JP2006321989A - 液体殺菌洗浄剤 - Google Patents
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Abstract
【課題】 −5〜0℃で凝固しない液体殺菌洗浄剤を提供する。
【解決手段】 苛性アルカリ(A)、次亜塩素酸塩(B)、カルボン酸ポリマー(C)、無機塩(D)及び水性媒体(E)を混合して製造され、苛性アルカリ(A)、次亜塩素酸塩(B)、カルボン酸ポリマー(C)、無機塩(D)及び水性媒体(E)の重量に基づいて、苛性アルカリ(A)の使用量が0.5〜10重量%、次亜塩素酸塩(B)の使用量が0.1〜12.6重量%、カルボン酸ポリマー(C)の使用量が0.1〜5重量%、無機塩(D)の使用量が0.5〜8重量%、水性媒体(E)の使用量が64.4〜98.8重量%であることを特徴とする液体殺菌洗浄剤を用いる。
【選択図】なし
【解決手段】 苛性アルカリ(A)、次亜塩素酸塩(B)、カルボン酸ポリマー(C)、無機塩(D)及び水性媒体(E)を混合して製造され、苛性アルカリ(A)、次亜塩素酸塩(B)、カルボン酸ポリマー(C)、無機塩(D)及び水性媒体(E)の重量に基づいて、苛性アルカリ(A)の使用量が0.5〜10重量%、次亜塩素酸塩(B)の使用量が0.1〜12.6重量%、カルボン酸ポリマー(C)の使用量が0.1〜5重量%、無機塩(D)の使用量が0.5〜8重量%、水性媒体(E)の使用量が64.4〜98.8重量%であることを特徴とする液体殺菌洗浄剤を用いる。
【選択図】なし
Description
本発明は、液体殺菌洗浄剤に関する。
従来、液体殺菌洗浄剤として、苛性アルカリおよび次亜塩素酸塩を含有する液体殺菌洗浄剤が知られており、搾乳装置用の液体殺菌洗浄剤としては、苛性アルカリ0.02〜20重量%、次亜塩素酸塩0.05〜12重量%、およびカルボン酸系ポリマー0.01〜5重量%、残部水からなる液体殺菌洗浄剤(特許文献1)が知られている。
特開平6−220496号公報
しかし、従来の液体殺菌洗浄剤は、−5〜0℃で凝固するため、寒冷地(気温が−5〜0℃になる場所)で保管又は輸送すると凝固する。したがって、寒冷地では保管温度を高くする、又は一度凝固したものを融解して使用する等の対応が必要となるため、使用しにくいという問題がある。本発明は、−5〜0℃でも凝固しない液体殺菌洗浄剤を提供することを目的とする。
本発明の液体殺菌洗浄剤の特徴は、苛性アルカリ(A)、次亜塩素酸塩(B)、カルボン酸ポリマー(C)、無機塩(D)及び水性媒体(E)を混合して製造され、苛性アルカリ(A)、次亜塩素酸塩(B)、カルボン酸ポリマー(C)、無機塩(D)及び水性媒体(E)の重量に基づいて、苛性アルカリ(A)の使用量が0.5〜10重量%、次亜塩素酸塩(B)の使用量が0.1〜12.6重量%、カルボン酸ポリマー(C)の使用量が0.1〜5重量%、無機塩(D)の使用量が0.5〜8重量%、水性媒体(E)の使用量が64.4〜98.8重量%であることを要旨とする。
本発明の液体殺菌洗浄剤は、−5〜0℃で凝固しないため、寒冷地で保管又は輸送しても凝固することがなく、寒冷地での使用に好適である。
苛性アルカリ(A)としては、苛性ソーダ(水酸化ナトリウム)、苛性カリ(水酸化カリウム)、水酸化リチウムおよびこれらの併用が挙げられる。コスト等の観点から、苛性ソーダ及び苛性カリが好ましく、さらに好ましくは苛性ソーダである。
苛性アルカリ(A)の使用量(重量%)は、苛性アルカリ(A)、次亜塩素酸塩(B)、カルボン酸ポリマー(C)、無機塩(D)及び水性媒体(E)の重量に基づいて、0.5〜10が好ましく、さらに好ましくは1〜8、特に好ましくは2〜5である。この範囲であると、殺菌性が長時間持続する上に、油脂汚れの洗浄性がさらに優れる。
苛性アルカリ(A)は、液体殺菌洗浄剤中で、ほとんど完全にイオンに解離する。例えば、苛性ソーダはナトリウムイオンと水酸化物イオンとに解離し、苛性カリはカリウムイオンと水酸化物イオンとに解離している。
次亜塩素酸塩(B)としては、次亜塩素酸ソーダ塩(次亜塩素酸ナトリウム塩)、次亜塩素酸カリウム塩およびこれらの併用が挙げられる。殺菌性及びコスト等の観点から、次亜塩素酸ソーダ塩が好ましい。
次亜塩素酸塩(B)の使用量(重量%)は、苛性アルカリ(A)、次亜塩素酸塩(B)、カルボン酸ポリマー(C)、無機塩(D)及び水性媒体(E)の重量に基づいて、0.1〜12.6が好ましく、さらに好ましくは1.1〜10.5、特に好ましくは4.1〜9.5である。この範囲であると、殺菌効果が優れるとともに、低コストで製造できる。
