時の、ΔTmin /ΔTmax と蓄熱熱交換器11での製
氷運転中の平均熱通過率[kcal/m2 h℃]の関係
を解析し求めた結果を示すグラフである。この特性は、
冷媒の種類や蓄熱するときの冷媒の温度が変わっても、
ほぼ同様の関係を示している。図28に示されるように
平均熱通過率はΔTmin /ΔTmax ≦0.5となると急
激に低下する一方で、ΔTmin /ΔTmax >0.5とな
る場合の平均熱通過率は、ΔTmin =ΔTmax 、すなわ
ち、蓄熱熱交換器11内の冷媒の温度が同一で均一な製
氷を実現できるときの平均熱通過率と同等となる。ΔT
min /ΔTmax ≦0.5とした場合には、水の凝固温度
と冷媒の温度差が最大となる地点(温度差がΔTmax と
なる地点)での氷の成長が早くなる一方で、水の凝固温
度と冷媒の温度差が最小となる地点(温度差がΔTmin
となる地点)での氷の成長が遅くなる。その上、温度差
がΔTmin となる地点付近での水の凝固温度(0℃)と
冷媒との温度差の変化割合が大きくなることから、氷の
成長の早い部分と遅い部分での差が激しくなり、不均一
の度合いの大きい製氷状態となる。従って氷の成長が早
く氷厚の大きい部分では伝熱管の間に生成された氷が早
期にブリッジングを生じ、このブリッジングによる伝熱
効率の低下の影響が大きくなり、蓄熱熱交換器11での
伝熱効率が低下し、製氷運転の蓄熱効率が低下する。
【0117】一方、ΔTmin /ΔTmax >0.5とした
場合には、水の凝固温度(0℃)と冷媒との温度差の変
化割合が小さくなることから、蓄熱熱交換器11の伝熱
管表面に生成される氷厚のばらつきの程度は小さく、ほ
ぼ均一に製氷されるため、各伝熱管周りの氷のブリッジ
ングは各伝熱管周りでほぼ同時に起き、製氷運転のなか
でブリッジングの生じる時間が遅くなる。従ってブリッ
ジングによる伝熱効率の低下の影響が小さくなり、蓄熱
熱交換器11での伝熱効率がよくなり、蓄熱効率のよい
製氷運転が実現できる。
【0118】熱伝達媒体として例えばフロンR407
C、蓄熱材として水を用いる場合、蓄熱運転でのフロン
R407Cの入口温度は例えば−7℃程度で行なわれ
る。蓄熱熱交換器11での冷媒入口温度が−7℃である
場合、水の凝固温度(0℃)と非共沸混合冷媒の温度差
の最大値をΔTmax 、水の凝固温度(0℃)と非共沸混
合冷媒の温度差の最小値をΔTmin とし、ΔTmin /Δ
Tmax >0.5となるようにするためには、蓄熱熱交換
器11での冷媒出口温度が、 −14℃<冷媒出口温度<−3.5℃ であればよい。このように冷媒出口温度を設定するため
には、蓄熱熱交換器11での冷媒温度変化(出口温度−
入口温度)が、 −7℃<蓄熱熱交換器11での冷媒温度変化<+3.5
℃ となるように設定すればよい。図19によれば、このよ
うな蓄熱熱交換器11での冷媒温度変化を生じさせるに
は、蓄熱熱交換器11での冷媒圧力損失を0.25kg
/cm2 より大きく設定すればよいことがわかる。また
蓄熱熱交換器11での冷媒圧力損失を0.6kg/cm
2 以上大きくしても、蓄熱熱交換器11での冷媒温度変
化が−7℃より高い範囲内であれば、蓄熱熱交換器11
での伝熱効率のよい運転を実現できるが、冷媒圧力損失
を余りに大きくすると、製氷運転中の冷凍サイクルの運
転効率が低下してしまい、好ましくない。従ってフロン
R407Cを用いる場合には、蓄熱熱交換器11での冷
媒圧力損失を蓄熱熱交換器11での温度変化が3.5℃
の温度上昇となる0.25kg/cm2 より大きくかつ
0.6kg/cm2 以下に設定することにより、蓄熱熱
交換器11での温度変化がほぼ0℃と同等となり、かつ
冷凍サイクルの運転効率も良好に維持できる。冷媒圧力
損失を0.25kg/cm2 より大きくかつ0.6kg
/cm2 以下に設定するための蓄熱熱交換11の具体的
な構成は、実施の形態10と同様である。
【0119】以上のように本実施の形態では、水の凝固
温度(0℃)と非共沸混合冷媒の温度差の最大値をΔT
max 、水の凝固温度(0℃)と非共沸混合冷媒の温度差
の最小値をΔTmin とすると、ΔTmin /ΔTmax >
0.5となるように蓄熱熱交換器11の冷媒圧力損失を
有するように蓄熱熱交換器11を構成したので、蒸発時
に温度変化の生じる非共沸混合冷媒を用いても、蓄熱熱
交換器11の構成によって伝熱管表面に生成される氷厚
のばらつきの程度の小さい、ほぼ均一な製氷を実現で
き、効率のよい製氷運転を実現できる。
【0120】なお、上記の説明では、蓄熱熱交換器11
の入口部と出口部での蓄熱材の温度を水の凝固温度(0
℃)としたが、蓄熱熱交換器10の入口部近傍と出口部
近傍における蓄熱槽10内の水の温度を計測してその温
度を用いても良い。特に、蓄熱材として水とエチレング
リコールの混合液などを用いた場合には、混合液の濃度
によって凝固温度が変化するので、蓄熱熱交換器11の
入口部近傍と出口部近傍で蓄熱材の温度を計測し、計測
した蓄熱材の温度と熱伝達媒体の温度との温度差を計算
して用いる方が好ましい。この場合にも、その計算した
温度差を用い、入口部温度差と出口部温度差の割合が所
定範囲となるように、蓄熱熱交換器11の冷媒圧力損失
を設定すればよい。
【0121】また、上記説明では、冷熱を蓄熱槽に蓄熱
する場合についてのものであり、温熱を蓄熱する場合に
は温度などの数値は異なってくる。ただし、蓄熱熱交換
器の入口部での蓄熱材の凝固温度と冷媒温度との温度差
