JP3956556B2 - 臭化テトラn−ブチルアンモニウム水和物系蓄熱材スラリーの製造方法および製造装置 - Google Patents

臭化テトラn−ブチルアンモニウム水和物系蓄熱材スラリーの製造方法および製造装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、空調設備等の蓄熱システムに好適に使用される蓄熱材スラリーの製造方法に係り、より具体的には、臭化テトラn−ブチルアンモニウムの水和物を含む蓄熱材の水中スラリーの製造方法および製造装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から、例えば空調設備等において各種蓄熱装置が使用されている。蓄熱装置は、例えば深夜電力や工場の廃熱等供給が不連続なエネルギーを蓄熱するために利用され、この蓄熱された冷熱を空調設備で利用することによりエネルギーの有効利用を図るものである。
【0003】
このような蓄熱装置として、氷を利用するものが知られている。氷を利用する蓄熱装置は、深夜電力等を用いて夜間に氷を製造しておき、この氷に蓄えられた冷熱を昼間に空調設備で利用するものである。この氷を利用する蓄熱装置は、水の顕熱を利用する蓄熱装置に比較すると、氷の潜熱により、より大量の冷熱を蓄熱し得るという利点を有する。しかしながら、氷は、これを製造するためには、水をその凝固点より十分に低い温度に冷却する必要がある一方、水の凝固点が低いので、冷凍機の成績係数が低下する。また、氷はその取り扱いや輸送等が困難であるので、装置が複雑かつ大型化するという問題点もある。
【0004】
これに対し、水和物を利用する蓄熱装置も知られている。水和物は、そのゲスト分子の種類やその他の条件を選択することにより、水の凝固点以上の温度で生成させることができ、水中において当該水和物の粒子のスラリーを形成し得る。このような水和物からなる蓄熱媒体として、例えば特開平2-203138号公報には包接水和物の1種である気体水和物が開示されている。しかしながら、この公報に記載された技術は、気体水和物を生成するための冷媒としてフロン系冷媒R11を使用している。このフロン系冷媒R11は、オゾン破壊係数が大きい物質であり、また大気圧下では、気体であるので、密閉容器を用いる必要があり、蓄熱装置が高価になるという問題がある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
従って、本発明は、特殊な冷媒を使用することなく、氷よりも高い温度で生成し得る水和物系蓄熱材の製造方法および製造装置を提供しようとするものである。
【0006】
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意研究した結果、蓄熱媒体として臭化テトラn−ブチルアンモニウムの水和物に着目し、その水和物の生成過程について調べたところ、臭化テトラn−ブチルアンモニウムの水溶液は、冷却過程で、水和数の比較的少ない第1水和物の生成を経て水和数の多い第2水和物を生成するところ、第2水和物はその保有熱量が第1水和物の保有熱量よりも有意に大きいことを見出した。
【0007】
そこで、本発明は、蓄熱材として臭化テトラn−ブチルアンモニウムの第2水和物をスラリーの形態で効率よく製造する方法および装置を提供することを課題とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、本発明は、臭化テトラn−ブチルアンモニウム水和物を含む蓄熱材スラリーの製造方法であって、臭化テトラn−ブチルアンモニウムを含有する水溶液を6kcal/時/kg以上の冷却速度で冷却し、水和数が異なる2種類の臭化テトラn−ブチルアンモニウム水和物を生成することを特徴とする蓄熱材スラリーの製造方法を提供する。また、本発明は、臭化テトラn−ブチルアンモニウム水和物を含む蓄熱材スラリーの製造方法であって、少なくとも臭化テトラn−ブチルアンモニウム水和物スラリーの生成初期に臭化テトラn−ブチルアンモニウムを含有する水溶液を6kcal/時/kg以上の冷却速度で冷却し、臭化テトラn−ブチルアンモニウムの第2水和物を生成することを特徴とする蓄熱材スラリーの製造方法を提供する。さらに、本発明は、臭化テトラn−ブチルアンモニウム水和物を含む蓄熱材スラリーの製造装置であって、臭化テトラn−ブチルアンモニウムを含有する水溶液を6kcal/時/kg以上の冷却速度で冷却し、水和数が異なる2種類の臭化テトラn−ブチルアンモニウム水和物を生成する熱交換器を備えることを特徴とする蓄熱材スラリーの製造装置を提供する。また、本発明は、臭化テトラn−ブチルアンモニウム水和物を含む蓄熱材スラリーの製造装置であって、臭化テトラn−ブチルアンモニウムを含有する水溶液を6kcal/時/kg以上の冷却速度で冷却し、水和数が異なる2種類の臭化テトラn−ブチルアンモニウム水和物を生成する熱交換器と、熱交換器により冷却されて生成した臭化テトラn−ブチルアンモニウムの第2水和物を含む水和物スラリーを蓄える蓄熱槽を備えることを特徴とする蓄熱材スラリーの製造装置を提供する。