次亜塩素酸塩(B)は、液体殺菌洗浄剤中で、ほとんど完全にイオンに解離する。例えば、次亜塩素酸ナトリウム塩の場合、ナトリウムイオンと次亜塩素酸イオンとに解離し、次亜塩素酸カリウム塩はカリウムイオンと次亜塩素酸イオンとに解離する。このようにして水溶液中に生じた次亜塩素酸イオン(ClO-)は優れた殺菌効果を有するが、水溶液中ではさらに分解し、濃度が徐々に低下することが知られている(例えば、化学大事典4、「次亜塩素酸塩」の欄、共立出版株式会社、昭和38年10月15日発行)。また、次亜塩素酸イオンの濃度が高い程、殺菌性に優れる傾向がある。
次亜塩素酸イオンの濃度は、有効塩素(%)として、JIS L0844:2005の附属書1に記載の方法で測定できる。
本発明の液体殺菌洗浄剤の有効塩素(%)は、0.1〜12が好ましく、さらに好ましくは1〜10、特に好ましくは4〜9である。この範囲であると、殺菌効果が優れるとともに、低コストで製造できる。
本発明の液体殺菌洗浄剤の有効塩素(%)は、0.1〜12が好ましく、さらに好ましくは1〜10、特に好ましくは4〜9である。この範囲であると、殺菌効果が優れるとともに、低コストで製造できる。
有効塩素は、次亜塩素酸塩(B)の使用量で調整することができる。
所定の有効塩素(%)の液体殺菌洗浄剤を製造するために必要な次亜塩素酸塩(B)の使用量は、次亜塩素酸塩(B)の種類によって異なり、例えば、次のようにして決めることができる。
次亜塩素酸塩(B)が次亜塩素酸ソーダ塩の場合、所定の有効塩素(%)の1.05倍(NaClOとCl2との分子量比)を次亜塩素酸塩(B)の使用量とできる。
次亜塩素酸塩(B)が次亜塩素酸カリウム塩の場合、所定の有効塩素(%)の1.28倍(KClOとCl2との分子量比)を次亜塩素酸塩(B)の使用量とできる。
所定の有効塩素(%)の液体殺菌洗浄剤を製造するために必要な次亜塩素酸塩(B)の使用量は、次亜塩素酸塩(B)の種類によって異なり、例えば、次のようにして決めることができる。
次亜塩素酸塩(B)が次亜塩素酸ソーダ塩の場合、所定の有効塩素(%)の1.05倍(NaClOとCl2との分子量比)を次亜塩素酸塩(B)の使用量とできる。
次亜塩素酸塩(B)が次亜塩素酸カリウム塩の場合、所定の有効塩素(%)の1.28倍(KClOとCl2との分子量比)を次亜塩素酸塩(B)の使用量とできる。
カルボン酸ポリマー(C)としては、不飽和カルボン酸(塩)の単独重合体及び共重合体が含まれる。本発明において、「・・・酸(塩)」とは、「・・・酸」及び「・・・酸塩」を意味する。
カルボン酸ポリマー(C)が、不飽和カルボン酸塩の単独重合体又は共重合体の場合、塩としては、洗浄性等の観点から、アルカリ金属(ナトリウム及びカリウム等)塩及びアルカリ土類金属(カルシウム及びマグネシウム等)塩が好ましく、さらに好ましくはアルカリ金属塩、特に好ましくはナトリウム塩である。
カルボン酸ポリマー(C)が、不飽和カルボン酸塩の単独重合体又は共重合体の場合、塩としては、洗浄性等の観点から、アルカリ金属(ナトリウム及びカリウム等)塩及びアルカリ土類金属(カルシウム及びマグネシウム等)塩が好ましく、さらに好ましくはアルカリ金属塩、特に好ましくはナトリウム塩である。
不飽和カルボン酸(塩)としては、不飽和モノカルボン酸(塩)、不飽和ジカルボン酸(塩)モノアルキル(炭素数1〜4)エステル、不飽和多価(2〜4価)カルボン酸(塩)等が含まれる。共重合体の場合、これらの2種以上を併用してもよい。
不飽和モノカルボン酸(塩)としては、アクリル酸(塩)およびメタクリル酸(塩)等が含まれる。
不飽和ジカルボン酸(塩)モノアルキル(炭素数1〜4)エステルとしては、マレイン酸(塩)モノメチルエステル、マレイン酸(塩)モノエチルエステル、マレイン酸(塩)モノブチルエステル、フマル酸(塩)モノメチルエステルおよびイタコン酸(塩)モノメチルエステル等が含まれる。
不飽和多価(2〜4価)カルボン酸(塩)としては、マレイン酸(塩)、フマル酸(塩)、イタコン酸(塩)およびアコニット酸(塩)等が含まれる。
不飽和モノカルボン酸(塩)としては、アクリル酸(塩)およびメタクリル酸(塩)等が含まれる。
不飽和ジカルボン酸(塩)モノアルキル(炭素数1〜4)エステルとしては、マレイン酸(塩)モノメチルエステル、マレイン酸(塩)モノエチルエステル、マレイン酸(塩)モノブチルエステル、フマル酸(塩)モノメチルエステルおよびイタコン酸(塩)モノメチルエステル等が含まれる。
不飽和多価(2〜4価)カルボン酸(塩)としては、マレイン酸(塩)、フマル酸(塩)、イタコン酸(塩)およびアコニット酸(塩)等が含まれる。