を入口部温度差とし、蓄熱熱交換器の出口部での蓄熱材
の凝固温度と冷媒温度との温度差を出口部温度差とした
とき、入口部温度差と出口部温度差の割合を所定範囲に
なるように蓄熱熱交換器の冷媒圧力損失を有するように
設定すれば、冷熱を蓄熱する場合でも温熱を蓄熱する場
合でも、蓄熱効率のよい蓄熱熱交換器を得ることができ
る。また、蓄熱熱交換器11の伝熱管の配置構成によっ
ては、蓄熱熱交換器11での入口部温度差と出口部温度
差の割合に対する蓄熱熱交換器11の平均熱通過率の関
係は図28とは少し異なる可能性がある。例えば、入口
部の伝熱管の間隔が疎であり、出口部の伝熱管の間隔が
密になっているものを用いる場合には、入口部温度差と
出口部温度差の割合が0.5より小さくても入口部での
ブリッジングは生じない。ただしその場合でも、割合の
所定範囲で平均熱通過率がほぼ一定となり、所定範囲外
では大きく低下する傾向があるので、この所定範囲にな
るように蓄熱熱交換器11の冷媒圧力損失を設定すれば
よい。
【0122】実施の形態13.実施の形態12では、熱
伝達媒体として1つの非共沸混合冷媒を対象として、入
口温度差と出口温度差の割合を所定範囲とすることで蓄
熱運転の効率を良くできた。本実施の形態では、少なく
とも1つの非共沸混合冷媒を対象とすると共に、単一冷
媒や共沸冷媒や前記の非共沸混合冷媒とは異なる非共沸
混合冷媒のいずれか1つまたは複数の熱伝達媒体に対し
ても、蓄熱熱交換器11の入口温度差と出口温度差の割
合を所定範囲とするように蓄熱熱交換器11を構成し
た。これによって、複数の熱伝達媒体に対して蓄熱運転
の効率を良くでき、熱伝達媒体の変更に対応できる冷凍
空調装置を得るものである。ここでは実施の形態12と
同様、蓄熱材を水とし、蓄熱材の入口温度および出口温
度は水の凝固温度(0℃)を用いる。水の凝固温度(0
℃)と前記使用冷媒との温度差の最大値をΔTmax 、水
の凝固温度(0℃)と前記使用冷媒との温度差の最小値
をΔTmin とした時、 ΔTmin /ΔTmax >0.5 となるように蓄熱熱交換器11の冷媒圧力損失を設定す
る。この使用冷媒とは、少なくとも2つの冷媒であり、
その一方は非共沸混合冷媒であり、他方は、単一冷媒、
共沸冷媒、前記非共沸混合冷媒とは異なる非共沸混合冷
媒のいずれかである。この少なくとも2つの使用冷媒に
対して上記の関係が成立するように蓄熱熱交換器11の
冷媒圧力損失を設定する。
【0123】例えば非共沸混合冷媒として、フロンR4
07Cを用い、単一冷媒、共沸冷媒、前記非共沸混合冷
媒とは異なる非共沸混合冷媒のいずれかとして単一冷媒
であるフロンR22を用いた場合、フロンR407Cを
用いて製氷運転を実施したときの蓄熱熱交換器11入口
での冷媒温度が例えば−7℃、フロンR22を用いて製
氷運転を実施したときの蓄熱熱交換器11入口での冷媒
温度が例えば−3.5℃である場合にはフロンR407
Cを用いた場合の蓄熱熱交換器11での温度変化(出口
温度−入口温度)が3.5℃より小さく、フロンR22
を用いた場合の蓄熱熱交換器11での温度変化(出口温
度−入口温度)が−3.5℃より大きくなるように蓄熱
熱交換器11での冷媒圧力損失を設定する。このように
冷媒圧力損失を設定することで、水の凝固温度(0℃)
と使用冷媒の温度差の最大値をΔTmax 、水の凝固温度
(0℃)と使用冷媒の温度差の最小値をΔTmin とする
と、フロンR22、フロンR407Cいずれにおいても
0.5<ΔTmin /ΔTmax の関係が満たされる。実施
の形態12で述べたようにこの関係が満たされると、フ
ロンR22およびフロンR407Cのいずれを用いても
効率よく蓄熱運転を行うことが可能となる。従ってレト
ロフィットを行いフロンR22からフロンR407Cに
切り換えても、フロンR22とフロンR407Cのどち
らを用いた運転においても効率のよい蓄熱運転が可能と
なる。
【0124】フロンR22とフロンR407Cを用いた
時に蓄熱熱交換器11での温度変化(出口温度−入口温
度)を上記で示した所定温度(フロンR22の場合には
−3.5℃より大、フロンR407Cの場合には3.5
℃より小)になるようにするためには、図19に基づい
て蓄熱熱交換器11での冷媒圧力損失を設定すればよ
い。図19に示した蓄熱熱交換器11での冷媒圧力損失
と冷媒圧力損失がある場合のフロンR22とフロンR4
07Cを用いた場合の蓄熱熱交換器11での温度変化の
関係より、蓄熱熱交換器11での冷媒圧力損失が0.2
5kg/cm2 より大きくかつ0.5kg/cm2 より
小さくなるように設定すると、フロンR407Cを用い
た場合の蓄熱熱交換器11での温度変化(出口温度−入
口温度)を3.5℃より小さく、フロンR22を用いた
場合の蓄熱熱交換器11での温度変化(出口温度−入口
温度)を−3.5℃より大きくでき、フロンR22とフ
ロンR407Cのいずれを用いても効率よく蓄熱運転を
行うことが可能となる。また、蓄熱熱交換器11の冷媒
圧力損失をこの範囲内に設定すると、図20に示すよう
に冷凍サイクルの運転効率もよい状態で維持できる。
【0125】蓄熱熱交換器11の冷媒圧力損失を0.2
5kg/cm2 より大きくかつ0.5kg/cm2 より
小さく設定する構成を具体的に示す。例えば、製氷運転
時の冷凍能力が6400kcal/hである冷凍空調装
置において、外径6.35mm、肉厚0.47mm、総
延長216mの平滑管で構成する際、1本あたり11.
