JP2666884B2 - アンチフリーズ蛋白質を使用した冷熱輸送方法及び装置 - Google Patents

アンチフリーズ蛋白質を使用した冷熱輸送方法及び装置

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JP2666884B2
JP2666884B2 JP6232303A JP23230394A JP2666884B2 JP 2666884 B2 JP2666884 B2 JP 2666884B2 JP 6232303 A JP6232303 A JP 6232303A JP 23230394 A JP23230394 A JP 23230394A JP 2666884 B2 JP2666884 B2 JP 2666884B2
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ice
liquid
protein
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ice slurry
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彰 矢部
グランダム スベイン
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工業技術院長
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は低温の熱を輸送する方法
及び装置に関し、更に詳しくは氷をスラリー状とし、該
スラリー状となった氷を配管を介して流動輸送する方法
及び装置に関する。
【0002】
【従来の技術】低温の熱(以下、冷熱という)を他の場
所に輸送するには、該冷熱を一旦水等の液体に与えて液
体を低温とし、この低温となった液体を配管を介して流
動輸送する方法が採られている。ところが、液体を低温
として冷熱輸送するシステムは、低温液体によって輸送
される冷熱量がその比熱分しかないので、輸送される冷
熱量としては余り大きくない。
【0003】輸送される冷熱量を増大させるには、該冷
熱量を液体が凝固する際に吸収する凝固熱の形に一旦変
換し、凝固した液体を輸送すると良い。一般には、冷熱
によって水を凍らせて一旦氷を作り、該氷を輸送する方
法が採られているのが現状である。
【0004】ところが、氷を輸送するにはブロック状と
なった氷塊を輸送する必要があり、冷却された液体を配
管で輸送するような簡単な輸送方法がない。そこで、従
来は、小さな氷粒からなる氷スラリーを作り、該氷スラ
リーを配管を介して輸送する方法が採られている。上記
従来使用されている氷スラリーは、純水を過冷却したと
きに得られるものであるが、氷を掻き砕いて作る場合も
ある。
【0005】
【発明の解決しようとする課題】ところが、前記従来公
知の氷スラリーの輸送方法では、以下のような問題点が
あった。すなわち、純水を急激に過冷却する装置が必要
であるため、装置全体が大型化する上、高コストとなっ
てしまう。又、氷スラリーを形成している氷粒どうしが
互いに結合しないように、氷スラリーの温度を一定の範
囲に制御する必要があるため、氷スラリーの取り扱いが
困難である。又、氷を機械的に掻き砕いて氷スラリーを
製造するには、その掻き砕くための装置が必要となり、
装置全体が更に大型化し、かつ高コスト化してしまう。
【0006】そこで、本発明の目的は、前記従来公知の
氷スラリーによる冷熱輸送の欠点を改善し、簡単な装置
で、かつ格別の制御も必要としないで氷スラリーを輸送
する方法及び装置を提供するにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明の特徴とするとこ
ろは、以下の構成にある。すなわち、アンチフリーズ蛋
白質を添加した液体を冷却して氷スラリーを生成し、該
氷スラリーを配管及びポンプによって所定の場所に輸送
することを特徴とするアンチフリーズ蛋白質を使用した
冷熱輸送方法及び装置。
【0008】更に、本発明の他の特徴とするところは、
前記アンチフリーズ蛋白質を使用した冷熱輸送方法及び
装置において、アンチフリーズ蛋白質を添加した液体
に、氷核細菌を添加してなることを特徴とするものであ
る。
【0009】
【作用】本発明によると、アンチフリーズ蛋白質が微細
な針状の氷スラリーを生成させるので、この氷スラリー
を配管で輸送するものである。
【0010】
【実施例】以下、本発明の一実施例について説明する。
北極や南極の近くに棲む魚類は、ある種の蛋白質が血液
の凍る温度を低下させているため、低温の中でも生きら
れる。これらの蛋白質は、アンチフリーズ蛋白質(An
tifreeze proteins)として多数の種
類が知られてきている。このアンチフリーズ蛋白質は、
氷の結晶表面と結び付いて結晶の成長を妨げる作用をし
ていることが分かってきた。
【0011】本発明者らは、アンチフリーズ蛋白質を添
加した水を低温として凍らせた場合に、どのような現象
が生ずるかを実験した結果、微細な多数の針状の氷粒が
生成されていることを発見した。すなわち、アンチフリ
ーズ蛋白質を利用すると、多数の微細な針状氷粒からな
る氷スラリーが得られることが分かった。
【0012】アンチフリーズ蛋白質は、氷の結晶が成長
する方向を一方向にのみ制限する作用を行っているもの
と思われ、その結果、針状に伸びた氷の結晶はある程度
の長さまで成長すると折れてしまい、微細な針状氷粒か
らなる氷スラリーとなっているものと思われる。従っ
て、アンチフリーズ蛋白質を使用した氷スラリーは、そ
の成長過程や生成後に互いに結合することもないことが
分かった。
【0013】以下、図によって本発明の冷却システムに
ついて説明する。図1は、本発明の一実施例になる冷却
システムを示す概略系統図である。図1を参照して、ア
ンチフリーズ蛋白質を添加した液体を配管1内に封入
し、循環ポンプ2で循環させる。冷熱発生部3(冷凍機
等)で放熱し、氷スラリー状となった液体は循環ポンプ
で送られ、冷却部4で吸熱して該冷却部4を低温に冷却
する。冷却部4で放熱した液体は再度冷熱発生部3に戻
され、再度氷スラリー状となって循環される。
【0014】図2は、本発明の他の実施例になる蓄冷装
置を示す系統図である。図2を参照して、冷熱発生部1
1にはタンク12が設けられており、該タンク12には
アンチフリーズ蛋白質が添加された液体が収容されてい
る。該液体は冷熱発生部11で放熱し、氷スラリー状と
なる。この氷スラリー状となった液体を配管13を介し
てポンプ14で輸送し、蓄冷部15に備蓄する。備蓄部
15に備蓄された氷スラリー状の液体は、他のポンプ1
6によって冷却を必要とする所定の冷却部17へ輸送さ
れる。
【0015】上記実施例において、冷熱発生部3、11
は、従来の純水を用いるシステムでは急速に冷凍する冷
熱発生部の構造とする必要があるが、本発明ではアンチ
フリーズ蛋白質の作用によって氷スラリーを作るので急
速冷凍の必要はない。又、氷を掻き砕いて氷スラリーを
作る別個の装置も必要としない。
【0016】以上の実施例において、アンチフリーズ蛋
白質に加えて氷核細菌を添加し、該氷核細菌によって氷
の生成を補助すると一層効果的なものとなる。尚、この
氷核細菌については、人工雪の製造装置等で既に使用さ
れ、公知のものであるからその説明は省略する。
【0017】
【発明の効果】以上に説明した本発明による効果を列挙
すると、以下のとおりである。従来のような、純水を急
激に過冷却する装置が必要でないため、装置全体が簡素
化、小型化され、低コストとなる。又、従来の純水によ
る氷スラリーでは氷粒どうしが互いに結合しないように
氷スラリーの温度を一定の範囲に制御する必要がある
が、本発明によるとそのような精密な温度管理が不要で
あるため、氷スラリーの取り扱いが簡単である。氷核細
菌を使用すると、氷スラリーの生成が一層促進され、能
率的である。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明の一実施例になる冷却システム
を示す概略系統図である。
【図2】図2は、本発明の他の実施例になる蓄冷装置を
示す系統図である。
【符号の説明】
1 配管 2 循環ポンプ 3 冷熱発生部 4 冷却部 11 冷熱発生部 12 タンク 13 配管 14 ポンプ 15 蓄冷部 16 ポンプ 17 冷却部