これらのうち、洗浄性等の観点から、不飽和モノカルボン酸(塩)の単独重合体(ポリアクリル酸及びポリアクリル酸ナトリウム等)、及び不飽和モノカルボン酸(塩)と不飽和多価(2〜4価)カルボン酸(塩)との共重合体(アクリル酸/マレイン酸コポリマー及びアクリル酸/マレイン酸コポリマーのナトリウム塩等)が好ましく、さらに好ましくは不飽和モノカルボン酸塩の単独重合体、特に好ましくはポリアクリル酸ナトリウムである。
カルボン酸ポリマー(C)の重量平均分子量は6,000〜15,000が好ましく、さらに好ましくは7,000〜13,000、特に好ましくは8,000〜12,000である。重量平均分子量はゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により、ポリエチレングリコールを標準として、例えば、次の条件で測定される。
装置:HLC−8120GPC(東ソー株式会社)
カラム:TSKgelα−3000(東ソー株式会社)とTSKgelα−6000(東ソー株式会社)を直列に結合したカラム
カラム温度:40℃
展開溶媒:水/メタノール(容積比=70:30)+酢酸ナトリウム(0.5%)
流速:1.0(ml/min)
検出器:RI検出器
標準物質: TSK標準ポリエチレンオキシド(東ソー株式会社)
装置:HLC−8120GPC(東ソー株式会社)
カラム:TSKgelα−3000(東ソー株式会社)とTSKgelα−6000(東ソー株式会社)を直列に結合したカラム
カラム温度:40℃
展開溶媒:水/メタノール(容積比=70:30)+酢酸ナトリウム(0.5%)
流速:1.0(ml/min)
検出器:RI検出器
標準物質: TSK標準ポリエチレンオキシド(東ソー株式会社)
カルボン酸ポリマー(C)の使用量(重量%)は、苛性アルカリ(A)、次亜塩素酸塩(B)、カルボン酸ポリマー(C)、無機塩(D)及び水性媒体(E)の重量に基づいて、0.1〜5が好ましく、さらに好ましくは0.5〜4、特に好ましくは1〜3である。この範囲であると、油脂の乳化洗浄能がさらに優れる。
カルボン酸ポリマー(C)は、液体殺菌洗浄剤中では、カルボキシル基(−COOH)及びカルボキシラト基(−COO-)の少なくとも一方を有する。カルボキシル基とカルボキシラト基との間には次の式(1)で表される平衡反応が存在するため、カルボキシル基の数とカルボキシラト基の数との比は、液体殺菌洗浄剤のアルカリ性の強さに依存する傾向がある。
−COOH+OH- ⇔ −COO-+H2O (1)
すなわち、液体殺菌洗浄剤としてアルカリ性が強い(液体殺菌洗浄剤中の水酸化物イオン[OH-]濃度が高い)程、式(1)が右に偏り、カルボキシラト基が増加する傾向がある。
−COOH+OH- ⇔ −COO-+H2O (1)
すなわち、液体殺菌洗浄剤としてアルカリ性が強い(液体殺菌洗浄剤中の水酸化物イオン[OH-]濃度が高い)程、式(1)が右に偏り、カルボキシラト基が増加する傾向がある。
例えば、カルボン酸ポリマー(C)がポリアクリル酸の場合、液体殺菌洗浄剤中では、式(i)の反応により、カルボン酸ポリマー(C)はカルボキシル基以外にカルボキシラト基を有すると推定できる。
無機塩(D)としては、下記のアルカリ金属塩およびアルカリ土類金属塩等が挙げられる。
硝酸塩(D1);硝酸ナトリウム、硝酸カリウム、硝酸カルシウムおよび硝酸マグネシウムなど、
硫酸塩(D2);硫酸ナトリウム、硫酸カリウム、硫酸カルシウムおよび硫酸マグネシウムなど、
リン酸塩(D3);リン酸ナトリウム、リン酸カリウム、リン酸カルシウムおよびリン酸マグネシウムなど、
ケイ酸塩(D4);メタケイ酸ナトリウム、メタケイ酸カリウム、メタケイ酸カルシウムおよびメタケイ酸マグネシウムなど。
無機塩(D)のうち、凝固点及び油脂汚れの分散性の観点等から、硝酸塩(D1)、ケイ酸塩(D4)、およびこれらの併用が好ましく、さらに好ましくは硝酸塩(D1)、および硝酸塩(D1)とケイ酸塩(D4)との併用、特に好ましくは硝酸ナトリウム、および硝酸ナトリウムとメタケイ酸ナトリウムとの併用である。
硝酸塩(D1);硝酸ナトリウム、硝酸カリウム、硝酸カルシウムおよび硝酸マグネシウムなど、
硫酸塩(D2);硫酸ナトリウム、硫酸カリウム、硫酸カルシウムおよび硫酸マグネシウムなど、
リン酸塩(D3);リン酸ナトリウム、リン酸カリウム、リン酸カルシウムおよびリン酸マグネシウムなど、
ケイ酸塩(D4);メタケイ酸ナトリウム、メタケイ酸カリウム、メタケイ酸カルシウムおよびメタケイ酸マグネシウムなど。
無機塩(D)のうち、凝固点及び油脂汚れの分散性の観点等から、硝酸塩(D1)、ケイ酸塩(D4)、およびこれらの併用が好ましく、さらに好ましくは硝酸塩(D1)、および硝酸塩(D1)とケイ酸塩(D4)との併用、特に好ましくは硝酸ナトリウム、および硝酸ナトリウムとメタケイ酸ナトリウムとの併用である。