4mの管長さの平滑管を19本程度並設することで、冷
媒圧力損失を0.25kg/cm2 程度に設定でき、1
本あたり21.6mの管長さの平滑管を10本程度並設
することで、冷媒圧力損失を0.5kg/cm2 程度に
設定できる。また、その間の冷媒圧力損失にしようとす
れば、1本あたりの長さを11.4mから21.6mの
間の長さの平滑管を用い、総延長が216mとなるよう
な本数を並設するように構成すればよい。また、内面溝
付管で構成したり、伝熱管の管径を小さくしたり、伝熱
管の途中に絞りをつけたりして、冷媒圧力損失を大きく
して設定してもよい。
【0126】なお、上記では、非共沸混合冷媒としてフ
ロンR407Cとし、単一冷媒としてフロンR22を用
い、フロンR22からフロンR407Cに冷媒を変更す
る場合について説明したが、これに限るものではない。
少なくとも2つの冷媒で、少なくともその一方の冷媒を
非共沸混合冷媒とし、他方の冷媒を単一冷媒または共沸
冷媒または一方の冷媒とは異なる非共沸混合冷媒とし、
それらの冷媒に対して、蓄熱熱交換器11での入口部温
度差と出口部温度差の割合が所定範囲になるような冷媒
圧力損失を有するように蓄熱熱交換器11を構成すれば
よい。例えば、2つの冷媒の一方の非共沸混合冷媒とし
て、フロンR404Aや他の非共沸混合冷媒を用いても
よい。また地球温暖化防止の観点から、非共沸混合冷媒
としてプロパンやブタン、アンモニア、炭酸ガスなどの
自然冷媒を用いた非共沸混合冷媒を用いてもよい。ま
た、2つの冷媒の他方の冷媒、すなわち単一冷媒または
共沸冷媒または前記一方の非共沸混合冷媒と異なる非共
沸混合冷媒として、例えばフロンR123、プロパンや
ブタン、アンモニア、炭酸ガスなどの自然冷媒(単一冷
媒)、自然冷媒を用いた非共沸混合冷媒、フロンR41
0A(共沸冷媒)、フロンR404A(非共沸混合冷
媒)などを用いてもよい。また上記では、単一冷媒であ
るフロンR22から非共沸混合冷媒であるフロンR40
7Cに冷媒を変更する場合について説明したが、非共沸
混合冷媒から、単一冷媒または共沸冷媒または前記非共
沸混合冷媒とは異なる非共沸混合冷媒に冷媒を変更した
り、その逆の変更を行う場合にも、変更前の冷媒と変更
後の冷媒の両方に対して、蓄熱熱交換器11での入口部
温度差と出口部温度差の割合が所定範囲になるようなに
冷媒圧力損失を有するように蓄熱熱交換器11を構成す
ればよい。特に、地球温暖化防止の観点から、地球温暖
化作用の強いフロンR407C(非共沸混合冷媒)か
ら、単一冷媒であり、地球温暖化作用の低いプロパンや
ブタン、アンモニア、炭酸ガスなどの自然冷媒に変更す
る場合において、本実施の形態は有効である。
【0127】また、2つの冷媒に対するのみではなく、
将来使用されるであろう複数の冷媒に対して、蓄熱熱交
換器11での入口部温度差と出口部温度差の割合が所定
範囲になるような冷媒圧力損失を有するように蓄熱熱交
換器11を構成すれば、冷媒の変更に速やかに対応で
き、常に蓄熱効率がよく、冷媒の選択性もでき、さらに
汎用性の高い冷凍空調装置が得られる。
【0128】以上のように本実施の形態では、蓄熱熱交
換器11を、水の凝固温度(0℃)と非共沸混合冷媒の
温度差の最大値をΔTmax 、水の凝固温度(0℃)と非
共沸混合冷媒の温度差の最小値をΔTmin としたとき、 ΔTmin /ΔTmax >0.5 とすると共に、単一冷媒、共沸冷媒、前記非共沸混合冷
媒とは異なる非共沸混合冷媒のいずれかを用いたとき
も、水の凝固温度(0℃)と前記使用冷媒の温度差の最
大値をΔTmax 、水の凝固温度(0℃)と前記使用冷媒
の温度差の最小値をΔTmin としたとき、 ΔTmin /ΔTmax >0.5 とするように構成したので、冷媒のレトロフィットとし
て、単一冷媒、共沸冷媒、非共沸混合冷媒のいずれかか
ら前記非共沸混合冷媒とは異なる非共沸混合冷媒に冷媒
を変更した場合、または非共沸混合冷媒から単一冷媒、
共沸冷媒、前記非共沸混合冷媒とは異なる非共沸混合冷
媒のいずれかに冷媒を変更した場合、どちらの場合にお
いても非共沸混合冷媒を用いた運転、または単一冷媒、
共沸冷媒、前記非共沸混合冷媒とは異なる非共沸混合冷
媒のいずれかを用いた運転、それぞれの運転において伝
熱管表面に生成される氷厚のばらつきの程度の小さい、
ほぼ均一な製氷を実現でき、効率のよい蓄熱運転を実現
できる。
【0129】実施の形態14.実施の形態1〜実施の形
態13では、蓄熱槽10への蓄熱時および蓄熱利用時の
どちらにおいても、蓄熱槽10に貯留してある例えば水
などの蓄熱材に、非共沸混合冷媒を介して熱の受け渡し
を行うものについて説明した。これはいわゆる内融式蓄
熱槽と称されるものである。本実施の形態では、本発明
を外融式蓄熱槽に適用したものについて説明する。な
お、本実施の形態による冷凍空調装置は、例えば暖房機
能を有さず、冷房機能のみのものとする。
【0130】図29は本発明の実施の形態14による冷
凍空調装置を示す冷媒回路図である。図において、1は
圧縮機、3は室外熱交換器、4は膨張弁、10は蓄熱
槽、11は蓄熱槽10内に設置された蓄熱熱交換器であ
り、これらは配管で接続されて冷凍サイクルを構成して
いる。5は室内熱交換器であり、蓄熱槽10内に例えば
水をポンプ(P)で循環させることによって、蓄熱槽1
0に蓄熱した冷熱を利用する構成である。このように、
