JP2799251B2 - 潜熱蓄熱剤 - Google Patents
潜熱蓄熱剤Info
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Description
熱を特定の一定温度の冷熱として取り出せる潜熱蓄熱剤
に関する。
行う媒体として、エチレングリコール、プロピレングリ
コール、塩化カルシウム、塩化ナトリウムなどの水溶液
が、いわゆるブラインとして使用されている。
び熱伝導を行うために、使用にあたり大量のブラインを
必要とする。そのため、ブライン槽が大容量になり、こ
のブラインを用いた蓄熱システムは、大型になる。
して、例えば特開昭62−62192号公報に記載の構
成が知られている。この蓄熱方法では、潜熱蓄熱剤とし
て、塩化ナトリウムなどの水の凝固点降下剤を水に溶解
させた水溶液を使用し、この水溶液における凝固点降下
剤の濃度は、水との共晶濃度以下になるように調整され
ている。そして、潜熱を蓄熱して凍結した潜熱蓄熱剤が
融解する時に、放出される潜熱を冷熱として利用してい
る。
62−62192号公報に記載の従来の潜熱蓄熱剤で
は、水溶液中の凝固点降下剤の濃度は、共晶濃度以下に
調節されていて、特に共晶濃度では、理論的にはそれぞ
れ特定の一定温度の凝固および融解潜熱が得られる。
融解過程において、この潜熱蓄熱剤の温度が一定に保持
されにくく、潜熱を特定の一定温度の冷熱として得られ
ないことが多い。
剤との共晶固体が融解する際、氷は水になるとともに、
凝固点降下剤の結晶は水に溶解していくが、この凝固点
降下剤の結晶の溶解速度が小さいと、凝固点降下剤の結
晶が水に解けずに残ることになる。このため、共晶固体
が融解しにくくなり、潜熱が一定の温度で放出されない
ので、この潜熱蓄熱剤の温度が上昇して、潜熱が特定の
一定温度の冷熱として得られないことになる。特に、凝
固点降下剤の共晶濃度が高い潜熱蓄熱剤においては、顕
著になる。
たもので、潜熱を0℃未満の特定の一定温度の冷熱とし
て長時間にわたって取り出すことのできる潜熱蓄熱剤を
提供することにある。
水の凝固点降下剤と水とからなる凝固点降下剤水溶液で
あって、前記凝固点降下剤の濃度は、前記水との共晶濃
度が70%以上98%以下となる濃度に設定されたもの
である。
とからなる凝固点降下剤水溶液で、この凝固点降下剤の
濃度が、水との共晶濃度の70%以上98%以下となっ
ているので、潜熱蓄熱剤の凍結過程において、凝固点降
下剤水溶液は、潜熱を0℃未満の特定の一定温度で蓄熱
して凍結し、氷と凝固点降下剤の結晶とからなる共晶固
体になる。次に、凍結した潜熱蓄熱剤の融解過程におい
て、潜熱を放出する際、凝固点降下剤の凝固点降下剤水
溶液中の濃度が、共晶濃度よりも低いので、共晶固体が
融解して共晶固体の氷が水になるとともに、この共晶固
体の凝固点降下剤の結晶が速い溶解速度で水に溶解して
いくので、この共晶固体の融解が円滑に進行する。この
ため、凝固点降下剤水溶液の潜熱を冷熱として取り出す
ことのできる特定の一定温度の持続時間を、長くとるこ
とができる。
度の70%未満では、凝固点降下剤水溶液の凍結、融解
温度がそれぞれ特定の一定温度にならないので、潜熱を
一定温度の冷熱として得ることができなくなるととも
に、特定の一定の融解温度での持続時間が短くなる。ま
た、凝固点降下剤の濃度が水との共晶濃度の98%を越
える場合では、凍結した凝固点降下剤水溶液の共晶固体