無機塩(D)の使用量(重量%)は、苛性アルカリ(A)、次亜塩素酸塩(B)、カルボン酸ポリマー(C)、無機塩(D)及び水性媒体(E)の重量に基づいて、0.5〜8が好ましく、さらに好ましくは1〜7、特に好ましくは2〜6である。この範囲であると、凝固点が充分に低く、油脂汚れの分散性がさらに優れる。
無機塩(D)は、液体殺菌洗浄剤中で、ほとんど完全にイオンに解離する。無機塩(D)がメ
タケイ酸イオンを含有する場合、メタケイ酸イオンはさらに加水分解(例えば、2SiO3 2-+H2O→Si2O5 2-+2OH-で表される反応)する傾向がある。
タケイ酸イオンを含有する場合、メタケイ酸イオンはさらに加水分解(例えば、2SiO3 2-+H2O→Si2O5 2-+2OH-で表される反応)する傾向がある。
水性媒体(E)としては、水、並びに水と親水性有機溶媒との混合溶媒等が含まれる。
混合溶媒の場合、混合溶媒中の親水性有機溶媒の含有量(重量%)は、混合溶媒の重量に基づいて、0.01〜20が好ましく、さらに好ましくは0.1〜10、特に好ましくは1〜5である。混合溶媒であると、コストが上昇するが、低温流動性が優れる傾向がある。
親水性有機溶媒としては、炭素数1〜4のアルコール(メタノール、エタノール及びブタノールなど)などが挙げられる。
水性媒体(E)のうち、コスト及び安全性等の観点から、水が好ましく、さらに好ましくはイオン交換水である。
混合溶媒の場合、混合溶媒中の親水性有機溶媒の含有量(重量%)は、混合溶媒の重量に基づいて、0.01〜20が好ましく、さらに好ましくは0.1〜10、特に好ましくは1〜5である。混合溶媒であると、コストが上昇するが、低温流動性が優れる傾向がある。
親水性有機溶媒としては、炭素数1〜4のアルコール(メタノール、エタノール及びブタノールなど)などが挙げられる。
水性媒体(E)のうち、コスト及び安全性等の観点から、水が好ましく、さらに好ましくはイオン交換水である。
水性媒体(E)の使用量(重量%)は、苛性アルカリ(A)、次亜塩素酸塩(B)、カルボン酸ポリマー(C)、無機塩(D)及び水性媒体(E)の重量に基づいて、64.4〜98.8が好ましく、さらに好ましくは70.5〜96.4、特に好ましくは76.5〜90.9である。
本発明の液体殺菌洗浄剤の凝固点(℃)は、−30〜−6が好ましく、さらに好ましくは−25〜−8、特に好ましくは−20〜−12である。この範囲であると、さらに低温での使用が可能となるため、厳寒地(例えば、気温が−30〜−6℃になる場所)でも使用できる。
凝固点は、無機塩(D)の含有量を増やすと低くなる傾向がある。一方、無機塩(D)を多くしすぎると、苛性アルカリ(A)、次亜塩素酸塩(B)、カルボン酸ポリマー(C)及び水性媒体(E)の使用量が相対的に減少するため、殺菌洗浄性が低下する傾向がある。したがって、苛性アルカリ(A)、次亜塩素酸塩(B)、カルボン酸ポリマー(C)、無機塩(D)及び水性媒体(E)の使用量を上記の範囲とすることが好ましい。
凝固点は、無機塩(D)の含有量を増やすと低くなる傾向がある。一方、無機塩(D)を多くしすぎると、苛性アルカリ(A)、次亜塩素酸塩(B)、カルボン酸ポリマー(C)及び水性媒体(E)の使用量が相対的に減少するため、殺菌洗浄性が低下する傾向がある。したがって、苛性アルカリ(A)、次亜塩素酸塩(B)、カルボン酸ポリマー(C)、無機塩(D)及び水性媒体(E)の使用量を上記の範囲とすることが好ましい。
本発明の殺菌洗浄剤は、苛性アルカリ(A)、次亜塩素酸塩(B)、カルボン酸ポリマー(C)、無機塩(D)及び水性媒体(E)を混合することにより得ることができる。
混合方法としては、特に限定されないが、次亜塩素酸塩(B)の安定性等の観点から、苛性アルカリ(A)、カルボン酸ポリマー(C)及び無機塩(D)を水性媒体(E)に混合させた後に、次亜塩素酸塩(B)を少量ずつ添加して混合する方法が好ましい。
なお、苛性アルカリ(A)、次亜塩素酸塩(B)、カルボン酸ポリマー(C)及び無機塩(D)は、それぞれ、水溶液を用いてもよい。苛性アルカリ(A)及び次亜塩素酸塩(B)は、濃度調整の容易さ等の観点から、水溶液を用いるのが好ましい。水溶液を使用する場合、水溶液中の水は、水性媒体(E)の一部となる。
混合装置としては、撹拌翼、万能混合機、プラネタリーミキサー及びビーズミル等が挙げられる。製造コスト等の観点からは、撹拌翼が好ましい。
撹拌翼としては、混合性等の観点から、ヘリカルリボン翼、ヘリカルスクリュウ翼、パドル翼及びヘリカルリボン翼等が好ましく、製造コスト等の観点から、さらに好ましくはパドル翼である。