【0009】
本発明において、臭化テトラn-ブチルアンモニウムを含有する水溶液は、臭化テトラn−ブチルアンモニウムを10から26重量%の濃度で含有することが好ましい。
【0010】
また、本発明において、臭化テトラn-ブチルアンモニウムを含有する水溶液は、5℃以上、8℃以下の温度に冷却することが好ましい。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明をより詳しく説明する。
【0012】
上に述べたように、本発明で使用する臭化テトラn-ブチルアンモニウム(以下、「TBAB」という。)の水溶液は、冷却過程において、水和数の少ない水和物(第1水和物)の生成を経て水和数のより多い水和物(第2水和物)を生成する。図1は、TBAB水溶液の濃度と温度の関数として第1水和物スラリーと第2水和物スラリーの生成状況を示すグラフであり、本発明者らの実験に基づくものである。図1から明らかなように、TBAB水溶液を冷却してゆくと、8℃以下の温度で第1水和物に加えて第2水和物が生成することがわかる。
【0013】
また、既述のように、TBABの第2水和物は、その保有熱量が、第1水和物の保有熱量よりも有意に大きい。図2は、TBAB濃度20重量%のTBAB水溶液を冷却して第1水和物と第2水和物とを生成させた場合の水和物スラリー温度に対する各水和物の保有熱量を示すグラフであり、本発明者らの実験に基づくものである。図2から、例えば6℃において、第1水和物スラリーの保有熱量が約14kcal/kgであるのに対し、第2水和物スラリーの保有熱量は、約27kcal/kgと有意に(この場合、約2倍)大きいことがわかる。
【0014】
すなわち、TBAB水和物を蓄熱材として使用する場合、第2水和物を効率的に生成させることが有利であることがわかる。
【0015】
このように、第2水和物は、TBAB水溶液が8℃以下の温度に冷却されると生成するが、TBAB水溶液が8℃以下となってもなお第1水和物が生成し続けるという第1水和物の過冷却現象が現れる。図3は、濃度17重量%のTBAB水溶液を冷却したときのTBAB水和物スラリーの生成過程を示すグラフであり、本発明者らの実験に基づいている。図3に見られるように、TBAB水溶液をほぼ12℃から冷却し始めると、約25分後にTBAB水溶液の過冷却が解除されて第1水和物スラリーが生成され、この第1水和物スラリーがさらに約3℃まで冷却される約100分後に第1水和物の過冷却が解除されて第2水和物が生成する。第1水和物スラリーの生成から第2水和物スラリーの生成へと移行する際、第1水和物スラリーの過冷却の程度が大きすぎると、TBAB水溶液を冷却する温度を低く設定する必要があり、冷凍機の成績係数が低下するので、それを補うために伝熱面積を大きくすることが必要となり、熱交換器の大型化、コスト増の要因となる。それ故、第1水和物の過冷却度を極力抑制して第2水和物を効率的に生成させることが有利である。
【0016】
本発明者らは、TBAB水溶液の冷却過程において、TBAB水和物スラリーの生成初期にTBAB水溶液を6kcal/時/kg以上の冷却速度で冷却することにより、第2水和物を効率よく生成することができることを見出した。
【0017】
本発明において、生成する水和物スラリーからなる蓄熱材の保有熱量の観点から、TBAB水溶液の濃度は、10から26重量%であることが特に好ましい。また、同様の観点から、TBAB水溶液は、8℃以下、5℃以上の温度まで冷却することが好ましい。TBAB濃度10から26重量%のTBAB水溶液を例えば一般的な蓄熱空調システムで利用されている温度域5〜12℃の範囲内にある12℃から上記冷却速度で8℃以下、5℃以上の温度まで冷却することによって得られるTBAB水和物スラリーは、水の蓄熱輸送密度の約2から4倍に相当する14から28Mcal/m3 の熱量を保有・輸送することができる。より具体的には、TBAB水溶液の初期濃度が10重量%〜22重量%の範囲にあり、TBABの第2水和物スラリーの温度が5℃である場合、当該スラリーは水の保有熱量の2倍に相当する保有熱量を有し、TBAB水溶液の初期濃度が18重量%〜26重量%の範囲にあれば、TBABの第2水和物スラリーの温度が8℃でも、当該スラリーは水の保有熱量の4倍に相当する保有熱量を有し得る。
【0018】