蓄熱利用時に直接蓄熱槽10の蓄熱熱交換器11の回り
に水などを循環させて、伝熱管の回りに付着生成した氷
を解氷して冷熱を得る構成のものを、外融式蓄熱槽と称
している。
【0131】外融式蓄熱槽においても、蓄熱運転は内融
式蓄熱槽と同様の動作を行うので、蓄熱運転時に蓄熱熱
交換器11を流れる冷媒の流れ方向を正逆に切換えれ
ば、均一に蓄熱槽10内に氷を生成することができる。
以下、動作について詳しく説明する。蓄熱熱交換器11
の両端の配管には、四方弁24を接続しており、この四
方弁24を切換えることによって、蓄熱熱交換器11内
の冷媒の流れ方向を正逆に切換え可能としている。また
蓄熱熱交換器11の入口側配管を膨張弁4に接続し、出
口側配管を圧縮機1に接続している。25は膨張弁4と
四方弁24の間の配管に設けられた温度検知器であり、
蓄熱熱交換器11の入口部の冷媒温度を検知することが
できる。さらにこの冷凍空調装置内には、冷媒として非
共沸混合冷媒であるフロンR407Cが封入されてい
る。
【0132】蓄熱槽10内は蓄熱材として例えば水で満
たされており、蓄熱運転時には、蓄熱熱交換器11で水
を冷却氷化し、伝熱管の表面に氷を付着生成させて蓄熱
槽10内に冷熱を蓄えるように構成している。なお、蓄
熱運転時の蓄熱熱交換器11内の冷媒の流れが図29中
の11aから11bとなる場合を蓄熱運転A、またこの
逆に11bから11aとなる場合を蓄熱運転Bと定義す
る。
【0133】蓄熱運転時において、例えば蓄熱熱交換器
11内の冷媒の流れが11aから11bとなる蓄熱運転
Aとなるように四方弁24を実線のように接続する。こ
の蓄熱運転A時の冷媒の流れは、図29中実線矢印で示
すように、圧縮機1で吐出された高温高圧の冷媒蒸気は
室外熱交換器3で凝縮液化し、膨張弁4で低圧に減圧さ
れて四方弁24を通って蓄熱熱交換器11に流入する。
蓄熱熱交換器11に流入した冷媒は、蓄熱槽10内の水
から熱を奪って蒸発した後、蓄熱熱交換器11から流出
し、四方弁24を通って圧縮機1に戻る。
【0134】非共沸混合冷媒は、蓄熱熱交換器11内で
蒸発する際、温度変化が生じ、蓄熱熱交換器11の伝熱
管温度は冷媒の流れ方向に徐々に上昇する。この結果、
蓄熱運転A時には、蓄熱熱交換器11の伝熱管表面には
均一な厚さで氷が付着生成せず、蒸発温度の低い蓄熱熱
交換器11の入口部の氷厚が厚くなり、逆に蒸発温度の
高い蓄熱熱交換器11の出口部の氷厚が薄くなる。この
状態で蓄熱運転Aが進行すると、蓄熱熱交換器11の入
口部に過大の氷が生成され、蓄熱熱交換器11全体とし
ては効率が低下し、蒸発温度または蒸発圧力の低下が生
じる。
【0135】そこで、本実施の形態では、蓄熱運転の途
中で蓄熱熱交換器11の冷媒の流れ方向を逆にし、氷厚
の均一化を図っている。即ち、蓄熱熱交換器11の入口
部に設けた温度検知器25によって、蓄熱熱交換器11
の不均一着氷による効率低下を検知し、蓄熱運転Bに移
行する。この温度検知器25で検知される冷媒温度が所
定の値以下、例えば−7℃以下となった場合には、蓄熱
熱交換器11の入口側では十分に製氷された状態になっ
たと判断することができる。このため、四方弁24を切
換えて、蓄熱運転Bを実行する。この蓄熱運転Bは四方
弁24を図29の点線に示すように切換えて行う。
【0136】蓄熱運転B時の冷媒の流れは、図29中一
点鎖線矢印で示すように、圧縮機1で吐出された高温高
圧の冷媒蒸気は室外熱交換器3で凝縮液化し、膨張弁4
で低圧に減圧されて四方弁24を通って蓄熱熱交換器1
1bに流入する。蓄熱熱交換器11を11bから11a
に流れる冷媒は、蓄熱槽10内の水から熱を奪って蒸発
した後、四方弁24を通って圧縮機1に戻る。
【0137】この蓄熱運転B時の蓄熱熱交換器11内の
冷媒の流れ方向は、実線矢印で示した蓄熱運転A時の流
れと反対になる。これに伴って蓄熱運転B時における蓄
熱熱交換器11内の温度変化は蓄熱運転A時とは逆にな
るので、蓄熱運転B時には、蓄熱運転A時に製氷量の少
なかった部分の蒸発温度が低くなって製氷量が増加し、
逆に蓄熱運転A時に製氷量の多かった部分の蒸発温度が
高くなって製氷量が減少するため、蓄熱熱交換器11全
体の製氷量が均一化する。このように、蓄熱運転におい
て、蓄熱熱交換器内での非共沸混合冷媒の蒸発温度の高
温部分と低温部分とを逆転することによって、蓄熱熱交
換器に均一な厚さの氷を生成でき、効率の高い蓄熱運転
が可能となる。また蓄熱熱交換器の一部に過大な氷が生
成され、この部分の氷が融合して伝熱管や蓄熱槽の変形
や破損を引き起こすのを防止でき、信頼性の高い冷凍空
調装置が得られる。
【0138】蓄熱利用冷房運転時は、ポンプ(P)によ
って例えば水を蓄熱槽10と室内熱交換器5を循環させ
る。即ち、蓄熱槽10では5℃程度の水を蓄熱熱交換器
11の回りに流し、蓄熱槽10内の氷を解氷して0℃程
度の水を得る。この低温の水で運ばれる冷熱を室内熱交
換器5で利用する。冷熱利用後、温度上昇した5℃程度
の水を再び蓄熱槽10に戻す。
【0139】このように、本実施の形態では、四方弁2
4を切換え、蓄熱熱交換器11内の冷媒の流れ方向を逆
にすることにより、冷媒として非共沸混合冷媒を用いて
も、蓄熱熱交換器11に均一な厚さの氷を生成でき、効
率のよい蓄熱運転が可能となる。また蓄熱熱交換器11