混合方法としては、特に限定されないが、次亜塩素酸塩(B)の安定性等の観点から、苛性アルカリ(A)、カルボン酸ポリマー(C)及び無機塩(D)を水性媒体(E)に混合させた後に、次亜塩素酸塩(B)を少量ずつ添加して混合する方法が好ましい。
なお、苛性アルカリ(A)、次亜塩素酸塩(B)、カルボン酸ポリマー(C)及び無機塩(D)は、それぞれ、水溶液を用いてもよい。苛性アルカリ(A)及び次亜塩素酸塩(B)は、濃度調整の容易さ等の観点から、水溶液を用いるのが好ましい。水溶液を使用する場合、水溶液中の水は、水性媒体(E)の一部となる。
混合装置としては、撹拌翼、万能混合機、プラネタリーミキサー及びビーズミル等が挙げられる。製造コスト等の観点からは、撹拌翼が好ましい。
撹拌翼としては、混合性等の観点から、ヘリカルリボン翼、ヘリカルスクリュウ翼、パドル翼及びヘリカルリボン翼等が好ましく、製造コスト等の観点から、さらに好ましくはパドル翼である。
本発明の殺菌洗浄剤は、殺菌および洗浄を必要とする各種の用途の殺菌洗浄剤として使用できる。
本発明の殺菌洗浄剤の用途としては、例えば、各種の装置・器具用(例えば、食品製造用装置、搾乳装置および医療器具用)、住居用、浴室用および台所用として使用できる。
これらの用途のうち、特に低温で使用または保存されることの多い搾乳装置用の殺菌洗浄剤として使用することが本発明の殺菌洗浄剤の効果を特に発揮しやすいので好適である。
本発明の殺菌洗浄剤の用途としては、例えば、各種の装置・器具用(例えば、食品製造用装置、搾乳装置および医療器具用)、住居用、浴室用および台所用として使用できる。
これらの用途のうち、特に低温で使用または保存されることの多い搾乳装置用の殺菌洗浄剤として使用することが本発明の殺菌洗浄剤の効果を特に発揮しやすいので好適である。
本発明の殺菌洗浄剤を用いて搾乳装置を洗浄する殺菌洗浄方法について説明する。
大規模な酪農家などにおいては、乳牛から搾乳する場合に搾乳装置が使用されることが多い。搾乳システムとしては、ボランタリーミルキングシステムおよびターンスタイル・ロータリーミルキングシステム(デラバル株式会社製)などが挙げられ、これらのシステムにおけるバランスタンク、生乳輸送パイプ、搾乳ユニットおよびミルキングクラスタなどの各種ユニットは、搾乳後には牛乳が付着したままであるので、そのまま数時間または1日放置すると腐敗したり、各種の菌が発生しやすい。
従って、毎搾乳後または一定時間毎に搾乳システムを殺菌洗浄することが行われる。殺菌洗浄システムとしては、自動洗浄システムが使用されることが多く、例えば「ハイジニアスC200」および「ハイジニアスC300」(いずれもデラバル株式会社製)などの自動洗浄システムが使用できる。
本発明の殺菌洗浄剤は、例えば殺菌洗浄剤をそのまま、又は水で稀釈して(稀釈倍率は例えば2〜20倍)稀釈液を調製し、自動洗浄システムにセットされる。なお、殺菌洗浄剤の循環流量などは電子的制御され、モニタリングすることもできる。
大規模な酪農家などにおいては、乳牛から搾乳する場合に搾乳装置が使用されることが多い。搾乳システムとしては、ボランタリーミルキングシステムおよびターンスタイル・ロータリーミルキングシステム(デラバル株式会社製)などが挙げられ、これらのシステムにおけるバランスタンク、生乳輸送パイプ、搾乳ユニットおよびミルキングクラスタなどの各種ユニットは、搾乳後には牛乳が付着したままであるので、そのまま数時間または1日放置すると腐敗したり、各種の菌が発生しやすい。
従って、毎搾乳後または一定時間毎に搾乳システムを殺菌洗浄することが行われる。殺菌洗浄システムとしては、自動洗浄システムが使用されることが多く、例えば「ハイジニアスC200」および「ハイジニアスC300」(いずれもデラバル株式会社製)などの自動洗浄システムが使用できる。
本発明の殺菌洗浄剤は、例えば殺菌洗浄剤をそのまま、又は水で稀釈して(稀釈倍率は例えば2〜20倍)稀釈液を調製し、自動洗浄システムにセットされる。なお、殺菌洗浄剤の循環流量などは電子的制御され、モニタリングすることもできる。
<実施例>
以下に実施例および比較例を挙げて本発明を説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。実施例において、特に記載がない限り、%は重量%を意味する。
以下に実施例および比較例を挙げて本発明を説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。実施例において、特に記載がない限り、%は重量%を意味する。
