JPS6312684A - 蓄冷剤組成物 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ この発明は、例えばアルミニウム製等の金属容器に封入
されて蓄冷体として使用されるもので、主として生鮮食
利晶等の被貯蔵物を氷温帯域あるいはパーシャルフリー
ジング帯域で輸送する際に使用される蓄冷剤組成物に関
する。

［従来の技術］ 従来より、食品関連分野では生鮮食お１品の「高鮮度輸
送」なるテーマが広く検討されており、そのうち氷温帯
域Ｏ〜−３℃での氷温輸送やパーシャルフリージング帯
域−２〜−４℃でのパーシャルフリージング輸送が最も
「高鮮度輸送」を実現できるものとして注目されている
。そして、この氷温輸送やパーシャルフリージング輸送
を実現するため、冷蔵車や冷蔵コンテナを適当な温度に
設定して行う冷蔵輸送や金属容器に蓄冷剤を封入してな
る蓄冷体を搭載あるいは収容した保冷車や保冷用断熱容
器を使用して冷却したものを保冷しながら輸送する保冷
輸送が行われている。

しかしながら、冷蔵輸送においては、たとえ庫内に冷気
の循環装置を設けたとしても庫内体積が大きくなるにつ
れて庫内温度分布も大きくなり、庫内全体を最適な温度
帯域に維持するのが極めて困難になるほか、冷気の循環
を良くして庫内全体を最適な温度帯域に維持しようとす
ると輸送コストが極めて高くなるほか、そのための装置
が嵩張つて輸送効率が著しく低下するという問題がおり
、また、保冷輸送においては、輸送コストや輸送効率に
ついては問題がないが、氷温帯域やパージ！？ルフリー
ジング帯域の温度を精度よく維持することができる蓄冷
剤が未だ具体化されておらず、充分に満足し得る「高鮮
度輸送」をすることができないという問題があった。

［発明が解決しようとする問題点１ 本発明は、かかる観点に鑑みて創案されたもので、その
目的とするところは高鮮度輸送を実現できる氷温帯域や
パーシャルフリージング帯域の温度を精度良く維持する
ことができる蓄冷剤組成物を提供することにある。

［問題点を解決するための手段］ すなわち、本発明は、濃度３．０〜６．３重量％の炭酸
水素ナトリウム水溶液にアルコール類及び糖類から選択
された１種又は２種以上の混合物を０．１〜１０重量％
の範囲内で溶解した蓄冷剤組成物でおる。

本発明において使用する炭酸水素ナトリウム水溶液は、
その濃度が３．０〜６．３車六９もの範囲内であること
が必要で必り、好ましくは４．０〜６．３小母％の範囲
内である。炭酸水素ナトリウム水溶液の温度が３．０重
量％より低いと、炭鼠水索ナトリウムと水との共晶によ
る一定温度の維持効果を十分に利用できなく、また、そ
の濃度が６．３重量％より高いと、凍結点が高くなって
経済的に問題であるし、また、炭酸水素ナトリウムのス
ラリーが生成して系の均一化が乱れ、例えばアルミニウ
ム容器を使用した場合その腐蝕性の問題が生じる。

また、この炭酸水素ナトリウム水溶液に添加するアルコ
ール類及び糖類としては、例えば、エチルアルコール、
プロピレングリコール、グリセリン、蔗糖、果糖等のも
のを挙げることができ、これらのアルコール類及び糖類
についてはその１種のみを使用できるほか、２種以上の
混合物を使用することもできる。その使用量については
、通常０．１〜１０重量％、好ましくは２〜８重量％の
範囲内である。使用量が０．１重量％より少ないと凍結
時の凍結状態が硬い強固な固体となり、急冷時に蓄冷体
封入容器の破壊を生じ易いという問題があり、また、１
０重岳％より多いと炭酸水素ナトリウムと水との共晶現
象が発現し雑くなり、凍結点の調節ができなくなるとい
う問題が生じる。

なお、本発明の蓄冷剤組成物には、カルボキシメチルセ
ルロース等の増粘剤や、パラオキシ安息香酸ソーダ等の
防腐剤や、′ＷＡ酸カリウム、ポリ燐酸ブトリウム、硅
酸ナトリウム、メタ硅酸ナトリウム、水ガラス等の腐蝕
防止剤や、青色１号等の着色剤等をその目的の範囲内で
少♀添加することができる。

本発明の蓄冷剤組成物は、アルミニウム製等の金属容器
に封入され蓄冷体として種々の用途に使用できるもので
あるが、氷温帯域やパーシャルフリージング帯域の温度
に維持するのに適したものであるから、特に生鮮食料品
等の被貯蔵物を氷温帯域あるいはパーシャルフリージン
グ帯域で輸送する際に使用する蓄冷体の用途に好適であ
る。

［作用〕 炭酸水素ナトリウム水溶液は濃度６．２６重量％の時に
−２，３３°Ｃの共晶を示し、これより濃度が低いと濃
度が６．２６臣量％になるまで液中の水分のみが凍結し
、濃度が６．２６重呈％に達すると共晶を形成しながら
全体が凍結する。このため、本発明の蓄冷剤組成物はそ
の氷結点が−２〜−５°Ｃの氷温帯域あるいはパーシャ
ルフリージング帯域の′ｆＡ度を精度良く示すと考えら
れる。