の一部に過大な氷が生成され、この部分の氷が融合して
伝熱管や蓄熱槽10の変形や破損を引き起こすのを防止
でき、信頼性の高い冷凍空調装置が得られる。
【0140】また本実施の形態では、安価な温度検知器
25によって蓄熱熱交換器11に流入する冷媒温度を検
知して、この冷媒温度が所定の温度以下となった場合
に、四方弁24を切換えるので、確実に蓄熱熱交換器1
1内の冷媒の流れ方向を逆に切換えることができる。ま
た、冷媒温度の検知場所は蓄熱熱交換器11の入口部に
限るものではなく、四方弁24から圧縮機1までの配管
に設けて、蓄熱熱交換器11の出口部の温度を検知して
切換えるようにしてもよい。さらには、蓄熱槽10内の
蓄熱熱交換器11に温度検知器を設けて、蓄熱槽10内
の冷媒温度から蓄熱状態を検知し、この結果に応じて冷
媒の流れを切換えるように構成してもよい。
【0141】また蓄熱熱交換器11に流入する冷媒温度
を検知する代わりに、蓄熱熱交換器11の入口部に圧力
検知器を設け、この圧力検知器によって蓄熱熱交換器1
1を流れる冷媒の圧力を検知し、蓄熱熱交換器入口部の
冷媒温度を推算して冷媒の流れを切換えるように構成し
ても、確実に蓄熱熱交換器11内の冷媒の流れ方向を逆
に切換えることができる。圧力検知器の設置場所も蓄熱
熱交換器11の入口部に限らず、蓄熱熱交換器11の出
口部や、蓄熱槽10内の蓄熱熱交換器11に設けても、
上記と同様の効果を奏する。
【0142】また温度検知器や圧力検知器の代わりに、
蓄熱槽10内の氷の状態として例えば氷の厚さを検知す
る氷厚検知器を蓄熱槽10に設け、氷厚が所定の厚さに
なったことを検知したときに、四方弁24を切換えるよ
うに制御してもよい。蓄熱槽10内の氷の状態を検知す
ることで、確実に蓄熱熱交換器11内の冷媒の流れ方向
を逆に切換えることができ、さらに氷が融合して伝熱管
や蓄熱槽10の変形や破損を引き起こすこともなく、信
頼性の高い冷凍空調装置が得られる。即ち、検知器の検
知結果から蓄熱槽10内の蓄熱状態を把握することがで
きるなら、検知器の設置場所はどこでもよく、検知対象
とする状態量はなんでもよい。また本実施の形態では蓄
熱材として水を用い、蓄熱槽10に満たした水を氷にし
て冷熱を蓄熱しているが、例えばエチレングリコールや
ヘキサデカンなどの潜熱蓄熱材を蓄熱槽10に格納しこ
れによって冷熱を蓄熱してもよい。
【0143】ただし、上記実施の形態で述べたように、
蓄熱材として水を用いるのが値段や取り扱いやすさの点
から望ましく、蓄熱状態検知手段として温度検知器25
を用い、温度検知器25を蓄熱熱交換器11の入口部に
設けると、蓄熱運転Aでも蓄熱運転Bでも蓄熱熱交換器
11の流入する冷媒の温度を検知することができ、また
配管に取りつけるだけでよいので、容易に実施できる。
【0144】また上記では蓄熱槽10に冷熱を蓄熱する
構成について述べたが、熱源装置で生成した温熱を蓄熱
槽10に蓄熱する空調装置において、蓄熱熱交換器11
の冷媒の流れ方向を切換えるようにしても、上記と同
様、蓄熱槽10内に均一に温熱を蓄熱することができ
る。
【0145】また本実施の形態では、蓄熱槽を有する冷
凍空調装置として、1台の室外熱交換器と1台の室内熱
交換器を備えた最も簡単なものを示したが、これに限る
ことはなく、1台の室外熱交換器に複数台の室内熱交換
器が接続された冷凍空調装置でも同様の効果を発揮す
る。
【0146】また本実施の形態では、冷凍空調装置の冷
媒としてオゾン層破壊係数がゼロのフロンR407Cを
用いた場合について説明したが、これに限るものではな
く、フロンR404Aや他の非共沸混合冷媒でもよい。
また地球温暖化防止の観点から、プロパンやブタン、ア
ンモニア、炭酸ガスなどの自然冷媒を用いた非共沸混合
冷媒でも同様の効果を発揮する。
【0147】また、このような外融式蓄熱槽において、
実施の形態2〜実施の形態13のいずれかに示したよう
な構成を適用しても、内融式蓄熱槽における効果と同様
の効果を奏する。
【0148】
【発明の効果】本発明に係わる冷凍空調装置は、非共沸
混合冷媒を熱伝達媒体として用いて冷熱または温熱を生
成する熱源装置と、蓄熱熱交換器および蓄熱材を有し前
記熱源装置で生成した冷熱または温熱を前記蓄熱熱交換
器を介して前記蓄熱材に蓄熱する蓄熱槽と、前記蓄熱槽
に蓄熱された冷熱または温熱が供給される負荷装置とを
備える冷凍空調装置において、前記蓄熱熱交換器を流れ
る非共沸混合冷媒の温度を検知する温度検知器を設け、
前記温度検知器の出力に応じて前記蓄熱熱交換器内での
前記非共沸混合冷媒の流れ方向を切換えるように構成し
たことにより、蓄熱熱交換器内での非共沸混合冷媒の流
れ方向を安価でかつ確実に切換えことができ蒸発温度の
高温部分と低温部分とを逆転し、蓄熱熱交換器に均一な
厚さの氷を生成でき、効率の高い蓄熱運転が可能とな
る。また蓄熱熱交換器の一部に過大な氷が生成され、こ
の部分の氷が融合して伝熱管や蓄熱槽の変形や破損を引
き起こすのを防止でき、信頼性の高い冷凍空調装置が得
られる。
【0149】また、本発明によれば、非共沸混合冷媒を
熱伝達媒体として用いて冷熱または温熱を生成する熱源
装置と、蓄熱熱交換器および蓄熱材を有し前記熱源装置
で生成した冷熱または温熱を前記蓄熱熱交換器を介して
前記蓄熱材に蓄熱する蓄熱槽と、前記蓄熱槽に蓄熱され
た冷熱または温熱が供給される負荷装置とを備える冷凍