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】アンチフリーズ蛋白質を添加した液体を冷
    却して氷スラリーを生成し、該氷スラリーを配管及びポ
    ンプによって所定の場所に輸送することを特徴とするア
    ンチフリーズ蛋白質を使用した冷熱輸送方法。
  2. 【請求項2】アンチフリーズ蛋白質を添加した液体と、
    アンチフリーズ蛋白質を添加した液体を輸送する配管
    と、該配管に設置されたポンプと、前記アンチフリーズ
    蛋白質を添加した液体を冷却して氷スラリーを生成させ
    る冷熱発生部と、からなり、前記ポンプで氷スラリーを
    所定の場所に輸送することを特徴とするアンチフリーズ
    蛋白質を使用した冷熱輸送装置。
  3. 【請求項3】アンチフリーズ蛋白質を添加した液体に、
    氷核細菌を添加してなることを特徴とする請求項1記載
    のアンチフリーズ蛋白質を使用した冷熱輸送方法。
  4. 【請求項4】アンチフリーズ蛋白質を添加した液体に、
    氷核細菌を添加してなることを特徴とする請求項2記載
    のアンチフリーズ蛋白質を使用した冷熱輸送装置。
JP6232303A 1994-09-01 1994-09-01 アンチフリーズ蛋白質を使用した冷熱輸送方法及び装置 Expired - Lifetime JP2666884B2 (ja)

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JPH0276595A (ja) * 1988-09-14 1990-03-15 Hitoshi Obata 氷核活物質の製法
JPH05346243A (ja) * 1991-12-27 1993-12-27 Kansai Electric Power Co Inc:The 氷蓄熱システム

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