<製造例1>
耐圧反応容器にイソプロピルアルコール850部及び水280部を仕込み、窒素置換した後密閉し、98℃に昇温した。このイソプロピルアルコールと水との混合溶媒を撹拌しながら、80%アクリル酸水溶液1160部及び4.2%過硫酸ナトリウム水溶液230部を、それぞれ別々の容器から3.5時間かけて同時に滴下した。滴下終了後、98℃でさらに1時間反応させた。引き続き、25℃に冷却して、30℃以下に保ちながら、水酸化ナトリウム48%水溶液1350部を添加して中和した後、さらに昇温して80〜85℃でイソプロピルアルコールを留去し、45%ポリアクリル酸ナトリウム(C1)水溶液を得た。ポリアクリル酸ナトリウム(C1)の重量平均分子量は8000であった。ポリアクリル酸ナトリウム水溶液の濃度は「JIS K4101−1993 9.2乾燥減量法」に準拠して、重量平均分子量は次の条件で、それぞれ測定した(以下同様)。
装置:HLC−8120GPC(東ソー株式会社)
カラム:TSKgelα−3000(東ソー株式会社)とTSKgelα−6000(東ソー株式会社)を直列に結合したカラム
カラム温度:40℃
展開溶媒:水/メタノール(容積比=70:30)+酢酸ナトリウム(0.5%)
流速:1.0(ml/min)
検出器:RI検出器
標準物質: TSK標準ポリエチレンオキシド(東ソー株式会社)
耐圧反応容器にイソプロピルアルコール850部及び水280部を仕込み、窒素置換した後密閉し、98℃に昇温した。このイソプロピルアルコールと水との混合溶媒を撹拌しながら、80%アクリル酸水溶液1160部及び4.2%過硫酸ナトリウム水溶液230部を、それぞれ別々の容器から3.5時間かけて同時に滴下した。滴下終了後、98℃でさらに1時間反応させた。引き続き、25℃に冷却して、30℃以下に保ちながら、水酸化ナトリウム48%水溶液1350部を添加して中和した後、さらに昇温して80〜85℃でイソプロピルアルコールを留去し、45%ポリアクリル酸ナトリウム(C1)水溶液を得た。ポリアクリル酸ナトリウム(C1)の重量平均分子量は8000であった。ポリアクリル酸ナトリウム水溶液の濃度は「JIS K4101−1993 9.2乾燥減量法」に準拠して、重量平均分子量は次の条件で、それぞれ測定した(以下同様)。
装置:HLC−8120GPC(東ソー株式会社)
カラム:TSKgelα−3000(東ソー株式会社)とTSKgelα−6000(東ソー株式会社)を直列に結合したカラム
カラム温度:40℃
展開溶媒:水/メタノール(容積比=70:30)+酢酸ナトリウム(0.5%)
流速:1.0(ml/min)
検出器:RI検出器
標準物質: TSK標準ポリエチレンオキシド(東ソー株式会社)
<製造例2>
重合温度98℃を103℃に変更した以外は製造例1と同様にして、45%ポリアクリル酸ナトリウム(C2)水溶液を得た。ポリアクリル酸ナトリウム(C2)の重量平均分子量は12000であった。
重合温度98℃を103℃に変更した以外は製造例1と同様にして、45%ポリアクリル酸ナトリウム(C2)水溶液を得た。ポリアクリル酸ナトリウム(C2)の重量平均分子量は12000であった。
<製造例3>
4.2%過硫酸ナトリウム水溶液230部を260部に変更した以外は製造例1と同様にして、45%ポリアクリル酸ナトリウム(C3)水溶液を得た。ポリアクリル酸ナトリウム(C3)の重量平均分子量は6000であった。
4.2%過硫酸ナトリウム水溶液230部を260部に変更した以外は製造例1と同様にして、45%ポリアクリル酸ナトリウム(C3)水溶液を得た。ポリアクリル酸ナトリウム(C3)の重量平均分子量は6000であった。
<製造例4>
4.2%過硫酸ナトリウム水溶液230部を210部に変更した以外は製造例1と同様にして、45%ポリアクリル酸ナトリウム水溶液(C4)水溶液を得た。ポリアクリル酸ナトリウム(C4)の重量平均分子量は15000であった。
4.2%過硫酸ナトリウム水溶液230部を210部に変更した以外は製造例1と同様にして、45%ポリアクリル酸ナトリウム水溶液(C4)水溶液を得た。ポリアクリル酸ナトリウム(C4)の重量平均分子量は15000であった。
<実施例1>
50%水酸化ナトリウム水溶液{和光純薬工業(株)製}7.2部{苛性ソーダとして3.6部}及びイオン交換水18.9部{これと、水酸化ナトリウム水溶液中の水3.6部、次亜塩素酸ナトリウム溶液中の水55.6部及びポリアクリル酸ナトリウム水溶液中の水2.4部とを合わせると、水として80.5部}を混合した後、これに、ポリアクリル酸ナトリウム(C1)水溶液4.4部{ポリアクリル酸ナトリウムとして2.0部}、硝酸ナトリウム{ナカライテスク(株)製;純度99.0%以上}4部及びメタケイ酸ナトリウム{ナカライテスク(株)}2部を添加し、混合して、水溶液を得た。引き続き、この水溶液に、次亜塩素酸ナトリウム水溶液{ナカライテスク(株)製、有効塩素13.5%}63.5部{次亜塩素酸ナトリウムとして7.9部}を少量ずつ滴下しながら、混合して、本発明の液体殺菌洗浄剤(1)を得た。