空調装置において、前記蓄熱熱交換器を流れる非共沸混
合冷媒の圧力を検知する圧力検知器を設け、前記圧力検
知器の出力に応じて前記蓄熱熱交換器内での前記非共沸
混合冷媒の流れ方向を切換えるように構成したことによ
り、蓄熱熱交換器内での非共沸混合冷媒の流れ方向を確
実に切換えことができ蒸発温度の高温部分と低温部分と
を逆転し、蓄熱熱交換器に均一な厚さの氷を生成でき、
効率の高い蓄熱運転が可能となる冷凍空調装置が得られ
る。
【0150】
【0151】
【0152】
【0153】
【0154】
【0155】
【0156】
【0157】また、本発明によれば、非共沸混合冷媒を
熱伝達媒体として用いて冷熱または温熱を生成する熱源
装置と、蓄熱熱交換器および蓄熱材を有し前記熱源装置
で生成した冷熱または温熱を前記蓄熱熱交換器を介して
前記蓄熱材に蓄熱する蓄熱槽と、前記蓄熱槽に蓄熱され
た冷熱または温熱が供給される負荷装置とを備える冷凍
空調装置において、前記蓄熱槽内で互いに隣り合って配
設され、前記蓄熱熱交換器の入口と出口の間に並列に接
続された伝熱管の隣り合う冷媒の流れが逆方向であると
共に、前記伝熱管を所定の間隔を開けて配置したことに
より、非共沸混合冷媒の蒸発温度の低温部分と高温部分
を隣合わせとし、氷厚の厚い伝熱管の隣に氷厚の薄い伝
熱管を配置して、伝熱管表面に付着生成する氷が不均一
であっても、氷が融合して伝熱管や蓄熱槽の変形や破損
を引き起こすのを防止でき、信頼性の高い冷凍空調装置
が得られる。
【0158】
【0159】また、本発明によれば、非共沸混合冷媒を
熱伝達媒体として用いて冷熱または温熱を生成する熱源
装置と、蓄熱熱交換器および蓄熱材を有し前記熱源装置
で生成した冷熱または温熱を前記蓄熱熱交換器を介して
前記蓄熱材に蓄熱する蓄熱槽と、前記蓄熱槽に蓄熱され
た冷熱または温熱が供給される負荷装置とを備える冷凍
空調装置において、前記蓄熱熱交換器は伝熱管を鉛直方
向または水平方向に蛇行させて配設するものとし、前記
蓄熱熱交換器の入口部の蛇行のピッチを出口部よりも大
きくしたことにより、非共沸混合冷媒の蒸発温度の低温
部分で製氷空間を広くし蒸発温度の高温部分で製氷空間
を狭くして、簡単な構成で伝熱管表面に付着生成する氷
が不均一であっても、氷が融合して伝熱管や蓄熱槽の変
形や破損を引き起こすのを防止でき、信頼性の高い冷凍
空調装置が得られる。
【0160】
【0161】
【0162】
【0163】
【0164】また、本発明によれば、非共沸混合冷媒を
熱伝達媒体として用いて冷熱または温熱を生成する熱源
装置と、蓄熱熱交換器および蓄熱材を有し前記熱源装置
で生成した冷熱または温熱を前記蓄熱熱交換器を介して
前記蓄熱材に蓄熱する蓄熱槽と、前記蓄熱槽に蓄熱され
た冷熱または温熱が供給される負荷装置とを備える冷凍
空調装置において、前記蓄熱熱交換器入口部での前記非
共沸混合冷媒の温度と前記蓄熱材の温度との温度差を入
口部温度差とし、前記蓄熱熱交換器出口部での前記非共
沸混合冷媒の温度と前記蓄熱材の温度との温度差を出口
部温度差として、前記入口部温度差と前記出口部温度差
の割合が所定範囲となるような冷媒圧力損失を有するよ
うに前記蓄熱熱交換器を構成したことにより、ほぼ均一
に蓄熱でき蓄熱効率の良い冷凍空調装置が得られる。
【0165】また、本発明によれば、熱伝達媒体を用い
て冷熱または温熱を生成する熱源装置と、蓄熱熱交換器
および蓄熱材を有し前記熱源装置で生成した冷熱または
温熱を前記蓄熱熱交換器を介して前記蓄熱材に蓄熱する
蓄熱槽と、前記蓄熱槽に蓄熱された冷熱または温熱が供
給される負荷装置とを備える冷凍空調装置において、前
記熱伝達媒体として非共沸混合冷媒を用いたときと、単
一冷媒または共沸冷媒または前記非共沸混合冷媒とは異
なる非共沸混合冷媒を用いたときのいずれにおいても、
前記蓄熱熱交換器入口部での前記熱伝達媒体の温度と前
記蓄熱材の温度との温度差を入口部温度差とし、前記蓄
熱熱交換器出口部での前記熱伝達媒体の温度と前記蓄熱
材の温度との温度差を出口部温度差とし、前記入口部温
度差と前記出口部温度差の割合が所定範囲となるような
冷媒圧力損失を有するように前記蓄熱熱交換器を構成し
たことにより、冷媒のレトロフィットとして、単一冷
媒、共沸冷媒、非共沸混合冷媒のいずれかから前記非共
沸混合冷媒とは異なる非共沸混合冷媒に冷媒を変更した
場合、または非共沸混合冷媒から単一冷媒、共沸冷媒、
前記非共沸混合冷媒とは異なる非共沸混合冷媒のいずれ
かに冷媒を変更した場合、どちらの場合においても非共
沸混合冷媒を用いた運転、あるいは単一冷媒、共沸冷
媒、前記非共沸混合冷媒とは異なる非共沸混合冷媒のい
ずれかを用いた運転、それぞれの運転において、ほぼ均
一に蓄熱でき、蓄熱効率の良い冷凍空調装置が得られ
る。
【0166】また、本発明によれば、蓄熱熱交換器入口
部での熱伝達媒体の温度と蓄熱材の温度との温度差であ
る入口部温度差と、前記蓄熱熱交換器出口部での前記熱
伝達媒体の温度と前記蓄熱材の温度との温度差である出
口部温度差のうち、大きい方の値をΔTmax 、小さい方
の値をΔTmin としたとき、温度差の割合ΔTmin /Δ
Tmax が、 ΔTmin /ΔTmax > 0.5 を満足するような冷媒圧力損失を有するように前記蓄熱
熱交換器を構成したことにより、ほぼ均一に蓄熱でき、