が融解する際、この共晶固体の融解に伴う凝固点降下剤
の結晶の水への溶解速度が小さいため、この凝固点降下
剤の結晶が水に溶解せずに残り、この共晶固体が融解し
にくくなって一定の温度で潜熱が放出されなくなるの
で、この潜熱を特定の一定温度の冷熱として取り出すこ
とのできる時間が短くなり、共晶濃度の水溶液からは、
潜熱を特定の一定温度の冷熱として長時間にわたって有
効に取り出すことができない。したがって、凝固点降下
剤の濃度が水との共晶濃度の70%以上98%以下にす
る。
び図面を参照して説明する。
と水とからなり、水に凝固点降下剤を溶解した凝固点降
下剤水溶液である。そして、この凝固点降下剤の濃度
は、水との共晶濃度の70%以上98%以下に調整され
ている。
の凝固開始温度と融解開始温度との温度差が小さいもの
であり、例えば、塩化ナトリウム、塩化カルシウム、塩
化カリウムなどの塩化物、臭化ナトリウムなどの臭化物
などのハロゲン化物、燐酸3アルカリ塩、燐酸2アルカ
リ塩、燐酸1アルカリ塩などの燐酸塩、硝酸ナトリウ
ム、硝酸カリウムなどの硝酸塩、硫酸ナトリウムなどの
硫酸塩、炭酸カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナト
リウムなどの炭酸塩、酢酸ナトリウムなどの酢酸塩など
の塩類、グリシン、尿素、グリセリンなどから一種類を
選択して、凝固点降下剤として用いている。
ぞれ固有の共晶点を持っているので、各凝固点降下剤の
うち数種について共晶濃度および共晶温度を表1に示
す。
化ナトリウム、塩化カリウムの各水溶液である凝固点降
下剤水溶液を潜熱蓄熱剤として、潜熱の蓄熱および放熱
を行った場合の凝固融解特性を、図1および表2に示
す。なお、比較のために、同時に、硝酸ナトリウム、塩
化ナトリウム、塩化カリウムのそれぞれの共晶濃度の水
溶液を潜熱蓄熱剤として潜熱の蓄熱および放熱を行った
場合の凝固融解特性を示す。なお、表2における融解温
度持続時間は、潜熱を放熱している時間として、凍結し
た各水溶液の融解開始温度よりこの水溶液の温度が1℃
上昇するのに要する時間として定義されている。
リウムの濃度が共晶濃度の93%になっている。そし
て、潜熱の蓄熱を開始する凍結開始温度は、−20.9
℃となり、一方、この潜熱の放熱を開始する融解開始温
度は、−21.0℃となる。そして、潜熱を約21.0
℃の冷熱として取り出すことができる融解過程におい
て、融解温度持続時間が、2.5時間となり、比較例1
の共晶濃度の硝酸ナトリウム水溶液に比べて略2.5倍
に延長される。
は、塩化ナトリウムの濃度が共晶濃度の83%になって
いる。そして、潜熱の蓄熱を開始する凍結開始温度は、
−19.0℃となり、一方、この潜熱の放熱を開始する
融解開始温度は、−20.5℃となる。そして、潜熱を
約20.5℃の冷熱として取り出すことができる融解過
程において、融解温度持続時間が、2.4時間となり、
比較例2の共晶濃度の塩化ナトリウム水溶液に比べて略
2.7倍に延長される。
は、塩化カリウムの濃度が共晶濃度の86%になってい
る。そして、潜熱の蓄熱を開始する凍結開始温度は、−
10.0℃となり、一方、この潜熱の放熱を開始する融
解開始温度は、−10.7℃となる。そして、潜熱を約
10.0℃の冷熱として取り出すことができる融解過程
において、融解温度持続時間が、2.6時間となり、比
較例3の共晶濃度の塩化カリウム水溶液に比べて略2.