50%水酸化ナトリウム水溶液{和光純薬工業(株)製}7.2部{苛性ソーダとして3.6部}及びイオン交換水18.9部{これと、水酸化ナトリウム水溶液中の水3.6部、次亜塩素酸ナトリウム溶液中の水55.6部及びポリアクリル酸ナトリウム水溶液中の水2.4部とを合わせると、水として80.5部}を混合した後、これに、ポリアクリル酸ナトリウム(C1)水溶液4.4部{ポリアクリル酸ナトリウムとして2.0部}、硝酸ナトリウム{ナカライテスク(株)製;純度99.0%以上}4部及びメタケイ酸ナトリウム{ナカライテスク(株)}2部を添加し、混合して、水溶液を得た。引き続き、この水溶液に、次亜塩素酸ナトリウム水溶液{ナカライテスク(株)製、有効塩素13.5%}63.5部{次亜塩素酸ナトリウムとして7.9部}を少量ずつ滴下しながら、混合して、本発明の液体殺菌洗浄剤(1)を得た。
<実施例2〜10>
各配合成分及び使用量を、表1に記載した配合成分及び使用量に変更したこと以外、実施例1と同様にして、本発明の液体殺菌洗浄剤(2)〜(10)を得た。実施例7,9において、次亜塩素酸ナトリウム水溶液を全量滴下した後で、エタノール{試薬1級エタノール(ナカライテスク株式会社)}を全量添加して混合した。なお、実施例4,9において、苛性カリとしては、50%水酸化カリウム水溶液(和光純薬工業株式会社)を使用した。
各配合成分及び使用量を、表1に記載した配合成分及び使用量に変更したこと以外、実施例1と同様にして、本発明の液体殺菌洗浄剤(2)〜(10)を得た。実施例7,9において、次亜塩素酸ナトリウム水溶液を全量滴下した後で、エタノール{試薬1級エタノール(ナカライテスク株式会社)}を全量添加して混合した。なお、実施例4,9において、苛性カリとしては、50%水酸化カリウム水溶液(和光純薬工業株式会社)を使用した。
<比較例1>
各配合成分の使用量を、表1に記載した使用量に変更したこと以外、実施例1と同様にして、比較用の液体殺菌洗浄剤(H1)を得た。
各配合成分の使用量を、表1に記載した使用量に変更したこと以外、実施例1と同様にして、比較用の液体殺菌洗浄剤(H1)を得た。
<殺菌性及び洗浄性の評価>
殺菌性及び洗浄性の評価は、以下の試験方法で行った。なお、以下の試験に使用する薬品、材料及び器具については、「JIS Z2801:2000、5.2.2薬品、材料及び器具」に準拠したものを使用した。大腸菌培養液及びSCDLP寒天培地は、調整例1〜2で調整したものを使用した。
殺菌性及び洗浄性の評価は、以下の試験方法で行った。なお、以下の試験に使用する薬品、材料及び器具については、「JIS Z2801:2000、5.2.2薬品、材料及び器具」に準拠したものを使用した。大腸菌培養液及びSCDLP寒天培地は、調整例1〜2で調整したものを使用した。
<調整例1>
SCD培地「ダイゴ」(日本製薬)30gを精製水1リットルに加えてよく振り混ぜた後、加温溶解し、容器に分注後121℃で15分間高圧蒸気滅菌し、ここに大腸菌を1白金耳添加し、37℃で24時間培養し、大腸菌培養液とした。大腸菌培養液の菌数は107cfu/mlであった。なお、cfuはcolony forming unitを意味する単位である。
<調整例2>
SCDLP培地「ダイゴ」(日本製薬)48gを精製水1リットルに加えてよく振り混ぜた後、高圧蒸気殺菌した。殺菌後、寒天が固まる前(50〜60℃)にクリーンベンチ内でシャーレに分注し、静置し、固化したものをSCDLP寒天培地とした。
SCD培地「ダイゴ」(日本製薬)30gを精製水1リットルに加えてよく振り混ぜた後、加温溶解し、容器に分注後121℃で15分間高圧蒸気滅菌し、ここに大腸菌を1白金耳添加し、37℃で24時間培養し、大腸菌培養液とした。大腸菌培養液の菌数は107cfu/mlであった。なお、cfuはcolony forming unitを意味する単位である。
<調整例2>
SCDLP培地「ダイゴ」(日本製薬)48gを精製水1リットルに加えてよく振り混ぜた後、高圧蒸気殺菌した。殺菌後、寒天が固まる前(50〜60℃)にクリーンベンチ内でシャーレに分注し、静置し、固化したものをSCDLP寒天培地とした。
<殺菌性及び洗浄性の試験方法>