蓄熱効率の良い冷凍空調装置が得られる。
【0167】また、本発明によれば、蓄熱材の融解潜熱
を利用して冷熱を蓄熱するものとし、蓄熱熱交換器入口
部での蓄熱材の温度と前記蓄熱熱交換器出口部での前記
蓄熱材の温度として、前記蓄熱材の凝固温度を用いるこ
とにより、蓄熱材と熱伝達媒体の温度差を的確に把握す
ることが可能となり、ほぼ均一に蓄熱でき蓄熱効率の良
い冷凍空調装置が得られる。
【0168】
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施の形態1による冷凍空調装置を
示す冷媒回路図である。
【図2】 実施の形態1に係わる蓄熱槽を示す図であ
り、図2(a)は蓄熱槽の上面図、図2(b)は蓄熱槽
の縦断面図である。
【図3】 実施の形態1に係わる冷凍空調装置の蓄熱運
転時の動作状態を表す特性図である。
【図4】 実施の形態1に係わる蓄熱熱交換器の温度分
布を示すグラフである。
【図5】 本発明の実施の形態2による冷凍空調装置を
示す冷媒回路図である。
【図6】 本発明の実施の形態3による冷凍空調装置を
示す冷媒回路図である。
【図7】 本発明の実施の形態4に係わる蓄熱槽を示す
構成図である。
【図8】 本発明の実施の形態5に係わる蓄熱熱交換器
を示す斜視図である。
【図9】 実施の形態5に係わる蓄熱熱交換器の他の構
成を示す斜視図である。
【図10】 実施の形態5に係わる蓄熱熱交換器のさら
に他の構成を示す斜視図である。
【図11】 本発明の実施の形態6による冷凍空調装置
を示す冷媒回路図である。
【図12】 実施の形態6に係わる伝熱管の回りに付着
する氷を示す説明図である。
【図13】 本発明の実施の形態7による冷凍空調装置
を示す冷媒回路図である。
【図14】 本発明の実施の形態8による冷凍空調装置
を示す冷媒回路図である。
【図15】 実施の形態8に係わる蓄熱槽の他の構成を
示す上面図である。
【図16】 本発明の実施の形態9による冷凍空調装置
を示す冷媒回路図である。
【図17】 実施の形態9に係わる冷凍空調装置の蓄熱
運転時の動作状態を表す特性図である。
【図18】 本発明の実施の形態10に係わる蓄熱熱交
換器での温度変化幅と蓄熱熱交換器の平均熱通過率との
関係を示すグラフである。
【図19】 実施の形態10に係わる蓄熱熱交換器での
冷媒圧力損失と蓄熱熱交換器での温度変化との関係を示
すグラフである。
【図20】 実施の形態10に係わり、蓄熱熱交換器で
の冷媒圧力損失[kg/cm2 ]と冷凍サイクルの運転
効率の関係を示す特性図である。
【図21】 実施の形態10に係わり、蓄熱熱交換器で
の冷媒圧力損失[kg/cm2 ]と蓄熱熱交換器の平均
熱通過率の関係を示す特性図である。
【図22】 実施の形態10に係わり、蓄熱熱交換器で
の冷媒圧力損失[kg/cm2 ]と蓄熱熱交換器の平均
熱通過率を考慮した冷凍サイクルの運転効率の関係を示
す特性図である。
【図23】 本発明の実施の形態11に係わる冷凍空調
装置を示す冷媒回路図である。
【図24】 実施の形態11に係わり、冷媒圧力損失が
0kg/cm2 の場合の蓄熱熱交換器の冷媒温度分布を
示すグラフである。
【図25】 実施の形態11に係わり、冷媒圧力損失が
0.8kg/cm2の場合の蓄熱熱交換器の冷媒温度分
布を示すグラフである。
【図26】 実施の形態11に係わり、冷媒圧力損失が
0.4kg/cm2の場合の蓄熱熱交換器の冷媒温度分
布を示すグラフである。
【図27】 本発明の実施の形態12に係わる蓄熱熱交
換器の冷媒温度分布を示すグラフである。
【図28】 実施の形態12に係わる蓄熱熱交換器での
凝固温度と冷媒温度の温度差の変化割合と蓄熱熱交換器
の平均熱通過率との関係を示すグラフである。
【図29】 本発明の実施の形態14による冷凍空調装
置を示す冷媒回路図である。
【図30】 従来の冷凍空調装置を示す冷媒回路図であ
る。
【図31】 従来の冷凍空調装置に係わる蓄熱槽の構成
を示す図であり、図31(a)は上面図、図31(b)
は縦断面図である。
【符号の説明】
1 圧縮機、2 第1四方弁、3 室外熱交換器、4
第1膨張弁、5 室内熱交換器、10 蓄熱槽、11
蓄熱熱交換器、20 第2膨張弁、21 第1電磁弁、
22 第2電磁弁、23 第3電磁弁、24 第2四方
弁、25 温度検知器。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平8−136070(JP,A) 特開 平3−221787(JP,A) 特開 平6−272998(JP,A) 特開 平7−269971(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F24F 5/00 F25B 13/00 F25C 1/00

Claims (8)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 非共沸混合冷媒を熱伝達媒体として用い
    て冷熱または温熱を生成する熱源装置と、蓄熱熱交換器
    および蓄熱材を有し前記熱源装置で生成した冷熱または
    温熱を前記蓄熱熱交換器を介して前記蓄熱材に蓄熱する
    蓄熱槽と、前記蓄熱槽に蓄熱された冷熱または温熱が供
    給される負荷装置とを備える冷凍空調装置において、前
    記蓄熱熱交換器を流れる非共沸混合冷媒の温度を検知す