なお、本発明の蓄熱材スラリーには、温度調整のために、水よりも凝固点の低い物質(例えば、エチレングリコール等)を添加したり、循環系を構成する配管の腐食を防止するための腐食防止剤(例えば、亜硝酸ナトリウム、亜硫酸ナトリウム等)を添加したり、および/または配管圧損の低減のために界面活性剤(例えば、塩化ステアリルトリメチルアンモニウム、塩化セチルトリメチルアンモニウムなどの陽イオン系界面活性剤等)を添加することもできる。
【0019】
本発明によるTBAB水溶液の冷却は、TBAB水溶液に対して初めから行ってもよいし、第1水和物が生成された段階の初期から行ってもよい。
【0020】
図4は、本発明の方法を適用した蓄熱システムの一例を示すブロック図である。図4に示すように、この蓄熱システムは、冷凍機11、TBAB水和物を製造するための熱交換器12、蓄熱槽13を備える。冷凍機11と熱交換器12との間には、冷凍機11で冷却されたブライン水を熱交換器12へ供給するためのラインL1、および熱交換器12からの熱交換済ブライン水を冷凍機11へ循環させるためのラインL2が設けられている。ラインL1の途中には、ブライン水搬送用のポンプP1が設けられている。
【0021】
熱交換器12と蓄熱槽13は、ラインL3により接続され、その途中には、水和物判別器14が設けられ、その下流には、弁V1が設けられている。
【0022】
蓄熱槽13と熱交換器12は、ラインL4により接続され、その途中には、弁V2が設けられ、その下流には循環ポンプP2が設けられている。
【0023】
ラインL3には、判別器14と弁V1の間に、分岐ラインL5が設けられ、この分岐ラインL5は、弁V2と循環ポンプP2の間でラインL4に接続している。ラインL5の途中には、弁V3が設けられている。
【0024】
操作に当たり、冷凍機11で例えば2℃に冷却されたブライン水を熱交換器12に循環させる。同時に、蓄熱槽13に収容されているTBAB水溶液ASを循環ポンプP2の駆動によりライン4およびラインL3を介して熱交換器12、判別器14および蓄熱槽13に順次循環させる(第1の循環系統)。このTBAB水溶液の循環中に判別器14で水和物の生成状態を判別する。なお、熱交換されたブライン水は、冷凍機11に循環されて上記のように冷却される。
【0025】
生成した水和物が第1水和物であることが判別された場合、判別器14からの指令により弁V1およびV2を閉じ、弁3を開放する。こうして、第1水和物スラリーの蓄熱槽13への経路を遮断し、第1水和物スラリーをラインL4、ラインL3およびラインL5を介して熱交換器12および判別器14に循環させる(第2の循環系統)。このように循環系統を変更すると、第2の循環系統内のTBAB水溶液(スラリー)の量は、第1の循環系統内の量よりも少なくなるので、熱交換器12における単位質量当たりの冷却速度を大きくすることができるという効果を奏する。
【0026】
判別器14により第2水和物の生成が検出されたら、判別器からの指令により弁V1およびV2を開放し、弁V3を閉じることにより水和物スラリーの循環系統を前記第2の循環系統から第1の循環系統に変更する。かくして、この第2の循環系統内には、第2水和物が存在することとなり、熱交換器12内における水和物生成過程において第2水和物が速やかに生成され、TBAB水和物スラリーは蓄熱槽13に蓄えられる。こうして蓄えられたTBABは、昼間に、例えば空調設備において利用することができる。
【0027】
なお、判別器14は、例えば、第1水和物と第2水和物とで異なる値を示す物性を計測し得る計測器を備え、この測定器により測定された物性値を所定の閾値と比較してその閾値を超えたとき、すなわち第2水和物の生成が検出されたとき上記指令を行うものである。例えば、第1水和物の密度は、約1.08×103 kg/m3 であるのに対し、第2水和物の密度は、約1.03×103 kg/m3 であるので、上記計測器は密度計で構成することができる。また、第1水和物スラリーの固相割合は第2水和物スラリーの固相割合よりも有意に小さいので、両者は粘性において有意に異なるため、上記計測器は粘度計により構成することもできる。
【0028】
また、冷却速度は、ポンプP2によるTBAB水溶液の循環速度により制御することができる。
【0029】
本発明においては、既述のように、第1水和物の過冷却現象が生じないため、冷凍機の成績係数が向上するばかりでなく、TBAB水溶液を冷却するための冷却水(ブライン水)と生成水和物スラリーとの温度差を大きく維持できる。したがって、熱交換器における伝熱面積を小さくでき、熱交換器のコンパクト化やコスト削減に寄与し得る。また、本発明では、TBAB水溶液を5℃〜8℃の程度の温度まで冷却するだけでよいので、特殊な冷媒を使用する必要はなく、通常使用されている水やブライン水を冷却して使用することができる。さらに、本発明は、冷房用蓄熱空調システムで一般に利用されている温度域5〜12℃の範囲内で実施することができる。