6倍に延長される。
とからなる2成分系は、この凝固点降下剤の水に対する
共晶濃度が、凝固点降下剤の水に対する飽和濃度と略同
じ濃度になっている。
熱剤から、潜熱を特定の一定温度の冷熱として取り出す
ためには、蓄熱して水溶液が凍結した氷と凝固点降下剤
の結晶とからなる共晶固体が融解する際に、氷は水にな
ると同時に、凝固点降下剤の結晶が水に円滑に溶解して
いくことが必要になっている。
液は、凝固点降下剤の濃度が、共晶濃度の70%以上9
8%以下に調整され、いずれも飽和濃度よりも低濃度な
ので、凝固点降下剤の結晶が水に溶解していく溶解速度
が速くなっている。このため、共晶固体が融解する際、
凝固点降下剤の結晶が水に溶解せずに残ることを防いで
いる。
時、共晶固体が融解する際は、常に凝固点降下剤の結晶
が水に溶解していくので、この潜熱を特定の一定温度の
冷熱として取り出すことができる融解温度持続時間を、
長くとることができる。従って、長時間にわたって特定
の一定温度の冷熱を安定して効率良く取り出すことがで
きる。
の70%未満となる水溶液の場合、この水溶液の凍結、
融解温度がそれぞれ特定の一定温度にならないので、潜
熱を一定温度の冷熱として得ることができなくなるとと
もに、潜熱を特定の一定温度の冷熱として取り出すこと
のできる時間が短くなる。
の98%を越える水溶液の場合、凍結した凝固点降下剤
水溶液の共晶固体が融解する際、この共晶固体の融解に
伴う凝固点降下剤の結晶の水への溶解速度が小さいた
め、この凝固点降下剤の結晶が水に溶解せずに残る。こ
のため、この共晶固体が融解しにくくなり、一定の温度
で潜熱が放出されなくなるので、この潜熱を特定の一定
温度の冷熱として取り出すことのできる時間が短くな
る。従って、共晶濃度の水溶液からは、潜熱を特定の一
定温度の冷熱として長時間にわたって有効に取り出すこ
とができない。
下剤の水溶液中の濃度は70%以上98%以下としてい
るが、好ましくは80%以上95%以下とすれば、さら
に、潜熱を、特定の一定温度の冷熱として、長時間にわ
たり、有効に取り出すことができる。従って、例えば塩
化ナトリウムの場合、水溶液中の濃度は、16.8%以
上23.5%以下としているが、好ましくは19.2%
以上22.8%以下にすると、さらに、潜熱を特定の一
定温度の冷熱として長時間にわたって有効に取り出すこ
とができる。
じて凝固点降下剤の他に防蝕剤や防バイ剤などを添加し
ても良い。
に溶解した凝固点降下剤水溶液における凝固点降下剤の
濃度を、凝固点降下剤水溶液の凍結および融解温度がそ
れぞれ特定の一定温度になって潜熱を一定温度の冷熱と
して得られ、かつ、共晶固体の溶融の際に凝固点降下剤
の結晶が水へ溶解する速度が速くなる共晶濃度の70%
以上98%以下に設定したため、凝固点降下剤の濃度が
凝固点降下剤の水との飽和濃度よりも低濃度となり、蓄
熱して凍結した凝固点降下剤水溶液が融解する際、凝固
点降下剤の結晶が水に溶解していく溶解速度を速くする
ことができ、この凝固点降下剤の結晶が水に溶解せずに
残ることを防ぐことができる。このため、凍結した凝固
点降下剤水溶液の融解にともない放熱される潜熱を、特
定の一定温度の冷熱として、長時間にわたって安定して
効率良く取り出すことができる。
の蓄熱および放熱を行った場合の凝固融解特性図であ
る。
Claims (1)
- 【請求項1】 水の凝固点降下剤と水とからなる凝固点
降下剤水溶液であって、前記 凝固点降下剤の濃度は、前記水との共晶濃度が70
%以上98%以下となる濃度に設定されたことを特徴と
した潜熱蓄熱剤。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3038398A JP2799251B2 (ja) | 1991-03-05 | 1991-03-05 | 潜熱蓄熱剤 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3038398A JP2799251B2 (ja) | 1991-03-05 | 1991-03-05 | 潜熱蓄熱剤 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH04277589A JPH04277589A (ja) | 1992-10-02 |
JP2799251B2 true JP2799251B2 (ja) | 1998-09-17 |
Family
ID=12524186
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP3038398A Expired - Fee Related JP2799251B2 (ja) | 1991-03-05 | 1991-03-05 | 潜熱蓄熱剤 |
Country Status (1)
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---|---|
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---|---|---|---|---|
JP2006321989A (ja) * | 2005-04-19 | 2006-11-30 | Sanyo Chem Ind Ltd | 液体殺菌洗浄剤 |
JP4835909B2 (ja) * | 2005-07-07 | 2011-12-14 | トヨタ自動車株式会社 | 熱交換用液媒体組成物 |
GB201803841D0 (en) * | 2018-03-09 | 2018-04-25 | Sunamp Ltd | Heat pumps |
Family Cites Families (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS5993780A (ja) * | 1982-11-20 | 1984-05-30 | Mitsubishi Electric Corp | 蓄熱材 |
JPS6312684A (ja) * | 1986-07-02 | 1988-01-20 | Nippon Light Metal Co Ltd | 蓄冷剤組成物 |
-
1991
- 1991-03-05 JP JP3038398A patent/JP2799251B2/ja not_active Expired - Fee Related
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JPH04277589A (ja) | 1992-10-02 |
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