    る温度検知器を設け、前記温度検知器の出力値に応じて
    前記蓄熱熱交換器内での前記非共沸混合冷媒の流れ方向
    を切換えるように構成したことを特徴とする冷凍空調装
    置。
  2. 【請求項2】 非共沸混合冷媒を熱伝達媒体として用い
    て冷熱または温熱を生成する熱源装置と、蓄熱熱交換器
    および蓄熱材を有し前記熱源装置で生成した冷熱または
    温熱を前記蓄熱熱交換器を介して前記蓄熱材に蓄熱する
    蓄熱槽と、前記蓄熱槽に蓄熱された冷熱または温熱が供
    給される負荷装置とを備える冷凍空調装置において、前
    記蓄熱熱交換器を流れる非共沸混合冷媒の圧力を検知す
    る圧力検知器を設け、前記圧力検知器の出力値に応じて
    前記蓄熱熱交換器内での前記非共沸混合冷媒の流れ方向
    を切換えるように構成したことを特徴とする冷凍空調装
    置。
  3. 【請求項3】 非共沸混合冷媒を熱伝達媒体として用い
    て冷熱または温熱を生成する熱源装置と、蓄熱熱交換器
    および蓄熱材を有し前記熱源装置で生成した冷熱または
    温熱を前記蓄熱熱交換器を介して前記蓄熱材に蓄熱する
    蓄熱槽と、前記蓄熱槽に蓄熱された冷熱または温熱が供
    給される負荷装置とを備える冷凍空調装置において、前
    記蓄熱槽内で互いに隣り合って配設され、前記蓄熱熱交
    換器の入口と出口の間に並列に接続された伝熱管の隣り
    合う冷媒の流れが逆方向であると共に、前記伝熱管を所
    定の間隔を開けて配置したことを特徴とする冷凍空調装
    置。
  4. 【請求項4】 非共沸混合冷媒を熱伝達媒体として用い
    て冷熱または温熱を生成する熱源装置と、蓄熱熱交換器
    および蓄熱材を有し前記熱源装置で生成した冷熱または
    温熱を前記蓄熱熱交換器を介して前記蓄熱材に蓄熱する
    蓄熱槽と、前記蓄熱槽に蓄熱された冷熱または温熱が供
    給される負荷装置とを備える冷凍空調装置において、前
    記蓄熱熱交換器は伝熱管を鉛直方向または水平方向に蛇
    行させて配設するものとし、前記蓄熱熱交換器の入口部
    の蛇行のピッチを出口部よりも大きくしたことを特徴と
    する冷凍空調装置。
  5. 【請求項5】 非共沸混合冷媒を熱伝達媒体として用い
    て冷熱または温熱を生成する熱源装置と、蓄熱熱交換器
    および蓄熱材を有し前記熱源装置で生成した冷熱または
    温熱を前記蓄熱熱交換器を介して前記蓄熱材に蓄熱する
    蓄熱槽と、前記蓄熱槽に蓄熱された冷熱または温熱が供
    給される負荷装置とを備える冷凍空調装置において、前
    記蓄熱熱交換器入口部での前記非共沸混合冷媒の温度と
    前記蓄熱材の温度との温度差を入口部温度差とし、前記
    蓄熱熱交換器出口部での前記非共沸混合冷媒の温度と前
    記蓄熱材の温度との温度差を出口部温度差として、前記
    入口部温度差と前記出口部温度差の割合が所定範囲とな
    るような冷媒圧力損失を有するように前記蓄熱熱交換器
    を構成したことを特徴とする冷凍空調装置。
  6. 【請求項6】 熱伝達媒体を用いて冷熱または温熱を生
    成する熱源装置と、蓄熱熱交換器および蓄熱材を有し前
    記熱源装置で生成した冷熱または温熱を前記蓄熱熱交換
    器を介して前記蓄熱材に蓄熱する蓄熱槽と、前記蓄熱槽
    に蓄熱された冷熱または温熱が供給される負荷装置とを
    備える冷凍空調装置において、前記熱伝達媒体として非
    共沸混合冷媒を用いたときと、単一冷媒または共沸冷媒
    または前記非共沸混合冷媒とは異なる非共沸混合冷媒を
    用いたときのいずれにおいても、前記蓄熱熱交換器入口
    部での前記熱伝達媒体の温度と前記蓄熱材の温度との温
    度差を入口部温度差とし、前記蓄熱熱交換器出口部での
    前記熱伝達媒体の温度と前記蓄熱材の温度との温度差を
    出口温度差とし、前記入口部温度差と前記出口部温度差
    の割合が所定範囲となるような冷媒圧力損失を有するよ
    うに前記蓄熱熱交換器を構成したことを特徴とする冷凍
    空調装置。
  7. 【請求項7】 蓄熱熱交換器入口部での熱伝達媒体の温
    度と蓄熱材の温度との温度差である入口部温度差と、前
    記蓄熱熱交換器出口部での前記熱伝達媒体の温度と前記
    蓄熱材の温度との温度差である出口部温度差のうち、大
    きい方の値をΔTmax、小さい方の値をΔTminと
    したとき、温度差の割合ΔTmin/ΔTmaxが、 ΔTmin/ΔTmax>0.5 を満足するような冷媒圧力損失を有するように前記蓄熱
    熱交換器を構成したことを特徴とする請求項または請
    求項記載の冷凍空調装置。
  8. 【請求項8】 蓄熱槽は、蓄熱材の融解潜熱を利用して
    冷熱を蓄熱するものとし、蓄熱熱交換器入口部での蓄熱
    材の温度と前記蓄熱熱交換器出口部での前記蓄熱材の温
    度として、前記蓄熱材の凝固温度を用いることを特徴と
    する請求項または請求項または請求項記載の冷凍
    空調装置。
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