［実施例］ 以下、実施例及び比較例に基いて、本発明の蓄冷剤組成
物を具体的に説明する。

実施例１〜１１及び比較例１ 第１表に示す濃度の炭酸水素ナトリウム水溶液に第１表
に示すアルコール類又は糖類あるいは腐蝕防止剤を第１
表に示す濃度で添加し、全体を均一に溶解して蓄冷剤組
成物を調製した。得られた各実施例の蓄冷剤組成物につ
いて、精度の良い校正した棒状白金センサーを蓄冷剤組
成物中に浸漬したまま冷凍庫で凍結させ、その間の温度
を測定するという方法でその氷結温度を測定すると共に
、−１５℃で６時間及び＋４０’Ｃで８時間を１日１回
合計８０回繰返し冷却及び加熱するという方法でアルミ
ニウム製容器に対する腐蝕性を調べ、また、凍結体の表
面をスパーチルで引掻いたりほじったりする方法で硬さ
を見たり、凍結前に対する凍結後の体積膨張を測定する
という方法で凍結状態を観察した。結果を第１表に示す
。

比較例２ プロピレングリコール４重量％、パラオキシ安息香酸ブ
チル０．０５重量％及び青色１号０．０３３重丸の水溶
液からなる蓄冷剤組成物を調製し、上記各実施例と同様
に、その氷結温度、腐蝕性及び凍結状態を調べた。結果
を第１表に示す。

比較例３ プロピレングリコール４重量％、塩化ナトリウム３重量
％、パラオキシ安息香酸ブチル０．０５ｆｆｌｆｆ１％
及び青色１＠０．０３３重丸の水溶液からなる蓄冷剤組
成物を調製し、上記各実施例と同様に、その氷結温度、
腐蝕性及び凍結状態を調べた。

結果を第１表に示す。

試験例１（凍結曲線の測定） 上記実施例２及σ比較例１〜３の各蓄冷剤組成物につい
て、その凍結曲線を測定した。結果を第１図に示す。

この第１図によれば、比較例１の蓄冷剤組成物には凍結
時の凍結状態が硬く強固であって、急冷時に蓄冷剤組成
物を封入する容器が破壊され易いという問題があり、比
較例２の蓄冷剤組成物には−０，８°Ｃに氷結温度が存
在して一部氷温帯域をイ１するが、共晶現象がなくて一
定温度域がないという問題があり、また、比較例３の蓄
冷剤組成物には−５，１°Ｃに氷結温度が存在するが、
共晶を示さないために一定温度を精度良く保つことがで
きないという問題があるのに対し、実施例２の蓄冷剤組
成物には、−３，０℃に氷結温度が存在し、共晶を示し
てこの温度で長時間精度良く維持されるという特長があ
ることがわかる。

試験例２（温度保持性能の測定） 円筒状の２５０Ｉ７！ｊ２アルミニウム製容器に実施例
２及び比較例１〜３の各蓄冷剤組成物２００ｄを封入し
て蓄冷体を調製し、大きざ４５０ｍ／ｍｘ３５０ｎ／ｍ
　ｘ　４００ｎ／ｍの断熱容器（アルミニウム製断熱カ
バー付保冷ボックス（日本軽金属（体製商品名：ＣＫＣ
１Ａ＞に上記蓄冷体をそれぞれ１０本収納し、雰囲気温
度２０℃の室内に静置して断熱容器内温度の変化を測定
した。結果を第２゛図に示す。

比較例１では温度帯域としては良好な値を示すが、蓄冷
剤組成物の凍結時に容器破壊の虞があるという問題があ
り、比較例２では湿度がやや高すぎるという問題があり
、また、比較例３では氷温帯域あるいはパーシャルフリ
ージング帯域の温度が精度良く維持されないのに対し、
実施例２では断熱容器内が氷温帯域あるいはパーシャル
フリージング帯域の温度に精度良く維持されていること
がわかる。

［発明の効果］ 本発明の蓄冷剤組成物は、氷温帯域おるいはパーシャル
フリージング帯域の温度を精度良く維持することができ
るので、これを金属容器に封入して蓄冷体として使用す
ることにより簡便かつ安価に高鮮度輸送を実現できるも
のである。

【図面の簡単な説明】

第１図は実施例２及び比較例１〜３の凍結曲線を示すグ
ラフ図、第２図は実施例２及び比較例１〜３の温度保持
性能を示１グラフ図である。

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. （１）濃度３．０〜６．３重量％の炭酸水素ナトリウム
   水溶液にアルコール類及び糖類から選択された１種又は
   ２種以上の混合物を０．１〜１０重量％の範囲内で溶解
   したことを特徴とする蓄冷剤組成物。
2. （２）アルコール類がエチルアルコール、プロピレング
   リコール又はグリセリンであり、糖類が蔗糖又は果糖で
   ある特許請求の範囲第１項記載の蓄冷剤組成物。