縦60mm×横20mm×厚さ1mmのガラスプレートをアルカリ洗剤(医療器具洗浄剤シカクリーンMI、東京化学株式会社)で洗浄し、純水ですすぎ洗いした後、乾熱殺菌器で殺菌処理(150℃、120分)した。
市販の牛乳(森永牛乳、森永乳業株式会社)50mlに調整例1で得た大腸菌培養液を50μl加えたものに、ガラスプレートを2〜3秒浸けた後、ガラスプレートをクリーンベンチ内で24時間乾燥させ、ガラスプレート上に大腸菌と乳膜を付着させ、これを試験片とした。
この試験片を本発明の殺菌洗浄剤又は比較用の殺菌洗浄剤の0.5%水溶液に15分間つけ置きし、その後室温(約25℃)の滅菌水(「JIS Z2801:2000、5.2.3(b)高圧蒸気殺菌」に準拠して高圧蒸気殺菌した水)10mlですすぎを施した。
このすすぎ液1mlを調整例2で得たSCDLP寒天培地に塗沫し、37℃で48時間培養後、コロニーカウンター(画像処理システム、システムサイエンス株式会社)でコロニー数を計測し、下記の判定基準により、殺菌性を評価した。また、洗浄後の試験片を目視にて観察し、下記の判定基準により洗浄性を評価した。
殺菌性判定基準 : ○:菌数0cfu/ml以上、10cfu/ml未満
△:菌数10cfu/ml以上、102cfu/ml未満
×:菌数102cfu/ml以上
洗浄性判定基準 : ○:乳膜が完全に落ちている
△:乳膜がわずかに残っている
×:乳膜が半分程度残っている
縦60mm×横20mm×厚さ1mmのガラスプレートをアルカリ洗剤(医療器具洗浄剤シカクリーンMI、東京化学株式会社)で洗浄し、純水ですすぎ洗いした後、乾熱殺菌器で殺菌処理(150℃、120分)した。
市販の牛乳(森永牛乳、森永乳業株式会社)50mlに調整例1で得た大腸菌培養液を50μl加えたものに、ガラスプレートを2〜3秒浸けた後、ガラスプレートをクリーンベンチ内で24時間乾燥させ、ガラスプレート上に大腸菌と乳膜を付着させ、これを試験片とした。
この試験片を本発明の殺菌洗浄剤又は比較用の殺菌洗浄剤の0.5%水溶液に15分間つけ置きし、その後室温(約25℃)の滅菌水(「JIS Z2801:2000、5.2.3(b)高圧蒸気殺菌」に準拠して高圧蒸気殺菌した水)10mlですすぎを施した。
このすすぎ液1mlを調整例2で得たSCDLP寒天培地に塗沫し、37℃で48時間培養後、コロニーカウンター(画像処理システム、システムサイエンス株式会社)でコロニー数を計測し、下記の判定基準により、殺菌性を評価した。また、洗浄後の試験片を目視にて観察し、下記の判定基準により洗浄性を評価した。
殺菌性判定基準 : ○:菌数0cfu/ml以上、10cfu/ml未満
△:菌数10cfu/ml以上、102cfu/ml未満
×:菌数102cfu/ml以上
洗浄性判定基準 : ○:乳膜が完全に落ちている
△:乳膜がわずかに残っている
×:乳膜が半分程度残っている
凝固点の測定方法:
殺菌洗浄剤の凝固点をJIS K0065−1992、化学製品の凝固点測定方法に従って測定した。凝固点が低い程、寒冷地での使用に適している。
殺菌洗浄剤の凝固点をJIS K0065−1992、化学製品の凝固点測定方法に従って測定した。凝固点が低い程、寒冷地での使用に適している。
本発明の液体殺菌洗浄剤は、従来の液体殺菌洗浄剤と同等の殺菌性及び洗浄性を有しながら、−5〜0℃では凝固することがなく、寒冷地での使用に好適である。一方、比較用の液体殺菌洗浄剤は、−2℃で凝固するため、寒冷地での使用には適さない。
本発明の液体殺菌洗浄剤は、搾乳装置を始めとする食品製造などの分野での液体殺菌洗浄剤として好適である。
Claims (2)
- 苛性アルカリ(A)、次亜塩素酸塩(B)、カルボン酸ポリマー(C)、無機塩(D)及び水性媒体(E)を混合して製造され、
苛性アルカリ(A)、次亜塩素酸塩(B)、カルボン酸ポリマー(C)、無機塩(D)及び水性媒体(E)の重量に基づいて、苛性アルカリ(A)の使用量が0.5〜10重量%、次亜塩素酸塩(B)の使用量が0.1〜12.6重量%、カルボン酸ポリマー(C)の使用量が0.1〜5重量%、無機塩(D)の使用量が0.5〜8重量%、水性媒体(E)の使用量が64.4〜98.8重量%であることを特徴とする液体殺菌洗浄剤。 - 搾乳装置用である請求項1に記載の液体殺菌洗浄剤。
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- 2006-04-19 JP JP2006115130A patent/JP2006321989A/ja active Pending
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