【0030】
【実施例】
以下本発明を実施例により説明するが、本発明はそれらに限定されるものではない。
【0031】
実験例
TBAB濃度20重量%のTBAB水溶液を6kcal/時/kg以上の冷却速度で冷却し、生成水和物スラリーの温度を冷却時間に対して測定するとともに、生成水和物スラリー1kgあたりの交換熱量(kcal/時/kg)を測定した。結果を図5に示す。
【0032】
他方、比較として、同様のTBAB水溶液を2kcal/時/kgの冷却速度で冷却し、同様の測定を行った。結果を図6に示す。
【0033】
図5からわかるように、TBAB水溶液を6kcal/時/kg以上の冷却速度で冷却した場合、約30分経過後に第1水和物が生成し、その後冷却速度を6kcal/時/kg以上とすることにより、水和物スラリーの温度は8.3℃付近で約120分間にわたって同温度で一定温度となっており、その間に第1水和物スラリーの生成から第2水和物スラリーの生成に転移していることが示されている。すなわち、6kcal/時/kg以上の冷却速度で冷却すると、水和物スラリー生成の初期段階から第2水和物スラリーを製造することができる。第2水和物スラリーに完全に転移した後は、第2水和物スラリーの温度は低下してゆく。
【0034】
これに対し、図6に示すように、第1水和物スラリー生成後の冷却速度が2kcal/時/kgである場合、約80分経過後まで第1水和物スラリーの過冷却現象が明瞭に現れ、その後第1水和物スラリーの過冷却現象が解除されて第2水和物の生成過程に転移し、それ以降は図5の場合と同様の挙動を示す。
【0035】
【発明の効果】
以上述べたように、本発明によれば、特殊な冷媒を使用することなく、氷よりも高い温度で生成し得る水和物系蓄熱材の製造方法が提供される。特に本発明によれば、TBAB水溶液を特定の冷却速度で冷却することにより、第1水和物の過冷却現象を抑制して、熱保有量に優れたTBAB第2水和物を効率よく製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】TBAB水溶液の濃度と温度の関数として第1水和物スラリーと第2水和物スラリーの生成状況を示すグラフ。
【図2】TBAB濃度20重量%のTBAB水溶液を冷却して第1水和物と第2水和物とを生成させた場合の水和物スラリー温度に対する各水和物の保有熱量を示すグラフ。
【図3】濃度17重量%のTBAB水溶液を冷却したときのTBAB水和物スラリーの生成過程を示すグラフ。
【図4】本発明の方法を適用した蓄熱システムの一例を示すブロック図。
【図5】実験例における本発明の結果を示すグラフ。
【図6】実験例における比較の結果を示すグラフ。
【符号の説明】
11…冷凍機
12…熱交換器
13…蓄熱槽
14…判別器
L1〜L5…ライン
P1,P2…ポンプ
V1〜V3…弁
AS…TBAB水溶液

Claims (4)

  1. 臭化テトラn−ブチルアンモニウム水和物を含む蓄熱材スラリーの製造方法であって、臭化テトラn−ブチルアンモニウムを含有する水溶液を6kcal/時/kg以上の冷却速度で冷却し、水和数が異なる2種類の臭化テトラn−ブチルアンモニウム水和物を生成することを特徴とする蓄熱材スラリーの製造方法。
  2. 臭化テトラn−ブチルアンモニウム水和物を含む蓄熱材スラリーの製造方法であって、少なくとも臭化テトラn−ブチルアンモニウム水和物スラリーの生成初期に臭化テトラn−ブチルアンモニウムを含有する水溶液を6kcal/時/kg以上の冷却速度で冷却し、臭化テトラn−ブチルアンモニウムの第2水和物を生成することを特徴とする蓄熱材スラリーの製造方法。
  3. 臭化テトラn−ブチルアンモニウム水和物を含む蓄熱材スラリーの製造装置であって、臭化テトラn−ブチルアンモニウムを含有する水溶液を6kcal/時/kg以上の冷却速度で冷却し、水和数が異なる2種類の臭化テトラn−ブチルアンモニウム水和物を生成する熱交換器を備えることを特徴とする蓄熱材スラリーの製造装置。
  4. 臭化テトラn−ブチルアンモニウム水和物を含む蓄熱材スラリーの製造装置であって、臭化テトラn−ブチルアンモニウムを含有する水溶液を6kcal/時/kg以上の冷却速度で冷却し、水和数が異なる2種類の臭化テトラn−ブチルアンモニウム水和物を生成する熱交換器と、熱交換器により冷却されて生成した臭化テトラn−ブチルアンモニウムの第2水和物を含む水和物スラリーを蓄える蓄熱槽を備えることを特徴とする蓄熱材スラリーの製造装置。
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